JPH10249552A - 摩擦溶接方法および装置並びに溶接に使用する溶接工具 - Google Patents
摩擦溶接方法および装置並びに溶接に使用する溶接工具Info
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- JPH10249552A JPH10249552A JP5318997A JP5318997A JPH10249552A JP H10249552 A JPH10249552 A JP H10249552A JP 5318997 A JP5318997 A JP 5318997A JP 5318997 A JP5318997 A JP 5318997A JP H10249552 A JPH10249552 A JP H10249552A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K20/00—Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating
- B23K20/12—Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding
- B23K20/122—Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding
- B23K20/1245—Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding characterised by the apparatus
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K20/00—Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating
- B23K20/12—Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding
- B23K20/122—Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding
- B23K20/123—Controlling or monitoring the welding process
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルミニウム等のごとき非鉄金属の摩擦溶接
方法及び装置並びに溶接工具を提供することである。 【解決手段】 溶接工具19に備えたプローブ45を溶
接すべきワークW1,W2の接合部に臨ませ、上記溶接
工具19を回転して前記プローブ45とワークとの間に
摩擦熱を生じせしめ、この摩擦熱によってワークの接合
部を軟化して溶接する際、ワークに対して溶接工具19
を接合部に沿って相対的に移動するとき、相対的な移動
方向へ前記プローブ45の先端部45Tが先行するよう
に溶接工具19をワークに対して僅かに傾斜して溶接を
行う摩擦溶接方法および装置である。さらに、溶接工具
は、工具本体41の先端面に、ワークとの間の相対的な
回転によって摩擦熱を生じせしめるためのプローブ45
を突出して備え、前記工具本体の先端面に、前記プロー
ブ45を囲繞して凹部を形成してなるものである。
方法及び装置並びに溶接工具を提供することである。 【解決手段】 溶接工具19に備えたプローブ45を溶
接すべきワークW1,W2の接合部に臨ませ、上記溶接
工具19を回転して前記プローブ45とワークとの間に
摩擦熱を生じせしめ、この摩擦熱によってワークの接合
部を軟化して溶接する際、ワークに対して溶接工具19
を接合部に沿って相対的に移動するとき、相対的な移動
方向へ前記プローブ45の先端部45Tが先行するよう
に溶接工具19をワークに対して僅かに傾斜して溶接を
行う摩擦溶接方法および装置である。さらに、溶接工具
は、工具本体41の先端面に、ワークとの間の相対的な
回転によって摩擦熱を生じせしめるためのプローブ45
を突出して備え、前記工具本体の先端面に、前記プロー
ブ45を囲繞して凹部を形成してなるものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばアルミニ
ウム,銅などのごとき非鉄金属の摩擦溶接を行う摩擦溶
接方法及び装置並びに摩擦溶接に使用する溶接工具に関
する。
ウム,銅などのごとき非鉄金属の摩擦溶接を行う摩擦溶
接方法及び装置並びに摩擦溶接に使用する溶接工具に関
する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る先行例として特表平7−5
05090号公報がある。
05090号公報がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特表平7−505
090号公報(以下単に先行例と称す)には、溶接すべ
き第1,第2のワークの接合面を接合し、溶接工具を回
転すると共に上記溶接工具に備えた小径のプローブを上
記接合面に臨ませて、回転するプローブとワークとの間
に摩擦熱を発生せしめ、この摩擦熱によってワークを軟
化し溶接する構成が開示されている。
090号公報(以下単に先行例と称す)には、溶接すべ
き第1,第2のワークの接合面を接合し、溶接工具を回
転すると共に上記溶接工具に備えた小径のプローブを上
記接合面に臨ませて、回転するプローブとワークとの間
に摩擦熱を発生せしめ、この摩擦熱によってワークを軟
化し溶接する構成が開示されている。
【0004】上記先行例においての溶接工具は、大径の
工具本体の先端面をテーパ状に形成し、このテーパ状部
の先端部に小径のプローブを設け、さらにこのプローブ
の先端部に前記工具本体とほぼ同径の大径部を備えた構
成(第1の構成)である。また、大径の工具本体の先端
面を平面状になし、この先端面の中心に小径のプローブ
を備えた構成(第2の構成)である。
工具本体の先端面をテーパ状に形成し、このテーパ状部
の先端部に小径のプローブを設け、さらにこのプローブ
の先端部に前記工具本体とほぼ同径の大径部を備えた構
成(第1の構成)である。また、大径の工具本体の先端
面を平面状になし、この先端面の中心に小径のプローブ
を備えた構成(第2の構成)である。
【0005】そして、先行例において、ワークの接合面
の摩擦溶接を行う場合には、ワークの平面に対して溶接
工具の軸心を垂直状態に保持し、ワークの接合ラインに
沿って溶接工具を相対的に移動するものである。
の摩擦溶接を行う場合には、ワークの平面に対して溶接
工具の軸心を垂直状態に保持し、ワークの接合ラインに
沿って溶接工具を相対的に移動するものである。
【0006】したがって、先行例においては、工具本体
の先端面でもってワーク表面を押圧する力と、溶接工具
の移動に起因して、上記溶接工具の移動方向の前側にワ
ークの盛り上りを生じ、溶接工具を移動するための負荷
が大きくなると共に、ワークの軟化した部分の流動の抑
制効果が小さいという問題がある。
の先端面でもってワーク表面を押圧する力と、溶接工具
の移動に起因して、上記溶接工具の移動方向の前側にワ
ークの盛り上りを生じ、溶接工具を移動するための負荷
が大きくなると共に、ワークの軟化した部分の流動の抑
制効果が小さいという問題がある。
【0007】また、先行例においては、ワークに対して
単にプローブを回転し摩擦熱によりワークの接合面を軟
化する構成であるので、プローブの回転及び移動によっ
て軟化部分にキャビテーション効果が発生し気泡の発生
原因となることがあって、溶接部分の信頼性の向上に問
題がある。
単にプローブを回転し摩擦熱によりワークの接合面を軟
化する構成であるので、プローブの回転及び移動によっ
て軟化部分にキャビテーション効果が発生し気泡の発生
原因となることがあって、溶接部分の信頼性の向上に問
題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき従
来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に記載の発
明は、溶接工具に備えたプローブを溶接すべきワークの
接合部に臨ませ、上記溶接工具を回転して前記プローブ
とワークとの間に摩擦熱を生じせしめ、この摩擦熱によ
ってワークの接合部を軟化して溶接を行う方法におい
て、ワークに対して溶接工具を接合部に沿って相対的に
移動するとき、相対的な移動方向へ前記プローブの先端
部が先行するように溶接工具をワークに対して僅かに傾
斜して溶接を行う摩擦溶接方法である。
来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に記載の発
明は、溶接工具に備えたプローブを溶接すべきワークの
接合部に臨ませ、上記溶接工具を回転して前記プローブ
とワークとの間に摩擦熱を生じせしめ、この摩擦熱によ
ってワークの接合部を軟化して溶接を行う方法におい
