JP6077242B2 - 偏光板及びその製造方法 - Google Patents
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[1]偏光膜と接着層と保護フィルムとがこの順で積層された構造を備え、保護フィルムが、接着層側の表面において水酸基を有しない、偏光板。
[2]偏光膜と接着層と保護フィルムとがこの順で積層された構造を備え、保護フィルムが、接着層側の面に表面処理を施されていない、偏光板。
[3]保護フィルムが、アクリル系樹脂を含有し、アクリル系樹脂が、その総量基準で、下記式(1)で表される第一の構造単位50〜95質量%と、下記式(2)で表される構造単位0.1〜20質量%と、下記式(3)で表される第三の構造単位0.1〜49.9質量%と、を有する、[1]又は[2]に記載の偏光板。
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記A群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示す。
A群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基及び炭素数1〜12のアルキル基。]
[式中、R2は、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記B群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
B群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基。]
[式中、R5は、水素原子、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は、下記C群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基、を示し、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
C群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基及び炭素数1〜12のアルコキシ基。]
[4]偏光膜が、ポリビニルアルコールを含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5]偏光膜と保護フィルムとを接着剤を用いて接合する工程を備え、保護フィルムを、偏光膜と接合される側の面に表面処理を施さずに上記工程に供する、偏光板の製造方法。
[6]保護フィルムが、アクリル系樹脂を含有し、アクリル系樹脂が、その総量基準で、下記式(1)で表される第一の構造単位50〜95質量%と、下記式(2)で表される構造単位0.1〜20質量%と、下記式(3)で表される第三の構造単位0.1〜49.9質量%と、を有する、[5]に記載の製造方法。
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記A群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示す。
A群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基及び炭素数1〜12のアルキル基。]
[式中、R2は、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記B群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
B群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基。]
[式中、R5は、水素原子、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は、下記C群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基、を示し、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
C群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基及び炭素数1〜12のアルコキシ基。]
[7]偏光膜が、ポリビニルアルコールを含有する、[5]又は[6]に記載の製造方法。
本実施形態に係る偏光板は、偏光膜と保護フィルムとが接着剤を含む接着層で接合された構成を有する。図1は、本発明に係る偏光板の一態様を示す模式断面図であり、図2は、従来の偏光板の一例を示す模式断面図である。
本実施形態に係る偏光板の製造方法は、偏光膜と保護フィルムとを接着剤を用いて接合する工程を備え、保護フィルムを、偏光膜と接合される側の面に表面処理(例えば、「ケン化処理」や「コロナ放電処理」などの前処理)を施さずに当該工程に供することを特徴とする。
