JP6077413B2 - 電池用電極の製造方法及び製造装置 - Google Patents

電池用電極の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池等、電池に用いられる電極を製造するための電池用電極の製造方法、及び電池用電極の製造装置に関する。
上述した二次電池のひとつにニッケル水素蓄電池が挙げられる。ニッケル水素蓄電池は、エネルギー密度が高く、信頼性に優れた蓄電池である。このニッケル水素蓄電池は、水酸化ニッケルを主成分とした正極板と、水素吸蔵合金を主成分とした負極板と、水酸化カリウムなどを含むアルカリ電解液とを有し構成されている。
一方、ニッケル水素蓄電池の正極板としては、金属多孔体からなる基板に活物質が充填されたものがある。この金属多孔体からなる基板は、多孔質であるため強度が低く、正極板から集電を行うための集電板を直接取り付けることが困難である。そこで、正極板の基板に金属端子板(リード)を取り付け、この取り付けたリードを介して集電板を正極板に取り付ける技術が知られており、こうした技術を用いた電池用電極の製造方法の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の電池用電極の製造方法は、水酸化ニッケルを含む活物質が充填された基板(三次元多孔金属基体)にリード(金属端子板)を重ね、リード側からレーザを照射することでリードを基板に2mm間隔の点状に溶接する。これにより、基板にリードを強固に接続することができるようになる。
特開2000−106169号公報
ところで、電池の構造によって基板とリードとの位置関係などは相違する。このため、特許文献1に記載の電極の製造方法が、必ずしも、基板にリードを適切な溶接強度で溶接させることができるものとも限らない。つまり、適切な溶接強度の得られる溶接方法は、電池の構造、つまり基板とリードとの位置関係などに応じて工夫することが求められている。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであって、その目的は、電池用電極の基板に、より適切な接続強度でリードを溶接することのできる電池用電極の製造方法及び製造装置を提供することにある。
上記課題を解決する電池用電極の製造方法は、電極用の基板にリードが溶接される電池用電極の製造方法であって、前記基板の幅より狭い幅の帯状のリードを、該リードの長さ方向が該基板の幅方向に交差するように該基板の表面に配置して、該配置したリードを基板の表面に押し付ける工程と、前記基板の表面に前記リードを配置し押し付けた状態で、前記リードの幅方向に離間する2箇所で同時に、該リードを前記基板に溶接する工程とを備えることを要旨とする。
上記課題を解決する電池用電極の製造装置は、電極用の基板にリードを溶接する電池用電極の製造装置であって、基板の幅よりも狭い幅の帯状のリードを、該リードの長さ方向が前記基板の幅方向に交差するように該基板の表面に沿って配置する配置部と、前記基板の表面に配置されたリードを基板の表面に押し付ける押し付け部と、前記基板の表面に押し付けているリードを、当該リードの幅方向に離間する2箇所で同時に基板に溶接する溶接部とを備えることを要旨とする。
リードは溶接時の熱で変形しやすいため、リードの2箇所を別々のタイミングで溶接すると、先に溶接した一方の溶接によって、後に溶接する他方の溶接の対象となる部分に浮き上がりなどが生じ、後から溶接された他方の溶接強度を低下させるおそれがある。また、溶接の都度、リードを基板の表面に押し付けようとしても熱により変形したリードを基板に密着させることは困難である。
そこで、この方法や構成によるように、基板の表面にリードが押し付けられているとき、そのリードの2箇所を同時に基板に溶接することで、一方の溶接による影響が他方の溶接に影響を与えるおそれが低下するようになる。つまり、リードに2箇所の溶接が必要な場合、その2箇所を適切な溶接強度で溶接することができるようになる。また、リードを基板の表面に密着させるように押し付けることも容易である。さらに、溶接箇所に適切な溶接強度が維持されれば、リードと基板との間の電気的抵抗を低いレベルに維持することができる。
好ましい方法として、前記溶接する工程に続いて、前記リードが溶接された前記基板を、前記溶接した2箇所の間で切断する工程をさらに備える。
好ましい装置の構成として、前記リードが溶接された前記基板を、前記溶接された2箇所の間で切断する切断部をさらに備える。
このような方法や装置の構成によれば、リードが接続された基板から電池に必要とされる大きさの電極を製造することができる。なお、各溶接の溶接強度が等しく維持されているため、リードの分割とともに同時に溶接した2箇所のうちの一方のみになったとしても、必要な溶接強度が維持される。つまり、各溶接に溶接不良が含まれるおそれが低い。
好ましい方法として、前記リードを基板の表面に押し付ける工程では、前記基板を湾曲させて前記リードの一部を該湾曲させた基板の外側表面に沿わせて配置するとともに、前記基板の外側表面に沿う手前のリードの部分にリードの長さ方向への張力を付与する。
好ましい装置の構成として、前記押し付け部は、前記基板を湾曲させて前記リードの一部を該湾曲させた基板の外側表面に沿わせて配置するとともに、前記基板の外側表面に沿う手前のリードの部分にリードの長さ方向への張力を付与する。
このような方法や装置の構成によれば、湾曲した基板の外側表面を沿うリードが、そのリードの手前部分からの張力を受けて基板側への力を生じ、基板の外側表面に押し付けられるようになる。これにより、基板とリードとの接触(密着)が好適に維持され、基板にリードが好適に溶接されるようになる。また、このような押し付け方法や装置の構成は、連続製造ラインに適用することが容易である。
好ましい方法として、前記溶接する工程では、前記溶接をレーザ溶接により行う。
このような方法によれば、溶接をレーザにて行うことから溶接時にリードに余計な拘束力が与えられないため、リードの溶接が好適に行われる。また、レーザ溶接はリードに機械的な接触、摩擦を生じないため、溶接装置に関する維持管理の手間を軽減させることもできる。
好ましい方法として、前記レーザ溶接に用いられるレーザは、前記リードの幅方向へのエネルギー強度分布が均等化される。
このような方法によれば、リードの幅方向への溶接幅に分布する熱量が平均化されるため、リードの溶接幅を均等に加熱・溶融させて基板へ溶接させることができるようになる。特に、基板が多孔体であるとするとリードからの熱拡散にむらが生じるが、溶接幅を均等に加熱することで、適切な溶融により溶接されるとともに、過熱による穴あきなどが防止されるようになる。
好ましい方法として、前記溶接する工程では、前記2箇所を溶接した後、該溶接した2箇所の間にあって、前記リードの幅方向に離間する2箇所を更に同時に溶接する。
このような方法によれば、基板とリードの溶接強度の向上が図られる。また、先の2箇所の溶接でリードが基板に安定配置されているため、後の溶接は基板とリードの位置関係が安定した状態で行なわれるようになる。また、同時に溶接することで、一方の溶接が他方の溶接に与える影響を低減させることができる。
好ましい方法として、前記溶接する工程では、前記溶接をリード側から行う。
このような方法によれば、溶融されたリードによってリードが基板に溶接される。リードの密度が基板よりも高ければ、リード側を溶融させることで基板に多くの金属を溶接させることができ、溶接強度が高く維持されるようになる。また、リードと基板との間の電気的抵抗も低くすることができる。
好ましい方法として、前記基板は金属多孔体であり、前記溶接する工程の後に、前記金属多孔体に水酸化ニッケルを含む活物質を塗布する工程を含む。
このような方法によれば、リードを、正極板を構成する金属多孔体に好適に溶接することができる。
本発明にかかる電池用電極の製造方法及び製造装置によれば、電池用電極の基板に、より適切な接続強度でリードを溶接することができるようになる。
本実施形態に係る電池用電極の製造方法を具体化した第1の実施形態について、その製造方法の概要を示す模式図。 同実施形態において、図1に示す工程の後、さらに実施される工程の概要を示す模式図。 同実施形態において、製造された電極(大板)の例を示す平面図。 同実施形態において、製造された電極(大板)が分割された例を示す平面図。 同実施形態において、電池用電極の製造装置の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態において、電池用電極の製造装置の側面構造を示す側面図。 同実施形態において、レーザ光のエネルギー強度の分布を示すグラフ。 図7に示すグラフと比較するレーザ光のエネルギー強度の分布を示すグラフ。 本実施形態に係る電池用電極の製造方法を具体化した第2の実施形態について、その製造方法の概要を示す模式図。 同実施形態により製造される電極部分の拡大断面構造を示す拡大断面図。 同実施形態におけるガウシアン型のレーザ光のエネルギー強度分布を模式的に示すグラフ。 同実施形態におけるガウシアン型のレーザ光が照査される範囲を示すグラフ。 同実施形態におけるガウシアン型のレーザ光の幅方向の中央の位置において、長さ方向へのエネルギー強度の分布を示すグラフ。 同実施形態におけるガウシアン型のレーザ光の幅方向の端部方向の80%位置において、長さ方向へのエネルギー強度の分布を示すグラフ。 同実施形態におけるトップハット型のレーザ光のエネルギー強度分布を模式的に示すグラフ。 同実施形態におけるトップハット型のレーザ光が照査される範囲を示すグラフ。 同実施形態におけるトップハット型のレーザ光の幅方向の中央の位置において、長さ方向へのエネルギー強度の分布を示すグラフ。 同実施形態におけるトップハット型のレーザ光の幅方向の端部方向の80%位置において、長さ方向へのエネルギー強度の分布を示すグラフ。 同実施形態におけるスクエアトップハット型のレーザ光のエネルギー強度分布を模式的に示すグラフ。 同実施形態におけるスクエアトップハット型のレーザ光が照査される範囲を示すグラフ。 同実施形態におけるスクエアトップハット型のレーザ光の幅方向の中央の位置において、長さ方向へのエネルギー強度の分布を示すグラフ。 同実施形態におけるスクエアトップハット型のレーザ光の幅方向の端部方向の80%位置において、長さ方向へのエネルギー強度の分布を示すグラフ。 同実施形態により製造された電極(大板)の正面構造を示す正面図。 同実施形態により製造された電極(大板)のハンドリング性の測定を模式的に示す模式図。 同実施形態により製造された電極のレーザ光のエネルギー強度分布と溶接品質及びハンドリング性との関係を示すグラフ。 同実施形態により製造された電極のレーザ光のエネルギー強度分布と溶接品質及びハンドリング性との関係を示すグラフ。 同実施形態により製造された電極のレーザ光のエネルギー強度分布と溶接品質及びハンドリング性との関係を示すグラフ。 同実施形態により製造された電極の溶接品質とハンドリング特性を、レーザ光のエネルギー強度分布(プロファイル特性指標)と発泡金属の気孔率との関係で示すグラフ。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる電池用電極の製造方法及び製造装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
本実施形態では、電池用電極として、ニッケル水素蓄電池の正極板を製造する場合について例示する。このニッケル水素蓄電池は、密閉型電池であり、電気自動車やハイブリッド自動車の電源として用いられる電池である。このニッケル水素蓄電池は、例えば、水素吸蔵合金を含む所定枚数の負極板と、水酸化ニッケル(Ni(OH))を含む所定枚数の正極板とを、耐アルカリ性樹脂の不織布から構成されるセパレータを介して積層した電極群を備えている。負極板は、パンチングメタルなどからなる基板としての電極支持体に水素吸蔵合金粉末を塗布して製作される。正極板は、金属多孔体である発泡ニッケル基板からなる基板10に水酸化ニッケル粒子を含む活物質を充填して製作される。そして、ニッケル水素蓄電池は、電極群の正極を正極側の集電板に接続させ、電極群の負極を負極側の集電板に接続させ、電解液とともに樹脂製の電槽内に収容して構成される。
