JP6085543B2 - 羽根車の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポンプに用いられる金属製の羽根車及びその製造方法に関する。
遠心圧縮機及び軸流ポンプ等の羽根車の溶接手法として、母材の羽根設置箇所に事前に開先を施し、開先底部と羽根の接触部に裏波溶接を施し、残りの開先部に溶加材を供給する充填肉盛溶接を施すことにより、羽根を形成するものが開示されている(特許文献1参照)。また、遠心羽根車、及びターボ羽根車の溶接手法として、羽根部に隅肉溶接を施した後に、母材上部からレーザ溶接を施すことで、羽根付け根部の応力集中による亀裂発生を回避し、強度向上を図ったものが開示されている(特許文献2参照)。
特開2010−229894号公報 特開2002−98090号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の溶接手法では、母材に開先を施すために、母材の厚みを確保する必要がある。上記特許文献2に記載の溶接手法では、羽根部の隅肉溶接のために、溶接トーチを羽根車の内部に差し込むことが必要となる。羽根車が小型の場合、特に羽根部が3次元の湾曲面を持つ混流形の羽根車の場合には、溶接トーチを内部に差し込むことが難しい。溶接トーチが届く範囲のみを溶接すると、母材と羽根部との間に隙間が生じ易く、また強度が低くなる。羽根部と母材の接触部の全面を完全溶け込みにより溶接する場合、高精度な位置決め等、高度の溶接技術が必要となる。
他には、羽根部が2次元の曲面を持つ、例えば半径流形の羽根車を製造する場合に、プロジェクション溶接が用いられている。しかしながら、プロジェクション溶接は、高圧かつ高電流の条件下で行われるため、母材や羽根材料が、この条件に耐え得る厚みと高さを有することが必要となる。
そこで、本発明は、小型の金属製の羽根車を低コストで製造できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の羽根車の製造方法は、対向配置された金属製の第1母材及び第2母材の間に多数の金属粉体を充填する粉体充填工程と、前記第1母材及び前記第2母材に前記多数の金属粉体を接触させた状態で、前記第1母材又は前記第2母材の外側から前記第1母材、前記第2母材及び前記多数の金属粉体に向けて高エネルギービームを照射することにより、前記第1母材の一部、前記第2母材の一部及び前記多数の金属粉体のうち一部の金属粉体を溶融させて溶融物を生成すると共に、前記溶融物を固化させることにより前記第1母材と前記第2母材との間に羽根部を一体に形成して羽根車を得る溶接工程と、を備えている。
この羽根車の製造方法によれば、対向配置された金属製の第1母材及び第2母材の間に、羽根部が一体に形成される。しかも、この羽根部は、金属粉体の溶融物により形成されるため金属製とされる。また、この羽根部は、第1母材又は第2母材の外側から第1母材、第2母材及び多数の金属粉体に向けて高エネルギービームが照射することにより形成されるものであるため、羽根車が小型であっても羽根部を容易に形成することが可能である。このため、小型の金属製の羽根車を低コストで製造することができる。
請求項2に記載の羽根車の製造方法は、請求項1に記載の羽根車の製造方法において、前記第1母材、前記第2母材及び前記多数の金属粉体に対して前記高エネルギービームを相対移動させて、前記高エネルギービームの相対移動方向に沿って前記羽根部を形成する方法である。
この羽根車の製造方法によれば、第1母材、第2母材及び多数の金属粉体に対して高エネルギービームを相対移動させて、この高エネルギービームの相対移動方向に沿って羽根部を形成するので、高エネルギービームの相対移動方向に羽根部を連続的に形成することができる。
請求項3に記載の羽根車の製造方法は、請求項2に記載の羽根車の製造方法の前記溶接工程において、前記高エネルギービームを照射することにより、前記第1母材の一部、前記第2母材の一部及び前記多数の金属粉体のうち一部の金属粉体に前記溶融物としての溶融池を形成すると共に、前記溶融池にキーホールを形成しながら、前記高エネルギービームを相対移動させる方法である。
