JP6731642B2 - 三次元形状造形物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、三次元形状造形物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、粉末層への光ビーム照射によって固化層を形成する三次元形状造形物の製造方法に関する。
光ビームを粉末材料に照射することを通じて三次元形状造形物を製造する方法(一般的には「粉末床溶融結合法」と称される)は、従来より知られている。かかる方法は、以下の工程(i)および(ii)に基づいて粉末層形成と固体層形成とを交互に繰り返し実施して三次元形状造形物を製造する(特許文献1または特許文献2参照)。
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射し、かかる所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程。
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、同様に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程。
このような製造技術に従えば、複雑な三次元形状造形物を短時間で製造することが可能となる。粉末材料として無機質の金属粉末を用いる場合、得られる三次元形状造形物を金型として使用することができる。一方、粉末材料として有機質の樹脂粉末を用いる場合、得られる三次元形状造形物を各種モデルとして使用することができる。
粉末材料として金属粉末を用い、それによって得られる三次元形状造形物を金型として使用する場合を例にとる。図13に示すように、まず、スキージング・ブレード23を動かして粉末19を移送させて造形プレート21上に所定厚みの粉末層22を形成する(図13(a)参照)。次いで、粉末層の所定箇所に光ビームLを照射して粉末層から固化層24を形成する(図13(b)参照)。引き続いて、得られた固化層の上に新たな粉末層を形成して再度光ビームを照射して新たな固化層を形成する。このようにして粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施すると固化層24が積層することになり(図13(c)参照)、最終的には積層化した固化層から成る三次元形状造形物を得ることができる。最下層として形成される固化層24は造形プレート21と結合した状態になるので、三次元形状造形物と造形プレートとは一体化物を成すことになり、その一体化物を金型として使用することができる。
特表平1−502890号公報 特開2000−73108号公報
上記のような粉末床溶融結合法において、本願発明者らは、スパッタ64およびヒューム66などの現象が、光ビームLの照射時に生じる球状の粉末溶融物62に起因して発生することを見出した(図14参照)。球状の粉末溶融物62は、光ビームLの照射時に粉末層22の照射部分が周囲の粉末19を取り込みながら成長することで生じるものと考えられる。特定の理論に拘束されるわけではないが、かかる球状の粉末溶融物62の成長が過度に進むと、最終的にスパッタ64として粉末溶融物62が飛散したり、あるいは、ヒューム66として粉末溶融物62が気化したりすると考えられる。
スパッタが発生した場合、スパッタが固化層または粉末層上に付着すると、以降の粉末供給時にスキージング・ブレードの移動が阻害される虞があり、所望の粉末層を形成できないことが懸念される。また、ヒュームが発生した場合では、粉末層へと照射される光ビームがヒュームにより遮られる虞があり、所望の固化層を形成できないことが懸念される。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものである。すなわち、本発明の主たる課題は、スパッタおよびヒュームの発生を減じることができる粉末床溶融結合法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明では、
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射して当該所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、その新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
