JP4298593B2 - 光触媒担持体及びその製造方法 - Google Patents

光触媒担持体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4298593B2
JP4298593B2 JP2004172872A JP2004172872A JP4298593B2 JP 4298593 B2 JP4298593 B2 JP 4298593B2 JP 2004172872 A JP2004172872 A JP 2004172872A JP 2004172872 A JP2004172872 A JP 2004172872A JP 4298593 B2 JP4298593 B2 JP 4298593B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
layer
photocatalyst carrier
photocatalyst
examples
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004172872A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005349309A (ja
Inventor
サンチョリ ムン
昭 藤嶋
哲也 志知
淳 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Japan Railway Co
Original Assignee
Central Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Japan Railway Co filed Critical Central Japan Railway Co
Priority to JP2004172872A priority Critical patent/JP4298593B2/ja
Publication of JP2005349309A publication Critical patent/JP2005349309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4298593B2 publication Critical patent/JP4298593B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、例えば、光触媒作用により、防汚、防臭、抗菌等の機能を奏する環境浄化装置に用いられる光触媒担持体、及びその製造方法に関する。
従来より、酸化チタン等の酸化物光触媒は、光触媒作用により、防汚、防臭、抗菌作用等の機能を奏することが知られている。
その光触媒作用の発現機構は、以下のものである。すなわち、酸化物光触媒に、バンドギャップに相当するエネルギーを持つ光を照射すると、光励起により伝導帯に電子を生じるとともに、価電子帯に正孔を生じる。このようにして生じた電子は強い還元作用を示し、また、正孔は強い酸化作用を示す。これらの酸化還元作用が、光触媒上に付着した有機物や窒素化合物等を水や炭酸ガスなどに分解する。
近年、上記の酸化物光触媒の防汚、防臭、抗菌等の機能を利用した環境浄化方法、環境浄化装置が注目されている。
ところで、酸化物光触媒は通常粉末状であるので、環境浄化装置に組み込むためには、何らかの方法で酸化物光触媒を基材上に固定化する必要がある。固定方法としては、以下の法が知られている。
化物光触媒と溶媒とを混合して成るコーティング剤を基材上に塗布した後、高
温で加熱し、基材上に酸化物光触媒を固定化する(特許文献参照)。
特開2001−259435号公報
しかしながら、上記方法では、高温で加熱するため、酸化物光触媒の焼結が起こってしまい、酸化物光触媒の表面積が減少し、光触媒作用が低下してしまうという問題があった。更に、上記方法では、高温で焼成することで、酸化物光触媒の結晶型が低活性
の結晶型に相転移し、光触媒作用が不活性化してしまうという問題があった。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、触媒作用が高い光触媒担持体及びその製造方法を提供することを目的とする。
(1)請求項1の発明は、
基材に酸化チタンから成る光触媒性微粒子を付着させ、500〜1100°Cの温度で焼成してA層を形成する第1工程と、前記A層の上に、酸化チタンから成る光触媒性微粒子を付着させ、100〜00°Cの温度で焼成してB層を形成する第2工程と、を有することを特徴とする光触媒担持体の製造方法を要旨とする。
