JP6078336B2 - 光触媒担持体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は光触媒担持体およびその製造方法に関し、より詳細には軽量で、かつ取り扱いにあたり、光触媒フィルタ材料として、種々の形状または大きさを有する空間に対し変形自在に収容させることができる光触媒担持体およびその製造方法に関する。
二酸化チタンなどの光触媒を、細孔を有する基材に担持させた光触媒担持体が知られている。このような光触媒担持体は、例えばフィルタ材料として、太陽光などの光照射を通じて、汚染環境下にある汚染物質(悪臭成分となるガス、有機物質など)の分解除去を可能とし、空気浄化装置や水質浄化装置などの種々の分野に応用されている。
このような光触媒担持体については、例えば、セラミックスからなる多孔質体に光触媒酸化チタンを担持させることにより製造することができる(特許文献1〜3)。しかし、このようなセラミックス基材は硬質であるために、担持体の製造後になって収容する容器または取り付け箇所の形状・大きさに応じた変形が困難である。
これに対し、光触媒の担持後に収容する容器等の形状・大きさに合わせた変形を可能とするために、伸縮性、弾性、または柔軟性を包含する、いわゆる可撓性を有する多孔質基材を用いて光触媒酸化チタンを当該基材に担持する方法が知られている。
これには、例えば、製膜対象物に光触媒酸化チタンをスパッタリング方法で担持する技術(特許文献4)、ウレタンスポンジ等に直接光触媒酸化チタンを混入させる技術(特許文献5)、紙パルプに光触媒酸化チタンを固定する技術(特許文献6)を挙げることができる。
しかし、これらに使用する多孔質体(基材)は、その可撓性を達成するためいずれも有機物質で構成されている。その結果、所定時間光に曝されると、担持した光触媒によって基材自体の分解も進行し、担持した光触媒が脱落する、担持体自体が崩壊する、などの製品としての品質保持が難しいという問題がある。
さらに、多孔質ガラス繊維などの短繊維に光触媒酸化チタンを付着させてこれを浄化装置に用いる技術(特許文献7)も知られている。しかし、特許文献7に記載される浄化装置ではガラス繊維の構造体群を通過する流体の圧力損失が大きくなるという別の問題が存在する。
特開2003−119085号公報 特開2003−053194号公報 特開2004−351381号公報 特開2003−342722号公報 特開2001−190470号公報 特開2001−310126号公報 特開2004−160452号公報
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、光触媒の担持後も収容する容器等の形状・大きさに応じて任意に変形可能であり、光触媒機能による、担持した光触媒の脱落や担持体自体の崩壊が回避され、かつフィルタ材料としての圧力損失も低減された光触媒担持体およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、金属が被覆された可撓性多孔質体に光触媒が担持されている、光触媒担持体である。
1つの実施態様では、上記光触媒は、二酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム、および酸化鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物である。
1つの実施態様では、上記光触媒は、全体質量に対して0.05質量%から50質量%の担持量を有する。
1つの実施態様では、上記金属は、チタン、銅、銀、金、白金、ニッケル、錫、亜鉛、タングステン、ルテニウム、およびストロンチウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属である。
1つの実施態様では、上記可撓性多孔質体はスポンジ状構造体を有する。
本発明はまた、光触媒担持体の製造方法であって、
可撓性多孔質体に金属を被覆して、被覆多孔質体を得る工程;および
該被覆多孔質体に、光触媒を付与する工程;
を包含する、方法である。
1つの実施態様では、上記光触媒の付与は、スパッタリング法、真空蒸着法、溶射法、ゾルゲル法、スプレーコーティング法、またはディップコーティング法により行われる。
1つの実施態様では、上記光触媒は、二酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム、および酸化鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物である。
1つの実施態様では、上記光触媒は、全体質量に対して0.05質量%から50質量%の担持量を有する。
