JP6072140B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真感光体の表面には、帯電、露光、現像および転写、ならびに、必要に応じてクリーニングといった一連の電子写真プロセスによるストレスが繰り返し付与されるため、耐摩耗性と化学的安定性が要求される。
電子写真感光体の表面の耐摩耗性を向上させる手段としては、電子写真感光体の表面層に硬化性樹脂を含有させる方法が挙げられる。
しかしながら、電子写真感光体に耐摩耗性の高い表面層を設けると、表面層が摩耗しにくくなることにより、表面層の表面がリフレッシュされにくくなり、表面に化学的な劣化物が蓄積しやすくなる。化学的な劣化物とは、上述の一連の電子写真プロセスによるストレスにより、正孔輸送性化合物(正孔輸送物質)が化学的変化を起こしたものである。正孔輸送物性化合物の化学的変化は、高温高湿環境下において出力した電子写真画像が不鮮明になる現象(以降、「画像流れ」とも呼ぶ。)を引き起こす原因となる場合がある。
したがって、画像流れを抑制するためには正孔輸送性化合物の化学的変化を抑制することが求められる。
正孔輸送性化合物の化学的変化を抑制する、すなわち、正孔輸送性化合物の化学的安定性を向上させる技術としては、表面層に正孔輸送性化合物とともに添加剤を含有させる技術がある。
特許文献1には、重合性官能基を有する特定のフッ素原子含有モノマーを表面層に添加することによって、画像流れを改善する技術が開示されている。
特許文献2〜4には、特定のアミン化合物を表面層に添加することにより、画像流れを改善する技術が開示されている。
特許文献5には、特定の重合性官能基を有する特定のシロキサン化合物を表面層に添加することによって、画像流れを改善する技術が開示されている。
特開2007−11005号公報 特開2007−272191号公報 特開2007−272192号公報 特開2007−279678号公報 特開2008−70761号公報
しかしながら、特許文献1〜5に開示されている添加剤を用いた技術は、正孔輸送性化合物に対する上述のストレスを緩和させるための技術であり、正孔輸送性化合物自体の化学的安定性を向上させる技術ではない。
近年、電子写真感光体の高耐久化が進んでおり、画像流れをさらに改善する要求が増している。画像流れを改善するためには、上述のストレスを緩和させるだけでなく、正孔輸送性化合物自体の化学的安定性を向上させることが求められている。また、電子写真感光体は、電子写真感光体の表面の傷などの発生に伴う画像欠陥を抑制し、電気特性を満足することも求められている。
本発明の目的は、高い耐摩耗性を有し、電子写真感光体の表面の傷などの発生に伴う画像欠陥が抑制され、電気特性が良好であり、画像流れが抑制された電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の目的は、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、下記構造式(1)で示される正孔輸送性化合物の重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
Figure 0006072140
(構造式(1)中、Arは、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族炭化水素基を表す。該縮合多環芳香族炭化水素基の置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、ハロゲン原子およびハロゲン置換アルキル基からなる群より選択される基である。Phは、置換もしくは無置換のベンゼンからq+1個の水素原子を除いて得られる基を表す。該ベンゼンからq+1個の水素原子を除いて得られる基の置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、ハロゲン原子およびハロゲン置換アルキル基からなる群より選択される基である。ArおよびPhは、Ar中の芳香環とPhとで結合している。Rは、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。Fnは、反応性官能基を表す。該反応性官能基は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。mおよびnは、それぞれ独立に、0または1を表す。pは、0以上4以下の整数を表す。pが2以上の場合、p個の括弧内の構造は同一でも異なってもよい。ただし、pが2以上の場合、酸素原子(O)が連続する場合は除く。qは、0以上3以下の整数を表す。qが2以上の場合、q個の括弧内の構造は同一でも異なってもよい。rは、1以上6以下の整数を表す。rが2以上の場合、r個の括弧内の構造は同一でも異なってもよい。構造式(1)は少なくとも1つのFnを有する。Fn以外の構造が、20個以上のsp2炭素原子を含む共役構造を有する。該共役構造中の該sp2炭素原子は、20個以上連続して結合している。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、高い耐摩耗性を有し、電子写真感光体の表面の傷などの発生に伴う画像欠陥が抑制され、電気特性が良好であり、画像流れが抑制された電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 電子写真感光体を有する電子写真装置の一例を示す概略図である。
本発明の電子写真感光体は、表面層が、上記構造式(1)で示される正孔輸送性化合物の重合物を含有する。すなわち、置換または無置換の縮合多環芳香族炭化水素基を1つ有し、その基に対して反応性官能基が導入されたベンゼン環構造が1つまたは複数結合した化合物の重合物を含有する。
本発明者らは、従来の電子写真感光体の表面層に含有される正孔輸送性化合物のアミン構造が化学的変化を起こすことが、画像流れの原因の1つであると考えている。そこで、アミン構造を有さない電子写真感光体用の正孔輸送性化合物の探索を行い、本発明に至った。
電子写真感光体に用いられる正孔輸送性化合物(正孔輸送物質)としては、正孔輸送性を確保するために、従来、アリールアミン化合物などのアミン化合物が用いられることが多い。本発明における「正孔輸送性」とは正孔輸送能を有することを意味する。正孔輸送能の尺度は、電子写真感光体の感度などの電子写真特性を評価することによって知ることできる。
アリールアミン化合物の正孔輸送性は、アミン構造が有する電子供与性を、窒素原子の周囲にあるアリール基またはsp2混成軌道を有する炭素原子(以降、「sp2炭素原子」とも呼ぶ。)群からなる基の相互作用によって発現すると考えられる。
一方で、繰り返し電子写真プロセスを通じて、アリールアミン部位では、電荷の授受が盛んに行われているため、化学的反応などを受けやすい状態にあると考えられる。特に、帯電工程における放電のエネルギーや、放電によって生成するオゾンや酸化性物質の作用によって、アリールアミン部位は、酸化などの変化を受けやすい傾向にあると考えられる。その結果、アリールアミン部位の化学的変化が引き起こされていると本発明者らは推測している。
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記構造式(1)で示される化合物の重合物を表面層に用いることで、耐摩耗性および電気特性を良化させ、電子写真感光体の表面の傷などの発生に伴う画像欠陥を抑制し、画像流れを抑制することができることを見出した。この理由として、本発明者らは、上記構造式(1)で示される化合物は、アリールアミン構造を有していない正孔輸送性化合物であるため、化学的安定性が、アリールアミン化合物より優れているからであると考えている。
本発明において、正孔輸送性化合物(正孔輸送物質)とは、電子写真感光体において電荷発生層や電荷輸送層などから正孔を受け取り、各層間に正孔を注入・輸送する化合物(物質)を意味する。上記構造式(1)で示される化合物およびその重合物は、正孔輸送性化合物(正孔輸送物質)である。
上記構造式(1)で示される化合物について、詳細に説明する。
上記構造式(1)中、Arは、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族炭化水素基を表す。
より良い正孔輸送能を発現させるためには、1つの縮合多環芳香族炭化水素基を形成するsp2炭素原子の個数は、12個以上であることが好ましく、14個以上であることがより好ましく、さらには16個以上であることがより好ましい。
縮合多環芳香族炭化水素基を形成するsp2炭素原子の個数は、層の形成性(成膜性)および併用する材料との相溶性の観点から、20個以下であることが好ましく、18個以下であることがより好ましい。
また、縮合多環芳香族炭化水素基を形成する環構造の数は、成膜性および分子のフレキシビリティーの観点から、6環以下で構成されることが好ましく、5環以下で構成されることがより好ましい。さらに好ましくは、3環もしくは4環から構成されることである。
縮合多環芳香族炭化水素基としては、例えば、
ナフタレン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、フルオランテン、ピレン、クリセン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[i]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[e]ピレン、ベンゾ[ghi]ペリレン、インデノ[1,2,3−cd]ピレン、ジベンゾ[a,h]アントラセン
などの縮合多環芳香族炭化水素からr個の水素原子を除いて得られる基などが挙げられる。
縮合多環芳香族炭化水素基としては、正孔輸送能の観点から、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、フルオランテンからr個の水素原子を除いて得られる基が好ましい。
縮合多環芳香族炭化水素基が有することができる置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、ハロゲン原子およびハロゲン置換アルキル基からなる群より選択される基である。
Phは、置換もしくは無置換のベンゼンからq+1個の水素原子を除いて得られる基を表す。ベンゼンからq+1個の水素原子を除いて得られる基が有することができる置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、ハロゲン原子およびハロゲン置換アルキル基からなる群より選択される基である。
上記構造式(1)中、ArおよびPhは、Ar中の芳香環とPhとで結合している。正孔輸送能を発現するために、Arの芳香環上に有するsp2炭素原子とPhが有するsp2炭素原子同士が直接結合する構造を有する。sp2炭素原子が連続して連なった共役構造をとることで正孔輸送能が発現される。共役構造の広がりは長い方が好ましい。
なお、特開2008−170977号公報には、ビスフェノールフルオレンから誘導されるモノマーが記載されている。このビスフェノールフルオレンは、フルオレンとベンゼン環がフルオレンのsp3炭素部分で結合されており、十分なsp2炭素原子の共役を有さず、正孔輸送能を発現できないと本発明者らは考えている。
Rは、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。
アルキレン基としては、例えば、
メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、n−ブチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−エチルエチレン基、n−ペンチレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、3−メチルブチレン基、4−メチルブチレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1,3−ジメチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基、n−ヘキシレン基、1,1−ジメチルブチレン基、2,2−ジメチルブチレン基、3,3−ジメチルブチレン基、4,4−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、1,3−ジメチルブチレン基、1,4−ジメチルブチレン基、2,3−ジメチルブチレン基、2,4−ジメチルブチレン基、3,4−ジメチルブチレン基、1−エチルブチレン基、2−エチルブチレン基、3−エチルブチレン基、4−エチルブチレン基、1,1−ジエチルブチレン基、2,2−ジエチルブチレン基、n−へプチレン基、n−オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、1,1−ジメチルヘキシレン基、1,3−ジメチルヘキシレン基、1,5−ジメチルヘキシレン基、1,1,3,3−テトラメチルブチレン基、n−ノニレン基、1−メチルオクチレン基、3−メチルオクチレン基、
n−デシレン基、1−メチルノニレン基、2−メチルノニレン基、1,1−ジメチルオクチレン基、1−エチルオクチレン基、1−(n−ブチル)ヘキシレン基、1,1−ジメチルオクチレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、
n−ドデシレン基、1−メチルウンデシレン基、1,1−ジメチルデシレン基、4,4、−ジエチルヘキシレン基、1,4−ジ(n−ブチル)ブチレン基
などが挙げられる。
以下に、ArおよびPhが有することができる置換基の具体例を示す。
アルキル基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基、1−メチルヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、シクロオクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基
などが挙げられる。
上記アルキル基は、置換基としてハロゲン原子を有してもよい。すなわち、ハロゲン置換アルキル基であってもよい。
ハロゲン置換アルキル基としては、例えば、
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル基、2,2,2−トリフルオロ−1,1−ビス(トリフルオロメチル)エチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基、6,6,6,5,5−ペンタフルオロヘキシル基、6,6,6,5,5,4,4−ヘプタフルオロヘキシル基、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル基、
クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、3,3,3,2,2−ペンタクロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロ−2−クロロプロピルなど、ヘプタクロロプロピル基、2,2,2−トリクロロ−1,1−ジメチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1,1−ビス(トリフルオロメチル)エチル基、4,4,4−トリクロロブチル基、5,5,5−トリクロロペンチル基、6,6,6−トリクロロヘキシル基、
ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−ヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、4−ヨードブチル基
などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基
などが挙げられる。
上記アルコキシ基は、置換基としてハロゲン原子を有してもよい。すなわち、ハロゲン置換アルコキシ基であってもよい。
ハロゲン置換アルコキシ基としては、例えば、
フルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、2−フルオロエチルオキシ基、2,2−ジフルオロエチルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエチルオキシ基、ペンタフルオロエチルオキシ基、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基、4,4,4−トリフルオロブチルオキシ基、5,5,5−トリフルオロペンチルオキシ基、5,5,5,4,4−ペンタフルオロペンチルオキシ基
などが挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、
ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、フェナントレニルメチル基、ピレニルメチル基、フルフリル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−n−ヘキシルベンジル基、4−n−ノニルベンジル基、3,4−ジメチルベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−n−ブチルオキシベンジル基、4−n−ヘキシルオキシベンジル基、4−n−ノニルオキシベンジル基
などが挙げられる。
上記アラルキル基が有するアルキレン部位は、置換基としてハロゲン原子を有してもよい。
アルキレン部位が置換基としてハロゲン原子を有するアラルキル基としては、例えば、
フルオロメチルフェニル基(具体的には下記構造式(i)で示される基である。)、ジフルオロメチルフェニル基(具体的には下記構造式(ii)で示される基である。)、2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチル基、2,2,1,1−テトラフルオロ−2−フェニルエチル基、3,3−ジフルオロ−3−フェニルプロピル基、4,4−ジフルオロ−4−フェニルブチル基
などが挙げられる。
また、
上記のアルキレン部位が置換基としてハロゲン原子を有するアラルキル基において、フッ素原子をそれぞれ他のハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)に置換した基、
上記のアルキレン部位が置換基としてハロゲン原子を有するアラルキル基において、フェニル基を他のアリール基に置換した基、
その他として上に列挙された、置換基としてハロゲン原子を有するアルキル基(ハロゲン置換アルキル基)群より得られる2価の基にアリール基が結合した基
などが挙げられる。
Figure 0006072140
アラルキル基が有するアリール基は、置換可能な位置に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子や、ハロゲン置換アルキル基を置換基として有してもよい。
置換基としてのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
ArやPhが有することができるハロゲン置換アルキル基としては、上述のArやPhが有することができるアルキル基の水素原子を、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)で置換した基が挙げられる。
Fnは、反応性官能基を表す。
本発明において、反応性官能基とは、反応性官能基を有する分子間で反応を起こした場合に、分子間を共有結合で結合することができる官能基を意味する。
Fnとしては、例えば、以下に示す構造が挙げられる。
Figure 0006072140
電子写真感光体の表面の耐摩耗性の観点から、Fnは、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましい。
上記構造式(1)で示される化合物の一分子内で異なるFnを有してもよいし、上記構造式(1)で示される化合物の分子間で異なるFnを有してもよい。
mおよびnは、それぞれ独立に、0または1を表す。pは、0以上4以下の整数を表す。pが2以上の場合、p個の括弧内の構造は同一でも異なってもよい。ただし、pが2以上の場合、酸素原子(O)が連続する場合は除く。qは、0以上3以下の整数を表す。qが2以上の場合、q個の括弧内の構造は同一でも異なってもよい。rは、1以上6以下の整数を表す。rが2以上の場合、r個の括弧内の構造は同一でも異なってもよい。
上記構造式(1)で示される化合物の反応性官能基数は、上述のqおよびrの数の組合せで決まる。上記構造式(1)は、少なくとも1つのFnを有する。
上記構造式(1)で示される化合物は、正孔輸送性の観点から、Fn以外の構造、すなわち、反応性官能基以外の構造が20個以上のsp2炭素原子を含む共役構造を有することが好ましい。さらには、24個以上のsp2炭素原子を含む共役構造を有することがより好ましい。このsp2炭素原子を含む共役構造中のsp2炭素原子は、20個以上連続して結合していることが好ましく、24個以上連続して結合していることがより好ましい。
共役構造とは、sp2炭素原子が連続して結合する構造を意味する。共役構造は、分子内の電子を非局在化させ、正孔輸送性化合物の分子間での電荷の授受を行いやすくする性質を有する。
なお、上述した好適範囲は、上記構造式(1)で示される化合物のうち、Fn以外の構造に関するものであるため、sp2炭素原子を数えるにあたってFnに含まれるsp2炭素原子は含めない。例えば、Fnの一例であるアクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基の二重結合(C=C)やカルボニル基(C=O)に含まれるsp2炭素原子は含めない。また、反応性フェノール基に含まれるsp2炭素原子も含めない。
上記構造式(1)で示される化合物の分子量は、300以上であることが好ましく、また、1000以下であることが好ましい。より好ましくは、300以上1000以下である。分子量が300以上であると、分子内の共役が広がり、正孔輸送能がより向上する。また、分子量が1000以下であると、塗布液の調製や塗布液の塗布の際、良好な溶解性や良好な成膜性を得ることができる。
上記構造式(1)で示される化合物は、Fn以外の構造が、炭素原子および水素原子のみからなる構造、または、炭素原子、水素原子および酸素原子のみからなる構造であることが好ましい。このような構造であると、より高い耐劣化性と正孔輸送性を示すことができる。
上記構造式(1)で示される化合物の具体例を以下に示す。ただし、上記構造式(1)で示される化合物は、これらに限定されるものではない。また、下記の例示化合物のFnについては、上述の他のFnに置き換えられてもよい。ArやPhが有することができる置換基についても、上述の他の置換基に置き換えられてもよい。
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
