JP4085246B2 - レーザクラッディング加工装置およびレーザクラッディング加工方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工部位に供給された粉末状材料をレーザビームによって加熱溶融して肉盛りしたクラッディング層を形成するためのレーザクラッディング加工装置およびレーザクラッディング加工方法に関し、さらに詳しくは、加工部位に対してレーザビームを照射すると共に、該加工部位のレーザビーム照射部に粉末状材料を吐出するレーザ加工ヘッドを備え、前記加工部位にクラッド層を形成するレーザクラッディング加工装置、および、レーザ加工ヘッドから、加工部位に対してレーザビームを照射すると共に、前記加工部位のレーザビーム照射部に粉末状材料を吐出して、前記加工部位にクラッド層を形成するレーザクラッディング加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザクラッディング加工に関する従来の技術としては、特開平11−775号公報に開示されたレーザクラッディング装置が知られている。当該公報に開示されたレーザクラッディング装置は、レーザ照射部に金属あるいは高分子材料あるいはセラミックスなどの粉末を供給し、該粉末がレーザビームによって加熱溶融されることにより、クラッド層を形成するレーザクラッディング装置において、前記レーザ照射部に供給する粉末の粉末供給手段を複数設け、該複数の粉末供給手段からの各粉末供給量を同量としたことを特徴としている。当該公報に開示されたレーザクラッディング装置は、さらに、前記粉末供給手段に、旋回、収束させてから前記レーザ照射部に供給する旋回収束手段を設けたことを特徴としている。
【0003】
そして、この特開平11−775号公報には、「レーザ照射部には各粉末供給手段から同量の粉末が安定して供給されることとなり、レーザ照射部の位置(レーザ加工ヘッドの進行方向)がどのように変化しても同一の粉末にレーザビームを照射し、均一形状、あるいは所望形状のクラッドを高精度に形成することができる。」などと記載されている(段落番号0023)。
【0004】
ところで、レーザクラッディング加工を使用する例として、例えば、内燃機関のシリンダヘッドのバルブシートの耐熱性、耐摩耗性等の向上を目的としてシート面に銅系合金等の肉盛層(クラッド層)を形成することが行われるようになってきている。
シリンダヘッドのバルブシートは、一般に図3や図7に示すように、バルブ穴の開口部が拡径されてなるもので、内周面と底面との間のバルブシート面を形成する部分(加工部位)Wが所定の曲率を有する断面円弧状や所定の角度を有する傾斜面など、バルブシートの中心軸線Jに対して傾斜している。このようなバルブシートの加工部位Wにレーザクラッディング加工を行ってバルブシート面となるクラッド層Sを形成するに際しては、図7に示すように、バルブシート面を構成するべく供給された粉末状材料PあるいはレーザビームLによって溶融された粉末状材料Pがバルブシートからバルブ穴にたれ落ちたり偏るのを防ぐために、加工部位Wが上向きとなるように、すなわち、加工部位Wに対する垂直な線Kが絶対的な鉛直方向を指向するように、バルブシートの中心軸線Jを鉛直方向に対して傾斜させた状態でテーブルT’に保持し、その中心軸線J周りに回転させながらレーザビームLを加工部位Wに対する垂直な線Kに沿って鉛直方向に照射することが従来から行われていた。
そして、シリンダヘッドには吸気バルブと排気バルブとが、内燃機関の気筒数に応じてそれぞれ設けられるため、バルブシート面を形成するための従来のレーザクラッディング装置としては、図8に示すように、加工部位Wに対してレーザビームLを照射するレーザビーム照射手段50と、シリンダヘッドを保持するテーブルT’と、このテーブルT’に保持されたシリンダヘッドの各バルブシートの中心軸線J周りに回転させるための回転駆動手段51と、加工するバルブシートの中心軸線Jと前記所定の回転軸とを一致させるようにテーブルT’の位置をX,Y方向の2次元平面内で移動調整するテーブル位置調整機構52と、を備えたものが用いられていた。
【0005】
また、別の従来のバルブシートの加工方法として、特開平8−224682号公報に開示されたものが知られている。当該公報には、図7にも示したように、バルブシート面を形成する部分が上向きとなるようにシリンダヘッド全体を45度傾けた上でその加工部位となるバルブシートの中心軸線Jを回転中心として重量物であるシリンダヘッド全体を回転運動させる必要があるため、かかる重量物であるシリンダヘッドを堅固に位置決め保持した上でこれを円滑に回転させるためには、図8にも示したように、巨大な設備が必要となることにより設備投資および設備設置スペースを要する旨が記載されている(段落番号0005および0006を参照)。
【0006】
そこで、特開平8−224682号公報に開示されたバルブシートの加工方法では、シリンダヘッドのバルブシート面となるべき部分に、溝底面に対して垂直な線がバルブシートの軸心と平行となるように周溝を予め形成し、前記バルブシートの軸心が鉛直方向を指向するようにシリンダヘッドを保持した上で、前記周溝に肉盛り材料の粉末を供給しながらこの粉末の上からレーザビームを照射して、該レーザビームを周溝の円周方向に移動させることにより周溝に沿って肉盛り層を形成し、前記肉盛り加工後に肉盛り層の一部を切削除去してシート面を最終加工形状に仕上げることを特徴としている。
