JPH08215882A - Znめっき鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法 - Google Patents
Znめっき鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法Info
- Publication number
- JPH08215882A JPH08215882A JP7025613A JP2561395A JPH08215882A JP H08215882 A JPH08215882 A JP H08215882A JP 7025613 A JP7025613 A JP 7025613A JP 2561395 A JP2561395 A JP 2561395A JP H08215882 A JPH08215882 A JP H08215882A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plated steel
- steel sheet
- lap joint
- laser welding
- oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K2103/00—Materials to be soldered, welded or cut
- B23K2103/02—Iron or ferrous alloys
- B23K2103/04—Steel or steel alloys
Landscapes
- Laser Beam Processing (AREA)
- Nonmetallic Welding Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 Znめっき鋼板の重ね継ぎ手をレーザ溶接に
よって得るに際して、溶接欠陥の発生を防止する。 【構成】 Znめっきの目付量が片面において20g/
m2を超えるZnめっき鋼板1,2の重ね継ぎ手をレー
ザ光3の照射によるレーザ溶接によって得るに際し、酸
化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛
よりも大きい材料としてMnの酸化物粉末5を溶接部7
に供給しながらレーザ溶接する。
よって得るに際して、溶接欠陥の発生を防止する。 【構成】 Znめっきの目付量が片面において20g/
m2を超えるZnめっき鋼板1,2の重ね継ぎ手をレー
ザ光3の照射によるレーザ溶接によって得るに際し、酸
化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛
よりも大きい材料としてMnの酸化物粉末5を溶接部7
に供給しながらレーザ溶接する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Znめっき鋼板をレー
ザ溶接によって重ね継ぎ手溶接するのに利用されるZn
めっき鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法に関するもので
ある。
ザ溶接によって重ね継ぎ手溶接するのに利用されるZn
めっき鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】Znめっき鋼板を重ね継ぎ手溶接する場
合においては、継ぎ手の隙間が0である場合に、継ぎ手
の間に存在するZnめっきのために溶接欠陥が発生して
品質が低下することが多い。この理由は、この亜鉛(Z
n)は、鉄に比べて沸点が低く、鉄の融点に達した時点
で既にガス化することになるためである。
合においては、継ぎ手の隙間が0である場合に、継ぎ手
の間に存在するZnめっきのために溶接欠陥が発生して
品質が低下することが多い。この理由は、この亜鉛(Z
n)は、鉄に比べて沸点が低く、鉄の融点に達した時点
で既にガス化することになるためである。
【0003】図3は、両面にZnめっき層21a,21
bを有する一方のZnめっき鋼板21と、同じく両面に
Znめっき層22a,22bを有する他方のZnめっき
鋼板22とを重ね合わせ、矢印方向からのレーザ光23
の照射によって重ね継ぎ手溶接するに際して、継ぎ手の
隙間が0である場合に溶接欠陥が発生する機構を説明し
た概念図である。
bを有する一方のZnめっき鋼板21と、同じく両面に
Znめっき層22a,22bを有する他方のZnめっき
鋼板22とを重ね合わせ、矢印方向からのレーザ光23
の照射によって重ね継ぎ手溶接するに際して、継ぎ手の
隙間が0である場合に溶接欠陥が発生する機構を説明し
た概念図である。
【0004】すなわち、レーザ光23の照射によってZ
nめっき鋼板21,22の鉄が融解されたとき、継ぎ手
の間にあるZnめっき層21a,22bの亜鉛はガス化
してZn蒸気24となっているが、継ぎ手に隙間が存在
