JP6069275B2 - 端子挿入用位置合わせ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタハウジングに端子を挿入する端子挿入装置を位置合わせするために利用可能な端子挿入用位置合わせ装置に関する。
特許文献1には、端子挿入ヘッドによりチャックされてクランプ竿3から持ち上げられた電線が、一本ずつ掴まれて端子を載置台の上に位置決めして置かれたコネクタハウジングの所定の端子収容室に挿入される自動端子挿入機について記載されている。
また、特許文献2には、ワイヤハーネスの製造ラインなどにおいて、コネクタハウジングの端子収容室内に、電線付き端子の端子を挿入する端子挿入装置について記載されている。
また、特許文献3には、電子部品を基板上の空洞(キャビティ)に搭載する製造装置、及びこれを撮影用の複数のカメラを用いて検査するための検査装置に関する技術が記載されている。
特開2001−160472号公報 特開2001−184958号公報 特開2013−172131号公報
例えば特許文献2の端子挿入装置のように、端子をコネクタハウジングの端子収容室(キャビティ)に挿入する装置においては、端子の位置をコネクタハウジングの端子収容室の位置に正確に位置合わせした後でなければ、端子の挿入を行うことができない。特に、端子収容室及び端子のサイズが小型化して、空間の余裕分がほとんど存在しないような状況では、高精度の位置合わせが要求される。特許文献3のように、電子部品を基板上の空洞に挿入する場合も同様である。
ところで、コネクタハウジングの位置までの端子の運搬において自由度の高い移動を実現するためには、複数の関節を並列に接続したパラレルリンク機構を有するロボットを利用するのが望ましい。しかし、このようなパラレルリンク機構を採用した場合には、あまり高い位置決め精度は得られない。したがって、設計値に基づいて事前に決めた数値に従ってロボットを駆動しただけでは、目的の位置から少しずれた位置に端子が移動する可能性が高く、コネクタハウジングと端子との位置合わせに失敗する場合がある。
また、コネクタハウジング等の部品については、製造時のロット毎に寸法のばらつきが発生する可能性がある。したがって、設計時のコネクタハウジングの寸法に基づく各端子収容室の位置と、現物のコネクタハウジングにおける各端子収容室の位置との間に位置ずれが発生する。
つまり、端子を運搬するロボットの位置決め精度の問題により、あるいは組み付ける部品(コネクタハウジング)のロットの違いによる寸法違いにより、コネクタハウジングと端子との位置合わせに失敗する。
上記のような問題を解消するために、製造用のロボットを利用する場合には、ロボットに対してティーチングを行うことが従来より行われている。すなわち、人間が介入し、人間の手動操作により正しい位置をロボットに覚えさせる。これにより、ロボットの位置決め作業における位置ずれを減らすことが可能である。
しかしながら、ロボットにティーチングを行うために、余分な作業工数が増えてしまう。しかも、人間の視覚等の感覚に頼ってティーチングを行うので、作業者の個人差により位置精度にばらつきが生じるのは避けられない。
例えば、特許文献3のように、カメラで部品を撮影し、部品の位置を認識することにより、位置ずれを減らすことが可能である。しかし、カメラを用いて部品としてコネクタハウジングの位置を正しく認識できたとしても、端子を運搬するロボットのパラレルリンク機構の位置精度の問題により、コネクタハウジングと端子との位置合わせに失敗する可能性がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コネクタハウジングと端子との高精度の位置合わせを可能にすると共に、個人差の影響を減らし、自動化を容易にすることが可能な端子挿入用位置合わせ装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子挿入用位置合わせ装置は、下記(1)〜(15)を特徴としている。
(1) コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持し且つ前記端子を把持しない把持機構と、前記把持機構を可動範囲内にて6自由度で自在に移動・旋回可能であり且つ前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
を備えたことを特徴とする。
(2) コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
を備え、
前記把持機構及び前記撮像部は、前記端子の挿入方向と、前記撮像部の撮影方向とが互いに異なる状態で配置され、
前記把持機構及び前記撮像部を支持する箇所に方向切換用可動軸が配置され、
前記ティーチング制御部は、前記方向切換用可動軸を中心とする前記把持機構及び前記撮像部の回動動作により、端子挿入用の位置と、撮影用の位置とを切り替える、
ことを特徴とする。
(3) 上記(1)に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構及び前記撮像部は、前記端子の挿入方向と、前記撮像部の撮影方向とが互いにほぼ平行になった状態で異なる位置に配置され、
前記ティーチング制御部は、前記把持機構及び前記撮像部を移動することにより、端子挿入用の位置と、撮影用の位置とを切り替える、
ことを特徴とする。
(4) 上記(1)に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記撮像部の近傍に配置され、前記撮像部の撮影方向に対して傾斜した方向に向けてレーザ光を出射するレーザ光源を備え、
前記ティーチング制御部は、撮影により得られた映像中のレーザ光のスポット像の位置の違いに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の違いに相当する情報を取得する、
ことを特徴とする。
(5) 上記(4)に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、撮影対象面の照明を消灯制御する、
ことを特徴とする。
(6) コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
を備え、
前記撮像部の近傍に配置され、前記撮像部の撮影方向に対して傾斜した方向に向けてレーザ光を出射するレーザ光源を備え、
前記ティーチング制御部は、撮影により得られた映像中のレーザ光のスポット像の位置の違いに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の違いに相当する情報を取得し、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、撮影対象面の基準部位と対向する位置から、撮影方向に対して直交する方向に一定量だけ前記撮像部及び前記把持機構を移動する、
ことを特徴とする。
(7) コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
を備え、
前記撮像部の近傍に配置され、前記撮像部の撮影方向に対して傾斜した方向に向けてレーザ光を出射するレーザ光源を備え、
前記ティーチング制御部は、撮影により得られた映像中のレーザ光のスポット像の位置の違いに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の違いに相当する情報を取得し、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、前記撮像部及び前記把持機構を撮影対象面に接近又は離間する方向に移動し、前記撮影対象面までの距離が互いに異なる少なくとも2点の各々の位置で前記レーザ光のスポット像の位置を計測し、前記計測の結果に基づいて、前記スポット像の位置の違いと距離との関係を表す換算式を取得する、
ことを特徴とする。
(8) 上記(1)に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記コネクタハウジングまでの距離の違いと、撮影により得られた映像を画像処理して得られる焦点の違いを反映したフォーカス値との関係を表す特性曲線を事前に把握し、撮影した映像から算出したフォーカス値と前記特性曲線とに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の変化を検出する、
ことを特徴とする。
(9) コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
を備え、
