JP5959849B2 - レーザ肉盛溶接方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、幅広の欠肉部の場合には、マルチパスの多層溶接が必要となり、パス間で欠陥が生じやすいという問題がある。
本発明は、レーザを母材の表面に投入し、母材表面における該レーザの照射面内に溶接材を供給することにより、肉盛溶接を行うレーザ肉盛溶接方法であって、前記母材表面における前記レーザの照射面は、レーザ光の断面を前記母材における被溶接面に応じて拡張した拡張照射面とされており、前記溶接材は1本の溶接ワイヤとして供給され、該溶接ワイヤの断面形状は、前記拡張照射面の熱量分布に応じた形状とされ、前記母材表面における前記拡張照射面内に、該拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給するレーザ肉盛溶接方法を提供する。
更に、この方法によれば、拡張照射面の熱量分布に応じた断面形状を有する1本の溶接ワイヤを拡張照射面に供給する。これにより、比較的容易な手法により、拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給することが可能となる。
拡張照射面は、例えば、一辺が3mm以上20mm未満、他辺が2mm以上25mm未満の長方形をなす照射面とされており、或いは、この長方形に包含されるn角形状(nは3以上の整数)、楕円形状、略楕円形状、扁平形状とされている。
この発明によれば、拡張照射面の中心部には太い溶接ワイヤを用い、拡張照射面の端部には細い溶接ワイヤを用いるという比較的容易な手法により、拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給することが可能となる。また、本方法によれば、特殊な断面形状を有する溶接ワイヤを必要とせずに、市販されている溶接ワイヤを用いることができる。これにより、溶接ワイヤのコストを抑えることができる。
拡張照射面は、例えば、一辺が3mm以上20mm未満、他辺が2mm以上25mm未満の長方形をなす照射面とされており、或いは、この長方形に包含されるn角形状(nは3以上の整数)、楕円形状、略楕円形状、扁平形状とされている。
この発明によれば、略等しい断面積を有する溶接ワイヤを用い、拡張照射面の中心部における溶接ワイヤの送給速度を速くし、拡張照射面の端部における溶接ワイヤの送給速度を遅くするという比較的容易な手法により、拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給することが可能となる。また、本方法によれば、特殊な断面形状を有する溶接ワイヤを必要とせずに、市販されている溶接ワイヤを用いることができる。これにより、溶接ワイヤのコストを抑えることができる。
拡張照射面は、例えば、一辺が3mm以上20mm未満、他辺が2mm以上25mm未満の長方形をなす照射面とされており、或いは、この長方形に包含されるn角形状(nは3以上の整数)、楕円形状、略楕円形状、扁平形状とされている。
この発明によれば、拡張照射面の中心部には粒径の大きな溶接材を、拡張照射面の端部には粒径の小さな溶接材を用いるという比較的容易な手法により、拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給することが可能となる。
拡張照射面は、例えば、一辺が3mm以上20mm未満、他辺が2mm以上25mm未満の長方形をなす照射面とされており、或いは、この長方形に包含されるn角形状(nは3以上の整数)、楕円形状、略楕円形状、扁平形状とされている。
この発明によれば、拡張照射面の中心部における溶接材の送給速度を速くし、拡張照射面の端部における溶接材の送給速度を遅くするという比較的容易な手法により、拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給することが可能となる。
拡張照射面は、例えば、一辺が3mm以上20mm未満、他辺が2mm以上25mm未満の長方形をなす照射面とされており、或いは、この長方形に包含されるn角形状(nは3以上の整数)、楕円形状、略楕円形状、扁平形状とされている。
以下に、本発明の第1実施形態に係るレーザ肉盛溶接方法について、図面を参照して説明する。本実施形態では、レーザ肉盛溶接方法をガスタービンの高温部品であるタービンブレード(静翼や動翼等)に適用する場合について述べるが、本発明は他の母材に対するレーザ肉盛溶接に広く適用することができる。
レーザ光源21としては、YAGレーザ、半導体レーザ、またはファイバーレーザなどが採用され得る。
図1に示したレーザ肉盛溶接システム1では、拡張照射面Aと母材とを相対的に移動させることで、走査方向におけるビードの形成を可能とする。なお、以下の説明において、走査方向に直交する方向を幅方向とする。
例えば、溶接材は平板上に固形化された平板溶接ワイヤ4であり、拡張照射面Aの熱量分布に応じた断面形状を有している。
図3に示すように、拡張照射面Aの熱量分布は、中心部分に熱量のピークをとり、中心から離れるにつれて熱量が小さくなる。したがって、平板溶接ワイヤ4の厚さは、中心が最も厚く、端部に行くにつれて薄くなるような形状とされる。
ここで、ピーク値に対する基準の厚さLrは、実際に平板溶接ワイヤ4を供給するときの送給速度において、溶融不足が生じない厚さに設定されることはいうまでもない。
母材表面Sにおいて、平板溶接ワイヤ4はレーザ光の入熱により溶融され、母材表面Sに溶着され、ビードが形成される。そして、このような拡張照射面Aが図1の走査方向に所定の速度で移動していくことにより、走査方向にビードの形成が行われる。