て、ワークに対して溶接工具を接合部に沿って相対的に
移動するとき、相対的な移動方向へ前記プローブの先端
部が先行するように溶接工具をワークに対して僅かに傾
斜して溶接を行う摩擦溶接方法である。
【0009】請求項2に係る発明は、溶接工具に備えた
プローブを溶接すべきワークの接合部に臨ませ、上記溶
接工具を回転して前記プローブとワークとの間に摩擦熱
を生じせしめ、この摩擦熱によってワークの接合部を軟
化して溶接を行う方法において、回転している溶接工具
のプローブの先端部をワーク表面に接触せしめ、上記プ
ローブとワークとの間において摩擦熱を発生せしめる
(a)工程と、ワークが摩擦熱によって軟化したときに
プローブ全体が埋没するように上記プローブをワークに
没入する(b)工程と、溶接工具を回転しつつワークの
接合部に沿って溶接工具を相対的に移動するとき、相対
的な移動方向へプローブの先端部が先行するように溶接
工具をワークに対して僅かに傾斜して溶接を行う(c)
工程の各工程よりなる摩擦溶接方法である。
プローブを溶接すべきワークの接合部に臨ませ、上記溶
接工具を回転して前記プローブとワークとの間に摩擦熱
を生じせしめ、この摩擦熱によってワークの接合部を軟
化して溶接を行う方法において、回転している溶接工具
のプローブの先端部をワーク表面に接触せしめ、上記プ
ローブとワークとの間において摩擦熱を発生せしめる
(a)工程と、ワークが摩擦熱によって軟化したときに
プローブ全体が埋没するように上記プローブをワークに
没入する(b)工程と、溶接工具を回転しつつワークの
接合部に沿って溶接工具を相対的に移動するとき、相対
的な移動方向へプローブの先端部が先行するように溶接
工具をワークに対して僅かに傾斜して溶接を行う(c)
工程の各工程よりなる摩擦溶接方法である。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
記載の発明において、溶接工具におけるプローブの先端
部をワークの裏面から内側に僅かに離隔した状態に保持
して溶接を行う摩擦溶接方法である。
記載の発明において、溶接工具におけるプローブの先端
部をワークの裏面から内側に僅かに離隔した状態に保持
して溶接を行う摩擦溶接方法である。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1又は2に
記載の発明において、溶接工具におけるプローブの先端
部をワークの裏面にほぼ一致した状態に保持して溶接を
行う摩擦溶接方法である。
記載の発明において、溶接工具におけるプローブの先端
部をワークの裏面にほぼ一致した状態に保持して溶接を
行う摩擦溶接方法である。
【0012】請求項5に係る発明は、溶接すべき第1,
第2のワークの接合面を接合した状態又は上記接合面を
僅かに離れた状態に保持してワークを支持する支持テー
ブルと、上記第1,第2のワークを上記支持テーブルに
不動状態に固定可能のワーク固定手段と、前記第1,第
2のワークの接合面との間の相対的な回転によって摩擦
熱を生じせしめるためのプローブを備えた溶接工具を支
持するスピンドルと、上記スピンドルを駆動回転可能に
備えた加工ヘッドと、前記第1,第2のワークの接合面
に沿って上記加工ヘッドを相対的に移動するための移動
手段と、上記加工ヘッドの相対的な移動方向に対して前
記スピンドルを僅かに回動傾斜するための傾斜手段と、
を備えてなる摩擦溶接装置である。
第2のワークの接合面を接合した状態又は上記接合面を
僅かに離れた状態に保持してワークを支持する支持テー
ブルと、上記第1,第2のワークを上記支持テーブルに
不動状態に固定可能のワーク固定手段と、前記第1,第
2のワークの接合面との間の相対的な回転によって摩擦
熱を生じせしめるためのプローブを備えた溶接工具を支
持するスピンドルと、上記スピンドルを駆動回転可能に
備えた加工ヘッドと、前記第1,第2のワークの接合面
に沿って上記加工ヘッドを相対的に移動するための移動
手段と、上記加工ヘッドの相対的な移動方向に対して前
記スピンドルを僅かに回動傾斜するための傾斜手段と、
を備えてなる摩擦溶接装置である。
【0013】請求項6に係る発明は、請求項5に記載の
発明において、スピンドルの回動傾斜のための回動中心
は、当該スピンドルに取付けた溶接工具による溶接時の
プローブの先端付近に設定してなる摩擦溶接装置であ
る。
発明において、スピンドルの回動傾斜のための回動中心
は、当該スピンドルに取付けた溶接工具による溶接時の
プローブの先端付近に設定してなる摩擦溶接装置であ
る。
【0014】請求項7に係る発明は、工作機械等のスピ
ンドルへの取付部としてのシャンク部を備えた大径の工
具本体の先端面に、溶接すべきワークとの間の相対的な
回転によって上記ワークに摩擦熱を生じせしめるための
プローブを突出して備えてなる溶接工具において、前記
工具本体の先端面に、前記プローブを囲繞して環状の凹
部を形成してなる溶接工具である。
ンドルへの取付部としてのシャンク部を備えた大径の工
具本体の先端面に、溶接すべきワークとの間の相対的な
回転によって上記ワークに摩擦熱を生じせしめるための
プローブを突出して備えてなる溶接工具において、前記
工具本体の先端面に、前記プローブを囲繞して環状の凹
部を形成してなる溶接工具である。
【0015】請求項8に係る発明は、請求項7に記載の
発明において、プローブは工具本体に対して突出長さ調
節可能に取付けてある溶接工具である。
発明において、プローブは工具本体に対して突出長さ調
節可能に取付けてある溶接工具である。
【0016】請求項9に係る発明は、請求項7又は8に
記載の発明において、プローブには螺旋状の溝又は突条
を備えている溶接工具である。
記載の発明において、プローブには螺旋状の溝又は突条
を備えている溶接工具である。
【0017】請求項10に係る発明は、請求項7,8又
は9に記載の発明において、プローブの直径は工具本体
の直径の約1/2〜1/5程度である溶接工具である。
は9に記載の発明において、プローブの直径は工具本体
の直径の約1/2〜1/5程度である溶接工具である。
【0018】請求項11に係る発明は、請求項7,8,
9又は10に記載の発明において、工具本体の周面に放
熱フィンを備えている溶接工具である。
9又は10に記載の発明において、工具本体の周面に放
熱フィンを備えている溶接工具である。
【0019】請求項12に係る発明は、請求項7,8,
9,10又は11に記載の発明において、工具本体にお
ける先端面の外周縁は断面形状が円弧状の曲面に形成さ
れている溶接工具である。
9,10又は11に記載の発明において、工具本体にお
ける先端面の外周縁は断面形状が円弧状の曲面に形成さ
れている溶接工具である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて説明するに、本
発明の実施形態例に係る摩擦溶接装置1は、図1に概念
的,概略的に示すように、アルミニウム等のごとき非鉄
金属の溶接すべき第1,第2のワークW1,W2の接合
面F1,F2を接合した状態又は僅かに離れた状態に保
持してワークを支持する支持テーブル3を備えている。
この支持テーブル3の左右両側には、水平支持部5Hを
備えた補助テーブル5がボルトのごとき固定具を介して
着脱可能に取付けてある。また支持テーブル3の上面に
は、ワークW1,W2の溶接継手の形態に対応して着脱
交換可能の当て金7が設けられている。
発明の実施形態例に係る摩擦溶接装置1は、図1に概念
的,概略的に示すように、アルミニウム等のごとき非鉄
金属の溶接すべき第1,第2のワークW1,W2の接合
面F1,F2を接合した状態又は僅かに離れた状態に保
持してワークを支持する支持テーブル3を備えている。
この支持テーブル3の左右両側には、水平支持部5Hを
備えた補助テーブル5がボルトのごとき固定具を介して
着脱可能に取付けてある。また支持テーブル3の上面に
は、ワークW1,W2の溶接継手の形態に対応して着脱
交換可能の当て金7が設けられている。
【0021】上記当て金7は、例えば第1,第2のワー
クW1,W2を水平に当接して溶接するときには、両ワ
ークW1,W2を水平に支持するように、図1に示すよ
うに板状に形成してある。また、第1,第2のワークW
1,W2を例えばL字形状またはT字形状に溶接する場
合には、第1のワークを垂直に保持し、溶接継手がL字
形状またはT字形状となるように第2のワークを水平に
保持するように構成してあるものである。
クW1,W2を水平に当接して溶接するときには、両ワ
ークW1,W2を水平に支持するように、図1に示すよ
うに板状に形成してある。また、第1,第2のワークW
1,W2を例えばL字形状またはT字形状に溶接する場
合には、第1のワークを垂直に保持し、溶接継手がL字
形状またはT字形状となるように第2のワークを水平に
保持するように構成してあるものである。
【0022】すなわち前記当て金7は、第1,第2のワ
ークの継手形状に対応するように種々の形状,構成の当
て金に交換されるものであり、一種のワーク位置決め用