1つの実施態様では、上記金属は、チタン、銅、銀、金、白金、ニッケル、錫、亜鉛、タングステン、ルテニウム、およびストロンチウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属である。
1つの実施態様では、上記可撓性多孔質体がスポンジ状構造体を有する。
本発明によれば、軽量であり、取り扱いにあたり、種々の形状または大きさを有する空間に対し変形自在に収容させることができる光触媒フィルタ材料を提供することができる。本発明の光触媒担持体は、光触媒機能による担持した光触媒の脱落や担持体自体の崩壊を回避し、かつフィルタ材料として使用する際の圧力損失を低減することができる。
本発明の光触媒担持体を構成する可撓性多孔質体であって、スポンジ状構造体でなる可撓性多孔質体の一例を説明するための写真である。
以下、本発明について詳述する。
本発明の光触媒担持体は、金属が被覆された可撓性多孔質体に光触媒が担持されている。
本発明を構成する可撓性多孔質体は、例えば、有機樹脂、有機系または無機系ゴム、および/または有機系繊維から構成される多孔質の構造体である。
有機樹脂の例としては、必ずしも限定されないが、ポリウレタンなどのウレタン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド等のポリアミド系樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられる。有機ゴムの例としては、必ずしも限定されないが、天然ゴム、合成ゴム(例えば、クロロピレンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、イソブレンゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、またはブチルゴムあるいはこれらの組合せ)もしくはこれらの組合せが挙げられる。あるいは、フッ素ゴム、シリコーンゴムのような無機系ゴムが使用されてもよい。有機系繊維の例としては、天然有機系繊維(例えば、綿、麻またはリンネルのような植物繊維、ウール、シルクまたはカシミアのような動物繊維、あるいはこれらの組合せ)、合成有機系繊維(例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、あるいはこれらの組合せ)もしくはこれらの組合せが挙げられる。あるいは、合成有機系繊維の具体的な例としては、ゴアテックス(登録商標)が挙げられる。
可撓性多孔質体の例としては、スポンジ状を有し一体的に成形されたスポンジ状構造体;布帛(例えば、不織布、織物、または編物)あるいはメッシュ状構造体などの交絡体;ならびにこれらの組合せが挙げられる。交絡体が使用される場合は、これらを複数枚積層して立体的形状を有するように加工したものを使用してもよい。本発明においては、汎用性に優れる点で、スポンジ状構造体を用いることが好ましい。
次に、上記可撓性多孔質体として用いることができるスポンジ状構造体の一例を図1に示す。
図1は、本発明の光触媒担持体を構成する可撓性多孔質体であって、スポンジ状構造体でなる可撓性多孔質体の一例を説明するための写真である。
図1に示されるように、本発明を構成し得るスポンジ状構造体は、細い骨格部分が周囲と結合した構造を有することにより無数の連続した細孔を形成している。
上記のようなスポンジ状構造体は、以下のような特徴を有していることが好ましい。
本発明において、スポンジ状構造体は、例えば、0.02g/cm〜0.06g/cmのかさ密度を有する。かさ密度がこのような範囲を満たすことにより、当該構造体は細い骨格かつ高い空孔率で構成される一方、光触媒フィルタ材料として使用する際のフィルタ表面積が充分に保持される。その結果、光触媒が担持される面も充分に保持され、光触媒による汚染物質の吸着および分解性能が向上する。さらにこのような範囲によってフィルタ材料としての圧力損失も低減することができる。スポンジ状構造体のかさ密度は、当業者に周知の方法(例えば、液中秤量法)で測定することができる。
本発明においてスポンジ状構造体は、例えば80%〜98%の空孔率を有する。当該構造体の空孔率が80%を下回ると、構造体を構成する骨格が太くなるため、構造体内部まで光が届かず、光触媒フィルタ材料として充分な光触媒機能を発揮することができないおそれがある。また、フィルタとしての圧力損失も大きくなるおそれもある。空孔率が98%を超えると、構造体を構成する骨格が細くなりすぎて、後述の金属および/または光触媒が付与しにくくなり、かつ構造体自体の骨格強度が低下するおそれもある。スポンジ状構造体の空孔率は、当業者に周知の方法(例えば、液中秤量法)で測定することができる。