この羽根車の製造方法によれば、第1母材の一部、第2母材の一部及び多数の金属粉体のうち一部の金属粉体に形成された溶融池にキーホールを形成しながら、高エネルギービームを相対移動させる。従って、キーホールを通じて高エネルギービームを深い位置まで届かせることができるので、第1母材及び第2母材の間に羽根部を一体に形成することができる。
請求項4に記載の羽根車の製造方法は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の羽根車の製造方法の前記溶接工程において、前記高エネルギービームの焦点を前記第1母材、前記第2母材、又は前記多数の金属粉体の位置に設定した状態で前記高エネルギービームを照射する方法である。
この羽根車の製造方法によれば、高エネルギービームの焦点を第1母材、第2母材、又は多数の金属粉体の位置に設定するので、第1母材の一部、第2母材の一部及び多数の金属粉体のうち一部の金属粉体を効果的に溶融させて溶融物を生成することができる。これにより、高エネルギービームの照射側に位置する母材と、多数の金属粉体のうち一部の金属粉体と、照射側の反対側に位置する母材とを溶融させて、第1母材及び第2母材の間に羽根部を一体に形成することができる。
以上詳述したように、本発明によれば、小型の金属製の羽根車を低コストで製造することができる。
第1実施形態に係り、第1母材と第2母材に羽根部を形成する流れを説明する説明図である。 第1実施形態に係る羽根部の製作の流れを説明する説明図である。 第1実施形態に係る羽根車を示す斜視図である。 第2実施形態に係る羽根部の製作の流れを説明する説明図である。 第2実施形態に係る羽根車を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
本実施形態では、羽根車10の製造方法と、羽根車10について説明する。以下の説明において、本発明における『多数の金属粉体』については、単に『金属粉体』と称する。また、本発明における『多数の金属粉体のうち一部の金属粉体』については、単に『金属粉体の一部』と称する。図1において、羽根車10の製造方法に用いる製造装置16は、高エネルギービーム22を出射する出射部24と、この出射部24から出射された高エネルギービーム22を対象物に向けて照射する照射部26と、第1母材11及び第2母材12を適宜移動させる駆動部28と、これらを制御する制御部30とを備えている。
高エネルギービーム22は、一例として、レーザビームとされており、この場合出射部24は、レーザ発振器である。この出射部24では、出射される高エネルギービーム22のエネルギーが調節可能となっている。照射部26は、レンズ等を含む光学系により構成されている。この照射部26では、レンズ等が移動されることにより、照射される高エネルギービーム22の焦点距離が調節可能となっている。
そして、この製造装置16により、以下の要領にて羽根車10が製造される。すなわち、先ず、図1(A)に示されるように、第1母材11及び第2母材12が、所定の隙間を持って互いに平行に対向配置されるように製造装置16にセットされる。
続いて、第1母材11及び第2母材12の間の隙間に金属粉体32が充填されると共に、第1母材11及び第2母材12の周囲の開口部が蓋(図示せず)により閉塞される。このとき、金属粉体32が、第1母材11及び第2母材12の対向面11A,12Aの全体に亘って接触するように、第1母材11及び第2母材12の間には十分な量の金属粉体32が充填される(以上、粉体充填工程)。本実施形態では、金属粉体32には、一例として、金属製の第1母材11及び第2母材12と同一の金属が使用される。この金属としては、例えば、ステンレス、鉄、アルミニウム、銅などが適宜選択される。
そして、第1母材11及び第2母材12の間に金属粉体32が充填された状態で、例えば第1母材11の外側に位置する照射部26から、該第1母材11、第2母材12及び金属粉体32に向けて高エネルギービーム22が照射される。