により粉末層形成および固化層形成を交互に繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、
粉末層において粉末層厚さが局所的に減じられた溝ラインを形成し、固化層形成時に溝ラインに沿うように光ビームを走査することを含む、三次元形状造形物の製造方法が提供される。
本発明の製造方法では、固化層形成時のスパッタおよびヒュームの発生を減じることができる。より具体的には、粉末層への光ビーム照射に際して生じる球状の粉末溶融物の成長をより抑えることができ、スパッタおよびヒュームの発生をより抑制できる。
光ビームの照射に付される溝ライン近傍の粉末層領域を模式的に示した断面図 本発明の製造方法の概念を模式的に示した平面図および一部断面図 濡れ広がる粉末溶融物を模式的に示した断面図 溝ライン同士を互いに平行に形成して光ビームの照射を行う態様を模式的に示した断面図および斜視図 溝ライン同士のピッチを光ビームのビーム径以上とする態様を模式的に示した平面図 溝ラインに対して平行な複数の照射パスとなるように光ビームの走査を行う態様を模式的に示した平面図 本発明の製造方法の概念を模式的に示した平面図および一部断面図 溝ラインの溝深さを説明するための模式的断面図 溝ラインの溝深さを説明するための模式的断面図 溝ラインにおける溝深さと溝幅との関係を説明するための模式的断面図 先尖部材を用いて溝ラインを形成する態様を模式的に示した斜視図 吸引ノズルを用いて溝ラインを形成する態様を模式的に示した断面図 凹凸状の先端部分を備えたスキージング・ブレードを用いて溝ラインを形成する態様を模式的に示した斜視図 溝ラインをなぞるように光ビームを走査する態様を模式的に示した斜視図 粉末床溶融結合法が実施される光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示した断面図(図13(a):粉末層形成、図13(b):固化層形成、図13(c):固化層の積層化) スパッタおよびヒュームの発生を説明するための模式的断面図 光造形複合加工機の構成を模式的に示した斜視図 光造形複合加工機の一般的な動作を示すフローチャート
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態をより詳細に説明する。図面における各種要素の形態および寸法は、あくまでも例示にすぎず、実際の形態および寸法を反映するものではない。
本明細書において「粉末層」とは、例えば「金属粉末から成る金属粉末層」または「樹脂粉末から成る樹脂粉末層」を意味している。また「粉末層の所定箇所」とは、製造される三次元形状造形物の領域を実質的に指している。従って、かかる所定箇所に存在する粉末に対して光ビームを照射することによって、その粉末が焼結又は溶融固化して三次元形状造形物を構成することになる。更に「固化層」とは、粉末層が金属粉末層である場合には「焼結層」を意味し、粉末層が樹脂粉末層である場合には「硬化層」を意味している。
また、本明細書で直接的または間接的に説明される“上下”の方向は、例えば三次元形状造形物の製造時における造形プレートと三次元形状造形物との位置関係に基づいている。具体的には、造形プレートを基準にして三次元形状造形物が製造される側を「上方向」とし、その反対側を「下方向」としている。
[粉末床溶融結合法]
まず、本発明の製造方法の前提となる粉末床溶融結合法について説明する。特に粉末床溶融結合法において三次元形状造形物の切削処理を付加的に行う光造形複合加工を例として挙げる。図15は、光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示しており、図15および図16は、粉末床溶融結合法と切削処理とを実施できる光造形複合加工機の主たる構成および動作のフローチャートをそれぞれ示している。
光造形複合加工機1は、図15に示すように、粉末層形成手段2、光ビーム照射手段3および切削手段4を備えている。
粉末層形成手段2は、金属粉末または樹脂粉末などの粉末を所定厚みで敷くことによって粉末層を形成するための手段である。光ビーム照射手段3は、粉末層の所定箇所に光ビームLを照射するための手段である。切削手段4は、積層化した固化層の側面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための手段である。
