JP4437538B2 - 被覆鋼板の重ね溶融溶接方法 - Google Patents

被覆鋼板の重ね溶融溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は被覆鋼板の重ね溶融溶接方法に関し、詳しくは母材と該母材の融点よりも低い沸点をもつ被覆材料よりなり該母材表面に形成された被覆層とからなる被覆鋼板同士を重ね合わせ、この重ね合わせ部を溶融、凝固させて両被覆鋼板の母材同士を一体的に接合する被覆鋼板の重ね溶融溶接方法に関する。
Znメッキ鋼板を重ね溶融溶接する場合、母材の表面にZnめっき層が形成された2枚のZnめっき鋼板を重ね合わせ、この重ね合わせ部の所定部位にレーザ熱やアーク熱等を付与することにより両母材を溶融して溶融池とし、この溶融池を冷却、凝固させて両母材を一体的に接合する。
ところで、Znめっき鋼板においては、母材としての鋼板の融点よりもZnめっき層のZnの沸点の方が低い。このように母材の融点よりも低い沸点をもつ被覆材料よりなる被覆層が該母材表面に形成された被覆鋼板同士を重ね溶融溶接する場合、以下に示すような問題がある。
すなわち、上記したような被覆鋼板を重ね溶融溶接する場合、溶接時にZnめっき鋼板の母材が溶融したときにはZnめっき層のZnはガス化してZn蒸気となっている。そして、重ね合わせられたZnめっき鋼板間のZnがガス化すると、この板間のZn蒸気が、溶融池内に閉じ込められて残存したり、溶融池内で高圧となって溶融池から噴出して溶融母材を飛散させたりする。このため、上記したような被覆鋼板を重ね溶融溶接すると、板間のZnがガス化することによるブローホール等の溶接欠陥が問題となる。
例えば、Znめっき鋼板の重ねレーザ溶接では、図11に示されるように、母材81の表面にZnめっき層82が形成された2枚のZnめっき鋼板80、80を重ね合わせ、この重ね合わせ部の所定部位にレーザ光90を照射してレーザ熱で母材81を溶融して溶融池91とし、この溶融池91を冷却、凝固させて溶接部92として両母材81、81を一体的に接合する。このとき、Znめっき鋼板80、80間のZnがガス化し、このZn蒸気が溶融池91内に侵入して留まることにより、そのまま溶接部92内にZn蒸気が残存してブローホール93となったり、溶融池91内で高圧となったZn蒸気94が溶融母材を吹き飛ばしてスパッタ95を発生させたりする。
このようなZn蒸気によるブローホール等の溶接欠陥に対しては、重ね合わせた両Znめっき鋼板間に適度の微小隙間を形成し、この微小隙間からZn蒸気を逃がして脱気することが有効であり、重ね合わせた両Znめっき鋼板間にガス逃がし用の微小隙間を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された技術では、プレス成形によりZnめっき鋼板の一面に凸部を設けることにより、重ね合わせた両Znめっき鋼板間にガス逃がし用の微小隙間を形成している。このため、レーザ溶接時に両Znめっき鋼板間で発生したZn蒸気を両Znめっき鋼板間の微小隙間から逃がすことにより、溶融池を通しての高圧ガス噴出等を抑えることができる。
また、ブローホール等の溶接欠陥の原因となる、外部へ逸出するZn蒸気量を減少させる技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された技術では、重ね合わせたZnめっき鋼板の間にNi−P系、Sn又はSn−Pb系の金属箔を挟んだ状態で重ねレーザ溶接することにより、レーザ溶接時に板間のZnめっき層から発生したZn蒸気とNi−P系等の金属とで化合物を形成させ、この化合物を溶融池の溶鋼中に固溶させている。こうして、外部へ逸出するZn蒸発量を減少させることにより、ブローホールの発生を抑制している。
さらに、酸素を所定量含むアシストガスを溶接部に噴出しながらレーザ溶接する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
この特許文献3に開示された技術では、Znめっき層を酸素ガス成分により酸化、燃焼させることにより、レーザビーム照射部からの熱伝導でZnが気化して生じる爆発的な現象を抑えるとともに、キーホールの入り口部を酸化反応により広げてZn蒸気を外部に抜け易くしている。こうしてZn蒸気によるブローホールの発生を抑制している。
特開2001−162387号公報(第3−5頁、第2図) 特開平5−318155号公報(第2−3頁、第1図) 特開平6−79484号公報(第3−4頁、第1図)
しかしながら、プレス成形等によりZnめっき鋼板の一面に凸部を設けることによりガス逃がし用の微小隙間を形成する前記従来技術では、微小隙間の大きさの管理が面倒かつ困難である。
すなわち、微小隙間が大きすぎると溶融した母材同士がつながらずに分離してしまう一方、微小隙間が小さすぎるとZn蒸気の脱気が不十分となって前記ブローホール等の溶接欠陥が発生することになるため、微小隙間の大きさを0.1〜0.4mm程度の範囲に管理する必要があるが、プレス成形機の型摩耗や成形精度等を考慮すると、微小隙間の大きさを高精度に管理することは面倒かつ困難である。
また、前記特許文献2に開示された技術は、重ね合わせたZnめっき鋼板間で発生したZn蒸気とNi−P系等の金属とを反応させて化合物を形成し、この化合物を溶融池の母材に固溶させることで外部へ逸出するZn蒸発量を減少させるものであり、Zn等の被覆材料の蒸発自体を抑制しようとする本発明とは技術的思想が異なる。
さらに、前記特許文献3に開示された技術では、溶融池内で酸化発熱反応が起こることから、溶融池の温度が上昇して溶融池の範囲が増大するとともに溶融池の粘度が低下し、それにより溶融池内のキーホール近傍でZn蒸気が噴出し細かいスパッタが発生し易くなる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、面倒かつ困難な隙間管理をすることなく、溶接時に被覆鋼板間の被覆材料がガス化することに起因するブローホール等の溶接欠陥を抑制することを解決すべき技術課題とするものである。