前記ティーチング制御部は、前記コネクタハウジングのキャビティ位置を検出する前に、前記端子とは異なる棒を前記把持機構で把持し、前記棒の先端部が、前記コネクタハウジングを支持するハウジング受け、もしくはその近傍に形成された基準穴の位置と一致した状態で、前記撮像部の位置又は方向を前記コネクタハウジングと対向する位置に切り替えた後、前記撮像部が撮影した映像に基づき、前記撮像部の位置を修正する、
ことを特徴とする。
(10) 上記(9)に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、事前に登録した検出対象シーンと一致する基準画像を保持する画像データベースを含み、前記画像データベース上の前記基準画像と、前記撮像部が撮影した映像との比較により、検出対象の位置を探索する、
ことを特徴とする。
(11) 上記(9)に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部を所定の基準位置に合わせた後で、前記撮像部及び前記把持機構を一定量移動して、撮影した映像における移動した画素数を検出し、移動量と移動画素数との関係を把握する、
ことを特徴とする。
(12) コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
を備え、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が撮影した映像について、比較的広い領域を処理対象として、前記コネクタハウジングを支持するハウジング受け、もしくはその近傍に形成されたマーカの位置を探索した後、前記マーカの位置を基準として、各キャビティの位置を推定し、限定した領域内を画像処理して実際のキャビティを画像中から探索する、
ことを特徴とする。
(13) 上記(12)に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、事前に登録した検出対象シーンと一致する基準画像を保持する画像データベースを含み、前記画像データベース上の前記基準画像と、前記撮像部が撮影した映像との比較により、検出対象の位置を探索する、
ことを特徴とする。
(14) 上記(1)に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が撮影した映像に基づき、前記コネクタハウジングに含まれる全てのキャビティの各々の位置を順番に計測し、計測結果に基づいて前記全てのキャビティの位置情報をそれぞれ登録する、
ことを特徴とする。
(15) コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
を備え、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が撮影した映像に基づき、前記コネクタハウジングに含まれる複数のキャビティのうち代表的な一部の代表キャビティについて、各々の位置を順番に計測し、前記代表キャビティ以外の残りのキャビティについては、前記代表キャビティの計測結果に基づき計算により推定した位置を登録する、
ことを特徴とする。
上記(1)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、前記把持機構と前記撮像部とが前記並列関節機構によって同時に動くので、前記並列関節機構の位置精度の影響により生じる端子の位置ずれは、前記撮像部の位置にも同じ影響を及ぼす。そのため、前記撮像部の撮影した映像に基づいて位置を修正することにより、前記把持機構が把持する端子の位置についても、前記並列関節機構の位置精度の影響を補正することができる。また、前記コネクタハウジングの製造ロットの違いに起因する寸法のばらつきの影響についても、同時に位置ずれを補正できる。
上記(2)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、前記端子挿入用の位置と、撮影用の位置とを切り替える際に、前記並列関節機構を動かす必要がない。したがって、撮影用の位置で正しく位置合わせすれば、前記並列関節機構の影響を受けることなく、前記端子挿入用の位置についても正しく位置合わせすることができる。
上記(3)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、所定方向への移動により、前記端子挿入用の位置と、撮影用の位置とを切り替えることができる。この移動を前記並列関節機構とは別の機構を用いて行うこにより、位置精度を向上できる。
上記(4)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、傾斜した方向からレーザ光を照射するので、距離の違いを映像中に映るレーザ光のスポット像の位置の違いとして検出することができる。また、検出した距離の違いを前記撮像部の焦点調節に利用することができる。
上記(5)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、照明を消灯するので、背景を暗くした状態で撮影した映像を得ることができ、スポット像の検出が容易になる。
上記(6)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、例えば前記基準部位が穴のような凹凸面である場合であっても、平坦な箇所に前記レーザ光のスポット像を形成することができる。したがって、位置検出精度の低下を防止できる。
上記(7)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、前記スポット像の位置の違いと距離との関係を表す前記換算式を得ることができる。この換算式を利用することにより、検出したスポット像の位置から距離を把握し、例えば前記撮像部の焦点を調節することができる。
上記(8)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、撮影した映像から算出したフォーカス値に基づき、前記特性曲線を利用して、前記コネクタハウジングまでの距離の変化を検出することができる。
上記(9)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、前記基準穴の位置を基準として最初の位置決めを行うので、この時には前記コネクタハウジングの寸法の個体差の影響がなくなる。また、前記コネクタハウジングのキャビティよりも見つけやすい位置に前記基準穴を配置することにより、基準穴の探索や位置決めが容易になる。
上記(10)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、事前に登録した前記基準画像と前記撮像部が撮影した映像との比較により、所望の検出対象の位置を容易に探索できる。
上記(11)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、移動量と移動画素数との関係を把握しているので、撮影した映像中の位置の違いに相当する画素数から、対応する実際の移動量を容易に把握できる。
上記(12)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、最初に前記マーカを探索する際には、比較的広い領域を処理対象とするので、前記コネクタハウジングの位置からずれた見つけやすい箇所に前記マーカを配置できる。また、実際のキャビティを画像中から探索する際には、限定した小さい領域内だけを画像処理するので、位置合わせの精度が向上する。
上記(13)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、事前に登録した前記基準画像と前記撮像部が撮影した映像との比較により、所望の検出対象の位置を容易に探索できる。
上記(14)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、全てのキャビティの各々の位置を計測するので、全てのキャビティについて位置精度の高い情報を登録することができる。
上記(15)の構成の端子挿入用位置合わせ装置によれば、実際の計測は前記代表キャビティのみ行うので、キャビティの個数が多い場合であっても、短時間で全てのキャビティの位置を登録できる。
