JP6074584B2 - 高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法と、この製造方法で製造されたスピーカ用振動板、スピーカ、電子機器、移動体装置。 - Google Patents

高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法と、この製造方法で製造されたスピーカ用振動板、スピーカ、電子機器、移動体装置。 Download PDF

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Description

本発明は各種音響機器や映像機器に使用される高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法と、これを用いたスピーカおよび電子機器および装置に関するものである。
従来のスピーカ用振動板はコーン型の動電型スピーカに用いられる。従来の振動板の形状は、円形または、アスペクト比が5以下の矩形状である。この振動板は、木材パルプあるいは非木材パルプが抄紙されることによって、製造される。振動板は、抄紙工程において、パルプにフィラーや含浸剤を配合することによって、補強されている。
このとき、フィラーの含有比率が多くなると、内部損失が小さくなる。したがって、フィラーの含有率は、約20重量%以下に抑えていた。
この出願の発明に関する先行技術文献情報として特許文献1、2、3が知られている。
特開2000−324591号公報 特開平3−92099号公報 特開平3−364699号公報
しかしながら、さらにアスペクト比が高い振動板や、小型のモバイル用振動板は、再生周波数帯域特性が狭くなるという課題を有していた。
そこで本発明は、この問題を解決し、アスペクト比が高い幅狭型振動板や、モバイル用途の小型な薄型振動板において、再生周波数帯域特有の広い振動板を得るためのスピーカ振動板の製造法の実現が、目的である。
上記課題を解決するために、本発明における振動板は、20重量%を超える量のフィラーを含む幅狭型振動板または、小型な薄型振動板である。そしてそれらの振動板の製造方法は、パルプとフィラーが効果的かつ均一に絡み合うように、抄紙工程において、パルプとフィラーの混合物へ高分子且つ高粘度の増粘剤を配合して抄紙する。これにより、所期の目的を達成できる。
以上のように本発明によれば、高分子且つ高粘度の増粘剤を配合することにより、パルプとフィラーを混抄したスラリーの粘度が上昇する。つまり、増粘剤は、抄紙工程でのスラリーの粘度を大きくするので、比重の大きなフィラーが自重で沈降しにくくなる。また、増粘剤は高分子化合物であるので、分子量が大きい。したがって、増粘剤とパルプやフィラーは絡みやすくなる。
この構成により、20重量%を超える多量のフィラーを含有させても、スラリー中にフィラーを均一に分散させることができる。そして、このスラリーを抄紙することによって、剛直な振動板を得ることが可能となる。その結果、高アスペクト比幅狭型振動板や小型の薄型振動板の再生周波数帯域の拡大が可能となる。
また、以上の構成により、顧客が望む薄型形状やアスペクト比が高い矩形形状の振動板を提供することが可能となる。さらに、増粘剤の配合により、染料や微細パルプが効率良く繊維に定着する。したがって、抄紙後の排水への染料や微細パルプの流出量が少なくでき、抄紙後の排水の後処理や、再利用が容易である。
本発明の実施の形態1における振動板の製造フローチャート (A)は本発明の実施の形態1における第1の例のスピーカの断面図、(B)は本発明の実施の形態1における第1の例のスピーカの上面図 (A)は本発明の実施の形態1における第2の例のスピーカの上面図、(B)は本発明の実施の形態1における第2の例のスピーカの断面図 本発明の実施の形態2における電子機器の斜視図 本発明の実施の形態3における移動体装置の概念図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態1におけるスピーカ用振動板の製造フローチャートである。
叩解工程12では、パルプ11をフィブリル化させる。混合工程14は、叩解工程12の後で、フィラー13と叩解工程12により得られたパルプ11とを混合し、パルプ11とフィラー13との混合物14Aを得る。
添加工程15は混合工程14の後で、パルプ11とフィラー13との混合物へ添加剤16や増粘剤17を添加し、スラリーを得る。抄紙工程18は、添加工程15の後でスラリーを抄紙する。乾燥工程19は、抄紙工程18の後で、抄紙された抄紙材料を加熱プレスする。そして、これによって、高アスペクト比の幅狭型振動板(以降、スリムタイプ振動板21という)あるいは、薄型のモバイル用途の小型振動板(マイクロスピーカ用振動板31という)などの振動板が製造される。以降、本明細書では、スリムタイプ振動板21とマイクロスピーカ用振動板31とを総称し、単に振動板20という。