本発明においてスポンジ状構造体は、例えば0.1mm〜2mmの骨格部分の太さ(骨格の太さ)を有する。当該構造体の骨格が0.1mmを下回ると、フィルタ材料としての強度が不足するとともに、光触媒の担持量が制限されることにより、得られた担持体が、光触媒フィルタ材料として充分に機能し得ないおそれがある。当該構造体の骨格が2mmを超えると、構造体内部に光が届きにくくなり、担持される光触媒の機能を充分に発揮することができない、フィルタとしての圧力損失が大きくなるというおそれがある。スポンジ状構造体の骨格は、ノギス、マイクロスコープ等の当業者に周知の寸法測定手段を用いて測定することができる。
本発明においてスポンジ状構造体では、細孔の平均直径が、例えば0.5mm〜5mmである。あるいは例えば6メッシュから60メッシュである。このような細孔を有していることにより、構造体内に光が届くため、担持される光触媒の機能を一層発揮することができる。さらに、フィルタとしての圧力損失を低下することができる。これらはノギス、マイクロスコープ等の当業者に周知の寸法測定手段を用いて測定または算出することができる。
上記特徴を有するスポンジ状構造体を使用することにより、本発明の光触媒担持体は、このスポンジ状構造に起因する多くの空孔を形成して構成される。その結果、照射されるUV光が表面だけでなく内部まで届き、光触媒フィルタ材料としての汚染物質に対する優れた吸着・分解性能が一層発揮されるとともに、フィルタとしての圧力損失も低減される。
可撓性多孔質体への金属の被覆は、当業者に周知の方法にて行われる。当該被覆の例としては、スパッタリングまたは湿式メッキが挙げられる。
スパッタリングの一例について説明すると、上記可撓性多孔質体に対し、例えば、DCマグネトロンスパッタリングまたはRFマグネトロンスパッタリングによるスパッタリングが行われる。使用可能なガス種の例としては、Ar、XeまたはKrが挙げられる。付与圧力は必ずしも限定されないが、例えば低真空下にて、好ましくは1×10〜1×10−4Paが設定され得る。
湿式メッキは例えば、以下のようにして行われる:上記可撓性多孔質体に対し、表面に付着している油脂等を脱脂し、エッチングにより表面が粗化される。次いで、無電解メッキの核となる触媒金属(Pd−Sn錯体)を吸着させて、溶解させたSn塩の酸化還元反応により金属Pdが生成する。その後、メッキ液中の還元剤が触媒活性なPd表面で酸化されるときに放出される電子によってNiイオンが還元され、メッキ皮膜が生成される。
上記被覆される金属の種類もまた特に限定されないが、例えば、チタン、銅、銀、金、白金、ニッケル、錫、亜鉛、タングステン、ルテニウム、またはストロンチウム、あるいはこれらの組合せが挙げられる。特に、後述する光触媒として酸化チタン(二酸化チタン)が使用される場合は、上記被覆される金属としてチタンを採用することが好ましい。光触媒酸化チタンと上記チタンとのそれぞれのTi原子の間に強い結合が生じ、強固な担持が達成され得ることが期待できるためである。
こうして所定の金属が被覆された被覆多孔質体が得られる。なお、この被覆多孔質体において、上記可撓性多孔質体上に担持された金属の担持量は、被覆多孔質体全体の質量を基準として、例えば0.1質量%から20質量%である。この金属担持量が0.1質量%を下回ると、可撓性多孔質体上に上記金属で構成される皮膜が充分に形成れず、後述する光触媒の担持により可撓性多孔質体が徐々に崩壊し、品質の優れた光触媒フィルタ材料を提供することが困難になるおそれがある。一方、この金属担持量が20質量%を上回ると、製造コストが上昇する一方で、多孔質体本来の可撓性が損なわれるおそれがある。また、このように被覆される上記金属皮膜の膜厚は、例えば10nm〜200nmである。安定した品質を提供することができるとの理由から、膜厚のバラツキが抑えられ、場所を問わずほぼ一定の膜厚を有していることが好ましい。
本発明の光触媒担持体は、上記金属が被覆された可撓性多孔質体(被覆多孔質体)に光触媒が担持されたものである。
本発明を構成し得る光触媒は、当該分野にて公知の光触媒機能を発揮し得る金属酸化物であり、例えば、アナターゼ型二酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム、および酸化鉄、ならびにこれらの組合せが挙げられる。光触媒としての優れた機能を発揮し、かつ汎用性が高いという理由から、アナターゼ型二酸化チタンを用いることが好ましい。