しないため、Zn蒸気24は溶融池25を通り抜ける。
そして、そのときに、溶融池25を吹き飛ばすため、ブ
ローホール26等の溶接欠陥が発生する。
nめっき鋼板21,22の鉄が融解されたとき、継ぎ手
の間にあるZnめっき層21a,22bの亜鉛はガス化
してZn蒸気24となっているが、継ぎ手に隙間が存在
しないため、Zn蒸気24は溶融池25を通り抜ける。
そして、そのときに、溶融池25を吹き飛ばすため、ブ
ローホール26等の溶接欠陥が発生する。
【0005】従来のZnめっき鋼板の重ね継ぎ手レーザ
溶接方法としては、継ぎ手に隙間を強制的に作ることに
よりZn蒸気を脱気するようにしたもの、例えば、図4
に示すように、下側のZnめっき鋼板21に重ねた上側
のZnめっき鋼板22の溶接部位を曲げ加工して継ぎ手
に隙間を形成するようにしたものや、図5に示すよう
に、下側のZnめっき鋼板21に重ねた上側のZnめっ
き鋼板22にプレス成形によるエンボス加工部22cを
形成して継ぎ手に隙間を形成するようにしたものや、図
6に示すように継ぎ手の間にZnと反応を起こしやすい
箔26を挟むことによりZnの化合物を形成するように
したものなどがあった。
溶接方法としては、継ぎ手に隙間を強制的に作ることに
よりZn蒸気を脱気するようにしたもの、例えば、図4
に示すように、下側のZnめっき鋼板21に重ねた上側
のZnめっき鋼板22の溶接部位を曲げ加工して継ぎ手
に隙間を形成するようにしたものや、図5に示すよう
に、下側のZnめっき鋼板21に重ねた上側のZnめっ
き鋼板22にプレス成形によるエンボス加工部22cを
形成して継ぎ手に隙間を形成するようにしたものや、図
6に示すように継ぎ手の間にZnと反応を起こしやすい
箔26を挟むことによりZnの化合物を形成するように
したものなどがあった。
【0006】この図4〜6に示した従来技術についてさ
らに説明すれば、各図においてレーザ光23は加工ヘッ
ド26より照射され、矢印B方向に移動して重ね継ぎ手
が形成される。
らに説明すれば、各図においてレーザ光23は加工ヘッ
ド26より照射され、矢印B方向に移動して重ね継ぎ手
が形成される。
【0007】そして、図4においては、重ね継ぎ手溶接
する2枚のZnめっき鋼板21,22を有する部品形状
が溶接部から離れたときに離間していくような形状の場
合にのみ適用可能な例である。この場合に、溶接用のフ
ランジ等のR止まり付近を溶接することにより、継ぎ手
の隙間が広がっていく方向にZn蒸気を脱気する方法で
ある。
する2枚のZnめっき鋼板21,22を有する部品形状
が溶接部から離れたときに離間していくような形状の場
合にのみ適用可能な例である。この場合に、溶接用のフ
ランジ等のR止まり付近を溶接することにより、継ぎ手
の隙間が広がっていく方向にZn蒸気を脱気する方法で
ある。
【0008】また、図5においては、Znめっき鋼板2
2よりなる被溶接パネルにプレス成形等でエンボス加工
部22cを形成して継ぎ手の隙間を確保し、この継ぎ手
の隙間からZn蒸気を脱気する方法である。
2よりなる被溶接パネルにプレス成形等でエンボス加工
部22cを形成して継ぎ手の隙間を確保し、この継ぎ手
の隙間からZn蒸気を脱気する方法である。
【0009】さらに、図6においては、継ぎ手の間に挟
まれたZnと反応を起こしやすい箔26が溶接時にZn
めっきと反応してZnの化合物を作ることによりブロー
ホールの発生を抑制する方法である。
まれたZnと反応を起こしやすい箔26が溶接時にZn
めっきと反応してZnの化合物を作ることによりブロー
ホールの発生を抑制する方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のZnガスを脱気するZnめっき鋼板の重ね継
ぎ手レーザ溶接方法にあっては、継ぎ手の隙間を制御し
なければならない(すなわち、継ぎ手の隙間を0にして
はいけないが、隙間があきすぎてもアンダーカット等溶
接欠陥が生じる)ため、部品精度、治具精度等の向上に
よるコストの増加をきたすという問題点があった。
うな従来のZnガスを脱気するZnめっき鋼板の重ね継
ぎ手レーザ溶接方法にあっては、継ぎ手の隙間を制御し
なければならない(すなわち、継ぎ手の隙間を0にして
はいけないが、隙間があきすぎてもアンダーカット等溶
接欠陥が生じる)ため、部品精度、治具精度等の向上に
よるコストの増加をきたすという問題点があった。
【0011】そのほか、図4の解決策においては、部品
形状が限定されるという問題点があり、図5の解決策に
おいてはエンボス加工を施すための工数増加という問題
点があり、図6の解決策においては溶接後も継ぎ手の間
にZnと反応しやすい箔が一部残るため、経時的に品質
が劣化する(Znと箔が反応する)という問題点があっ
たことから、これらの問題点を解決することが課題とし
てあった。
形状が限定されるという問題点があり、図5の解決策に