本発明の端子挿入用位置合わせ装置によれば、パラレルリンク機構を用いて端子を運搬する場合であっても、コネクタハウジングと端子との高精度の位置合わせが可能になる。また、個人差の影響を減らすことができ、自動化も容易になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態の、2台の並列関節機構を備える端子挿入装置の斜視図である。 図2は、本発明の実施形態の端子挿入装置を示す斜視図である。 図3(A)及び図3(B)は、本発明の実施形態の端子挿入装置における固定盤を示す図であって、図3(A)は固定盤の平面図であり、図3(B)は側面図である。 図4は、本発明の実施形態の端子挿入装置における並列関節機構を示す側面図である。 図5は、本発明の実施形態の端子挿入装置における電線運搬機を示す斜視図である。 図6は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置及び端子挿入装置を含む制御システムの機能ブロック図である。 図7は、本発明の実施形態の端子挿入装置を含む制御システムの機能ブロック図である。 図8は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置を搭載した端子挿入装置の端子挿入ヘッドの外観を示す斜視図である。 図9は、端子挿入ヘッドを示す平面図である。 図10は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置における全キャビティ座標登録フローを表すフローチャートである。 図11は、検出シーン登録データの構成例を示すブロック図である。 図12は、「基準穴とカメラセンタを位置合わせする処理」の手順を示すフローチャートである。 図13は、棒を把持した電線チャックの外観を示す斜視図である。 図14(A)及び図14(B)は、カメラで撮影した映像の内容の具体例を示す正面図である。 図15は、レーザ光のスポット像を検出する場合のカメラで撮影された映像の内容の具体例を示す正面図である。 図16は、映像中の座標のピクセル数と距離との関係を表すグラフである。 図17は、「キャビティの座標登録フロー」を示すフローチャートである。 図18は、基準穴と距離計測位置との位置関係を表す正面図である。 図19は、「ハウジング受けの基準穴座標計測」処理を示すフローチャートである。 図20(A)及び図20(B)は、処理対象画像の具体例を示す正面図である。 図21(A)及び図21(B)は、レーザ光のスポット像を検出する場合のカメラで撮影された映像の内容の具体例を示す正面図である。 図22は、「キャビティ座標の計測」処理を示すフローチャートである。 図23は、処理対象画像の具体例を示す正面図である。 図24は、「キャビティ検出シーンの登録」処理の手順を示すフローチャートである。 図25は、各検出シーンについて登録される画像の内容の具体例を示す正面図である。 図26は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置が使用するインプット情報の構成例を示す模式図である。 図27は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置が使用するアウトプット情報の構成例を示す模式図である。 図28(A)、図28(B)、及び図28(C)は、カメラで撮影した映像の具体例を示す正面図であり、図28(A)は映像の全体を示し、図28(B)及び図28(C)は、それぞれ映像の一部分を示す拡大図である。 図29は、カメラの撮影方向と直交する方向から視た状況を表す光路図である。 図30は、カメラで撮影した映像及び映像中のレーザ光のスポット像を表す正面図である。 図31は、カメラ設置位置に応じた距離の変化と、映像中のレーザ光スポットの座標との関係を表すグラフである。 図32は、コネクタハウジングの外観の具体例を示す正面図である。 図33は、位置合わせ治具の外観を示す正面図である。 図34は、カメラ設置位置に応じた距離の変化と、映像を画像処理して得られるフォーカス値との関係を表すグラフである。 図35は、変形例の端子挿入ヘッドに関する外観を示す正面図である。 図36(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図36(B)は、図36(A)の要部拡大図である。 図37(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図37(B)は、図37(A)の要部拡大図である。 図38(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図38(B)は、図38(A)の要部拡大図である。 図39(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図39(B)は、図39(A)の要部拡大図である。 図40(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図40(B)は、図40(A)の要部拡大図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。尚、本発明の端子挿入用位置合わせ装置の理解を容易にするために、最初に具体的な端子挿入装置について説明し、次にこの端子挿入装置に搭載可能な端子挿入用位置合わせ装置について説明する。
[端子挿入装置の概要]
図1は、本発明の実施形態の端子挿入装置を示す斜視図である。本発明の実施形態の端子挿入装置は、固定盤10と、並列関節機構20と、を含んで構成される。本発明の実施形態の端子挿入装置は、さらに、電線運搬機30と、端子計測センサ40と、を備えている。以下、固定盤10、並列関節機構20、電線運搬機30及び端子計測センサ40について詳細に説明する。
図1に示されるように、2台の並列関節機構20A、20Bがそれぞれ、固定盤10に配置された異なるコネクタハウジング80に対して端子を挿入する。また、この構成の場合、電線運搬機30は、2つの移動体32A、32Bを備えており、移動体32Aが電線90の一端を、移動体32Bが電線90の他端をそれぞれ把持する。そして、2つの移動体32A、32Bが一端及び他端が把持された状態の電線90を所定位置へ運搬する。このように、電線運搬機30は、一回路線単位で電線を運搬する。また、端子計測センサ40は、計測センサが2つセンサ台41に取り付けられている。一つの計測センサ47Aは、並列関節機構20Aが把持した電線の先端に位置する端子を計測対象とし、別の計測センサ47Bは、並列関節機構20Bが把持した電線の先端に位置する端子を計測対象とする。この構成により、2台の並列関節機構20A、20Bは、一方が電線90の一端を把持し、他方が電線90の他端を把持し、それぞれの端部が接続されるべき異なるコネクタハウジングに対して端子挿入処理を実行する。
以降に説明する、本発明の実施形態の端子挿入装置においては、より深い理解に導くため、1台の並列関節機構20によって端子をコネクタハウジングに挿入する形態について説明するが、2台の並列関節機構20A、20Bによって端子を挿入する形態であっても、2台の並列関節機構20A、20Bが独立して駆動するため、端子挿入処理は同様である。
[端子挿入装置の構成]
[固定盤10の詳細]
図3(A)及び図3(B)は、本発明の実施形態の端子挿入装置における固定盤を示す図であって、図3(A)は固定盤の平面図を、図3(B)は側面図を、それぞれ示す。固定盤10は、図2及び図3(A)、図3(B)に示されるように、コネクタハウジング80を位置決めするための部材であり、ハウジング支持台(図示せず)の平坦面に取り付けられる。固定盤10は、コネクタハウジング80を保持するハウジング受け11と、ハウジング受け11が固定される円環状のレール部材12と、レール部材12と軸心が一致するように該レール部材12が上面13aに固定される円盤部材13と、円盤部材13の軸心と一致するように回転軸14aが設定された、円盤部材13の下面13bに取り付けられたモータ部材14と、を備える。
ハウジング受け11は、コネクタハウジング80の外側面の形状に略一致する内面が形成された凹部を有する。ハウジング受け11の凹部に収容されることにより、コネクタハウジング80はハウジング受け11に対して位置決めされる。ハウジング受け11は、ハウジング受け11を支持する支持台11aを介してレール部材12に固定される。レール部材12に固定された支持台11aは、その一部がレール部材12の半径方向に沿ってレール部材12の外部に延在されている。ハウジング受け11は、支持台11aにおけるレール部材12の外部に延在されている一部に固定されている。また、レール部材12には複数のハウジング受け11が固定されるが、これらの複数のハウジング受け11は、円環状のレール部材12に所定の間隔で配置される。このため、複数のハウジング受け11に固定されたコネクタハウジング80は、隣り合うコネクタハウジング80の位置を順に繋いでいくと、その繋いだ線分の集合が全体として円環状を形成するように配置される。また、コネクタハウジング80は、図3(A)及び図3(B)に示されるように、キャビティ81の開口が露出する該コネクタハウジング80の前面がレール部材12の外側に位置するようにハウジング受け11に保持される。このとき、ハウジング受け11に保持されたコネクタハウジングにおけるキャビティ81は、その延びる方向がレール部材12の半径方向に沿って配置される。