本発明では、A層を500〜1100°C(好ましくは600〜1100°C、特に好ましくは600〜1000°C)の温度で焼成するので、A層が基材に対し強固に固定される。また、A層とB層とはともに光触媒性微粒子から成るので、A層とB層との結合も強固である。そのため、本発明で製造された光触媒担持体は、A層やB層が剥離しにくく、耐久性が高い。
また、本発明では、B層を光触媒担持体の最表面に形成することができる。このB層の焼成温度は100〜00°Cと低いので、焼結が生じず、B層に含まれる光触媒性微粒子の有効表面積が大きい。従って、本発明で製造される光触媒担持体は、有効表面積の大きい光触媒性微粒子を最表面に備えることにより、光触媒性微粒子による光触媒作用が高く、防汚、防臭、抗菌等の機能において優れている。
前記基材の材質としては、例えば、セラミックス、金属、ガラス等が挙げられる。
・前記A層の膜厚としては、例えば、1〜5μmの範囲が好適である。また、前記B層の膜厚としては、例えば、1〜20μmの範囲が好適である。
・前記光触媒性微粒子の粒径は、5〜100nmの範囲が好適である。
本発明は、光触媒性微粒子が酸化チタンから成ることにより、光触媒作用が一層高い。
・前記酸化チタンの結晶形としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイトが挙げられる。特に、光触媒作用が高いアナターゼが好ましい。
本発明では、A層を構成する光触媒性微粒子と、B層を構成する光触媒性微粒子とが、同一の物質から成るので、A層とB層との密着性が一層高くなる。そのため、本発明で製造される光触媒担持体は、耐久性が一層優れている。
)請求項の発明は、
前記第1工程及び/又は前記第2工程において、前記光触媒性微粒子を分散させた分散液を塗布した後、前記分散液の溶媒を蒸発させることにより、前記光触媒性微粒子を付着させることを特徴とする請求項1記載の光触媒担持体の製造方法を要旨とする。
本発明は、上記の方法により、A層、B層、またはそれらの両方を、均一な厚みに形成することができる。また、本発明によれば、A層、B層、またはそれらの両方の形成が容易である。
)請求項の発明は、
前記分散液における前記光触媒性微粒子の含有率が、5〜30重量%であることを特徴とする請求項に記載の光触媒担持体の製造方法を要旨とする。
本発明は、分散液における光触媒性微粒子の含有率が、5〜30重量%であることにより、光触媒作用が一層高い。
)請求項の発明は、
前記基材が多孔質セラミックス基材であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光触媒担持体の製造方法を要旨とする。
本発明では、基材が多孔質セラミックスであることにより、焼成工程において、基材が損傷することがない。また、本発明で製造される光触媒担持体は、基材が多孔質であることにより、表面積が大きく、光触媒作用が高い。
)請求項の発明は、
請求項1〜のいずれかに記載された製造方法により製造される光触媒担持体を要旨とする。
本発明の光触媒担持体は、請求項1〜の発明について述べた作用効果を奏する。
以下に本発明の光触媒担持体の形態の例(実施例)を説明する。
a)まず、本実施例1の光触媒担持体の構成を図1及び図2を用いて説明する。
光触媒担持体1は、基材としてのセラミックスフィルター(多孔質セラミックス基材)3と、その表面に順次積層された酸化チタン第1層(A層)5及び酸化チタン第2層(B層)7とから成る。
セラミックスフィルター3は、アルミナセラミックス多孔体(Al23:76%・SiO2:19%・空孔率:85%)から成る板状部材である。このセラミックスフィルター3の表面を電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡S−4800)により撮影した写真を図2に示す。
酸化チタン第1層5及び酸化チタン第2層7は、それぞれ、酸化チタン微細粉末(光触媒性微粒子)を固定化した層であり、それらの厚みはいずれも約1〜2μmである。
b)次に、本実施例1の光触媒担持体の製造方法を説明する。
まず、セラミックスフィルター3の表面に、酸化チタン第1層5を形成した。具体的には、ディップコーター(有限会社エス・デイ・アイ製KD−5000)を用い、セラミックスフィルター3を酸化チタンコーティング液(光触媒性微粒子を分散させた分散液)に一旦浸漬し、その後引き上げた。こうすることにより、セラミックスフィルター3の表面に酸化チタンコーティング液が付着し、その後、酸化チタンコーティング液の溶媒が蒸発することにより、セラミックスフィルター3の表面に酸化チタンから成るA層が形成された。