本発明者は、溶接時の現象を可視化観察により捉えることにより上記ブローホール等の溶接欠陥の発生メカニズムに基づく対策を検討した結果、重ね合わせた被覆鋼板間の被覆材料が接する溶融池の温度を低下させるとともに溶融池の容積を低減させることにより、板間の被覆材料がガス化することに起因するブローホール等の溶接欠陥を効果的に抑制できることを発見し、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決する本発明の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法は、母材と該母材の融点よりも低い沸点をもつ被覆材料よりなり該母材表面に形成された被覆層とからなる被覆鋼板同士を重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた該被覆鋼板の重ね合わせ部の板面に対して略水平方向に移動する所定の熱源を該板面の一方から供給することにより該重ね合わせ部の所定部位を加熱して両該母材が溶融した溶融池とし、該溶融池を冷却、凝固させることにより両該被覆鋼板の該母材同士を一体的に接合する接合工程とを備え、前記接合工程で、前記溶融池内の外周域であって両前記被覆鋼板間の前記被覆層に接する部位のうちの少なくとも前記熱源の移動方向後方における温度が前記被覆材料の沸点以下となるように、前記母材よりも融点の低い低融点材料よりなる低融点溶加材を熱源の供給側から前記所定部位に供給しつつ該熱源により該低融点溶加材を加熱して溶融した該低融点溶加材を該溶融池に添加することを特徴とするものである。
ここに、前記「両母材が溶融し」とは、加熱部位において、重ね合わされた一方の被覆鋼板の母材全体が溶融し、かつ、他方の被覆鋼板の母材全体又は母材の一部が溶融していることを意味する。
好適な態様において、前記熱源は高エネルギ密度熱源であり、前記接合工程で、該高エネルギ密度熱源の照射により前記所定部位の前記母材及び前記低融点溶加材を加熱して溶融させる。
好適な態様において、前記高エネルギ密度熱源の照射により前記所定部位にキーホールが形成され、該キーホールよりも該高エネルギ密度熱源の移動方向後方側の前記溶融池に前記低融点溶加材を添加する。
好適な態様において、前記高エネルギ密度熱源はレーザである。
好適な態様において、前記熱源はレーザ及びアークであり、前記接合工程で、前記所定部位にレーザ光を照射して主にレーザ熱により両前記母材を溶融させるとともに、アーク熱により前記低融点溶加材を溶融させる。
好適な態様において、前記低融点溶加材はフィラーワイヤの形態で供給される。
好適な態様において、前記低融点溶加材は粉末の形態で供給される。
好適な態様において、前記フィラーワイヤを消耗電極としてアークを発生させアーク熱により該フィラーワイヤを溶融させる。
好適な態様において、前記低融点溶加材はCuを35%以上含有するCu系溶加材である。
ここに、前記「%」は「質量%」を意味する。また、以下の説明において、単に「%」と記載されているものは全て「質量%」を意味する。
好適な態様において、前記低融点溶加材はNiをベースとし融点が1200℃以下のNi系溶加材である。
好適な態様において、前記低融点溶加材はAgをベースとするAg系溶加材である。
好適な態様において、前記被覆層はZnめっき層であり、前記被覆鋼板はZnめっき鋼板である。
本発明の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法は、母材と該母材の融点よりも低い沸点をもつ被覆材料よりなり該母材表面に形成された被覆層とからなる被覆鋼板の重ね溶融溶接方法であって、重ね合わせ工程と、接合工程とを備えている。
前記重ね合わせ工程では、母材と該母材の融点よりも低い沸点をもつ被覆材料よりなり該母材表面に形成された被覆層とからなる被覆鋼板同士を重ね合わせる。このとき、重ね合わせた両被覆鋼板間の隙間管理を厳密に行う必要がなく、0〜0.8mm程度の隙間とすることができる。
前記被覆鋼板における母材の種類は特に限定されない。また、前記被覆層を構成する被覆材料の種類は、母材の融点よりも低い沸点をもつものであれば特に限定されない。前記被覆鋼板としては、前記被覆層がZnめっき層であるZnめっき鋼板を好ましい態様として挙げることができる。なお、被覆層としてのめっき層の目付量は特に限定されなず、また、めっき方法は溶融めっきでも電気めっきでもいずれでもよい。
前記接合工程では、重ね合わされた被覆鋼板の重ね合わせ部の板面に対して略水平方向に移動する所定の熱源を該板面の一方から供給することにより、該重ね合わせ部の所定部位を加熱して両母材が溶融した溶融池とし、この溶融池を冷却、凝固させることにより両被覆鋼板の母材同士を一体的に接合する。
そして、本発明の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法における接合工程では、溶融池内の外周域であって両被覆鋼板間の被覆層に接する部位のうちの少なくとも熱源の移動方向後方における温度が被覆材料の沸点以下となるように、母材よりも融点の低い低融点材料よりなる低融点溶加材を熱源の供給側から前記所定部位に供給しつつ該熱源により該低融点溶加材を加熱して溶融した該低融点溶加材を該溶融池に添加する。これにより、重ね合わせ部の被覆鋼板間の被覆層に接する溶融池の最外周のうちの少なくとも熱源の移動方向後方が被覆材料の沸点以下となるため、この溶融池の最外周のうちの少なくとも熱源の移動方向後方に接する被覆層の被覆材料は溶融するのみで沸騰することがない。このため、重ね合わせ部の板間に在る被覆層の被覆材料がガス化して発生するガス量を低減させて、溶融池内に侵入するガス量を低減させることができる。