粉末層形成手段2は、図13に示すように、粉末テーブル25、スキージング・ブレード23、支持テーブル20および造形プレート21を主に有して成る。粉末テーブル25は、外周が壁26で囲まれた粉末材料タンク28内にて上下に昇降できるテーブルである。スキージング・ブレード23は、粉末テーブル25上の粉末19を支持テーブル20上へと供して粉末層22を得るべく水平方向に移動できるブレードである。支持テーブル20は、外周が壁27で囲まれた造形タンク29内にて上下に昇降できるテーブルである。そして、造形プレート21は、支持テーブル20上に配され、三次元形状造形物の土台となるプレートである。
光ビーム照射手段3は、図15に示すように、光ビーム発振器30およびガルバノミラー31を主に有して成る。光ビーム発振器30は、光ビームLを発する機器である。ガルバノミラー31は、発せられた光ビームLを粉末層22にスキャニングする手段、すなわち、光ビームLの走査手段である。
切削手段4は、図15に示すように、エンドミル40および駆動機構41を主に有して成る。エンドミル40は、積層化した固化層の側面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための切削工具である。駆動機構41は、エンドミル40を所望の切削すべき箇所へと移動させる手段である。
光造形複合加工機1の動作について詳述する。光造形複合加工機1の動作は、図16のフローチャートに示すように、粉末層形成ステップ(S1)、固化層形成ステップ(S2)および切削ステップ(S3)から構成されている。粉末層形成ステップ(S1)は、粉末層22を形成するためのステップである。かかる粉末層形成ステップ(S1)では、まず支持テーブル20をΔt下げ(S11)、造形プレート21の上面と造形タンク29の上端面とのレベル差がΔtとなるようにする。次いで、粉末テーブル25をΔt上げた後、図13(a)に示すようにスキージング・ブレード23を粉末材料タンク28から造形タンク29に向かって水平方向に移動させる。これによって、粉末テーブル25に配されていた粉末19を造形プレート21上へと移送させることができ(S12)、粉末層22の形成が行われる(S13)。粉末層22を形成するための粉末材料としては、例えば「平均粒径5μm〜100μm程度の金属粉末」および「平均粒径30μm〜100μm程度のナイロン、ポリプロピレンまたはABS等の樹脂粉末」を挙げることができる。粉末層22が形成されたら、固化層形成ステップ(S2)へと移行する。固化層形成ステップ(S2)は、光ビーム照射によって固化層24を形成するステップである。かかる固化層形成ステップ(S2)においては、光ビーム発振器30から光ビームLを発し(S21)、ガルバノミラー31によって粉末層22上の所定箇所へと光ビームLをスキャニングする(S22)。これによって、粉末層22の所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させ、図13(b)に示すように固化層24を形成する(S23)。光ビームLとしては、炭酸ガスレーザ、Nd:13AGレーザ、ファイバレーザまたは紫外線などを用いてよい。
粉末層形成ステップ(S1)および固化層形成ステップ(S2)は、交互に繰り返して実施する。これにより、図13(c)に示すように複数の固化層24が積層化する。
積層化した固化層24が所定厚みに達すると(S24)、切削ステップ(S3)へと移行する。切削ステップ(S3)は、積層化した固化層24の側面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るためのステップである。エンドミル40(図13(c)および図15参照)を駆動させることによって切削ステップが開始される(S31)。例えば、エンドミル40が3mmの有効刃長さを有する場合、三次元形状造形物の高さ方向に沿って3mmの切削処理を行うことができるので、Δtが0.05mmであれば60層分の固化層24が積層した時点でエンドミル40を駆動させる。具体的には駆動機構41によってエンドミル40を移動させながら、積層化した固化層24の側面に対して切削処理を施すことになる(S32)。このような切削ステップ(S3)の最終では、所望の三次元形状造形物が得られているか否かを判断する(S33)。所望の三次元形状造形物が依然得られていない場合では、粉末層形成ステップ(S1)へと戻る。以降、粉末層形成ステップ(S1)〜切削ステップ(S3)を繰り返し実施して更なる固化層の積層化および切削処理を実施することによって、最終的に所望の三次元形状造形物が得られる。
[本発明の製造方法]
本発明の製造方法は、上述した粉末床溶融結合法につき、固化層の形成態様に特徴を有している。