なお、混合工程14では、パルプ11とフィラー13との混合物におけるフィラー13の含有量は20重量%から80重量%としておく。また、添加工程15には、紙力増強剤やサイズ剤などの添加剤16を添加する第1の添加工程15Aと、この第1の添加工程15Aの後で、高分子且つ高粘度の増粘剤17を添加する第2の添加工程15Bとを有する。
以上のような製造方法によって、増粘剤17は、抄紙工程18でのスラリーの粘度を大きくするので、比重の大きなフィラー13が自重で沈降しにくくなる。また、増粘剤17は高分子化合物であるので、分子量が大きい。したがって、増粘剤17とパルプ11やフィラー13とが絡みやすくなる。その結果、20重量%を超える多量のフィラー13を含有させても、スラリー中にフィラー13を均一に分散させることができる。そして、このスラリーを抄紙することによって、振動板20の剛性は高くなる。その結果、振動板20の再生周波数帯域の拡大が可能となる。特に、高域に対する再生周波数帯域の拡大が可能となる。そしてこの構成により、顧客が望む薄型形状のスピーカや、アスペクト比が高いスピーカを提供することが可能となる。
さらに、増粘剤17の配合により、染料や微細パルプが効率良くパルプ11の繊維に定着する。したがって、抄紙工程18の排水への染料や微細パルプの流出量が少なくでき、抄紙工程18の排水の後処理や、再利用が容易にできる。
以下、本実施の形態の振動板20について、詳しく説明する。図2(A)は、本実施の形態1における第1例のスピーカの断面図であり、図2(B)は、本実施の形態1における第1例のスピーカの上面図である。スリムタイプ振動板21は、長細い形状であり、アスペクト比は、5を超え、最大で10程度である。本例における振動板20は、長細い形状であり、アスペクト比は、5を超え、最大で10程度である(以降、この振動板20をスリムタイプ振動板21という)。
本例におけるスピーカは、長細い形状であり、アスペクト比は、5を超え、最大で10程度である(以降、このスピーカをスリムタイプスピーカ28という)。スリムタイプスピーカ28は、コーン型のスリムタイプ振動板21と、磁気回路22と、エッジ23と、フレーム24と、ボイスコイル25、磁気ギャップ26やダストキャップ27とによって構成される。
フレーム24の下部には、磁気回路22が固定される。一方、フレーム24の上端部外周には、スリムタイプ振動板21が連結される。ただし、スリムタイプ振動板21は、ゴム製のエッジ23を介して、フレーム24の上端外周部へと連結されている。つまり、エッジ23は、スリムタイプ振動板21とフレーム24との間を連結する。
スリムタイプ振動板21の中央部にはボイスコイル25が固定される。そして、磁気回路22に設けられた磁気ギャップ26内にボイスコイル25は配置される。なお、本例における磁気回路22は、内磁型であるが、これは外磁型や、内磁と外磁とを組み合わせた構成としてもよい。
スリムタイプ振動板21は、長手(縦)方向の外形寸法が、短手(横)方向の外形寸法に比べて、非常に長い。具体的には、本例のスリムタイプ振動板21のアスペクト(縦横)比は5を超え、最大では約10である。なお、本例におけるスリムタイプ振動板21の外形形状は、トラック型としているが、これは矩形状や、楕円状でも構わない。
そして、このスリムタイプ振動板21を本実施の形態における製造方法で製造すれば、横幅が狭く、アスペクト比が大きなスリムタイプ振動板21の剛性を大きくできる。その結果、再生周波数特性が広いスリムタイプ振動板21を得ることができる。したがって、再生周波数特性が広いスリムタイプスピーカ28を実現できる。
図3(A)は、本実施の形態1における第2例のスピーカの上面図であり、図3(B)は、本実施の形態1における第2例のスピーカの断面図である。本例における振動板20は、ドーム型の薄型振動板であり、モバイル機器などに搭載される(以降、この振動板20をマイクロスピーカ用振動板31という)。
本例におけるスピーカは、モバイル用途の薄型の小型スピーカ(以降、このスピーカをマイクロスピーカ30という)である。このマイクロスピーカ30は、たとえば携帯電話などの小型の携帯機器に搭載される。そのため、薄型かつ小型な形状である。マイクロスピーカ30は、ドーム型のマイクロスピーカ用振動板31と、磁気回路32と、エッジ33と、フレーム34と、ボイスコイル35、磁気ギャップ36とによって構成される。
フレーム34の中央部には、磁気回路32が固定される。このフレーム34の上端部外周には、マイクロスピーカ用振動板31が連結される。ただし、マイクロスピーカ用振動板31は、エッジ33を介して、フレーム34の上端外周部へと連結されている。つまり、エッジ33は、マイクロスピーカ用振動板31とフレーム34との間を連結している。
マイクロスピーカ用振動板31の中央部にはボイスコイル35が固定される。そして、磁気回路32に設けられた磁気ギャップ36内にボイスコイル35は配置される。なお、本例における磁気回路32は、内磁型であるが、これは外磁型や、内磁と外磁とを組み合わせた構成としてもよい。
マイクロスピーカ用振動板31は、携帯電話などの機器へ搭載されるため、非常に小型である。一般的な携帯電話に搭載されるマイクロスピーカ用振動板31の大きさは、長手(縦)方向の外形寸法が10mm程度であり、短手(横)方向の外形寸法が3mm程度である。さらに、マイクロスピーカ用振動板31の厚みは、非常に薄い。たとえば、本例におけるマイクロスピーカ用振動板31の厚みは、約0.1mmである。
