JP3401499B2 - 摩擦撹拌を用いた接合装置 - Google Patents
摩擦撹拌を用いた接合装置Info
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- JP3401499B2 JP3401499B2 JP2001097278A JP2001097278A JP3401499B2 JP 3401499 B2 JP3401499 B2 JP 3401499B2 JP 2001097278 A JP2001097278 A JP 2001097278A JP 2001097278 A JP2001097278 A JP 2001097278A JP 3401499 B2 JP3401499 B2 JP 3401499B2
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Description
属部材を摩擦により溶融及び撹拌する接合装置に関す
る。
状にプレス成形された金属部材を重ね合わせ、電気抵抗
溶接やアーク溶接、接着剤、ボルト締結、リベット等に
よって接合している。
合、複数点在する接合部分に対して局所的に接合できる
スポット溶接が用いられる。
で摩擦撹拌する接合方法が特許第2712838号公報
に開示されている。この接合技術は、2つの部材を突き
合わせた接合面にプローブと呼ばれる突出部を回転させ
ながら挿入及び並進させ、接合面近傍の金属組織を摩擦
熱により可塑化させて結合するものである。
び特開2000−15426には、シリンダヘッドのシ
リンダブロックに対する合わせ面などの鋳物の表面処理
において、先端のショルダ部に突出部を設けた回転ツー
ルを回転させながら圧入して、熱により非溶融の状態で
撹拌する表面処理方法が開示されている。
擦撹拌接合では、回転ツールの回転数や加圧力をむやみ
に上げられないこと、固定ツールにおける部材に当接す
る受け面の面積が回転ツールの先端部から突出する突出
部の面積に比べて大きいため、加圧力が受け面の全面に
分散されること、回転ツールの回転による摩擦熱が受け
面の全面に放熱されてしまうことなどにより、接合に時
間を要するという問題がある。
目的は、接合部分の放熱を抑え、接合時間を短縮して接
合状態を安定化できる摩擦撹拌を用いた接合装置を提供
することである。
的を達成するために、本発明の摩擦撹拌を用いた接合装
置は、第1ツール部と、この第1ツール部より小さい面
積で、当該第1ツール部の先端部から突出する第2ツー
ル部とを備える回転ツールを回転させて、第1部材と第
2部材とを重ね合わせた接合部分を局所的に摩擦により
撹拌させて接合する摩擦撹拌を用いた接合装置におい
て、前記第1及び第2部材を前記回転ツールとで挟むよ
うに、当該回転ツールに対向して配置され、当該回転ツ
ールとの離間距離が可変となるように固定ツールが設け
られ、前記固定ツールにおける前記回転ツールに対向す
る先端部を、少なくとも前記回転ツールの第1ツール部
の断面積より小さく形成する。
部は、前記回転ツールの第2ツール部の先端部と略同面
積とされ、当該固定ツールは、当該固定ツールの先端部
から反回転ツール側になるほど断面積が拡大するように
形成されている。
部は、曲面状に形成されている。
当該第1ツール部から第2ツール部に向かって、同心で
且つ段差を形成するように小径となるショルダ部を備え
る。
れば、第1及び第2部材を回転ツールとで挟むように、
回転ツールに対向して配置され、固定ツールにおける回
転ツールに対向する先端部を、少なくとも回転ツールの
第1ツール部の断面積より小さく形成することにより、
接合部分の放熱を抑え、接合時間を短縮して接合状態を
安定化できる。
端部は、回転ツールの第2ツール部の先端部と略同面積
とされ、固定ツールは、固定ツールの先端部から反回転
ツール側になるほど断面積が拡大するように形成されて
いることにより、固定ツールの先端部が磨耗した時に削
り出しを行って再利用できる。
端部は、曲面状に形成されていることにより、部材への
応力集中と沈み込みの低減を図ることができ、また、部
材に対して当接する角度が多少ずれたとしても点や線で
はなく面で受けを作るように構成できるので、接合強度
のバラツキを抑え、安定した接合品質を容易に確保する
