JPH11104860A - 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置 - Google Patents

摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合装置

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JPH11104860A
JPH11104860A JP26879897A JP26879897A JPH11104860A JP H11104860 A JPH11104860 A JP H11104860A JP 26879897 A JP26879897 A JP 26879897A JP 26879897 A JP26879897 A JP 26879897A JP H11104860 A JPH11104860 A JP H11104860A
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Application number
JP26879897A
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English (en)
Inventor
Kouzou Michisaka
浩三 道阪
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Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K20/00Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating
    • B23K20/12Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding
    • B23K20/122Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding
    • B23K20/123Controlling or monitoring the welding process
    • B23K20/1235Controlling or monitoring the welding process with temperature control during joining

Abstract

(57)【要約】 【課題】 継手強度を回復させる際に溶体化処理及び焼
入れ処理を省略することのできる摩擦撹拌接合法及び摩
擦撹拌接合装置を提供すること。 【解決手段】 この摩擦撹拌接合法は、接合部材1,2 の
接合予定部位3に回転するプローブ12を挿入し、プロー
ブとの接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プロ
ーブ挿入状態で、プローブ12を接合予定部位3に沿って
移動させ、あるいはプローブ12が順次、接合予定部位3
を通過するように接合部材1,2 を移動させることによ
り、接合部材1,2 を接合するものである。その際、前記
プローブ12により接合された直後の接合部4を強制冷却
しながら、摩擦撹拌接合を行う。また、この摩擦撹拌接
合装置は、前記プローブ12により接合された直後の接合
部4を強制冷却する冷却装置40がプローブ12に近傍配置
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム又
はその合金材等の金属材からなる接合部材の突合せ継手
接合、重ね継手接合、T継手接合等に用いられる摩擦撹
拌接合法及び摩擦撹拌接合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、アルミニウムの2000系合
金、6000系合金、7000系合金等の熱処理合金か
らなる接合部材は、主にTIG溶接、MIG溶接等の溶
融溶接により接合されていた。しかしながら、この溶融
溶接では、入熱量がかなり大きいことから、熱歪み、熱
影響部(HAZ)の割れ等の接合不良を生じる虞があ
る。加えて、この溶融溶接法は、接合部材の接合予定部
位と溶加材とを溶融状態にして接合するものであること
から、接合部は加工硬化や析出硬化がなくなっていわゆ
る焼なまし状態となり、接合継手の強度が低下するとい
う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年開発され
た、接合部材の接合予定部位に回転するプローブを挿入
して接合する固相接合法としての摩擦撹拌接合法は、上
記の溶融溶接のように接合予定部位等を溶融状態にして