の治具の機能を奏するものである。
ークの継手形状に対応するように種々の形状,構成の当
て金に交換されるものであり、一種のワーク位置決め用
の治具の機能を奏するものである。
【0023】したがって、第1,第2のワークW1,W
2の溶接継手の形状によっては当て金7を省略して支持
テーブル3でもって第1,第2のワークW1,W2を直
接支持する構成とすることも可能である。換言すれば、
当て金7は必ずしも必要ではないものである。
2の溶接継手の形状によっては当て金7を省略して支持
テーブル3でもって第1,第2のワークW1,W2を直
接支持する構成とすることも可能である。換言すれば、
当て金7は必ずしも必要ではないものである。
【0024】前記第1,第2のワークW1,W2を前記
支持テーブル3上に不動状態に固定するために、第1,
第2のワーク固定手段9が設けられている。上記第1,
第2のワーク固定手段9として、本例においてはピン1
3を介してフレーム11にクランプアーム15を上下に
回動可能に設け、このクランプアーム15の先端側を上
下に回動するために、クランプ作動装置17が設けてあ
る。
支持テーブル3上に不動状態に固定するために、第1,
第2のワーク固定手段9が設けられている。上記第1,
第2のワーク固定手段9として、本例においてはピン1
3を介してフレーム11にクランプアーム15を上下に
回動可能に設け、このクランプアーム15の先端側を上
下に回動するために、クランプ作動装置17が設けてあ
る。
【0025】上記クランプ作動装置17として、本例に
おいてはエアーシリンダのごとき流体圧シリンダが設け
てあり、この流体圧シリンダに往復動自在に備えたピス
トンロッドの先端部が前記クランプアーム15に適宜に
枢支連結してある。
おいてはエアーシリンダのごとき流体圧シリンダが設け
てあり、この流体圧シリンダに往復動自在に備えたピス
トンロッドの先端部が前記クランプアーム15に適宜に
枢支連結してある。
【0026】したがって、上記クランプ作動装置17を
作動して前記クランプアーム15の先端部を下方向に回
動作動することによって第1,第2のワークW1,W2
を支持テーブル3上に不動状態に押圧固定することがで
きる。また、前記クランプアーム15の先端部を上方向
に回動作動することにより、ワークW1,W2の押圧固
定を解除することができる。なお、ワーク固定手段9
は、ワークW1,W2を不動状態に固定し得れば良いも
のであり、前記構成に限ることなく種々の構成を採用し
得るものである。
作動して前記クランプアーム15の先端部を下方向に回
動作動することによって第1,第2のワークW1,W2
を支持テーブル3上に不動状態に押圧固定することがで
きる。また、前記クランプアーム15の先端部を上方向
に回動作動することにより、ワークW1,W2の押圧固
定を解除することができる。なお、ワーク固定手段9
は、ワークW1,W2を不動状態に固定し得れば良いも
のであり、前記構成に限ることなく種々の構成を採用し
得るものである。
【0027】前記第1,第2のワークW1,W2の接合
面の摩擦溶接を行うために、前記支持テーブル3の上方
位置には、溶接工具19を備えた加工ヘッド21が前後
方向(図1において紙面に対し垂直な方向)へ移動可能
かつ前後方向に傾斜可能に設けられている。
面の摩擦溶接を行うために、前記支持テーブル3の上方
位置には、溶接工具19を備えた加工ヘッド21が前後
方向(図1において紙面に対し垂直な方向)へ移動可能
かつ前後方向に傾斜可能に設けられている。
【0028】より詳細には、上記加工ヘッド21は、前
記溶接工具19を着脱交換可能のスピンドル23を回転
自在に備えていると共に、当該スピンドル23を駆動回
転するためのモータM1を備えている。さらに、上記ス
ピンドル23は、例えばドリリングマシンのスピンドル
と同様に、流体圧シリンダ等の作動によって軸方向に移
動可能に構成してある。スピンドル23を軸方向へ移動
する構成としては、加工ヘッド21に対してスピンドル
23が移動する構成であっても、加工ヘッド21が一体
的に移動する構成でも良いものである。
記溶接工具19を着脱交換可能のスピンドル23を回転
自在に備えていると共に、当該スピンドル23を駆動回
転するためのモータM1を備えている。さらに、上記ス
ピンドル23は、例えばドリリングマシンのスピンドル
と同様に、流体圧シリンダ等の作動によって軸方向に移
動可能に構成してある。スピンドル23を軸方向へ移動
する構成としては、加工ヘッド21に対してスピンドル
23が移動する構成であっても、加工ヘッド21が一体
的に移動する構成でも良いものである。
【0029】前記第1,第2のワークW1,W2の接合
面に沿って前記加工ヘッド21を相対的に前後方向へ移
動するための移動手段が設けてある。すなわち、本例に
おいては、前記支持テーブル3の上方位置のフレーム1
1には前後方向へ水平に延伸したガイド部材25が設け
てあり、このガイド部材25には前記加工ヘッド21を
適宜に支持したスライダ27が前後方向へ移動可能に支
持されている。そして、上記スライダ27の前後方向の
移動制御を行うために、スライダ移動機構が設けられて
いる。上記スライダ移動機構として、本例においてはサ
ーボモータ(図示省略)によって回転制御されるボール
ネジ29が前後方向に延伸して設けてあり、このボール
ネジ29には前記スライダ27に装着したボールナット
(図示省略)が移動可能に螺合してある。
面に沿って前記加工ヘッド21を相対的に前後方向へ移
動するための移動手段が設けてある。すなわち、本例に
おいては、前記支持テーブル3の上方位置のフレーム1
1には前後方向へ水平に延伸したガイド部材25が設け
てあり、このガイド部材25には前記加工ヘッド21を
適宜に支持したスライダ27が前後方向へ移動可能に支
持されている。そして、上記スライダ27の前後方向の
移動制御を行うために、スライダ移動機構が設けられて
いる。上記スライダ移動機構として、本例においてはサ
ーボモータ(図示省略)によって回転制御されるボール
ネジ29が前後方向に延伸して設けてあり、このボール
ネジ29には前記スライダ27に装着したボールナット
(図示省略)が移動可能に螺合してある。
【0030】上記構成により、サーボモータを制御して
ボールネジ29を適宜に回転制御することによってスラ
イダ27及び当該スライダ27に支持された加工ヘッド
21が前後方向へ移動され得ることが理解されよう。
ボールネジ29を適宜に回転制御することによってスラ
イダ27及び当該スライダ27に支持された加工ヘッド
21が前後方向へ移動され得ることが理解されよう。
【0031】なお、前記スライダ27を前後方向へ移動
するためのスライダ移動機構の構成は前述した構成に限
ることなく、例えばラック・ピニオン機構やエンドレス
のチェン,タイミングベルト等を使用した一般的な位置
決め機構を採用することもできるものである。
するためのスライダ移動機構の構成は前述した構成に限
ることなく、例えばラック・ピニオン機構やエンドレス
のチェン,タイミングベルト等を使用した一般的な位置
決め機構を採用することもできるものである。
【0032】前述のごとく加工ヘッド21を前後方向へ
移動するとき、加工ヘッド21に装着した前記溶接工具
19の先端部(下端部)が相対的な移動方向へ先行する
ように、加工ヘッド21は移動方向(本例においては前
後方向)に傾斜可能に構成してある。より詳細には、前
記スライダ27には、加工ヘッド21の移動方向である
前後方向に対して直交する左右方向の軸心回りに傾斜回
動可能の傾斜部材31が装着してあり、この傾斜部材3
1に前記加工ヘッド21が、常態においてはスピンドル
23の軸心が垂直であるように装着してある。
移動するとき、加工ヘッド21に装着した前記溶接工具
19の先端部(下端部)が相対的な移動方向へ先行する
ように、加工ヘッド21は移動方向(本例においては前
後方向)に傾斜可能に構成してある。より詳細には、前
記スライダ27には、加工ヘッド21の移動方向である
前後方向に対して直交する左右方向の軸心回りに傾斜回
動可能の傾斜部材31が装着してあり、この傾斜部材3
1に前記加工ヘッド21が、常態においてはスピンドル
23の軸心が垂直であるように装着してある。
【0033】前記傾斜部材31の回動中心は任意の位置
に設けることが可能であるが、本例においては、第1,
第2のワークW1,W2の接合面の摩擦溶接を行う際の
溶接工具19の先端付近,換言すれば支持テーブル3上
に支持された第1,第2のワークW1,W2の接合面の
位置付近を回動中心として回動するように構成してあ
る。
に設けることが可能であるが、本例においては、第1,
第2のワークW1,W2の接合面の摩擦溶接を行う際の
溶接工具19の先端付近,換言すれば支持テーブル3上
に支持された第1,第2のワークW1,W2の接合面の
位置付近を回動中心として回動するように構成してあ
る。
【0034】すなわち、前記スライダ27には、上述し
た回動中心を中心とする円弧状のガイド部材33が設け