なお、本願明細書において「アナターゼ型二酸化チタン」または「アナターゼ型酸化チタン」とは、光触媒機能を有する二酸化チタンを総称するものであって、アナターゼ型を有する二酸化チタン以外に、ルチル型の二酸化チタンが含有することを排除するものではなく、アナターゼ型の二酸化チタンを主成分とする限りにおいて、ルチル型が微量に含有される場合をも包含していう。
本発明において、アナターゼ型二酸化チタンは、例えば、スパッタリング装置を用いて不活性ガス(例えばAr)とOガス雰囲気下において、金属チタンターゲットをスパッタリングすることで得られる光触媒である。
本発明の光触媒担持体において、上記光触媒の担持量は、全体質量に対して好ましくは0.05質量%から50質量%、より好ましくは5質量%から20質量%である。光触媒の担持量が0.05質量%を下回ると、担持体自体が充分な光触媒機能を発揮することができず、光触媒フィルタ材料、ひいては汚染物質に対して満足し得る吸着分解性能を提供することができないおそれがある。光触媒の担持量が50質量%を上回ると、製造コストが上昇する一方で、担持体自体の光触媒機能にそれ以上の向上が見られず、かつ多孔質体本来の可撓性が損なわれるおそれがある。
さらに、本発明の光触媒担持体における担持された光触媒の厚みは、例えば、10nm〜500nmである。光触媒は担持体の全体にわたって、あるいは光触媒が有する機能を充分に発揮するために担持体(またはフィルタ)として光曝露の影響を受け易い部分において、均一に分散して担持されていることが好ましい。
本発明において、上記金属が被覆された可撓性多孔質体(被覆多孔質体)への光触媒の担持は、スパッタリング法、真空蒸着法、溶射法、ゾルゲル法、スプレーコーティング法、またはディップコーティング法などの従来の光触媒の担持に使用される任意の方法を採用することができる。本発明においては、上記金属被覆と光触媒担持とを同一プロセスで完了することができるという理由から、スパッタリング法を用いることが好ましい。
本発明において、上記被覆多孔質体への光触媒のスパッタリングにおいて、ガス種としてはOとArとの組合せ、XeまたはKrが挙げられる。付与圧力は必ずしも限定されないが、例えば低真空下にて、好ましくは1×10〜1×10−4Paが設定され得る。酸素を使用する際、その分圧には、好ましくは1×10〜1×10−4Paが設定され得る。
本発明の光触媒担持体は、汚染物質を分解または吸着するための光触媒フィルタとして水浄化装置、空気浄化装置などにそのまま使用することができる。本発明の光触媒担持体は、使用する多孔質体が固有に有する可撓性を保持しているため、担持体自体も可撓性を有し、収容される容器や取りつけ場所の大きさ・形状に合わせて変形させることも可能である。さらに、可撓性多孔質体には、上記被覆された金属皮膜を解して光触媒が担持されているため、光触媒の機能によって担持体自体が分解し崩壊する可能性が排除され得る。その結果、本発明の光触媒担持体は、長期にわたって安定した光触媒機能を発揮することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
複数個の100mm×100×20mm(高さ)のポリウレタン製スポンジ構造体(かさ密度0.025g/cm、質量5g、比重1.2、空孔率97%、骨格太さ平均0.8mm、細孔径平均1.2mm、メッシュ#13)にDC/RFマグネトロンスパッタリング装置(型番:14−134PF/株式会社ユーテック製)にてアルゴン雰囲気下、8.0×10−1Paにて金属チタンのスパッタリングをそれぞれ行った。全体質量に対し、金属チタンの担持量が5質量%であり、平均厚みが20nmである被覆多孔質体を得た。
次いで、この被覆多孔質体に、DC/RFマグネトロンスパッタリング装置(型番:14−134PF/株式会社ユーテック製)にて酸素およびアルゴン雰囲気下、8.0×10−1Pa(酸素分圧:4.0×10−1Pa)にて金属チタンのスパッタリングを行い、アナターゼ型二酸化チタンを担持させた。全体質量に対し、アナターゼ型光触媒の担持量が10質量%であり、平均厚みが50nmである担持体サンプルE1を得た。
得られたサンプルE1のうちの1個について、指で押して圧縮変形させた。その後、押すのを止めたところ、サンプルE1は元の状態まで復元し、担持体の破壊および二酸化チタンの脱落がなかったことを確認した。また、圧縮破壊変位(%)を引張圧縮試験機で圧縮することにより測定した。得られた結果を表1に示す。
次に、上記で得られたサンプルE1のうち他の1つについて、JIS R 1701−2に従って、アセトアルデヒド除去率(%)およびCO転換率(%)を測定した。得られた結果を表1に示す。