接合するものではなく、接合予定部位を摩擦熱にて軟化
させかつプローブによりその軟化部を撹拌することによ
り接合するものであることから、入熱量が小さく、上記
溶融溶接のような熱歪み、HAZ割れ等の接合不良を生
じることはないが、やはり摩擦熱に起因して接合継手の
強度が若干低下するという問題があった。
【0004】このように継手強度が低下した場合には、
溶体化処理、焼入れ処理、時効硬化処理を順次、遂行し
て強度を回復しなければならず、面倒な作業が強いられ
る。
【0005】この発明は、上記のような技術的背景に鑑
みてなされたもので、継手強度を回復させる際に溶体化
処理及び焼入れ処理を省略することのできる摩擦撹拌接
合法及び摩擦撹拌接合装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に係る摩擦撹拌接合法は、接合部材の接合
予定部位に回転するプローブを挿入し、プローブとの接
触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プローブ挿入
状態で、プローブを接合予定部位に沿って移動させ、あ
るいはプローブが順次、接合予定部位を通過するように
接合部材を移動させることにより、接合部材を接合する
ものであって、前記プローブにより接合された直後の接
合部を強制冷却しながら、摩擦撹拌接合を行うことを特
徴とするものである。
【0007】すなわち、発明者は次のような知見に基づ
いてこの発明を完成させた。つまり、摩擦撹拌接合によ
れば、プローブとの接触により軟化撹拌された軟化撹拌
部は、摩擦熱によって接合部材の融点よりも若干低い温
度まで温度上昇するが、この温度は接合部材の溶体化処
理温度に略等しい。例えば、接合部材がアルミニウム合
金からなる場合では、軟化撹拌部の温度は、溶体化処理
温度に略等しい温度である約500℃まで上昇する。し
たがって、この軟化撹拌部が固化して接合部となった直
後にその接合部を強制冷却すれば、焼入れ処理を実施し
たものと同等の効果を奏するものとなる。
【0008】而して、この発明に係る摩擦撹拌接合法
は、上記のような構成であるので、プローブにより接合
された直後の接合部は、強制的に冷却されて焼入れ状態
となり得る。そして、この冷却が接合部の形成に伴って
順次遂行されていき、最終的に接合部全域が焼入れ状態
となる。そのため、継手強度を回復させる際に、接合部
の溶体化処理及び焼入れ処理を実施する必要がなくな
り、強度回復の際の作業能率が向上する。そして、こう
して得られた接合継手は、適当な時効硬化処理を実施す
ることにより、所期強度の接合継手が得られる。
【0009】また、この発明に係る摩擦撹拌接合装置
は、接合部材の接合予定部位に回転するプローブを挿入
し、プローブとの接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しな
がら、プローブ挿入状態で、プローブを接合予定部位に
沿って移動させ、あるいはプローブが順次、接合予定部
位を通過するように接合部材を移動させることにより、
接合部材の接合を行うものとなされたものであって、前
記プローブにより接合された直後の接合部を強制冷却す
る冷却装置が、プローブに近接配置されていることを特
徴とするものである。
【0010】これによれば、上記方法と同様に、プロー
ブにより接合された直後の接合部は、冷却装置によって
強制的に冷却されて焼入れ状態となり得る。そして、こ
の冷却装置による冷却が接合部の形成に伴って順次遂行
されていき、最終的に接合部全域が焼入れ状態となる。
そのため、継手強度を回復させる際に、接合部の溶体化
処理及び焼入れ処理を実施する必要がなくなり、強度回
復の際の作業能率が向上する。そして、こうして得られ
た接合継手は、適当な時効硬化処理を実施することによ
り、所期強度の接合継手が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図1〜図3に示
した一実施形態に基づいて説明する。
【0012】この実施形態は、この発明に係る摩擦撹拌
接合装置を用い、2個の長尺な板状接合部材(1)
(2)の突合せ接合を行うことによって、広幅長尺な接
合物を製作しようとするものである。
【0013】前記各接合部材(1)(2)は、例えば肉
厚4mmのA6N01S−T5のアルミニウム合金押出
形材からなる。そして、図1に示すように、幅方向の一
端面同士が突き合わされた状態となっている。(3)
は、両接合部材(1)(2)の突合せ部である。また、
各接合部材(1)(2)の突き合わされた側縁部には、
図3に示すように上面側に膨出した厚肉部(1a)(2
a)が形成されている。このように突合せ状態に配置し
た2個の接合部材(1)(2)は、この実施形態の摩擦