具体的には、粉末層において粉末層厚さが局所的に減じられた溝ラインを形成し、固化層形成時に溝ラインに沿うように光ビームを走査する。ここでいう「溝ラインに沿うように光ビームを走査する」とは、溝ラインまたはその近傍をなぞる照射パスとなるように光ビームを走査することを実質的に意味している。つまり、本発明においては溝ラインまたはその近傍の粉末層領域が光ビームの照射に付されることによって固化層が形成される。
本発明の製造方法では、例えば、溝ラインの近傍に位置する粉末層領域が光ビームの照射に付されるように光ビームを走査する。つまり、溝ラインへの光ビームの照射ではなく、かかる溝ラインから所定距離に至るまでに存在する粉末層領域が光ビームの照射に付されるように光ビームを走査する。あくまでも例示にすぎないが、例えば、図1に示す断面視において溝ライン70のエッジから約20mm離隔した位置(図1に示される“a点”の位置)に至るまでの粉末層領域22a、好ましくは約10mm離隔した位置(図1に示される“a点”の位置)に至るまでの粉末層領域22aに対して光ビームを照射する。
このように粉末層に対して光ビームを照射すると、光ビーム照射で生じ得る球状の粉末溶融物の成長をより抑えることができる。光ビーム照射時の球状の粉末溶融物はスパッタおよびヒュームを引き起こす要因となるので、かかる球状の粉末溶融物の成長を抑制できることは、スパッタおよびヒュームの低減につながる。
ある1つの具体的な態様を図2に示す。かかる態様では、粉末層22に溝ライン70を2本以上形成し、その溝ライン70間の粉末層領域22'が光ビームLの照射に付されるように光ビームLを走査する。
図示される態様から分かるように、本明細書にいう「溝ライン」は、広義には、いわゆる“溝”を成すように粉末層に設けられた窪み部であり、狭義には、粉末層において粉末層厚さが局所的に減じられることで形成された直線状の窪み部のことを意味している。したがって、本発明では、そのような直線状の窪み部を粉末層に設けると共に、かかる窪み部またはその近傍の粉末層領域に光ビームが照射されるように光ビームの走査を行う。
図2に示されるように溝ライン70間の粉末層領域22'が光ビームLの照射に付されるように光ビームLを走査すると、粉末層への光ビーム照射で生じ得る球状の粉末溶融物の成長を抑えることができ、ひいては、スパッタおよびヒュームの発生を抑制できる。
より具体的には、スパッタ64は、粉末層22の光ビーム照射部分から発生する粉末物質由来の火花であるところ(図14参照)、図2に示すように溝ライン70に沿って光ビームLを走査すると、そのような火花の発生を効果的に抑制できる。同様にして、ヒューム66は、粉末層22の光ビーム照射部分から発生する粉末物質由来の煙であるところ(図14参照)、図2に示すように溝ライン70に沿って光ビームLを走査すると、そのような煙の発生を効果的に抑制できる。
特定の理論に拘束されるわけではないが、スパッタまたはヒュームの発生抑制の効果は、光ビームの照射時に粉末層の照射部分へと周囲の粉末が過度に取り込まれる現象が溝ラインの存在によって阻止されるからであると考えられる。つまり、球状の粉末溶融物の成長に必要な周囲からの粉末供給が溝ラインによって減じられるからであると考えられる。また、同様に特定の理論に拘束されるわけではないが、本発明におけるスパッタまたはヒュームの発生抑制は“濡れ性”も関係している。本発明で形成される溝ライン70は粉末層厚さが減じられた箇所であるので、光ビームLの照射によって、照射部近傍の溝ライン70下に位置する造形プレート21または固化層24は、その表面温度が上がり易くなるものと考えられる(図3参照)。表面温度の上昇は“高い濡れ性”につながり、粉末溶融物に対する濡れ性が上がることになる。よって、光ビームLの照射時にて粉末溶融物が濡れ広がり易くなり、球状の粉末溶融物の成長が抑制され得る(図3参照)。つまり、造形プレート21または固化層24のより高い表面温度に起因して濡れ広がり易い粉末溶融物は球状化しにくく、粉末溶融物が過度に成長しなくなるので、スパッタまたはヒュームの発生が抑制されるものと考えられる。
本発明において溝ラインを2本以上設ける場合、それらは互いに所定の関係を有するように形成することが好ましい。例えば図4に示すように、溝ライン70同士を互いに平行に形成することが好ましい。より具体的には、図示するような平面視にて隣接する溝ライン70同士が互いに平行な関係を有するように2本以上の溝ライン70を粉末層22に形成することが好ましい。これによって、光ビームLの照射パスを直線状にすることができ、光ビームLの走査をより簡易に行うことができる。つまり、光ビームの走査を特に複雑にすることなく、スパッタまたはヒュームの発生を抑制することができる。