さらに、当該公報に開示されたバルブシートの加工方法では、前記周溝の内外周縁部に駄肉部が予め一体に突出形成されており、これに加えて、前記シート面を最終加工形状に仕上げる際に、駄肉部を切削除去することなども特徴としている。
【0007】
そして、特開平8−224682号公報には、その発明の効果として、「周溝がレーザビーム照射方向を指向するようにするためにはシリンダヘッドを弁挟み角の二分の一の角度だけ傾ければよく、また従来の技術のようにシリンダヘッド全体を回転させる必要もなくなる。その結果、シリンダヘッドを保持するための設備が小型で、しかも簡易な構造のもので済むようになり、設備投資および設置スペースの面で、著しく有利となる。」などと記載されている(段落番号0033)。
また、当該公報には、「周溝の内外周縁部に突出形成した駄肉部が、その周溝における粉末保有量を増大させるはたらきをするとともに、母材の熱容量を増加させることになるため、肉盛り層の幅方向両端での欠肉の発生やレーザビーム照射時の母材側の溶融はもちろんのこと、それを原因とする肉盛り層の母材による希釈やクラック等の欠陥などの欠陥の発生を未然に防止でき、肉盛り加工品質の向上が図れる。」などと記載されている(段落番号0035)。
さらに、当該公報には、「肉盛加工後にバルブシートのシート面を最終加工形状に仕上げるのと併せて駄肉部も切削除去することにより、駄肉部を設けたことによってバルブシート本来の機能を損なうことがなくなる。」などと記載されている(段落番号0036)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術のうち、特開平11−775号公報に開示されたレーザクラッディング装置にあっては、各粉末供給手段から同量の粉末材料を供給するものであるため、水平なレーザ照射部に対してレーザ加工ヘッドを鉛直線に沿った姿勢にした状態においては、各粉末供給手段から同量の粉末材料が安定して供給されることとなる。
しかしながら、上述した内燃機関のシリンダヘッドのバルブシートの場合のように、傾斜した状態の加工部位に対してクラッド層Sを形成するときには、加工部位Wに対して垂直な線Kに沿ってレーザビームLを照射すると共にそのレーザビーム照射部に周囲から粉末状材料Pを同軸状に吐出すべく、レーザ加工ヘッドも絶対的な鉛直方向に対して傾斜させる必要がある。特開平11−775号公報に開示されたレーザクラッディング装置にあっては、レーザ加工ヘッドを鉛直方向に対して傾斜させた状態とすると、各粉末供給手段から同量の粉末材料を供給しても、粉末供給手段の位置あるいは向きによって受ける重力が異なるため、レーザ照射部の周囲に均等に粉末材料が供給されないという問題が発生することとなる。
【0009】
また、上述した従来の技術のうち、図7に示したように、加工部位Wが上向きとなるようにシリンダヘッド全体を傾けた上でバルブシートの中心軸線Jを回転中心としてシリンダヘッド全体を回転運動させる場合にあっては、所定のバルブシートの中心軸線Jを中心として回転可能にシリンダヘッドを保持するため、図8に示したような巨大な設備が必要となるという問題があった。
【0010】
そして、上述した従来の技術のうち、特開平8−224682号公報に開示されたバルブシートの加工方法にあっては、バルブシートの軸心が鉛直方向を指向するようにシリンダヘッドを保持することができるようにするために、バルブシート面となるべき部分に周溝を予め形成する必要があり、しかも、この周溝の溝底面に対して垂直な線がバルブシートの軸心と平行となるように形成する必要があった。さらに、当該公報に開示されたものにあっては、周溝の内外周縁部に予め駄肉部を一体に突出形成し、シート面を最終加工形状に仕上げる際に、駄肉部を切削除去する必要があるため、工程数が増すだけでなく、シリンダヘッドの材料に多大な無駄が生じるという問題があった。
そして、当該公報に開示されたものにあっては、加工対象となるバルブシートの軸心が鉛直方向を指向するようにシリンダヘッドを所定角度だけ傾斜させて固定する必要があり(段落番号0022)、シリンダヘッドを水平に保持することはできなかった。また、当該公報に開示されたものにあっては、周溝の底面に対し垂直な線とレーザビームの照射方向(光軸)とを一致させた上で(すなわち、レーザビームの照射方向が絶対的な鉛直方向に指向するようにした上で)、レーザビームに周溝の円周方向に沿って加工送りを与える(段落番号0024)必要があるため、複雑な構成を有するという問題があった。