このとき、より具体的には、制御部30によって照射部26が制御されて照射部26内のレンズ等が移動することにより、高エネルギービーム22の焦点距離が調節される。そして、図1(A),(B)に示されるように、高エネルギービーム22の焦点22Aが、例えば金属粉体32(第1母材11及び第2母材12の間)の位置に設定される。また、この状態で、第1母材11の外側から、該第1母材11、第2母材12及び金属粉体32に向けて、高エネルギービーム22が照射される。
このように高エネルギービーム22が照射されると、第1母材11及び第2母材12の一部及び金属粉体32の一部に溶融物としての溶融池36が形成される。この高エネルギービーム22のパワー密度が高い場合、溶融池36の表面では金属の蒸発が生じ、金属の蒸気38が発生する。また、この蒸気38によって溶融池36の表面に反発力が発生し、溶融池36の中央部にくぼみが生じる。そして、このくぼみが深くなると、この溶融池36にキーホール40が形成される。このように溶融池36にキーホール40が形成されると、このキーホール40を通じて高エネルギービーム22が金属粉体32の深い位置まで届くようになる。
そして、図1(B)に示されるように、溶融池36にキーホール40を形成しながら、第1母材11、第2母材12及び金属粉体32に対して、高エネルギービーム22が相対移動する。この高エネルギービーム22の相対移動方向は、羽根部14の形成方向とされる。また、この第1母材11、第2母材12及び金属粉体32に対する高エネルギービーム22の相対移動は、図1(A)に示される制御部30によって駆動部28が作動することにより行われる。
図1(B)に示されるように、溶融池36は、この高エネルギービーム22の相対移動方向に沿って生成される。このとき、相対移動する高エネルギービーム22の照射位置Pでは溶融池36が形成されるが、溶融池36が広がる前に高エネルギービーム22が相対移動するので、高エネルギービーム22の相対移動方向における照射位置Pよりも後側Rでは、溶融池36が冷却されて固化する。
このように、本実施形態では、相対移動する高エネルギービーム22の照射位置Pでは溶融池36が形成され、高エネルギービーム22の相対移動方向における照射位置Pよりも後側Rでは溶融池36が冷却されて固化するように、高エネルギービーム22の相対移動速度が設定される。
そして、このようにして溶融池36が冷却されて固化することにより、図1(C)に示されるように、第1母材11及び第2母材12の間に羽根部14が形成される。この羽根部14は、第1母材11の一部、第2母材12の一部及び金属粉体32の一部が溶融されて生成された溶融池36が固化することで形成されたものであるので、第1母材11及び第2母材12に一体に形成される。本実施形態では、羽根部14を、高エネルギービーム22の相対移動方向に連続的に形成することができる。
なお、本実施形態では、図1(C)に示されるように、第1母材11及び第2母材12の間に充填された金属粉体32のうちの一部のみが溶融され、金属粉体32のうち溶融されなかった部分は残存する。この残存した金属粉体32は、溶融池36が冷却されて固化される際には、溶融池36に対して型の役割(溶融池36の形状保持及び放熱)を果たすようになる。このため、本実施形態では、溶融池36の形状(高エネルギービーム22の光軸方向を深さ方向とする形状)が維持された状態で、溶融池36が固化されて羽根部14が形成される。
そして、図2(A),(B)に示されるように、上記動作が繰り返されることにより、第1母材11及び第2母材12の間に、例えば複数の羽根部14を形成することができる(以上、溶接工程)。その後、第1母材11及び第2母材12から蓋(図示せず)が取り外され、図2(C)に示されるように、第1母材11及び第2母材12の間に残存する金属粉体32が、該第1母材11及び第2母材12の周囲の開口部から外部に排出される(粉体除去工程)。
以上の要領で、図1(D)に示されるように、第1母材11及び第2母材12と、この第1母材11及び第2母材12の間に形成された複数の羽根部14とを有する羽根車10が得られる。図3に示されるように、この羽根車10は、例えば、2次元の曲面を持つ羽根部14を有する半径流形となっている。
なお、図1(D)には、以上の要領で製造された羽根車10における羽根部14及びその周辺部の側面断面図が示されており、図1(E)には、この羽根部14及びその周辺部の正面断面図が示されている。