そして、このマイクロスピーカ用振動板31を本実施の形態における製造方法によって製造すれば、薄く、軽いが、剛性が高いマイクロスピーカ用振動板31を得ることができる。その結果、再生周波数特性が広いマイクロスピーカ用振動板31を得ることができる。したがって、再生周波数特性が広いマイクロスピーカ30を実現できる。
本実施の形態における振動板20は、フィラー13を20重量%以上含んでいる。このようにフィラー13の含有比率が大きい場合、振動板20の内部損失が小さくなる。そこで、本例における振動板20では、振動板20にコルゲーションを形成する。あるいは、振動板20において、分割共振が発生する箇所に制振材料などを塗布する。この構成より、振動板20における分割共振の発生が抑制される。したがって、振動板20の共振によるピークディップの発生を抑制でき、広い再生周波数帯域に対して、平坦な音圧周波数特性を実現できる振動板20を得ることができる。
また、本例における振動板20では、エッジ23やエッジ33には、柔軟性の大きな材料を用いている。これにより、低域側の再生周波数を低くできる。そして以上のような構成により、振動板20の再生周波数帯域をさらに広げている。
本例における振動板20は、フィラー13の含有率が大きいため、振動板20の内部損失が小さくなる。そこで、本例では、フィラー13による内部損失の低下を補うために、フィラー13に加えてさらに合成繊維を添加している。合成繊維は、振動板20の内部抵抗を大きくし、制振性が付与される。その結果、振動板20の形状や音の歪みが抑制される。なお、合成繊維としては、たとえばポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ナイロン繊維、PEN繊維などが用いられる。
次に、本実施の形態における振動板20の製造方法を、さらに詳細に説明する。計量工程では、パルプ11やフィラー13の量を計量する。本実施の形態におけるパルプ11は、木材や非木材などの繊維が用いられる。木材であれば針葉樹や広葉樹が用いられる。一方、非木材であれば竹、笹、ケナフ、ジュート、バガス、マニラ麻、ガンピなどが用いられる。これらの繊維を適宜選定することにより、音質の調整をすることが可能となる。
なお、針葉樹、広葉樹などの木材を用いることにより、内部損失が高く、温かみのある音質を実現することが可能となる。一方、竹、ケナフ、ジュート、バガスなどの非木材繊維を用いることにより、限りある木材資源の保全が可能となる。
特に竹繊維は非常に硬いため、竹によるパルプ11を用いれば、特に剛性の高い振動板20を得ることができる。また、竹繊維は生育が早いため、森林伐採や二酸化炭素ガスの増加などの環境問題を発生させることが少なく、かつ継続的に供給可能である。さらに、ガラス繊維等の無機分のように埋め立てることなく、焼却によって廃棄できるため地球環境の保全を促進できる。
なお、竹繊維を用いる場合、竹齢1年以上の竹から得られた竹繊維を使用することが望ましい。一般に、竹は生後50日ほどで成長し、その後は成長はほとんど停止するので、竹齢が1年以上の竹繊維の物理特性は安定する。そして、このようにほぼ1年以上を経過した竹繊維を用いることにより、振動板20の音響特性も安定する。また、生後1年以上を経過した竹のみを伐採し続けることにより、竹林の竹は枯渇することなく、その竹林から継続的かつ安定して竹を入手することが可能となる。
ここで、竹繊維表面には過度のリグニンを含有する。このリグニンは、リグニンの水素結合に由来して、竹繊維同士の接着を阻害する。そこで、竹繊維に含まれるリグニンの含有量は20%以下とすることにより、リグニンによる竹繊維同士の接着が阻害されにくくなる。その結果、竹繊維同士が良好に接着でき、内部損出の高い振動板20を得ることができる。そして、このような竹繊維を使用することにより、本実施の形態のようにフィラー13の高い含有量による振動板20の内部損失の低下を補うことができる。したがって、非常に艶やかな音質を奏でる振動板20を得ることができる。
次にフィラー13には、マイカ、プラントオパール、金属繊維などが用いられる。所望する音質に応じて、これらの材料中から、適宜使用する材料を選択する。なお、これらのフィラー13にシラン処理を行えば、フィラー13とパルプ11との親和性を高めることができる。したがって、さらにフィラー13の添加による音質の調整効果を大きくできる。また、添加されるマイカは、天然マイカ、合成マイカを問わず用いることが可能である。なお、アスペクト比が高いマイカを用いることによって、さらに振動板の剛性が向上し、再生帯域の拡大が可能となる。プラントオパールの原料として稲、竹、ススキ、ヒエ、ヨシ、トウモロコシなどの植物が用いられる。金属繊維としては、ステンレス、アルミニウム、セラミックなどの金属繊維が用いられる。
叩解工程12は、計量工程の後で、パルプ11をフィブリル化させる工程である。叩解工程12では、粉砕機や、一軸や、二軸、あるいは多軸の混練機によって、パルプ11の叩解が行われる。なお、粉砕機を用いて、パルプ11の叩解を行う場合、ミキサー、ビーター、リファイナー、ガラスビーズなどの媒体を用いる。