ここで、酸化チタンコーティング液は、石原産業製STS−01(酸化チタン含有率30.1%(重量比)、酸化チタンの平均粒径約7nm、pH1.5)を4倍希釈したもの(STS−01と水とを1:3の比率で混合したもの)である。STS−01の酸化チタン含有率は上記のように30.1重量%であるので、使用した酸化チタンコーティング液の酸化チタン含有率は7.52重量%である。
次に、セラミックスフィルター3及び酸化チタン第1層5を、電気炉(株式会社デンケン製KDF S−100)を用いて2時間焼成した(第1回焼成)。
ここで、焼成温度は、600°C、800°C、1000°、1100°Cの4種類とし、600°Cで焼成したものを実施例1−1、800°Cで焼成したものを実施例1−2、1000°Cで焼成したものを実施例1−3、1100°Cで焼成したものを実施例1−4とした。
次に、実施例1−1〜1−4のそれぞれについて、酸化チタン第1層5の上に、酸化チタン第2層7を形成した。その形成方法は、酸化チタン第1層5の形成と同様に、ディップコーターを用いて酸化チタンコーティング液に浸漬する方法により行った。ただし、このときの酸化チタンコーティング液は、石原産業製STS−01を2倍希釈したもの(STS−01と水とを1:1の比率で混合したもの)を用いた。STS−01の酸化チタン含有率は30.1重量%であるので、使用した酸化チタンコーティング液の酸化チタン含有率は15.1重量%である。
次に、セラミックスフィルター3、酸化チタン第1層5、及び酸化チタン第2層7を、電気炉を用い、200°Cの条件で1時間焼成し(第2回焼成)、光触媒担持体1を完成した。尚、実施例1−1〜1−4の光触媒担持体の製造条件の一覧を表1に示す。
また、次のようにして、比較例1−1〜1−4の光触媒担持体を製造した。
(比較例1−1)
酸化チタン第1層の形成、及び第1回焼成は実施例1−1と同様に行ったが、酸化チタン第2層の形成、及び第2回焼成を行っていないものである。
(比較例1−2)
酸化チタン第1層の形成、及び第1回焼成は実施例1−2と同様に行ったが、酸化チタン第2層の形成、及び第2回焼成を行っていないものである。
(比較例1−3)
酸化チタン第1層の形成、及び第1回焼成は実施例1−3と同様に行ったが、酸化チタン第2層の形成、及び第2回焼成を行っていないものである。
(比較例1−4)
酸化チタン第1層の形成、及び第1回焼成は実施例1−4と同様に行ったが、酸化チタン第2層の形成、及び第2回焼成を行っていないものである。
尚、比較例1−1〜1−4における光触媒担持体の製造条件の一覧を表2に示す。
c)次に、本実施例1の光触媒担持体1が奏する効果を説明する。
i)本実施例1の光触媒担持体1では、酸化チタン第1層5は600〜1100°Cの温度で焼成されているので、セラミックスフィルター3に対し強固に固定されている。また、酸化チタン第2層7と酸化チタン第1層5との結合も強固である。そのため、本実施例1の光触媒担持体1は、酸化チタン第1層5や酸化チタン第2層7が剥離しにくく、耐久性が高い。
(ii)本実施例1の光触媒担持体1では、バインダーを用いずに酸化チタンを固定化しているので、酸化チタンの表面がバインダーで覆われることがなく、酸化チタンの有効表面積が大きい。そのことにより、本実施例1の光触媒担持体1は、酸化チタンによる光触媒作用が高い。
(iii)本実施例1の光触媒担持体1では、酸化チタン第2層7が最表面に露出している。この酸化チタン第2層7の焼成温度は200°Cと低いので、焼結が生じず、酸化チタンの有効表面積が大きい。従って、本実施例1の光触媒担持体1は、有効表面積の大きい酸化チタン第2層7を最表面に備えることにより、酸化チタンによる光触媒作用が高い。
(iv)本実施例1の光触媒担持体1は、酸化チタンを固定化するためにバインダーを用いる必要がないので、製造工程を簡略化できる。
d)次に、本実施例1の光触媒担持体1が奏する光触媒作用を確かめるために行った実験について説明する。以下の実験は、実施例1−1〜1−4、及び比較例1−1〜1−4の光触媒担持体のそれぞれについて行った。
(i)実験方法
容積67Lの容器に、光触媒担持体と、光触媒を照らす光源としてのブラックライトと、容器内部の空気を攪拌するためのファンとを収容した。ブラックライトの照度は30Wとし、ファンによる攪拌速度は0.4m3/minとした。