ところで正極板は、基板10が金属多孔体からなる多孔質であるため機械的な強度が低く、その端部(辺部)に集電板を直接取り付けることが難しい。そのため、正極板は、その基板10の表面のうち集電板が接続される辺に近い表面に、ニッケル板やニッケルめっき板などからなり帯状に延びる金属板であるリード15が溶接され、その溶接されたリード15に集電板が取り付けられる。つまり、正極板は、リード15を介して集電板が取り付けられる。
次に、ニッケル水素蓄電池の正極板の製造方法について説明する。
図1に示すように、基板10は、複数の正極板を切り出すことのできる大きさを有する基材、いわゆる大板である。そして、大板である基板10は、後の工程で切断されて複数の正極板(10A,10B等(図4参照))に分割される。こうした大板は、進行方向D1の前後方向に多数の正極板を切り出すことのできる長さに延びる基板10に、同様に進行方向D1の前後方向に延びる帯状のリード15が溶接されることで構成されている。なお、進行方向D1は、電池用電極の製造に伴って基板10が移動される方向である。
詳述すると、基板10は、その表面に基板10の延びる長さ方向に沿ってプレス加工によってその他の部分よりも薄い厚みに加工された溝11が延設されている。これにより、溝11は、基板10の多孔質を形成する金属が集約されて密度が高くなるため、単位面積あたりの溶接面積が増え、溶接強度が向上する。基板10は、溝11の部分の厚みが、例えば、0.1〜0.2mmである。そして溝11には、帯状のリード15が配置される。つまり、リード15は、その幅が溝11の幅よりも狭い幅であり、その厚みは溝11に収容できる厚み、例えば0.1〜0.2mmである。
リード15には基板10の表面に向かう押圧力F1が付与されている。つまり、溝11に配置されたリード15は溝11において基板10の表面に押し付けられている。また、リード15は、進行方向D1の反対方向に向かって張力Tが印加されている。この張力Tは、リード15に生じるたわみや波打ち、ばたつきなどを抑えるようになっている。これにより、リード15の裏面と基板10(溝11)の表面との接触(密着)が維持され、リード15と基板10との間には溶接に適した接触(密着)が確保・維持されるようになっている。もしも、溶接される基板10とリード15との間に隙間が生じていると溶融したリード15が充分な量だけ基板10に達しなかったり、温度低下が進行して溶接が不十分になったりするおそれがある。そこで本実施形態では、基板10とリード15との接触を維持することで溶接が好適に行われるようにしている。
そして、リード15が基板10に溶接される。つまり、リード15には、溶接装置としての第1のレーザ溶接機20からレーザ光21が照射され、このレーザ光21により溶融されたリード15の一部が基板10に溶接される。なお、第1のレーザ溶接機20としては、YAGレーザ、COレーザ、エキシマレーザなどを用いることができるとともに、その他の公知のレーザを適用してもよい。また、本実施形態の第1のレーザ溶接機20は、一つの発振器が発光したレーザ光を2分割し、2本のレーザ光21a,21bを放出する。レーザ光の2分割は、プリズム(二焦点レンズ)を用いて行っているが、回折光学素子(DOE)など公知の方法を用いて行ってもよい。
詳述すると、第1のレーザ溶接機20は、進行方向D1に直交する方向に離間する第1のレーザ光21aと第2のレーザ光21bとをそれぞれリード15へ照射させる。つまり、リード15は、進行方向D1に直交する方向に離間する2つの位置に第1及び第2のレーザ光21a,21bがそれぞれ照射される。そして、リード15は、第1のレーザ光21aによって溶接される第1の溶接部16と、第2のレーザ光21bによって溶接される第2の溶接部17との2箇所で基板10に溶接される。なお、第1のレーザ光21aと第2のレーザ光21bとは、同一のエネルギー強度であるとともに、エネルギー強度やその分布が経時的に変化しない。また、第1のレーザ光21a及び第2のレーザ光21bは、必要な時間、連続してリード15に照射されるため連続溶接が可能である。さらに、リード15に照射される第1及び第2のレーザ光21a,21bのビーム径は約0.5mmに設定されているが、ビーム径は0.5mm未満であっても、0.5mmより大きくてもよい。特に、ビーム径は0.5〜0.6mmの範囲が好ましい。
ところで、第1のレーザ光21aが照射されたリード15は、第1のレーザ光21aのエネルギーを受けた部分が温度上昇して溶融する。このとき、溶融する部分の周囲の温度も上昇し、熱膨張や剛性の低下などにより、たわみや波打ちなどの変形が生じるおそれが高い。こうしたリード15の変形は、リード15の幅方向にも機械的に伝達してリード15と基板10との間に隙間を生じさせることもある。なお、リード15に張力Tをかけることでリード15を基板10に押し付けることができるが、リード15の進行方向D1(長さ方向)への張力Tは、溶接された部分で受け止められるため、溶接された部分よりも後の部分には伝達されない。つまり、長さ方向からの張力Tは、溶接された部分よりも後の部分を基板10に押し付けることができない。もし押し付けられていないと、基板10とリード15との間に隙間が生じ、当該隙間箇所が適切に溶接されないおそれが高く、溶接不良や未溶接になることが懸念さる。
そこで、本実施形態の第1のレーザ溶接機20は、リード15へ第1及び第2のレーザ光21a,21bを同時に照射するようにし、リード15の第1及び第2の溶接部16,17の2箇所が同時に基板10に溶接されるようにしている。つまり、第1のレーザ溶接機20は、進行方向D1に直交する方向に第1及び第2のレーザ光21a,21bを並べる。これにより、第1及び第2のレーザ光21a,21bにより溶接される第1及び第2の溶接部16,17は、リード15において張力Tの向きにおいて略同位置となる進行方向D1に直交する方向に配置されるため、両方の位置にそれぞれ張力Tの一部が印加される。つまり、リード15は、第1及び第2のレーザ光21a,21bにより溶接される部分が張力Tにより基板10に押し付けられ、基板10との接触が維持された状態で溶接されるようになる。これにより、第1及び第2の溶接部16,17による基板10への溶接強度が適切に維持されるようになる。また、2箇所を同時に溶接することで、先に溶接された部分により張力Tの伝達が阻止された他の部分を後から溶接する場合に比較して、両方の部分に張力Tが伝達されて基板に押し付けられた状態で溶接できる。また、2箇所の両方が溶接処理中であるため、リード15の2箇所の各溶接部やその周辺がそれぞれ、溶融していたり、柔軟性が高くなっているため、一方の溶接が生じさせるゆがみ等の影響が他方の溶接部分に影響するおそれが低減される。
本実施形態では、第1のレーザ溶接機20の位置は固定されている。一方で、基板10はリード15が載置されたままで進行方向D1に一定速度で移動する。そして、第1及び第2のレーザ光21a,21bは、その第1及び第2のレーザ光21a,21bが照射されるリード15の部分の溶接に適した量のエネルギーを付与することができるように調整されている。これにより、リード15は第1及び第2の溶接部16,17が一定速度で基板10に連続溶接されるようになる。つまり、適切なエネルギー量により適切に溶接される部分が第1及び第2の溶接部16,17として連続形成されるため、この第1及び第2の溶接部16,17によって、リード15は必要とされる強度で強固に基板10へ溶接されるようになる。また、第1及び第2の溶接部16,17の溶接強度が、第1及び第2の溶接部16,17の延びる方向において異なる位置で大きく相違するようなおそれも低減される。
図2に示すように、リード15が基板10にさらに溶接される。基板10に溶接されたリード15は、第1及び第2の溶接部16,17の間の部分が基板10に溶接されて第3及び第4の溶接部18,19が形成される。リード15は、既に第1及び第2の溶接部16,17により基板10に固定されているため、基板10とリード15とは接触しており溶接に適した状態に維持されている。つまり、リード15は、第1及び第2の溶接部16,17の間の部分に第2のレーザ溶接機25からレーザ光26が照射され、このレーザ光26によりリード15の一部が基板10に溶接される。第2のレーザ溶接機25としては、第1のレーザ溶接機20と同様に、YAGレーザ、COレーザ、エキシマレーザなどを用いることができるとともに、その他の公知のレーザを適用してもよい。第2のレーザ溶接機25は、一つの発振器が発光したレーザ光を2分割し、2本のレーザ光26a,26bを放射することができる。レーザ光の2分割は、プリズム(二焦点レンズ)を用いて行っているが、回折光学素子(DOE)など公知の方法を用いて行ってもよい。
詳述すると、第2のレーザ溶接機25は、進行方向D1に直交する方向に離間する第3及び第4のレーザ光26a,26bをそれぞれリード15へ照射させる。つまり、リード15は、進行方向D1に直交する方向に離間する2つの位置に照射される第3及び第4のレーザ光26a,26bによってそれぞれ第3及び第4の溶接部18,19の2箇所で基板10に溶接される。第3及び第4のレーザ光26a,26bは、同一のエネルギー強度であるとともに、エネルギー強度やその分布が経時的に変化しない。また、第3及び第4のレーザ光26a,26bは、必要な時間、連続してリード15に照射することができるため連続溶接をすることが可能になっている。さらに、リード15に照射される第3及び第4のレーザ光26a,26bのビーム径は約0.5mmに設定されているが、ビーム径は0.5mm未満であっても、0.5mmより大きくてもよい。特に、ビーム径は0.5〜0.6mmに設定されることが好適である。
ところで、基板10にリード15を2箇所で溶接するとき、上述した第1及び第2の溶接部16,17による溶接の場合と同様に、先にした一方の溶接がリード15に生じさせる変形が、後に溶接する他方の溶接に影響を与えるおそれが懸念される。そこで本実施形態の第2のレーザ溶接機25は、第3及び第4のレーザ光26a,26bを同時にリード15へ照射して、第3及び第4の溶接部18,19の2箇所が基板10に同時に溶接されるようにしている。つまり、第2のレーザ溶接機25は、進行方向D1に直交する方向に第3及び第4のレーザ光26a,26bを並べる。こうして2箇所を同時に溶接することで、先に溶接した部分に生じた変形が後に溶接する部分に隙間を生じさせるようなことをさけることができるようになる。また、2箇所の両方が溶接処理中であるため、リード15の2箇所の各溶接部やその周辺がそれぞれ、溶融していたり、柔軟性が高くなっているため、一方の変形によって生じる影響が低減される。なお、第1及び第2の溶接部16,17によってリード15は基板10に密着させられていることから溶接により生じる変形は比較的小さく抑えられるため、第3及び第4のレーザ光26a,26bによる溶接を同時ではなく、それぞれ別々のタイミングで行うこともできる。
なお、第3及び第4の溶接部18,19が形成されるとき、第1及び第2の溶接部16,17によりリード15が基板10に溶接されているため、第1及び第2の溶接部16,17を形成するときのようにリード15に進行方向D1の反対方向への張力が付与されていなくてもよい。
本実施形態では、第2のレーザ溶接機25の位置は固定されている一方、基板10はリード15が載置されたままで進行方向D1に一定速度で移動する。そして、第3及び第4のレーザ光26a,26bは、その第3及び第4のレーザ光26a,26bが照射されるリード15の部分の溶接に適した量のエネルギーを付与することができるように調整されている。これにより、リード15は第3及び第4の溶接部18,19が一定速度で基板10に連続溶接されるようになる。つまり、適切なエネルギー量により適切に溶接される部分が第3及び第4の溶接部18,19として連続形成されるため、この第3及び第4の溶接部18,19によって、リード15は必要とされる強度で強固に基板10へ溶接されるようになる。また、第3及び第4の溶接部18,19の溶接強度が第3及び第4の溶接部18,19の延びる方向において異なる位置で大きく相違するようなおそれも低減される。