そして、形成されたビード上に更に同様の操作が繰り返されることにより、図6に示すようにビードが積層され、所定の高さまでビードが達すると、研磨形成を行い、補修が終了する。
次に、本発明の第2実施形態に係るレーザ肉盛溶接方法について説明する。上述した第1実施形態では、熱量分布に応じた断面形状を有する平板溶接ワイヤ4を使用していたが、本実施形態では、複数の溶接ワイヤを用いる点が第1実施形態と異なる。
なお、これら溶接ワイヤの直径は、拡張照射面Aの各部位において、溶融不足が生じない程度の適切な大きさを基準として設定されていることはいうまでもない。
更に、複数の溶接ワイヤ5,6を用いることにより、断面が円形状の一般的に市販されている溶接ワイヤを使用することが可能となる。この結果、上述した第1実施形態の場合と比較して、溶接ワイヤのコストを低減することができる。
上述した第1、第2実施形態では、溶接材として固形状の溶接ワイヤを用いていたが、本実施形態では、粉末状の溶接材を採用する。
図8は、本実施形態に係るレーザ肉盛溶接方法を模式的に示した図である。図8に示すように、本実施形態に係るレーザ肉盛溶接方法では、複数の溶接材供給部10を設け、各溶接材供給部10から粉末状の溶接材を拡張照射面Aに供給する。このとき、拡張照射面Aに供給される溶接材の供給量は、熱量分布に応じた量とされる。例えば、図3に示したように、熱量がピーク値の50%に当たる位置に対しては、ピーク部位の50%の溶接材が供給される。
なお、これら溶接材の粒径は、拡張照射面Aの各部位において、溶融不足が生じない程度の適切な粒径を基準として設定されていることはいうまでもない。
また、拡張照射面Aは、レーザ光源21から射出されたレーザ光の径を拡張するとともに、母材における被溶接面の形状に合わせた形状とされているので、より広い範囲を一度の照射によって肉盛溶接することが可能となり、溶接部位における欠陥の発生を抑制することが可能となる。
2 レーザ照射装置
4 平板溶接ワイヤ
A 拡張照射面
B 断面形状
S 母材表面
Claims (6)
- レーザを母材の表面に投入し、母材表面における該レーザの照射面内に溶接材を供給することにより、肉盛溶接を行うレーザ肉盛溶接方法であって、
前記母材表面における前記レーザの照射面は、レーザ光の断面を前記母材における被溶接面に応じて拡張した拡張照射面とされており、
前記溶接材は1本の溶接ワイヤとして供給され、
該溶接ワイヤの断面形状は、前記拡張照射面の熱量分布に応じた形状とされ、前記母材表面における前記拡張照射面内に、該拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給するレーザ肉盛溶接方法。 - レーザを母材の表面に投入し、母材表面における該レーザの照射面内に溶接材を供給することにより、肉盛溶接を行うレーザ肉盛溶接方法であって、
前記母材表面における前記レーザの照射面は、レーザ光の断面を前記母材における被溶接面に応じて拡張した拡張照射面とされており、
前記母材表面における前記拡張照射面に複数の溶接ワイヤを略同じ送給速度で供給し、
前記拡張照射面の中心部に対応する溶接ワイヤの径よりも端部に対応する溶接ワイヤの径が小さくされ、前記母材表面における前記拡張照射面内に、該拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給するレーザ肉盛溶接方法。 - レーザを母材の表面に投入し、母材表面における該レーザの照射面内に溶接材を供給することにより、肉盛溶接を行うレーザ肉盛溶接方法であって、
前記母材表面における前記レーザの照射面は、レーザ光の断面を前記母材における被溶接面に応じて拡張した拡張照射面とされており、
前記母材表面における前記拡張照射面に複数の溶接ワイヤを供給し、
各前記溶接ワイヤは略等しい断面積を有するとともに、前記拡張照射面の中心部における溶接ワイヤの送給速度よりも端部における溶接ワイヤの送給速度が遅くされ、前記母材表面における前記拡張照射面内に、該拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給するレーザ肉盛溶接方法。 - レーザを母材の表面に投入し、母材表面における該レーザの照射面内に溶接材を供給することにより、肉盛溶接を行うレーザ肉盛溶接方法であって、
前記母材表面における前記レーザの照射面は、レーザ光の断面を前記母材における被溶接面に応じて拡張した拡張照射面とされており、
前記溶接材は粉末状であり、前記拡張照射面の熱量分布に応じた粒径の溶接材を同じ送給速度で供給し、前記母材表面における前記拡張照射面内に、該拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給するレーザ肉盛溶接方法。 - レーザを母材の表面に投入し、母材表面における該レーザの照射面内に溶接材を供給することにより、肉盛溶接を行うレーザ肉盛溶接方法であって、
前記母材表面における前記レーザの照射面は、レーザ光の断面を前記母材における被溶接面に応じて拡張した拡張照射面とされており、
前記溶接材は略等しい粒径とされた粉末状の溶接材であり、前記拡張照射面の熱量分布に応じて溶接材の送給速度を変化させ、前記母材表面における前記拡張照射面内に、該拡張照射面の熱量分布に応じた量の溶接材を供給するレーザ肉盛溶接方法。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のレーザ肉盛溶接方法を用いて欠肉部が補修されたタービンブレードを製造するタービンブレードの製造方法。
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