次に、上記容器を密閉し、初期濃度が200ppmとなるようにアンモニアを導入した。そして、アンモニア導入からの時間(反応時間)が0分、2.5分、5分、7.5分、10分、15分、30分の時に、それぞれ、アンモニア濃度測定器(株式会社ガステック製の検知管3L(0.5〜78ppm)、3La(2.5〜200ppm))を用いてアンモニア濃度を測定した。
(ii)実験結果
反応時間ごとの、アンモニア濃度と除去率とを上記表1及び表2に示す。ここで、除去率とは、アンモニアの初期濃度C0、測定濃度Cnしたときに、下記式(1)で表されるものである。
式(1) 除去率(%)=((C0−Cn)/C0)×100
表1に示すように、実施例1−1〜1−4の光触媒担持体1は、反応時間30分において、除去率は全て98%以上であり、非常に高かった。この結果から、本実施例1の光触媒担持体1は、光触媒作用によるアンモニア分解効果(防臭効果)が高いことが確認できた。
また、実施例1−1〜1−4の光触媒担持体1のアンモニア分解効果がいずれも高かったことから、酸化チタン第1層5の焼成温度として、600〜1100°Cの範囲が好適であることが確認できた。
これに対し、表2に示すように、比較例1−1〜1−4の光触媒担持体は、反応時間30分における除去率が55〜72.5%と非常に低かった。このように比較例1−1〜1−4の光触媒担持体のアンモニア除去率が低い理由は次のように推定される。すなわち、比較例1−1〜1−4の光触媒担持体は、酸化チタン第2層7を備えておらず、酸化チタン第1層5のみを備えている。酸化チタン第1層5は、600°C〜1100°Cという高温で焼成されているので焼結が生じ、酸化チタンの表面積が小さくなっていると考えられる。その結果として、比較例1−1〜1−4の光触媒担持体のアンモニア除去率は低くなったと考えられる。
基本的には前記実施例1−1〜1−4と同様に、実施例2−1〜2−4の光触媒担持体1を製造した。但し、本実施例2では、酸化チタン第1層5の形成に用いる酸化チタンコーティング液は、STS−01を6倍希釈したもの(STS−01と水とを1:5の比率で混合したもの)とした。STS−01の酸化チタン含有率は30.1重量%であるので、使用した酸化チタンコーティング液の酸化チタン含有率は5.02重量%である。尚、実施例2−1〜2−4における光触媒担持体1の製造方法の一覧を表3に示す。
また、次のようにして、比較例2−1〜2−4の光触媒担持体を製造した。
(比較例2−1)
酸化チタン第1層の形成、及び第1回焼成は実施例2−1と同様に行ったが、酸化チタン第2層の形成、及び第2回焼成を行っていないものである。
(比較例2−2)
酸化チタン第1層の形成、及び第1回焼成は実施例2−2と同様に行ったが、酸化チタン第2層の形成、及び第2回焼成を行っていないものである。
(比較例2−3)
酸化チタン第1層の形成、及び第1回焼成は実施例2−3と同様に行ったが、酸化チタン第2層の形成、及び第2回焼成を行っていないものである。
(比較例2−4)
酸化チタン第1層の形成、及び第1回焼成は実施例2−4と同様に行ったが、酸化チタン第2層の形成、及び第2回焼成を行っていないものである。尚、比較例2−1〜2−4における光触媒担持体の製造条件の一覧を表4に示す。
本実施例2−1〜2−4の光触媒担持体1は、前記実施例1と同様の効果を奏することができる。
本実施例2−1〜2−4、及び比較例2−1〜2−4の光触媒担持体について、前記実施例1と同様に、アンモニアの分解試験を行った。その結果を上記表3及び表4に示す。
表3に示すように、実施例2−1〜2−4の光触媒担持体1は、反応時間30分において、除去率は全て98%以上であり、非常に高かった。この結果から、本実施例2の光触媒担持体1は、光触媒作用によるアンモニア分解効果(防臭効果)が高いことが確認できた。
また、実施例2−1〜2−4の光触媒担持体1のアンモニア分解効果がいずれも高かったことから、酸化チタン第1層5の焼成温度として、600〜1100°Cの範囲が好適であることが確認できた。
これに対し、表4に示すように、酸化チタン第2層を備えていない比較例2−1〜2−4の光触媒担持体は、反応時間30分における除去率が47.5〜70%と非常に低かった。この理由は、比較例2−1〜2−4の光触媒担持体は酸化チタン第2層7を備えておらず、600〜1100°Cという高温で焼成され、焼結が生じている酸化チタン第1層5のみを備えるためであると推定される。