この叩解工程12では、パルプ11のカナダ標準濾水度による叩解度(以降単に叩解度という)を管理する。叩解度が、200ml以下では、抄紙工程18における濾水速度が低くなる。したがって、振動板20の生産性が著しく低下する。一方、叩解度が700ml以上になると、パルプ11同士の絡み合いが低くなる。したがって、振動板20の剛性が低下する。
そこで、叩解工程12におけるパルプ11の叩解度は、200ml以上で、かつ700ml以下のレベルとする。パルプ11の叩解度をこの範囲とすることにより、パルプ11が、振動板20を形成する骨材として有効に作用し、振動板20に適度な剛性を与える。また、抄紙工程18において、フロッグの形成などが発生しにくくでき、抄紙ムラが生じにくい。
パルプ11の繊維長が0.8mm以下である場合、繊維長が短く、パルプ11が本来有する強度が失われる。したがって、振動板20の剛性も低下する。一方、パルプ11の繊維長が3mm以上である場合、パルプ11の繊維同士の絡み合いが強くなり過ぎる。したがって、振動板20中でのパルプ11の分散性が低下し、完成品の外観不良を招く。
そこで、パルプ11の繊維長は0.8mm以上で、かつ3mm以下とする。パルプ11は、この範囲の繊維長であれば、パルプ11自体の強度が損なわれない。したがって、パルプ11は、振動板20の骨材としての作用を発揮し、振動板20に十分な剛性を与える。またパルプ11の繊維長をこの範囲とすることにより、混抄した際の抄紙ムラも抑制できる。
混合工程14は、叩解工程12の後で、フィブリル化したパルプ11とフィラー13とを水へ投入し、パルプ11とフィラー13との混合物14Aを製造する工程である。この混合工程14において、混合物14A中のパルプ11の配合量は、20重量%(フィラー13が80重量%)〜80重量%(フィラー13が20重量%)としている。パルプ11の配合量が20%以下の場合、フィラー13と絡み合うパルプ11の量が不足し、振動板20の剛性を得られない。一方、フィラー13の配合量が20重量%以下の場合、フィラー13の配合量が不足するため、本実施の形態における振動板20に対し、所望の剛性を得ることができない。したがって、振動板20の再生帯域を拡大することが困難となる。このような比率によって、フィラー13とパルプ11とを配合することにより、振動板20の密度は0.40g/cm3〜1.00g/cm3の間とできる。振動板20の密度をこの範囲内とできるので、紙本来が有する制振性や軽さを損なうことがない。
振動板20の密度が0.40g/cm3以下の場合、強度が著しく低下する。したがって、高周波域での面鳴きなどのような異音が生じる。一方、密度が1.00g/cm3以上の場合、樹脂振動板と同等の密度であり、振動板20の重量が大きくなる。したがって、抄紙して得た振動板20の特長である軽さの面での優位性を得られず、音圧の低下など特性の悪化を招く。
添加工程15は、混合工程14によって混合された混合物14Aに対し、添加剤16や増粘剤17を添加する工程である。添加工程15には、第1の添加工程15Aと、第2の添加工程15Bを有している。ここで、第2の添加工程15Bは、第1の添加工程15Aの後で行われる。第1の添加工程15Aは、混合物14Aに対して紙力増強剤、サイズ剤、などの添加剤16を添加する。第2の添加工程15Bは、添加剤16が添加された混合物14Aに対して増粘剤17を添加する。第2の添加工程15Bとを含んでいる。
増粘剤17は、パルプ11とフィラー13とが配合されたスラリーの粘度を上げ、パルプ11やフィラー13の分散性を向上させる。なお増粘剤17にはカチオン性もしくは両性のイオン性の材料を用いる。その結果、パルプ11とフィラー13との親和性が、向上する。
増粘剤17の分子量は、高いほどスラリーの粘度が向上する。したがって、比重の異なる数種の材料を均一に分散することができる。そのために、増粘剤17には、分子量が500万以上の高分子化合物を用いる。本例では、分子量が500万のポリアクリルアミドを用いている。このように、500万以上の分子量を持つ増粘剤17を配合することにより、水中のパルプ11とフィラー13との絡み合いが向上し、パルプ11やフィラー13を均質に分散させることができる。
ここで、パルプ11と増粘剤17の比重は、フィラー13の比重に比べて小さい。かつ、パルプ11と増粘剤17の間の比重差は、増粘剤17とフィラー13との間の比重差よりも小さい。つまり、パルプ11と増粘剤17との比重は比較的近いので、混合工程14において均一に混合される。更に、増粘剤17の粘度は、12000mPa・s/25℃以上としている。このように増粘剤17の粘度が高いので、比重の大きなフィラー13が自重で沈降しにくくなる。それらの結果、パルプ11やフィラー13をさらに均質に分散させることができる。
なお、本例における増粘剤17には水溶性のポリアクリルアミドを用いているので、さらに増粘剤17自体も水中に均一に分散する。したがって、さらに、パルプ11やフィラー13をさらに均質に分散させることができる。