(a)偏光膜と第一の保護フィルムとを接合するための第一の接着剤組成物、及び、偏光膜と第二の保護フィルムとを接合するための第二の接着剤組成物を供給する工程
(b)第一の保護フィルムを第一の接着剤組成物を介して偏光膜の一方面上に貼合し、第二の保護フィルムを第二の接着剤組成物を介して偏光膜の他方面上に貼合する工程
(c)第一の接着剤組成物及び第二の接着剤組成物を反応させて、第一の接着層及び第二の接着層を形成する工程
第一の接着剤供給部60は、偏光膜10と第一の保護フィルム14との間に、第一の接着剤組成物を噴射することにより供給している。第2の接着剤供給部62は、偏光膜10と第2の保護フィルム18との間に、第二の接着剤組成物を噴射することにより供給している。
工程(b)では、偏光膜10と第一の保護フィルム14と第二の保護フィルム18とを1対のロール(貼合ロール30及び32)により圧着し、貼り合わせる。このようなロール貼合は、積層すべき全ての層を一度に圧着することができ、貼合の工程数を減らすことができるので、生産性に優れている。
工程(c)では、第一の保護フィルム14と偏光膜10との間に供給された第一の接着剤組成物、及び、第二の保護フィルム18と偏光膜10との間に供給された第二の接着剤組成物を、十分に反応させて、第一の接着層及び第二の接着層を形成する。
本実施形態に係る偏光板の製造方法において、第一の接着剤組成物及び第二の接着剤組成物として用い得る接着剤としては、(メタ)アクリレート系、オキセタン系等のモノマー・オリゴマー形接着剤;尿素樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、エポキシ系、ポリウレタン樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、ポリビニルアルコール樹脂系、アクリル樹脂系、セルロース樹脂系等の樹脂系接着剤;クロロプレン系、ニトリルゴム系、スチレンブタジエンゴム系、スチレンブロック共重合熱可塑性エラストマー系、ブチルゴム系、天然ゴム系、再生ゴム系、塩化ゴム系、シリコーンゴム系等のゴム系接着剤;膠や澱粉系などの天然系接着剤;などが挙げられる。
本実施形態に係る偏光板において、必要に応じて第一の保護フィルムの面上にハードコート層を形成することができる。ハードコート層は、高い表面硬度を有する層である。したがって、偏光板にハードコート層を形成すると、偏光板の耐擦傷性および機械的強度を高めることができる。
本実施形態に係る偏光板において、ハードコート層又は第一の保護フィルムの面上に、低屈折率層を形成することができる。低屈折率層を形成することにより、偏光板に光の反射防止機能を付与することができる。
本実施形態に係る偏光板は、偏光膜と保護フィルムとを貼り合わせた後にも、保護フィルム表面に対して、必要に応じてハードコート処理、反射防止処理、透明導電処理、帯電防止処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリアー処理等の処理を行って、最終的な用途に用いることができる。このような表面処理を行う場合は、必要に応じて、コロナ放電やプラズマ放電による処理や、エポキシ基、イソシアナート基等を持ったプライマー剤塗布による表面処理等所謂アンカーコート処理を併用でき密着性を高めることができる。
[1] 保護フィルム/偏光膜
[2] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム
[3] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム
[4] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/ハードコート層
[5] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/反射防止層
[6] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/透明導電層
[7] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/帯電防止層
[8] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/電磁波遮蔽処理層
[9] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/ガスバリアー層
[10] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/反射防止層
[11] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/透明導電層
[12] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/帯電防止層
[13] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/電磁波遮蔽処理層