ことができる。
は、第1ツール部から第2ツール部に向かって、同心で
且つ段差を形成するように小径となるショルダ部を備え
ることにより、3枚以上或いは総板厚の大きいの重ね合
わせ接合が可能となる。
いて、添付図面を参照して詳細に説明する。
の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を
逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したもの
に適用可能である。[摩擦撹拌による接合方法]図1
は、本発明に係る実施形態の摩擦撹拌による接合方法を
説明する概念図である。
接合方法は、例えば、アルミニウム合金などの板状の部
材同士の接合に適用され、少なくとも2枚の部材を重ね
合わせて、最外表面の第1部材W1に回転ツール1をそ
の軸心まわりに回転(旋回)させながら加圧して圧入す
ることにより、その重ね合わされた第1及び第2部材W
1、W2間の部材組織を摩擦熱により溶融及び撹拌して
接合するものである。
転ツール1とで挟むように、回転ツール1に対向して配
置され、回転ツール1との離間距離が可変となるように
固定ツール10が設けられている。
材(超硬合金等)で形成された非摩耗型工具であるが、
部材は回転ツール1より軟質の材質であれば、アルミニ
ウム合金に限定されない。また、固定ツール10は、例
えば、鋼材や銅材などから形成される。
ショルダ部2から突出する突出部3を備え、回転ツール
1と固定ツール10とで第1及び第2部材W1、W2を
挟むように、設定された回転数で回転ツール1を回転さ
せながら突出部2を所定の加圧力で第1及び第2部材W
1、W2に圧入し、これら部材内部において突出部3が
回転することによりその周辺部分の部材組織を切削して
発熱させる。更に、突出部3により切削された切子が両
ツール1,10により部材内部に留められて撹拌されて
周辺の部材組織や突出部3に衝突することにより発熱さ
せ、また、第1ショルダ部2を所定の加圧力で圧入して
回転させることにより発熱させて切子を溶融させ、その
周辺部の部材組織の塑性流動を促進させつつ、所定の加
圧力及び回転数で所定時間保持することで単位面積当た
りの加圧力を高めて塑性流動容積を増加させ、回転ツー
ル1を回転させたまま部材から抜くことで塑性流動して
いた部材組織が冷却されて接合される。
で、前サイクルで突出部3の周辺部分に付着した部材組
織が溶融して、次サイクルの撹拌で材料として供給され
る。
面積を小さくすることで加圧力を高めつつ、固定ツール
10への放熱を抑え、塑性流動容積を増加させて部材の
結合力を高めている。
にプレス成形された自動車鋼板などの重ね継ぎ手(例え
ば、後部ドアのアウタパネルとレインフォースメント)
の局所的な接合に適している。即ち、プレス成形により
部材が複雑な3次元形状を有し、回転ツール1を連続し
て移動できないような複数点在する接合部分に対して、
本実施形態の接合方法を用いることにより局所的に接合
でき、プレス成形後であっても接合可能となる。
接に用いられていた溶接電流、冷却水、エアなどが一切
不要になり、接合に要するエネルギ消費を大幅に低減す
ることができる。また、上述のようなエネルギ源として
の装置や設備が不要となるため、大幅な設備投資の低減
を図ることができる。
ンを流用でき、接合部材の制約、接合強度や生産効率の
いずれについても従来と同等以上の能力を容易に達成す
ることができる。
合方法を説明する概念図である。
2部材W1、W2を回転ツール1と固定ツール10’と
で挟むように配置し、最外表面の第1部材W1に回転ツ
ール1をその軸心まわりに回転させながら加圧して圧入
する手順は本発明と同様であるが、その重ね合わされた
第1及び第2部材W1、W2間の部材組織を摩擦熱によ
り非溶融の状態で撹拌して接合する点で異なるものであ
る。
に含有される各成分或いは共晶化合物の中で最も融点が
低いものよりもさらに低い温度下で摩擦熱により金属組
織を軟化させて攪拌することを意味する。
拌するので、電気抵抗溶接等で発生する熱歪み等の問題
を解消するというメリットがある。
転ツール1の回転数や加圧力をむやみに上げられないこ
と、固定ツール10’における第2部材W2に当接する