おいてはエンボス加工を施すための工数増加という問題
点があり、図6の解決策においては溶接後も継ぎ手の間
にZnと反応しやすい箔が一部残るため、経時的に品質
が劣化する(Znと箔が反応する)という問題点があっ
たことから、これらの問題点を解決することが課題とし
てあった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、継ぎ手の隙間が0であっ
てもブローホールの原因となるZnのガス化を防ぎ、溶
接後にZnと反応しやすい材料を残さないものとするこ
とにより、溶接欠陥の発生をなくして上記従来の課題を
解決することを目的としている。
がみてなされたものであって、継ぎ手の隙間が0であっ
てもブローホールの原因となるZnのガス化を防ぎ、溶
接後にZnと反応しやすい材料を残さないものとするこ
とにより、溶接欠陥の発生をなくして上記従来の課題を
解決することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるZnめっ
き鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法は、請求項1に記載
しているように、Znめっき鋼板の重ね継ぎ手をレーザ
溶接によって得るに際し、酸化物の標準生成自由エネル
ギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料を溶接部
に供給しながらレーザ溶接するようにしたことを特徴と
している。
き鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法は、請求項1に記載
しているように、Znめっき鋼板の重ね継ぎ手をレーザ
溶接によって得るに際し、酸化物の標準生成自由エネル
ギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料を溶接部
に供給しながらレーザ溶接するようにしたことを特徴と
している。
【0014】そして、本発明に係わるZnめっき鋼板の
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項2に記載しているように、Znめっき鋼板の重ね継ぎ
手をレーザ溶接によって得るに際し、酸化物の標準生成
自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材
料であるMnの酸化物(MnxOy)の粉末を溶接部に
供給しながらレーザ溶接するようにしたことを特徴とし
ている。
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項2に記載しているように、Znめっき鋼板の重ね継ぎ
手をレーザ溶接によって得るに際し、酸化物の標準生成
自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材
料であるMnの酸化物(MnxOy)の粉末を溶接部に
供給しながらレーザ溶接するようにしたことを特徴とし
ている。
【0015】そしてさらに、本発明に係わるZnめっき
鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様において
は、請求項3に記載しているように、Znめっき鋼板に
おけるZnめっきの目付量が片面において20g/m2
を超えるものとすることができる。
鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様において
は、請求項3に記載しているように、Znめっき鋼板に
おけるZnめっきの目付量が片面において20g/m2
を超えるものとすることができる。
【0016】本発明に係わるZnめっき鋼板の重ね継ぎ
手レーザ溶接方法では、酸化物の標準生成自由エネルギ
が、鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料を溶接部
に供給しながらレーザ溶接するようにしているが、この
場合における酸化物の標準生成自由エネルギとは、物質
が酸化物になるときに発生する熱量をいい、物質固有の
値である。そして、この値が小さいほど酸化物になりや
すく、その値ΔG°は以下の式で与えられる。
手レーザ溶接方法では、酸化物の標準生成自由エネルギ
が、鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料を溶接部
に供給しながらレーザ溶接するようにしているが、この
場合における酸化物の標準生成自由エネルギとは、物質
が酸化物になるときに発生する熱量をいい、物質固有の
値である。そして、この値が小さいほど酸化物になりや
すく、その値ΔG°は以下の式で与えられる。
【0017】ΔG°=A+BTlogT+CT ただし、A,B,Cは物質固有の定数、Tは温度であ