【0011】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、加工部位の姿勢に関わらず、クラッド層を適切且つ容易に低コストで形成加工することができるレーザクラッディング加工装置およびレーザクラッディング加工方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1のレーザクラッディング加工装置に係る発明は、上記目的を達成するため、加工部位に対してレーザビームを照射すると共に、該加工部位のレーザビーム照射部に粉末状材料を吐出するレーザ加工ヘッドを備え、加工部位の姿勢に応じて前記レーザ加工ヘッドを鉛直方向に対して傾斜させて前記加工部位にクラッド層を形成するレーザクラッディング加工装置であって、前記レーザ加工ヘッドに、粉末状材料を供給する複数の材料供給手段と、レーザビーム照射部にその周囲から粉末状材料を所定の配分で吐出させるように各材料供給手段による粉末状材料の供給量を調整制御する制御手段と、を備えており、前記制御手段が、レーザ加工ヘッドの傾斜角度に基づいて各材料供給手段による粉末状材料の供給量を調整制御するものであることを特徴とするものである。
請求項2のレーザクラッディング加工装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、前記制御手段が、各材料供給手段の位置または向きに応じて粉末状材料の供給量を異ならせるように調整制御するものであることを特徴とするものである。
請求項3のレーザクラッディング加工装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1または2のいずれかに記載の発明において、複数の材料供給手段が、キャリアガスとともに粉末状材料をレーザ加工ヘッドの軸線周りに旋回させる旋回部の接線方向に延びるようにそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
請求項4のレーザクラッディング加工装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記レーザ加工ヘッドを鉛直方向軸線周りに回転可能としたことを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項5のレーザクラッディング加工方法に係る発明は、上記目的を達成するため、加工部位の傾斜に応じて鉛直方向に対して傾斜させたレーザ加工ヘッドから、加工部位に対してレーザビームを照射すると共に、前記加工部位のレーザビーム照射部に粉末状材料を吐出して、前記加工部位にクラッド層を形成するレーザクラッディング加工方法であって、レーザビーム照射部に対してその周囲から粉末状材料を所定の配分で吐出させるように、レーザ加工ヘッドに粉末材料を複数箇所から供給し、前記レーザ加工ヘッドの傾斜角度に基づいて、各箇所からの粉末状材料の供給量を調整制御することを特徴とするものである。
請求項6のレーザクラッディング加工方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項5に記載の発明において、前記各箇所の位置または向きに応じて粉末状材料の供給量を異ならせるように調整制御することを特徴とするものでる。
請求項7のレーザクラッディング加工方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項5または6のいずれかに記載の発明において、前記粉末状材料をキャリアガスとともにレーザ加工ヘッドの軸線周りに旋回させる旋回部の接線方向に供給することを特徴とするものである。
請求項8のレーザクラッディング加工方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項5〜7のいずれかに記載の発明において、レーザ加工ヘッドを鉛直方向軸線周りに回転させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項1の発明では、加工部位の傾斜など姿勢に応じて相対的に垂直方向に向くように、レーザ加工ヘッドを絶対的な鉛直方向に対して傾斜させた状態で、加工部位にレーザビームを照射すると共に、複数の材料供給手段によりレーザビーム照射部にその周囲から粉末状材料を適切な配分でレーザビームの照射軸と同軸で供給する。このとき、加工部位の姿勢に応じて、すなわち、レーザ加工ヘッドの傾斜に応じて、加工部位のレーザビーム照射部にその周囲から粉末状材料を所定の配分で適切に吐出させることができるように、制御手段が各材料供給手段による粉末状材料の供給量を調整制御する。加工部位には、その姿勢に応じて適切な配分で吐出された粉末状材料がレーザビームにより溶融されて、その姿勢に関わらずクラッド層が適切に形成される。
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、制御手段が、各材料供給手段の位置または向きに応じて粉末状材料の供給量を異ならせるように調整制御するため、加工部位のレーザビーム照射部にその周囲から粉末状材料が全周にわたって均等に供給されるそのため、加工部位には、その姿勢に応じて適切な配分で吐出された粉末状材料がレーザビームにより溶融されて、クラッド層が適切に形成される。