高エネルギービーム22の相対移動速度を速めた場合には、高エネルギービーム22を中心にした熱の広がりが抑制されるので、羽根部14における長さ方向の両端部に形成される曲面14Aの曲率は小さくなる。また、図1(E)に示されるように、羽根部14の幅は狭くなり、且つ、羽根部14における両側の側部に形成された曲面14Bの曲率も小さくなる。
高エネルギービーム22の相対移動速度を遅くした場合には、高エネルギービーム22を中心にして熱が広がるので、溶融池36が形成される領域が拡大される。従って、羽根部14における長さ方向の両端部に形成される曲面14Aの曲率は大きくなる。また、羽根部14の幅は広くなり、且つ、羽根部14における両側の側部に形成された曲面14Bの曲率も大きくなる。更に、羽根部14の第1母材11及び第2母材12との接合箇所の強度を高めることができる。
また、特に図示しないが、出射部24から出射される高エネルギービーム22のエネルギーが増加されると、高エネルギービーム22による加熱温度が上昇して溶融池36の生成が促進されるので、溶融池36の深さが増加する。また、高エネルギービーム22の焦点22Aが第1母材11の対向面11Aよりも金属粉体32側の遠い位置(深い位置)に設定されると、高エネルギービーム22によって金属粉体32のより深い位置まで加熱されるので、溶融池36の深さが増加する。
このように、上述の羽根車10の製造方法では、羽根車10の仕様(要求される羽根部14の形状等)に応じて、高エネルギービーム22の相対移動速度、高エネルギービーム22のエネルギー、及び、高エネルギービーム22の焦点距離等が設定される。
なお、溶融池36の固化時に、溶融池36に付着した金属粉体32の溶融物が固化することにより、羽根部14の表面には、複数の粒状突起が形成される(図示せず)。この複数の粒状突起は、上述の溶融池36の固化時に溶融池36に付着した金属粉体32(図1参照)が、完全に溶融しないまま固化したことにより形成されたものである。つまり、この粒状突起は、金属粉体32の不完全溶融物であるので、粉体形状を残しているものである。なお、使用される金属粉体32の粒径を変えることにより、粒状突起の大きさ、つまり羽根部14の表面粗さを変更することが可能である。
(作用)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。以上詳述したように、本実施形態によれば、第1母材11及び第2母材12の間に、羽根部14が一体に形成される。しかも、この羽根部14は、金属粉体32の溶融物により形成されるため金属製とされる。また、この羽根部14は、第1母材11の外側から該第1母材11、第2母材12及び金属粉体32に向けて高エネルギービーム22が照射されることにより形成されるものである。従って、羽根車10が小型であっても、羽根部14を容易に形成することが可能である。溶接が1工程で済むため、製造コストを低減できる。このため、小型の金属製の羽根車10を低コストで製造することができる。羽根車10の試作も、低コストで行うことが可能である。
また、本実施形態では、高エネルギービーム22の光軸方向を深さ方向とする溶融池36を生成した後に、この溶融池36を固化させることで羽根部14を形成している。しかも、高エネルギービーム22によって、金属製の第1母材11及び第2母材12の間に充填された金属粉体32のうちの一部のみを溶融させるので、溶融池36が固化される際には、残存した金属粉体32が溶融池に対して型の役割(溶融池36の形状保持及び放熱)を果たすようになる。従って、溶融池36の形状(高エネルギービーム22の光軸方向を深さ方向とする形状)を維持することができるので、溶融池36の形状を維持したまま溶融池36を固化させることができる。これにより、羽根部14の形状を確保することができる。第1母材11の一部、第2母材12の一部及び金属粉体32の一部を溶融させてから固化させるので、第1母材11及び第2母材12に対する羽根部14の接合強度が高い。