撹拌接合装置によって、突合せ部(3)において摩擦撹
拌接合されるものである。
【0014】まず、この摩擦撹拌接合装置について説明
する。
【0015】これらの図において、(10)は接合工具
である。この接合工具(10)は、径大の円柱状回転子
(11)と、該回転子(11)の端部軸線(Q)上に一
体に設けられた径小のピン状プローブ(12)とを有
し、前記回転子(11)を回転させることによりプロー
ブ(12)も回転させうるものとなされている。また、
前記プローブ(12)及び回転子(11)は、両接合部
材(1)(2)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦
熱に耐えうる耐熱材料によって形成されている。また、
前記プローブ(12)の周面には、突合せ部(3)の撹
拌用凹凸(図示せず)が形成されている。なお、(11
a)は、回転子(11)のプローブ側平坦面からなる肩
部である。
【0016】(20)は受けローラである。この受けロ
ーラ(20)は、前記接合工具(10)のプローブ(1
2)に対向して配置されるとともに、その周面を両接合
部材(1)(2)の突合せ部(3)裏面に当接する当接
面とする円柱状のものである。また、この受けローラ
(20)は、回転駆動されるものであって、図示しない
駆動機構を備え、両接合部材(1)(2)をその長さ方
向の一方向(矢印5の方向)側に移動させる駆動ローラ
としても機能するものとなされている。
【0017】かかる構成の接合工具(10)及び受けロ
ーラ(20)は、次のように配置されている。
【0018】前記接合工具(10)は、そのプローブ
(12)を下方に向ける態様にして配置されている。そ
して、両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に上面
からプローブ(12)を挿入した状態になっている。
【0019】前記接合工具(10)のプローブ(12)
の下方には、前記受けローラ(20)が、両接合部材
(1)(2)の長さ方向に直交する態様に、かつ周面を
突合せ部(3)裏面に当接させる態様にして配置されて
いる。この受けローラ(20)の長さは、突き合わされ
た両接合部材(1)(2)の幅よりも若干く長く設定さ
れ、突合せ部(3)裏面を安定良く受け得るものとなさ
れるとともに、両接合部材(1)(2)を確実に支持し
得るものとなされている。
【0020】このように接合工具(10)のプローブ
(12)と受けローラ(20)とが配置されることによ
って、両接合部材(1)(2)は、受けローラ(20)
とプローブ(12)との間に介在されて、両接合部材
(1)(2)の突合せ部(3)裏面が前記受けローラ
(20)の周面に当接支持されるとともに、突合せ部
(3)にプローブ(12)が挿入された態様となされ
る。そして、この状態のままで、受けローラ(20)の
駆動力と後記する駆動ローラ(21)(22)の駆動力
により、突合せ部(3)が順次プローブ(12)を通過
するように長さ方向の一方向(矢印5の方向)側に移動
するものとなされている。
【0021】ここで、前記接合工具(10)のプローブ
(12)を、その先端と受けローラ(20)の周面との
距離が0.05〜0.4mmの範囲になるように配置す
るのが望ましい。かかる距離が0.05mm未満では、
プローブ(12)の先端と受けローラ(20)の周面と
が不本意に接触して受けローラ(20)やプローブ(1
2)を疵付けてしまう虞があり、一方0.4mmを超え
ると、前記受けローラ(20)の周面に当接支持される
両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)裏面との距離
が長くなり過ぎて、突合せ部(3)裏面近傍が軟化撹拌
されなくなり、この部分において接合不良となる虞があ
るからである。
【0022】さらに、前記接合工具(10)は、図2に
示すように、その回転子(11)の軸線(Q)を、受け
ローラ(20)の周面における両接合部材(1)(2)
の突合せ部(3)裏面との当接部に対向する方向(P)
から、両接合部材(1)(2)の移動方向側に傾斜角
(θ)だけ傾ける態様にして配置され、これにより回転
子(11)の肩部(11a)における両接合部材(1)
(2)の移動方向側の部分が、両接合部材(1)(2)
の上面に接触する状態となる一方、回転子(11)の肩
部(11a)における両接合部材(1)(2)の移動方
向反対側の部分が、両接合部材(1)(2)の上面から
浮上した状態となるものとなされている。
【0023】前記傾斜角(θ)は、1〜6゜の範囲であ
ることが望ましい。1゜未満では、肩部(11a)にお
ける両接合部材(1)(2)の移動方向反対側の部分の
コーナー部が、両接合部材(1)(2)上面の微細な凹