てあり、前記傾斜部材31は上記ガイド部材33に沿っ
て移動可能に支持されている。そして、上記傾斜部材3
1の傾斜角を傾斜手段によって自動的に制御可能のよう
に、前記傾斜部材31には前記ガイド部材33と同心の
円弧状の例えばウォームギヤ又はラック等の被伝動部3
5が設けてあり、この被伝動部35には、サーボモータ
(図示省略)によって回転されるウォームホィール又は
ピニオン等のごとき伝動部材37が係合してある。
た回動中心を中心とする円弧状のガイド部材33が設け
てあり、前記傾斜部材31は上記ガイド部材33に沿っ
て移動可能に支持されている。そして、上記傾斜部材3
1の傾斜角を傾斜手段によって自動的に制御可能のよう
に、前記傾斜部材31には前記ガイド部材33と同心の
円弧状の例えばウォームギヤ又はラック等の被伝動部3
5が設けてあり、この被伝動部35には、サーボモータ
(図示省略)によって回転されるウォームホィール又は
ピニオン等のごとき伝動部材37が係合してある。
【0035】したがって、傾斜手段の1部を構成する上
記サーボモータを適宜に回転制御することにより、スラ
イダ27に対して傾斜部材31を回動傾斜し、スライダ
27の移動方向に対して加工ヘッド21を傾斜し得るこ
とが理解されよう。
記サーボモータを適宜に回転制御することにより、スラ
イダ27に対して傾斜部材31を回動傾斜し、スライダ
27の移動方向に対して加工ヘッド21を傾斜し得るこ
とが理解されよう。
【0036】なお、前記スライダ27に対して傾斜部材
31を回動傾斜する構成としては前述したごとき構成に
限るものではなく、例えばエアーシリンダのごとき流体
圧シリンダを使用して、傾斜部材31の回転傾斜を段階
的に行う構成とすることも可能である。また、傾斜部材
31の上部および下部を回動中心を中心とする円弧状に
形成し、この円弧状の部分を、スライダ27に設けた複
数のガイドローラ等のガイド部材によって案内する構成
とすることも可能である。すなわち、傾斜部材31を回
動傾斜するための傾斜手段の構成は種々の構成を採用す
ることができるものである。
31を回動傾斜する構成としては前述したごとき構成に
限るものではなく、例えばエアーシリンダのごとき流体
圧シリンダを使用して、傾斜部材31の回転傾斜を段階
的に行う構成とすることも可能である。また、傾斜部材
31の上部および下部を回動中心を中心とする円弧状に
形成し、この円弧状の部分を、スライダ27に設けた複
数のガイドローラ等のガイド部材によって案内する構成
とすることも可能である。すなわち、傾斜部材31を回
動傾斜するための傾斜手段の構成は種々の構成を採用す
ることができるものである。
【0037】前記溶接工具19は、例えば工具鋼等より
なるものであって、図2に示すように、大径の工具本体
41の基部側に、前記加工ヘッド21のスピンドル23
に着脱可能のシャンク部43を備えており、かつ上記工
具本体41の先端面には、前記第1,第2のワークW
1,W2の接合面との間の相対的な回転によって上記ワ
ークW1,W2の接合面に摩擦熱を発生せしめるための
プローブ45が設けてある。そして、上記工具本体41
の先端面には前記プローブ45を囲繞して環状の凹部4
7が形成してある。
なるものであって、図2に示すように、大径の工具本体
41の基部側に、前記加工ヘッド21のスピンドル23
に着脱可能のシャンク部43を備えており、かつ上記工
具本体41の先端面には、前記第1,第2のワークW
1,W2の接合面との間の相対的な回転によって上記ワ
ークW1,W2の接合面に摩擦熱を発生せしめるための
プローブ45が設けてある。そして、上記工具本体41
の先端面には前記プローブ45を囲繞して環状の凹部4
7が形成してある。
【0038】上記凹部47は、前記プローブ45に近接
した付近が深く、工具本体41の周縁側が浅くなるよう
にテーパ状に形成してあり、かつ前記先端面の外周縁、
すなわち、工具本体41の外周面と凹部47の周面との
接合部49は断面形状が円弧状の曲面に形成してある。
した付近が深く、工具本体41の周縁側が浅くなるよう
にテーパ状に形成してあり、かつ前記先端面の外周縁、
すなわち、工具本体41の外周面と凹部47の周面との
接合部49は断面形状が円弧状の曲面に形成してある。
【0039】前記プローブ45には、ねじ部45Sが形
成してある。このねじ部45Sは、プローブ45の周面
に螺旋状の溝又は螺旋状の突条を備えることによって構
成されている。上記ねじ部45Sは、溶接工具19の回
転方向に対して反対方向のねじ部に形成されている。す
なわち、溶接工具19を右回転(又は左回転)で使用す
る場合には左ねじ(又は右ねじ)に形成してある。さら
に、上記プローブ45の直径は、工具本体41の直径の
約1/2〜1/5程度に設けてあり、かつプローブ45
の先端部45Tは半球状の曲面に形成してある。
成してある。このねじ部45Sは、プローブ45の周面
に螺旋状の溝又は螺旋状の突条を備えることによって構
成されている。上記ねじ部45Sは、溶接工具19の回
転方向に対して反対方向のねじ部に形成されている。す
なわち、溶接工具19を右回転(又は左回転)で使用す
る場合には左ねじ(又は右ねじ)に形成してある。さら
に、上記プローブ45の直径は、工具本体41の直径の
約1/2〜1/5程度に設けてあり、かつプローブ45
の先端部45Tは半球状の曲面に形成してある。
【0040】なお、プローブ45の形状としては、先端
部がほぼ半球形状の曲面であれば、先端側が次第に細く
なるテーパ状であっても、全長に亘って同径のストレー
ト状であっても良いものである。
部がほぼ半球形状の曲面であれば、先端側が次第に細く
なるテーパ状であっても、全長に亘って同径のストレー
ト状であっても良いものである。
【0041】さらに、前記溶接工具19は、工具本体4
1の先端面に螺子孔53を形成し、この螺子孔53に対
してプローブ45を突出長さ調節可能に螺着し、かつ工
具本体41に螺着したセットスクリューのごとき固定具
55によって固定可能に構成してある。
1の先端面に螺子孔53を形成し、この螺子孔53に対
してプローブ45を突出長さ調節可能に螺着し、かつ工
具本体41に螺着したセットスクリューのごとき固定具
55によって固定可能に構成してある。
【0042】したがって、溶接工具19においては、工
具本体41の先端面からのプローブ45の突出長さが調
節可能であるので、ワークの板厚変化や溶接条件の変更
等に対して容易に対応可能である。また、溶接工具19
は、工具本体41の径を小さくし、かつプローブ45を
小径とする場合であっても、上記工具本体41の先端面
に凹部47を形成すること等が容易であり、薄板に対応
して小径にする場合に製作加工が容易なものである。
具本体41の先端面からのプローブ45の突出長さが調
節可能であるので、ワークの板厚変化や溶接条件の変更
等に対して容易に対応可能である。また、溶接工具19
は、工具本体41の径を小さくし、かつプローブ45を
小径とする場合であっても、上記工具本体41の先端面
に凹部47を形成すること等が容易であり、薄板に対応
して小径にする場合に製作加工が容易なものである。
【0043】なお、上記説明においては、工具本体41
に対してプローブ45の突出長さが調節可能な場合につ
いて例示したが、工具本体41に対してプローブ45を
一体に設けても良いものである。さらに、工具本体41
の冷却を行うために、工具本体41の周面に放熱フィン
等を設けても良いものである。
に対してプローブ45の突出長さが調節可能な場合につ
いて例示したが、工具本体41に対してプローブ45を
一体に設けても良いものである。さらに、工具本体41
の冷却を行うために、工具本体41の周面に放熱フィン
等を設けても良いものである。
【0044】以上のごとき構成において、第1,第2の
ワークW1,W2の接合面の摩擦溶接を行うには、第
1,第2のワークW1,W2の前後方向に延伸した接合
面F1,F2を当て金7上において接合し又は僅かに離
れた状態に位置決めし、左右のワーク固定手段9によっ
てワークW1,W2を支持テーブル3上に不動状態に固
定する。
ワークW1,W2の接合面の摩擦溶接を行うには、第
1,第2のワークW1,W2の前後方向に延伸した接合
面F1,F2を当て金7上において接合し又は僅かに離
れた状態に位置決めし、左右のワーク固定手段9によっ
てワークW1,W2を支持テーブル3上に不動状態に固
定する。
【0045】次に、加工ヘッド21のスピンドル23を
駆動回転し、当該スピンドル23に取付けた溶接工具1
9を回転せしめ、この溶接工具19のプローブ45を前
記接合面F1,F2の接合部に臨ませると共に、工具本
体41の先端面によってワークW1,W2の表面を押圧
することにより、上記プローブ45と接合面F1,F2
との間の相対的な回転によってワークW1,W2の接合
面F1,F2に摩擦熱が発生し、この摩擦熱によって接
合面F1,F2の部分が軟化される。
駆動回転し、当該スピンドル23に取付けた溶接工具1
9を回転せしめ、この溶接工具19のプローブ45を前