[14] 保護フィルム/偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/ガスバリアー層
[15] 偏光膜/保護フィルム/ハードコート層
[16] 偏光膜/保護フィルム/反射防止層
[17] 偏光膜/保護フィルム/透明導電層
[18] 偏光膜/保護フィルム/帯電防止層
[19] 偏光膜/保護フィルム/電磁波遮蔽処理層
[20] 偏光膜/保護フィルム/ガスバリアー層
[21] 偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/反射防止層
[22] 偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/透明導電層
[23] 偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/帯電防止層
[24] 偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/電磁波遮蔽処理層
[25] 偏光膜/保護フィルム/ハードコート層/ガスバリアー層
本実施形態に係る保護フィルムは、特定のアクリル系樹脂を含有し、該アクリル系樹脂は、第一の構造単位、第二の構造単位及び第三の構造単位を有する。保護フィルムは、好ましくは80質量%以上の割合で該アクリル系樹脂を含有し、より好ましくは90質量%以上の割合で該アクリル系樹脂を含有する。また、保護フィルムは、該アクリル系樹脂からなるもの(すなわち、アクリル系樹脂が約100質量%)であってもよい。
第一の構造単位は、下記式(1)で表される構造単位である。
第二の構造単位は、下記式(2)で表される構造単位である。
第三の構造単位は、下記式(3)で表される構造単位である。
アクリル系樹脂は、上記以外の構造単位をさらに含有していてもよい。例えば、アクリル系樹脂は、発明の目的を損なわない範囲で、上記第一、第二及び第三の単量体と共重合可能なその他の単量体に由来する構造単位を、さらに有していてもよい。以下、アクリル系樹脂中の第一、第二及び第三の構造単位以外の構造単位を、第四の構造単位と称する。
(i)光弾性係数Cの絶対値
アクリル系樹脂の光弾性係数Cの絶対値は、3.0×10−12Pa−1以下であることが好ましく、より好ましくは、2.0×10−12Pa−1以下であり、さらに好ましくは1.0×10−12Pa−1以下である。
|Δn|=nx−ny …(i−2)
式中、CRは光弾性係数、σRは伸張応力、|Δn|は複屈折の絶対値、nxは伸張方向の屈折率、nyは面内で伸張方向と垂直な方向の屈折率、をそれぞれ示す。
アクリル系樹脂は、フィルム成形した場合の面内方向の位相差Reの絶対値が、8nm以下であることが好ましい。ここで位相差Reは、フィルムとして測定した値を100μm厚に換算して求めた値である。
アクリル系樹脂は、フィルム成形した場合の厚み方向の位相差Rthの絶対値が、8nm以下であることが好ましい。ここで位相差Rthは、フィルムとして測定した値を100μm厚に換算して求めた値である。
アクリル系樹脂は、フィルム成形した場合の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ここで全光線透過率は、100μm厚に換算して求めた値である。全光線透過率が85%未満であると、透明性が低下し、高い透明性を要求される用途に使用できないことがある。
本実施形態に係るアクリル系樹脂は、第一の単量体、第二の単量体及び第三の単量体を含む単量体群を重合することにより得ることができる。アクリル系樹脂を得る手法として、例えば、キャスト重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、リビングラジカル重合、アニオン重合等の一般に行われている重合方法を用いることができるが、通常、触媒の脱灰がないラジカル重合が選択される。
本実施形態における保護フィルムとは、上述のアクリル系樹脂を後述する成形方法によりフィルム化したものである。偏光機能を有する偏光膜の両面、若しくは片面に接着剤等により貼合され、偏光膜に形態保持性や耐擦傷性を付与して偏光膜を保護することを目的に使用される。
CR=|Δn|/σR …(i−1)
|Δn|=nx−ny …(i−2)
式中、CRは光弾性係数、σRは伸張応力、|Δn|は複屈折の絶対値、nxは伸張方向の屈折率、nyは面内で伸張方向と垂直な方向の屈折率、をそれぞれ示す。
Δn(S)=α×S+β (a)
−0.30×10−5≦α≦0.30×10−5 (b)
[式中、βは定数であり、無延伸時の複屈折を示す。]
本実施形態において、アクリル系樹脂(アクリル系樹脂を含む樹脂組成物)を保護フィルムとして成形加工するには、溶融熱プレス、及び溶融熱プレスと熱溶融延伸法の組み合わせ、溶融押出法、及び溶融押出法と熱溶融延伸法の組み合わせ、射出成形法及び射出成形法と熱溶融延伸法の組み合わせ、溶媒キャスト法及び溶媒キャスト法と熱溶融延伸法の組み合わせ、熱アニール成形後の歪み除去加工等の公知の樹脂成形加工方法を用いることができる。それらの中でも、本実施形態における成形方法としては、生産性が高く、得られる保護フィルムのフィルム強度が優れる点から、溶融押出法と熱溶融延伸法を組み合わせる方法が最も好ましい。