また、第1母材11、第2母材12及び金属粉体32に対して高エネルギービーム22を相対移動させて、この高エネルギービーム22の相対移動方向に沿って第1母材11の一部、第2母材12の一部及び金属粉体32の一部を溶融させるので、高エネルギービーム22の相対移動方向に連続して溶融池36を生成することができる。この溶融池36を固化させることで、高エネルギービーム22の相対移動方向に羽根部14を連続的に形成することができる。
また、高エネルギービーム22の焦点22Aを第1母材11の対向面11Aよりも金属粉体32側(第1母材11及び第2母材12の間)の位置に設定するので、第1母材11の一部、第2母材12の一部及び金属粉体32の一部を効果的に溶融させて溶融池36を生成することができる。これにより、高エネルギービーム22の照射側の反対側に位置する第2母材12を溶融させて、第1母材11及び第2母材12の間に羽根部14を一体に形成することができる。
また、第1母材11の一部、第2母材12の一部及び金属粉体32の一部に形成された溶融池36にキーホール40を形成しながら、高エネルギービーム22を相対移動させる。従って、キーホール40を通じて高エネルギービーム22を金属粉体32の深い位置まで届かせることができるので、このことによっても、第1母材11及び第2母材12の間に羽根部14を一体に形成することができる。
また、第1母材11及び第2母材12の間に金属粉体32を充填するので、金属粉体32の流動を抑制することができる。これにより、金属粉体32の溶融物である溶融池36の形状が崩れることを抑制することができるので、溶融池36の形状をより安定して維持したまま溶融池36を固化させて、羽根部14を形成することができる。
[第2実施形態]
本実施形態では、羽根車20の製造方法と、羽根車20について説明する。図4において、羽根車20は、第1実施形態と同様の製造装置16(図1)を用いて、以下の要領にて製造される。先ず、図4(A)に示されるように、第1母材11及び第2母材12が、所定の隙間を持って互いに対向配置されるように製造装置16(図1)にセットされる。図5に示されるように、第1母材11及び第2母材12は、共に双曲線状に3次元に湾曲している。図4は、これらを平板状に模式化し、第2母材12を第1母材11に対して傾けて配置した図となっている。第1実施形態と異なり、第1母材11と第2母材12との間の距離は一定ではない。
続いて、第1実施形態と同様に、第1母材11及び第2母材12の間の隙間に金属粉体32が充填される。そして、第1実施形態と同様に、例えば第1母材11の外側に位置する照射部26から、該第1母材11、第2母材12及び金属粉体32に向けて高エネルギービーム22が照射される。照射部26は、1つであっても良いし、複数であっても良い。第1母材11の一部、第2母材12の一部、金属粉体32の一部を溶融させるために、高エネルギービーム22の焦点距離やパワー密度は、第1母材11と第2母材12との間の距離に応じて適宜調節される。
高エネルギービーム22により、第1母材11の一部、第2母材12の一部及び金属粉体32の一部が溶融して固化することにより、図4(B)に示されるように、第1母材11及び第2母材12の間に複数の羽根部14が形成される(溶接工程)。その後、図4(C)に示されるように、第1母材11及び第2母材12の間に残存する金属粉体32が、該第1母材11及び第2母材12の周囲の開口部から外部に排出される(粉体除去工程)。
以上の要領で、第1母材11及び第2母材12と、この第1母材11及び第2母材12の間に形成された複数の羽根部14とを有する羽根車20が得られる。図5に示されるように、この羽根車20は、例えば、3次元の曲面を持つ羽根部14を有する混流形となっている。
[他の実施形態]
なお、上記各実施形態では、羽根部14が第1母材11に垂直に形成されていた。しかしながら、第1母材11や第2母材12に対して斜めに高エネルギービーム22が照射されることにより、羽根部14が第1母材11や第2母材12に対して斜めに形成されていても良い。また、第1母材11及び第2母材12の間に羽根部14が形成されるものとしたが、母材を更に追加して、各々の母材間に羽根部14を形成しても良い。羽根部14は、上記具体例に挙げた形状以外の曲線状や屈曲線状に延びるように形成されても良く、また、その他の形状に形成されても良い。