記接合面F1,F2の接合部に臨ませると共に、工具本
体41の先端面によってワークW1,W2の表面を押圧
することにより、上記プローブ45と接合面F1,F2
との間の相対的な回転によってワークW1,W2の接合
面F1,F2に摩擦熱が発生し、この摩擦熱によって接
合面F1,F2の部分が軟化される。
【0046】上述のごとくワークW1,W2の接合面F
1,F2が軟化した後、接合面F1,F2に沿って加工
ヘッド21を前後方向へ移動することにより、ワークW
1,W2の接合部の摩擦溶接が行われる。この際、工具
本体41の先端面でワークW1,W2の表面を押圧して
いるものの、上記先端面には凹部47が形成してあるの
で、主としてプローブ45の周囲に、図3に示すように
軟化領域57が形成されるものである。
1,F2が軟化した後、接合面F1,F2に沿って加工
ヘッド21を前後方向へ移動することにより、ワークW
1,W2の接合部の摩擦溶接が行われる。この際、工具
本体41の先端面でワークW1,W2の表面を押圧して
いるものの、上記先端面には凹部47が形成してあるの
で、主としてプローブ45の周囲に、図3に示すように
軟化領域57が形成されるものである。
【0047】ところで、ワークW1,W2の接合部に沿
って溶接工具19を移動するとき、ワークW1,W2の
表面に対して溶接工具19の軸心が垂直であると、溶接
工具19の移動方向(矢印A方向)の前側にワークの盛
り上りPを生じる傾向にあり、加工ヘッド21を移動す
る際に大きな負荷となる。
って溶接工具19を移動するとき、ワークW1,W2の
表面に対して溶接工具19の軸心が垂直であると、溶接
工具19の移動方向(矢印A方向)の前側にワークの盛
り上りPを生じる傾向にあり、加工ヘッド21を移動す
る際に大きな負荷となる。
【0048】そこで、ワークW1,W2の接合部に沿っ
て加工ヘッド21を移動するときには、傾斜手段によっ
て、スライダ27に対して傾斜部材31を回動傾斜する
ものである。上記加工ヘッド21の傾斜方向は、溶接工
具19におけるプローブ45の先端部が進行方向(移動
方向)に先行するように、垂直に対してわずかに角度θ
だけ傾斜するものである。
て加工ヘッド21を移動するときには、傾斜手段によっ
て、スライダ27に対して傾斜部材31を回動傾斜する
ものである。上記加工ヘッド21の傾斜方向は、溶接工
具19におけるプローブ45の先端部が進行方向(移動
方向)に先行するように、垂直に対してわずかに角度θ
だけ傾斜するものである。
【0049】上述のように、加工ヘッド21,溶接工具
19を傾斜すると、溶接工具19における工具本体41
の先端面は進行方向の前側が高くなるように傾斜するこ
ととなり、前述した盛り上りPの発生を防止できるもの
である。また、上述のように、溶接工具19を傾斜する
ことにより、工具本体41の先端面に形成された凹部4
7は、溶接工具19の進行方向の前側が高くなって開放
され、進行方向に見たとき左右両側は進行方向の後側が
次第に低くなるように閉塞する態様となり、摩擦によっ
て軟化した部分を抱き込む効果を生じ、軟化部分を周辺
に拡散することを抑制するものである。
19を傾斜すると、溶接工具19における工具本体41
の先端面は進行方向の前側が高くなるように傾斜するこ
ととなり、前述した盛り上りPの発生を防止できるもの
である。また、上述のように、溶接工具19を傾斜する
ことにより、工具本体41の先端面に形成された凹部4
7は、溶接工具19の進行方向の前側が高くなって開放
され、進行方向に見たとき左右両側は進行方向の後側が
次第に低くなるように閉塞する態様となり、摩擦によっ
て軟化した部分を抱き込む効果を生じ、軟化部分を周辺
に拡散することを抑制するものである。
【0050】そして、前記凹部47に抱き込まれた態様
の軟化部分は、工具本体41の先端面の矢印A方向への
進行方向の後側の低い部分によって下方向へ押圧される
態様となり、前記プローブ45の移動方向の後側を効果
的に埋めることとなって摩擦溶接を確実に行うことがで
きるものである。この際、工具本体41の先端面の周縁
部49は断面形状が円弧状の曲面に形成してあるので、
軟化した部分を押圧した状態で移動するとき、軟化した
部分を移動方向へ引摺り移動せしめるようなことがな
く、溶接面を良好に仕上げるものである。
の軟化部分は、工具本体41の先端面の矢印A方向への
進行方向の後側の低い部分によって下方向へ押圧される
態様となり、前記プローブ45の移動方向の後側を効果
的に埋めることとなって摩擦溶接を確実に行うことがで
きるものである。この際、工具本体41の先端面の周縁
部49は断面形状が円弧状の曲面に形成してあるので、
軟化した部分を押圧した状態で移動するとき、軟化した
部分を移動方向へ引摺り移動せしめるようなことがな
く、溶接面を良好に仕上げるものである。
【0051】さらに、前述したように摩擦溶接を行う
際、プローブ45には、溶接工具19の回転方向に対し
て逆方向の螺旋状の溝又は突条よりなるねじ部45Sが
形成されているので、ワークW1,W2の軟化した部分
は、下方向(プローブの先端側方向)へ流動するように
指向され、プローブ45の回転及び移動によるキャビテ
ーションの発生を防止でき、気泡の発生を効果的に防止
することができるものである。
際、プローブ45には、溶接工具19の回転方向に対し
て逆方向の螺旋状の溝又は突条よりなるねじ部45Sが
形成されているので、ワークW1,W2の軟化した部分
は、下方向(プローブの先端側方向)へ流動するように
指向され、プローブ45の回転及び移動によるキャビテ
ーションの発生を防止でき、気泡の発生を効果的に防止
することができるものである。
【0052】またさらに、プローブ45の径は工具本体
41の径の約1/2〜1/5程度としてあるので、前記
軟化領域57に対して工具本体41の径が大きすぎず、
また小さすぎることなく最適な径とすることができ、溶
接部の品質向上に有益である。
41の径の約1/2〜1/5程度としてあるので、前記
軟化領域57に対して工具本体41の径が大きすぎず、
また小さすぎることなく最適な径とすることができ、溶
接部の品質向上に有益である。
【0053】ところで、前述のごとく摩擦溶接を行うと
き、プローブ45の先端部とワークの裏面の間隔Cは、
図3に示すように、軟化領域57が裏面に達する範囲と
することが望ましい。上記間隔Cを上述のように設定す
ると、ワークの軟化した部分が裏面に流動することなく
裏面を平面に保持して溶接することができるものであ
る。
き、プローブ45の先端部とワークの裏面の間隔Cは、
図3に示すように、軟化領域57が裏面に達する範囲と
することが望ましい。上記間隔Cを上述のように設定す
ると、ワークの軟化した部分が裏面に流動することなく
裏面を平面に保持して溶接することができるものであ
る。
【0054】ワークの裏面に亘って確実に溶接されたこ
とを目視確認したい場合には、前記間隔Cを零またはプ
ローブ45の先端部をワークの裏面に僅かに突出した状
態に保持して摩擦溶接を行うことが望ましい。この場合
には、ワークの軟化した部分がワークの裏面に流動し、
裏面に僅かな膨みを生じることになり、この膨みを目視
することによって溶接の確実性を確認することができ
る。
とを目視確認したい場合には、前記間隔Cを零またはプ
ローブ45の先端部をワークの裏面に僅かに突出した状
態に保持して摩擦溶接を行うことが望ましい。この場合
には、ワークの軟化した部分がワークの裏面に流動し、
裏面に僅かな膨みを生じることになり、この膨みを目視
することによって溶接の確実性を確認することができ
る。
【0055】ところで、図4に示すように、例えばワー
クW1とワークW2とをT字形状(又はL字形状)に突
き合せて溶接する場合であって、かつ端部付近に例えば
障害物等があって加工ヘッド29をワークW1,W2の
端部まで移動することができない場合には、次のように
することによって摩擦溶接を行うことができる。
クW1とワークW2とをT字形状(又はL字形状)に突
き合せて溶接する場合であって、かつ端部付近に例えば
障害物等があって加工ヘッド29をワークW1,W2の
端部まで移動することができない場合には、次のように
することによって摩擦溶接を行うことができる。
【0056】すなわち、プローブ45の突出長さがワー
クW2の板厚より長くなるように予め調節する。または
プローブ45が長い溶接工具19を用い、上記プローブ
45の先端部をワークW2の表面のスタート位置Sに接
触押圧せしめ、溶接工具19を回転することによってワ
ークW2の表面に摩擦熱を発生せしめる。そして、ワー
クW2の表面が摩擦熱によって軟化するに従って、矢印
で示すように、プローブ45をワークW2に埋没す
る。
クW2の板厚より長くなるように予め調節する。または
プローブ45が長い溶接工具19を用い、上記プローブ
45の先端部をワークW2の表面のスタート位置Sに接
触押圧せしめ、溶接工具19を回転することによってワ
ークW2の表面に摩擦熱を発生せしめる。そして、ワー