さらに、上記で得られたサンプルE1のうちの他の1つについて、JIS B 9908形式1に従って、圧力損失の評価を行った。本実施例で得られたサンプルの圧力損失は、例えば0.05m/分(5L/分)にて0.02Paであった。異なる風量での圧力損失の結果と合わせて表2に示す。
なお、表2では、多孔質体の代わりにガラス繊維を使用した特開2004−160452号公報(特許文献7)の段落番号0041および0042の記載より算出される圧力損失(310−290=20(Pa))結果を比較のために記載する。
また、上記で得られたサンプルE1のうちの他の1つについて、超音波洗浄機(28kHz,45kHz,100kHz(出力150W〜600W)、型番:VS−100III、株式会社ヴェルヴォクリーア製)を用いて、30分間超音波振動を付与した。しかし、超音波振動によってサンプルE1から光触媒の剥離が生じていないことを確認した。
(比較例1)
フェノール樹脂の炭素化による炭素とシリコンとの原子比が5:3になる割合にフェノール樹脂とシリコン粉末との混合量を設定し、エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、シリコンの粒径を小さくするため1日間ボールミルで混合した。このスラリーを、複数個の100mm×100×20mm(高さ)のポリウレタン製スポンジ構造体(かさ密度0.025g/cm、質量5g、比重1.2、空孔率97%、骨格太さ平均0.7mm、細孔径平均1.2mm、メッシュ#13)に含浸し、スラリー液が空孔を塞がない程度に絞った後、乾燥させた。
次いで、このスポンジをアルゴン雰囲気下で1000℃、1時間焼成して炭素化した。得られた炭素質の多孔質体を、真空中、1450℃、1時間で反応焼結とシリコン溶融含浸を同時に行った。
この多孔質体を大気中で1000℃、1時間の条件で加熱して酸化することにより、多孔質体の表面にSiO層を形成した。多孔質体とSiO層との境界にはSiC酸化拡散層が形成され、SiO層は自然酸化膜と比較して強固なものであった。
上記のように酸化処理された多孔質体を、SiO層上にTiOスラリをディップコーティング、乾燥した上で、大気中で1000℃、1時間の条件で熱処理して、SiO層上にSiOおよびTiOが拡散する固溶体層を形成した。TiOスラリとしては、TiO濃度10%の市販TiOゾル(テイカ株式会社製「TKC−303」)をTiO濃度が2%となるように希釈したものを使用した。
さらに得られた多孔質体を、二酸化チタンスラリー(一次粒子径21nm、比表面積50m/gのルチル型を含みアナターゼ型を主成分とする二酸化チタン粉末を純水に分散させた水スラリーであり、二酸化チタン粉末30gを純水270gに添加してボールミルにより16時間撹拌することによって得られたものである)にディップコーティングし、乾燥させた後、600℃で1時間熱処理することにより、担持体サンプルC1を得た。
得られたサンプルC1のうちの1個について、実施例1と同様にして圧縮変形させた。サンプルC1は僅かな変位で崩壊し、担持した二酸化チタンの崩壊も認められた。また、実施例1と同様にして圧縮破壊変位(%)を測定した。得られた結果を表1に示す。
次に、上記で得られたサンプルC1のうち他の1つについて、実施例1と同様にして、アセトアルデヒド除去率(%)およびCO転換率(%)を測定した。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)とアルミナ(Al)の混合物を主成分とする、複数個の100mm×100×20mm(高さ)の、セラミック多孔質体(株式会社ブリヂストン製、かさ密度0.4g/cm、質量80g、比重2.8、空孔率86%、骨格太さ平均1.2mm、細孔径平均3.2mm、メッシュ#6)を用い、これを電気炉にて550℃で1時間予熱焼成し、放置下で冷却した後、坩堝に入れた。これを、アナターゼ型二酸化チタン微粒子(平均粒径27nm)1.70重量%、ペルオキソチタン酸0.26質量%、水98.05質量%を含有する処理液に約5分間全面浸漬し、60℃の熱風循環式オーブンで乾燥した。乾燥後、全面浸漬5分、乾燥をさらに2回繰り返した後、電気炉にて400℃で1時間焼成した。その後、電気炉内の温度が常温まで低下した後、多孔質体を取り出した。このようにして担持体サンプルC2を得た。
得られたサンプルC2のうちの1個について、実施例1と同様にして圧縮変形させた。サンプルC2は僅かな変位で崩壊し、担持した二酸化チタンの崩壊も認められた。また、実施例1と同様にして圧縮破壊変位(%)を測定した。得られた結果を表1に示す。
次に、上記で得られたサンプルC2のうち他の1つについて、実施例1と同様にして、アセトアルデヒド除去率(%)およびCO転換率(%)を測定した。得られた結果を表1に示す。