請求項3の発明では、請求項1または2のいずれかに記載の発明において、複数の材料供給手段が、キャリアガスとともに粉末状材料をレーザ加工ヘッドの軸線周りに旋回させる旋回部の接線方向に延びるようにそれぞれ設けられていることにより、加工部位のレーザビーム照射部にその周囲から粉末状材料が全周にわたって均等に供給されるそのため、加工部位には、その姿勢に応じて適切な配分で吐出された粉末状材料がレーザビームにより溶融されて、クラッド層が適切に形成される。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、レーザ加工ヘッドを鉛直方向軸線周りに回転させることにより、円環状の加工部位には、粉末状材料がレーザビームにより溶融されて、その姿勢に関わらず連続したクラッド層が適切に形成される。
【0015】
また、請求項5の発明では、加工部位の傾斜など姿勢に応じて相対的に垂直方向に向くように、レーザ加工ヘッドを絶対的な鉛直方向に対して傾斜させて、加工部位にレーザビームを照射すると共に、レーザビーム照射部にその周囲の複数箇所から粉末状材料をレーザビームの照射軸と同軸で吐出させる。このとき、加工部位の姿勢に応じて、すなわち、レーザ加工ヘッドの傾斜角度に応じて、加工部位のレーザビーム照射部にその周囲から粉末状材料が所定の配分で適切に吐出されるように、各箇所からの粉末状材料の供給量を調整制御する。レーザ照射部では、その周囲から適切な配分で吐出された粉末状材料がレーザビームにより溶融されて、加工部位の姿勢に関わらずクラッド層が適切に形成される。
請求項6の発明では、請求項5に記載の発明において、前記各箇所の位置または向きに応じて粉末状材料の供給量を異ならせるように調整制御することにより、加工部位のレーザビーム照射部にその周囲から粉末状材料が全周にわたって均等に供給されるため、レーザ照射部では、その周囲から適切な配分で吐出された粉末状材料がレーザビームにより溶融されて、加工部位の姿勢に関わらずクラッド層が適切に形成される。
請求項7の発明では、請求項5または6のいずれかに記載の発明において、前記粉末状材料をキャリアガスとともにレーザ加工ヘッドの軸線周りに旋回させる旋回部の接線方向に供給することにより、加工部位のレーザビーム照射部にその周囲から粉末状材料が全周にわたって均等に供給されるため、レーザ照射部では、その周囲から適切な配分で吐出された粉末状材料がレーザビームにより溶融されて、加工部位の姿勢に関わらずクラッド層が適切に形成される。
請求項8の発明では、請求項5〜7のいずれかに記載の発明において、レーザ加工ヘッドを鉛直軸周りに回転させることにより、レーザ照射部が円環状に移動してその周囲から適切な配分で吐出された粉末状材料がレーザビームにより溶融されて、加工部位の姿勢に関わらず連続した円環状のクラッド層が適切に形成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を、内燃機関のシリンダヘッドのバルブシート(円環状の加工部位)Wにシート面となるクラッド層Sを形成する場合により、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。なお、同一符号は同一部分または相当部分を示すものとする。
【0017】
本発明のレーザクラッディング加工装置は、概略、加工部位Wに対してレーザビームLを照射すると共に加工部位Wのレーザビーム照射部WLに粉末状材料を吐出するレーザ加工ヘッド1と、このレーザ加工ヘッドに粉末状材料を供給する複数の材料供給手段2A〜2Dと、レーザビーム照射部WLにその周囲から粉末状材料Pをキャリヤガスと共に所定の配分で吐出させるように、各材料供給手段2A〜2Dによる粉末状材料Pの供給量を調整制御する制御手段(図示は省略するが、その制御内容については後に詳述する)と、を備えており、レーザ加工ヘッド1を、加工部位Wの傾斜に応じて、鉛直方向に対して傾斜した状態でクラッド層を形成することができるようにしたものである。制御手段は、レーザ加工ヘッド1の傾斜角度に基づいて各材料供給手段2A〜2Dによる粉末状材料Pの供給量を調整するものである。そして、この実施の形態においては、レーザ加工ヘッド1が鉛直方向軸線V周りに回転可能とされている。
【0018】
図1および図2に示すように、レーザ加工ヘッド1は、汎用のロボットアーム(図示は省略する)に接続される接続部材10と、加工部位Wに対してレーザビームLを照射する照射口12、および、加工部位Wのレーザビーム照射部WLにその周囲から粉末状材料Pをキャリヤガスと共に吐出する吐出口13を有するノズル部材11とにより構成されている。ノズル部材11は、接続部材10にビス15などによって締結される外側ノズル部材16と、この外側ノズル16に内嵌されてビス17などによって締結される内側ノズル部材18と、によって構成されている。
図示は省略するが、レーザ加工ヘッド1には、レーザビームLを母材となる内燃機関のシリンダヘッドのバルブシートWに対して所定の出力で照射するために、この実施の形態の場合、CO2レーザやYAGレーザ、あるいは半導体レーザなどのレーザ発振機に接続された光ファイバと、この光ファイバの先端面に対向するように配置されたコリメーションレンズおよび集光レンズとが設けられている。