Figure 0006072140
上記構造式(1)で示される化合物の代表的な合成例を以下に示す。
下記反応式(1)で示される反応により、例示化合物No.41の合成を行った。
下記反応式(1)中の左側のジヒドロキシ化合物24.4質量部と、テトラヒドロフラン210質量部およびトリエチルアミン23質量部とを三つ口フラスコに投入し、混合物を溶解させた。その後、混合物を氷水で冷却した。次に、混合物に塩化アクリロイル12.5質量部を5℃以下の冷却下で温度上昇に注意しながらゆっくり滴下した。滴下終了後、冷却した状態で1時間撹拌した。次に、反応混合物を内部温度が室温になるまで徐々に昇温させ、一晩撹拌を続けた。
反応終了後、反応混合物に5%水酸化ナトリウム水溶液250質量部を加えた。その混合物に酢酸エチルを220質量部投入し、有機層を分液して生成物を抽出した。さらに、3回、酢酸エチル220質量部で抽出操作を行った。得られた有機層を、純水および食塩水600質量部で水洗浄した。水洗浄は、水層がpH7付近になるまで行った。得られた有機層の脱水を、無水硫酸マグネシウムを用いて行い、硫酸マグネシウムを濾過して除去した後、有機層を濃縮し、粗生成物を得た。
得られた粗生成物中の不純物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて除去し、目的物を含有するフラクションを収集した。得られた混合溶液から溶媒を除去し、目的とするジアクリル基導入正孔輸送性化合物(例示化合物No.41)を得た。収量は12.6質量部であり、収率は42.9%であった。
Figure 0006072140
上記反応式(1)に準じて、目的とする上記構造式(1)で示される化合物に対応するジヒドロキシ化合物またはヒドロキシ化合物などとFnを形成できる化合物とを反応させることにより、その他の上記構造式(1)で示される化合物を合成することができる。
本発明の電子写真感光体の表面層には、上記構造式(1)で示される化合物の重合物として、上記構造式(1)で示される化合物と、反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物と、を含む組成物の重合物(共重合物)を含有させていてもよい。すなわち、本発明の電子写真感光体の表面層が含有する上記構造式(1)で示される化合物の重合物は、上記構造式(1)で示される化合物のみの重合物であってもよい。また、上記構造式(1)で示される化合物と、反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物と、の重合物(共重合物)であってもよい。上記構造式(1)で示される化合物と、反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物と、を含む組成物を用いることにより、これを重合させて得られる重合物の機械的強度を制御することができる。反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物を併用する場合、Fnを1個以上(好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上。)有する上記構造式(1)で示される化合物と、反応性官能基を2個以上(好ましくは3個以上。)有し正孔輸送性を有さない化合物と、の重合物を表面層に含有させることが好ましい。
反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物が有する反応性官能基としては、Fnと同様の官能基が挙げられる。それらの中でも、スチリル基、ビニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基などのラジカル重合性の官能基が好ましく、ラジカル重合性の官能基の中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。なお、以下で述べる、官能基数のX官能とは、反応性官能基をX個有することを意味する。例えば、1官能とは反応性官能基を1個有することを意味する。
1官能の重合性モノマー(反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物)としては、例えば、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート
などが挙げられる。
2官能の重合性モノマー(反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物)としては、例えば、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
などが挙げられる。
3官能の重合性モノマー(反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物)としては、例えば、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート
などが挙げられる。
4官能の重合性モノマー(反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物)としては、例えば、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート
などが挙げられる。
6官能の重合性モノマー(反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物)としては、例えば、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
などが挙げられる。
上では反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物として反応性官能基がアクリロイルオキシ基である例を挙げた。これらの化合物のほか、これらの化合物が有するアクリロイルオキシ基をメタクリロイルオキシ基などの他の反応性官能基に置き換えた化合物も併せて例示できる。
反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物の分子量は、100以上1000以下であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の表面層には、本発明の効果の奏功を妨げない範囲で、上記構造式(1)で示される化合物と、他の反応性官能基を有する正孔輸送性化合物と、を含む組成物の重合物を含有させてもよい。すなわち、本発明の電子写真感光体の表面層が含有する上記構造式(1)で示される化合物の重合物は、上記構造式(1)で示される化合物と、他の反応性官能基を有する正孔輸送性化合物と、の重合物(共重合物)であってもよい。もちろん、本発明の電子写真感光体の表面層には、上記構造式(1)で示される化合物と、他の反応性官能基を有する正孔輸送性化合物と、反応性官能基を有し正孔輸送性を有さない化合物と、を含む組成物の重合物を含有させてもよい。
上記構造式(1)で示される化合物以外の反応性官能基を有する正孔輸送性化合物としては、例えば、反応性官能基を有する芳香族アミン化合物が挙げられる。反応性官能基を有する芳香族アミン化合物を併用する場合、上記構造式(1)で示される化合物の混合比は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。上記構造式(1)で示される化合物の混合比は、上記構造式(1)で示される化合物の質量/(上記構造式(1)で示される化合物の質量+反応性官能基を有する芳香族アミン化合物の質量)×100[質量%]で求められる。
本発明の電子写真感光体の表面層には、電子写真感光体の表面の耐摩耗性の観点から、微粒子を含有させてもよい。微粒子は、無機微粒子でもよいし、有機微粒子でもよい。
無機微粒子としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンなどを含む粒子が用いられる。
有機微粒子としては、例えば、有機樹脂微粒子が挙げられる。
有機樹脂微粒子の有機樹脂としては、例えば、
ポリオレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂
などが挙げられる。
表面層の膜厚は、0.1μm以上40μm以下であることが好ましく、0.1μm以上15μm以下であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体の表面層は、上記構造式(1)で示される化合物および溶剤を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を硬化させることによって形成することができる。
表面層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、
アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤
などが挙げられる。
表面層用塗布液の塗膜を硬化させる、すなわち、上記構造式(1)で示される化合物を重合(硬化重合)させる方法としては、例えば、熱、紫外線などの光、電子線などの放射線を用いて重合させる方法などが挙げられる。必要に応じて、重合開始剤などの補助剤、酸、アルカリ、錯体などの化合物を共存させてもよい。加熱、光または放射線の照射によって、Fn(反応性官能基)が反応し、上記構造式(1)で示される化合物が重合(硬化重合)し、塗膜が硬化することで、上記構造式(1)で示される化合物の重合物を含有する表面層が形成される。
加熱、光、放射線の中でも、放射線が好ましく、放射線の中でも、電子線がより好ましい。
電子線を用いて重合させると、きわめて緻密(高密度)な3次元網目構造が得られ、電子写真感光体の表面の耐摩耗性がより向上する。また、短時間で効率的な重合反応となるため、生産性も高くなる。
電子線を塗膜に照射する場合、加速器としては、例えば、
スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型、ラミナー型
などが挙げられる。
電子線を用いる場合、電子線の加速電圧は、重合効率と電子線による材料特性劣化の抑制の観点から、150kV以下であることが好ましい。また、表面層用塗布液の塗膜の表面での電子線吸収線量は、5kGy以上50kGy以下であることが好ましく、1kGy以上10kGy以下であることがより好ましい。
電子線を用いて上記構造式(1)で示される化合物やそれを含む組成物を重合させる場合、酸素による重合阻害作用の抑制の観点から、不活性ガス雰囲気で電子線を照射した後、不活性ガス雰囲気で加熱することが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。
以下、本発明の電子写真感光体の全体的な構成について説明する。
〈電子写真感光体〉
電子写真感光体の好ましい構成は、支持体上に、電荷発生層、正孔輸送層をこの順で積層してなる構成である。必要に応じて、電荷発生層と支持体の間に導電層や下引き層を設けてもよいし、正孔輸送層上に保護層を設けてもよい。一般的に、電荷発生層および正孔輸送層を併せて感光層と呼ばれる。また、感光層は、電荷発生物質と正孔輸送物質を含有する単層型感光層であってもよい。
電子写真感光体の表面層とは、電子写真感光体の各層のうち、最も表面に位置する層を意味する。