クW2の表面が摩擦熱によって軟化するに従って、矢印
で示すように、プローブ45をワークW2に埋没す
る。
【0057】上述のようにプローブ45を埋没すると、
プローブ45の先端部はワークW1にも達しており、ワ
ークW1,W2の接合部は共に軟化した状態となる。し
たがって、次に溶接工具19の上部側を矢印方向へ僅
かに傾斜すると共に矢印方向へ移動して接合部の摩擦
溶接を行う。この際、溶接工具19におけるプローブ4
5の先端部付近を傾斜回動の中心としてあるので、矢印
方向への溶接工具19の傾斜時にプローブ45の先端
部が大きく上下に変動することがない。よって、プロー
ブ45の先端部の上下方向の位置制御がほとんど不要で
あり、矢印方向への溶接工具19の回動傾斜と同時に
矢印方向への移動を開始することできる。
プローブ45の先端部はワークW1にも達しており、ワ
ークW1,W2の接合部は共に軟化した状態となる。し
たがって、次に溶接工具19の上部側を矢印方向へ僅
かに傾斜すると共に矢印方向へ移動して接合部の摩擦
溶接を行う。この際、溶接工具19におけるプローブ4
5の先端部付近を傾斜回動の中心としてあるので、矢印
方向への溶接工具19の傾斜時にプローブ45の先端
部が大きく上下に変動することがない。よって、プロー
ブ45の先端部の上下方向の位置制御がほとんど不要で
あり、矢印方向への溶接工具19の回動傾斜と同時に
矢印方向への移動を開始することできる。
【0058】上述のごとく溶接工具19を矢印方向へ
移動してワークW1,W2の接合部の摩擦溶接を行い、
終点Eに達したときに、溶接工具19を矢印方向へ回
動してワークに対して垂直状態にした後、矢印方向へ
移動してワークW1からプローブ45を抜き取ることに
より、ワークW1,W2の接合部の摩擦溶接は終了す
る。
移動してワークW1,W2の接合部の摩擦溶接を行い、
終点Eに達したときに、溶接工具19を矢印方向へ回
動してワークに対して垂直状態にした後、矢印方向へ
移動してワークW1からプローブ45を抜き取ることに
より、ワークW1,W2の接合部の摩擦溶接は終了す
る。
【0059】上記説明より理解されるように、上記方法
においては、ワークの両端間の任意の位置からワークの
接合部の摩擦溶接を行うことができるものである。
においては、ワークの両端間の任意の位置からワークの
接合部の摩擦溶接を行うことができるものである。
【0060】なお、上記説明は、ワークW1,W2をT
字形に接合した場合について説明したが、ワークの両端
間の任意の位置から接合部の溶接を開始することは溶接
部の継手形状に拘ることなく実施し得るものである。
字形に接合した場合について説明したが、ワークの両端
間の任意の位置から接合部の溶接を開始することは溶接
部の継手形状に拘ることなく実施し得るものである。
【0061】なお、パイプ等の外周に沿って溶接を行う
ときは、パイプ等の径方向に対して溶接工具を角度θだ
け傾斜すれば良いものである。
ときは、パイプ等の径方向に対して溶接工具を角度θだ
け傾斜すれば良いものである。
【0062】
【発明の効果】以上のごとき説明より理解されるよう
に、請求項1に係る発明は、溶接工具に備えたプローブ
を溶接すべきワークの接合部に臨ませ、上記溶接工具を
回転して前記プローブとワークとの間に摩擦熱を生じせ
しめ、この摩擦熱によってワークの接合部を軟化して溶
接を行う方法において、ワークに対して溶接工具を接合
部に沿って相対的に移動するとき、相対的な移動方向へ
前記プローブの先端部が先行するように溶接工具をワー
クに対して僅かに傾斜して溶接を行う摩擦溶接方法であ
るから、溶接工具において先端面にプローブを備えた大
径の工具本体の上記先端面が、溶接工具の進行方向の前
側が高くなるように傾斜するものであり、溶接工具の移
動側の前側にワークの盛り上りを生じることがないと共
に、摩擦熱によって軟化した部分を後側の低い部分にお
いて加圧することができるものである。
に、請求項1に係る発明は、溶接工具に備えたプローブ
を溶接すべきワークの接合部に臨ませ、上記溶接工具を
回転して前記プローブとワークとの間に摩擦熱を生じせ
しめ、この摩擦熱によってワークの接合部を軟化して溶
接を行う方法において、ワークに対して溶接工具を接合
部に沿って相対的に移動するとき、相対的な移動方向へ
前記プローブの先端部が先行するように溶接工具をワー
クに対して僅かに傾斜して溶接を行う摩擦溶接方法であ
るから、溶接工具において先端面にプローブを備えた大
径の工具本体の上記先端面が、溶接工具の進行方向の前
側が高くなるように傾斜するものであり、溶接工具の移
動側の前側にワークの盛り上りを生じることがないと共
に、摩擦熱によって軟化した部分を後側の低い部分にお
いて加圧することができるものである。
【0063】請求項2に係る発明においては、溶接工具
に備えたプローブを溶接すべきワークの接合部に臨ま
せ、上記溶接工具を回転して前記プローブとワークとの
間に摩擦熱を生じせしめ、この摩擦熱によってワークの
接合部を軟化して溶接を行う方法において、回転してい
る溶接工具のプローブの先端部をワーク表面に接触せし
め、上記プローブとワークとの間において摩擦熱を発生
せしめる(a)工程と、ワークが摩擦熱によって軟化し
たときにプローブ全体が埋没するように上記プローブを
ワークに没入する(b)工程と、溶接工具を回転しつつ
ワークの接合部に沿って溶接工具を相対的に移動すると
き、相対的な移動方向へプローブの先端部が先行するよ
うに溶接工具をワークに対して僅かに傾斜して溶接を行
う(c)工程の各工程よりなる摩擦溶接方法であるか
ら、ワークの両端面間の任意の位置からワークの接合部
の溶接を行うことができると共に、請求項1に記載の発
明と同様の効果を奏し得るものである。
に備えたプローブを溶接すべきワークの接合部に臨ま
せ、上記溶接工具を回転して前記プローブとワークとの
間に摩擦熱を生じせしめ、この摩擦熱によってワークの
接合部を軟化して溶接を行う方法において、回転してい
る溶接工具のプローブの先端部をワーク表面に接触せし
め、上記プローブとワークとの間において摩擦熱を発生
せしめる(a)工程と、ワークが摩擦熱によって軟化し
たときにプローブ全体が埋没するように上記プローブを
ワークに没入する(b)工程と、溶接工具を回転しつつ
ワークの接合部に沿って溶接工具を相対的に移動すると
き、相対的な移動方向へプローブの先端部が先行するよ
うに溶接工具をワークに対して僅かに傾斜して溶接を行
う(c)工程の各工程よりなる摩擦溶接方法であるか
ら、ワークの両端面間の任意の位置からワークの接合部
の溶接を行うことができると共に、請求項1に記載の発
明と同様の効果を奏し得るものである。
【0064】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
記載の発明において、溶接工具におけるプローブの先端
部をワークの裏面から内側に僅かに離隔した状態に保持
して溶接を行う摩擦溶接方法であるから、ワークの軟化
した部分がワークの裏面へ突出するように流動すること
を抑制でき、ワークの裏面の溶接面を平面に維持しての
溶接を行うことができ、例えば研削等の後工程を省略す
るとが可能になるものである。
記載の発明において、溶接工具におけるプローブの先端
部をワークの裏面から内側に僅かに離隔した状態に保持
して溶接を行う摩擦溶接方法であるから、ワークの軟化
した部分がワークの裏面へ突出するように流動すること
を抑制でき、ワークの裏面の溶接面を平面に維持しての
溶接を行うことができ、例えば研削等の後工程を省略す
るとが可能になるものである。
【0065】請求項4に係る発明は、請求項1又は2に
記載の発明において、溶接工具におけるプローブの先端
部をワークの裏面にほぼ一致した状態に保持して溶接を
行う摩擦溶接方法であるから、ワークの軟化した部分が
ワークの裏面へ僅かに流動し、裏面に溶接による僅かな
膨らみを生じることとなり、裏面に達するまでの溶接が
行われたことを目視によっ確認できるものである。
記載の発明において、溶接工具におけるプローブの先端
部をワークの裏面にほぼ一致した状態に保持して溶接を
行う摩擦溶接方法であるから、ワークの軟化した部分が
ワークの裏面へ僅かに流動し、裏面に溶接による僅かな
膨らみを生じることとなり、裏面に達するまでの溶接が
行われたことを目視によっ確認できるものである。
【0066】請求項5に係る発明は、溶接すべき第1,
第2のワークの接合面を接合した状態又は上記接合面を
僅かに離れた状態に保持してワークを支持する支持テー
ブルと、上記第1,第2のワークを上記支持テーブルに
不動状態に固定可能のワーク固定手段と、前記第1,第
2のワークの接合面との間の相対的な回転によって摩擦
熱を生じせしめるためのプローブを備えた溶接工具を支
持するスピンドルと、上記スピンドルを駆動回転可能に
備えた加工ヘッドと、前記第1,第2のワークの接合面
に沿って上記加工ヘッドを相対的に移動するための移動
手段と、上記加工ヘッドの相対的な移動方向に対して前
記スピンドルを僅かに回動傾斜するための傾斜手段と、