る。
る。
【0018】
【発明の作用】本発明に係わるZnめっき鋼板の重ね継
ぎ手レーザ溶接方法は、請求項1に記載しているよう
に、Znめっき鋼板の重ね継ぎ手をレーザ溶接によって
得るに際し、酸化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも
小さくかつ亜鉛よりも大きい材料を溶接部に供給しなが
らレーザ溶接するようにしたから、溶接部に供給された
酸化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜
鉛よりも大きい材料は、鉄よりも活性でかつ亜鉛よりも
不活性であるため、溶接部では鉄と反応せずに亜鉛と反
応を生じて酸化亜鉛を生成し、レーザ溶接中に亜鉛はガ
ス化しないので、溶融池を吹き飛ばすことがなくなっ
て、溶接部にブローホールが発生しないこととなる。
ぎ手レーザ溶接方法は、請求項1に記載しているよう
に、Znめっき鋼板の重ね継ぎ手をレーザ溶接によって
得るに際し、酸化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも
小さくかつ亜鉛よりも大きい材料を溶接部に供給しなが
らレーザ溶接するようにしたから、溶接部に供給された
酸化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜
鉛よりも大きい材料は、鉄よりも活性でかつ亜鉛よりも
不活性であるため、溶接部では鉄と反応せずに亜鉛と反
応を生じて酸化亜鉛を生成し、レーザ溶接中に亜鉛はガ
ス化しないので、溶融池を吹き飛ばすことがなくなっ
て、溶接部にブローホールが発生しないこととなる。
【0019】また、酸化亜鉛の比重は鉄よりも低いた
め、酸化亜鉛は溶融池表面に浮かび上がるので、溶接部
の物理的特性をも妨げないこととなり、溶接品質に優れ
たZnめっき鋼板の重ね継ぎ手が安定して得られること
となる。
め、酸化亜鉛は溶融池表面に浮かび上がるので、溶接部
の物理的特性をも妨げないこととなり、溶接品質に優れ
たZnめっき鋼板の重ね継ぎ手が安定して得られること
となる。
【0020】そして、本発明に係わるZnめっき鋼板の
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項2に記載しているように、Znめっき鋼板の重ね継ぎ
手をレーザ溶接によって得るに際し、酸化物の標準生成
自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材
料であるMnの酸化物(MnxOy)の粉末を溶接部に
供給しながらレーザ溶接するようにしたから、請求項1
と同様の作用が得られると共に、溶接部にMnが若干残
るとしても適量のMnは溶接部の強靭性を増大させる作
用を有し、そしてまた、供給材料としてのMnの酸化物
は安価であることから、溶接品質に優れたZnめっき鋼
板の重ね継ぎ手が安定してそして低コストで得られるこ
ととなる。
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項2に記載しているように、Znめっき鋼板の重ね継ぎ
手をレーザ溶接によって得るに際し、酸化物の標準生成
自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材
料であるMnの酸化物(MnxOy)の粉末を溶接部に
供給しながらレーザ溶接するようにしたから、請求項1
と同様の作用が得られると共に、溶接部にMnが若干残
るとしても適量のMnは溶接部の強靭性を増大させる作
用を有し、そしてまた、供給材料としてのMnの酸化物
は安価であることから、溶接品質に優れたZnめっき鋼
板の重ね継ぎ手が安定してそして低コストで得られるこ
ととなる。
【0021】さらに、本発明に係わるZnめっき鋼板の
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項3に記載しているように、Znめっき鋼板におけるZ
nめっきの目付量が片面において20g/m2を超える
ものに適用することによって、めっき厚さの大きいZn
めっき鋼板の重ね継ぎ手が高品質で得られることとな
る。
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項3に記載しているように、Znめっき鋼板におけるZ
nめっきの目付量が片面において20g/m2を超える
ものに適用することによって、めっき厚さの大きいZn
めっき鋼板の重ね継ぎ手が高品質で得られることとな
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0023】図1は、本発明の一実施例を示す斜視図で
あり、また、図2は本発明の一実施例によるレーザ溶接
時の溶接部の模式図である。