受け面11’の面積が回転ツール1の先端部から突出す
る突出部3の面積に比べて大きいため、加圧力が受け面
11’の全面に分散されること、回転ツール1の回転に
よる摩擦熱が受け面11’の全面に放熱されてしまうこ
となどにより、接合に時間(例えば、2〜3秒)を要す
るというデメリットがある。
摩擦撹拌のために回転ツール1の回転数や加圧力を上げ
ることができるようにし、更に、固定ツール10におけ
る受け面11を少なくとも回転ツール1の突出部3の断
面積より小さく形成して、放熱を抑えて部材内部の蓄熱
効率を高めており、これにより切子の溶融や塑性流動を
促進して接合に要する時間(例えば、0.3〜0.5
秒)を短縮できるというメリットがある。
に示すように、部材の重ね合わせ枚数が多くなるほど部
材の総厚が大きくなるため、重ね合わせ枚数に応じて長
くしていく必要があるが、例えば、図4に示すように、
2枚の重ね合わせ接合用の長さの突出部3を持つ回転ツ
ール1を3枚の重ね合わせ接合に適用した場合、接合時
間を短くすると中間部材W2と下部材W3の撹拌量が不
足して強度が確保できなくなり(図4(a)参照)、逆
に接合時間を長くすると上部材W1の板厚減少量が大き
くなりすぎて上部材W1と中間部材W2との間の強度が
確保できなくなり(図4(b)参照)、いずれの場合で
も部材の重ね合わせ枚数の少ないときに用いるツールを
枚数の多い接合に用いることはできない。
ように、回転ツール1の先端部から突出部3に向かっ
て、同心で且つ少なくとも1つの段差を形成するように
小径となる第2及び第3ショルダ部4,5を設けること
により、突出部3の長さは2枚の重ね合わせ用のまま
で、3枚以上或いは総板厚の大きいの重ね合わせ接合を
可能としている。
の加圧状態を考察すると、図7に示す受け面11がフラ
ットのものでは、その角部12に応力が集中して固定ツ
ール10の部材Wへの沈み込み量が増加する。このた
め、本発明では、図8に示すように、固定ツール10の
受け面11を曲面状にして角部12を滑らかに形成した
ことで、部材Wへの応力集中と沈み込みの低減を図って
いる。また、受け面11を曲面状に形成することで部材
Wに対して当接する角度が多少ずれたとしても点や線で
はなく面で受けを作るように構成できるので、接合強度
のバラツキを抑え、安定した接合品質を容易に確保する
ことができる。[接合に用いる回転ツール]図9及び図
10は、本発明に係る実施形態の摩擦撹拌接合に用いる
回転ツールの外観図である。図11は、本発明に係る実
施形態の摩擦撹拌接合に用いる固定ツールの正面図であ
る。
が2枚程度で、総厚が比較的小さい接合に用いられるも
ので、円筒状の第1ショルダ部2(第1ツール部に相当
する)と、この第1ショルダ部2より小径(或いは、小
さい断面積)で、当該第1ショルダ2の先端部2aから
同一軸心で突出する円筒状の突出部3(第2ツール部に
相当する)とを備える。
わせ枚数が3枚以上で、総厚が大きい接合に用いられる
もので、円筒状の第1ショルダ部2と、この第1ショル
ダ部2より小径(或いは、小さい断面積)で、当該第1
ショルダ部2の先端部2aから同一軸心で突出する円筒
状の突出部3と、当該第1ショルダ部2から突出部3に
向かって、同心で且つ段差を形成するように徐々に小径
となる円筒状の第2及び第3ショルダ部4,5を備え
る。
ルダ部2の直径φは5〜13mm程度、突出部3の直径
φは2〜5mm程度に設定される。
ョルダ部2の直径φは13〜16mm程度、第2ショル
ダ部4の直径φは10〜13mm程度、第3ショルダ部
5の直径φは5〜10mm程度、突出部3の直径φは2
〜5mm程度に設定される。
めに、突出部3の外周面に螺旋状或いは平行な溝を形成
してもよい。螺旋状溝の場合には、部材内部に部材組織
を押し込む方向に溝を形成すればよい。
1から反回転ツール側になるほど断面積が拡大するよう
にテーパ状に形成された拡径部13を備え、受け面11
(I部)は、突出部2との加圧作用点のずれを吸収でき
るようにR30〜50mm程度の曲面状に形成されてい
る。
成することで、様々な重ね合わせ枚数や総板厚の接合に
おいてもツールを交換せずに行うことができ、従来のツ
ール交換により発生していた接合時間のロスを削減する
ことができる。また、使用するツールの種類も低減され