これにより、リード15は、その幅方向が、第1の溶接部16、第3の溶接部18、第4の溶接部19、そして第2の溶接部17の順に並ぶ4箇所で基板10に溶接される。リード15は、複数箇所で基板10に溶接されるため、強い溶接強度が維持されるようになる。
次に基板10、いわゆる大板について説明する。
図3の基板10は、分割することにより2枚の正極板を得ることのできる大きさの大板として図示されている。しかし、大板としては、例えば、8枚の正極板に分割することのできる基板が知られている。正極板8枚分の大板は、その大きさが、図3に示す基板10に比べ、縦横にそれぞれ2倍の長さを有する大きさであって、基板10が縦横に2つずつ並んだ構造となる。つまり、正極板8枚分の大板は、基板の長さ方向に2本のリード15が、基板の幅方向に離間して平行に溶接されている構造を有している。なお、本実施形態では、断りのない限り、説明の便宜上、正極板2枚分の大きさを有する基板10を大板として説明する。
図3に示すように、基板10は、リード15の幅方向中央に沿って切断線Lが設定される。つまり基板10は、4つの溶接部が切断線Lの左右に2つずつ略対称に配置される。詳述すると、基板10は、切断線Lの左側(図3において左側)には右側から順に第3と第1の溶接部18,16が配置され、切断線Lの右側(図3において右側)には左側から順に第2と第4の溶接部17,19が配置されている。
図4に示すように、基板10は切断線Lで切断されることで、第1の正極板10A及び第2の正極板10Bに分割される。この切断により基板10に溶接されたリード15は、長さ方向に沿って2分割され、分割された一方が第1の正極板10Aに、分割された他方が第2の正極板10Bにそれぞれ配置される。
つまり、第1の正極板10Aは、切断線Lに沿う辺(図4において右側の辺)に、幅がリード15の略半分である分割リード部15Aが溶接されている。分割リード部15Aは、切断線Lに沿う辺に沿って外側から第3と第1の溶接部18,16の順番で第1の正極板10A(基板10)の表面に溶接されている。
また、第2の正極板10Bは、切断線Lに沿う辺(図4において左側の辺)に、幅がリード15の略半分である分割リード部15Bが溶接されている。分割リード部15Bは、切断線Lに沿う辺に沿って外側から第4と第2の溶接部19,17の順番で第2の正極板10B(基板10)の表面に溶接されている。
つまり第1の溶接部16は、リード15が基板10に接触した状態で溶接されているため、リード15を基板10に必要な強度で溶接させている。また、第2の溶接部17も、リード15が基板10に接触した状態で溶接されているため、リード15を基板10に必要な強度で溶接させている。つまり、リード15が切断線Lで分割されたとしても、分割リード部15Aは、必要な溶接強度を有する第1の溶接部16の溶接で第1の正極板10A(基板10)に溶接されている。また、分割リード部15Bも、必要な溶接強度を有する第2の溶接部17の溶接で第2の正極板10B(基板10)に溶接されている。
また、第1と第2の溶接部16,17は必要な溶接強度を有し、電気的抵抗が低く維持されている。このため、第1の正極板10A(基板10)と分割リード部15Aとの間の電気的抵抗、及び、第2の正極板10B(基板10)と分割リード部15Bとの間の電気的抵抗はそれぞれ低く維持される。
さらに、第3の溶接部18は、リード15が基板10に接触した状態で溶接されているため、リード15が基板10に必要な強度で溶接されている。また、第4の溶接部19も、リード15が基板10に接触した状態で溶接されているため、リード15が基板10に必要な強度で溶接されている。つまり、リード15が切断線Lで分割されたとしても、分割リード部15Aは、必要な溶接強度を有する第3の溶接部18の溶接で第1の正極板10A(基板10)に溶接されている。また、分割リード部15Bは、必要な溶接強度を有する第4の溶接部19の溶接で第2の正極板10B(基板10)に溶接されている。
さらに、第3と第4の溶接部18,19は、基板10とリード15との間の電気的抵抗を低く維持させているため、第1の正極板10Aと分割リード部15Aとの間の電気的抵抗、及び、第2の正極板10Bと分割リード部15Bとの間の電気的抵抗をそれぞれ低く維持させる。
続いて、基板10にリード15を溶接する電池用電極の製造装置について、図5及び図6を参照して説明する。なお、この製造装置の説明においては、基板10は、その幅方向に4枚分の正極板の幅を有し、その幅方向に直交する長さ方向には多数の正極板を切り出すことのできる長さを有する場合について例示する。また、リード15もその幅方向に直交する長さ方向には多数の正極板に溶接できる長さを有する場合について例示する。つまり、基板10は、その幅方向に2本のリード15が平行に連続溶接されている。
図5及び図6に示すように、電池用電極の製造装置は、回転駆動される駆動ロール30と、駆動ロール30の上流に設けられる入側ロール31,32と、駆動ロール30の下流に設けられる出側ロール33とを備えている。なお、上流は、この製造装置に基材である基板10が供給される方向であり、図において左側であって、進行方向D1の逆方向である。一方、下流は、この製造装置にて加工された基板10が排出される方向であり、図において右側であって、進行方向D1の方向である。つまり、製造装置は基板10が図の左側から供給され、図の右側に排出される。
また製造装置は、リード15を基板10の進行方向D1に送り出す送出ロール35と、リード15に張力Tを付与する押し付け部としての張力ロール36と、駆動ロール30に対向配置され、リード15を駆動ロール30との間に挟みこむ配置部としての上流側及び下流側の案内ロール37,38とを備えている。送出ロール35は、基板10の進行方向D1への速度に応じて、リード15を進行方向D1へ送り出す。張力ロール36は、基板10に重ねられる手前においてリード15に重力方向への力F2を印加する。これにより、リード15は張力ロール36と駆動ロール30との間に、上流方向への張力Tが印加される。上流側及び下流側の案内ロール37,38は基板10にリード15を接触させるためのロールであって、それぞれ駆動ロール30と同じ方向に回転駆動される。そして、上流側及び下流側の案内ロール37,38の間でリード15が溝11に配置されるようにしている。
さらに、駆動ロール30のロール面において、上流側及び下流側の案内ロール37,38に挟まれる位置に基板10とリード15とを溶接する加工位置が設定されている。そして製造装置は、駆動ロール30外方から加工位置にレーザ光21を射出することができるように、加工位置の外方であって駆動ロール30から垂直方向に離れた位置に第1のレーザ溶接機20が備えられている。なお、第1のレーザ溶接機20は、1本のリード15に1台ずつ設けられている、つまり本実施形態の製造装置には2台が並んで設けられている。
次に、この製造装置による基板10の製造方法(動作)について、図5及び図6を参照して説明する。
製造装置には、矢印で示すように、図の左側から基板10が供給されるとともに、同様に矢印で示すように、図の左側から2本のリード15が供給される。基板10は駆動ロール30の回転に従って入側ロール31,32に案内されながら駆動ロール30の表面に到達する。一方、リード15は、駆動ロール30上の基板10の移動に追従して移動する。つまり、リード15は、送出ロール35により基板10の移動速度に応じて進行方向D1へ送り出され、張力ロール36により重力方向への力F2が印加される。この重力方向への力F2が駆動ロール30側から見るとリード15を上流方向に引っ張る張力Tとして作用する。リード15は、駆動ロール30に到達すると該駆動ロール30の表面で湾曲される基板10の外側表面に当接・配置される。このときリード15は、駆動ロール30のロール面に沿って湾曲するとともに、張力Tが駆動ロール30の中心方向への力に変換される。つまりリード15は、上流側に印加される張力Tに基づく押圧力F1によって基板10の表面へ押し付けられる。このように長さ方向への張力Tが印加されるため、リード15はゆがみや波打ち、ばたつきなどが抑えられるようになり、基板10の表面に好適に接触できるようになる。またリード15は、押圧力F1で基板10の外側表面、つまり溝11に押し付けられるため、溶接に適した状態で基板10に接触(密着)するようになる。
そして、リード15が基板10に好適に接した状態で、レーザ溶接機20によって、リード15の第1及び第2の溶接部16,17の2箇所が同時に基板10に連続して溶接される。
なお、この電池用電極の製造装置の下流側には、図示しないが、第2のレーザ溶接機25を有し、リード15を基板10に第3及び第4の溶接部18,19で溶接する工程を実行する装置が配置されている。
さらに下流側には、図示しないが、リード15の溶接された基板10に水酸化ニッケルを主成分とする活物質を塗布するとともに、定着させる工程を実行する装置が配置されている。
さらに、その下流側には、図示しないが、活物質の塗布された大板としての基板10を所定枚数に分割する工程を実行する装置が配置されている。
続いて、本実施形態における、レーザ光21a,21bのエネルギー強度の分布について、図7及び図8を参照して説明する。
図7に示すように、レーザ光21a,21bは、矩形分布型、いわゆるトップハット型のエネルギー強度分布をしている。これにより、レーザ光21a,21bは、リード15の幅方向にエネルギー強度分布が均等化される。つまり、第1及び第2の溶接部16,17は、その溶接幅にレーザ光21a,21bのエネルギーが均等に付与されて形成される。これによりリード15が溶接幅に分布する熱量が平均化されるため、溶接幅全体で均等に加熱・溶融して基板10に溶接されるようになる。とりわけ、多数の空間を有するため溶接にむらが生じやすい傾向にある金属多孔体からなる基板10に対しても安定した溶接が行なえる。また、エネルギーの強度が高い部分がないため、リード15にエネルギーが過剰に付与されて穴が開いたりするおそれも低減される。
図8に示すように、レーザ光としては、正規分布型、いわゆるガウシアン型のエネルギー強度分布を持つものも知られている。しかし、この強度分布を有するレーザ光は、エネルギー強度の高い範囲が狭い範囲に集中するためリード15を好適に溶接させるための調整における感度が高くなり、調整が難しくなる。また、エネルギー変動が狭い範囲に集約されてリード15のみならず、基板10にも穴を開けてしまうおそれがある。これにより、ガウシアン型のエネルギー強度分布を持つレーザ光による溶接は、未溶接や穴あきの生じない良品範囲となる出力範囲が狭い傾向にある。
つまり、本実施形態では、レーザ光21a,21bのリード15の幅方向におけるエネルギーの強度部分布をトップハット型とすることで、エネルギー強度が特に強くなる部分を生じさせないようにしている。エネルギー強度に特に強い部分が無いため、強度の調節において、調整感度が高くなることが抑えられるため、調整が容易になる。また、エネルギー変動が広範囲に分散されるため、多少の変動では溶接に不具合などが生じるおそれが低減される。つまり、トップハット型のエネルギー強度分布を持つレーザ光による溶接は、未溶接や穴あきの生じない良品範囲となる出力範囲が広くなる傾向にある。