表面層の耐劣化性ならびに正孔の注入および輸送性の観点から、表面層のイオン化ポテンシャルは、5.5eV以上6.4eV以下であることが好ましく、5.8eV以上6.2eV以下であることがより好ましい。
電子写真感光体が正孔輸送層および該正孔輸送層上の保護層を有する場合、保護層が表面層であり、該保護層が上記構造式(1)で示される化合物の重合体を含有する。上記構造式(1)で示される化合物の重合体は、正孔輸送性化合物(正孔輸送物質)であるため、該保護層を第二の正孔輸送層と呼ぶこともできる。このような第一の正孔輸送層および第二の正孔輸送層(保護層)を有する電子写真感光体においては、第一の正孔輸送層のイオン化ポテンシャルは、5.0eV以上6.0eV以下であることが好ましい。より好ましくは、5.2eV以上5.8eV以下である。
上記イオン化ポテンシャルとは、層を構成する分子などから電子を放出させるために必要なエネルギーの値を意味する。
試料(層)の表面に紫外線を照射した場合、放出される光電子の数は、紫外線のエネルギーに依存して変化する。このエネルギー値を測定することで、層のイオン化ポテンシャルを求めることができる。
本発明において、イオン化ポテンシャルの測定は、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置(商品名:AC−3)を用いて測定した。イオン化ポテンシャルを測定する試料(層)の表面を一部剥離して採取し、測定装置に装填し、電子を放出する閾値エネルギーを測定してイオン化ポテンシャルを測定した。
電子写真感光体が、正孔輸送層として、第一の正孔輸送層と第二の正孔輸送層(保護層)を有する場合、それぞれのイオン化ポテンシャルを測定することができる。第一の正孔輸送層のイオン化ポテンシャルを測定する場合は、その表面に第二の正孔輸送層などを積層する前の状態で試料を剥離し、採取して測定することができる。
〈支持体〉
本発明で用いられる支持体としては、導電性を有する材料を含む導電性支持体であることが好ましい。支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属または合金が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体や樹脂製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子をプラスチックや紙に含浸してなる支持体や、導電性樹脂を含有する支持体を用いることもできる。支持体の形状としては、例えば、円筒状、ベルト状、シート状、板状などが挙げられる。これらの中でも、円筒状が好ましい。
支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制、支持体の表面欠陥の改良、支持体の導電性の改良などの観点から、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などの処理を施してもよい。
支持体と、後述の下引き層または電荷発生層との間には、レーザーなどの散乱による干渉縞の抑制、抵抗制御、支持体の傷の被覆などの観点から、導電層を設けてもよい。
導電層は、導電性粒子(カーボンブラック、導電性顔料、抵抗調節顔料など)を結着樹脂とともに分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。導電層用塗布液には、加熱、紫外線照射、放射線照射などにより硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性粒子を分散させてなる導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上40μm以下であることがより好ましく、1μm以上30μm以下であることがより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、
スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂およびイソシアネート樹脂
などが挙げられる。
導電性粒子(導電性顔料、抵抗調節顔料)としては、例えば、
アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレス鋼などの金属(合金)の粒子や、これらの金属(合金)をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの
などが挙げられる。また、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスおよび/またはスズをドープした酸化インジウム、アンチモンおよび/またはタンタルをドープした酸化スズなどの金属酸化物の粒子
なども挙げられる。これらは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
支持体または導電層と電荷発生層との間には、電荷発生層の接着性改良、支持体からの正孔注入性改良、電荷発生層の電気的破壊に対する保護などを目的として、下引き層(中間層)を設けてもよい。
下引き層は、結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、例えば、
ポリビニルアルコール樹脂、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド樹脂、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂、共重合ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂
などが挙げられる。
下引き層には、金属酸化物粒子を含有させてもよい。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムを含有する粒子などが挙げられる。また、金属酸化物粒子としては、その表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている金属酸化物粒子なども挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上25μm以下であることがより好ましい。
下引き層には、有機樹脂微粒子、レベリング剤などを含有させてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理することによって得られた電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生物質としては、例えば、
アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素
などが挙げられる。これら電荷発生物質は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましく、フタロシアニン顔料がより好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、電荷発生効率の観点から、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、
スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂
などが挙げられる。
電荷発生物質と結着樹脂の質量比(電荷発生物質/結着樹脂)は、1/4以上1/0.3以下の範囲であることが好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上1μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。
正孔輸送層が表面層の場合は、上述のとおり、正孔輸送層は、上記構造式(1)で示される化合物の重合物を含有する。
正孔輸送層上に保護層(第二の正孔輸送層)を設ける場合は、正孔輸送層(第一の正孔輸送層)は、正孔輸送物質(正孔輸送性化合物)と結着樹脂を溶剤に混合した正孔輸送層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
正孔輸送物質としては、例えば、カルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物
などが挙げられる。
正孔輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂や、硬化型フェノール樹脂、硬化型ウレタン樹脂、硬化型メラミン樹脂、硬化型エポキシ樹脂、硬化型アクリル樹脂、硬化型メタクリル樹脂などの硬化性樹脂
などが挙げられる。
正孔輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、
アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤
などが挙げられる。
正孔輸送層の膜厚は、1μm以上100μm以下であることが好ましく、3μm以上50μm以下であることがより好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体の各層には、各種添加剤を添加することが可能である。添加剤としては、例えば、
有機顔料、有機染料、塗膜表面調整剤、電子輸送物質(電子輸送性化合物)、オイル、ワックス、酸化防止剤、光吸収剤、重合開始剤、ラジカル失活剤、有機樹脂微粒子、無機粒子
などが挙げられる。
電子写真感光体の各層の表面には、研磨シート、形状転写型部材、ガラスビーズ、ジルコニアビーズなど用いて表面加工を施してもよい。また、塗布液の構成材料を使って表面に凹凸を形成させてもよい。
上記各層の塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、円形量規制型(リング)塗布法、スピン塗布法、ローラー塗布法、マイヤーバー塗布法、ブレード塗布法などが挙げられる。
以下、本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置について説明する。
本発明のプロセスカートリッジを有する電子写真装置の構成の一例を図1に示す。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、図1中の矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の周面(表面)は、帯電手段2により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の周面は、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)3を受ける。こうして、電子写真感光体1の周面には、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。帯電手段(帯電ローラーなど)2に印加する電圧は、直流成分に交流成分を重畳した電圧であってもよいし、直流成分のみの電圧であってもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段4のトナー(現像剤)により現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成されたトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)5からの転写バイアスによって、転写材(紙や中間転写体など)6に転写される。転写材6は電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