また、実施例2−1〜2−4の光触媒担持体1の表面を電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡S−4800)により撮影した。この写真を図3に示す。図3(a)は実施例2−1についての写真であり、図3(b)は実施例2−2についての写真であり、図3(c)は実施例2−3についての写真であり、図3(d)は実施例2−4についての写真である。
この図3に示すように、酸化チタン第1層5の焼結温度が600〜1000°Cである実施例2−1〜2−3では、酸化チタン第1層5の焼結(大きい粒子の発生)は生じていないが、焼成温度が1100°Cである実施例2−4では、一部において酸化チタン第1層5の焼結が生じ始めている。
酸化チタン第1層5の焼結が進むと、セラミックスフィルター3の表面に、酸化チタン第1層5で覆われていない部分が生じ、そこでは、酸化チタン第2層7が、セラミックスフィルター3に直接固定されることになり、酸化チタン第2層7の密着性が低下する。従って、図3から、酸化チタン第1層5の焼成温度は、1000°C以下が一層好ましいことが分かる。
基本的には前記実施例1と同様にして実施例3−1〜3−2、参考例3−3〜3−4の光触媒担持体1を製造した。
ただし、本実施例3では、酸化チタン第1層5の形成に用いる酸化チタンコーティング液は、STS−01の原液とした。また、酸化チタン第1層5の焼成条件は、全て500°C、4時間とした。
また、酸化チタン第2層7の焼成温度は、100°C、200°C、3000°、400°Cの4種類とし、100°Cで焼成したものを実施例3−1、200°Cで焼成したものを実施例3−2、300°Cで焼成したものを参考例3−3、400°Cで焼成したものを参考例3−4とした。尚、実施例3−1〜3−2、参考例3−3〜3−4における光触媒担持体1の製造条件の一覧を表5に示す。
実施例3−1〜3−2、参考例3−3〜3−4の光触媒担持体1について、前記実施例1と同様に、アンモニアの分解試験を行った。その結果を上記表5に示す。
表5に示すように、実施例3−1〜3−2、参考例3−3〜3−4の光触媒担持体1は、反応時間30分において、除去率は全て97%以上であり、非常に高かった。特に、酸化チタン第2層7の焼成温度が100〜300°Cである実施例3−1〜3−2、参考例3−3は、除去率が99%以上と、一層高かった。更に、酸化チタン第2層7の焼成温度が200°Cである実施例3−2は、除去率が99.95%と、最も高かった。
この結果から、本実施例3の光触媒担持体1は、光触媒作用によるアンモニア分解効果(防臭効果)が高いことが確認できた。
次に、実施例3−1〜3−2、参考例3−3〜3−4の光触媒担持体1の表面を電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡S−4800)により撮影した。この写真を図4に示す。図4(a)は実施例3−1についての写真であり、図4(b)は実施例3−2についての写真であり、図4(c)は参考例3−3についての写真であり、図4(d)は参考例3−4についての写真である。
この図4では、酸化チタン第2層7の焼結温度が100〜300°Cである実施例3−1〜3−2、参考例3−3では、酸化チタン第2層7に、数十μm周期の波模様が現れている。それに対し、焼成温度が400°Cである参考例3−4では、そのような波模様は現れていない。
実施例3−1〜3−2、参考例3−3に現れているような波模様があれば、酸化チタン第2層7の表面積が増し、光触媒作用が向上すると考えられる。従って、図4からも、酸化チタン第2層7の焼成温度は、100〜300°Cの範囲が一層好適であることが分かった。
基本的には前記実施例1と同様にして実施例4−1〜4−4の光触媒担持体1を製造した。
ただし、本実施例4では、酸化チタン第1層5の形成に用いる酸化チタンコーティング液は、STS−01の原液とした。また、酸化チタン第1層5の焼成条件は、全て、500°C、4時間とした。
また、酸化チタン第2層7の形成に用いる酸化チタンコーティング液は、STS−01の原液、2倍希釈(STS−01と水とを1:1で混合)、3倍希釈(STS−01と水とを1:2で混合)、4倍希釈(STS−01と水とを1:3で混合)の4種類とし、原液を用いるものを実施例4−1、2倍希釈を用いるものを実施例4−2、3倍希釈を用いるものを実施例4−3、4倍希釈を用いるものを実施例4−4とした。ここで、STS−01原液の酸化チタン含有率は、上述したように30.1重量%であるので、実施例4−1で酸化チタン第2層7の形成に用いる酸化チタンコーティング液の酸化チタン含有率は30.1重量%であり、実施例4−2で用いる酸化チタンコーティング液の酸化チタン含有率は15.1重量%であり、実施例4−3で用いる酸化チタンコーティング液の酸化チタン含有率は10.0重量%であり、実施例4−4で用いる酸化チタンコーティング液の酸化チタン含有率は7.52重量%である。尚、実施例4−1〜4−4における光触媒担持体の製造条件の一覧を表6に示す。