レール部材12は、円形平板の内部が穿たれた平板状の円環部材であり、その内部に円盤部材13の一部が嵌入することにより該円盤部材13に固定される。レール部材12は、半円形状の平板が2つ同一平面上に並設されたものである。好ましくは、ハウジング受け11にコネクタハウジング80が保持された状態のレール部材12が円盤部材13に固定され、各コネクタハウジング80に対する端子の挿入が実施される。
円盤部材13は、径の異なる3つの円盤体13c、13d、13eが軸心を一致するように積層され、それらの円盤体13c、13d、13eが一体として形成された部材である。円盤体13cは、径がレール部材12の内径に略一致する。円盤体13cがそのレール部材12に嵌入することにより、レール部材12が円盤体13cに対して固定される。また、円盤体13dは、径がレール部材12の外径に略一致する。円盤体13cに対して固定されたレール部材12の下面を、円盤体13dの上面13aが支持することにより、レール部材12は円盤部材13に対して安定的に保持される。また、円盤体13eは、下面13bにモータ部材14が取り付けられている。円盤体13eの軸心は、モータ部材14の回転軸14aの軸心と一致しており、モータ部材14の回転に伴って円盤部材13が回動する。この結果、円盤部材13の円盤体13cに固定されたレール部材12も、モータ部材14の回転に伴って回転軸14aを中心として回動する。このため、各ハウジング受け11に固定された複数のコネクタハウジング80もまた、これらのハウジングが形成する円環の周方向に回転することになる。
モータ部材14は、回転軸がハウジング支持台(図示せず)の平坦面に対して垂直となるように、該平坦面に支持される。モータ部材14がハウジング支持台の平坦面に支持されることにより、固定盤10がハウジング支持台に取り付けられる。モータ部材14は、モータの回転力が各種のギヤを介して円盤部材13に伝達され、円盤部材13が回転する。モータ部材14は、制御装置(図2、図3(A)及び図3(B)には図示せず)からの制御信号を受け付けて、モータの回転を制御する。制御装置によるモータ部材14の駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
本発明の実施形態の端子挿入装置では、複数のコネクタハウジング80が固定盤10に円環状に配置される。このため、本発明の実施形態の端子挿入装置は、従来の端子挿入装置のように、複数のコネクタハウジングを一列に配置するための幅方向に大きく開かれた空間を確保する必要は無く、固定盤10を収納できる程度の幅の空間を確保すればよくなる。このため、上述した固定盤10の構造は、端子挿入装置の小型化に寄与する。
[並列関節機構20の詳細]
図4は、本発明の実施形態の端子挿入装置における並列関節機構を示す側面図である。並列関節機構20は、コネクタハウジング80に端子を挿入するための機材であり、並列関節機構支持台(図示せず)に取り付けられる。並列関節機構20は、図4に示されるように、並列関節機構支持台に取り付けられる基台21と、基台21上に設置された3つの第1モータ22a、22b、22cと、第1モータ22a、22b、22cの回転軸に各々の一端が接続されて駆動する3つのアーム23a、23b、23cと、アーム23a、23b、23cの他端に各々の一端がユニバーサルジョイント、伝達ギヤを介して接続される3つのリンク24a、24b、24cと、3つのリンク24a、24b、24cの他端にユニバーサルジョイントを介して接続される端子挿入ヘッド25と、を備えている。並列関節機構20は、3つの第1モータ22a、22b、22cの回転量を制御してアーム23a、23b、23cの傾斜角度、及びリンク24a、24b、24cのアーム23a、23b、23cに対する角度を変化させることにより、端子挿入ヘッド25をXYZに沿う3方向に並進させることができる。並列関節機構20は、制御装置(図4には図示せず)からの制御信号を受け付けて、第1モータ22a、22b、22cの回転を制御する。制御装置による並列関節機構20のXYZ3方向への並進駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
さらに、端子挿入ヘッド25は、3つのリンク24a、24b、24cの他端にユニバーサルジョイントを介して接続されるハンド基台25aと、ハンド基台25aに対してロール方向に旋回自在に取り付けられた電線把持本体25bと、先端に接続された端子を含む電線の一部を把持する、電線把持本体25bの先端に設けられた電線チャック25cと、ハンド基台25aに取り付けられ、電線把持本体25bをハンド基台25aに対してピッチ方向(図4におけるX軸を周回する方向)、ヨー方向(図4におけるZ軸を周回する方向)に旋回する第2モータ25fと、ハンド基台25aに取り付けられ、電線把持本体25bをハンド基台25aに対してロール方向(図4におけるY軸を周回する方向)に旋回する第3モータ25dと、電線チャック25cに作用する外力を検出する圧力センサ25gを有する。尚、本実施形態では、ハンド基台25aに第2モータ25f及び第3モータ25dを設ける構成としたが、第2モータ25f及び第3モータ25dを基台21上に設ける構成としてもよい。この場合、第2モータ25f及び第3モータ25dを伸縮シャフト及びユニバーサルジョイントを介してハンド基台25aに取り付ける構造とすることにより、端子挿入ヘッド25をピッチ方向、ヨー方向、ロール方向に旋回自在とする。また、1つの第2モータ25fにて電線把持本体25bをピッチ方向及びヨー方向に旋回する構成としたが、第2モータ25fに相当するモータをハンド基台25aに2つ取り付け、一方のモータがその回転によって電線把持本体25bをピッチ方向に、他方のモータがその回転によって電線把持本体25bをヨー方向に、それぞれ旋回自在とする構成であってもよい。
電線把持本体25bは、電線チャック25cにエアーを送り込むシリンダを有しており、電線チャック25cは、電線把持本体25bからエアーを送り込まれるとチャックが閉じられ、エアーが送り込まれなくなるとチャックが開く。並列関節機構20は、制御装置(図4には図示せず)からの制御信号を受け付けて、電線把持本体25bが電線チャック25cにエアーを送り込むタイミングを制御する。制御装置による電線チャック25cの開閉駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
また、電線把持本体25bは、第2モータ25fの回転量を制御して駆動させることにより、電線把持本体25bの姿勢がピッチ方向、ヨー方向に旋回する。また、電線把持本体25bは、第3モータ25dの回転軸に連結される駆動軸25eを有しており、第3モータ25dの回転量を制御して駆動軸25eをハンド基台25aに対して回転させることにより、電線把持本体25bの姿勢をロール方向に旋回させることができる。この結果、電線チャック25cに把持された電線もまた、姿勢がピッチ方向、ヨー方向及びロール方向に旋回する。並列関節機構20は、制御装置(図4には図示せず)からの制御信号を受け付けて、第2モータ25f及び第3モータ25dの回転を制御する。制御装置による電線把持本体25bのピッチ方向、ヨー方向及びロール方向への旋回駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
また、電線チャック25cは、前側チャック25c1及び後側チャック25c2を備えている。本発明の実施形態では、各チャック25c1、25c2がそれぞれ、電線の外皮の部分をチャックの間に挟んだ状態で閉じられることにより、電線チャック25cが電線を把持する。このように電線チャック25cが端子91を把持しなくてもよくなると、端子91を把持するための端子チャックを電線把持本体25bに設けなくて済む。これにより、電線把持本体25bの軽量化、ひいては端子挿入ヘッド25の軽量化に繋がる。この結果、並列関節機構20の動作スピードの向上やサイクルタイムの短縮が実現でき、並列関節機構20の作業効率の向上を図ることができる。
[電線運搬機30の詳細]
図5は、本発明の実施形態の端子挿入装置における電線運搬機を示す斜視図である。電線運搬機30は、先端に端子91が取り付けられた電線90を、所定位置に運搬する機材である。電線運搬機30は、図5に示されるように、X軸方向に延びる運搬レール31と、運搬レール31をスライド自在な移動体32と、先端に接続された端子91を含む電線90の一部を把持する、移動体32に設けられた搬送チャック33と、運搬レール31を支持するフレーム34と、搬送チャック33にエアーを送り込むエアチャック本体35と、を備えている。本発明の実施形態では、移動体32が運搬レール31上を移動する向きがX軸の向きに相当する。
移動体32は、モータを備えており、当該モータの回転力が運搬レール31の長手方向の推進力に変換されて運搬レール31上をスライドすることができる。移動体32は、制御装置(図5には図示せず)からの制御信号を受け付けて、モータの回転を制御する。制御装置による移動体32の運搬レール31上のスライド駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