トナー像転写後の電子写真感光体1の周面(表面)は、前露光手段(不図示)からの前露光光7により除電処理された後、クリーニング手段8によって転写残トナーの除去を受けて清浄面化される。こうして、電子写真感光体1は、画像形成に繰り返し使用される。なお、前露光手段はクリーニング工程の先でも後でもよいし、必ずしも前露光手段は必要ではない。
電子写真感光体1、帯電手段2、現像手段4、転写手段5およびクリーニング手段8などから選択される構成要素のうち、複数のものを容器に納めて一体に支持して構成したプロセスカートリッジ9を、電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段2、現像手段4およびクリーニング手段8とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
本発明のプロセスカートリッジを有する電子写真装置の構成の別の例を図2に示す。
図2において、イエロー色、マゼンタ色、シアン色およびブラック色のそれぞれに対応したイエロー色用のプロセスカートリッジ17、マゼンタ色用のプロセスカートリッジ18、シアン色用のプロセスカートリッジ19、ブラック色用のプロセスカートリッジ20が、中間転写体10に沿って並置されている。図2に示すとおり、電子写真感光体の直径や構成材料、現像剤、帯電手段およびその他の手段は、必ずしも各色で統一する必要はない。例えば、図2の電子写真装置では、電子写真感光体の直径が、イエロー色、マゼンタ色およびシアン色のものよりもブラック色のものの方が大きい。また、イエロー色、マゼンタ色およびシアン色の帯電手段が、直流成分に交流成分を重畳した電圧を帯電手段に印加する方式が採用されているのに対して、ブラック色の帯電手段では、コロナ放電を用いる方式が採用されている。
画像形成動作が始まると、上述の画像形成プロセスに従い、一次転写手段によって、中間転写体10に各色のトナー像が順次転写され、重ねられていく。並行して、転写紙11が給紙経路12によって給紙トレイ13から送り出され、中間転写体の回転動作とタイミングを合わせて、二次転写手段14へと給送される。二次転写手段14からの転写バイアスによって、中間転写体10上のトナー像が転写紙11に転写される。転写紙11上に転写されたトナー像は、給紙経路12に沿って搬送され、定着手段15によって転写紙上に定着され、排紙部16から排紙される。この例では、一次帯電手段、中間転写体および二次転写手段が転写手段である。
以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、電子写真感光体を以下単に「感光体」ともいう。
〈電子写真感光体の製造〉
〔実施例1〕
外径30.0mm、長さ357.5mmおよび肉厚0.7mmの円筒状のアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗率:4.7×10Ω・cm)10部をトルエン50部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤0.08部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。シランカップリング剤としては、信越化学工業(株)製のKBM602(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)を用いた。
次に、ポリビニルブチラール樹脂(重量平均分子量:40000、商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化バイエルウレタン(株)製)15部を、メチルエチルケトン73.5部/1−ブタノール73.5部の混合溶剤に溶解させることによって溶液を得た。この溶液に上記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部および2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部を加えた。これらを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置に入れ、23±3℃雰囲気下で3時間分散処理した。分散処理後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(平均一次粒径2.5μm、商品名:TECHPOLYMER SSX−102、積水化成品工業(株)製)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶2部、下記構造式(A)で示されるカリックスアレーン化合物0.02部、
Figure 0006072140
ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)1部、および、シクロヘキサノン60部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した。分散処理後、酢酸エチル70部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を15分間90℃で乾燥させることによって、膜厚0.19μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(B)で示される化合物6部、下記構造式(C)で示される化合物3部、下記構造式(D)で示される化合物1部
Figure 0006072140
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、モノクロロベンゼン60部/ジメトキシメタン20部の混合溶剤に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を50分間100℃で乾燥させることによって、膜厚16μmの正孔輸送層(第一の正孔輸送層)を形成した。
この正孔輸送層(第一の正孔輸送層)のイオン化ポテンシャルを大気中光電子分光装置(商品名:AC−3、理研計器(株)製)で測定した。測定光量は2nWとし、4.2eV以上7.0eV以下の範囲で測定した。イオン化ポテンシャルは、5.5eVであった。
次に、例示化合物No.41 3部を、1−メトキシ−2−プロパノール5部/エチレングリコールジメチルエーテル2部の混合溶剤に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層(第一の正孔輸送層)上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間50℃で乾燥させ、塗膜に対して下記の条件で電子線照射と加熱による重合硬化処理を行った。
酸素濃度100ppm以下の雰囲気にて、上記塗膜が形成されたアルミニウムシリンダーを300rpmの速度で回転させながら、電子線照射装置を用いて、照射距離30mm、加速電圧70kV、ビーム電流10mAおよび照射時間6.4秒の条件で塗膜に電子線を照射した。電子線照射後、誘導加熱装置を用いて塗膜の表面を20秒かけて130℃に到達させた。次に、上記塗膜が形成されたアルミニウムシリンダーを大気雰囲気に取り出し、さらに10分間100℃で加熱することによって、膜厚2.5μmの保護層(第二の正孔輸送層)を形成した。
以上のようにして、実施例感光体1を製造した。
この保護層の一部を剥離し、測定装置に装填して、イオン化ポテンシャルを上記正孔輸送層(第一の正孔輸送層)と同様の方法で測定した。イオン化ポテンシャルは、5.9eVであった。
〔実施例2〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体2)を製造した。
例示化合物No.24 4部を、エチレングリコールジメチルエーテル100部に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を10分間50℃で乾燥させ、実施例1と同様の条件で電子線照射および加熱による重合硬化処理を施した。次に、上記塗膜が形成されたアルミニウムシリンダーを大気雰囲気に取り出し、さらに10分間100℃で加熱することによって、膜厚2.5μmの保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体2を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体2の保護層のイオン化ポテンシャルは、6.0eVであった。
〔実施例3〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体3)を製造した。
例示化合物No.26 3部および1,10−ビス(アクリロイルオキシ)デカン1部を、エチレングリコールジメチルエーテル100部に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を実施例2と同様にして正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を乾燥および硬化させることによって、保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体3を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体3の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.8eVであった。
〔実施例4〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体4)を製造した。
例示化合物No.34および例示化合物No.35の混合物(混合比(質量比)は1:1)4部をエチレングリコールジメチルエーテル100部に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を実施例2と同様にして正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を乾燥および硬化させることによって、保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体4を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体4の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.8eVであった。
〔実施例5〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体5)を製造した。
例示化合物No.43 4部を、1−メトキシ−2−プロパノール5部/エチレングリコールジメチルエーテル2部の混合溶剤に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を実施例1と同様にして正孔輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を実施例1と同様にして乾燥および硬化させることによって、保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体5を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体5の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.9eVであった。