本実施例4−1〜4−4の光触媒担持体1は、前記実施例1と同様の効果を奏することができる。
本実施例4−1〜4−4の光触媒担持体1について、前記実施例1と同様に、アンモニアの分解試験を行った。その結果を上記表6に示す。
表6に示すように、実施例4−1〜4−4の光触媒担持体1は、反応時間30分において、除去率は全て99.6%以上であり、非常に高かった。特に、酸化チタンコーティング剤としてSTS−01の原液(酸化チタン含有率30.1重量%)、又は2倍希釈(酸化チタン含有率15.1重量%)を用いる実施例4−1〜4−2では、除去率が99.8%以上と、一層高かった。
この結果から、本実施例4の光触媒担持体1は、光触媒作用によるアンモニア分解効果(防臭効果)が高いことが確認できた。
また、実施例4−1〜4−4の光触媒担持体1のアンモニア分解効果がいずれも高かったことから、酸化チタン第2層7の形成に用いる酸化チタンコーティング液の酸化チタン含有率として、7.52〜30.1重量%の範囲が好適であることが確認できた。
基本的には前記実施例1と同様にして実施例5の光触媒担持体1を製造した。
ただし、本実施例5では、酸化チタン第1層5の形成に用いる酸化チタンコーティング液は、STS−01の原液とし、酸化チタン第1層5の焼成条件は、500°C、4時間とした。
また、次のようにして、比較例5の光触媒担持体を製造した。
(比較例5)
酸化チタン第1層5の形成、及び第1回焼成は行わず、酸化チタン第2層7の形成、及び第2回焼成は実施例5と同様に行った。従って、比較例5の光触媒担持体の構成は、実施例5の光触媒担持体1から、酸化チタン第1層5を除いたものである。
尚、実施例5及び比較例5における光触媒担持体の製造条件の一覧を表7に示す。
実施例5、及び比較例5の光触媒担持体について、前記実施例1と同様に、アンモニアの分解試験を行った。その結果を上記表7に示す。
表7に示すように、実施例5の光触媒担持体1は、反応時間30分において、除去率は全て99.95%であり、非常に高かった。この結果から、本実施例5の光触媒担持体1は、光触媒作用によるアンモニア分解効果(防臭効果)が高いことが確認できた。
また、実施例5、及び比較例5の光触媒担持体に対し、酸化チタン第2層7の密着性を確かめるための試験を行った。具体的には、実施例5、比較例5の光触媒担持体を洗浄し、その洗浄前後の表面状態を電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡S−4800)を用いて観察した。ここで、洗浄条件は、上水を用いた5分間の流水処理とした。
その結果を図5に示す。図5(a)は洗浄前における比較例5の光触媒担持体の表面写真であり、図5(b)は洗浄前における実施例5の光触媒担持体1の表面写真であり図5(c)は洗浄後における比較例5の光触媒担持体の表面写真であり図5(d)は洗浄後における実施例5の光触媒担持体1の表面写真である。
実施例5の光触媒担持体1では、図5(b)に示すように、洗浄前は、全面にわたって約10μmサイズの鱗状模様が見られる。この鱗状模様は、酸化チタン第2層7で覆われていることを示す。従って、比較例5の光触媒担持体1は、洗浄前には、全面にわたって酸化チタン第2層7で覆われていた。
また、実施例5の光触媒担持体1を洗浄した後も、図5(d)に示すように、光触媒担持体1の表面は、洗浄前と同様に、全面にわたって鱗状模様で覆われいた。この結果から、実施例5の光触媒担持体1は、洗浄を行っても酸化チタン第2層7が剥離せず、耐久性が高いことが確認できた。
次に、比較例5の光触媒担持体は、洗浄前は、図5(a)に示すように、全面にわたって約10μmサイズの鱗状模様が見られ、酸化チタン第2層7で均一に覆われていた。
しかし、比較例5の光触媒担持体を洗浄した後は、図5(c)に示すように、鱗状模様は写真中の右上の領域に残るだけで、その他の部分は、セラミックスフィルター3の表面が露出していた(図2参照)。この結果から、比較例5の光触媒担持体は、酸化チタン第1層5が存在しないことにより、酸化チタン第2層7の密着性が低く、耐久性において劣ることが分かった。