るので、ツール購入/加工費や維持管理費などのコスト
が削減できる。
いて、受け面11の直径φは7〜13mm程度、拡径部
13の大径部分の直径φは13〜16mm程度、小径部
分のの直径φは、受け面11から拡径部13に向かっ
て、夫々の寸法に従ってテーパ状に拡大している。拡径
部13をテーパ状にしたことで、固定ツールの先端部が
磨耗した時に削り出しを行って再利用できる。
の取り付けブラケットを示す正面図である。
出部2側の端面には先細りのテーパ穴6が形成され、そ
のテーパ穴6の周囲に等間隔(例えば、軸心まわりに9
0°ごと)に回り止めガイド溝7が形成されている。ま
た、取り付けブラケット20の回転ツール1側の端面は
先細りのテーパ状に形成され、そのテーパ面21の周囲
に上記回り止めガイド溝7に嵌り合う回り止めガイド2
2が突設されている。
止めガイド溝7とが、取り付けブラケット20のテーパ
面21と回り止めガイド22に夫々嵌り合うことで両者
が固定され、回り止めガイド溝7とガイド22とが嵌り
合うことにより互いに相対回転しないように構成され
る。
が固定された状態で略同径φ13〜16mm程度の一体
的な軸状になるように形成され、その長さは接合する部
材に適した長さに設定される。また、取り付けブラケッ
ト20の反回転ツール側の端面には、直径φが10〜1
3mm程度のロボット装着部23が延設され、このロボ
ット装着部23を不図示の多関節ロボットのモータ軸に
ホルダなどを介して取り付けることで回転ツール1と共
に回転駆動される。
多関節ロボットの概略図である。
は、ベース31に設けられた関節32に連結されてy軸
中心に揺動すると共に、関節33でz軸中心に回転する
第1アーム34と、関節35を介して第1アーム34に
連結されてy軸中心に揺動すると共に、関節36でx軸
中心に回転する第2アーム37と、関節38を介して第
2アーム37に連結されてy軸中心に揺動する第3アー
ム39とを有する。
0が取り付けられている。この接合ガン50には、回転
ツール1が回転可能に取り付けられると共に、回転ツー
ル1を回転駆動するモータ51と、回転ツール1に対向
するように固定ツール10が取り付けられる。回転ツー
ル1と固定ツール10の間隔はアクチュエータ52によ
り可変となっており、接合時の部材に対する加圧力やツ
ール回転数を制御して3枚以上の重ね合わせ接合にも適
用できるように構成されている。
アクチュエータの動作は、予めティーチングされて動力
/制御ケーブル61を介してロボット制御部60がコン
トロールする。
である。
ンアーム55の下端部から横方向に延びる下端アーム5
6に取り付けブラケット57を介して固定ツール10が
取り付けられている。
ツール1を回転及び上下方向に駆動する駆動ユニット5
8が取り付けられている。駆動ユニット58は、上下駆
動モータ52を駆動源とするボールネジ機構54により
上下方向にガイドされるガイドテーブル53を備え、ガ
イドテーブル53には回転駆動モータ51が固定されて
いる。回転ツール1は、この回転駆動モータ51の回転
軸51aにホルダなどを介して取り付けられ、固定ツー
ル10と対向するように配置される。
52及びボールネジ機構54によるガイドテーブル53
の移動により上下方向に可動し、回転駆動モータ51に
より回転駆動される。
ン、回転駆動モータ、上下駆動モータ、回転ツールな
ど)の制御パラメータから設備異常が要因となって発生
する接合不具合を防止し、接合する部材の動摩擦係数や
部材に与える負荷(加圧力、回転数、ツール接触径な
ど)から発熱量を算出し、この発熱量と回転ツールの部
材への押し込み量(板厚減少量)との関係から接合中に
接合品質を判定するように構成され、全ての接合につい
て非破壊にて検査が行え、製造ライン(インライン)内
での品質保証の判定が可能となっている。 [接合制御]次に、本実施形態の摩擦撹拌による接合制
御方法について説明する。
合制御方法を説明するフローチャートである。
接合する素材の組み合わせや板厚に基づいて、回転ツー
ルの回転数、加圧力、接合時間などの接合条件を予め実
験などにより設定したデータベースから好適な接合条件
を算出する。
を開始する。
転数に到達するのを待ち、到達したならば、ステップS