<組成解析>
重合により得られたアクリル系樹脂をCDCl3に溶解し、ブルーカー株式会社製 DPX−400装置を用い、1H−NMR、13C−NMR(測定温度:40℃)測定を実施し、(i)第一の構造単位、(ii)第二の構造単位、(iii)第三の構造単位、及び(iv)第四の構造単位の量をそれぞれ同定し、その比率から組成を確認した。
重合により得られたアクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(パーキンエルマージャパン(株)製 Diamond DSC)を用いて、窒素ガス雰囲気下、α−アルミナをリファレンスとし、JIS−K−7121に準拠して、試料約10mgを常温から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温して得られたDSC曲線から中点法で算出した。
重合により得られたアクリル系樹脂の重量平均分子量、及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー(株)製 HLC−8220)を用いて、溶媒はテトラヒドロフラン、設定温度40℃で、市販の標準PMMA換算により求めた。
重合により得られたアクリル系樹脂、及び、参考例で用いた樹脂について、それぞれ赤外分光法で水酸基の有無を評価した。吸湿性樹脂の場合、吸湿された水分の影響があるため、それを排除するために、事前処理として真空乾燥機にて真空下(10〜15torr)、100℃で(1)6時間、(2)12時間、及び(3)24時間事前乾燥したものを測定に用いて、もっとも水酸基(−OH)ピーク量が小さい測定結果で水酸基の有無を決定した。
(光学評価用サンプルの調製)
重合により得られたアクリル系樹脂を溶融真空プレス成形でフィルムとした。鉄板の上にカプトンシートを配置し、その上に15cm正方にくり貫いた厚み150μmの金枠を置き、そこにアクリル系樹脂をおいた。更に、カプトンシートを重ね置きし、鉄板を配置した。二枚の金板に挟んだまま、真空圧縮成形機((株)神藤金属工業所製 SFV−30型)にいれ、減圧を開始し10kPaに到達した段階で、260℃まで20分をかけて昇温した、その後、260℃で5分保持したあと、プレス圧10MPaで5分間圧縮、その後、冷却を開始、50℃に到達した段階で真空乾燥器内を大気圧に戻し、サンプルを取り出した。次いで、サンプルを一度、カプトンシートから剥離し、再度新しいカプトンシートで挟み、窒素で満たされ、ガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度に保たれた乾燥器の中で8時間、保持した。
Polymer Engineering and Science 1999, 39, 2349−2357に詳細について記載のある複屈折測定装置を用いた。23℃、湿度60%に調整した恒温恒湿室内で24時間以上養生を行ったアクリル系樹脂からなるフィルム(厚み約150μm、幅6mm)を用い、同様に恒温恒湿室に設置したフィルムの引張り装置(井元製作所製)にチャック間50mmになるようにフィルムを配置した。次いで、後述する複屈折測定装置(大塚電子製RETS−100)のレーザー光経路がフィルムの中心部になるようにし、歪速度50%/分(チャック間:50mm、チャック移動速度:5mm/分)で伸張応力をかけながら複屈折を測定した。複屈折の絶対値(|Δn|)と伸張応力(σR)の関係から、最小二乗近似によりその直線の傾きを求め光弾性係数(CR)を計算した。計算には伸張応力が2.5MPa≦σR≦10MPaの間のデータを用いた。
CR=|Δn|/σR
|Δn|=|nx−ny|
(CR:光弾性係数、σR:伸張応力、|Δn|:複屈折の絶対値、nx:伸張方向の屈折率、ny:伸張方向の垂直な屈折率)
重合により得られたアクリル系樹脂の屈折率は、上記の光弾性測定用溶融成形フィルムを用い、23℃、湿度60%に調整した恒温恒湿室に設置したメトリコン社製モデル2010プリズムカップラーを使用して求めた。サンプルは測定を実施する23℃、湿度60%に調整した恒温恒湿室で一昼夜養生したものを使用した。
重合により得られたアクリル系樹脂の透湿性は、JIS K7129Bに記載のモコン法に準じた方法で、光弾性係数測定用溶融成形フィルムを用いて、試験条件40℃、湿度90%の環境下に24時間で測定した。透湿度の単位はg/(m2・24h)である。測定装置:MOCON社製PERMATRAN W3/33型水蒸気透過試験機。
<保護フィルムの溶融押出成形と測定サンプルの調整>
二軸押出器を用い260℃にて溶融混練したアクリル系樹脂を押出速度180kg/hrで、255℃に調整した幅45cm、スリット間隔1mmのTダイより押出し、150℃に調整された鏡面冷却ロールで表面転写、巻き取りロールの速度を調節し約800μm厚みのロール状板サンプルとして製造した。その後、ロールをほぐし、MD方向に24cm、TD方向に20cmの長方形状になるようトムソン刃で打ち抜きサンプルを得た。更にサンプルを4cm正方形に切り取り、30枚の測定サンプルに分割し、それぞれの4隅、都合120点の厚みを測定、平均することで保護フィルムの全体厚みを求めた。