を備えてなる摩擦溶接装置であるから、ワークの接合面
に沿って加工ヘッドを相対的に移動するとき、ワークに
対してスピンドルを僅かに傾斜することができ、このス
ピンドルに支持された溶接工具をワークに対して僅かに
傾斜しての摩擦溶接を容易に行い得るものである。
第2のワークの接合面を接合した状態又は上記接合面を
僅かに離れた状態に保持してワークを支持する支持テー
ブルと、上記第1,第2のワークを上記支持テーブルに
不動状態に固定可能のワーク固定手段と、前記第1,第
2のワークの接合面との間の相対的な回転によって摩擦
熱を生じせしめるためのプローブを備えた溶接工具を支
持するスピンドルと、上記スピンドルを駆動回転可能に
備えた加工ヘッドと、前記第1,第2のワークの接合面
に沿って上記加工ヘッドを相対的に移動するための移動
手段と、上記加工ヘッドの相対的な移動方向に対して前
記スピンドルを僅かに回動傾斜するための傾斜手段と、
を備えてなる摩擦溶接装置であるから、ワークの接合面
に沿って加工ヘッドを相対的に移動するとき、ワークに
対してスピンドルを僅かに傾斜することができ、このス
ピンドルに支持された溶接工具をワークに対して僅かに
傾斜しての摩擦溶接を容易に行い得るものである。
【0067】請求項6に係る発明は、請求項5に記載の
発明において、スピンドルの回動傾斜のための回動中心
は、当該スピンドルに取付けた溶接工具による溶接時の
プローブの先端付近に設定してなるものであるから、ス
ピンドルを回動傾斜するとき、プローブの先端部が上下
に大きく移動するようなことがなく、スピンドルの傾斜
を容易に行い得るものである。
発明において、スピンドルの回動傾斜のための回動中心
は、当該スピンドルに取付けた溶接工具による溶接時の
プローブの先端付近に設定してなるものであるから、ス
ピンドルを回動傾斜するとき、プローブの先端部が上下
に大きく移動するようなことがなく、スピンドルの傾斜
を容易に行い得るものである。
【0068】請求項7に係る発明は、工作機械等のスピ
ンドルへの取付部としてのシャンク部を備えた大径の工
具本体の先端面に、溶接すべきワークとの間の相対的な
回転によって上記ワークに摩擦熱を生じせしめるための
プローブを突出して備えてなる溶接工具において、前記
工具本体の先端面に、前記プローブを囲繞して環状の凹
部を形成してなるものであるから、ワークに対して溶接
工具を傾斜した状態に保持し相対的に移動して摩擦溶接
を行うとき、ワークの摩擦によって軟化した部分を先端
面の下側へ抱き込む効果を生じ、軟化した部分が周辺に
拡散することを抑制すると共に、溶接工具の移動方向の
後側を効果的に埋めることができ、確実な摩擦溶接を行
うことができるものである。
ンドルへの取付部としてのシャンク部を備えた大径の工
具本体の先端面に、溶接すべきワークとの間の相対的な
回転によって上記ワークに摩擦熱を生じせしめるための
プローブを突出して備えてなる溶接工具において、前記
工具本体の先端面に、前記プローブを囲繞して環状の凹
部を形成してなるものであるから、ワークに対して溶接
工具を傾斜した状態に保持し相対的に移動して摩擦溶接
を行うとき、ワークの摩擦によって軟化した部分を先端
面の下側へ抱き込む効果を生じ、軟化した部分が周辺に
拡散することを抑制すると共に、溶接工具の移動方向の
後側を効果的に埋めることができ、確実な摩擦溶接を行
うことができるものである。
【0069】請求項8に係る発明は、請求項7に記載の
発明において、プローブは工具本体に対して突出長さ調
節可能に取付けてあるから、ワークの板厚が変化する場
合に容易に対応可能である。
発明において、プローブは工具本体に対して突出長さ調
節可能に取付けてあるから、ワークの板厚が変化する場
合に容易に対応可能である。
【0070】請求項9に係る発明は、請求項7又は8に
記載の発明において、プローブには螺旋状の溝又は突条
を備えているものであるから、ワークの摩擦によって軟
化した部分をプローブの先端側へ流動するように指向す
ることができ、プローブの回転及び移動によるキャビテ
ーションの発生を防止し、気泡の発生等を防止でき、溶
接部の信頼性の向上を図ることができるものである。
記載の発明において、プローブには螺旋状の溝又は突条
を備えているものであるから、ワークの摩擦によって軟
化した部分をプローブの先端側へ流動するように指向す
ることができ、プローブの回転及び移動によるキャビテ
ーションの発生を防止し、気泡の発生等を防止でき、溶
接部の信頼性の向上を図ることができるものである。
【0071】請求項10に係る発明は、請求項7,8又
は9に記載の発明において、プローブの直径は工具本体
の直径の約1/2〜1/5程度であるから、プローブの
回転による摩擦によってワークの軟化される領域に対し
て工具本体の径が大きすぎることにより、軟化されてな
い部分と工具本体の先端部との摩擦が大きくなるという
ようなことがなく、また、軟化した部分の周辺への拡散
を効果的に抑制するこができる。
は9に記載の発明において、プローブの直径は工具本体
の直径の約1/2〜1/5程度であるから、プローブの
回転による摩擦によってワークの軟化される領域に対し
て工具本体の径が大きすぎることにより、軟化されてな
い部分と工具本体の先端部との摩擦が大きくなるという
ようなことがなく、また、軟化した部分の周辺への拡散
を効果的に抑制するこができる。
【0072】請求項11に係る発明は、請求項7,8,
9又は10に記載の発明において、工具本体の周面に放
熱フィンを備えているものであるから、プローブの径が
小さく高速回転を行う場合、放熱フィンからの放熱を効
果的に行うことができ、摩擦熱によって工具自体が高温
になることを防止できることは勿論のこと、ワークの軟
化部分が必要以上に高温になることを抑制でき、上記軟
化部分を適性温度範囲に保持することが容易である。
9又は10に記載の発明において、工具本体の周面に放
熱フィンを備えているものであるから、プローブの径が
小さく高速回転を行う場合、放熱フィンからの放熱を効
果的に行うことができ、摩擦熱によって工具自体が高温
になることを防止できることは勿論のこと、ワークの軟
化部分が必要以上に高温になることを抑制でき、上記軟
化部分を適性温度範囲に保持することが容易である。
【0073】請求項12に係る発明は、請求項7,8,
9,10又は11に記載の発明において、工具本体にお
ける先端面の外周縁は断面形状が円弧状の曲面に形成さ
れているから、溶接工具を傾斜して移動するとき、ワー
クの軟化した部分を移動方向へ引摺り移動せしめること
がないものである。
9,10又は11に記載の発明において、工具本体にお
ける先端面の外周縁は断面形状が円弧状の曲面に形成さ
れているから、溶接工具を傾斜して移動するとき、ワー
クの軟化した部分を移動方向へ引摺り移動せしめること
がないものである。
【図1】本発明に係る摩擦溶接装置の構成を機能的,概
念的に示した正面図である。
念的に示した正面図である。
【図2】本発明に係る溶接工具を示す正面図で、1部断
面して例示してある。
面して例示してある。
【図3】ワークの摩擦溶接の状態を示す説明図である。
【図4】ワークの摩擦溶接方法の1例を示す説明図であ
る。
る。
1 摩擦溶接装置 3 支持テーブル 7 当て金 9 ワーク固定手段 11 フレーム 19 溶接工具 21 加工ヘッド 23 スピンドル 27 スライダ 31 傾斜部材 41 工具本体 43 シャンク部 45 プローブ 47 凹部 57 軟化領域 W1,W2 ワーク
Claims (12)
- 【請求項1】 溶接工具に備えたプローブを溶接すべき
ワークの接合部に臨ませ、上記溶接工具を回転して前記
プローブとワークとの間に摩擦熱を生じせしめ、この摩
擦熱によってワークの接合部を軟化して溶接を行う方法
において、ワークに対して溶接工具を接合部に沿って相
対的に移動するとき、相対的な移動方向へ前記プローブ
の先端部が先行するように溶接工具をワークに対して僅
かに傾斜して溶接を行うことを特徴とする摩擦溶接方
法。 - 【請求項2】 溶接工具に備えたプローブを溶接すべき
ワークの接合部に臨ませ、上記溶接工具を回転して前記
プローブとワークとの間に摩擦熱を生じせしめ、この摩
擦熱によってワークの接合部を軟化して溶接を行う方法
において、(a)回転している溶接工具のプローブの先
端部をワーク表面に接触せしめ、上記プローブとワーク
との間において摩擦熱を発生せしめる工程、(b)ワー
クが摩擦熱によって軟化したときにプローブ全体が埋没
するように上記プローブをワークに没入する工程、
(c)溶接工具を回転しつつワークの接合部に沿って溶
接工具を相対的に移動するとき、相対的な移動方向へプ
ローブの先端部が先行するように溶接工具をワークに対
して僅かに傾斜して溶接を行う工程、 の各工程よりなることを特徴とする摩擦溶接方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の発明において、
溶接工具におけるプローブの先端部をワークの裏面から