7に進み、回転ツールを下降させて部材への加圧を開始
する。ツール回転数は、回転駆動モータのエンコーダ値
から算出される。また、加圧力は、上下駆動モータのフ
ィードバック電流値から算出される。更に、予め実験な
どにより設定されたガンアームたわみ補正テーブルと上
下駆動モータのエンコーダ値から回転ツールと固定ツー
ルのツール間距離を算出する。
圧力に到達し、上記ツール間距離から回転ツールの突出
部の部材への圧入完了を検出したならば、回転ツールの
ショルダ部が部材に接触した状態で回転して発熱する。
するツール先端位置(押し込み量)を算出すると共に、
ステップS13で回転ツールに加わる負荷を算出する。
み量)は、上記ツール間距離から算出される。また、回
転ツールに加わる負荷は、回転駆動モータのフィードバ
ック電流値から算出される。
監視しながら上部材の板厚減少量を算出し、所定の基準
値を超えたときに接合条件(加圧力、回転数)を補正或
いは変更することにより接合不具合(接合強度低下)を
招くような板厚減少を低減する。また、ステップS13
で算出された回転ツールのツール先端位置に適するよう
に接合条件(加圧力、回転数)を補正或いは変更する。
正(変更)された接合条件で、ステップS1で設定され
た接合時間に到達するまでステップS13〜S17まで
の接合処理を保持し、この接合時間経過後に接合を完了
する。
のときに必要な上下駆動モータの電流値の関係を予めテ
ーブルに設定しておき、このテーブルにより加圧力補正
式を算出することにより制御されている。そして、加圧
時の上下駆動モータのフィードバック電流を検出し、こ
のフィードバック電流値と加圧力補正式から加圧力が算
出できる。
み量)は、図19に示すように、上記欠損確認時の基準
位置における上下駆動モータのエンコーダ値と、現在回
転ツールがある位置での同モータのエンコーダ値とを比
較して算出される。また、ツール間距離は、図19に示
すように、予め加圧力とガンアームたわみ量の関係をテ
ーブルに設定しておき、このテーブルからたわみ補正式
を求め、接合時に発生する加圧力を上下駆動モータのフ
ィードバック電流値とたわみ補正式により算出し、この
加圧力により加圧したときのガンアームのたわみ量をた
わみ補正式から算出する。そして、このガンアームたわ
み量と上記回転ツールのツール先端位置の関係からツー
ル間距離が算出される。
ールに加わる負荷に応じて変更してもよい。
負荷から接合状態を検出し、この接合状態に適した接合
条件(加圧力、回転数、接合時間)の制御を行うこと
で、接合する素材の組み合わせや板厚に適した塑性流動
を発生させて接合不具合を低減し、安定した接合品質を
確保できる。[品質保証方法]次に、本実施形態の摩擦
撹拌による接合方法における品質保証方法ついて説明す
る。
における品質保証方法を説明するフローチャートであ
る。
は、実際の接合に入る前に、部材を介在させないで回転
ツール1の突出部2が部材に当接する位置を算出する。
で算出された当接位置と予め決められた基準位置と比較
して、回転ツール1における突出部2の磨耗による欠損
確認を実行する。
1を用い、この回転ツール1が固定ツール10に接触し
て所定加圧力になった時の位置とする。そして、当接位
置が基準位置を所定量超えたときに欠損ありと判定され
る。
ると判定されると、ステップS25に進んで、異常とし
てその後のロボット動作が停止される。
なしと判定されると、ステップS27で本プログラムを
起動して、接合処理を開始する。
動を開始する。
ーダ値から回転ツールが設定された回転数に到達したな
らば、ステップS37に進み、回転ツール1を下降させ
て部材への加圧を開始する。また、所定時間経過しても
設定された回転数に到達しないならば、ステップS35
で異常としてその後のロボット動作が停止される。
加圧力に到達したならば、回転ツールのショルダ部が部
材に接触した状態で回転して発熱を開始し、ステップS
43で突出部2の部材に対するツール先端位置(押し込
み量)を算出すると共に、ステップS45で回転ツール
に加わる負荷を算出する。また、所定時間経過しても設
定された加圧力に到達しないならば、ステップS41で
異常としてその後のロボット動作が停止される。
のときに必要な上下駆動モータの電流値の関係を予めテ