大塚電子製RETS−100を用いて、保護フィルムの複屈折を回転検光子法により測定した。複屈折の値は、波長550nm光の値である。複屈折(Δn)は、以下の式により計算した。得られた値をシートの厚さ100μmに換算して測定値とした。
Δn=nx−ny
(Δn:複屈折、nx:伸張方向の屈折率、ny:伸張方向と垂直な屈折率)
|Δn|=|nx−ny|
23℃、湿度60%に調整した恒温恒湿室に設置した大塚電子(株)製RETS−100を用いて、回転検光子法により波長400nmから上800nmまでの範囲で保護フィルムの複屈折測定を実施した。上記の4cm角のサンプル30枚に関し、サンプル中心部で面内位相差Re測定を行い、次いでサンプル中心部の厚みの測定を実施、厚み100μmに換算された面内方向の位相差Reを求めた。次いで、絶対値に変換した後、平均をとり、更に上記で求めた全体厚みに換算しなおすことで、保護フィルムの面内方向の位相差Reの絶対値を求めた。
複屈折の絶対値(|Δn|)と位相差Reは以下の関係にある。
Re=|Δn|×d
(|Δn|:複屈折の絶対値、Re:位相差、d:サンプルの厚み)
また、複屈折の絶対値(|Δn|)は以下に示す値である。
|Δn|=|nx−ny|
(nx:延伸方向の屈折率、ny:面内で延伸方向と垂直な屈折率)
23℃、湿度60%に調整した恒温恒湿室に設置した王子計測機器(株)製位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用い、波長589nmにおいて保護フィルムの複屈折測定を実施した。測定は4cm角のサンプル30枚に関し、サンプル中心で厚み方向の位相差Rth測定を行い、次いで中心部のサンプル厚みの測定を行うことで、厚み100μmに換算された厚み方向の位相差Rthを求めた。次いで、絶対値に変換した後、平均をとり、更に上記で求めた全体厚みに換算しなおすことで、保護フィルムの厚み方向の位相差Rthの絶対値を求めた。
複屈折の絶対値(|Δn|)と位相差Rthは以下の関係にある。
Rth=|Δn|×d
(|Δn|:複屈折の絶対値、Rth:位相差、d:サンプルの厚み)
また、複屈折の絶対値(|Δn|)は以下に示す値である。
|Δn|=|(nx+ny)/2−nz|
(nx:延伸方向の屈折率、ny:面内で延伸方向と垂直な屈折率、nz:面外で延伸方向と垂直な厚み方向の屈折率)
溶融押出法にて製造した保護フィルム(厚み約800μm、幅40mm)をインストロン社製10t引張り試験機を用いて、延伸温度(Tg+20)℃、延伸速度(500mm/分)で一軸フリー延伸して延伸保護フィルムを成形した。延伸倍率は、100%、200%、及び300%で延伸した。次いで、得られた延伸保護フィルムの複屈折を前述の方法で測定し、一軸延伸したときに発現する複屈折(Δn(S))を求めた。
求めた延伸保護フィルムの発現している複屈折(Δn(S))の値を、その延伸倍率(S)に対してプロットして得られる最小二乗法近似直線関係式(A)より傾きαの値を求めた。傾きαの値が小さいほど複屈折(Δn(S))、その変化が小さいことを意味する。
Δn(S)=α×S+β (βは定数:無延伸時の複屈折値)・・・(A)
但し、ここで複屈折とは、測定した値を100μm厚に換算して求めた値である。
上述の方法で製造した保護フィルムの鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4に準じて、電動鉛筆引っかき硬度試験機(株式会社安田精機製作所製)を使用し、荷重500gでの鉛筆硬度を測定した。
バックライト上に市販の偏光板を二枚用意し、直交状態に、空間をあけて設置した。次いで、その間に、保護フィルムを入れ、面方向に回転させたときの状態を観察した。その後、縦(MD)方向に弾性範囲内の応力で10%延伸をした延伸保護フィルムを再度挟み込み、同様に回転させ、明暗の変化を目視で評価した。
光を通さない黒色板の上に、保護フィルムを置き、三波長蛍光灯(ナショナル:FL20SS・ENW/18)で照らして、表面を目視評価した。全く干渉縞が見えないもの◎、干渉縞がうっすらと見えるもの○、干渉縞が目立つもの△、干渉縞が目立ち、かつギラツキが生じるもの×とした。
<偏光板の調製>
(前処理なしでの偏光板の調製)
前述の方法で成形して得られた保護フィルムに対し偏光板用接着材組成物(後述)を用いて、そのまま偏光膜の両面に対し貼り付けた。その後、40℃にて一週間乾燥をおこない偏光板を作成した。
前術の方法で成形して得られた保護フィルム表面に対して表面処理を施し、その後、直ちに偏光膜の両面に対し、偏光板用接着材組成物(後述)で貼り付けた。その後、40℃にて一週間乾燥をおこない偏光板を作成した。
(剥離性評価)
接着性は、評価する面(即ち、保護フィルム)にカッターナイフで5mm間隔に5本の切込みを碁盤目状に入れ、24mm幅、JIS Z1522のセロハンテープをその面に接着させた後、セロハンテープを剥離した後の状態で判断した。