〔実施例6〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体6)を製造した。
例示化合物No.44 3部および1,6−ビス(アクリロイルオキシ)ヘキサン1部を、1−メトキシ−2−プロパノール5部/エチレングリコールジメチルエーテル2部の混合溶剤に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を実施例1と同様にして正孔輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を実施例1と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体6を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体6の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.8eVであった。
〔実施例7〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体7)を製造した。
例示化合物No.48 化合物3部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート1部を、エチレングリコールジメチルエーテル100部に溶解させることによって保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を実施例2と同様にして正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を実施例1と同様にして乾燥および硬化させることによって、保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体7を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体7の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.8eVであった。
〔実施例8〕
実施例1で使用したものと同様のアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、酸素欠損型の酸化スズ(SnO。以下同様。)で被覆された酸化チタン(TiO。以下同様。)粒子(粉体抵抗率:100Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率):35%)60部、フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)36.5部、および、メトキシプロパノール20部を、直径1mmのガラスビーズを用いた横型サンドミル分散機に入れ、分散処理して分散液を得た。
この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。その後、分散液にシリコーン樹脂粒子(平均粒径:2μm、商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製)1.6部およびシリコーンオイル(SH28PA)0.008部を添加して攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型の酸化スズで被覆された酸化チタン粒子の平均粒径は、0.35μmであった。
この導電層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間140℃で乾燥および硬化させることによって、膜厚が18μmの導電層を形成した。
次に、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)10部を、メタノール100部/n−ブタノール50部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚0.45μmの下引き層を形成した。次いで、実施例1と同様にして電荷発生層および正孔輸送層(第一の正孔輸送層)をこの順に形成した。
次いで、保護層を以下のように形成した。
例示化合物No.49 4部を、エチレングリコールジメチルエーテル100部に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層(第一の正孔輸送層)上にスプレー塗布し、得られた塗膜を実施例1と同様にして乾燥および硬化させることによって、保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体8を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体8の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.7eVであった。
〔実施例9〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体9)を製造した。
例示化合物No.51 12部、トリメチロールプロパントリアクリレート8部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤)2部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン2部、および、テトラヒドロフラン580部を混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層(第一の正孔輸送層)上にスプレー塗布し、得られた塗膜を10分間45℃で乾燥させた後、塗膜に下記の条件で光硬化処理を施した。
酸素濃度6000〜8000ppmの雰囲気下で、上記塗膜が塗布されたアルミニウムシリンダーを100rpmの速度で回転させ、出力160W/cmのメタルハライドランプを用いて、照射距離100mm、照射強度600mW/cmおよび照射時間2分の条件で塗膜に光照射した。光照射後、30分間135℃で加熱することによって、膜厚2.5μmの保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体9を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体9の保護層のイオン化ポテンシャルは、6.0eVであった。
〔実施例10〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体10)を製造した。
例示化合物No.59 12部、1,6−ビス(メタクリロイルオキシ)ヘキサン8部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン2部、テトラヒドロフラン580部を混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜に対して実施例9と同様にして光硬化処理を施した。
以上のようにして実施例感光体10を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体10の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.8eVであった。
〔実施例11〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体11)を製造した。
上記例示化合物No.68 5部および下記構造式(E)で示される化合物5部
Figure 0006072140
を、1−メトキシ−2−プロパノール16部/エチレングリコールジメチルエーテル7部の混合溶剤に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を第一の正孔輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を実施例1と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体11を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体11の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.6eVであった。
〔実施例12〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体12)を製造した。
上記例示化合物No.68 7部および上記構造式(E)で示される化合物3部を、1−メトキシ−2−プロパノール16部/エチレングリコールジメチルエーテル7部の混合溶剤に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を第一の正孔輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を実施例1と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体12を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体12の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.6eVであった。
〔実施例13〕
保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体13)を製造した。
例示化合物No.82 10部、1,6−ビス(アクリロイルオキシ)ヘキサン10部およびテトラヒドロフラン570部を混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を実施例2と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を製造した。
以上のようにして、実施例感光体13を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体13の保護層のイオン化ポテンシャルは、6.0eVであった。
〔実施例14〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体14)を製造した。
例示化合物No.89 4部をテトラヒドロフラン100部に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を60分間150℃で乾燥および加熱硬化することによって、膜厚2.5μmの保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体14を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体14の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.9eVであった。
〔実施例15〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体15)を製造した。