ーブルに設定しておき、このテーブルにより加圧力補正
式を算出することにより制御されている。そして、加圧
時の上下駆動モータのフィードバック電流を検出し、こ
のフィードバック電流値と加圧力補正式から加圧力が算
出できる。
み量)は、図19に示すように、上記欠損確認時の基準
位置における上下駆動モータのエンコーダ値と、現在回
転ツールがある位置での同モータのエンコーダ値とを比
較して算出される。また、ツール間距離は、図19に示
すように、予め加圧力とガンアームたわみ量の関係をテ
ーブルに設定しておき、このテーブルからたわみ補正式
を求め、接合時に発生する加圧力を上下駆動モータのフ
ィードバック電流値とたわみ補正式により算出し、この
加圧力により加圧したときのガンアームのたわみ量をた
わみ補正式から算出する。そして、このガンアームたわ
み量と上記回転ツールのツール先端位置の関係からツー
ル間距離が算出される。
状態での回転駆動モータのフィードバック電流値と、回
転駆動モータのエンコーダで検出される回転数の関係か
ら各回転数ごとの基準電流を予めテーブルに設定してお
き、このテーブルから基準電流算出式を求め、この基準
電流算出式から求めた基準電流と、接合時の回転駆動モ
ータのフィードバック電流値の下記の関係式1から算出
される。 (式1) 接合時の負荷=接合時の回転駆動モータのフィードバッ
ク電流値−基準電流 ステップS47では、上記回転ツールのツール先端位置
と予め記憶された接合特性ファイル(図18参照)から
加圧による部材の板厚減少量を算出する。
圧力、ツール回転数、部材の表面抵抗(動摩擦係数)及
びツール接触径から摩擦撹拌による発熱量を算出する。
熱量とを監視しながら接合品質を判定し、接合完了時に
品質保証不可と判定されたならば、オペレータに接合不
具合を警報して手直しを行う。上記板厚減少量は接合強
度の大小を決定する要因となる。なぜならば、接合後の
残存板厚の大小が接合強度に大きく影響するからであ
る。
離を引いた値が総板厚減少量となり、この総板厚減少量
に板厚減少比率(上部材の板厚減少量/総板厚減少量)
を乗じることにより上部材の板厚減少量を算出する。ま
た、総板厚減少量から上部材の板厚減少量を引くことで
下部材の板厚減少量を算出する(下記の関係式2〜4参
照)。板厚減少比率は、予め実験などにより求めた比率
を設定しておく。 (式2) 総板厚減少量=総板厚−ツール間距離 (式3) 上部材の板厚減少量=総板厚減少量×板厚減少比率(上
部材の板厚減少量/総板厚減少量) (式4) 下部材の板厚減少量=総板厚減少量−上部材の板厚減少
量 図18は加圧力と接合強度との関係を示し、接合条件
A,B,Cにおいて接合強度が下限値を超えた場合に品
質保証可、下回る場合に品質保証不可と判定する。 [接合品質判定方法]次に、上記ステップS51での接
合品質判定方法について説明する。
における品質保証方法を説明するフローチャートであ
る。
は、ステップS49で算出された発熱量を実験などによ
り予め求めた発熱量と接合部面積(若しくは、直径な
ど)の算出式に代入して接合部面積を算出する。同時
に、ステップS53では、ステップS47で算出された
板厚減少量が予め設定された基準値内であるか判定し、
当該基準値内であれば、ステップS57で接合部面積の
強度判定を行い、基準値を超えるならば接合強度の確保
が難しいとして品質保証不可と判定して、オペレータに
接合不具合を警報して手直しを行う。
は、予め記憶された接合特性ファイル(図18参照)か
ら接合部面積が基準値内か判定し、当該基準値内であれ
ば品質保証可と判定して接合を完了し、基準値を超える
ならば接合強度の確保が難しいとして品質保証不可と判
定して、オペレータに接合不具合を警報して手直しを行
う。
していくと、ある地点Pから接合強度が低下していく。
これは、板厚減少量が大きくなって接合強度に影響を及
ぼすからであり、この接合強度が低下する地点Pを基準
値として接合条件(加圧力、回転数)が決定される。
合ガン、回転駆動モータ、上下駆動モータ、回転ツール
など)の制御パラメータから設備異常が要因となって発
生する接合不具合を検出できる。また、接合する部材の
動摩擦係数や部材に与える負荷(加圧力、回転数、ツー
ル接触径など)から発熱量を算出し、この発熱量と回転