○:16個のマスの内、0〜3個に剥離が観察される。
△:4から8個に剥離が観察される。
×:9個以上に剥離が観察される。
偏光板作製後、温度85℃、湿度85%に調整した恒温恒室装置に24時間静置し、次いで23℃、湿度60%に調整した恒温恒湿室に24時間静置を20回繰り返した。その後、試験片を幅1cm、長さ10cmのサイズで20枚、切り分けた。次いで、この試験片を5mm直径のガラス棒に巻きつけることで割れるかどうか評価した。割れたフィルムが0枚ものを◎、割れたフィルムが1枚のものを○、割れたフィルムが2枚のものを△、割れたフィルムが3枚以上のものを×とした。
偏光膜の作製
湯浴に浸した、5Lの攪拌機ガラスセパラブルフラスコに蒸留水1Lを加える。次いで、セパラブルフラスコを冷却し、内部の蒸留水を4℃にする。その後、攪拌機を回転数150rpmで廻しながら、平均重合度1800、ケン化度99.9%のポリビニルアルコール(和光純薬製特級)粉体を加える。この状態で30分保持したあと、攪拌を続けながらセパラブルフラスコの内部温度2℃/分の速度で加熱し、内部温度が95℃に到達した段階で攪拌機の回転数を80prmに落とし、3時間攪拌を続ける。餅状の未溶解のポリビニルアルコールがないことを確認したあと、95℃に保ったまま攪拌を停止、攪拌で巻き込んだ空気の泡が抜けるのをまった。概ね泡が抜けた段階で、セパラブルフラスコにアスピレーターを接続し、僅かに減圧にすることで完全に脱泡する。
接着剤組成物の調整
ポリビニルアルコール系樹脂である和光純薬工業(株)製の163−03045(分子量:22,000、ケン化度:88モル%)に、水を加えて固形分濃度が7質量%の水溶液を調製した。一方、ポリウレタン系樹脂である大日本インキ化学工業(株)製のWLS−201(固形分濃度35質量%)100部に、ポリエポキシ系硬化剤である大日本インキ工業(株)製のCR−5L(有効成分100%品)5部を配合し、水で希釈して固形分濃度が20質量%の水溶液を調製した。得られたポリウレタン系樹脂水溶液とポリビニルアルコール系樹脂水溶液とを、質量比で1:1(固形分質量比で80:20)の割合で混合し、固形分濃度が15質量%の混合接着剤を調製した。
アクリル系樹脂の製造(A−1)
メチルメタクリレート(和光純薬特級、以下MMA)を減圧度0.01MPa、40℃で蒸留し、禁止剤を除いた。次いで、蒸留メチルメタクリレート24.30kg、フェニルマレイミド2.40kg(和光純薬特級、以下phMI)、シクロマレイミド(和光純薬特級、以下chMI)3.30kg、メタキシレン20kg(和光純薬特級、以下mXy)を、計量し、50Lタンクに加え、混合モノマー溶液を得た。次いで100mL/分の速度で窒素によるバブリングを12時間実施し、溶存酸素を除去した。混合モノマー溶液を、窒素置換した60L反応器に加え、温度を130℃に上昇させた。次いで、パーブチルO(日本油脂)0.06kgをmXy6kgに溶解させた開始剤溶液を、1kg/時間の速度で追添することで重合を実施し、8時間経過後、反応器を50℃まで冷却した。
ポリメタクリル酸メチル樹脂の製造(D−1)
MMAモノマーを単独で用いる以外は、実施例1と同様の方法で、重合し、ポリマーを回収した。Tg=110℃、Mw=16万であった。
トリアセチルセルロース樹脂(以下TAC)(B−1):
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製、F−TAC、80μm厚み)を入手した。Tg=145℃、Mwの測定はサンプルが溶解せず出来なかった。
環状ポリオレフィン樹脂(以下COP)(C−1):
ゼオノア480R(日本ゼオン社)を入手した。Tg=130℃。Mwは測定しなかった。
保護フィルムの作成
アクリル系樹脂(A−1)、環状ポリオレフィン樹脂(C−1)、及びポリメタクリル酸メチル樹脂(D−1)について溶融押出法にて保護フィルムを成形した。具体的には、二軸押出器を用い各樹脂ごとに温度220〜260℃の範囲内で適宜温度を選択し。溶融混練した樹脂を押出速度10kg/hrで、255℃に調整した幅45cm、スリット間隔280μmのTダイより押出し、150℃に調整された鏡面冷却ロールで表面転写、巻き取りロールの速度を調節し250μm厚みのロール状板サンプルとして製造した。次いでトムソン刃で20cmMD方向に24cm、TD方向に20cmの長方形状になるようトムソン刃で打ち抜き保護フィルムサンプルとして得た。
アクリル系樹脂(A−1−2):
表面硬度は4H、透湿度は20g/(m2・24hr)、屈折率は1.50であった。また光弾性係数は+0.4×10−12Pa−1、αは+0.03×10−5であった。
表面硬度はHB、透湿度は0.9g/(m2・24hr)であった。更に、屈折率は1.53であった。また光弾性係数を測定した、+5×10−12Pa−1、αは+0.60×10−6であった。面内方向位相差(Re)の絶対値は12nm、厚み方向の位相差(Rth)は9nmであった。応力下のコントラスト評価を実施した結果は、中心部から両端に向け歪がのこり、部分的な明暗の変化が見られたことから×とした。渉縞試験に関しては◎であった。