以上説明したように、本実施形態の電池用電極の製造方法及び製造装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)リード15は溶接時の熱で変形しやすいため、2箇所の溶接を別々のタイミングで行うと、先にされた一方の溶接によって、後にされる他方の溶接部分が浮き上がるなど、後に溶接される他方の溶接強度が低下するおそれがある。また、溶接の都度、リード15を基板10に押し付けようとしても熱により変形したリードを基板10に密着させることは困難である。そこで、本実施形態では、基板10にリード15が押し付けられているとき、そのリード15の2箇所の溶接部16,17を基板10に同時に溶接することで、一方の溶接による影響が他方の溶接に影響を与えるおそれが低下するようになる。つまり、リード15に2箇所の溶接部16,17に溶接が必要な場合、その2箇所を適切な溶接強度で溶接することができるようになる。また、リード15を基板10に密着させるように押し付けることも容易である。さらに、溶接箇所である各溶接部16,17に適切な溶接強度が維持されれば、リード15と基板10との間の電気的抵抗を低いレベルに維持することができる。
(2)駆動ロール30表面に沿って湾曲した基板10の外側表面を沿うリード15が、そのリード15の手前部分(上流側)からの張力Tを受けて基板10側への押圧力F1を生じ、基板10の外側表面に押し付けられるようになる。これにより、基板10とリード15との接触(密着)が好適に維持され、基板10にリード15が好適に溶接されるようになる。また、このような押し付け方法は、連続製造ラインに適用することが容易である。
(3)基板10及びリード15が多数の電極板を切り出すことのできる長さを有するため、基板10に連続してリード15が溶接されるようになる。第1及び第2の溶接部16,17のように、溶接が連続することで溶接面積が増加し、溶接強度が高くなる。また連続溶接は、短い時間で長い距離を溶接することができるようになる。さらに溶接面積の増加は、電気的抵抗を低減させる。
(4)第1及び第2の溶接部16,17の溶接をレーザ光21にて行うことから溶接時にリード15に余計な拘束力が与えられないため、リード15の溶接が好適に行われる。また、レーザ溶接はリード15等に機械的な接触、摩擦を生じないため、レーザ溶接機20に関する維持管理の手間を軽減させることもできる。
(5)レーザ光21a,21bのエネルギー強度分布をトップハット型とすることで第1及び第2の溶接部16,17の溶接幅に分布する熱量が平均化されるため、リード15の溶接幅を均等に加熱・溶融させて基板10へ溶接させることができるようになる。特に、基板10が多孔体であるとするとリード15からの熱拡散にむらが生じるが、溶接幅を均等に加熱することで、適切に溶融・溶接されるとともに、過熱による穴あきなどが防止されるようになる。
(6)リード15を第1及び第2の溶接部16,17と第3及び第4の溶接部18,19との4箇所で基板10に溶接する。つまり、基板10とリード15の溶接強度の向上が図られる。また、先の2箇所の第1及び第2の溶接部16,17の溶接でリード15が基板10に安定配置されているため、後の溶接の第3及び第4の溶接部18,19は基板10とリード15の位置関係が安定した状態で行なわれるようになる。また、同時に第3及び第4の溶接部18,19を溶接することで、一方の溶接が他方の溶接に与える影響を低減させることができる。
(7)基板10を溶接した2箇所の第1及び第2の溶接部16,17の間で切断することで、リード15が接続された基板10から電池に必要とされる大きさの電極(正極板)を製造することができる。なお、第1及び第2の溶接部16,17の各溶接の溶接強度が等しく維持されているため、リード15の分割とともに同時に溶接した2箇所のうちの一方の溶接箇所のみになったとしても、必要な溶接強度が維持される。つまり、各溶接に溶接不良が含まれるおそれが低い。
(8)溶接をリード15側から行うことによって、溶融されたリード15によってリード15が基板10に溶接される。リード15の密度は基板10よりも高いことから、リード15側を溶融させることで基板10に多くの金属を溶接させることができ、溶接強度が高く維持されるようになる。また、リード15と基板10との間の電気的抵抗も低くすることができる。
(9)リード15を、正極板を構成する金属多孔体(基板10)に好適に溶接することができる。
(第2の実施形態)
電池用電極の製造方法及び製造装置が具体化された第2の実施形態について、図9〜図28に従って説明する。本実施形態では、特に、レーザ溶接に用いるレーザのエネルギー強度の分布について説明する。なお、本実施形態の電池用電極の製造装置は、金属多孔体である発泡ニッケル基板からなる基板42に金属板であるリード45をレーザ溶接する構成を備えるが、この製造装置の構成は、第1の実施形態における基板10に金属板であるリード15をレーザ溶接する製造装置の構成と同等である。また、本実施形態の基板42及びリード45はそれぞれ第1の実施形態の基板10及びリード15と同様の材料から形成されている。
ところで従来より、シーム溶接や超音波溶接によって電極用の基板にリードを溶接する技術が知られている(例えば、特開2001−236951号公報)。一方、近年、電極用の基板にリードをレーザ溶接する技術が提案されるようになってきてはいるものの、発泡金属である電極用の基板へのリードの溶接となると、気孔のないもしくは少ない金属材同士の溶接に比べ、溶接箇所やその周辺に、溶接を要因としての穴あきや、欠肉などが生じるおそれが高い。本実施形態によれば、発泡金属である電極用の基板とリードとを好適に溶接することができる電池用電極の製造方法やその装置を提供することができるようになる。
図9に示すように、基板42にリード45がレーザ光41にてレーザ溶接される。基板42は、回転駆動される駆動ロール40により進行方向D11方向へ一定速度で移動される。
リード45には基板42の表面に向かう押圧力F11が付与されている。つまり、基板42の表面に配置されたリード45は基板42の表面に押し付けられている。また、リード45は、進行方向D11の反対方向(上流側)に向かって張力Tが印加されている。またリード45は、上流側に印加される張力Tに基づいて基板42へ安定して接触させられるとともに、同張力Tに含まれる押圧力F11方向への力によっても基板42の表面へ押し付けられる。こうして基板42とリード45との接触が維持されることで基板42へのリード45のレーザ溶接が好適に行われるようになっている。
図10に示すように、基板42は、金属多孔体である発泡ニッケル基板からなる多孔質である。基板42は、0.5〜1.0mm程度の厚みを有するとともに、気孔率は90%以上である。例えば、基板42は、1.0〜1.5mm程度の元材がプレス加工やローラ圧延等によって0.5〜1.0mm程度の厚みに圧縮加工されたものである。正極板に用いられる基板42としては、0.5〜1.0mm程度、特に0.70〜0.85mm程度の厚みは好適である。基板42は、活物質の充填効率を高くするため、気孔率は90%以上であることが一般的である。
基板42は、その表面に基板42の延びる長さ方向に沿ってプレス加工やローラ圧延等の圧縮加工によってその他の部分よりも薄い厚みになるように圧縮加工された配置部43を備えている。つまり、基板42は、配置部43を有し、その配置部43に対応する位置に溝44が形成される。配置部43は、基板42の多孔質を形成する金属が集約されて密度が高くなるため、単位面積あたりの溶接面積が増え、溶接強度が向上するようにもなる。
また配置部43の気孔率はプレス加工やローラ圧延等の圧縮加工によって50〜82%に調整されている。気孔率が82%以下の場合、レーザ溶接の際、穴あきなどの欠陥が生じにくくなるなど、溶接品質の向上が図られる。一方、気孔率が50%未満の場合、配置部43の強度がその薄さを要因として低下し、例えば折れ曲がりやすくなるなど基板42の運搬時などにおける取り扱いの手間が増加するなどハンドリング性の低下を招く。すなわち、配置部43の気孔率を50〜82%とすることにより、溶接品質の向上が図られるとともに、ハンドリング性が良好な基板42を得ることができる。なお、基板42は、配置部43に対応する溝44の部分の厚み(溝の深さ)が、0.1〜0.2mm程度であることがより好ましい。
配置部43に対応する溝44には、帯状のリード45が配置される。つまり、リード45は、その幅が配置部43の幅よりも狭い幅であり、その厚みは配置部43に対応する溝44に収容される厚み、0.1〜0.2mm(100〜200μm)程度であることが好ましい。また、リード45の厚みは、100〜150μm程度であることがより好ましい。なお、本実施形態では、リード45の進行方向D11とリード45の長さ方向(帯状に延びる方向)とは同じ方向であり、リード45の進行方向D11に直交する方向とリード45の幅方向(帯の幅方向)とは同じ方向である。
配置部43に配置されたリード45は、レーザ溶接機から照射されたレーザ光41によりその一部が溶融され、その溶融された部分から形成される溶接部46,47によって基板42(配置部43)に溶接される。これより、基板42は、リード45により補強され、リード45の配置された部分における圧縮や張力に対する耐性が向上する。本実施形態のレーザ溶接には、第1の実施形態のレーザ溶接機20,25などのレーザ溶接機と同様の構成からなるレーザ溶接機が用いられる。例えば、レーザ溶接機には、YAGレーザ、COレーザ、エキシマレーザなどを用いることができる。
レーザ光41は、所定の照射領域を有していることから、エネルギー強度の分布に応じてその照射領域中の位置に照射されるエネルギー強度がそれぞれ定まる。つまり、レーザ光41がリード45の進行方向D11(長さ方向)には長さ方向に対応するエネルギー強度分布を有するとともに、リード45の進行方向D11に直交する方向(幅方向)には幅方向に対応するエネルギー強度分布を有している。この場合には、レーザ光41は、リード45の幅方向には、幅方向に対応するエネルギー強度分布で照射されるとともに、リード45の長さ方向には、同長さ方向に対応するエネルギー強度分布で照射される。なお、本実施形態では、レーザ光41の長さ方向に対応するエネルギー強度、及び、幅方向に対応するエネルギー強度分布が必要に応じて変更されるようになっている。長さ方向や幅方向に対応するエネルギー強度分布は、レーザ溶接機が交換されたり、レーザ溶接機が調整されたりすることにより変更される。
つまり、リード45がレーザ溶接されるとき、レーザ光41の照射領域の中になるリード45の特定の位置は、レーザ光41の幅方向に対応するエネルギー強度分布の幅方向の一点が対応し、その対応する幅方向の一点における強度のエネルギーが付与される。また、リード45は進行方向D11に移動することから、リード45の特定の位置に対しレーザ光41は反進行方向D11へ移動し、リード45の特定の位置は、幅方向の一点に対応する強度のエネルギーが、レーザ光41の長さ方向に対応するエネルギー強度分布の全範囲の累積値として付与される。
次に、レーザ光41におけるエネルギー強度の分布について説明する。本実施形態では、エネルギー強度の分布として、ガウシアン型、トップハット型、及び、スクエアトップハット型の3つの分布について説明する。このうち、ガウシアン型のエネルギー強度分布を有するレーザ光は、金属のレーザ溶接に多く用いられている。
まず、図11〜14を参照して、ガウシアン型のエネルギー強度分布を有するレーザ光41、いわゆるガウシアン型のレーザ光41について説明する。
図11に示すように、ガウシアン型のレーザ光41は、それが照射される円形状の照射領域51におけるエネルギー強度の分布が、第1の強度分布50に示すガウシアン型のエネルギー強度分布となっている。つまり、第1の強度分布50は、照射領域51内のそれぞれの位置に、レーザ光41から与えられるエネルギーの強度(量)を示している。第1の強度分布50に示すように、ガウシアン型のレーザ光41は、照射領域51のうちレーザ光41の中心C50を含む頂部52に対応する位置には強い(多くの)エネルギーE52を付与し、中心C50から照射領域51の端部方向に離れることに応じて付与するエネルギー強度が低下する(エネルギー量が減少する)。