また、移動体32は、搬送チャック33にエアーを送り込むエアチャック本体35を有しており、搬送チャック33は、移動体32からエアーを送り込まれるとチャックが閉じられ、エアーが送り込まれなくなるとチャックが開く。移動体32は、制御装置(図5には図示せず)からの制御信号を受け付けて、搬送チャック33にエアーを送り込むタイミングを制御する。制御装置による搬送チャック33の開閉駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
移動体32によって運搬されてきた電線90を並列関節機構20が把持する位置は、予め位置決めされている。すなわち、移動体32は、運搬レール31上を移動して予め定められた所定位置で停止し、他方、並列関節機構20は、移動体32によって運搬された電線が予め定められた位置にあるものとしてその位置に向かう。この結果、並列関節機構20は、移動体32によって運搬されてきた電線90を把持することができ、他方、移動体32は、電線90が並列関節機構20によって把持された後自身の電線90の把持を解く。この一連の処理により、並列関節機構20に電線90が供給される。
[端子計測センサ40の詳細]
端子計測センサ40は、並列関節機構20が把持した電線90の先端に位置する端子91のロール方向の回転角及び端子91の先端が位置するXZ座標を計測する機材である。本発明の実施形態では、並列関節機構20の電線チャック25cが電線90の外皮の部分を2箇所挟み、並列関節機構20がその電線90を運搬して、端子91をコネクタハウジング80のキャビティ81に挿入する。このとき、端子91がロール方向に回転していることも考慮しなければならない。さらには、端子91の重みによる電線90の垂れ下がりまたは電線の巻き癖による跳ね返り、より具体的には電線90における、電線チャック25cのの前側チャック25c1に把持された箇所から電線90の先端にかけての垂れ下がりまたは跳ね返り、を考慮しなければならない。端子計測センサ40は、端子91のロール方向への回転角、及びこの電線90の垂れ下がりまたは跳ね返りによる端子91のY軸方向に対する傾きを検出するものである。
[制御システムの構成]
項目[端子挿入装置の構成]にて説明したように、本発明の実施形態の端子挿入装置は、固定盤10と、並列関節機構20と、を備え、さらに、電線運搬機30と、端子計測センサ40と、を備えている。これらの機材を統括的に制御するため、本発明の実施形態の端子挿入装置を含む制御システムには制御装置70が備わっている。図7は、本発明の実施形態の端子挿入装置を含む制御システムの機能ブロック図である。制御装置70は、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)で構成されており、固定盤10のモータ部材14、並列関節機構20、電線運搬機30の移動体32、並びに、端子計測センサ40の各部(X計測センサ、Z計測センサ、及び駆動源のエンコーダ)に接続される。制御装置70は、各種の駆動源に対しては制御信号を出力し、各種のセンサからは該センサが検出した信号が入力される。制御装置70は、汎用PCや、端子挿入装置を含むシステム全体を制御する専用の演算装置などの、各種の装置によって構成することができる。以下、制御装置70によって制御される、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための一連の処理について詳細に説明する。
[制御装置70による制御の詳細]
[位置決め設定処理]
制御装置70には、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための一連の処理に先だって、固定盤10の初期位置、及び固定盤10に配置されたコネクタハウジング80の初期位置を設定し、初期状態におけるコネクタハウジング80のキャビティ81の位置を該制御装置70に認識させておく必要がある。
ところで、固定盤10の円盤部材13及びモータ部材14はハウジング支持台の所定位置に取り付けられている。このため、形状が特定される円盤部材13に取り付けられるレール部材12の中心の位置は、円盤部材13の軸心上の一点に定めることができる。また、レール部材12の半径及びレール部材12に対する各ハウジング受け11の取り付け位置は既知である。以上から、円盤部材13にレール部材12を取り付けたときの、円盤部材13の周方向の所定位置とレール部材12の周方向の所定位置と間の相対的なずれ量が分かれば、そのずれ量に基づいて、各ハウジング受け11に収容されるコネクタハウジング80の位置及びキャビティ81の開口の位置を制御装置70に設定することができる。
円盤部材13の周方向の所定位置からレール部材12の周方向の所定位置までの相対的なずれ量については、次のようにして制御装置70に設定することができる。すなわち、円盤部材13の周方向の所定位置及びレール部材12の周方向の所定位置にそれぞれ目印となるものを設けておき、それらの目印が一致するように円盤部材13にレール部材12が取り付けられる。こうしておけば、ずれ量「0」として制御装置70に設定しておけばよい。或いは、円盤部材13の周方向またはレール部材12の周方向に角度を示す目盛を付記しておき、円盤部材13の周方向の所定位置からレール部材12の周方向の所定位置までの角度をずれ量として制御装置70に設定しておくことも可能である。
また、制御装置70には、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための一連の処理に先だって、並列関節機構20のハンド基台25aのX座標、Y座標及びZ座標の初期位置、電線把持本体25bのピッチ方向の角度及びヨー方向の初期角度、並びに、電線把持本体25bのロール方向の初期角度、を設定し、初期状態におけるこれらの数値を該制御装置70に認識させておく必要がある。ハンド基台25aのX座標、Y座標及びZ座標の初期位置は、電線運搬機30の搬送チャック33の所定位置によって定められる。すなわち、ハンド基台25aの初期位置は、電線90を把持した移動体32が並列関節機構20へ電線を渡すべき所定位置にいる状況の搬送チャック33に対して、電線チャック25cが所定の距離上方(Z軸の正方向)に位置するように定められる。より厳密には、ハンド基台25aの初期位置は、Z軸方向に電線チャック25c及び搬送チャック33を視たときに、電線チャック25cの前側チャック25c1及び後側チャック25c2によって搬送チャック33が挟まれる位置に定められる。このため、搬送チャック33に把持された電線90を電線チャック25cが把持する際、搬送チャック33の前後両側を前側チャック25c1及び後側チャック25c2が把持することになる。
移動体32が並列関節機構20へ電線を渡すべき所定位置は、運搬レール31の所定位置にストッパーを設けておく、若しくは移動体32のモータのエンコーダ情報によって位置決めするなどして、電線運搬機30に構造上設定されている。この所定位置を予め作業者が計測し制御装置70に設定しておく、若しくは電線運搬機30側で移動体32のモータのエンコーダ情報を記憶しておけば、制御装置70は、その所定位置に基づいて並列関節機構20のハンド基台25aのX座標、Y座標及びZ座標の初期位置を設定することができる。
端子計測センサ40のセンサ台レール44は、電線90を把持した移動体32が並列関節機構20へ電線を渡すべき所定位置にいる状況の搬送チャック33に対して、位置合わせされている。すなわち、センサ台レール44は、搬送チャック33によって把持される、垂れ下がりまたは跳ね返りが無くY軸方向に理想的に延びる電線90が、X計測センサ42及びZ計測センサ43によって計測されるXZ座標の原点Oを通過する位置に、位置合わせされている。また、端子計測センサ40のセンサ台41の初期位置は、駆動源46のエンコーダ情報によって定められている。この初期位置は、把持された電線90の端子91先端がX計測センサ及びZ計測センサの検出領域から離間し、その2部材の間である程度の距離が確保され得る位置である。
以上まとめると、制御装置70には、次の項目が初期値として設定されている。
・固定盤10の初期位置
・レール部材12の固定盤10に対する初期位置
・固定盤10に配置されたコネクタハウジング80のキャビティ81の初期位置
・ハンド基台25aのX座標、Y座標及びZ座標の初期位置
・電線把持本体25bのピッチ方向の角度及びヨー方向の角度の初期角度
・電線把持本体25bのロール方向の角度の初期角度
・移動体32の運搬レール31に対する初期位置
・端子計測センサ40のセンサ台41の初期位置
[端子挿入処理]