以上のように、パルプ11やフィラー13を均質に分散させるためには、増粘剤17の粘度や分子量とが重要である。つまり水中において、増粘剤17がどれだけ多くのパルプ11やフィラー13と絡み合うのかが重要となる。そこで、増粘剤17の添加量は、パルプ11とフィラー13の総重量に対して、0.1%〜5%とする。添加量が0.1%未満の場合、十分な粘度を得ることができない。その結果、水中でパルプ11とフィラー13とを均一に分散することができない。したがって、フィラー13の分散不良を引き起こし、振動板20の外観不良が発生する。一方、添加量が5%を超える場合、スラリーの粘度が増加しすぎる。したがって、抄紙工程18での脱水性が低下し、振動板20の生産性が著しく低下する。
なお、第1の添加工程15Aにおいて配合される添加剤16は、定着剤、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、撥水性、撥油性を付与する薬品などである。定着剤は、染料や染料を定着させるために配合され、パルプとの相性を考慮すると、ポリアミン系でカチオン性の材料が望ましい。湿潤紙力増強剤は、振動板20が湿潤状態で強度を発揮するために配合される。湿潤紙力増強剤は尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンなどが望ましい。乾燥紙力増強剤は、振動板20が乾燥時に強度を十分に発揮するために配合される。この乾燥紙力増強剤には、カチオン価デンプンやカチオン性又はアニオン性のポリアクリルアミドが望ましい。サイズ剤は、インクのにじみを付与するために配合される。なお、パルプとの定着性を考慮すれば、サイズ剤はカチオン性の材料を用いることが望ましい。
さらに、混合物14Aに対して硫酸バンドを配合し、スラリーのPHを調整すれば、これらの添加剤16の定着性を高めることができる。
抄紙工程18では、添加工程15にて添加剤16や増粘剤17が添加されたスラリーが、抄き型により抄紙される。なお抄き型は、振動板20の所定の形状に形成されている。本例では、添加工程15において増粘剤17を添加しているので、抄紙工程18において、染料や微細パルプ(たとえば後述する微細繊維)は、効率良くパルプ11繊維に定着する。そして、抄紙工程18の排水は、排水処理工程(図示せず)によってごみなどが取り除かれて、再度叩解工程12で使用される。以上のような製造方法によって、抄紙工程18の排水への染料や微細パルプの流出量が少なくでき、抄紙工程18の排水の後処理や、再利用が容易となる。
乾燥工程19は、抄紙工程18の後で、加熱プレスを行う。これにより、振動板20の水分を除去するとともに、振動板20を所定の厚みに成型する。なお、必要に応じて含浸工程(図示せず)が行われる。この含浸工程は、乾燥工程19の後で、振動板20へ樹脂を含浸させる工程である。そして上記工程を経ることによって、振動板20が完成する。
含浸工程で用いる含浸剤を選定し、含浸剤を音質調整材料として用い、振動板20の音質調整をすることも可能である。含浸剤にはポリエステル系や、アクリル系の含浸剤を用いることが多い。その他にもエンジニアリングプラスチックや環境配慮のためにポリ乳酸に代表される植物由来樹脂を使用しても良い。
あるいは、含浸工程で用いる含浸剤を選定し、振動板20に難燃処理を施すこともできる。これにより、振動板20の音質と信頼性とが、両立できる。なお、難燃剤としては、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系、無機系などの難燃剤の中から適宜選定する。臭素系難燃剤では、テトラブロモビスフェノールA(TBBA)、デカブロモジフェニルエーテル(Deca−BDE)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)などが用いられる。リン系難燃剤では、トリクレジルホスフェート、芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩類などが用いられる。アンチモン系では、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモンソーダなどが用いられる。無機系では、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが用いられる。
なお本例では、これらの含浸工程において音質調整材料や難燃剤を含浸したが、これは混合工程14や添加工程15において、混合物14Aへ配合してもかまわない。この場合においても、増粘剤17が音質調整材料や難燃剤を混合物14A中に均質に分布させることができる。また、抄紙工程18において、これらの音質調整材料や難燃剤が廃液とともに流れ出しにくくなる。したがって、振動板20に対して、音質調整材料や難燃剤の効果を十分に活かすことができる。