図12に示すように、ガウシアン型のレーザ光41は、中心C50から半径rを有する略円形状の領域である照射領域51を有し、同照射領域51の大きさでリード45に照射される。つまり照射領域51は、中心C50から長さ方向には半径r、幅方向にも半径rの大きさを有している。レーザ溶接の際、リード45は、レーザ光41の中心C50が通過する中央位置には、長さ方向に延びる通過線L0が示す長さの範囲でレーザ光41からエネルギーが付与される。通過線L0は、レーザ光41の照射領域51を二分するように照射領域51を横断する線であって、該照射領域51の長さ方向の先端から中心C50を通り、該照射領域51の長さ方向の後端までの直線状の経路からなる。また、リード45は、その幅方向においてレーザ光41の中心C50から端部方向へ半径rの0.8倍の位置である80%位置には、長さ方向に延びる通過線L1及び通過線L2が示す長さの範囲でレーザ光41からエネルギーが付与される。また、通過線L0の長さ方向の長さは約半径rの2倍であり、通過線L1及び通過線L2の長さ方向の長さは約半径rの1.2倍である。
図13に示すように、リード45の中央位置には、通過線L0に沿い移動するレーザ光41から長さ方向に対応するエネルギー強度分布に基づき、そのエネルギー強度分布の全範囲からエネルギーが付与される。つまり、リード45の中央位置は、レーザ光41の照射領域51の長さ方向の先端が到達することによってレーザ光41からのエネルギー付与が開始され、その後、頂部52に至るまで付与されるエネルギー強度が徐々に強くなる。そして、リード45の中央位置は、中心C50を含む頂部52付近が通過するとき最も強いエネルギーE52が付与され、頂部52を過ぎて照射領域51の長さ方向の後端に到達するまで付与されるエネルギー強度が徐々に弱くなる。このように、リード45の中央位置には、頂部52に対応する最も強いエネルギーE52を分布の中央に有する長さ方向へのエネルギー強度分布に基づいてエネルギーが付与される。よって、リード45の中央位置には、長さ方向へのエネルギー強度分布に基づくエネルギーの累積値であるエネルギー積分値P0が付与される。
一方、図14に示すように、リード45の80%位置には、各通過線L1,L2に沿い移動するレーザ光41から長さ方向におけるエネルギー強度分布に基づき、そのエネルギー強度分布の全範囲からエネルギーが付与される。なお、以下では、通過線L1から付与されるエネルギーについて説明し、同様にエネルギーを付与する通過線L2から付与されるエネルギーについては、説明の便宜上、その詳細な説明を割愛する。
つまり、リード45の80%位置は、レーザ光41の照射領域51の長さ方向の先端が到達することによってレーザ光41からのエネルギー付与が開始され、その後、エネルギー強度が徐々に強くなる。そして、リード45の80%位置は、通過線L1上において、幅方向に中心C50と並ぶ位置を通過するとき、通過線L1において最も強いエネルギーE53が付与され、そこを過ぎると照射領域51の後端に到達するまで付与されるエネルギー強度が徐々に弱くなる。ところで、通過線L1は、中心C50の通過線L0から端部方向に80%の位置にあるため、リード45の幅方向のエネルギー強度分布が正規分布であれば、幅方向に中心C50と並ぶ位置におけるエネルギー強度は、中心C50のエネルギー強度に比べて弱くなる。例えば、通過線L1において最も強いエネルギーE53の強度は、中心C50における最も強いエネルギーE52の強度に比べて、20%程度の強度である。また、通過線L1の長さは、約半径rの1.2倍であり、約半径rの2倍の長さの通過線L0に比べ、60%程度の長さとなる。つまり、リード45の80%位置には、中心C50における最も強いエネルギーE52の強度に比べて20%程度の強度のエネルギーE53を分布の中央に有する長さ方向へのエネルギーが付与される。よって、リード45の80%位置には、長さ方向へのエネルギー強度分布に基づくエネルギーの累積値であるエネルギー積分値P1が付与される。
なお、通過線L1と同様に、通過線L2の位置にも長さ方向へのエネルギー強度分布に基づくエネルギーの累積値であるエネルギー積分値P2が付与される。
また、図15〜18を参照して、トップハット型のエネルギー強度分布を有するレーザ光41、いわゆるトップハット型のレーザ光41について説明する。
図15に示すように、トップハット型のレーザ光41は、それが照射される円形状の照射領域61におけるエネルギー強度の分布が、第2の強度分布60に示すトップハット型のエネルギー強度分布となっている。つまり、第2の強度分布60は、照射領域61内のそれぞれの位置に、レーザ光41から与えられるエネルギーの強度(量)を示している。第2の強度分布60に示すように、トップハット型のレーザ光41は、レーザ光41の中心C60を含む頂部62の形状及び広さが照射領域61と同様の広さを有していることから、エネルギー強度分布が円柱状の分布となっており、照射領域61におけるどの位置にも略同一の強度のエネルギーE62が付与される。
図16に示すように、トップハット型のレーザ光41は、中心C60から半径rを有する略円形状の領域である照射領域61を有し、同照射領域61の大きさでリード45に照射される。つまり照射領域61は、中心C60から長さ方向には半径r、幅方向にも半径rの大きさを有している。レーザ溶接の際、リード45は、レーザ光41の中心C60が通過する中央位置には、長さ方向に延びる通過線L10が示す長さの範囲でレーザ光41からエネルギーが付与される。通過線L10は、レーザ光41の照射領域61を二分するように照射領域61を横断する線であって、該照射領域61の長さ方向の先端から中心C60を通り、該照射領域61の長さ方向の後端までの直線状の経路からなる。また、リード45は、その幅方向においてレーザ光41の中心C60から端部方向へ半径rの0.8倍の位置である80%位置には、長さ方向に延びる通過線L11及び通過線L12が示す長さの範囲でレーザ光41からエネルギーが付与される。また、通過線L10の長さ方向の長さは約半径rの2倍であり、通過線L11及び通過線L12の長さ方向の長さは約半径rの1.2倍である。
図17に示すように、リード45の中央位置には、通過線L10に沿い移動するレーザ光41から長さ方向に対応するエネルギー強度分布に基づき、そのエネルギー強度分布の全範囲からエネルギーが付与される。つまり、リード45の中央位置は、レーザ光41の照射領域61の長さ方向の先端が到達することによってレーザ光41から頂部62に対応する強度のエネルギーE62の付与が開始され、その後、中心C60を通過して照射領域61の長さ方向の後端に到達するまで同様に、頂部62に対応する強度のエネルギーE62が付与され続ける。このように、リード45の中央位置には、通過線L10の長さと、その通過線L10の範囲で略一定である長さ方向へのエネルギー強度分布とに基づいてエネルギーが付与される。よって、リード45の中央位置には、長さ方向へのエネルギー強度分布に基づいて頂部62に対応する強度のエネルギーE62の累積値であるエネルギー積分値P10が付与される。
一方、図18に示すように、リード45の80%位置には、各通過線L11,L12に沿い移動するレーザ光41から長さ方向におけるエネルギー強度分布に基づき、そのエネルギー強度分布の全範囲からエネルギーが付与される。なお、以下では、通過線L11から付与されるエネルギーについて説明し、同様にエネルギーを付与する通過線L12から付与されるエネルギーについては、説明の便宜上、その詳細な説明を割愛する。
つまり、リード45の80%位置は、レーザ光41の照射領域61の長さ方向の先端が到達することによってレーザ光41からの頂部62に対応する強度のエネルギーE62の付与が開始される。その後、リード45の80%位置は、通過線L11上において、幅方向に中心C60と並ぶ位置を通過し、照射領域61の長さ方向の後端に到達するまで頂部62に対応する強度のエネルギーE62が付与され続ける。このように、リード45の80%位置には、通過線L11の長さと、その通過線L11の範囲で略一定である長さ方向へのエネルギー強度分布とに基づいてエネルギーが付与される。よって、リード45の中央位置には、長さ方向へのエネルギー強度分布に基づいて頂部62に対応する強度のエネルギーE62の累積値であるエネルギー積分値P11が付与される。つまり、通過線L11の長さは通過線L10の長さの60%(=1.2r÷2r*100)であることから、通過線L11の通る位置に付与されるエネルギー積分値P11は、通過線L10の通る位置に付与されるエネルギー積分値P10の60%となる。
なお、通過線L12の位置にも、通過線L11の位置に付与されるエネルギー積分値P11と同じ値であるエネルギー積分値P12が付与される。
こうしたことから、トップハット型のエネルギー強度分布を有するレーザ光41は、ガウシアン型のレーザ強度分布を有するレーザ光に比して、リード45のレーザ溶接される溶接部46の均等な加熱・溶融に基づいてリード45を基板42へ溶接させるようになる。これにより、レーザ溶接されるリード45や基板42の一部のみが過度に加熱されたりすることによる穴あきや欠肉などが生じることが防止されるようになる。
また、図19〜22を参照して、スクエアトップハット型のエネルギー強度分布を有するレーザ光41、いわゆるスクエアトップハット型のレーザ光41について説明する。
図19に示すように、スクエアトップハット型のレーザ光41は、それが照射される四角形状の照射領域71におけるエネルギー強度の分布が、第3の強度分布70に示すスクエアトップハット型のエネルギー強度分布となっている。第3の強度分布70は、照射領域71内のそれぞれの位置に、レーザ光41から与えられるエネルギーの強度(量)を示している。第3の強度分布70に示すように、スクエアトップハット型のレーザ光41は、レーザ光41の中心C70を含む頂部72の形状及び広さが照射領域71と同様の広さを有していることから、エネルギー強度分布が四角柱状の分布となっており、照射領域71におけるどの位置にも略同一の強度のエネルギーE72が付与される。
図20に示すように、スクエアトップハット型のレーザ光41は、略四角形状の領域である照射領域71を有し、同照射領域71の大きさでリード45に照射される。なお、本実施形態では、照射領域71の対向する2辺がリード45の長さ方向に沿って、他の対向する2辺がリード45の幅方向に沿って配置される。つまり照射領域71は、中心C70から長さ方向には幅w、幅方向にも幅wの大きさを有している。レーザ溶接の際、リード45は、レーザ光41の中心C70が通過する中央位置には、長さ方向に延びる通過線L20が示す長さの範囲でレーザ光41からエネルギーが付与される。通過線L20は、レーザ光41の照射領域71を二分するように照射領域71を横断する線であって、該照射領域71の長さ方向の先端から中心C70を通り、該照射領域71の長さ方向の後端までの直線状の経路からなる。また、リード45は、その幅方向においてレーザ光41の中心C70から端部方向へ幅wの0.8倍の位置である80%位置には、長さ方向に延びる通過線L21及び通過線L22が示す長さの範囲でレーザ光41からエネルギーが付与される。また、通過線L20の長さ方向の長さは約幅wの2倍であり、通過線L11及び通過線L12の長さ方向の長さも約幅wの2倍である。
図21に示すように、リード45の中央位置には、通過線L20に沿い移動するレーザ光41から長さ方向におけるエネルギー強度の分布に基づき、そのエネルギー強度分布の全範囲からエネルギーが付与される。つまり、リード45の中央位置は、レーザ光41の照射領域71の長さ方向の先端が到達することによってレーザ光41からの頂部72に対応する強さのエネルギーE72の付与が開始され、その後、中心C70を通過して照射領域71の長さ方向の後端に到達するまで同様に、頂部72に対応する強度のエネルギーE72が付与され続ける。このように、リード45の中央位置には、通過線L20の長さと、その通過線L20の範囲で略一定である長さ方向へのエネルギー強度分布とに基づいてエネルギーが付与される。よって、リード45の中央位置には、長さ方向へのエネルギー強度分布に基づいて頂部72に対応する強度のエネルギーE72の累積値であるエネルギー積分値P20が付与される。