続いて、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための一連の処理について詳細に説明する。図36(A)、図37(A)、図38(A)、図39(A)及び図40(A)はそれぞれ、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図である。また、図36(B)、図37(B)、図38(B)、図39(B)及び図40(B)はそれぞれ、対応する図36(A)、図37(A)、図38(A)、図39(A)及び図40(A)の要部拡大図である。尚、以下に説明する各機材の駆動は、制御装置70からの制御信号にしたがったものである。
尚、端子挿入ヘッド25を用いて固定盤10上のコネクタハウジングの各キャビティに端子付きの電線を挿入する作業を行う場合には、現実の3次元空間上の位置座標、或いは全ての装置に共通な位置座標を把握してキャビティと端子との位置合わせを行う必要がある。これがワールド座標であり、3次元空間のX、Y、Z各軸方向の位置を表す座標として表される。一方、端子挿入ヘッド25等のツールを単独で動かす場合には、ツール独自の座標であるツール座標を用いて制御を行うことができる。端子挿入ヘッド25の場合には、ツール座標として、端子挿入方向(Y)と、上方向(Z)と、Y、Zに対して垂直な方向(X)がある。また、所定の計算式を用いて座標変換を行うことにより、ツール座標からワールド座標に変換し、コネクタハウジングの位置と端子の位置との位置関係を把握することができる。
まず、図36(A)及び図36(B)に示されるように、並列関節機構20は、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための前回の一連の処理が終わると、ハンド基台25aをX座標、Y座標及びZ座標の初期位置に移動すると共に、電線把持本体25bのピッチ方向の角度及びヨー方向の角度を初期角度に戻すように旋回する。さらに、電線把持本体25bのロール方向の角度を初期角度に戻すように旋回する。
また、固定盤10は、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための前回の一連の処理が終わると、制御装置70からの制御信号が入力されてレール部材12が回転し、今回の一連の処理で端子91が挿入される対象となるコネクタハウジング80が、並列関節機構20の電線把持本体25bに向かって周回移動する。このような固定盤10の周回駆動制御は、固定盤10に配置されたコネクタハウジング80の初期位置が[位置決め設定処理]にて制御装置70に設定されているからこそ、実現することができる。さらに、この周回移動の際、今回の一連の処理で端子91が挿入される対象となるキャビティ81がY軸に平行になる位置に、コネクタハウジング80を周回移動することが好ましい。このような固定盤10の周回駆動制御も、コネクタハウジング80におけるキャビティ81の開口の位置が事前に登録されているために実現することができる。
また、電線運搬機30は、図36(A)及び図36(B)に示されるように、搬送チャック33に電線を把持した状態の移動体32が所定位置に移動してくる。
そして、並列関節機構20は、移動体32の所定位置への移動が完了すると、図37(A)及び図37(B)に示されるように、ハンド基台25aが所定距離、下方向(Z軸負方向)に移動する。そして、電線チャック25cが、搬送チャック33に把持された電線90を把持する。
端子計測センサ40は、並列関節機構20の電線チャック25cによって電線90が把持されると、センサ台41が初期位置から並列関節機構20の電線把持本体25bに向かって前進移動を開始する。そして、センサ台41は、駆動源のエンコーダ情報によって定められた位置に来ると、その移動を停止する。
電線運搬機30は、センサ台41の移動が完了すると、図37(A)及び図37(B)に示されるように、移動体32が搬送チャック33を開いて電線90を解放する。この後、移動体32は、図38(A)及び図38(B)に示されるように、次の電線90を把持すべく、所定位置から離れていく。
センサ台41の移動が完了したとき、X計測センサ42及びZ計測センサ43の検出領域には、図9(A)及び図9(B)に示されるように、端子91の先端が位置している。このとき、制御装置70には、X計測センサ42及びZ計測センサ43それぞれによって検出される光の強度の分布が入力される。制御装置70は、これらの光の強度の分布に基づいて、端子91のロール方向の回転角、及び端子91の先端のXZ座標を算出する。
本発明の実施形態の端子挿入装置では、制御装置70が、X計測センサ42及びZ計測センサ43それぞれによって検出される光の強度の分布に基づいて、端子91のロール方向の回転角及び電線90の垂れ下がり量または跳ね返り量を定量的に算出する。そして、制御装置70は、さらに、その算出した数値を基に、端子91のロール方向の回転を0度に戻し、且つ垂れ下がったまたは跳ね返った電線90をY軸に平行に配置するための、電線把持本体25bのロール方向の回転角、並びに電線把持本体25bのピッチ方向の回転角及びヨー方向の回転角を算出する。
端子計測センサ40は、ハンド基台25a及び電線把持本体25bが旋回した後、図39(A)及び図39(B)に示されるように、センサ台41が初期位置に移動する。
並列関節機構20は、センサ台41が初期位置に移動した後、図39(A)及び図39(B)に示されるように、ハンド基台25aをX軸及びZ軸方向に駆動して、コネクタハウジング80におけるキャビティ81の開口のXZ座標に、端子91のロール方向の回転角が0度に戻り且つY軸に平行になった後の電線90の軸心を合わせる。そして、並列関節機構20は、図40(A)及び図40(B)に示されるように、ハンド基台25aをY軸正方向に駆動して、端子91をキャビティ81に挿入する。このとき、制御装置70には、コネクタハウジング80におけるキャビティ81内で端子91にロックが掛かるまでの距離が設定されている。このため、制御装置70は、この距離だけY軸正方向にハンド基台25aが移動するよう並列関節機構20を駆動する。このとき、制御装置70は、圧力センサ25gが検出する信号から、端子91の座屈、または端子91がキャビティに挿入されなかった場合の端子91の固定盤10に対する干渉を判定する。
並列関節機構20は、Y軸正方向にハンド基台25aを移動すると、続いて、Y軸負方向にわずかにハンド基台25aを移動する。ここで、電線把持本体25bには、電線チャック25cに作用する外力を検出する圧力センサが備わっている。端子91がキャビティ81に正常に挿入されていた場合、端子91はキャビティ81内のランスに係合されている。このため、端子91がキャビティ81に正常に挿入されていれば、Y軸負方向にわずかにハンド基台25aを移動したときに圧力センサ25gが電線90に作用する、ある閾値以上の張力を検出するはずである。逆に、端子91がキャビティ81に正常に挿入されていなければ、Y軸負方向にわずかにハンド基台25aを移動したときに圧力センサ25gが外力を検出しない、或いは閾値未満の張力を検出するはずである。このように、並列関節機構20は、Y軸負方向にわずかにハンド基台25aを移動することによって、端子91が正常に挿入されたか否かを判別している。尚、端子91がキャビティ81に正常に挿入されていない場合、並列関節機構20は、ハンド基台25aをダストボックス上に移動させ、そこで電線チャック25cを開くことで、電線90をダストボックスに廃棄するようにしてもよい。この後、並列関節機構20は、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための今回の一連の処理が終わると、ハンド基台25aをX座標、Y座標及びZ座標の初期位置に移動すると共に、電線把持本体25bのピッチ方向の角度及びヨー方向の角度を初期角度に戻すように旋回する。さらに、電線把持本体25bのロール方向の角度を初期角度に戻すように旋回する。
[端子挿入用位置合わせ装置の概要]
[端子挿入用位置合わせ装置が必要な理由]
例えば上述の端子挿入装置においては、ハウジング受け11に支持されたコネクタハウジング80のキャビティ(空洞)81内に端子91を挿入する際には、該当するキャビティ81の位置と、端子91の位置とを相対的に高精度で位置合わせしなければならない。ところが、端子91の位置決めに利用している並列関節機構20は、比較的位置精度が低いので、事前に決めた数値に基づいて位置決めを行う場合には端子91の位置に位置ずれが発生する可能性がある。また、コネクタハウジング80の各部の寸法については、製造時の状況に応じて製造ロット毎にばらつきが生じる場合があり、個体差がある。したがって、ハウジング受け11が正しく位置決めされている場合であっても、コネクタハウジング80の寸法が設計値からずれている場合には、端子91を挿入すべきキャビティ81の位置にばらつきが生じる。