更に、振動板20へ樹脂ラミネートや、樹脂フィルムなどを音質調整材料として用いても良い。この場合、含浸工程の後で、あるいは含浸工程に代えて、振動板20へ樹脂ラミネートや、樹脂フィルムなどを貼り付ける。そして、これらの樹脂ラミネートや、樹脂フィルムによって、振動板20の音質の調整や、音質を向上させる。特に、振動板20の表側もしくは裏側の一方側にフィルムを貼り合せる。なお、フィルムには、PP、PE、PET、PEN、PEI、PIなどが用いられる。これらの音質調整材料を用いることにより、高音質な振動板20を得ることが可能となる。
次に、本実施の形態における叩解工程12の他の実施例について説明する。第2の実施例における叩解工程12では、パルプ11のフィブリル化度をさらに進め、微細繊維を得る。そして、この微細繊維を用いて振動板20を作成すれば、さらに剛性が高い振動板20を得ることができる。あるいは、混合工程14において、第1の実施例における叩解工程12で得たパルプ11と、上記微細繊維と、フィラー13とを混合してもよい。その結果、本実施の形態に記載したような、スリムタイプ振動板21やマイクロスピーカ用振動板31は、さらに広い再生周波数特性を実現できる。
微細繊維の原料としては、針葉樹、広葉樹などの木材や、竹、ケナフ、麻、ジュート、バガスなどの非木材が用いられる。また、微細繊維には、バクテリアセルロースを用いてもよい。バクテリアセルロースを産み出すバクテリアは、酢酸菌が代表的である。それ以外にも、例えば、アセトバクターアセチ(Acetobacter aceti)、アセトバクターキシリナム(Acetobacter xylinum)、アセトバクターランセンス(Acetobacter rancens)、ザルチナベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウムキシロイヂス(Bacterium xyloides)などを用いてもよい。
本実施の形態における叩解工程12では、粉砕機や、圧力式ホモジナイザー、一軸、二軸または多軸の混練機を用いて、フィブリル化を進めた微細繊維を得る。なお、粉砕機では、ミキサー、ビーター、リファイナー、あるいはガラスビーズなどの媒体によって、繊維が微細になるまで粉砕する。
混合工程14では、混合物14Aにおける微細繊維の添加の割合は、1wt%〜30wt%添加することが望ましい。この範囲の添加量であれば、微細繊維がパルプ11同士を結び付けるバインダーとして、効果的に働く。その結果、微細繊維が、パルプ11同士のつながりが強くなり、パルプ11同士のつながりが補強される。したがって、振動板20の剛性をさらに向上させることが可能となる。また、微細繊維は、パルプ11の繊維間の目止め剤としても有効に作用する。これにより、振動板20のピンホールが抑制できる。したがってピンホールによる振動板20の音圧低下を抑制でき、振動板20の音圧が向上する。
なお、竹繊維は剛性が高いので、特にミクロフィブリル状態まで微細化した竹繊維を添加すれば、さらに剛性の高い振動板20を得ることができる。なお、ミクロフィブリル状態まで微細化した竹繊維の適正な添加量は、1wt%〜30wt%である。ミクロフィブリル状態まで微細化した竹繊維の添加量が、1wt%以上である場合に、ミクロフィブリル状態まで微細化した竹繊維による補強効果を十分に得ることができる。一方で、ミクロフィブリル状態まで微細化した竹繊維の添加量が、30wt%以下である場合、抄紙工程18において抄紙網への目詰まりが発生しにくく、抄紙工程18での濾水性の低下を防止できる。振動板20を生産性良く製造することができる。
更に、本実施の形態におけるミクロフィブリル状態まで微細化された竹繊維は、叩解工程12において、叩解度が200ml以下となるまで叩解されることによって得ている。叩解度が200ml以下の竹繊維を用いて製造された振動板20は、通常のパルプ11だけを使用して製造され振動板に比べて、飛躍的に振動板20の剛性を高くできる。本製造方法で得られるスピーカ用振動板は、従来の抄紙振動板と比較して、高剛性化が可能となる。
形状においても円形、矩形、楕円形など様々な形状に振動板を成形しても、所望の効果を発揮することが可能となる。また、フルレンジ用スピーカだけではなく、ウーファー用、ツィータ用にも用いることができる。特に、振動板の縦、横のアスペクト比が高い振動板ほど効果を得ることができる。
(実施例)
以下、パルプ11とフィラー13とが、50:50の割合で配合された混合物14Aを抄紙して得た振動板20の音質特性の評価結果を示す。なお、本実施例では、フィラー13として、最も代表的なフィラーであるマイカを用いた。そして、本実施例では、第2の添加工程15Bで混合物14Aへ添加する増粘剤の添加量を0%、1%、5%と変化させた。(表1)は、上記条件によって製造された振動板20の音響特性を示す。
Figure 0006074584
その結果、増粘剤17を1%から5%添加することにより、増粘剤17を添加しない場合に比べて、弾性率は約2倍以上にまで跳ね上がった。そして、(表1)に示すように、増粘剤17を添加することにより、音響特性は著しく向上することが確認できた。