また、低融点溶加材が溶融池に添加されて溶融池の温度が低下すれば、その溶融池の凝固速度が高まり、溶融池が素早く凝固する。このため、溶融溶接時に被覆鋼板の母材が溶融して形成された溶融池は素早く凝固する。こうして溶融池が素早く凝固すれば、その凝固部分が溶融池内のガスの行く手を阻むことになる。また、ガスが滞留又は移動しうる溶融池容積も減少し、結果的に溶融池内で滞留又は移動するガス量が減少する。このため、被覆鋼板間の被覆層の被覆材料がガス化して発生したガスは、溶融池内に滞留することなく、その大部分が加熱による溶融直後の溶融池を素早く抜け出る。したがって、溶融池内にガスが閉じ込められて残留したり、溶融池内でガスが高圧となって母材を飛散させながら溶融池から噴出したりすることを抑えることができる。
さらに、溶融池が素早く凝固したり溶融池容積が減少したりすれば、溶融池からの熱伝達により発生するガス量を低減させることができる。
したがって、本発明の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法によれば、被覆鋼板間で発生するガスに起因するブローホール等の溶接欠陥を効果的に抑えることが可能となる。
また、前記溶融池に前記低融点溶加材を供給しながら溶融溶接することから、被覆鋼板間で発生するガスによるブローホール等の溶接欠陥を抑えるべく、重ね合わせる両鋼板間の隙間管理を厳密に行う必要がなくなり、作業が容易となる。すなわち、本発明方法によれば、仮に両被覆鋼板間の隙間を零にした場合であっても、板間で発生するガスブローホール等の溶接欠陥を効果的に抑えることができる。また、前記低融点溶加材の供給により前記溶融池を補充することができるので、仮に両被覆鋼板間の隙間を0.4mmを超える程度(例えば、0.4〜0.8mm程度)に大きくした場合でも、前記低融点溶加材による補充分だけ隙間を埋めることが可能となり、溶接部に溶け落ちが発生したり溶融池同士が分離したりすることによる溶接不良を防ぐことができる。
ここに、前記低融点溶加材の形態は特に限定されず、例えば粉末状であってもよいし、ワイヤ状であってもよい。ただし、粉末状とした場合、溶融池の幅が狭いことや供給途中で粉末が飛散すること等により、材料歩留りが低下し、また、溶融池に対する供給量の制御が必ずしも容易ではない。そこで、前記低融点溶加材はワイヤ状とすることが好ましい。フィラーワイヤ等のワイヤ状のものであれば、粉末と比べて取り扱いが容易で供給途中で飛散することもないので、溶融池等に対して確実かつ容易に送給することができ、またその送給量の制御も容易となる。また、材料歩留りが低下することもない。
また、溶融池に前記低融点溶加材を添加する際は、重ね合わされた被覆鋼板の重ね合わせ部の板面に対して略水平方向に移動する所定の熱源を該板面の一方から供給して所定部位を加熱するときに、該熱源の供給側から該所定部位に低融点溶加材を供給する。こうすることで、熱源で被覆鋼板の所定部位を加熱して溶融池にする際に、該熱源により低融点溶加材を確実に加熱して溶融させることができるとともに、溶融した低融点溶加材を溶融池の母材と均等に混合させて溶融池の温度を確実に低下させることが可能となる。
なお、高エネルギ密度熱源を利用する場合(後述する)、前記低融点溶加材は、前記所定部位への高エネルギ密度熱源の照射に先行させて被覆鋼板の所定部位(レーザ等の高エネルギ密度熱源が照射されて溶接部となる溶接線上)に予め配置しておいてもよいし、高エネルギ密度熱源の照射点(溶接点)又はその近傍(高エネルギ密度熱源の移動方向前方側又は後方側等の近傍)にレーザ光の照射とほぼ同時に供給してもよい。高エネルギ密度熱源の照射点(溶接点)やその近傍の溶融池等に対して低融点溶加材をどの方向から供給するかについても、高エネルギ密度熱源の後方(高エネルギ密度熱源の移動方向後方)、前方(高エネルギ密度熱源の移動方向前方)及び側方等のいずれでもよいが、その作用を考慮すると後述するとおり後方から供給するのが望ましい。
さらに、前記接合工程で、重ね合わせ部の所定部位(溶接後に溶接部となる部位)を加熱して両母材を溶融させる熱源としては、加熱部位において、重ね合わされた一方の被覆鋼板の母材全体を溶融させ、かつ、他方の被覆鋼板の母材全体又は母材の一部を溶融させることのできるものであれば特に限定されず、レーザや電子ビーム等の高エネルギ密度熱源や、プラズマ、MIGやCO2 等のアーク熱源を利用することができる。ただし、高速かつ低歪み溶接を実現しやすい高エネルギ密度熱源を利用することが好ましく、特に溶接線形状の自由度が高く、溶接の操作性や制御性が優れているレーザを利用することが好ましい。なお、用いるレーザ光の種類やレーザ溶接の条件は特に限定されず、被覆鋼板の種類や厚さ等に応じて適宜設定することができる。YAGレーザやCO2 レーザ等を好適に用いることができる。また、レーザ等の高エネルギ密度熱源を利用した接合工程では、被覆鋼板の重ね合わせ部の板面に対して高エネルギ密度熱源を略水平方向に所定速度で移動させながら同板面に対して略垂直方向(重ね合わせ方向)から所定出力の高エネルギ密度熱源を照射する。高エネルギ密度熱源が照射された部分は重ね合わされた被覆鋼板の両母材が溶融して溶融池となる。
本発明の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法は、前記熱源として高エネルギ密度熱源を利用し、前記接合工程で、該高エネルギ密度熱源の照射により前記所定部位の前記母材及び前記低融点溶加材を加熱して溶融させることが好ましい。
高エネルギ密度熱源が照射された照射点にはキーホール(細くて深い穴)が形成される。このキーホール内部の温度は数千℃に達しており、キーホールの周囲に溶融池が形成され、この溶融池の最外周における温度は溶融金属の融点(凝固点)である。高エネルギ密度熱源が照射されてキーホールが形成された部分に在った被覆材料が沸騰して発生したガスの大部分はそのキーホールを通って外部に放出されると考えられる。また、キーホールよりも高エネルギ密度熱源の移動方向前方に形成された溶融池部分に在った被覆層や該溶融池部分に接触する被覆層の被覆材料が沸騰して発生したガスは、その後高エネルギ密度熱源が照射されることによりその溶融池部分にキーホールが形成されるので、そのキーホールを通って外部に放出されると考えられる。ところが、キーホールよりも高エネルギ密度熱源の移動方向後方や移動方向側方に形成された溶融池部分に接触する被覆層の被覆材料が沸騰して発生したガスは、そのキーホールから抜けきれずに該溶融池内部に入り込み、大気中に噴出する際に溶融池を飛散させると考えられる。