この実施の形態におけるレーザビームLは、たとえば、出力が4kw程度で集光形状が真円でトップハットの、全出力の約86パーセントとなる1/e2の径が6.5mmで加工部位に照射されるよう設定されている。そして、レーザ加工ヘッド1を支持する図示しないロボットアームは、円環状のバルブシートの加工部位Wに対してレーザ加工ヘッド1を絶対的な鉛直軸V周りに回転させる速度が、ノズルの周速で1m/minに設定され、また、その回転角度がオーバラップを考慮して両方向に270度程度に設定されている。さらに、ロボットアームは、レーザ加工ヘッド1を絶対的な鉛直方向に対して0(絶対的鉛直方向)〜60度程度に傾斜させることができるよう設定されている。
【0019】
接続部材10は、略筒状の本体の一端にビス15が挿通されることにより外側ノズル部材16と締結されるフランジが形成されてなるもので、本体の外周面には汎用のロボットアームとキー結合されるキー溝10aが形成されている。
【0020】
この実施の形態におけるノズル部材11では、内側ノズル部材18の基端部側(図1における上方)に、外側ノズル部材16の内周面と気密を保持するためのOリングなどのシール部材20が設けられている。そして、外側ノズル部材16と内側ノズル部材18との間には、後述する複数の材料供給手段2A〜2Dが接続されて粉末状材料Pがキャリヤガスと共に供給されてレーザ加工ヘッド1の軸線H周りに旋回させる旋回部21と、旋回部21で所定量旋回した粉末状材料Pをキャリヤガスと共にレーザ加工ヘッド1の軸線Hに沿って整流させる整流部22と、加工部位Wのレーザビーム照射部WLにその周囲から全周にわたって粉末状材料Pをキャリヤガスと共に吐出させる吐出口13を有する吐出部23と、が連続して形成されている。また、内側ノズル部材18の中心には、照射されるレーザビームLを加工部位Wに向かって通過させて照射させる照射口12を有するビーム通路24が形成されている。
【0021】
図2に示すように、外側ノズル部材16には、この実施の形態の場合、複数の材料供給手段として4つの通路2A,2B,2C,2Dが旋回部21の接線方向に延びるように、等間隔で穿設されている。各通路2A〜2Dの外側開口部にはめねじ部25が形成されており、このめねじ部25には、キャリヤガスと共に粉末状材料Pを旋回部21に導入するためのパイプ26の接続部材27のおねじ部28が締結されている。旋回部21は、レーザ加工ヘッド1の軸線H周りに形成された環状の空間により構成されてなるもので、基端部(上方)から先端部(下方)に向かって漸次縮径するテーパ状に形成されている。この実施の形態における整流部22は、外側ノズル部材16の内周面に突出するように形成された縮径部に旋回部21の底面と吐出部23との間に延びるように形成された複数の穴状の通路により構成されている。吐出部23は、加工部位Wのレーザビーム照射部WLに向かって吐出口13が開口する間隙により構成されている。したがって、図1に示すように、加工部位Wに照射されるレーザビームLの光軸と、その周囲から吐出される粉末状材料Pの吐出中心とが一致するように同軸状に設定されている。
【0022】
このように構成されたレーザ加工ヘッド1では、その軸線Hを絶対的な鉛直方向軸線Vに沿って配置した場合には、キャリヤガスによって粉末状材料Pがそれぞれのパイプ26の接続部材27から通路2A〜2Dを介して旋回部21にその接線方向に導入されると、キャリヤガスの圧力や粉末状材料の比重などによって異なるが、その導入された各通路2A〜2Dから旋回部21を略90度〜180度程度旋回してから整流部22に流動することとなる。そして、粉末状材料Pは、キャリヤガスの流動にしたがってレーザ加工ヘッド1の軸線Hと平行に形成された整流部22を通過することにより、旋回部21で旋回するように作用していた流れからレーザ加工ヘッド1の軸線Hと平行に流れるように整流される。その後、粉末状材料Pは、吐出口13からバルブシートのレーザビーム照射部WLに向かって周囲から全周にわたって均等に供給されることとなる。
【0023】
また、本発明にしたがって、バルブシートの傾斜した円環状の加工部位Wにクラッド層Sを形成する場合には、図示しない汎用のロボットアームに接続されたレーザ加工ヘッド1は、内燃機関の所定の気筒の所定のバルブシートと対応する位置に移動され、図3に示すように、その軸線Hを加工部位Wの傾斜に応じて所定の角度に傾斜させた状態で、絶対的な鉛直方向軸線V周りに回転するように駆動される。この実施の形態では、通路2Cと2Dが水平方向に延び、通路2Aが上向きに延び、通路2Bが下向きに延びるようにレーザ加工ヘッドが傾斜されることとする。このとき、レーザ加工ヘッド1がその軸線Hを所定の角度に傾斜されることにより、各通路2A,2B,2C,2Dの向きによって、旋回部21に導入される粉末状材料Pの受ける重力が異なることとなる。そのため、旋回部21を旋回する粉末状材料Pの旋回量が異なることから、整流部22を介して吐出口13からレーザビーム照射部WLに向かって周囲から吐出される粉末状材料Pの量に偏りが生じることとなる。そして、この偏りは、レーザ加工ヘッド1の軸線Hの傾き角に応じて異なる。
【0024】