この結果より、混合物14Aにおけるフィラー13の含有率が50%という高い含有率においても、フィラー13が混合物14A中に均一に分散できていることが確認できた。したがって、混合物14Aにおけるフィラー13の含有率が50重量%から80重量%の間であり、かつ増粘剤17を1%から5%添加することによって、飛躍的に音響特性の良いスリムタイプ振動板21やマイクロスピーカ用振動板31を得ることができた。
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2における電子機器について、図面を用いて詳細に説明する。図4は、本発明の実施の形態2における電子機器の斜視図である。本実施の形態における電子機器51は、映像表示部52と、この映像表示部を囲む外枠部53とから構成される。スピーカ54は、外枠部53内に収納されている。たとえば、電子機器の外枠部53における左右の外周部近傍にスリムタイプスピーカ28あるいは、マイクロスピーカ30が配置される。
なお、本例におけるスピーカ54には、スリムタイプスピーカ28もしくは、マイクロスピーカ30が用いられる。ただしこの場合、電子機器において、スリムタイプスピーカ28は、スリムタイプスピーカ28の長手方向が縦方向となる方向で配置される。一方、マイクロスピーカ30を使用する場合、複数個のマイクロスピーカ30が、マイクロスピーカ30の長手方向へ連結されて、電子機器51内に搭載される。この場合、電子機器51において、マイクロスピーカ30は、マイクロスピーカ30の長手方向が縦方向となる方向で配置される。
なお、スピーカ54は、電子機器の筐体における上下方向の外周部近傍のうちのいずれか一方に配置しても構わない。ただし、このような場合、スピーカ54は、スピーカ54の長手方向が横方向となる方向で配置される。このように配置することによって、電子機器の小型化が可能となる。
さらに、必要であれば、映像表示部の外周枠体部のうちの左右方向と上下方向の両方の外枠部にスピーカ54を搭載する。このような構成とすることにより、さらに、高耐入力化と高音圧レベル化を実現することができる。
本実施の形態におけるスピーカ54は、添加工程15において増粘剤17を添加することにより、特に高域側の再生周波数を高くできる。そこで、電子機器内に設けられた信号処理回路は、中高域の周波数帯域の信号のみをスピーカ54へと供給する。この構成により、中高域の周波数帯域の音は、スピーカ54により十分に再生できる。
さらに、低域の周波数帯域の信号がスピーカ54へ供給されないので、スリムタイプスピーカ28あるいは、マイクロスピーカ30の耐入力は小さくても良い。
さらに電子機器内には、低域再生専用のスピーカ(図示せず)を設けておく。低域の音の指向性は広い。そこで、低域再生専用のスピーカは、映像機器の前面に設置する必要はない。したがって、低域再生専用のスピーカは、映像機器の内部の空きスペースに搭載すれば良い。したがって、映像機器の小型化を妨げることもない。そして信号処理回路は、低域の周波数帯域の信号を低域再生専用のスピーカへ供給する。これにより、広い周波数帯域の信号を再生できる電子機器を得ることができる。
もちろん、低インチサイズの映像機器等では、低域再生専用のスピーカを特に設けずに使用することも可能である。ただし、スピーカ54へ低域の周波数帯域の音が入力される場合、スピーカ54の個数を増やしておく。そして、スピーカ54を並列に接続すれば、1台当りに入力される信号のレベルは小さくできる。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3について、図面を用いて詳細に説明する。図5は、本発明の実施の形態3における移動体装置の概念図である。なお、本実施の形態における移動体装置の例として、ここでは自動車60を用いて説明する。この自動車には、推進装置61(タイヤやエンジンなど)と本体部62(シャーシ、ボディ、内装部や座席など)とを含んでいる。本例において、本体部62の天井、インパネ、サンバイザー、シートあるいはリアトレイ等に、本発明のスピーカ63が組込まれる。またスピーカ63を搭載する位置は、上記以外にヘッドレスト、アームレスト、コックピット、ミラー、メータ、ステアリング、ピラー、ドア等でも構わない。
本例におけるスピーカ63には、スリムタイプスピーカ28あるいは、マイクロスピーカ30が用いられる。なおマイクロスピーカ30を使用する場合、複数個のマイクロスピーカ30が、マイクロスピーカ30の長手方向へ連結されて、自動車60内に搭載される。このように、本発明のスリムタイプスピーカ28は非常に幅が狭い、またマイクロスピーカ30は、非常に小型であるので、どちらの場合でも設置場所を問わず、本体部62内に容易に搭載することができる。
一般的にスピーカは耳に近い位置へ搭載されることが望ましい。そこで、本例においてスピーカ63は、特にフロントピラー部へ設置すると良い。なお、マイクロスピーカ30を用いる場合、複数個のマイクロスピーカ30が、マイクロスピーカ30の長手方向へ連ならせている。したがってスピーカ63の形状は長細くなる。そこで、このスピーカ63はフロントピラー部へ収納しても、スピーカ63がフロントピラーの幅を左右しない。その結果、フロントピラーへスピーカ63を収納しても、フロントピラーの幅は狭くできる。したがって、操縦者の視野が良好な自動車60を実現できる。