例示化合物No.90 4部およびp−トルエンスルホン酸0.01部を、テトラヒドロフラン100部に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を60分間150℃で乾燥および加熱硬化することによって、膜厚2.5μmの保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体15を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体15の保護層のイオン化ポテンシャルは、6.0eVであった。
〔実施例16〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体16)を製造した。
例示化合物No.98 20部およびテトラヒドロフラン570部を混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を実施例2と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体16を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体16の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.8eVであった。
〔実施例17〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(実施例感光体17)を製造した。
例示化合物No.101 20部およびテトラヒドロフラン570部を混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を実施例2と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体17を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体17の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.7eVであった。
〔実施例18〕
実施例1と同様にして、支持体上に下引き層および電荷発生層を形成した。
次に、上記式(D)で示される化合物10部およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、モノクロロベンゼン60部/ジメトキシメタン20部の混合溶剤に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を50分間100℃で乾燥させることによって、膜厚16μmの正孔輸送層(第一の正孔輸送層)を形成した。この正孔輸送層のイオン化ポテンシャルは、5.6eVであった。
次に、例示化合物No.41を用いて、実施例1と同様にして保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体18を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体18の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.9eVであった。
〔実施例19〕
実施例18と同様にして、支持体上に下引き層、電荷発生層および正孔輸送層(第一の正孔輸送層)を形成した。
次に、例示化合物No.96 20部およびテトラヒドロフラン570部を混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を実施例2と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体19を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体19の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.8eVであった。
〔実施例20〕
実施例1と同様にして、支持体上に下引き層および電荷発生層を形成した。
次に、下記式(F)で示される化合物10部
Figure 0006072140
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、モノクロロベンゼン60部/ジメトキシメタン20部の混合溶剤に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を50分間100℃で乾燥させることによって、膜厚16μmの正孔輸送層(第一の正孔輸送層)を形成した。この第一の正孔輸送層のイオン化ポテンシャルは、5.7eVであった。
次に、例示化合物No.41を用いて、実施例1と同様にして保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体20を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体20の保護層のイオン化ポテンシャルは、実施例感光体1の保護層と同様の値であった。
〔実施例21〕
実施例20と同様にして、支持体上に下引き層、電荷発生層および正孔輸送層(第一の正孔輸送層)を形成した。
次に、例示化合物No.96を用いて、実施例19と同様に保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体21を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体21の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.8eVであった。
〔実施例22〕
実施例1と同様にして、支持体上に下引き層および電荷発生層を形成した。
次に、下記式(G)で示される化合物8部
Figure 0006072140
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、モノクロロベンゼン60部/ジメトキシメタン20部の混合溶剤に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を50分間100℃で乾燥させることによって、膜厚16μmの正孔輸送層(第一の正孔輸送層)を形成した。この第一の正孔輸送層のイオン化ポテンシャルは、5.3eVであった。
次に、例示化合物No.41を用いて、実施例1と同様にして保護層を形成した。
以上のようにして、実施例感光体22を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。実施例感光体22の保護層のイオン化ポテンシャルは、実施例感光体1の保護層と同様の値であった。
〔比較例1〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(比較例感光体1)を製造した。
下記比較化合物No.1 10部、
・比較化合物No.1
Figure 0006072140
トリメチロールプロパントリアクリレート10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(重合開始剤)2部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン2部、および、テトラヒドロフラン580部を混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を用いて、実施例9と同様にして保護層を形成した。
以上のようにして、比較例感光体1を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。比較例感光体1の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.6eVであった。
〔比較例2〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(比較例感光体2)を製造した。
下記比較化合物No.2 10部、
・比較化合物No.2
Figure 0006072140
1,6−ビス(アクリロイルオキシ)ヘキサン10部およびテトラヒドロフラン570部を混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を実施例9と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、比較例感光体2を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。比較例感光体2の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.6eVであった。
〔比較例3〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(比較例感光体3)を製造した。
下記比較化合物No.3 4部
・比較化合物No.3
Figure 0006072140
をテトラヒドロフラン100部に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を実施例1と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、比較例感光体3を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。比較例感光体3の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.5eVであった。
〔比較例4〕
実施例14において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例14と同様にして電子写真感光体(比較例感光体4)を製造した。
下記比較化合物No.4 4部
・比較化合物No.4
Figure 0006072140
をテトラヒドロフラン100部に溶解させることによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を60分間150℃で乾燥および硬化(加熱硬化)させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、比較例感光体4を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層のイオン化ポテンシャルを測定した。比較例感光体4の保護層のイオン化ポテンシャルは、5.5eVであった。
〔比較例5〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体(比較例感光体5)を製造した。
下記比較化合物No.5 4部
・比較化合物No.5
Figure 0006072140
をテトラヒドロフラン100部に溶解させることによって保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、実施例1と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
以上のようにして、比較例感光体5を製造した。
実施例1と同様の方法で保護層の表面のイオン化ポテンシャルの測定を試みた。しかしながら、測定可能範囲の7.0eVまでの範囲には、イオン化ポテンシャルは検出されなかった。測定範囲より高イオン化ポテンシャルと考えられる。