(実験例)
実施例1〜5の光触媒担持体1における酸化チタン第1層5、酸化チタン第2層7厚さを確かめるための実験を行った。具体的には、ガラスの薄板に、実施例1〜5と同様の方法で酸化チタンコーティング液を塗布し、焼成した後に、断面を電子顕微鏡で観察した。酸化チタンコーティング液は、STS−01を2倍に希釈したものを用いた。また、実験は、焼成温度が100°C、150°C、200°C、250°C、300°C、400°Cの場合について、それぞれ行った。
結果を図6に示す。図6(a)は焼成温度が100°Cの場合であり、図6(b)は焼成温度が150°Cの場合であり、図6(c)は焼成温度が200°Cの場合であり、図6(d)は焼成温度が250°Cの場合であり、図6(e)は焼成温度が300°Cの場合であり、図6(f)は焼成温度が400°Cの場合である。図6(a)〜(f)の写真において、下側の層はガラス薄板の層であり、上側の層が酸化チタンから成る層である。
図6に示す写真のうち、酸化チタンから成る層が明瞭に識別できる図6(c)、図6(e)について見ると、酸化チタンから成る層の厚みは、それぞれ、1.3μm、1.6μmであった。従って、実施例1〜5における酸化チタン第1層5、酸化チタン第2層7の厚さも、これに近い値であると推定される。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記実施例1〜5において、酸化チタンの代わりに、他の光触媒性の物質、例えば、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、酸化タングステン、酸化鉄、シリコン等を用いても良い。
また、酸化チタンコーティング液としては、例えば、石原産業製STS−21(酸化チタン含有率38.8%(重量比)、酸化チタンの平均粒径約100nm、pH8.3)の原液、または水で希釈した液を用いることができる。
光触媒担持体1の構成を表す断面図である。 セラミックスフィルター3の表面写真である。 実施例2の光触媒担持体の表面写真である。 実施例3の光触媒担持体の表面写真である。 実施例5及び比較例5の光触媒担持体の表面写真である。 ガラス薄板上に形成された酸化チタン層を表す断面写真である。
符号の説明
1・・・光触媒担持体
3・・・セラミックスフィルター
5・・・酸化チタン第1層
7・・・酸化チタン第2層

Claims (5)

  1. 基材に酸化チタンから成る光触媒性微粒子を付着させ、500〜1100°Cの温度で焼成してA層を形成する第1工程と、
    前記A層の上に、酸化チタンから成る光触媒性微粒子を付着させ、100〜00°Cの温度で焼成してB層を形成する第2工程と、を有することを特徴とする光触媒担持体の製造方法。
  2. 前記第1工程及び/又は前記第2工程において、前記光触媒性微粒子を分散させた分散液を塗布した後、前記分散液の溶媒を蒸発させることにより、前記光触媒性微粒子を付着させることを特徴とする請求項1記載の光触媒担持体の製造方法。
  3. 前記分散液における前記光触媒性微粒子の含有率が、5〜30重量%であることを特徴とする請求項に記載の光触媒担持体の製造方法。
  4. 前記基材が多孔質セラミックス基材であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光触媒担持体の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載された製造方法により製造される光触媒担持体。
JP2004172872A 2004-06-10 2004-06-10 光触媒担持体及びその製造方法 Expired - Lifetime JP4298593B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004172872A JP4298593B2 (ja) 2004-06-10 2004-06-10 光触媒担持体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004172872A JP4298593B2 (ja) 2004-06-10 2004-06-10 光触媒担持体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005349309A JP2005349309A (ja) 2005-12-22