本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置は、並列関節機構20の位置決め精度の影響や、コネクタハウジング80の寸法のばらつきの影響がある場合であっても、端子91の位置とキャビティ81の位置とを正確に位置合わせすることが可能になるように構成される。
[端子挿入用位置合わせ装置の構成]
図6は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置及び端子挿入装置を含む制御システムの機能ブロック図である。
本実施形態の端子挿入用位置合わせ装置は、図6に示した制御装置本体71、ティーチングプログラム72、データベース73、カメラ制御部74、及び画像処理プログラム75を備えている。これらの構成要素は、例えば図7に示した制御装置70に組み込んだ状態で構成される。
また、本実施形態の端子挿入用位置合わせ装置は、図6に示すように、端子挿入ヘッド25に搭載されたカメラ210、照明部220、及びレーザ光源230を備えている。カメラ210、照明部220、及びレーザ光源230は、例えば図4に示した端子挿入装置の端子挿入ヘッド25と共に移動する部材に取り付けられている。
また、本実施形態の端子挿入用位置合わせ装置は端子挿入ヘッド25の方向を切り替えるために、ヘッド方向切換部300を備えている。ヘッド方向切換部300は第2モータ25fを駆動することにより、端子挿入ヘッド25の方向を90度変更することができる。
プログラマブルコントローラである制御装置本体71がティーチングプログラム72を実行することにより、ハウジング受け11上に配置された実際のコネクタハウジング80について、各々のキャビティ81の位置を計測し、位置を記憶することが可能になる。これにより、コネクタハウジング80のロット違いによる個体差や、並列関節機構20の位置決め精度などに起因する位置ずれを補正することが可能になる。
詳細については後述するが、キャビティ81の位置情報など様々な情報がデータベース73に予め登録されている。また、ティーチングプログラム72の実行により計測された実際のキャビティ81の位置情報などをデータベース73に登録することができる。制御装置本体71は、データベース73に登録されている様々な情報を利用して、コネクタハウジング80のキャビティ81と端子91との位置決めを行い、端子91をキャビティ81に挿入するように制御することができる。
カメラ210は、二次元撮像デバイス(例えばCCD)を内蔵しており、所定の方向に存在する被写体の二次元画像を撮影し、映像の情報を出力することができる。照明部220は、LED光源を内蔵し、カメラ210の撮影方向を照明することができる。詳細については後述するが、レーザ光源230はカメラ210の撮影方向に対して傾斜した方向に向けてレーザ光を出射することができる。
ティーチングプログラム72は、カメラ制御部74を介してカメラ210に撮影命令を送ることができる。また、ティーチングプログラム72は、カメラ制御部74を介して照明部220の照明オンオフ制御を行うことができる。また、ティーチングプログラム72は、カメラ制御部74を介してレーザ光源230のレーザオンオフ制御を行うことができる。
画像処理プログラム75は、カメラ210が撮影結果として出力する映像情報に対して様々な画像処理を実行する。この画像処理により、例えば映像中から特徴的なパターンを検索したり、事前に定めた特定のシーンと一致する画像を抽出したり、映像中の各パターンの位置座標を出力することができる。ティーチングプログラム72は、画像処理プログラム75の出力する様々なデータを利用して位置合わせのための処理を実行する。
[端子挿入ヘッド25の構成]
図8は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置を搭載した端子挿入装置の端子挿入ヘッド25の外観を示す斜視図である。また、図9は、端子挿入ヘッド25を示す平面図である。
図9に示すように、端子挿入ヘッド25は、端子挿入装置の電線チャック25cの他に、カメラ210、ミラー215、照明部220、レーザ光源230、及び回転軸240を備えている。この端子挿入ヘッド25は回転軸240で回動可能な状態で支持されており、方向を90度だけ切り替えることができる。
図9において、電線チャック25cで把持された電線90の先端に固定された端子91の先端は、位置P01に配置されている。つまり、挿入先のコネクタハウジング80が位置P01に配置されることを想定しており、このコネクタハウジング80と対向する位置P01に、電線90及び端子91が挿入方向(Y)と平行な向きで配置されている。
一方、カメラ210の光軸210aは端子91の挿入方向(Y)と平行な向きに配置されているが、ミラー215で反射して光路の方向が90度変化するので、撮影方向の光軸210bは、位置P02の方向を向いている。つまり、図9の状態では、カメラ210の撮影方向は端子91の挿入方向(Y)に対して90度ずれた方向に向いている。
但し、端子挿入ヘッド25は、回転軸240を回転の中心として、90度向きを変更することができる。つまり、図9の状態から時計回りに90度、端子挿入ヘッド25を回動させると、カメラ210の撮影方向が向かう先は、位置P02から位置P01に切り替わる。また、反時計回りに90度回転させることにより、再び図9の向きに戻すこともできる。
したがって、図9のように、端子91の先端がコネクタハウジング80と対向する位置P01に配置された状態から、90度向きを変えて、カメラ210の撮影方向がコネクタハウジング80と対向するように配置することができる。そして、図9のように元の向きに戻すこともできる。また、カメラ210の撮影方向が位置P01と一致している状態では、コネクタハウジング80、キャビティ81、及びこれらの周辺に配置された構成要素を被写体としてカメラ210で撮影することができる。つまり、挿入される時の状態で位置P01に位置決めされた端子91側から視たコネクタハウジング80の状態を、並列関節機構20を動かすことなく撮影することができる。位置決め精度の低い並列関節機構20を動かす必要がないので、端子91が配置される位置と、カメラ210が撮影する領域の位置との間で並列関節機構20に起因する位置ずれが生じるのを避けることができる。
照明部220は、カメラ210がコネクタハウジング80等の被写体を撮影する際に、被写体を明るく照明することができる。レーザ光源230は、カメラ210の撮影方向の光軸210bの向きに対して傾斜した光軸230aの方向にレーザ光を出射し、例えば図9の位置P02にレーザ光をスポット状に照射することができる。
[端子挿入用位置合わせ装置の動作]
[全キャビティ座標登録フロー]
図10は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置における「全キャビティ座標登録フロー」を表すフローチャートである。すなわち、制御装置本体71がティーチングプログラム72を実行することにより、図10の手順で処理を行い、コネクタハウジング80の各々のキャビティ81の実際の位置を表す座標を計測しその結果をデータベース73に登録する。
最初のステップS11では、ハウジング受け11もしくはその近傍の所定部位に形成された基準穴と、端子91或いは電線チャック25cの位置及びカメラ210が撮影する映像中の基準位置(例えば映像のセンター位置)とが一致するように処理する。
そして、挿入先のコネクタハウジング80に含まれるキャビティ81の総数がNである場合には、1番からN番までの全てのキャビティ81の各々について、順番に処理を実行する。ステップS15では、該当するキャビティ81について、カメラ210の撮影した映像に基づき、位置座標を検出し、位置座標のデータをデータベース73に登録する。
[検出シーン登録データの構成]
図11は、検出シーン登録データの構成例を示すブロック図である。カメラ210が撮影して得られる映像から目的の位置を探索する場合には、目的の位置で撮影される映像の基準データと、実際に撮影された映像のデータとを比較することにより、探索を容易に行うことができる。本実施形態では、目的の位置(検出シーン)毎に映像の基準データを事前に作成して、これをデータベース73上に登録しておき、これらの基準データを利用して位置の探索を行う。
データベース73に含まれる検出シーン登録データ400には、図11に示すように、検出シーン登録データ400として、キャビティ検出シーン410、基準穴検出シーン420、及びレーザ検出シーン430のそれぞれに対応する映像の基準データが含まれている。
キャビティ検出シーン410は、コネクタハウジング(HG)80の品番(種類)と、端子91の品番との組み合わせの各々に対応する映像の基準データを含んでおり、各々の基準データの映像には、端子91側から視た該当するコネクタハウジング80のキャビティ81の像が含まれている。