表面硬度は2H、透湿度は16g/(m2・24hr)、屈折率は1.49であった。また、光弾性係数は−4.7×10−12Pa−1、αは−0.3×10−5であった。面内方向位相差(Re)の絶対値は7nm、厚み方向の位相差(Rth)は5nmであった。応力下でのコントラスト評価結果は△であった。渉縞試験に関しては◎であった。また、フィルム状で入手したトリアセチルセルロースフィルムを評価し、次の結果を得た。
表面硬度はH、透湿度は175g/(m2・24hr)、屈折率は1.48であった。また、光弾性係数は+15×10−12Pa−1であった。αは測定しなかった。面内方向の位相差(Re)の絶対値は5nm、厚み方向の位相差(Rth)は66nmであった。応力下コントラスト評価を実施した結果△であった。渉縞試験に関しては◎であった。
延伸された保護フィルムの作成
製造例5で得られた、アクリル系樹脂(A−1)からなる厚み250μmのロール状保護フィルムを原反とし、図4の溶融延伸装置101で逐次延伸加工することで薄膜化した。まず原反ロールから繰り出された原反は、150℃に加熱され、MD方向に配置されたロール間の周速差により300%縦延伸し、次いで、を150℃に加熱された横延伸チャンバー内に導入後、TD方向に300%横延伸した。延伸後のフィルム厚みは33μmであった。製造例5同様にトムソン刃で打ち抜き延伸された保護フィルムサンプル(A−1−3)として得た。上記で得られたアクリル系樹脂(A−1)よりなる延伸された保護フィルムの各種評価を行った。
面内方向の位相差(Re)の絶対値は2nm、厚み方向の位相差(Rth)は3nmであった。次に、応力下でのコントラスト評価を実施した。結果は○であった。このことから、外力による歪みがかかってもコントラスト低下の原因になる偏光漏れが生じ難いことが判った。干渉縞試験に関しては◎であった。
(前処理1)
製造例6で得られたアクリル系樹脂からなる延伸された保護フィルム(A−1−3)に対して、下記処方の表面処理を前処理として施した。
処方A:ウレタンアクリレート(00−022)1.0g、光硬化開始剤(184)0.03g、イソプロパノール19.0gを記載順に攪拌しながら添加、混合した。得られた混合液を保護フィルム(A−1−3)に塗布した後、UV硬化して表面修飾を施した表面修飾保護フィルムA−1−3A)を得た。水の接触角:24±2°。
参考例1で入手したトリアセチルセルロースフィルム(B−1)に対して、下記方法によるケン化処理を前処理として施した。
前述の方法に従って、次のフィルム構成を持つ偏光板を作成した。
アクリル系樹脂(A−1−3)/偏光膜(PVA)/アクリル系樹脂(A−1−3)、
(比較例1)
アクリル系樹脂(A−1−3A)/偏光膜(PVA)/アクリル系樹脂(A−1−3A)、
(比較例2)
アクリル系樹脂(A−1−3B)/偏光膜(PVA)/アクリル系樹脂(A−1−3B)、
(比較例3)
アクリル系樹脂(A−1−3A)/偏光膜(PVA)/TAC(B−1−3)、
(比較例4)
アクリル系樹脂(A−1−3B)/偏光膜(PVA)/TAC(B−1−3)、
(比較例5)
TAC(B−1−3)/偏光膜(PVA)/TAC(B−1−3)、
(比較例6)
環状ポリオレフィン樹脂(C−1−2)/偏光膜(PVA)/環状ポリオレフィン樹脂(C−1−2)、
(比較例7)
ポリメタクリル酸メチル樹脂(D−1−2)/偏光膜(PVA)/ポリメタクリル酸メチル樹脂(D−1−2)
Claims (5)
- 偏光膜と接着層と保護フィルムとがこの順で積層された構造を備え、
前記保護フィルムが、前記接着層側の面において水酸基を有さず、
前記保護フィルムが、アクリル系樹脂を含有し、
前記アクリル系樹脂が、その総量基準で、下記式(1)で表される第一の構造単位50〜95質量%と、下記式(2)で表される第二の構造単位0.1〜20質量%と、下記式(3)で表される第三の構造単位0.1〜49.9質量%と、を有し、
前記接着層が、ポリビニルアルコール系樹脂及びポリウレタン系樹脂を含む水系接着剤を含む、偏光板。
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記A群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示す。
A群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基及び炭素数1〜12のアルキル基。]
[式中、R2は、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記B群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
B群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基。]