(比較例3)
炭化珪素−アルミナセラミック複合体(炭化珪素セラミック多孔質体の上に50μm〜150μmのアルミナ膜が形成されたもの)で構成される、複数個の100mm×100×20mm(高さ)の、多孔質体(盛和工業株式会社製、かさ密度0.51g/cm、質量102g、比重3.2、空孔率84%、骨格太さ平均1.5mm、細孔径平均3.9mm、メッシュ#6)に、金属アルコキシド・二酸化チタンコート液(TiO 5%、金属アルコキシド1.25%)を塗布し、100℃前後で1時間乾燥後、焼成炉において450℃で1時間焼成することにより担持体サンプルC3を得た。
得られたサンプルC3のうちの1個について、実施例1と同様にして圧縮変形させた。サンプルC3は僅かな変位で崩壊し、担持した二酸化チタンの崩壊も認められた。また、実施例1と同様にして圧縮破壊変位(%)を測定した。得られた結果を表1に示す。
次に、上記で得られたサンプルC3のうち他の1つについて、実施例1と同様にして、アセトアルデヒド除去率(%)およびCO転換率(%)を測定した。得られた結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1と同様のポリウレタン製スポンジ構造体に対し、金属チタンのスパッタリングを行わず、そのまま、スパッタリングによりアナターゼ型二酸化チタンの担持を行ったこと以外は、実施例1と同様にして担持体サンプルC4を得た。
得られたサンプルC4のうちの1個について、UVランプ(20W;(型番)FL20S・BL−B;パナソニック株式会社製)を照射した。照射開始から担持体C4の表面状態の経過を1ヶ月おきに観察した。ランプの照射を続けていると、スポンジが徐々に崩壊し、担持体C4から光触媒が脱落する様子を確認した。
Figure 0006078336
Figure 0006078336
表1に示すように、実施例1で得られた担持体サンプルE1は、圧力破壊変形、アセトアルデヒド除去率およびCO転換率の全てに対して、比較例1〜3で作製された担持体サンプルC1〜C3よりも優れていることがわかる。また、表2に示すように、実施例1で得られた担持体サンプルE1は、担持する基材としてガラス繊維を用いた特開2004−160452号公報に記載のものよりも、圧力損失(Pa)が極めて小さく、フィルタ材料としてより適したものであることがわかる。
本発明によれば、汚染物質の分解、吸着などの浄化性能に優れた光触媒フィルタ材料を効率よく製造することができる。本発明の光触媒担持体は、例えば水浄化装置、空気浄化装置等のフィルタとして有用である。

Claims (11)

  1. 金属が被覆された可撓性多孔質体に光触媒が担持されている、光触媒担持体であって、
    該金属がチタンであり、そして該光触媒が二酸化チタンである、光触媒担持体。
  2. 前記光触媒が、全体質量に対して0.05質量%から50質量%の担持量を有する、請求項1に記載の光触媒担持体。
  3. 前記可撓性多孔質体がスポンジ状構造体を有する、請求項1または2に記載の光触媒担持体。
  4. 前記スポンジ状構造体が80%から98%の空孔率を有する、請求項3に記載の光触媒担持体。
  5. 前記スポンジ状構造体が0.02g/cm から0.06g/cm のかさ密度を有する、請求項3に記載の光触媒担持体。
  6. 光触媒担持体の製造方法であって、
    可撓性多孔質体に金属を被覆して、被覆多孔質体を得る工程;および
    該被覆多孔質体に、光触媒を付与する工程;
    を包含し、
    該金属がチタンであり、そして該光触媒が二酸化チタンである、方法。
  7. 前記可撓性多孔質体への金属の被覆がスパッタリング法により行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記被覆多孔質体への前記光触媒の付与が、スパッタリング法、真空蒸着法、溶射法、ゾルゲル法、スプレーコーティング法、またはディップコーティング法により行われる、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記被覆多孔質体への前記光触媒の付与が、スパッタリング法により行われる、請求項6または8に記載の方法。
  10. 前記光触媒が、全体質量に対して0.05質量%から50質量%の担持量を有する、請求項6から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記可撓性多孔質体がスポンジ状構造体を有する、請求項6から10のいずれかに記載の方法。
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