一方、図22に示すように、リード45の80%位置には、各通過線L21,L22に沿い移動するレーザ光41から長さ方向におけるエネルギー強度分布に基づき、そのエネルギー強度分布の全範囲からエネルギーが付与される。なお、以下では、通過線L21から付与されるエネルギーについて説明し、同様にエネルギーを付与する通過線L22から付与されるエネルギーについては、説明の便宜上、その詳細な説明を割愛する。
つまり、リード45の80%位置は、レーザ光41の照射領域71の長さ方向の先端が到達することによってレーザ光41からの頂部72に対応する強度のエネルギーE72の付与が開始される。その後、リード45の80%位置は、通過線L21上において、幅方向に中心C70と並ぶ位置を通過し、照射領域71の長さ方向の後端に到達するまで頂部72に対応する強度のエネルギーE72が付与され続ける。このように、リード45の80%位置には、通過線L21の長さと、その通過線L21の範囲で略一定である長さ方向へのエネルギー強度分布とに基づいてエネルギーが付与される。よって、リード45の中央位置には、長さ方向へのエネルギー強度分布に基づいて頂部72に対応する強度のエネルギーE72の累積値であるエネルギー積分値P21が付与される。つまり、通過線L21の長さは通過線L20の長さと同じであることから、通過線L21の通る位置に付与されるエネルギー積分値P21は、通過線L20の通る位置に付与されるエネルギー積分値P20と同じエネルギー量となる。
なお、通過線L22の位置にも、通過線L21の位置に付与されるエネルギー積分値P21と同じ、つまり通過線L20の位置に付与されるエネルギー積分値P20と同じ値であるエネルギー積分値P22が付与される。
こうしたことから、スクエアトップハット型のエネルギー強度分布を有するレーザ光41は、リード45のレーザ溶接される溶接部46の均等な加熱・溶融に基づいてリード45を基板42へ溶接させることができる。これにより、レーザ溶接されるリード45や基板42の一部のみが過度に加熱されたりすることによる穴あきや欠肉などが生じることが防止されるようになる。
そして、本実施形態では、レーザ溶接における溶接品質の良否に関連するプロファイル特性指標値を算出する。プロファイル特性指標値は、リード45の中央位置に付与されるエネルギー積分値と、リード45の80%位置に付与されるエネルギー積分値との関係から算出される指標値である。本実施形態では、このプロファイル特性指標値と、レーザ溶接における溶接品質の良否との関連性を説明する。プロファイル特性指標値は、次の式(1)に基づいて算出される。
(第1端部の積分値+第2端部の積分値)/(中央の積分値×2)・・・(1)
但し、「第1端部の積分値」及び「第2端部の積分値」は、リード45の2つの80%位置のエネルギー積分値をそれぞれ示し、「中央の積分値」は、リード45の中央位置に付与されるエネルギー積分値を示している。
プロファイル特性指標値は、指標が「1」に近いほど、レーザ光41の照射範囲に対するエネルギーが均等化されて、リード45の照射範囲の熱分布が均等になり、溶融した金属が形成する溶融池内の温度勾配が緩やかになる。これにより、溶融池内に、表面張力や対流により生じる移動が抑制され、溶融値が安定化する。リード45と、基板42との溶接では、プロファイル特性指標値が所定の値を下回ると、発泡金属に対する溶融池の安定性が急に低下し、穴あきなどの溶接不良が生じやすくなってしまうことが分かっている。なお、本実施形態ではプロファイル特性指標値の所定の値として、「0.6」を採用したが、この値は、リードや基板などの条件に応じて、実験や経験、論理的に定めることができる。
なお、ガウシアン型のレーザ光41、トップハット型のレーザ光41、及び、スクエアトップハット型のレーザ光41のいずれも、「第1端部の積分値」と「第2端部の積分値」とが同じ値である。このため、本実施形態では、プロファイル特性指標値は、中央の積分値と、第1端部の積分値(又は第2端部の積分値)との比率を算出する式である「(第1端部の積分値)/(中央の積分値)」から算出することもできる。
例えば、ガウシアン型のレーザ光41のプロファイル特性指標値は、リード45の中央位置のエネルギー積分値P0と、リード45の80%位置のエネルギー積分値P1,P2とに基づいて、「(P1+P2)/(P0×2)」又は「P1/P0」として算出される。本実施形態では、ガウシアン型のレーザ光41のプロファイル特性指標値として、例えば「0.17」、「0.25」、及び「0.4」などの値が算出される。
また、トップハット型のレーザ光41のプロファイル特性指標値は、リード45の中央位置のエネルギー積分値P10と、リード45の80%位置のエネルギー積分値P11,P12とに基づいて、「(P11+P12)/(P10×2)」又は「P11/P10」より算出される。本実施形態では、トップハット型のレーザ光41のプロファイル特性指標値として、例えば「0.6」などの値が算出される。
また、スクエアトップハット型のレーザ光41のプロファイル特性指標値は、リード45の中央位置のエネルギー積分値P20と、リード45の80%位置のエネルギー積分値P21,P22とに基づいて、「(P21+P22)/(P20×2)」又は「P21/P20」より算出される。本実施形態では、スクエアトップハット型のレーザ光41のプロファイル特性指標値として、例えば「1.0」などの値が算出される。
続いて、基板42の強度の測定について説明する。
図23に示すように、基板42は、複数の正極板を切り出すことのできる大きさを有する基材、いわゆる大板である。大板である基板42は、進行方向D11から見ると、幅方向のうちの2箇所に押圧形成された第1及び第2の配置部43A,43Bを有し、これら2つの第1及び第2の配置部43A,43Bによって、通常の厚みを有する部分が第1〜第3の極板部42A,42B,42Cの3つに区分されている。なお、本実施形態では、第1及び第3の極板部42A,42Cは正極板1枚分の幅を有し、第2の極板部42Bは正極板2枚分の幅を有している。
幅L30は、第1の極板部42Aの幅に対応し、例えば33mmである。また、幅L31は、上記幅L30に第1の配置部43Aの幅を加えた幅に対応し、例えば41mmである。また、幅L32は、上記幅L31に第2の極板部42Bの幅を加えた幅に対応し、例えば105mmである。また、幅L33は、上記幅L32に第2の配置部43Bの幅及び第3の極板部42Cの幅を加えた幅に対応し、例えば146mmである。
このような構造の基板42は、厚みの薄い第1及び第2の配置部43A,43Bに応力が集中して、折れ曲がりなどの変形が生じるおそれがある。折れ曲がりなどの変形が生じると、運搬等における基板42の取り扱いにかかる手間が煩雑になる、いわゆるハンドリング性が低下する。そこでハンドリング性が良好であるか不良であるかを判定するため、基板42の強度を測定する。
つまり、図24に示すように、第1及び第2の配置部43A,43Bにそれぞれリード45が溶接された基板42の第1の極板部42Aを測定台81に載置し、押さえ82で固定する。このとき、第1の極板部42A以外の部分は測定台81などによって支持されないように測定台81から突出させる。つまり、基板42が自重によってたわむたわみ量を、第1の極板部42Aから最も離れた第3の極板部42Cの端部が第1の極板部42Aに対して垂れ下がった量(変位)として測定する。
これにより、運搬時などに生じるおそれのある第1の極板部42Aのみによる基板42の保持において、第1の配置部43Aなどが、第2及び第3の極板部42B,42Cなどの自重で折れ曲がる量(たわみ量)が測定される。そして、基板42は、たわみ量が少なければ良好な強度が維持されておりハンドリング性は良好であると判定され、逆に、たわみ量が多ければ強度が不足しておりハンドリング性が不良であると判定される。
続いて、リード45がレーザ溶接された基板42を、良好な溶接品質及びハンドリング性を有するものとして作成するための条件について説明する。
図25〜図27には、リード45がレーザ溶接された基板42の溶接品質とハンドリング性との測定結果を示す。まず、測定条件について説明する。
基板42は、発泡ニッケル基板からなり、第1〜第3の極板部42A,42B,42Cの厚さは1300μm、気孔率は97.2%とした。
また、基板42の第1及び第2の配置部43A,43Bはそれぞれ、気孔率が38%〜86%になるように圧延加工により圧縮された。例えば、各配置部の気孔率とそのときの厚み及び圧縮率は、気孔率38%のとき厚み60μm、圧縮率95.4%であり、気孔率40%のとき厚み62μm、圧縮率95.2%であり、気孔率42%のとき厚み64μm、圧縮率95.1%であり、気孔率44%のとき厚みは66μm、圧縮率94.9%である。また、気孔率48%のとき厚みは71μm、圧縮率94.5%であり、気孔率50%のとき厚み74μm、圧縮率94.3%であり、気孔率52%のとき厚み77μm、圧縮率94.1%であり、気孔率54%のとき厚みは81μm、圧縮率93.6%である。また、気孔率66%のとき厚みは109μm、圧縮率91.6%であり、気孔率68%のとき厚み116μm、圧縮率91.1%であり、気孔率70%のとき厚み124μm、圧縮率90.5%であり、気孔率72%のとき厚みは132μm、圧縮率89.8%である。また、気孔率78%のとき厚みは168μm、圧縮率87.0%であり、気孔率80%のとき厚み185μm、圧縮率85.7%であり、気孔率82%のとき厚み206μm、圧縮率84.2%であり、気孔率84%のとき厚みは232μm、圧縮率82.2%であり、気孔率88%のとき厚みは265μm、圧縮率79.6%である。
リード45としては、厚さ125μmのニッケルメッキされた鋼製のリードを用いた。
リード45の進行方向D11への移動速度、つまり溶接速度は15m/minとした。
プロファイル特性指標値が「0.17」のレーザ光41は、ガウシアン型のエネルギー強度分布を有し、レーザ出力を1.5kW、ファイバー径を100μm、コリメートレンズ焦点距離を50mm、フォーカスレンズ焦点距離を300mm、レーザスポット径(ビーム径)を600μm(円形)とした。つまり、レーザスポット径(ビーム径)は、照射領域51の半径rの2倍に対応する。
また、プロファイル特性指標値が「0.25」のレーザ光41は、ガウシアン型のエネルギー強度分布を有し、レーザ出力を1.5kW、ファイバー径を200μm、コリメートレンズ焦点距離を100mm、フォーカスレンズ焦点距離を300mm、レーザスポット径を600μm(円形)とした。
また、プロファイル特性指標値が「0.4」のレーザ光41は、ガウシアン型のエネルギー強度分布を有し、レーザ出力を1.5kW、ファイバー径を400μm、コリメートレンズ焦点距離を100mm、フォーカスレンズ焦点距離を150mm、レーザスポット径を600μm(円形)とした。
また、プロファイル特性指標値が「0.6」のレーザ光41は、ハットトップ型のエネルギー強度分布を有し、レーザ出力を1.5kW、ファイバー径を600μm、コリメートレンズ焦点距離を100mm、フォーカスレンズ焦点距離を100mm、レーザスポット径を600μm(円形)とした。つまり、レーザスポット径は、照射領域61の半径rの2倍に対応する。
また、プロファイル特性指標値が「1」のレーザ光41は、スクエアハットトップ型のエネルギー強度分布を有し、レーザ出力を2kW、ファイバー断面形状を辺長620μmの四角形、レーザスポット形状を辺長620μmの四角形とした。つまり、辺長は、照射領域71の幅wの2倍に対応する。
そして、基板42にリード45が300mmレーザ溶接されたものについて溶接品質の良好/不良と、ハンドリング性の良好/不良とを判別した。
溶接品質は、溶接部46の全長に渡り、穴あき、アンダーフィル(欠肉)、未溶接といった溶接欠陥箇所が認められないなどの場合、発泡ニッケルとリードとが問題なく溶接されている、すなわち良好「○」であると判別される。逆に、1箇所でも溶接欠陥箇所が認められた場合、発泡ニッケルとリードとの溶接に問題がある、すなわち不良「×」であると判別される。
ハンドリング性は、たわみ量が70mm未満である場合、良好「○」と判別され、たわみ量が70mm以上である場合、不良「×」と判別される。