そこで、本発明のレーザクラッディング加工装置では、レーザ加工ヘッド1を絶対的な鉛直方向に対して傾斜させたときの、旋回部21に粉末状材料Pを供給する通路2A、2B、2C、2Dのそれぞれの向きに応じて、整流部22を介して吐出口13からレーザビーム照射部WLに向かって周囲から吐出される粉末状材料Pの量が均等となるように、その通路2A〜2Dからキャリヤガスにより導入される粉末状材料Pの量を変化させ、しかも、その変化の度合をレーザ加工ヘッド1の軸線Hの傾き角に基づいて異ならせるよう制御することができるよう構成した。
【0025】
したがって、本発明のレーザクラッディング加工装置では、内燃機関のシリンダヘッドを、従来の技術(図7を参照)のようにバルブシートのクラッディング層を形成する加工部位Wに対する垂直方向を絶対的な鉛直方向軸線Vに指向させるように、バルブシートの中心軸線Jを傾斜させた状態でテーブルT’に保持することなく、しかも、その中心軸線J周りに回転させる必要がない。そのため、従来の技術のように大型のレーザクラッディング加工装置(図8を参照)を必要することがなく、この実施の形態では、内燃機関のシリンダヘッドは、バルブシートの加工部位Wが絶対的鉛直方向に対して略45度(弁挟み角などによっても異なる)の傾斜を有するように、水平の状態でテーブルTに保持することができ、また、レーザ加工ヘッド1を汎用のロボットアームに絶対的鉛直方向に対して傾斜させて鉛直方向軸線V周りに回転駆動するだけで、任意のバルブシートの傾斜した円環状の加工部位Wにクラッド層Sを適切に連続して容易に形成することができる。そのため、簡単な構成でコンパクトな設備となるために設備コストを低減させることができる。
【0026】
なお、本発明のレーザクラッディング加工装置は、上述した実施の形態に限定されることなく、絶対的な鉛直方向に対して傾斜した加工部位Wにクラッド層Sを形成するものであれば、バルブシート以外の加工部位に対して円環状にまたは直線状にクラッド層を形成する場合にも適用することができる。直線状の加工部位にクラッド層を形成する場合にはレーザ加工ヘッド1を鉛直方向軸線V周りに回転可能とする必要はない。また、レーザ加工ヘッド1は、旋回部21や整流部22を有するものである必要はない。さらに、レーザ加工ヘッドの内部に粉末状材料Pを供給するための複数の通路2A〜2Dは、水平方向(2C、2D)および上下方向(2A,2B)に延びるように配置する必要はなく、また、複数であれば4つに限定されることもない。さらに、レーザビーム照射部WLにその周囲から吐出される粉末状材料Pの配分は、必ずしも均等にする場合だけでなく、レーザ加工ヘッド1の軸線Hの傾斜角などによっては、たとえば、加工部位Wの上方に吐出される粉末状材料Pが下方より多くなるように各通路2A〜2Dからキャリヤガスと共に導入される粉末状材料Pの供給量を調整制御してもよい。
【0027】
次に、本発明のレーザクラッディング加工方法の実施の一形態を、上述したように構成されたレーザクラッディング加工装置を用いて、内燃機関のシリンダヘッドのバルブシート(加工部位)Wにシート面となるクラッド層Sを形成する場合により、主に図3〜図6に基づいて詳細に説明する。
本発明のレーザクラッディング加工方法は、概略、レーザ加工ヘッド1から、加工部位Wに対してレーザビームLを照射すると共に加工部位Wのレーザビーム照射部WLに粉末状材料Pを吐出して、前記加工部位Wにクラッド層Sを形成するものであって、レーザビーム照射部WLに対してその周囲から粉末状材料Pを所定の配分で吐出させるように、レーザ加工ヘッド1に複数箇所に設けられた通路2A〜2Dから粉末状材料Pを調整制御して供給し、加工部位Wの傾斜に応じてレーザ加工ヘッド1の軸線Hを鉛直方向に対して傾斜させてクラッド層Sを形成するものである。各箇所の通路2A〜2Dからの粉末状材料Pの供給量は、レーザ加工ヘッド1の軸線Hの傾斜角度に基づいて調整制御するものである。そして、この実施の形態においては、レーザ加工ヘッド1を鉛直方向軸線V周りに回転させるものである。
【0028】
上述したように、レーザクラッディング加工装置は、図4および図5に示すように、絶対的な鉛直方向に対してレーザ加工ヘッド1を傾斜させたときの、旋回部21に粉末状材料Pを供給する通路2A、2B、2C、2Dのそれぞれの向きによって、その粉末状材料Pを流動させるためのキャリヤガスの流量を変化させるよう制御することができ、しかも、その変化の度合をレーザ加工ヘッド1の軸線Hの傾き角に応じて異ならせるよう制御することができる構成とされている。
【0029】
加工部位Wにクラッド層Sを形成するに際しては、内燃機関のシリンダヘッドは、従来の技術(図7を参照)のようにバルブシートのクラッディング層Sを形成する加工部位Wに対する垂直方向を絶対的な鉛直方向軸線Vに指向させるように、バルブシートの中心軸線Jを傾斜させた状態でテーブルT’に保持することなく、水平なテーブルT上に位置決め固定される。そして、図示しないロボットアームの駆動により、所定の気筒のバルブシートに対応するようにレーザ加工ヘッド1を配置させ、そのバルブシートの傾斜した加工部位Wの面に対して相対的に垂直方向を向くように、レーザ加工ヘッド1を絶対的な鉛直方向に対して傾斜させる。
【0030】