ツールの部材への押し込み量(板厚減少量)との関係か
ら接合中に接合品質を判定することにより、全ての接合
について非破壊にて検査が行え、製造ライン(インライ
ン)内での品質保証の判定が可能となる。
トに対応する接合制御方法、接合保証方法、接合品質判
定方法を実行するためのコンピュータプログラムや当該
プログラムコードが格納された記憶媒体を、コンピュー
タに供給して、当該コンピュータが記憶媒体に格納され
たプログラムコードを読み出して、上記実施形態の処理
を実行するようにしてもよい。
法を説明する概念図である。
する概念図である。
回転ツールでの接合の様子を示す図である。
回転ツールで3枚の重ね合わせ接合を時間を変化させて
行った場合の接合の様子を示す図である。
ね合わせ接合を行った場合の接合の様子を示す図であ
る。
ね合わせ接合を行った場合の接合の様子を示す図であ
る。
材への影響を示す図である。
への影響を示す図である。
回転ツールの外観図である。
る回転ツールの外観図である。
る固定ツールの正面図である。
ラケットを示す正面図である。
トの概略図である。
説明するフローチャートである。
保証方法を説明するフローチャートである。
保証方法を説明するフローチャートである。
たわみ量の関係を説明する図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 第1ツール部と、この第1ツール部より
小さい面積で、当該第1ツール部の先端部から突出する
第2ツール部とを備える回転ツールを回転させて、第1
部材と第2部材とを重ね合わせた接合部分を局所的に摩
擦により撹拌させて接合する摩擦撹拌を用いた接合装置
において、 前記第1及び第2部材を前記回転ツールとで挟むよう
に、当該回転ツールに対向して配置され、当該回転ツー
ルとの離間距離が可変となるように固定ツールが設けら
れ、前記固定ツールにおける前記回転ツールに対向する
先端部を、少なくとも前記回転ツールの第1ツール部の
断面積より小さく形成することを特徴とする摩擦撹拌を
用いた接合装置。 - 【請求項2】 前記固定ツールの先端部は、前記回転ツ
ールの第2ツール部の先端部と略同面積とされ、当該固
定ツールは、当該固定ツールの先端部から反回転ツール
側になるほど断面積が拡大するように形成されているこ
とを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌を用いた接合
装置。 - 【請求項3】 前記固定ツールの先端部は、曲面状に形
成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
摩擦撹拌を用いた接合装置。 - 【請求項4】 前記第1ツール部は、当該第1ツール部
から第2ツール部に向かって、同心で且つ段差を形成す
るように小径となるショルダ部を備えることを特徴とす
る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の摩擦撹拌を用
いた接合装置。
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Cited By (1)
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2001
- 2001-03-29 JP JP2001097278A patent/JP3401499B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Title |
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C.Schilling et al.,A PRELIMINARY INVESTIGATION ON THE STATIC PROPERTIES OF FRICTON STIR SPOT WELDS,Second Internaticnal Symposium on Friction Stir Welding,英国,The Welding Institute,2000年 6月26日 |
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