つまり、図25に示すように、プロファイル特性指標値が「0.17」のレーザ光41による溶接品質及びハンドリング性として測定結果T11〜T14が得られた。すなわち、溶接品質は、気孔率が38%及び40%(測定結果T11,T12)のとき、良好「○」であると判別され、気孔率が42%及び44%(測定結果T13,T14)のとき、不良「×」であると判別される。つまり、気孔率が高くなると溶接品質が低下した。また、ハンドリング性は、気孔率が38%、40%、42%及び44%(測定結果T11〜T14)のとき、つまり厚みが60〜66μmのとき、いずれも不良「×」であると判別される。
同じく、図25に示すように、プロファイル特性指標値が「0.25」のレーザ光41による溶接品質及びハンドリング性として測定結果T21〜T25が得られた。すなわち、溶接品質は、気孔率が40%、48%及び50%(測定結果T21〜T23)のとき、良好「○」であると判別され、気孔率が52%及び54%(測定結果T24,T25)のとき、不良「×」であると判別される。つまり、気孔率が高くなると溶接品質が低下した。また、ハンドリング性は、気孔率が40%及び48%(測定結果T21,T22)のとき、つまり厚みが62〜71μmのとき、不良「×」であると判別され、気孔率が50%,52%及び54%(測定結果T23〜T25)のとき、つまり厚みが74〜81μmのとき、良好「○」であると判別される。
図26に示すように、プロファイル特性指標値が「0.4」のレーザ光41による溶接品質及びハンドリング性として測定結果T41〜T45が得られた。すなわち、溶接品質は、気孔率が50%、66%及び68%(測定結果T41〜T43)のとき、良好「○」であると判別され、気孔率が70%及び72%(測定結果T44,T45)のとき、不良「×」であると判別される。つまり、気孔率が高くなると溶接品質が低下した。また、ハンドリング性は、気孔率が50%、66%、68%、70%及び72%(測定結果T41〜T45)のとき、つまり厚みが74〜132μmのとき、いずれも良好「○」であると判別される。
同じく、図26に示すように、プロファイル特性指標値が「0.6」のレーザ光41による溶接品質及びハンドリング性として測定結果T61〜T66が得られた。すなわち、溶接品質は、気孔率が52%、68%、78及び80%(測定結果T61〜T64)のとき、良好「○」であると判別され、気孔率が82%及び84%(測定結果T65,T66)のとき、不良「×」であると判別される。つまり、気孔率が高くなると溶接品質が低下した。また、ハンドリング性は、気孔率が52%、68%、78%、80%、82%及び84%(測定結果T61〜T66)のとき、厚みが77〜232μmのとき、いずれも良好「○」であると判別される。
図27に示すように、プロファイル特性指標値が「1」のレーザ光41による溶接品質及びハンドリング性として測定結果S61〜S66が得られた。すなわち、溶接品質は、気孔率が54%、72%、80%及び82%(測定結果S61〜S64)のとき、良好「○」であると判別され、気孔率が84%及び86%(測定結果S65,S66)のとき、不良「×」であると判別される。つまり、気孔率が高くなると溶接品質が低下した。また、ハンドリング性は、気孔率が54%、72%、80%、82%、84%及び86%(測定結果S61〜S66)のとき、つまり厚みが81〜265μmのとき、いずれも良好「○」であると判別される。
これらの測定結果に基づいて、プロファイル特性指標値と、リード45が溶接される配置部の発泡金属の発泡率[%]との関係を、図28を参照して説明する。
図28に示すグラフには、溶接品質が良好「○」と判別された測定結果が「○」で示され、溶接品質が不良「×」と判別された測定結果が「△」で示されている。つまり、グラフには、測定結果T11,T12,T21,T22,T23,T41,T42,T43,T61,T62,T63,T64,S61,S62,S63,S64が「○」で示され、測定結果T12,T14,T24,T25,T44,T45,T65,T66,S65,S66が「△」で示されている。このグラフに示すように、溶接品質の良好/不良は、区分線K1により区分される。すなわち、配置部の気孔率において、レーザ溶接するレーザ光41のプロファイル特性指標値が区分線K1以上(領域A21,A22)であれば、溶接品質は良好「○」となる。逆に、レーザ溶接するレーザ光41のプロファイル特性指標値が区分線K1未満(領域A11,A12,A13)であれば、溶接品質は不良「△」となる。なお、プロファイル特性指標値の値にかかわらず、気孔率が82%を超えると溶接品質は不良となる。つまり、レーザ溶接される配置部の気孔率は82%以下であることが好ましい。
また、プロファイル特性指標値が「0.6」以上である場合、気孔率が82%未満であれば、溶接品質が良好となる傾向にある。一方、プロファイル特性指標値が「0.6」未満である場合、プロファイル特性指標値の低下に伴って、溶接品質が良好となる気孔率も低下する傾向にある。
これらより、レーザ溶接による溶接品質を良好にするためには、エネルギー強度分布のプロファイル特性指標値が、リード45を溶接する配置部の気孔率に対して区分線K1により示される値よりも大きいことが好ましい。特に、プロファイル特性指標値が「0.6」以上、かつ、気孔率が82%未満であればレーザ溶接による溶接品質が良好になりより好ましい。
また、ハンドリング性は、プロファイル特性指標値の値に関わらず、気孔率が50%未満である場合(領域A11,21)は不良であり、気孔率が50%以上である場合(領域A12,A13,A22)は良好である。
これより、リード45の溶接された基板42のハンドリング性は、気孔率が50%以上であることが好ましい。
これらのことから、溶接品質が良好である、かつ、ハンドリング性が良好な条件は、気孔率が50%以上、かつ、溶接する配置部の気孔率においてレーザ光41のプロファイル特性指標値が区分線K1により示される値以上であることとなる。特に、プロファイル特性指標値が0.6以上、かつ、1以下の場合、気孔率が50%以上、かつ、82%未満の範囲で、つまり区分線K2にて区画される領域A23内で、溶接品質、及び、ハンドリング性が良好に維持されてより好適な条件となる。
本実施形態によれば、リード45を気孔率が50%〜82%の溶接部46に良好な溶接品質で溶接することができるとともに、基板42に良好なハンドリング性を維持することができる。
また、プロファイル特性指標値が0.6以上となるエネルギー強度分布を有するレーザ光41によるレーザ溶接は、レーザ光41の照射範囲に溶接部46を溶融させる熱を均等分布させ、溶接の安定性を向上させる。つまり、レーザ光41の照射範囲が均等に溶融されることで、局所的に溶融した金属が表面張力で引き寄せられて一箇所に集まることによって生じる、溶融している部分と溶融していない部分との間の穴あきやアンダーフィル(欠肉)などの溶接欠陥の発生が抑制されるようになる。また、レーザ光41の照射範囲を均等に溶融させることで、溶融した金属の溶融池内の温度勾配を小さくすることができるため、溶融池内の対流が抑制されて溶融池内の乱れも抑制され、安定した溶融池による安定した溶接が行われるようにもなる。上述した溶接欠陥や溶融池の乱れは、通常の金属をレーザ溶接するときよりも、発泡金属をレーザ溶接するときに顕著であり、気孔率が大きい程発生しやすくなる傾向にある。このため、本実施形態によれば、リード45と基板42とのレーザ溶接の溶接品質の向上が図られるようになる。
以上説明したように、本実施形態の電池用電極の製造方法及び製造装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(10)レーザ光41のエネルギー強度の分布が、リード45の幅方向に均等化されるとともにリード45の長さ方向へも均等化される。よって、リード45はレーザ溶接される部分において幅方向への熱量の分布が平均化され、リード45のレーザ溶接される溶接部46の均等な加熱・溶融に基づいてリード45が基板42へ溶接されるようになる。特に、基板42が多孔体であるとするとリード45からの熱拡散にむらが生じるが、レーザ溶接される範囲を均等に加熱することで、適切な溶融によりリード45と基板42とが溶接されるとともに、過熱による穴あきや欠肉などが抑制されるようになる。このように、エネルギー強度の分布が均等化されるエネルギー強度の分布としてトップハット型や、スクエアハット型などが挙げられる。なお、金属の溶接に用いられることの多い、円錐形状のエネルギー強度分布を有するレーザ光、例えばガウシアン型は、エネルギー強度が、レーザの中心位置から離れると大幅に低下する傾向にあり、エネルギー強度の分布の均等化されている程度が低い。
(11)レーザにおいてリード45の幅方向の中央位置からリード端部方向に80%の位置におけるエネルギー強度を60%以上とすることで、リード45のレーザ溶接に適したエネルギー強度となるように強度の分布の均等化が行われ、リード45の基板42へのレーザ溶接が適切に行われるようになる。
(12)プロファイル特性指標値が「0.6」以上である場合、気孔率が82%未満であれば、基板42のリード45が配置される部分である配置部43が、レーザ溶接に適した気孔率とされるとともに、適切な強度を有するものとなる。例えば、気孔率が低下すれば、溶着強度は向上するが、基板42の強度が低下する。逆に、気孔率が高くなれば、リード45などに溶接による穴あきなどが生じやすくなる。
(13)スクエアトップハット型のエネルギー強度を有するレーザは、レーザのエネルギー強度が略同一に均等化されることから、照射範囲の熱分布がより均等になり、リードの基板へのレーザ溶接がより適切に行われるようになる。
(その他の実施形態)
なお上記各実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記各実施形態では、正極板を製造する場合について例示した。しかしこれに限らず、負極板を製造してもよい。つまり、パンチングメタルなどの金属支持体を基板として用い、基板にリードが溶接された後、当該基板に水素吸蔵合金を含む材料を塗布する工程を有するようにしてもよい。これにより、リードを、負極板を構成する電極支持体に好適に溶接することができるようになるため、このような電池用電極の製造方法の適用可能性の拡大が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、電池用電極の製造装置は、基板10に2本のリード15を配置させる場合について例示した。しかしこれに限らず、基板に1本のリードを配置させても、基板に3本以上のリードを配置させてもよい。これにより、電池用電極の製造装置の構成自由度の向上が図られるようになる。
・上記各実施形態では、正極板2枚分の大きさの大板、または正極板8枚分の大きさの大板について例示した。しかしこれに限らず、大板は、複数の正極板を取得できる大きさであれば、3〜7枚分の正極板の大きさや9枚以上の正極板の大きさであってもよい。これにより、リードを分割することで複数の正極板を取得することができる電池用電極の製造方法の適用可能性の拡大が図られる。