凸に引っ掛かってしまう虞があり、6゜を超えると、肩
部(11a)による両接合部材(1)(2)上面の削り
代が大きくなってバリが発生し易くなるからである。
【0024】また、前記接合工具(10)は、図示しな
い昇降装置に取り付けられて上下方向に移動し得るもの
となされており、この昇降装置を操作することでプロー
ブ(12)の先端と受けローラ(20)の周面との距離
を微調節したり、プローブ(12)の挿入・引抜きを行
ったりすることができるようになっている。
【0025】また、両接合部材(1)(2)の移動方向
における前記受けローラ(20)の前後には、図示しな
い駆動機構により回転駆動される、前記受けローラ(2
0)と同形・同寸の円柱状駆動ローラ(21)(22)
が、両接合部材(1)(2)の長さ方向に直交する態様
にして配置されている。これら前後の駆動ローラ(2
1)(22)は、突合せ部(3)の裏面が前記受けロー
ラ(20)の周面に当接支持された両接合部材(1)
(2)を、両接合部材(1)(2)の長さ方向の一方向
(矢印5の方向)側に移動させる駆動装置を構成するも
のである。また、これら前後の駆動ローラ(21)(2
2)と前記受けローラ(20)とは、互いに周速度が同
一になるように回転駆動するようになっている。
【0026】また、両接合部材(1)(2)の移動方向
における前記プローブ(12)の前後には、図示しない
加圧機構を備えた、互いに同径・同寸の回転自在な押え
ローラ(30)(31)が、前記前後の駆動ローラ(2
1)(22)と両接合部材(1)(2)の厚さ方向に対
向する態様にして配置されている。これら前後の押えロ
ーラ(30)(31)は、両接合部材(1)(2)を前
記前後の駆動ローラ(21)(22)の周面に押し付け
るためものである。一方、受けローラ(20)とプロー
ブ(12)の間に介在されて、突合せ部(3)の裏面が
前記受けローラ(20)の周面に当接支持されるととも
に、突合せ部(3)にプローブ(12)が挿入される態
様となされた両接合部材(1)(2)は、この状態を保
持したまま、これら前後の押えローラ(30)(31)
によって、前記前後の駆動ローラ(21)(22)の周
面に押し付けられて、スリップを生じることなく移動方
向の駆動力が付与されるものとなされる。また、これら
前後の押えローラ(30)(31)は、回転自在である
ことから、両接合部材(1)(2)の移動に伴って、そ
の周面を両接合部材(1)(2)の上面に圧接させなが
ら回転するものとなされている。
【0027】また、両接合部材(1)(2)の移動方向
における前記プローブ(12)の前方近傍には、前記プ
ローブ(12)により接合された直後の接合部(4)を
強制冷却する冷却装置(40)に装備された冷却媒体噴
射用ノズル(41)が、その噴射口を接合部(4)に向
ける態様にして配置されている。前記プローブ(12)
により接合された直後の接合部(4)は、摩擦熱により
溶体化処理温度付近まで温度上昇した高温状態となって
いるが、このノズル(41)から噴射される冷却エアー
や冷却ミスト等の冷却媒体(42)により、強制的に冷
却されてその温度が例えば室温付近まで急速に低下し、
焼入れがなされる。こうした冷却装置(40)による焼
入れ処理が、プローブ(12)による接合部(4)の形
成に伴って、換言すれば両接合部材(1)(2)の移動
に伴って順次遂行されていき、最終的に接合部(4)全
域が焼入れ処理された状態となる。
【0028】次に、上記摩擦撹拌接合装置を用いて摩擦
撹拌接合を行う場合について説明する。
【0029】まず、プローブ(12)を受けローラ(2
0)の上方離間位置に待機させた状態で、突合せ状態に
配置した両接合部材(1)(2)の長さ方向の一端部を
回転駆動している駆動ローラ(22)と押えローラ(3
1)との間に通す。
【0030】駆動ローラ(22)と押えローラ(31)
との間に通された両接合部材(1)(2)は、押えロー
ラ(31)により駆動ローラ(22)の周面に押し付け
られて駆動ローラ(31)から駆動力が付与され、この
駆動力によって受けローラ(20)とプローブ(12)
との間に向かって移動する。
【0031】両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)
の接合開始予定位置が、受けローラ(20)の周面上に
到達したとき、両接合部材(1)(2)の移動を一旦停
止する。そして、プローブ(12)を回転させながら下
降させる。プローブ(12)の先端が両接合部材(1)
(2)の突合せ部(3)に接触すると、該接触部は摩擦
熱によって軟化するため、さらにプローブ(12)を下
降させて突合せ部(3)に挿入し、プローブ(12)先
端と受けローラ(20)の周面の距離が0.05〜0.