この状態で、レーザ加工ヘッド1からレーザビームLを照射すると共にそのレーザビーム照射部WLに周囲から粉末状材料Pを吐出させつつ、図示しないロボットアームの駆動により、レーザ加工ヘッド1を絶対的な鉛直方向軸線V周りに回転させて、円環状のバルブシートWに全周にわたってクラッド層Sを形成する。このとき、本発明のレーザクラッディング加工方法では、図示しない制御手段により、吐出口13からキャリヤガスと共に吐出される粉末状材料Pが傾斜した加工部位Wのレーザビーム照射部WLに対して均等に供給されるように、複数の通路2A、2B、2C、2Dからレーザ加工ヘッド1内の旋回部21にキャリヤガスと共に供給される粉末状材料Pの量を制御する。この制御内容を具体例に基づいて以下に詳細に説明する。
【0031】
この実施の形態では、各通路2A、2B、2C、2Dから供給される粉末状材料Pの量(以下、粉量という)の合計を1g/sとし、また、キャリヤガス量(以下、ガス量という)の合計を14L/minとしている。キャリヤガスの種類は、用途によって異なるが、この実施の形態では不活性ガスである窒素ガスを用いた。そして、図示しない制御手段では、水平方向に向いた通路2Cと2Dについては粉量が同量となるようにガス量を同量に調整制御し、絶対絶対的な鉛直方向に対して傾斜した状態で上向きとなる通路2Aについては粉量を増加させるべくガス量を増加させるよう調整制御し、絶対絶対的な鉛直方向に対して傾斜した状態で下向きとなる通路2Bについては粉量を減少させるべくガス量を減少させるよう調整制御する。
【0032】
より具体的な実施の形態を示すと、図示しない制御手段は、図5に示すように、水平方向に向いた通路2Cと2Dについては、レーザ加工ヘッド1の傾き角にかかわらず、ガス量をそれぞれ3.5L/minとなるように制御して、粉量がそれぞれ0.25g/sとなるように調整する。
一方、絶対絶対的な鉛直方向に対して傾斜した状態で上向きとなる通路2Aについては、重力により旋回部21への粉末状材料Pの供給が鈍ることから通路2Cと2Dよりもガス量を多く、傾き角が15度のときには、ガス量を3.7L/minに制御して粉量を0.26g/sに調整し、傾き角が30度のときには、ガス量を4.2L/minに制御して粉量を0.30g/sに調整し、傾き角が45度のときには、ガス量を4.8L/minに制御して粉量を0.35g/sに調整する。
また、絶対絶対的な鉛直方向に対して傾斜した状態で下向きとなる通路2Bについては、重力により旋回部21への粉末状材料Pの供給が促進されることから通路2Cと2Dよりもガス量を少なく、傾き角が15度のときには、ガス量を3.3L/minに制御して粉量を0.24g/sに調整し、傾き角が30度のときには、ガス量を2.8L/minに制御して粉量を0.20g/sに調整し、傾き角が45度のときには、ガス量を2.2L/minに制御して粉量を0.15g/sに調整する。
なお、この実施の形態では、ガス量を変化させることで供給される粉量を変化させることとしているが、粉量を任意に変化させることができれば、ガス量を変化させる必要はない。
【0033】
図6は、通路2A、2B、2C、2Dの向きにかかわらず均一の粉量とした制御無しの場合と、図5に示したように通路2A、2B、2C、2Dのそれぞれの向きに応じて粉量を変化させるべくガス量を変化させる制御有りの場合とで、傾斜した加工部位Wのレーザビーム照射部WLの下方a部と上方b部に対して供給される粉量の比を、レーザ加工ヘッド1の絶対的な鉛直方向に対する傾き角ごとに得られた実験結果を比較して示したグラフである。レーザ加工ヘッド1が傾けられていないとき(傾き角が0度のとき、すなわち、加工部位Wが水平のとき)には、レーザビーム照射部WLの下方a部と上方b部に対して供給される粉量の比が1となる。
そして、制御無しの場合には、レーザ加工ヘッド1の絶対的な鉛直方向に対して傾き角が増加するにしたがって、傾斜した加工部位に対するレーザビーム照射部WLの下方a部と上方b部に対して供給される粉量の比が明かに低下する。
一方、上述したように本発明による制御有りの場合には、レーザ加工ヘッド1の絶対的な鉛直方向に対する傾き角にかかわらず、傾斜した加工部位Wのレーザビーム照射部WLの下方a部と上方b部に対して供給される粉量の比が低下することなく略同一となることが明かである。
【0034】
したがって、本発明のレーザクラッディング加工方法では、内燃機関の内燃機関のシリンダヘッドを、従来の技術(図7を参照)のようにバルブシートのクラッディング層Sを形成する加工部位Wに対する垂直な線が絶対的な鉛直方向を指向するように、バルブシートの中心軸線Jを傾斜させた状態でテーブルT’に保持することなく、しかも、その中心軸線J周りに回転させる必要がない。そのため、この実施の形態では、内燃機関のシリンダヘッドは、バルブシートの加工部位Wが略45度(弁挟み角などによっても異なる)の傾斜を有するように、水平の状態でテーブルTに容易に保持することができ、また、汎用のロボットアームによりレーザ加工ヘッド1を傾斜させて回転させることで、バルブシートの傾斜した円環状の加工部位Wにクラッド層Sを適切に且つ容易に形成することができる。そして、各気筒のバルブシートに対応してレーザ加工ヘッド1を移動させることにより、クラッド層Sを短時間で且つ適切に形成することができる。