あり、また、図2は本発明の一実施例によるレーザ溶接
時の溶接部の模式図である。
【0024】図1および図2に示すように、両面にZn
めっき層1a,1bを有する下側のZnめっき鋼板1
と、同じく両面にZnめっき層2a,2bを有する上側
のZnめっき鋼板2とを重ね合わせ、レーザ光3を加工
ヘッド4を通して鋼板表面に向けて照射することによっ
て重ね継ぎ手溶接するに際して、酸化物の標準生成自由
エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料と
してMnの酸化物粉末5を粉末供給ノズル6より溶接部
7に向けて供給しながらレーザ溶接を行う。
めっき層1a,1bを有する下側のZnめっき鋼板1
と、同じく両面にZnめっき層2a,2bを有する上側
のZnめっき鋼板2とを重ね合わせ、レーザ光3を加工
ヘッド4を通して鋼板表面に向けて照射することによっ
て重ね継ぎ手溶接するに際して、酸化物の標準生成自由
エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料と
してMnの酸化物粉末5を粉末供給ノズル6より溶接部
7に向けて供給しながらレーザ溶接を行う。
【0025】この実施例において、Znめっき鋼板1,
2としては板厚t=0.9mmでかつ亜鉛の付着量が2
0g/m2のものを用い、また、レーザ出力は4.0k
W、溶接速度は2.5m/minでレーザ溶接を行っ
た。さらに、溶接部7に供給する酸化物粉末5には酸化
マンガン(MnO)を使用し、3000mg/minの
供給量で加工点に供給してレーザ溶接を行った。
2としては板厚t=0.9mmでかつ亜鉛の付着量が2
0g/m2のものを用い、また、レーザ出力は4.0k
W、溶接速度は2.5m/minでレーザ溶接を行っ
た。さらに、溶接部7に供給する酸化物粉末5には酸化
マンガン(MnO)を使用し、3000mg/minの
供給量で加工点に供給してレーザ溶接を行った。
【0026】このレーザ溶接後において、溶接ビード9
の外観を評価するにあたり、ブローホールの発生長さが
溶接長さの5%以下でOKとし、酸化物粉末5を供給せ
ずに溶接を行った場合に、ブローホールの発生長さが溶
接長さの20%以上であったのに対し、本実施例では5
%以下となった。
の外観を評価するにあたり、ブローホールの発生長さが
溶接長さの5%以下でOKとし、酸化物粉末5を供給せ
ずに溶接を行った場合に、ブローホールの発生長さが溶
接長さの20%以上であったのに対し、本実施例では5
%以下となった。
【0027】このように、本実施例においては、レーザ
光3がZnめっき鋼板1,2に照射されて形成されるキ
ーホール(溶融池8)に、溶接方向前方にセットされた
粉末供給ノズル6より酸化マンガンよりなる酸化物粉末
5が供給される。
光3がZnめっき鋼板1,2に照射されて形成されるキ
ーホール(溶融池8)に、溶接方向前方にセットされた
粉末供給ノズル6より酸化マンガンよりなる酸化物粉末
5が供給される。
【0028】この時、Znめっきの付着量が片面で20
〜30g/m2の場合、溶接速度は2〜5m/min、
粉末供給量は2000〜4000mg/minが適切で
ある。そして、この酸化マンガンは鉄よりも活性である
が亜鉛よりも不活性であるため、キーホール内では鉄と
反応せずに亜鉛と反応を起こして図2に示すように酸化
亜鉛10を生成する。
〜30g/m2の場合、溶接速度は2〜5m/min、
粉末供給量は2000〜4000mg/minが適切で
ある。そして、この酸化マンガンは鉄よりも活性である
が亜鉛よりも不活性であるため、キーホール内では鉄と
反応せずに亜鉛と反応を起こして図2に示すように酸化
亜鉛10を生成する。
【0029】この酸化亜鉛10は沸点が高いため、レー
ザ溶接中にガス化しないので、溶融池8を吹き飛ばすこ
とがなくなってブローホールは発生しないこととなる。
また、酸化亜鉛10の比重は溶融鉄よりも低いため、酸
化亜鉛10は溶融池8内を浮上して表面に浮かび上がる
ので、溶接部の物理的特性をも妨げないこととなる。そ
の結果、安定して高い溶接品質をもつZnめっき鋼板の
重ね継ぎ手を得ることができるようになる。
ザ溶接中にガス化しないので、溶融池8を吹き飛ばすこ
とがなくなってブローホールは発生しないこととなる。
また、酸化亜鉛10の比重は溶融鉄よりも低いため、酸
化亜鉛10は溶融池8内を浮上して表面に浮かび上がる
ので、溶接部の物理的特性をも妨げないこととなる。そ
の結果、安定して高い溶接品質をもつZnめっき鋼板の
重ね継ぎ手を得ることができるようになる。
【0030】
【発明の効果】本発明に係わるZnめっき鋼板の重ね継
ぎ手レーザ溶接方法は、請求項1に記載しているよう
に、Znめっき鋼板の重ね継ぎ手をレーザ溶接によって
得るに際し、酸化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも
小さくかつ亜鉛よりも大きい材料を溶接部に供給しなが
らレーザ溶接するようにしたから、溶接部に供給された
酸化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜
鉛よりも大きい材料は、鉄よりも活性でかつ亜鉛よりも
不活性であるため、溶接部では鉄と反応せずに亜鉛と反
応を生じて酸化亜鉛を生成し、レーザ溶接中に亜鉛はガ
ス化しないので、溶融池を吹き飛ばすことがなくなっ
て、溶接部にブローホールが発生するのを防止すること
が可能になるという優れた効果がもたらされる。
ぎ手レーザ溶接方法は、請求項1に記載しているよう
に、Znめっき鋼板の重ね継ぎ手をレーザ溶接によって
得るに際し、酸化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも
小さくかつ亜鉛よりも大きい材料を溶接部に供給しなが
らレーザ溶接するようにしたから、溶接部に供給された
酸化物の標準生成自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜
鉛よりも大きい材料は、鉄よりも活性でかつ亜鉛よりも
不活性であるため、溶接部では鉄と反応せずに亜鉛と反
応を生じて酸化亜鉛を生成し、レーザ溶接中に亜鉛はガ
ス化しないので、溶融池を吹き飛ばすことがなくなっ
て、溶接部にブローホールが発生するのを防止すること
が可能になるという優れた効果がもたらされる。
【0031】また、酸化亜鉛の比重は鉄よりも低いた
め、酸化亜鉛は溶融池表面に浮かび上がるので、溶接部
の物理的特性をも妨げないこととなり、溶接品質に優れ
たZnめっき鋼板の重ね継ぎ手を安定して得ることが可
能になるという著しく優れた効果がもたらされる。
め、酸化亜鉛は溶融池表面に浮かび上がるので、溶接部
の物理的特性をも妨げないこととなり、溶接品質に優れ
たZnめっき鋼板の重ね継ぎ手を安定して得ることが可
能になるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0032】そして、本発明に係わるZnめっき鋼板の
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項2に記載しているように、Znめっき鋼板の重ね継ぎ
手をレーザ溶接によって得るに際し、酸化物の標準生成
自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材
料であるMnの酸化物の粉末を溶接部に供給しながらレ
ーザ溶接するようにしたから、請求項1と同様の効果を
得ることが可能であると共に、溶接部にMnが若干残る
としても適量のMnは溶接部の強靭性を増大させる効果
を有し、そしてまた、供給材料としてのMnの酸化物は
安価であることから、溶接品質に優れたZnめっき鋼板
の重ね継ぎ手を安定してそして低コストで得ることが可
能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項2に記載しているように、Znめっき鋼板の重ね継ぎ
手をレーザ溶接によって得るに際し、酸化物の標準生成
自由エネルギが鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材
料であるMnの酸化物の粉末を溶接部に供給しながらレ
ーザ溶接するようにしたから、請求項1と同様の効果を
得ることが可能であると共に、溶接部にMnが若干残る
としても適量のMnは溶接部の強靭性を増大させる効果
を有し、そしてまた、供給材料としてのMnの酸化物は
安価であることから、溶接品質に優れたZnめっき鋼板
の重ね継ぎ手を安定してそして低コストで得ることが可
能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0033】さらに、本発明に係わるZnめっき鋼板の
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項3に記載しているように、Znめっき鋼板におけるZ
nめっきの目付量が片面において20g/m2を超える
ものに適用することによって、めっき厚さの大きいZn
めっき鋼板の重ね継ぎ手を高品質で得ることが可能であ
るという著しく優れた効果がもたらされる。
重ね継ぎ手レーザ溶接方法の実施態様においては、請求
項3に記載しているように、Znめっき鋼板におけるZ
nめっきの目付量が片面において20g/m2を超える
ものに適用することによって、めっき厚さの大きいZn
めっき鋼板の重ね継ぎ手を高品質で得ることが可能であ
るという著しく優れた効果がもたらされる。
【図1】本発明によるZnめっき鋼板の重ね継ぎ手レー
ザ溶接方法の一実施例を示す斜視図である。
ザ溶接方法の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1における溶融池の部分を示す断面説明図で