4mmとなる状態でプローブ(12)を停止固定する。
【0032】こうして、両接合部材(1)(2)を、受
けローラ(20)とプローブ(12)との間に介在させ
て、プローブ(12)が突合せ部(3)に挿入されると
ともに、突合せ部(3)の裏面が受けローラ(20)の
周面に当接支持された態様となす。なお、プローブ(1
2)を予め下降させておき、プローブ(12)と受けロ
ーラ(20)との間に両接合部材(1)(2)を強制的
に通すことにより、接合部材(1)(2)の移動方向前
端面において、プローブ(12)が側方から突合せ部
(3)にもぐり込んで、挿入状態となるようにしても良
い。
【0033】次に駆動ローラ(21)(22)及び受け
ローラ(20)を再駆動する。突合せ部(3)にプロー
ブ(12)が挿入された両接合部材(1)(2)は、受
けローラ(20)から駆動力が更に付与され、駆動ロー
ラ(22)及び受けローラ(20)の駆動力によって、
下面が受けローラ(20)の周面に当接支持されかつ突
合せ部(3)にプローブ(12)が挿入された状態で、
突合せ部(3)が順次プローブ(12)を通過するよう
に移動しながら、駆動ローラ(21)と押えローラ(3
0)との間に通されていく。また、接合工具(10)は
僅かに傾斜しているから、回転子(11)の肩部(11
a)における両接合部材(1)(2)の移動方向側の部
分が、両接合部材(1)(2)の上面に接触した状態と
なると共に、回転子(11)の肩部(11a)における
両接合部材(1)(2)の移動方向と反対側の部分が、
両接合部材(1)(2)の上面から僅かに浮上した状態
となる。
【0034】駆動ローラ(21)と押えローラ(30)
との間に通された両接合部材(1)(2)は、押えロー
ラ(30)により駆動ローラ(21)の周面に押し付け
られて駆動ローラ(21)から駆動力が更に付与され、
駆動ローラ(22)(21)及び受けローラ(20)の
駆動力によって、ノズル(41)から噴射された冷却媒
体(42)により接合部(4)が強制冷却されながら、
移動するものとなる。
【0035】而して、両接合部材(1)(2)は、上記
のようにプローブ(12)が順次接合予定部位(3)を
通過するように移動することによって、突合せ部(3)
において接合一体化される。すなわち、プローブ(1
2)の回転により発生する摩擦熱、あるいは更に回転子
(11)の肩部(11a)と両接合部材(1)(2)の
上面との摺動に伴い発生する摩擦熱により、プローブ
(12)との接触部分近傍において両接合部材(1)
(2)は軟化し、かつ撹拌されるとともに、両接合部材
(1)(2)の移動に伴って、軟化撹拌部分がプローブ
(12)の通過溝を埋めるように塑性流動したのち、摩
擦熱を失って固化する。この現象が両接合部材(1)
(2)の移動に伴って順次繰り返されていき、最終的に
両接合部材(1)(2)が突合せ部(3)において接合
一体化される。
【0036】また、回転子(11)の肩部(11a)に
おける両接合部材(1)(2)の移動方向側の部分が、
両接合部材(1)(2)の上面に接触する状態のもと
で、両接合部材(1)(2)が移動するので、軟化部分
の素材の飛散が防止されかつ加圧されて均一な接合状態
が確実に実現されるとともに、両接合部材(1)(2)
上面の凹凸形成が防止されて、接合部(4)上面が平滑
になる。
【0037】また、プローブ(12)の先端から受けロ
ーラ(20)の周面までの距離は、受けローラ(20)
が回転しても一定であることから、両接合部材(1)
(2)は、プローブ(12)の先端と突合せ部(3)裏
面との距離が常に一定値を採るように移動して、接合状
態が均質になる。
【0038】さらに、この摩擦撹拌接合装置は、冷却装
置(40)を備えているから、摩擦熱を失って固化した
直後の接合部(4)は、ノズル(41)から噴射された
冷却媒体(42)によって強制冷却されて焼入れ状態と
なる。この冷却装置(40)による焼入れ処理が、両接
合部材(1)(2)の移動に伴って順次遂行されてい
き、最終的に接合部(4)全域が焼入れ処理された状態
となる。ここで、接合部(4)を冷却する冷却媒体とし
ては、一般にはエアーで充分であるが、厚肉材又はA6
061、A6N01、A6063合金等の場合は、ミス
トを用いるのが望ましい。
【0039】こうして両接合部材(1)(2)は、接合
一体化されると共に、接合部(4)全域が焼入れ処理さ
れた状態となり、継手強度を回復させる際に、接合部
(4)の溶体化処理及び焼入れ処理を実施する必要がな