比較化合物No.5は縮合多環芳香族炭化水素基を有さないため、正孔輸送層(第一の正孔輸送層)から保護層(第二の正孔輸送層)への正孔の注入および輸送がほとんど起こらず、電子写真特性が良好ではなかった。長期耐久試験による評価が困難であったため、画像評価および摩耗量評価などができなかった。
〔比較例6〕
実施例1において、保護層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体(比較例感光体6)を製造した。
下記比較化合物No.6 4部
・比較化合物No.6
Figure 0006072140
をテトラヒドロフラン100部に溶解させることによって保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を正孔輸送層上にスプレー塗布し、得られた塗膜を実施例1と同様にして乾燥および硬化させることによって保護層を形成した。
実施例1と同様の方法で保護層の表面のイオン化ポテンシャルを測定した。比較例感光体6の保護層のイオン化ポテンシャルは、6.7eVであった。
比較化合物No.6は、縮合多環芳香族炭化水素基を有するものの、上記構造式(1)で示される化合物とは異なり、縮合多環芳香族炭化水素基中の芳香環とベンゼン環が直接結合する構造ではない。比較化合物No.6は、その分子中のsp2炭素原子の連続した共役構造が炭素原子12個にとどまっている。そのため、正孔輸送層(第一の正孔輸送層)から保護層(第二の正孔輸送層)への正孔の注入および輸送がほとんど起こらず、比較例5と同様に電子写真特性が良好ではなかった。長期耐久試験による評価が困難であったため、画像評価および摩耗量評価などができなかった。
〈評価:感度と残留電位〉
製造した実施例感光体1〜22と比較例感光体1〜6について、以下の条件で感度と残電の評価を行った。
感光体試験装置(商品名:CYNTHIA59、ジェンテック(株)製)を用いて、まず、温度23℃/50%RHの環境下で、帯電したときの電子写真感光体の表面が−700Vになるように帯電装置の条件を設定した。これに波長780nmの単色光を照射して−700Vの電位を−200Vまで下げるのに必要な光量を測定し、感度[μJ/cm]とした。さらに、20[μJ/cm]の光量を照射した場合の電子写真感光体の表面の電位を測定し、これを残留電位[V]とした。
〈評価:画像流れ〉
製造した実施例感光体1〜22と比較例感光体1〜4を使用して、以下の条件で画像流れを評価した。
電子写真装置には、キヤノン(株)製の複写機(商品名:iR−C3380F)の改造機を使用した。改造点は、像露光レーザーパワー、帯電ローラーから電子写真感光体の支持体に流れる電流量(以降、「総電流」とも呼ぶ。)、帯電ローラーへの印加電圧の、調節および測定ができるようにした点である。さらにカセットヒーターを取り外した。
まず、電子写真装置および電子写真感光体を、温度30℃/湿度80%RHの環境に24時間以上放置した後に、実施例および比較例の電子写真感光体を電子写真装置のシアン色のカートリッジに装着した。
次に、A4サイズ普通紙でシアン単色にてベタ画像の出力を行い、紙上の濃度が分光濃度計(商品名:X−rite504、X−rite(株)製)にて1.45となるように像露光光量を設定した。
次に、印加電圧を−400Vから100V間隔で−1600Vまで印加し、それぞれの印加電圧における総電流を測定した。そして、横軸に印加電圧を、縦軸に総電流をとったグラフを作成し、印加電圧−400V〜−800Vにおける一次近似曲線から乖離する電流分(以降、「放電電流」とも呼ぶ。)が100μAとなる印加電圧を求めた。総電流に関しては、放電電流100μAとなる印加電圧における総電流値に設定した。
次に、A4サイズ、線幅0.1mm、線間隔10mmの正方形格子画像を、スキャナーで読み込み、シアン単色にて連続で5000枚出力した。画像出力後、電子写真装置の主電源を切って3日間放置した。放置後、電子写真装置の主電源を入れてすぐに、上記の正方形格子画像を同様に1枚出力して、出力画像の画像流れを目視し、下記の基準で画像流れを評価した。
評価ランクは以下のとおりとした。
ランク5:格子画像に異常は認められない。
ランク4:格子画像の横線が破断しているが、縦線には異常は認められない。
ランク3:格子画像の横線が消失しているが、縦線には異常は認められない。
ランク2:格子画像の横線が消失しており、縦線が破断している。
ランク1:格子画像の横線が消失しており、縦線も消失している。
このとき、格子画像における横線とは、円筒状の電子写真感光体の円筒軸方向と平行な線を意味し、縦線とは電子写真感光体の円筒軸方向と垂直な線を意味する。
〈評価:摩耗量〉
製造した実施例感光体1〜22と比較例感光体1〜4を使用して、以下の条件で電子写真感光体の表面(保護層)の摩耗量を評価した。
電子写真装置には、キヤノン(株)製の複写機(商品名:iR ADVANCE C5051F)の改造機を使用した。改造点は、像露光レーザーパワーの調節ができるようにした点である。
まず、電子写真感光体の100000枚出力前における保護層の膜厚を、干渉膜厚計(商品名:MCPD−3700、大塚電子(株)製)を用いて測定した。
次に、電子写真装置および電子写真感光体を、温度23℃/湿度50%RHの環境に24時間以上放置した後に、電子写真感光体を電子写真装置のシアン色のカートリッジに装着した。
次に、A4サイズ普通紙でシアン単色にてハーフトーン画像の出力を行い、出力画像の濃度が分光濃度計(商品名:X−rite504、X−rite(株)製)にて0.85となるように像露光レーザーパワーを設定し、連続で100000枚出力した。
次に、電子写真装置から電子写真感光体を取り出して100000枚出力後の保護層の膜厚を測定し、100000枚出力前後の保護層の膜厚の差分(すなわち、摩耗量)を算出した。
〈評価:電子写真感光体の表面の傷欠陥画像の評価〉
上記100000枚出力後の電子写真感光体の表面の欠陥が出力画像に欠陥として出る状況を以下のように評価した。それぞれの100000枚出力後の画像を目視で確認し、画像欠陥を下記の基準で評価した。
ランク5:ハーフトーン画像に異常は認められない。
ランク4:ハーフトーン画像にわずかに傷状画像欠陥が発生している。
ランク3:ハーフトーン画像に10箇所未満の傷状画像欠陥が発生している。
ランク2:ハーフトーン画像に10箇所以上の傷状画像欠陥が発生している。
ランク1:ハーフトーン画像に多数の傷画像が発生している。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 0006072140
表1の結果より、感度および摩耗量については、実施例感光体は比較例感光体と遜色ない性能を有していながら、画像流れの抑制効果については、実施例感光体の方が比較例感光体よりも一段と良好であった。また、電子写真感光体の表面に起因する画像欠陥を抑制する効果も確認された。
1‥‥電子写真感光体
2‥‥帯電手段
3‥‥露光光
4‥‥現像手段
5‥‥転写手段
6‥‥転写材
7‥‥前露光光
8‥‥クリーニング手段
9‥‥プロセスカートリッジ
10‥‥中間転写体
11‥‥転写紙
12‥‥給紙経路
13‥‥給紙トレイ
14‥‥二次転写手段
15‥‥定着手段
16‥‥排紙部
17‥‥イエロー色用のプロセスカートリッジ
18‥‥マゼンタ色用のプロセスカートリッジ
19‥‥シアン色用のプロセスカートリッジ
20‥‥ブラック色用のプロセスカートリッジ

Claims (10)

  1. 支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
    該電子写真感光体の表面層が、下記構造式(1)で示される正孔輸送性化合物の重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0006072140
    (構造式(1)中、Arは、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族炭化水素基を表す。該縮合多環芳香族炭化水素基の置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、ハロゲン原子およびハロゲン置換アルキル基からなる群より選択される基である。Phは、置換もしくは無置換のベンゼンからq+1個の水素原子を除いて得られる基を表す。該ベンゼンからq+1個の水素原子を除いて得られる基の置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、ハロゲン原子およびハロゲン置換アルキル基からなる群より選択される基である。ArおよびPhは、Ar中の芳香環とPhとで結合している。Rは、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。Fnは、反応性官能基を表す。該反応性官能基は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。mおよびnは、それぞれ独立に、0または1を表す。pは、0以上4以下の整数を表す。pが2以上の場合、p個の括弧内の構造は同一でも異なってもよい。ただし、pが2以上の場合、酸素原子(O)が連続する場合は除く。qは、0以上3以下の整数を表す。qが2以上の場合、q個の括弧内の構造は同一でも異なってもよい。rは、1以上6以下の整数を表す。rが2以上の場合、r個の括弧内の構造は同一でも異なってもよい。構造式(1)は、少なくとも1つのFnを有する。Fn以外の構造が、20個以上のsp2炭素原子を含む共役構造を有する。該共役構造中の該sp2炭素原子は、20個以上連続して結合している。
  2. 前記構造式(1)中のFn以外の構造が、24個以上のsp2炭素原子を含む共役構造を有する請求項に記載の電子写真感光体。
  3. 前記縮合多環芳香族炭化水素基が、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、フルオランテンまたはピレンからr個の水素原子を除いて得られる基である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記表面層のイオン化ポテンシャルが、5.5eV以上6.4eV以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記表面層のイオン化ポテンシャルが、5.8eV以上6.2eV以下である請求項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記電子写真感光体が、第一の正孔輸送層および第二の正孔輸送層を有し、前記第二の正孔輸送層が前記表面層であり、前記第一の正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが、5.0eV以上6.0eV以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記第一の正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが、5.2eV以上5.8eV以下である請求項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記構造式(1)で示される化合物の分子量が、300以上1000以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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