・上記第1の実施形態では、基板10にリード15を溶接した後、基板10(大板)を切断する場合について例示した。しかしこれに限らず、基板にリードを溶接した後、基板を切断する工程が含まれていなくてもよい。つまり基板が切断されなくても、リードは基板に2箇所の溶接部によって必要な溶接強度で好適に溶接される。これにより、電池用電極の製造方法の適用可能性の拡大が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、リード15に第1〜第4の溶接部16〜19を設ける場合について例示した。しかしこれに限らず、リードに基板への必要な溶接強度が確保されるのであれば、第1及び第2の溶接部のみによる溶接であってもよい。これにより、電池用電極の製造方法の適用可能性の拡大が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、レーザ光21a,21bのエネルギー強度分布がトップハット型である場合について例示した。しかしこれに限らず、溶接に不具合が生じないので有れば、レーザ光のエネルギー強度分布は、スクエアトップハット型や、その他のトップハット型から変形した分布や、ガウシアン型及びガウシアン型から変形した分布など、トップハット型以外の他の公知の強度分布であってもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、リード15にレーザ光21a,21bを連続照射する場合について例示した。しかしこれに限らず、必要な溶接強度が確保されるのであれば、リードにレーザ光を間欠的に照射して間欠的に溶接してもよい。このとき溶接する間隔は、必要な溶接強度が確保されるのであれば、任意の間隔を確保することができる。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、第1及び第2のレーザ溶接機20,25は、一つの発振器が発光したレーザ光21,26を2分割する場合について例示した。しかしこれに限らず、同強度のレーザ光を放出できるのであれば、2つのレーザ光を別々のレーザ発振器から発振させてもよい。つまり、レーザ溶接機に2つの発振器を搭載してもよいし、2つのレーザ溶接機を用いてもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、溶接をレーザ光21,26で行なう場合について例示した。しかしこれに限らず、リードが基板に溶接されるのであれば、カシメ溶接や電気溶接などであってもよい。これらの溶接方法であっても、溶接部分は加熱されるためリードに変形などが生じるおそれがあるが、基板に押し付けられている2箇所を同時に溶接することで、先の溶接により生じた変形などが後に溶接する他方に影響を及ぼすようなおそれが軽減されるようになる。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、リード15の長さ方向は、基板10の幅方向に直交する場合について例示した。しかしこれに限らず、リードの長さ方向は、基板の幅方向に交差すればよい。これにより、電池用電極の製造方法の適用自由度の向上が図られるようになる。
・上記各実施形態では、電池が二次電池である場合について例示したが、これに限らず、電池は一次電池でもよい。これにより、電池用電極の製造方法の適用範囲の拡大が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、レーザ溶接機20がリード15毎に設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、1台のレーザ溶接機が複数のリードを溶接してもよい。このとき、レーザ溶接機などに備えられるレーザ光源としての1つのレーザ光発生装置から出力されたレーザ光をプリズムで複数に分割し、それら分割されたレーザ光のそれぞれが別々のリードを溶接するようにしてもよい。これにより、1つのレーザ光源で複数箇所の溶接を行うことが可能になる。また、プリズムによる分光は、ビーム径を小さくするなどの調整や、溶接本数を多くするなどの調整を容易にもする。これにより、電池用電極の製造方法の適用範囲の拡大が図られるようになる。
・上記第2の実施形態では、リード45は押圧力F11で基板42に押し付けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、リードが基板に適切に配置されるのであれば、リードは基板に、溶接や接着剤などで仮止めされていてもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第2の実施形態では、基板42(圧縮された配置部43を除く)の厚みが0.5〜1.0mm程度である場合について例示した。しかしこれに限らず、基板として適切に利用できるのでれば、基板の厚みは0.5〜1.0mmを越えて薄くてもよいし、又は厚くてもよい。例えば、基板の厚みは1.0〜1.5mm程度であってもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第2の実施形態では、基板42(圧縮された配置部43を除く)の気孔率は90%以上である場合について例示した。すなわち、活物質の充填が行えるのであれば、基板の強度が維持できる範囲で気孔率を高めてもよいし、逆に、気孔率を90%未満にしてもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第2の実施形態では、溝44の深さが、0.1〜0.2mm程度である場合について例示した。しかしこれに限らず、基板にリードを好適に配置することができるのであれば、溝の深さは0.1〜0.2mmを越えて浅くてもよいし、又は、深くてもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第2の実施形態では、リード45の厚みは、100〜200μm程度である場合について例示した。しかしこれに限らず、基板に溶接することができるのであれば、リードの厚みは、100〜200μmを越えて薄くてもよいし、又は厚くてもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第2の実施形態では、リード45の2つの80%位置のエネルギー積分値を「第1端部の積分値」及び「第2端部の積分値」とする場合について例示した。しかしこれに限らず、溶接品質の良否の判断を行うことができるのであれば、「第1端部の積分値」及び「第2端部の積分値」の少なくとも一方が、リードの80%位置ではなく、80%よりも中央位置に近い位置でもよいし、逆に、80%よりも中央位置から離れた位置でもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第2の実施形態では、「中央の積分値」をリード45の中央位置に付与されるエネルギー積分値とする場合について例示した。しかしこれに限らず、溶接品質の良否の判断を行うことができるのであれば、リードに付与されるエネルギー積分値が最も大きい位置やその近辺に付与されるエネルギー積分値を「中央の積分値」としてもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記第2の実施形態では、プロファイル特性指標値が0.6以上であればエネルギー強度分布が均等化されているとする場合について例示した。しかしこれに限らず、適切なレーザ溶接ができるのであれば、エネルギー強度分布が均等化されているとするプロファイル特性指標値は0.6より小さくてもよいし、又は、0.6より大きくてもよい。これにより、電池用電極の製造方法の設計自由度の向上が図られるようになる。
10…基板、10A…第1の正極板、10B…第2の正極板、11…溝、15…リード、15A,15B…分割リード部、16…第1の溶接部、17…第2の溶接部、18…第3の溶接部、19…第4の溶接部、20…第1のレーザ溶接機、21…レーザ光、21a…第1のレーザ光、21b…第2のレーザ光、25…第2のレーザ溶接機、26…レーザ光、26a…第3のレーザ光、26b…第4のレーザ光、30…駆動ロール、31,32…入側ロール、33…出側ロール、35…送出ロール、36…張力ロール、37,38…案内ロール、40…駆動ロール、41…レーザ光、42…基板、42A…第1の極板部、42B…第2の極板部、42C…第3の極板部、43…配置部、43A…第1の配置部、43B…第2の配置部、44…溝、45…リード、46…溶接部、47…溶接部、50…第1の強度分布、51…照射領域、52…頂部、60…第2の強度分布、61…照射領域、62…頂部、70…第3の強度分布、71…照射領域、72…頂部、81…測定台、82…押さえ、L…切断線、r…半径、K1…区分線、K2…区分線、L0,L1,L2,L10,L11,L12,L20,L21,L22…通過線、P0,P1,P2,P10,P11,P12,P20,P21,P22…エネルギー積分値。

Claims (9)

  1. 電極用の基板にリードが溶接される電池用電極の製造方法であって、
    前記基板の幅より狭い幅の帯状のリードを、該リードの長さ方向が該基板の幅方向に交差するように該基板の表面に配置して、該配置したリードを基板の表面に押し付ける工程と、
    前記基板の表面に前記リードを配置し押し付けた状態で、前記リードの幅方向に離間する2箇所で同時に、該リードを前記基板に溶接する工程と
    前記溶接する工程に続いて、前記リードが溶接された前記基板を、前記溶接した2箇所の間で切断する工程と
    を備えることを特徴とする電池用電極の製造方法。
  2. 電極用の基板にリードが溶接される電池用電極の製造方法であって、
    前記基板の幅より狭い幅の帯状のリードを、該リードの長さ方向が該基板の幅方向に交差するように該基板の表面に配置して、該配置したリードを基板の表面に押し付ける工程と、
    前記基板の表面に前記リードを配置し押し付けた状態で、前記リードの幅方向に離間する2箇所で同時に、該リードを前記基板に溶接する工程とを備え、
    前記リードを基板の表面に押し付ける工程では、前記基板を湾曲させて前記リードの一部を該湾曲させた基板の外側表面に沿わせて配置するとともに、前記基板の外側表面に沿う手前のリードの部分にリードの長さ方向への張力を付与する
    とを特徴とする電池用電極の製造方法。
  3. 前記溶接する工程では、前記溶接をレーザ溶接により行う
    請求項1又は2に記載の電池用電極の製造方法。
  4. 前記レーザ溶接に用いられるレーザは、前記リードの幅方向へのエネルギー強度分布が均等化される
    請求項3に記載の電池用電極の製造方法。
  5. 前記溶接する工程では、前記2箇所を溶接した後、該溶接した2箇所の間にあって、前記リードの幅方向に離間する2箇所を更に同時に溶接する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池用電極の製造方法。
  6. 前記溶接する工程では、前記溶接をリード側から行う
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の電池用電極の製造方法。
  7. 前記基板は金属多孔体であり、
    前記溶接する工程の後に、前記金属多孔体に水酸化ニッケルを含む活物質を塗布する工程を含む
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の電池用電極の製造方法。
  8. 電極用の基板にリードを溶接する電池用電極の製造装置であって、
    基板の幅よりも狭い幅の帯状のリードを、該リードの長さ方向が前記基板の幅方向に交差するように該基板の表面に沿って配置する配置部と、
    前記基板の表面に配置されたリードを基板の表面に押し付ける押し付け部と、
    前記基板の表面に押し付けているリードを、当該リードの幅方向に離間する2箇所で同時に基板に溶接する溶接部と
    前記リードが溶接された前記基板を、前記溶接された2箇所の間で切断する切断部と
    を備えることを特徴とする電池用電極の製造装置。
  9. 電極用の基板にリードを溶接する電池用電極の製造装置であって、
    基板の幅よりも狭い幅の帯状のリードを、該リードの長さ方向が前記基板の幅方向に交差するように該基板の表面に沿って配置する配置部と、
    前記基板の表面に配置されたリードを基板の表面に押し付ける押し付け部と、
    前記基板の表面に押し付けているリードを、当該リードの幅方向に離間する2箇所で同時に基板に溶接する溶接部とを備え、
    前記押し付け部は、前記基板を湾曲させて前記リードの一部を該湾曲させた基板の外側表面に沿わせて配置するとともに、前記基板の外側表面に沿う手前のリードの部分にリードの長さ方向への張力を付与する
    とを特徴とする電池用電極の製造装置。
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