また、マイクロスピーカ30を用いる場合、マイクロスピーカ30は、耳に近い位置に設置されるので、マイクロスピーカ30の音圧レベルが比較的小さくても、視聴者は十分に音圧を感じることができる。したがって、マイクロスピーカ30には、音圧レベルが小さな携帯電話用途のスピーカなどを用いることができる。
以上の構成により、自動車60等の移動体装置の小型化を促進できる。また、軽量化も実現することができるので、移動体装置の燃料消費を抑制することに対して大きく貢献できる。
本実施の形態では、自動車60を例に説明したが、これに限定されない。例えば、自転車、オートバイ、バス、電車、船舶や、飛行機等の移動体装置であれば、どのような装置であっても搭載できる。
本発明にかかる振動板の製造方法は、映像音響機器や情報通信機器等の電子機器、さらには自動車等に搭載される幅が狭い、あるいは薄く、軽い小型のスピーカに適用できる。
11 パルプ
12 叩解工程
13 フィラー
14 混合工程
14A 混合物
15 添加工程
15A 第1の添加工程
15B 第2の添加工程
16 添加剤
17 増粘剤
18 抄紙工程
19 乾燥工程
20 振動板

Claims (14)

  1. パルプの叩解工程と、前記叩解工程の後でフィラーと前記パルプとを混合して、前記パルプと前記フィラーとの混合物を得る混合工程と、前記混合工程の後で、前記混合物へ紙力増強剤やサイズ剤を添加する添加剤の添加工程と、この添加工程の後で前記添加剤が添加された混合物を抄紙する抄紙工程と、この抄紙工程の後で前記抄紙された抄紙材料を加熱プレスする乾燥工程とを備え、前記混合工程において、前記混合物における前記フィラーの含有量は20重量%から80質量%とするとともに、前記添加工程では、前記添加物を添加した後で500万以上の分子量を持つ高分子材料の増粘剤、または、粘度が12000mPa・s/25℃以上とした増粘剤を添加し、前記パルプと前記フィラーの混合物の総重量に対する増粘剤の添加量を0.1%〜5%とした高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  2. 増粘剤は、カチオン性もしくは両性のイオン性である請求項1に記載の高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  3. 前パルプは、カナダ標準濾水度における叩解度が200ml以上でかつ、700ml以下とした請求項1に記載の高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  4. 前記パルプの繊維長は、0.8mm以上でかつ、3mm以下とした請求項1に記載の高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  5. 前記振動板の密度は、0.4/cm以上でかつ、1.00g/cm以下とした請求項1に記載の高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  6. 前記混合工程は、前記パルプと前記フィラーとフィブリル化度を進めた微細繊維との混合物を得る工程とし、前記混合工程での前記混合物における前記微細繊維の含有量は、1重量%以上、30重量%以下とした請求項1に記載の高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  7. 前記微細繊維の叩解度は、200ml以下とした請求項6記載の高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  8. 前記パルプには、竹齢1年以上の竹から得られた竹繊維を含んだ請求項1に記載の高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  9. 前記竹繊維は、リグニン含有量が20%以下とした請求項8に記載の高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  10. 前記フィラーは、マイカ、プラントオパール、金属繊維の少なくとも1つとした請求項1に記載の高アスペクト比幅狭型振動板または薄型振動板の製造方法。
  11. 前記請求項1に記載の高アスペクト比幅狭型振動板またはモバイル用薄型振動板の製造方法で製造されたスピーカ用振動板。
  12. 前記請求項11に記載のスピーカ用振動板と、フレームと、このフレームへ結合される磁気回路と、この磁気回路の磁気ギャップに配置され、かつ前記スピーカ振動板の中央部へ固定されたボイスコイルと、前記スピーカ用振動板と前記フレームとの間を連結するエッジとを備えたスピーカ。
  13. 前記請求項12に記載のスピーカと、映像表示部と、この映像表示部を囲む外枠部とを有し、前記スピーカは前記外枠内に収納された電子機器。
  14. 前記請求項12に記載のスピーカと、推進装置と、この推進装置が設けられた本体部とを有し、前記スピーカは前記本体部に搭載された電子機器。
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