また、上記実施形態では、金属粉体32には、第1母材11及び第2母材12と同一の金属が使用されていたが、第1母材11及び第2母材12と異なる金属が使用されても良い。なお、金属粉体32に、第1母材11及び第2母材12と異なる金属が使用された場合、羽根部14は、異種金属の合金により形成される。
また、上記実施形態において、高エネルギービーム22は、一例として、レーザビームとされており、この場合出射部24は、レーザ発振器により構成される。しかしながら、出射部24は、例えば、電子ビームやプラズマビームなどレーザ以外の高エネルギービーム22を出射する構成とされていても良い。そして、このレーザ以外の高エネルギービーム22を用いて羽根部14が形成されても良い。
また、上記実施形態では、高エネルギービーム22の焦点22Aが金属粉体32(第1母材11及び第2母材12の間)の位置に設定されていた。しかしながら、例えば、第1母材11の一部、第2母材12の一部及び金属粉体32の一部を溶融させることができるのであれば、高エネルギービーム22の焦点22Aは第1母材11又は第2母材12に設定されても良い。また、このように高エネルギービーム22の焦点22Aが第1母材11又は第2母材12に設定された場合に、第1母材11の一部、第2母材12の一部及び金属粉体32の一部に溶融池36が形成されると共に、この溶融池36にキーホール40が形成されても良い。
また、上記実施形態では、駆動部28によって第1母材11及び第2母材12を適宜移動させるものとしたが、駆動部28によって照射部26を移動させることにより、高エネルギービーム22を、第1母材11、第2母材12及び金属粉体32に対して相対移動させても良い。
更に、高エネルギービーム22により形成される溶融池36の固化は、自然冷却によるものに限られず、金属板等を第1母材11及び第2母材12の少なくとも一方に当てることにより、溶融池36を積極的に冷却して、該溶融池36をより早期に固化させるようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10…羽根車、11…第1母材、12…第2母材、14…羽根部、20…羽根車、22…高エネルギービーム、22A…焦点、32…金属粉体、36…溶融池(溶融物の一例)、40…キーホール

Claims (4)

  1. 対向配置された金属製の第1母材及び第2母材の間に多数の金属粉体を充填する粉体充填工程と、
    前記第1母材及び前記第2母材に前記多数の金属粉体を接触させた状態で、前記第1母材又は前記第2母材の外側から前記第1母材、前記第2母材及び前記多数の金属粉体に向けて高エネルギービームを照射することにより、前記第1母材の一部、前記第2母材の一部及び前記多数の金属粉体のうち一部の金属粉体を溶融させて溶融物を生成すると共に、前記溶融物を固化させることにより前記第1母材と前記第2母材との間に羽根部を一体に形成して羽根車を得る溶接工程と、
    を備えた羽根車の製造方法。
  2. 前記溶接工程において、前記第1母材、前記第2母材及び前記多数の金属粉体に対して前記高エネルギービームを相対移動させて、前記高エネルギービームの相対移動方向に沿って前記羽根部を形成する、
    請求項1に記載の羽根車の製造方法。
  3. 前記溶接工程において、前記高エネルギービームを照射することにより、前記第1母材の一部、前記第2母材の一部及び前記多数の金属粉体のうち一部の金属粉体に前記溶融物としての溶融池を形成すると共に、前記溶融池にキーホールを形成しながら、前記高エネルギービームを相対移動させる、
    請求項2に記載の羽根車の製造方法。
  4. 前記溶接工程において、前記高エネルギービームの焦点を前記第1母材、前記第2母材、又は前記多数の金属粉体の位置に設定した状態で前記高エネルギービームを照射する、
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の羽根車の製造方法。
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