この点、本発明の被覆鋼板の溶融溶接方法では、前述のとおり、溶融池の外周域(最外周)であって板間の被覆層が接する部位のうちの少なくとも熱源の移動方向後方における温度が被覆材料の沸点以下とされることから、溶融池に接触する被覆層の被覆材料が溶融池からの熱伝達により沸騰してガス化することを防止することができる。このため、キーホールよりも高エネルギ密度熱源の移動方向後方や移動方向側方に形成された溶融池部分に接触する被覆層の被覆材料が沸騰してガス化することを防止することができる。したがって、被覆鋼板間で発生して溶融池内部に入り込むガス量を低減させることが可能となる。
ここに、高エネルギ密度熱源の照射により形成するキーホールとしては、被覆鋼板間で発生したガスをキーホールを介して外部へより逃がし易くする観点より、両母材を板厚方向に貫通していることが好ましい。
また、高エネルギ密度熱源の照射により前記所定部位にキーホールを形成した場合には、このキーホールよりも高エネルギ密度熱源の移動方向後方の溶融池部分に低融点溶加材を添加することが好ましい。上述のとおり、キーホールよりも高エネルギ密度熱源の移動方向後方の溶融池部分に、キーホールの側方等で発生したガスが入り込みやすいことから、この移動方向後方の溶融池部分に直接低融点溶加材を添加することにより、低融点溶加材と母材とをより均一に混合させて溶融池の温度をより確実に低下させるのに有利となる。
さらに、レーザ熱で母材を溶融させるレーザ溶接を利用する場合は、前記接合工程で、前記所定部位にレーザ光を照射して主にレーザ熱により両前記母材を溶融させるとともに、アーク熱により前記低融点溶加材を溶融させることが好ましい。
特に、前記低融点溶加材としてワイヤ状のもの(フィラーワイヤ)を採用した場合は、前記接合工程で、前記重ね合わせ部の所定部位にレーザ光を照射して主にレーザ熱により両前記母材を溶融させるとともに、前記低融点溶加材(フィラーワイヤ)を消耗電極としてアークを発生させアーク熱により該低融点溶加材(フィラーワイヤ)を溶融させることが好ましい。
レーザ溶接におけるレーザ光の照射点(溶接点)は極めて小さく、溶融池の幅も狭いため、フィラーワイヤ等の低融点溶加材の供給位置のズレ等により、低融点溶加材をレーザ熱や溶融池の熱によって確実に溶融させることが困難となる。この点、前記重ね合わせ部の所定部位にレーザ光を照射して主にレーザ熱により両前記母材を溶融させるとともに、いわゆるアーク溶接を併用し、アーク熱により前記低融点溶加材を溶融させれば、低融点溶加材の供給位置にズレ等があったとしても、低融点溶加材を確実に溶融させて前記溶融池に混入させることができる。特に、前記フィラーワイヤを消耗電極とするアーク溶接によれば、その作業も容易となり、溶融池に対して確実かつ容易に供給することができる。したがって、低融点溶加材により前記溶融池の温度を確実に低下させることができ、ブローホール等の溶接欠陥を効果的に抑制することが可能となる。また、アーク熱により低融点溶加材を溶融させれば、低融点溶加材の溶融にレーザ熱の一部が使われることがないため、その分レーザ出力を抑えることができ、より低コストで溶接することが可能となる。
そして、アーク溶接を併用する場合は、低融点溶加材の供給位置にズレ等があってもアーク熱により低融点溶加材を溶融させることができるので、低融点溶加材の供給操作の向上を図ることが可能となる。
前記アーク溶接におけるアークの種類や条件としては、前記低融点溶加材を溶融させることができれば特に限定されず、MIGアーク、プラズマアークやTIGアーク等を適宜用いることができる。
さらに、前記低融点溶加材はCuを35%以上含有するCu系溶加材であることが好ましい。このCuを35%以上含有する低融点のCu系溶加材は、被覆鋼板の母材の溶融池中に混入されて溶融池の温度を低下させることにより、溶融池内の外周域であって両被覆鋼板間の被覆層に接する部位における温度を被覆材料の沸点以下にするとともに、溶融池の凝固速度を高めて、溶融池を素早く凝固させる。
前記Cu系溶加材におけるCu以外の成分は、被覆鋼板の母材の溶融池に混入されてもこの母材に対して強度面や割れ等の品質面等で悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されない。例えば、Cuを35%以上含有し、残部がNiよりなるCu−Ni系合金、残部がSiよりなるCu−Si系合金又は残部がFeよりなるCu−Fe系合金等を好適に用いることができる。また、これらの合金の二種以上を同時に用いてもよい。例えば、Cu−Ni系合金よりなるCu系溶加材と、Cu−Si系合金よりなるCu系溶加材とを同時に用いてもよい。Cu系溶加材の具体例としては、例えばCu−3Si合金(融点1080℃)やCu−0.3Fe−0.005Al−3.4Si−0.3Mn(融点1080℃)を挙げることができる。
前記Cu系溶加材におけるCu含有量が35%未満になると、溶融池の温度を十分に低下させることが困難となる。一方、Cu系溶加材におけるCu含有量の上限は特になく、Cu含有量が100%であってもよい。