ある。
ある。
【図3】従来のZnめっき鋼板の重ね継ぎ手溶接方法に
おいて、溶接欠陥が発生する様子を示す断面説明図であ
る。
おいて、溶接欠陥が発生する様子を示す断面説明図であ
る。
【図4】従来のZnめっき鋼板の重ね継ぎ手溶接方法に
おける解決策の一例を示す斜視図である。
おける解決策の一例を示す斜視図である。
【図5】従来のZnめっき鋼板の重ね継ぎ手溶接方法に
おける解決策の他の例を示す斜視図である。
おける解決策の他の例を示す斜視図である。
【図6】従来のZnめっき鋼板の重ね継ぎ手溶接方法に
おける解決策のさらに他の例を示す断面図である。
おける解決策のさらに他の例を示す断面図である。
1 Znめっき鋼板 1a,1b Znめっき鋼板1の両面のZnめっき層 2 Znめっき鋼板 2a,2b Znめっき鋼板2の両面のZnめっき層 3 レーザ光 4 加工ヘッド 5 Mnの酸化物粉末(酸化物の標準生成自由エネルギ
が鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料) 6 粉末供給ノズル 7 溶接部 8 溶融池 9 溶接ビード 10 酸化亜鉛
が鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料) 6 粉末供給ノズル 7 溶接部 8 溶融池 9 溶接ビード 10 酸化亜鉛
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴 田 公 博 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 Znめっき鋼板の重ね継ぎ手をレーザ溶
接によって得るに際し、酸化物の標準生成自由エネルギ
が鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料を溶接部に
供給しながらレーザ溶接することを特徴とするZnめっ
き鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法。 - 【請求項2】 Znめっき鋼板の重ね継ぎ手をレーザ溶
接によって得るに際し、酸化物の標準生成自由エネルギ
が鉄よりも小さくかつ亜鉛よりも大きい材料であるMn
の酸化物粉末を溶接部に供給しながらレーザ溶接するこ
とを特徴とする請求項1に記載のZnめっき鋼板の重ね
継ぎ手レーザ溶接方法。 - 【請求項3】 Znめっき鋼板におけるZnめっきの目
付量が片面において20g/m2を超えることを特徴と
する請求項1または2に記載のZnめっき鋼板の重ね継
ぎ手レーザ溶接方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7025613A JPH08215882A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | Znめっき鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法 |
DE69610000T DE69610000T2 (de) | 1995-02-14 | 1996-02-13 | Leistungswandler |
EP96300989A EP0727870B1 (en) | 1995-02-14 | 1996-02-13 | Power converter |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7025613A JPH08215882A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | Znめっき鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08215882A true JPH08215882A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12170745
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7025613A Pending JPH08215882A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | Znめっき鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08215882A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011114555A1 (de) * | 2011-09-30 | 2013-04-04 | Thyssenkrupp Tailored Blanks Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zumVerbindungsschweißen von beschichteten Blechen |