JP4298593B2 true JP4298593B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=35584204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004172872A Expired - Lifetime JP4298593B2 (ja) 2004-06-10 2004-06-10 光触媒担持体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4298593B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015114757A1 (de) 2014-09-04 2016-03-10 Seoul Viosys Co., Ltd Photokatalytischer filter, verfahren zu dessen herstellung und verfahren zu dessen reaktivierung
KR20160039135A (ko) * 2014-09-30 2016-04-08 서울바이오시스 주식회사 혼합 가스에 대한 제거 성능이 우수한 광촉매 필터 및 그 제조 방법
CN112675878A (zh) * 2021-01-11 2021-04-20 武汉金特明新材料科技有限公司 一种硼改性光催化材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005349309A (ja) 2005-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4957244B2 (ja) 酸化チタン系光触媒とその製造方法、およびその利用
JP3592727B2 (ja) 光触媒体
JP4695700B2 (ja) 光触媒体およびその製造方法
JP4803180B2 (ja) 酸化チタン系光触媒とその製造方法及び用途
JP3894144B2 (ja) 酸化チタン系光触媒とその製造方法および応用
JP6078336B2 (ja) 光触媒担持体およびその製造方法
WO1998058736A1 (fr) Photocatalyseur a base d'oxyde de titane, son procede de preparation et d'utilisation
CN1958163B (zh) 光催化剂载体及其制造方法
JP4298593B2 (ja) 光触媒担持体及びその製造方法
JPH11343426A (ja) 光触媒塗料
KR101218871B1 (ko) 광촉매 담지체 및 그 제조방법
JP2002085967A (ja) 光触媒膜およびその製造方法
US8343282B2 (en) Photocatalytic auto-cleaning process of stains
JP2005254128A (ja) 光触媒粒子およびその固定化方法ならびに光触媒性部材
JP3748978B2 (ja) 吸着機能体
JP2007117999A (ja) 酸化チタン系光触媒とその用途
JP2000254518A (ja) 表面被覆用光触媒並びにこれを用いた表面被覆剤及び光触媒性部材
KR100482649B1 (ko) 기재에 광촉매를 직접 고정시키는 방법
JP3952238B2 (ja) 光触媒による有害物質等の除去方法
JPH11157966A (ja) 光触媒機能を有する陶磁器及びその製造方法
JP4629700B2 (ja) 光触媒体およびそれを形成するための塗料組成物のセット
EP1831131B1 (en) Photocatalytic auto-cleaning process of stains
JPH10113563A (ja) 光触媒およびその製造方法
JP3844875B2 (ja) 光触媒体およびその製造方法
JP2006231113A (ja) 光触媒及び光触媒の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090324

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4298593

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140424

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term