[式中、R5は、水素原子、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は、下記C群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基、を示し、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
C群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基及び炭素数1〜12のアルコキシ基。] - 偏光膜と接着層と保護フィルムとがこの順で積層された構造を備え、
前記保護フィルムが、前記接着層側の面に表面処理を施されておらず、
前記保護フィルムが、アクリル系樹脂を含有し、
前記アクリル系樹脂が、その総量基準で、下記式(1)で表される第一の構造単位50〜95質量%と、下記式(2)で表される第二の構造単位0.1〜20質量%と、下記式(3)で表される第三の構造単位0.1〜49.9質量%と、を有し、
前記接着層が、ポリビニルアルコール系樹脂及びポリウレタン系樹脂を含む水系接着剤を含む、偏光板。
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記A群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示す。
A群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基及び炭素数1〜12のアルキル基。]
[式中、R2は、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記B群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
B群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基。]
[式中、R5は、水素原子、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は、下記C群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基、を示し、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
C群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基及び炭素数1〜12のアルコキシ基。] - 前記偏光膜が、ポリビニルアルコールを含有する、請求項1又は2に記載の偏光板。
- 偏光膜と保護フィルムとを接着剤を用いて接合する工程を備え、
前記保護フィルムが、アクリル系樹脂を含有し、
前記アクリル系樹脂が、その総量基準で、下記式(1)で表される第一の構造単位50〜95質量%と、下記式(2)で表される第二の構造単位0.1〜20質量%と、下記式(3)で表される第三の構造単位0.1〜49.9質量%と、を有し、
前記接着剤が、ポリビニルアルコール系樹脂及びポリウレタン系樹脂を含む水系接着剤を含み、
前記保護フィルムを、前記偏光膜と接合される側の面に表面処理を施さずに前記工程に供する、偏光板の製造方法。
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記A群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示す。
A群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基及び炭素数1〜12のアルキル基。]
[式中、R2は、炭素数7〜14のアリールアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、又は、下記B群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数6〜14のアリール基、を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
B群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数7〜14のアリールアルキル基。]
[式中、R5は、水素原子、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルキル基、又は、下記C群より選ばれる少なくとも一種の置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基、を示し、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示す。
C群:ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基及び炭素数1〜12のアルコキシ基。] - 前記偏光膜が、ポリビニルアルコールを含有する、請求項4に記載の製造方法。
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