内側に僅かに離隔した状態に保持して溶接を行うことを
特徴とする摩擦溶接方法。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載の発明において、
溶接工具におけるプローブの先端部をワークの裏面にほ
ぼ一致した状態に保持して溶接を行うことを特徴とする
摩擦溶接方法。 - 【請求項5】 溶接すべき第1,第2のワークの接合面
を接合した状態又は上記接合面を僅かに離れた状態に保
持してワークを支持する支持テーブルと、上記第1,第
2のワークを上記支持テーブルに不動状態に固定可能の
ワーク固定手段と、前記第1,第2のワークの接合面と
の間の相対的な回転によって摩擦熱を生じせしめるため
のプローブを備えた溶接工具を支持するスピンドルと、
上記スピンドルを駆動回転可能に備えた加工ヘッドと、
前記第1,第2のワークの接合面に沿って上記加工ヘッ
ドを相対的に移動するための移動手段と、上記加工ヘッ
ドの相対的な移動方向に対して前記スピンドルを僅かに
回動傾斜するための傾斜手段と、を備えてなることを特
徴とする摩擦溶接装置。 - 【請求項6】 請求項5に記載の発明において、スピン
ドルの回動傾斜のための回動中心は、当該スピンドルに
取付けた溶接工具による溶接時のプローブの先端付近に
設定してなることを特徴とする摩擦溶接装置。 - 【請求項7】 工作機械等のスピンドルへの取付部とし
てのシャンク部を備えた大径の工具本体の先端面に、溶
接すべきワークとの間の相対的な回転によって上記ワー
クに摩擦熱を生じせしめるためのプローブを突出して備
えてなる溶接工具において、前記工具本体の先端面に、
前記プローブを囲繞して環状の凹部を形成してなること
を特徴とする溶接工具。 - 【請求項8】 請求項7に記載の発明において、プロー
ブは工具本体に対して突出長さ調節可能に取付けてある
ことを特徴とする溶接工具。 - 【請求項9】 請求項7又は8に記載の発明において、
プローブには螺旋状の溝又は突条を備えていることを特
徴とする溶接工具。 - 【請求項10】 請求項7,8又は9に記載の発明にお
いて、プローブの直径は工具本体の直径の約1/2〜1
/5程度であることを特徴とする溶接工具。 - 【請求項11】 請求項7,8,9又は10に記載の発
明において、工具本体の周面に放熱フィンを備えている
ことを特徴とする溶接工具。 - 【請求項12】 請求項7,8,9,10又は11に記
載の発明において、工具本体における先端面の外周縁は
断面形状が円弧状の曲面に形成されていることを特徴と
する溶接工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5318997A JPH10249552A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 摩擦溶接方法および装置並びに溶接に使用する溶接工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5318997A JPH10249552A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 摩擦溶接方法および装置並びに溶接に使用する溶接工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10249552A true JPH10249552A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=12935939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5318997A Pending JPH10249552A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 摩擦溶接方法および装置並びに溶接に使用する溶接工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10249552A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001170782A (ja) * | 1999-12-15 | 2001-06-26 | Hitachi Ltd | 摩擦接合装置及び摩擦接合方法 |
US6352193B1 (en) | 2000-08-01 | 2002-03-05 | General Electric Company | Apparatus for joining electrically conductive materials |
EP1188508A2 (en) * | 2000-09-13 | 2002-03-20 | Hitachi, Ltd. | Friction stir welding |
US6540128B2 (en) | 2001-04-04 | 2003-04-01 | Hitachi, Ltd. | Friction stir welding method and apparatus, and welded structure |
KR100711778B1 (ko) | 2005-12-26 | 2007-04-25 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 마찰 교반 점 용접장치 |
WO2009126981A1 (de) * | 2008-04-14 | 2009-10-22 | Technische Universität Graz | Vorrichtung und verfahren zum rührreibpunktschweissen zweier werkstücke mit einem einen lösbaren reibbelag aufweisenden hohlzylinder und einem werkzeug |
EP2162806A1 (de) * | 2007-07-27 | 2010-03-17 | Matec Maschinenbau Gmbh | Numerisch gesteuerte werkzeugmaschine |
JP4536992B2 (ja) * | 2002-03-20 | 2010-09-01 | 川崎重工業株式会社 | スポット接合方法 |
JP2010264479A (ja) * | 2009-05-14 | 2010-11-25 | Osg Corp | 摩擦攪拌接合用ツール |
KR101143933B1 (ko) * | 2009-06-05 | 2012-05-09 | 최준웅 | 교환 가능한 마찰교반접합용 공구 |
JP2015131322A (ja) * | 2014-01-14 | 2015-07-23 | 日本軽金属株式会社 | 摩擦攪拌接合方法 |
JP2015196180A (ja) * | 2014-04-01 | 2015-11-09 | 日本軽金属株式会社 | 伝熱板の製造方法及び摩擦攪拌接合方法 |
US20190126384A1 (en) * | 2017-11-02 | 2019-05-02 | GM Global Technology Operations LLC | Method and apparatus for joining components with friction pins |
JP2020121339A (ja) * | 2019-01-31 | 2020-08-13 | アイシン高丘株式会社 | 摩擦撹拌接合用工具及びそれを用いた摩擦撹拌接合装置、並びに摩擦撹拌接合方法 |
-
1997
- 1997-03-07 JP JP5318997A patent/JPH10249552A/ja active Pending
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6557746B2 (en) | 2000-09-13 | 2003-05-06 | Hitachi, Ltd. | Friction stir bonding method |
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DE112006003552B4 (de) * | 2005-12-26 | 2011-02-17 | Research Institute Of Industrial Science & Technology, Pohang | Rührreibpunktschweissvorrichtung |
KR100711778B1 (ko) | 2005-12-26 | 2007-04-25 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 마찰 교반 점 용접장치 |
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