また、前記低融点溶加材の他の態様としては、Al合金よりなるAl系溶加材の他に、融点が1200℃以下のろう付け用材料、例えばNiをベースとする(合金成分のうちでNiが最も組成比が大きい)Ni合金よりなり融点が1200℃以下のNi系溶加材、Agをベースとする(合金成分のうちでAgが最も組成比が大きい)Ag合金よりなるAg系溶加材、Alをベースとする(合金成分のうちでAlが最も組成比が大きい)Al合金よりなるAl系溶加材を用いることができる。Al系溶加材の具体例としては、例えばAl−0.4Fe−0.1Cu−12Si−0.1Mn合金(融点580℃)を挙げることができる。Ni系溶加材の具体例としては、例えばNi−14.0Cr−3.0B−4.5Fe−4.5Si−0.7C合金(ニクロブレーズBNi−1、融点1038℃)、Ni−7.0Cr−3.1B−3.0Fe−4.5Si−0.06C合金(ニクロブレーズBNi−2、融点999℃)、Ni−3.1B−4.5Si−0.06C合金(ニクロブレーズBNi−3、融点1038℃)、Ni−1.9B−3.5Si−0.06C合金(ニクロブレーズBNi−4、融点1065℃)、Ni−19.0Cr−10.2Si−0.06C合金(ニクロブレーズBNi−5、融点1135℃)やNi−0.06C−11.0P合金(ニクロブレーズBNi−6、融点925℃)を挙げることができる。Ag系溶加材の具体例としては、Ag−15Cu−16Zn−24Cd合金(BAg−1、融点620℃)、Ag−26Cu−21Zn−18Cd合金(BAg−2、融点700℃)、Ag−15.5Cu−15.5Zn−16Cd−3Ni合金(BAg−3、融点690℃)、Ag−34Cu−16Zn(BAg−6、融点775℃)、Ag−22Cu−17Zn−5Sn合金(BAg−7、融点650℃)やAg−28Cu合金(BAg−8、融点780℃)を挙げることができる。
なお、溶融池の母材とより均一に混合させるという観点からは、前記Cu系溶加材、前記Ni系溶加材や前記Ag系溶加材を用いることが好ましい。
以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
[第1実施例]
本実施例は、レーザ熱によりZnめっき鋼板の母材及びCu系溶加材を溶融させるレーザ溶接を利用して、Znめっき鋼板を重ね溶融溶接するものである。
(実施例1)
Znめっき鋼板として、母材1の表裏両面にZnめっき層2を形成してなる(Zn目付量は片面当たり45g/m2 )板厚t=0.8mmの溶融化亜鉛めっき鋼板(SCGA270−45/45)3を準備した。
一方、低融点溶加材としてのCu系溶加材として、Cuを96%含有し、Siを3重量%含有するCu−Si系合金からなるCu系フィラーワイヤ(外径φ=1.2mm)4を準備した。
<重ね合わせ工程>
前記Znめっき鋼板3を2枚重ね合わせた。このとき、両Znめっき鋼板3、3間の隙間は零とした。
<接合工程>
そして、両Znめっき鋼板3、3の重ね合わせ部の板面に対してレーザ光の光源(図示せず)を略水平方向(図1のA矢印方向)に所定速度で移動させながら、同板面に対して略垂直方向(重ね合わせ方向)から所定出力のレーザ光5をレーザ溶接後に溶接部6となる所定部位(所定の溶接線上)に照射し、レーザ光5が照射された加熱部において、重ね合わされた両Znめっき鋼板3、3の両母材1、1の全体が溶融した溶融池7を形成した。このとき、上記所定部位に、レーザ光5の移動方向後方から前記Cu系フィラーワイヤ4を所定の供給量で連続的に供給しながら、該所定部位にレーザ光5を照射した。こうして、レーザ光5の照射により両母材1、1及びCu系フィラーワイヤ4をほぼ同時に加熱、溶融し、形成された溶融池7に前記Cu系フィラーワイヤ4を溶融状態で連続的に供給しながらレーザ溶接をすることにより、両Znめっき鋼板3、3を重ねレーザ溶接した。このときの溶接条件は以下のとおりである。
レーザ光:YAGレーザ
レーザ出力:3.0kW
溶接速度:2.0m/min
フィラーワイヤの供給速度:3.0m/min
なお、この接合工程では、前記Cu系フィラーワイヤ4は溶融状態で前記溶融池7に添加されて、溶融池7の母材溶融金属とCu系フィラーワイヤ4の溶融金属とが混合した。
また、この接合工程では、レーザ光の照射により照射点に形成されたキーホールが両母材1、1を板厚方向に貫通するような条件でレーザ溶接した。
この接合工程におけるレーザ溶接の様子を図1の模式断面図に示し、また、このレーザ溶接中における溶融池等の高速度ビデオ画像を図2の写真に示す。この写真に示されるように、溶融池7の容積が小さく、また、Zn蒸気がキーホール8から外部に排出されており、溶融池7内に入り込んだり、そのまま溶接部(溶融池7が凝固した部分)6内に残存したりするZn蒸気がほとんどないことがわかる。
また、溶接後の溶接部の断面観察を電子顕微鏡により行った。その電子顕微鏡写真を図5に示す。なお、図5(a)の左右両側よりも濃い灰色となった中央部分が、溶融池7が凝固した溶接部6である。図5(b)は、図5(a)の四角で囲った部分を拡大した電子顕微鏡写真であり、図5(b)の点線Pが上記溶接部6(レーザ溶接時の溶融池7)の最外周を示し、この点線Pよりも左側の部分が上記溶接部6である。図5(c)は、図5(b)の四角で囲った部分を拡大した電子顕微鏡写真である。図5(c)からわかるように、溶接部6近傍のZnめっき層2、2にはZnの溶融跡のみが観察された。これにより、レーザ溶接時には、溶融池7の外周域(最外周)であって両前Znめっき鋼板3、3間のZnめっき層2、2に接する部位における温度がZnの沸点以下とされて、この溶融池7近傍のZnめっき層2、2は沸騰することなく溶融のみしたことが確認できる。
さらに、レーザ溶接中における溶融池表面の温度をサーモグラフィーで観察したところ、溶融池表面の温度は800℃程度であると推測される。
(比較例1)
前記Cu系フィラーワイヤ4の代わりに、Fe系合金よりなるFe系フィラーワイヤ(外径φ=1.2mm)を用いること以外は、前記実施例1と同様にして、Znめっき鋼板3、3の重ねレーザ溶接を行った。
この比較例1のレーザ溶接中における溶融池等の高速度ビデオ画像を図4に示すように、溶融池容積が大きく、また、キーホールから外部に排出しきれないZn蒸気が溶融池内に多く入り込み、溶融池を吹き飛ばしたり、溶接部内にそのまま残存したりしていることがわかる。
また、レーザ溶接中における溶融池表面の温度をサーモグラフィーで観察したところ、上記点線P部分に相当する溶融池表面の温度は1600℃程度であると推測される。
(比較例2)
溶融池に前記Cu系フィラーワイヤを供給しないこと以外は、前記実施例1と同様にして、2枚のZnめっき鋼板3、3を重ねレーザ溶接した。