ある好適な態様では、溝ライン同士のピッチを光ビームのビーム径以上とする。図5に示すように、溝ライン同士70が互いに平行に形成される場合、隣接する溝ライン70の離隔距離(すなわち、ピッチP)を光ビームLのビーム径D以上にすることが好ましい。このように溝ライン70同士のピッチPを光ビームLのビーム径D以上にすると、光ビーム照射に付される粉末層領域をある程度大きくとれるので、スパッタまたはヒュームの発生を抑制しつつも、所望量の固化層を形成できる。なお、ここでいう「ビーム径」は、便宜的には、図示する態様で示唆されている如く粉末層上の光ビームの径Dを指している。但し、より客観的な指標の観点でいえば、いわゆる“ガウシアン強度分布”を有する光ビームにおける強度がピーク値の1/eとなるビーム半径の2倍値を本発明におけるビーム径とみなしてよい。
図5に示される態様について詳述しておく。本発明において光ビームLのビーム径Dとし、溝ライン70同士のピッチPとした場合ではP>Dとなることが好ましく、例えばP>1.2Dであってよく、あるいは、P>1.5Dであってもよい。溝ライン70同士のピッチPの上限値は、特に制限はないものの、スパッタまたはヒュームの発生抑制の効果を過度に低下させない観点でいえば、例えば好ましくは3Dであり、より好ましくは2Dである。したがって、総括的にいえば、光ビームLのビーム径Dと溝ライン70同士のピッチPとの関係は、好ましくは1.2D<P<3Dであり、より好ましくは1.5D<P<2Dであるといえる。
ある好適な態様では、図6に示すように、溝ライン70に対して平行な複数の照射パス85となるように光ビームの走査を行う。溝ライン70同士が互いに平行に形成される場合、その平行な溝ライン70の長手方向に沿って溝ライン70との離隔距離が略一定となるように光ビームの走査を行うことになる。このような光ビームの走査は、粉末層全体により均一に光ビーム照射を施すことができるのでスパッタまたはヒュームの発生がよりムラなく抑制できる。
本発明の別の具体的な態様を図7に示す。かかる態様では、特に三次元形状造形物の輪郭を成す粉末層箇所の近傍に溝ライン70を形成して光ビームLの走査を行う。具体的には、粉末層22にて三次元形状造形物の輪郭に相当する仮想輪郭線100'よりも外側に溝ライン70を形成し、その溝ライン70よりも内側の粉末層領域が光ビームLの照射に付されるように光ビームLを走査する。溝ライン70は、図示するように仮想輪郭線100'と平行に形成することが好ましい。
図7に示す態様において、光ビームLの走査は、例えば、図示するような平面視にて仮想輪郭線100'上の粉末層領域が光ビームLの照射に付されるように行ってよい。三次元形状造形物の輪郭に相当する部分の光ビーム照射は、固化層形成のために行う光ビーム照射のなかでも各粉末層で最初に実施され得るので、粉末層の照射部分へと周囲の粉末が特に過度に取り込まれる現象が生じ易い。従って、図7に示すように仮想輪郭線よりも外側に溝ラインを形成して光ビームの走査を行うと、スパッタまたはヒュームの発生を特に効果的に抑制することができる。また、三次元形状造形物の輪郭に相当する部分に光ビームを走査する場合では、その走査に沿って生じる固化部分が一般的には隆起し易い。これつき、本発明に従って仮想輪郭線よりも外側に溝ラインを形成して光ビームの走査を行うと、そのような隆起を抑制できる効果も奏され得る。特定の理論に拘束されるわけではないが、溝ラインの存在によって隆起に要する粉末が当該溝ラインに吸収されて隆起に寄与し得ないからであると考えられる。
図7に示される態様では、仮想輪郭線100'上の光ビームLの照射に限らず、仮想輪郭線100'の外側にて光ビームLを走査してもよい。具体的には、仮想輪郭線100'と溝ライン70との間の粉末層領域が光ビームLの照射に付されるように光ビームLを走査してもよい。かかる場合、所望の輪郭線からはみ出すように固化層が形成され得るが、そのようにはみ出した部分は後刻にて切削加工を施して除去することができる。更にいえば、仮想輪郭線100'の内側にて光ビームLを走査してもよい。周囲の粉末を巻き込む固化層形成に起因して固化層は光ビームLの走査ラインよりも外側にはみ出す形態を有することがあり、結果として所望の輪郭線に実質的に沿った固化層が得られる場合があるからである。