JP2015059522A (ja) * | 2013-09-19 | 2015-03-30 | 東京瓦斯株式会社 | 羽根車及びその製造方法 |
CN104874919A (zh) * | 2015-05-16 | 2015-09-02 | 上海交通大学 | 一种厚板窄间隙激光焊接方法 |
-
1995
- 1995-02-14 JP JP7025613A patent/JPH08215882A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011114555A1 (de) * | 2011-09-30 | 2013-04-04 | Thyssenkrupp Tailored Blanks Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zumVerbindungsschweißen von beschichteten Blechen |
US9468995B2 (en) | 2011-09-30 | 2016-10-18 | Wisco Tailored Blanks Gmbh | Method and device for joint-welding coated metal sheets |
JP2015059522A (ja) * | 2013-09-19 | 2015-03-30 | 東京瓦斯株式会社 | 羽根車及びその製造方法 |
CN104874919A (zh) * | 2015-05-16 | 2015-09-02 | 上海交通大学 | 一种厚板窄间隙激光焊接方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5224349B2 (ja) | 薄板のレーザー溶接方法 | |
JP2918829B2 (ja) | 燃料タンクの製造方法、レーザ溶接体及び燃料タンク | |
US8575512B2 (en) | Laser lap welding method for galvanized steel sheet | |
JPH0679484A (ja) | レーザ溶接方法 | |
JPH0557467A (ja) | 異板厚素材のレーザ溶接方法 | |
EP0503703A2 (en) | Laser-welding of galvanized steel | |
JP3115456B2 (ja) | 亜鉛めっき鋼板のレーザ溶接方法 | |
JP5318543B2 (ja) | レーザ・アーク複合溶接法 | |
JP3767375B2 (ja) | 亜鉛系めっき鋼板の重ね溶接方法及び溶接結合薄板 | |
KR100530718B1 (ko) | 피복된 금속판재의 피막제거장치 및 이를 이용한 용접방법 | |
JP2004330299A (ja) | 溶接部強度に優れたレーザ溶接方法 | |
JP5177745B2 (ja) | めっき鋼板の重ねレーザ溶接方法及びめっき鋼板の重ねレーザ溶接構造 | |
JPH08215882A (ja) | Znめっき鋼板の重ね継ぎ手レーザ溶接方法 | |
JP4575640B2 (ja) | レーザー溶接方法およびレーザー溶接装置 | |
JP2002331375A (ja) | 亜鉛めっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法 | |
US20020050487A1 (en) | Method for closing and/or joining a connecting joint or joining seam between two pieces of galvanized sheet metal | |
JP4409038B2 (ja) | めっき鋼板の重ねレーザ溶接方法 | |
EP1118420A2 (en) | Inclined beam lap welding | |
JPH06285657A (ja) | レーザー溶接方法 | |
JPH09216078A (ja) | レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置 | |
JPH067978A (ja) | 亜鉛メッキ鋼板のレーザ溶接方法 | |
JPH10156566A (ja) | Znメッキ鋼板の重ね継ぎ手パルスYAGレーザ溶接方法 | |
JPH10296472A (ja) | アルミメッキ鋼板のレーザ溶接方法 | |
JPH05318155A (ja) | 亜鉛メッキ鋼板のレーザ溶接方法 | |
JPH06142934A (ja) | 亜鉛めっき鋼板のアーク溶接方法 |