くなる。
【0040】しかる後、両接合部材(1)(2)は、接
合部(4)において人工時効硬化処理や自然時効硬化処
理が実施されて所期強度の接合継手となる。なお、この
時効効果処理は、常法に従って行えば良い。
【0041】以上、この発明の実施形態を説明したが、
この発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、突合せ部(3)にプローブ
(12)を挿入して、このプローブ挿入状態のままで、
プローブ(12)が順次突合せ部(3)を通過するよう
に両接合部材(1)(2)を移動させることにより、両
接合部材(1)(2)を突合せ接合するものであるが、
この発明では、この他に、両接合部材(1)(2)を定
盤等の基台(図示せず)上に載置し、その突合せ部
(3)にプローブ(12)を挿入して、このプローブ挿
入状態のままで、プローブ(12)を突合せ部(3)に
沿って移動させることにより、両接合部材(1)(2)
を突合せ接合するものであっても良く、この場合にあっ
ては、冷却装置は、プローブ(12)とともに移動し
て、プローブ(12)との距離が一定に保たれるものが
好適に用いられる。また、上記実施形態は、突合せ継手
接合により接合部材を接合一体化するものであるが、こ
の発明は、この他、重ね継手接合、T継手接合等の各種
継手接合により接合部材を接合一体化するものであれば
良い。
【0042】
【発明の効果】上述の次第で、この発明に係る摩擦撹拌
接合法は、プローブにより接合された直後の接合部を強
制冷却しながら、摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする
ものなので、プローブにより接合された直後の接合部
は、強制的に冷却されて焼入れ状態となり得る。そし
て、この冷却が接合部の形成に伴って順次遂行されてい
き、最終的に接合部全域が焼入れ状態となる。そのた
め、継手強度を回復させる際に、接合部の溶体化処理及
び焼入れ処理を省略することができ、強度回復の際の作
業能率を大幅に向上させることができる。
【0043】また、この発明に係る撹拌接合装置におい
ても、上記と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る摩擦撹拌接合装置の一実施形態
を示す斜視図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】図1中III −III 線断面図である。
【符号の説明】
1、2…接合部材 3…突合せ部 4…接合部 10…接合工具 12…プローブ 20…受けローラ(駆動ローラ) 21、22…駆動ローラ 30、31…押えローラ 40…冷却装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合部材(1)(2)の接合予定部位
    (3)に回転するプローブ(12)を挿入し、プローブと
    の接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プローブ
    挿入状態で、プローブ(12)を接合予定部位(3)に沿
    って移動させ、あるいはプローブ(12)が順次、接合予
    定部位(3)を通過するように接合部材(1)(2)を
    移動させることにより、接合部材(1)(2)を接合す
    る摩擦撹拌接合法であって、 前記プローブ(12)により接合された直後の接合部
    (4)を強制冷却しながら、摩擦撹拌接合を行うことを
    特徴とする摩擦撹拌接合法。
  2. 【請求項2】 接合部材(1)(2)の接合予定部位
    (3)に回転するプローブ(12)を挿入し、プローブと
    の接触部を摩擦熱にて軟化させ撹拌しながら、プローブ
    挿入状態で、プローブ(12)を接合予定部位(3)に沿
    って移動させ、あるいはプローブ(12)が順次、接合予
    定部位(3)を通過するように接合部材(1)(2)を
    移動させることにより、接合部材(1)(2)の接合を
    行うものとなされた摩擦撹拌接合装置であって、 前記プローブ(12)により接合された直後の接合部
    (4)を強制冷却する冷却装置(40)が、プローブ(1
    2)に近接配置されていることを特徴とする摩擦撹拌接
    合装置。
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