なお、図7に示される態様であっても、図6に示される態様に関して説明したのと同様、溝ライン70に対して平行な照射パスとなるように光ビームの走査を行うことが好ましい。また、三次元形状造形物の輪郭に相当する仮想輪郭線よりも外側に形成する溝ラインに代えて又はそれに加えて、仮想輪郭線の内側に溝ラインを形成してもよい。かかる場合、仮想輪郭線の内側に形成した溝ラインよりも外側に位置する粉末層領域が光ビームの照射に付されることが好ましい。例えば、仮想輪郭線よりも外側に形成する溝ラインと共に、その仮想輪郭線の内側にも溝ラインを形成する場合では、“外側”と“内側”との溝ライン間の粉末層領域が光ビームLの照射に付されるように光ビームLの走査を行うことが好ましい。
本発明で形成される溝ラインは粉末層にて粉末層厚さが局所的に減じられた部分であるが、その溝ラインにおける粉末層厚さはある程度大きく減じられたものであってよい。つまり、溝ラインの溝深さはある程度深いものであってよい。例えば、図8Aに示すように、溝ライン70の“溝深さ”をその溝ライン70の周囲の粉末層厚さの半分以上にしてよい。より具体的には、粉末層22に形成された溝ライン70の溝深さ寸法Gとし、溝ライン70の周囲における粉末層厚さ寸法Tとすると(図8A参照)、G≧0.5Tであってよい。このように比較的深い溝ラインの場合、光ビーム照射によって溝ライン70下の造形プレート21または固化層24の表面温度がより上がり易くなるので、“高い濡れ性”がもたらされ易くなり、光ビーム照射時の粉末溶融物の濡れ広がりが促進され得る。つまり、粉末溶融物の球状化がより抑えられ得、スパッタまたはヒュームの発生がより効果的に抑制され得る。
なお、本発明で形成される溝ラインについていえば、固化層形成時に周囲の粉末が溝ラインに引き寄せられるように移動して当該溝ラインを埋めるようになるので、最終的に形成される固化層においては溝ラインが目立たなくなり得る。また、固化層で溝ラインの形状がたとえ残っていたとしても、その固化層上には新たな粉末が供給されて粉末層が新たに形成されると共に、それから固化層形成が行われるので、溝ラインの形状が固化層に残っていたとしても実質的に問題とならない。
ある好適な態様では、溝ラインにおける粉末層厚さが特に大きく減じられていてよく、すなわち、溝ラインが特に深くなっていてよい。例えば、図8Bに示すように、「造形プレート21」または「最直近で形成された固化層24」が溝ライン70で露出するように溝ライン70を形成してよい。つまり、溝ライン70における粉末層厚さが実質的にゼロであってもよい。かかる場合、光ビーム照射によって溝ライン70下の造形プレート21または固化層24は、その表面温度が特に上がり易くなるので、“高い濡れ性”がよりもたらされ易くなり、光ビーム照射時の粉末溶融物が濡れ広がりがより促進され得る。つまり、粉末溶融物の球状化が更に抑えられ得、スパッタまたはヒュームの発生が更に効果的に抑制され得る。
溝ラインの幅寸法は、特に制限されるものでなく、例えば溝深さ寸法と同程度であってよい。換言すれば、図8Cに示すような溝ライン70の積層方向断面視(以下では単に「断面視」とも称する)において、溝深さ寸法Gと、溝幅寸法Wとが略同じであってよい。あくまでも例示にすぎないが、溝深さ寸法Gと溝幅寸法Wとの相関関係についていえば、0.5G<W<1.5Gであってよい。
なお、図8Cに示すような断面視における溝ラインの形状(すなわち、溝ラインの断面形状)は、特に制限されるものでなく、例えば矩形、正方形、三角形、半円形または半楕円形などであってよい。別の観点でいえば、溝ラインの断面形状は、下方に向かって漸次幅寸法を減少するテーパー状となっていてよく、あるいは、非テーパー状となっていてもよい。
本発明の製造方法において、溝ラインの形成は種々の態様で実施することができる。例えば、スキージング・ブレードによって均一厚さの粉末層を形成した後、図9に示すように、先端が尖った形状を有する先尖部材90でもって粉末層22の表面を掻いて溝ライン70を形成してよい。かかる場合、先尖部材90の先端形状を変えることによって任意の断面形状の溝ライン70を形成できる。先尖部材90は独自の駆動系を有していてよいものの、切削手段4の駆動機構41(図15参照)を利用してもよい。なお、図9では、先尖部材90でもって1本ずつ溝ライン70を形成する態様が示されているものの、複数の先尖部材90が一体化したものを用いれば、並列的に複数の溝ライン70を形成できる。
また、スキージング・ブレードによって均一厚さの粉末層を形成した後、吸引ノズルによって粉末を局所的に吸引除去して溝ラインを形成することもできる。例えば図10に示す態様では、吸引ノズル95がスキージング・ブレード23に設けられており、スキージング・ブレード23で粉末層22を形成しつつ、吸引ノズル95による粉末の吸引除去を行って溝ライン70を形成している。