この比較例2について、前記実施例1と同様にして、溶接後の溶接部の断面観察を電子顕微鏡により行った。その電子顕微鏡写真を図3に示す。なお、図3(a)の左右両側よりも濃い灰色となった中央部分が、溶融池7が凝固した溶接部6である。図3(b)は、図3(a)の四角で囲った部分を拡大した電子顕微鏡写真であり、図3(b)の点線Pが上記溶接部6(レーザ溶接時の溶融池7)の最外周を示し、この点線Pよりも左側の部分が上記溶接部6である。図3(b)からわかるように、溶接部6近傍のZnめっき層2、2にはZnが沸騰してガス化した後に再凝固した粉末が観察された。これにより、レーザ溶接時には、溶融池7近傍のZnめっき層2、2が沸騰したことが確認できる。
また、レーザ溶接中における溶融池表面の温度をサーモグラフィーで観察したところ、上記点線P部分に相当する溶融池表面の温度は1300℃程度であると推測される。
(重量減少量による評価)
前記実施例1並びに前記比較例1及び2において、溶接前重量から溶接後重量を引いた重量減少量(溶接長100mm当たり)を、下記(a)式により求めて、重ねレーザ溶接の良否を評価した。その結果を表1に示す。
重量減少量(g/100mm)={溶接前重量(g)+フィラーワイヤの添加重量(g)−溶接後重量(g)}×100(mm)/溶接長(mm) …(c)
なお、前記溶接前重量とは、重ねレーザ溶接する前の2枚のZnめっき鋼板3、3の総重量のことであり、前記溶接後重量とは、2枚のZnめっき鋼板3、3を重ねレーザ溶接した後の総重量のことであり、フィラーワイヤの添加重量とは、重ねレーザ溶接する際に溶融池7中に添加されたフィラーワイヤの重量のことである。
ここに、前記重量減少量の値が小さいほど、溶融池7からスパッタ等として飛散する母材金属量が少なく、したがってブローホール等の溶接欠陥の少ない良好な溶接が行われたことを意味する。
なお、表1において、前記実施例1はNo.1に対応し、前記比較例1、2はNo.2、3にそれぞれ対応する。
Figure 0004437538
表1から明らかなように、Cu系フィラーワイヤ4を溶融池7に供給しながらレーザ溶接したNo.1の前記実施例1では、重量減少量が0.15g/100mmと小さく、ブローホール等の溶接欠陥の少ない良好な溶接が行われていた。なお、本発明者の調査により、この重量減少量が0.18g/100mm以下であれば、少量のブローホール等の欠陥が多少認められるが、実用上問題ないことがわかっている。
これに対し、Fe系フィラーワイヤを溶融池7に供給しながらレーザ溶接したNo.2の比較例1では、重量減少量が0.27g/100mmと多く、ブローホール等の溶接欠陥が極めて多く発生した。
(フィラーワイヤの供給速度と重量減少量との関係)
前記実施例1及び前記比較例1において、フィラーワイヤの供給速度を種々変更することにより、フィラーワイヤの供給速度と重量減少量との関係を調べた。その結果を図6に示す。
図6から明らかなように、Cu系フィラーワイヤ4を溶融池7に供給しながらレーザ溶接したNo.1の前記実施例1では、Cu系フィラーワイヤ4の供給速度が0.5m/minのときに重量減少量が0.2g/100mmとなり、そして、供給速度が1m/min以上では重量減少量がほぼ一定値(0.15g/100mm)を示した。これにより、Cu系フィラーワイヤ4の供給速度は1m/min以上とすることが好ましいことがわかる。
これに対し、Fe系フィラーワイヤを溶融池7に供給しながらレーザ溶接したNo.2の比較例1では、Fe系フィラーワイヤの供給速度に関わらず、重量減少量がほとんど変化しなかった。これはFe系フィラーワイヤを添加しても、添加したフィラー重量分が飛散していることを示している。
(実施例2)
前記Cu系フィラーワイヤ4として、Cuを96%含有し、残部がNiよりなるCu−Ni系合金からなるCu系フィラーワイヤ(外径φ=1.2mm)4を用いること以外は、前記実施例1と同様にして、Znめっき鋼板3、3の重ねレーザ溶接を行った。
(Cu系フィラーワイヤ中のCu含有量とブローホール発生数との関係)
前記実施例2において、Cu系フィラーワイヤ4中のCu含有量を種々変更することにより、Cu系フィラーワイヤ4中のCu含有量と溶接長100mm当たりのブローホール発生数との関係を調べた。その結果を図7に示す。
なお、ブローホール発生数(個/100mm)は、溶接後のサンプルをX線を用いて観察することにより調べた。
図7から明らかなように、Cu系フィラーワイヤ4中のCu含有量が35%以上になると、ブローホール発生数がほとんど零となった。
これに対し、Cu含有量が20%のCu系フィラーワイヤ4を用いたとき、及びCu含有量が0%でNiのみからなるNiフィラーワイヤを用いたときは、ブローホール発生数が50(個/100mm)以上となった。
これにより、Cu系フィラーワイヤ4中のCu含有量を35%以上にすると、効果的にブローホールの発生を防止できることがわかる。
(実施例3)
前記Cu系フィラーワイヤ4として、Cu−Si系合金(Cu−0.3Fe−0.005Al−3.4Si−1.3Mn)よりなるものを用いるとともに、レーザ出力を3.5kWにすること以外は、前記実施例1と同様にして、Znめっき鋼板3、3の重ねレーザ溶接を行った。
(実施例4)
低融点溶加材として、Al合金(Al−0.4Fe−0.1Cu−12Si−0.1Mn)よりなるAl系フィラーワイヤを用いるとともに、レーザ出力を3.5kWにすること以外は、前記実施例1と同様にして、Znめっき鋼板3、3の重ねレーザ溶接を行った。
(比較例3)
前記Cu系フィラーワイヤ4の代わりに、Fe系合金(Fe−0.35Si−1.52Mn)よりなるFe系フィラーワイヤを用いるとともに、レーザ出力を3.5kWにすること以外は、前記実施例1と同様にして、Znめっき鋼板3、3の重ねレーザ溶接を行った。
(フィラーワイヤの供給速度と重量減少量との関係)
前記実施例3及び4並びに前記比較例3において、フィラーワイヤの供給速度を種々変更することにより、フィラーワイヤの供給速度と重量減少量との関係を調べた。その結果を図8に示す。