その後、クラッド層Sは、図3に鎖線で示すように、所望の形状のバルブシート面とするべく、必要に応じて所定の厚さに切削または研削加工が施される。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構成で、加工部位の姿勢に関わらず、クラッド層を適切且つ容易に低コストで形成加工することができるレーザクラッディング加工装置およびレーザクラッディング加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザクラッディング加工装置のレーザ加工ヘッドの実施の一形態をを説明するための半断面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明によりシリンダヘッドのバルブシートにクラッド層を形成する状態を説明するための概念図である。
【図4】加工部位の傾斜に応じて傾けた状態のレーザ加工ヘッドに粉末状材料を供給する通路の向きを説明するための斜視図である。
【図5】本発明により傾き角に応じて各通路から調整制御して供給する粉量とガス量の変化を示す図表である。
【図6】各通路から供給された粉末材料がレーザビーム照射部に吐出される状態を説明するための概念図と、本発明によらない制御無しの場合と本発明による制御有りの場合とで、レーザビーム照射部の下方a部と上方b部に対して吐出される粉末状材料の比をレーザ加工ヘッドの傾き角ごとに得られた実験結果を比較して示すグラフである。
【図7】従来の技術によりシリンダヘッドのバルブシートにクラッド層を形成する状態を説明するための概念図である。
【図8】従来のレーザクラッド加工装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 レーザ加工ヘッド
2A〜2D 通路(材料供給手段)
12 照射口
13 吐出口
21 旋回部
22 整流部
23 吐出部
W バルブシート(加工部位)
P 粉末状材料
S クラッド層
L レーザビーム
WL レーザビーム照射部
V 鉛直方向軸線
H レーザ加工ヘッドの軸線
J バルブシートの中心軸線

Claims (8)

  1. 加工部位に対してレーザビームを照射すると共に、該加工部位のレーザビーム照射部に粉末状材料を吐出するレーザ加工ヘッドを備え、加工部位の姿勢に応じて前記レーザ加工ヘッドを鉛直方向に対して傾斜させて前記加工部位にクラッド層を形成するレーザクラッディング加工装置であって、
    前記レーザ加工ヘッドに、粉末状材料を供給する複数の材料供給手段と、レーザビーム照射部にその周囲から粉末状材料を所定の配分で吐出させるように各材料供給手段による粉末状材料の供給量を調整制御する制御手段と、を備えており、
    前記制御手段が、レーザ加工ヘッドの傾斜角度に基づいて各材料供給手段による粉末状材料の供給量を調整制御するものであることを特徴とするレーザクラッディング加工装置。
  2. 前記制御手段が、各材料供給手段の位置または向きに応じて粉末状材料の供給量を異ならせるように調整制御するものであることを特徴とする請求項1に記載のレーザクラッディング加工装置。
  3. 複数の材料供給手段が、キャリアガスとともに粉末状材料をレーザ加工ヘッドの軸線周りに旋回させる旋回部の接線方向に延びるようにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のレーザクラッディング加工装置。
  4. 前記レーザ加工ヘッドを鉛直方向軸線周りに回転可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレーザクラッディング加工装置。
  5. 加工部位の傾斜に応じて鉛直方向に対して傾斜させたレーザ加工ヘッドから、加工部位に対してレーザビームを照射すると共に、前記加工部位のレーザビーム照射部に粉末状材料を吐出して、前記加工部位にクラッド層を形成するレーザクラッディング加工方法であって、
    レーザビーム照射部に対してその周囲から粉末状材料を所定の配分で吐出させるように、レーザ加工ヘッドに粉末材料を複数箇所から供給し、
    前記レーザ加工ヘッドの傾斜角度に基づいて、各箇所からの粉末状材料の供給量を調整制御することを特徴とするレーザクラッディング加工方法。
  6. 前記各箇所の位置または向きに応じて粉末状材料の供給量を異ならせるように調整制御することを特徴とする請求項5に記載のレーザクラッディング加工方法。
  7. 前記粉末状材料をキャリアガスとともにレーザ加工ヘッドの軸線周りに旋回させる旋回部の接線方向に供給することを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載のレーザクラッディング加工方法。
  8. レーザ加工ヘッドを鉛直方向軸線周りに回転させることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のレーザクラッディング加工方法。
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