更にいえば、スキージング・ブレードの形態によっては粉末層の形成と実質的に同時に溝ラインを形成することができる。例えば、図11に示すように先端部分が凹凸状を有するスキージング・ブレード23’を用いて粉末層22の形成を行うと、“凹凸”に起因して複数の溝ライン70を粉末層形成と同時に形成することができる。
上述した溝ラインの形成は粉末層厚みの局所的な低減に依拠したものであるが、それとは逆の観点で溝ラインを形成してもよい。つまり、溝ラインの形成領域以外の粉末層厚さが部分的に大きくなるように限定的な粉末供給を繰り返し行って溝ラインを形成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、それは本発明の適用範囲のうちの典型例を示したに過ぎない。従って、本発明は、上記にて説明した実施形態に限定されず、種々の変更がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
例えば、本発明における溝ラインに沿うように光ビームを走査する態様として、図12に示すように、実質的に溝ライン70をなぞるように光ビームLを走査してもよい。かかる態様であっても、光ビーム照射で生じ得る粉末溶融物の球状化を抑えることができ、スパッタおよびヒュームの低減を図ることができる。
また、例えば、溝ラインの延在方向は粉末層ごとに変えてもよい。すなわち、溝ラインの長手方向は粉末層ごとに変えてよい。例えば、N層目(N=1,2,3,・・・)おける溝ライン(例えば2本以上の溝ライン)の長手方向に対して90°の角度を成す方向にN+1層目における溝ライン(例えば2本以上の溝ライン)が長手に延在するように溝ラインを形成してもよい。これによって、溝ラインによる影響が固化層にもたらされる場合であっても、その影響を複数の固化層から成る積層体全体として可及的に相殺することができる。なお、そのように溝ラインの延在方向の変更は、例えば造形プレート21が配される支持テーブル20(図13参照)の回転(特に鉛直方向を回転軸とした回転)を通じて行ってよい。
22 粉末層
22a 溝ラインの近傍に位置する粉末層領域
22' 溝ライン間の粉末層領域
24 固化層
70 溝ライン
85 照射パス
L 光ビーム
P 溝ライン同士のピッチ
D 光ビームのビーム径
100' 仮想輪郭線

Claims (5)

  1. (i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
    (ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、該新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
    により粉末層形成および固化層形成を交互に繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、
    前記粉末層において粉末層厚さが局所的に減じられた溝ラインを形成し、前記固化層形成時に該溝ラインに沿うように前記光ビームを走査することを含み、
    前記溝ラインの近傍に位置する粉末層領域が前記光ビームの前記照射に付されるように該光ビームを前記走査する、三次元形状造形物の製造方法。
  2. 前記溝ラインを2本以上形成し、該溝ライン間の粉末層領域が前記光ビームの前記照射に付されるように該光ビームを前記走査する、請求項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  3. 前記溝ラインに対して平行な複数の照射パスとなるように前記光ビームの前記走査を行う、請求項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  4. 前記粉末層にて前記三次元形状造形物の輪郭に相当する仮想輪郭線よりも外側に前記溝ラインを形成し、
    前記溝ラインよりも内側の粉末層領域が前記光ビームの前記照射に付されるように該光ビームを前記走査する、請求項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  5. 前記溝ラインの前記粉末層厚さを該溝ラインの周囲の前記粉末層厚さの半分以下にする、請求項1〜のいずれかに記載の三次元形状造形物の製造方法。
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