図8から明らかなように、Cu系フィラーワイヤ4を溶融池7に供給しながらレーザ溶接した前記実施例3及びAl系フィラーワイヤを溶融池7に供給しながらレーザ溶接した前記実施例4では、フィラーワイヤの供給速度が1m/min以上になると重量減少量が0.15g/100mm程度以下となったのに対し、Fe系フィラーワイヤを溶融池7に供給しながらレーザ溶接した前記比較例3では、Fe系フィラーワイヤの供給速度に関わらず、重量減少量が0.3g/100mm以下に低下することはなかった。
(フィラーワイヤの供給速度と見掛け温度との関係)
前記実施例3及び前記比較例3において、フィラーワイヤの供給速度(ワイヤ添加量)を種々変更することにより、フィラーワイヤの供給速度(ワイヤ添加量)と見掛け温度との関係を調べた。その結果を図9に示す。なお、見掛け温度とは、レーザ溶接中のサーモグラフィでの観察結果から、キーホールから5mm後方(レーザ光の移動方向後方)の位置における温度を推測したものである。
図9から明らかなように、Cu系フィラーワイヤ4を供給する前記実施例3では、Cu系フィラーワイヤ4の供給速度が1m/min以上になると、キーホールから5mm後方の見掛け温度が、Znの沸点(1178℃)よりも低い約1100℃以下になることがわかる。
これに対し、Fe系フィラーワイヤを供給する前記比較例3では、Fe系フィラーワイヤの供給速度に関わらず、上記見掛け温度がZnの沸点(1178℃)よりも低い温度に低下することはなかった。
(実施例5)
低融点溶加材として、Ni合金(Ni−7.0Cr−3.1B−3.0Fe−4.5Si合金、融点999℃)よりなるNi系フィラーワイヤを用いるとともに、レーザ出力を3.5kWにすること以外は、前記実施例1と同様にして、Znめっき鋼板3、3の重ねレーザ溶接を行った。
(実施例6)
低融点溶加材として、Ag合金(Ag−28Cu、融点780℃)よりなるAg系フィラーワイヤを用いるとともに、レーザ出力を3.5kWにすること以外は、前記実施例1と同様にして、Znめっき鋼板3、3の重ねレーザ溶接を行った。
(フィラーワイヤの供給速度と重量減少量との関係)
前記実施例5及び6において、フィラーワイヤの供給速度を種々変更することにより、フィラーワイヤの供給速度と重量減少量との関係を調べた。その結果を図10に示す。
図10から明らかなように、融点が1200℃以下のNi系フィラーワイヤを溶融池7に供給しながらレーザ溶接した前記実施例5及びAg系フィラーワイヤを溶融池7に供給しながらレーザ溶接した前記実施例6では、フィラーワイヤの供給速度が1m/min以上になると重量減少量が0.15g/100mm程度以下となった。
[第2実施例]
(実施例7)
本実施例は、主にレーザ熱によりZnめっき鋼板3、3の母材1、1を溶融させるレーザ溶接と、Cu系溶加材としての前記Cu系フィラーワイヤ4を消耗電極としてアークを発生させアーク熱により、該Cu系フィラーワイヤ4を溶融させるアーク溶接とを併用したものである。
前記実施例1と同様のZnめっき鋼板3、3及びCu系フィラーワイヤ4を準備した。
<重ね合わせ工程>
前記Znめっき鋼板3、3を2枚重ね合わせた。このとき、両Znめっき鋼板3、3間の隙間は零とした。
<接合工程>
そして、両Znめっき鋼板3、3の重ね合わせ部の板面に対してレーザ光5の光源を略水平方向に所定速度で移動させながら、同板面に対して略垂直方向(重ね合わせ方向)から所定出力のレーザ光5をレーザ溶接後に溶接部6となる所定の溶接線上に照射し、レーザ光5が照射された加熱部において、重ね合わされた両Znめっき鋼板3、3の両母材1、1の全体が溶融した溶融池7を形成した。このとき、形成された溶融池に対して、レーザ光5の移動方向後方から前記Cu系フィラーワイヤ4を所定の供給量で連続的に供給しながら、MIGアークにより、両Znめっき鋼板を重ねレーザ溶接した。このときの溶接条件は以下のとおりである。
レーザ光:YAGレーザ
レーザ出力:2.5kW
溶接速度:2.0m/min
フィラーワイヤの供給速度:3.0m/min
フィラーワイヤの供給位置:レーザ光の照射点から3mm後方に離れた位置
アーク電流:100A
アーク電圧:20V
なお、この接合工程では、アーク熱により前記Cu系フィラーワイヤ4が完全に溶融するとともに一方の前記Znめっき鋼板3の母材表面が部分的に溶融し、かつ、レーザ熱により前記両Znめっき鋼板3、3の両母材1、1が完全に溶融することにより、両母材1、1が溶融した溶融池7に前記Cu系フィラーワイヤ4が溶融状態で混入される。
このため、仮にCu系フィラーワイヤ4の供給位置にズレ等があったとしても、Cu系フィラーワイヤ4を確実に溶融させて前記溶融池7に混入させることができ、Cu系フィラーワイヤ4により前記溶融池7の凝固速度を確実に高めることが可能となる。したがって、本実施例によっても、前記実施例1と同程度以上に、ブローホール等の溶接欠陥を効果的に抑制することできる。
また、アーク熱によりCu系フィラーワイヤ4を溶融させているので、Cu系フィラーワイヤの溶融にレーザ熱の一部が使われることがない分、レーザ出力を抑えることができ、より低コストで溶接することが可能となる。
(その他の実施例)
前述の実施例では、レーザ熱によりZnめっき鋼板の母材を溶融させる例について説明したが、他の高エネルギ密度熱源やプラズマアーク等を利用したアーク熱によってZnめっき鋼板の母材を溶融させる他の溶融溶接方法であっても、本発明を適用することが可能である。
また、前述の実施例では、加熱部において、重ね合わされた両Znめっき鋼板の両母材の全体を溶融させて溶融池を形成するとともに、両母材を貫通するキーホールとする、いわゆる裏波溶接の例について説明したが、重ね合わされた両Znめっき鋼板のうちの一方の母材全体を溶融させ、かつ、他方の母材の一部(重ね合わせ面側の一部)を部分的に溶融させて溶融池を形成する場合にも、本発明を適用することが可能である。
さらに、前述の実施例では、Cu系溶加材としてCu系フィラーワイヤを用いる例について説明したが、粉末状のCu系溶加材を用いた場合も溶融池の凝固速度を高めてブローホール等を効果的に抑制することが可能である。
また、前述の実施例では、Znめっき鋼板に適用する例について説明したが、母材融点よりも低い沸点をもつ被覆層が母材表面に形成された他の被覆鋼板にも、本発明を適用することが可能である。
本発明の実施例1に係り、接合工程でレーザ溶接する様子を模式的に示す断面図である。 実施例1のレーザ溶接中における溶融池等を示す高速度ビデオ画像の写真である。 比較例1についてレーザ溶接後の溶接部の断面を示す電子顕微鏡写真であり、図3(b)は図3(a)の四角で囲った部分を拡大した電子顕微鏡写真である。 比較例1のレーザ溶接中における溶融池等を示す高速度ビデオ画像の写真である。 実施例1についてレーザ溶接後の溶接部の断面を示す電子顕微鏡写真であり、図5(b)は図5(a)の四角で囲った部分を拡大した電子顕微鏡写真、図5(c)は図5(b)の四角で囲った部分を拡大した電子顕微鏡写真である。 実施例1及び比較例1について、フィラーワイヤの供給速度と重量減少量との関係を示す線図である。 Cu系フィラーワイヤ中のCu含有量とブローホール発生数との関係を示す図である。 実施例3及び4並びに比較例3について、フィラーワイヤの供給速度と重量減少量との関係を示す線図である。 実施例3及び比較例3について、フィラーワイヤの供給速度(ワイヤ添加量)と見掛け温度との関係を示す線図である。 実施例5及び6について、フィラーワイヤの供給速度と重量減少量との関係を示す線図である。 従来例に係り、レーザ溶接する様子を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…母材 2…Znめっき層(被覆層)
3…Znめっき鋼板(被覆鋼板)
4…Cu系フィラーワイヤ(低融点溶加材)
5…レーザ光(高エネルギ密度熱源)
6…溶接部 7…溶融池
8…キーホール

Claims (12)

  1. 母材と該母材の融点よりも低い沸点をもつ被覆材料よりなり該母材表面に形成された被覆層とからなる被覆鋼板同士を重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた該被覆鋼板の重ね合わせ部の板面に対して略水平方向に移動する所定の熱源を該板面の一方から供給することにより該重ね合わせ部の所定部位を加熱して両該母材が溶融した溶融池とし、該溶融池を冷却、凝固させることにより両該被覆鋼板の該母材同士を一体的に接合する接合工程とを備え、
    前記接合工程で、前記溶融池内の外周域であって両前記被覆鋼板間の前記被覆層に接する部位のうちの少なくとも前記熱源の移動方向後方における温度が前記被覆材料の沸点以下となるように、前記母材よりも融点の低い低融点材料よりなる低融点溶加材を熱源の供給側から前記所定部位に供給しつつ該熱源により該低融点溶加材を加熱して溶融した該低融点溶加材を該溶融池に添加することを特徴とする被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  2. 前記熱源は高エネルギ密度熱源であり、前記接合工程で、該高エネルギ密度熱源の照射により前記所定部位の前記母材及び前記低融点溶加材を加熱して溶融させることを特徴とする請求項1記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  3. 前記高エネルギ密度熱源の照射により前記所定部位にキーホールが形成され、該キーホールよりも該高エネルギ密度熱源の移動方向後方側の前記溶融池に前記低融点溶加材を添加することを特徴とする請求項2記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  4. 前記高エネルギ密度熱源はレーザであることを特徴とする請求項2又は3記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  5. 前記熱源はレーザ及びアークであり、前記接合工程で、前記所定部位にレーザ光を照射して主にレーザ熱により両前記母材を溶融させるとともに、アーク熱により前記低融点溶加材を溶融させることを特徴とする請求項1又は3記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  6. 前記低融点溶加材はフィラーワイヤの形態で供給されることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  7. 前記低融点溶加材は粉末の形態で供給されることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  8. 前記フィラーワイヤを消耗電極としてアークを発生させアーク熱により該フィラーワイヤを溶融させることを特徴とする請求項5又は6記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  9. 前記低融点溶加材はCuを35%以上含有するCu系溶加材であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  10. 前記低融点溶加材はNiをベースとし融点が1200℃以下のNi系溶加材であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  11. 前記低融点溶加材はAgをベースとするAg系溶加材であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
  12. 前記被覆層はZnめっき層であり、前記被覆鋼板はZnめっき鋼板であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の被覆鋼板の重ね溶融溶接方法。
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