基準穴検出シーン420は、端子91の先端位置がハウジング受け11、若しくはその周辺部に形成された基準穴とほぼ一致する状態にある時に、端子91側から視た前記基準穴及びその周辺部を表す像の基準データである。
レーザ検出シーン430は、カメラ210の撮影方向にある被写体に照射されるレーザ光源230のレーザ光のスポット像を探すために利用可能な基準データである。詳細については後述するが、レーザ光のスポット像の位置は被写体までの距離の変化に相当し、これをカメラ210の焦点合わせのために利用できる。
[基準穴とカメラセンタを位置合わせする処理:S11]
図12は、「基準穴とカメラセンタを位置合わせする処理」の手順を示すフローチャートである。すなわち、図10に示したステップS11の詳細が図12に示されている。
ステップS21では、図13に示すように、端子91の代わりに代替えである丸い棒95を電線チャック25cで把持し、先端95aがハウジング受け11上の基準穴の位置と合うように、並列関節機構20を動かして電線チャック25c等の位置を調整する。棒9の長さは事前に調整しておき、端子挿入ヘッド25の中心軸(回転軸240)からコネクタハウジング80の前面までの距離(L0)が所定値になるように位置決めする。実際の位置決め作業については、作業者の手作業で行うか、若しくは自動的に行う。例えば事前に位置合わせされたカメラ(図示せず)が撮影した映像を利用して、棒95と基準穴とを自動的に位置決めすることが可能である。
ステップS22では、周辺部と棒95との干渉が生じないように電線チャック25cから棒95を取り外した後、ヘッド方向切換部300を駆動して、端子挿入ヘッド25の向きを90度切り替える。つまり、カメラ210の撮影方向が、前記基準穴の位置と対向するように、電線チャック25cからカメラ210に切り替える。
図14(A)及び図14(B)は、カメラ210で撮影した映像の内容の具体例を示す正面図である。つまり、S22の後でカメラ210が撮影した映像は、例えば図14(A)及び図14(B)の内容と似た状態になる。
ステップS23では、画像処理プログラム75の画像処理により、カメラ210の映像を認識し、映像中の基準穴Hsの位置が、映像の画面中央に配置されるようにカメラ210の位置を調整する。つまり、並列関節機構20を動かさず、カメラ210のみを上下左右方向に移動して、基準穴Hsを画面のほぼ中央に合わせる。さらに、カメラ210を前後に移動させて基準穴に焦点を合わせる。
ステップS24では、現在の状態を基準穴と一致した基準状態とし、並列関節機構20の移動座標系を表すパラレル座標系の現在の位置のワールド座標(X0,Y0,Z0)、及び固定盤10の円盤角度θ0を基準状態としてデータベース73に登録する。ステップS24を実行した後、次回からはS21、S22、S23、S24を省略して、ワールド座標(X0,Y0,Z0)に移動することから開始する。
ステップS25では、現在の状態でカメラ210が撮影した映像(図14(A)に相当する状態)を画像処理プログラム75で画像処理した結果を、「ポイント位置検出シーン」としてデータベース73に登録し、この「ポイント位置検出シーン」に関するカメラ210の基準座標(px0,pz0:画素(ピクセル)単位の座標)を特定する。
ステップS26では、基準座標(px0,pz0)に位置決めした状態から並列関節機構20を動かして、コネクタハウジング80と対向する時の端子挿入ヘッド25の位置を、図14(B)のようにX方向に所定量(+Ax:=2[mm])だけ移動した後、カメラ210が撮影した現在の映像と、前記「ポイント位置検出シーン」とを画像処理により比較して、移動後のポイント位置座標(px1,pz1)を検出する。
ステップS27では、基準座標(px0,pz0)に位置決めした状態から並列関節機構20を動かして、コネクタハウジング80と対向する時の端子挿入ヘッド25の位置を、図14(B)のようにZ方向に所定量(+Az:=2[mm])だけ移動した後、カメラ210が撮影した現在の映像と、前記「ポイント位置検出シーン」とを画像処理により比較して、移動後のポイント位置座標(px2,pz2)を検出する。
ステップS28では、上記の処理で検出した座標から1画素あたりの移動量を次のように算出する。
ΔX[mm/pxl(ピクセル)]=Ax/(px1−px0)
ΔZ[mm/pxl]=Az/(pz2−pz0)
尚、上記の換算式はレンズの倍率が不確かな場合であっても利用できるので便利である。また、レンズの正確な倍率が既知の場合には、レンズの倍率とCCD画素の大きさに基づいて求めた換算式を利用することもできる。
尚、図12におけるステップS29以降の処理については、端子91の挿入方向(Y)に関する距離の違いを把握するために必要な処理であって、この処理の結果は、カメラ210の焦点調節などの用途で利用される。
ステップS29では、基準座標(px0,pz0)に位置決めした状態から並列関節機構20を動かして、コネクタハウジング80と対向する時の端子挿入ヘッド25の位置を、所定量(5[mm])だけ上方(Z方向)に移動する。この移動は、レーザ光源230により照射されるレーザ光のスポット像が、基準穴Hsの位置からずれた位置の平坦面に映るようにするためである。
ステップS30では、カメラ210の撮影方向の被写体が暗くなるように、照明部220の照明をオフに制御する。これにより、カメラ210の映像からレーザ光のスポット像を検出する処理が容易になる。
図15は、レーザ光のスポット像を検出する場合のカメラで撮影された映像の内容の具体例を示す正面図である。すなわち、ステップS30の後で、カメラ210が撮影した映像の内容が、図15中の映像251A、251B、251Cのようになる。この場合、照明がオフになっているので、レーザ光のスポット像以外の情報はほとんど画面に映らない。
ステップS31では、レーザ光源230をオンにした後、カメラ210が撮影した映像を画像処理し、レーザ検出シーン430を利用して映像中に映るレーザスポット像LSを認識し、レーザスポット像LSの位置座標を把握する。そして、並列関節機構20の移動により、図15中の映像251Aのように、レーザスポット像LSの位置が画面の中央に位置するように調節する。
ステップS32では、レーザ検出シーン430を利用して映像中に映るレーザスポット像LSを認識し、レーザスポット像LSの画面上の基準X座標Bx0を把握する。
ステップS33では、端子91がコネクタハウジング80と対向する時の端子挿入ヘッド25の位置を、並列関節機構20の駆動により、S32の状態からY方向に所定量(−2[mm])移動してカメラ210で映像251Bを撮影し、この時のレーザスポット像LSのX方向位置座標Bx1を取得する。更に、S32の状態からY方向に所定量(+2[mm])移動してカメラ210で映像251Cを撮影し、この時のレーザスポット像LSのX方向位置座標Bx2を取得する。そして、各座標Bx0、Bx1、Bx2のデータを保存する。
ステップS34では、上記3点の座標Bx0、Bx1、Bx2のデータを用いて、最小自乗法を適用し、端子挿入ヘッド25(回転軸240)−コネクタハウジング80間の距離L(mm)と、レーザ光スポット像のX座標Bx(A)のピクセル数との関係を表す次の換算式を特定する。尚、この例では3点の像を利用しているが、2点であっても十分に精度の良い換算式が得られる。
L=a×Bx+b ・・・(1)
a,b 定数
図16は、映像中の座標のピクセル数と距離との関係を表すグラフである。つまり、図16に示す特性は、上記第(1)式に相当する関係を表している。この換算式を利用することにより、撮影した映像中に映るレーザスポット像LSの位置座標の違いから、距離Lを把握することができる。また、把握した距離に基づき、カメラ210の焦点距離を最適化して鮮明な映像を得ることができる。
[キャビティの座標登録フロー:S15]
図17は、「キャビティの座標登録フロー」を示すフローチャートである。すなわち、図17の内容は、図10に示したS15の詳細を表している。また、図18は基準穴Hsと距離計測位置との位置関係を表す正面図である。図17に示す内容について以下に説明する。
最初のステップS41で、必要なデータをデータベース73から読み込む。例えば、処理対象のコネクタハウジング80に関する各キャビティ81の設計上の位置や寸法等を表すデータを取得する。
ステップS42では、コネクタハウジング80のキャビティ81が端子91の位置と対向するように、固定盤10の円盤を所定角度θだけ回転する。
基準穴Hsに関する実測座標のデータがデータベース73上に既に存在する場合はS43からS47に進み、まだ存在しない場合はS44に進む。
ステップS44では、並列関節機構20を動かし、ハウジング(HG)受け11上の「距離計測位置」と対向する位置に端子挿入ヘッド25を移動する。例えば、図18に示すように、ハウジング受け11の基準穴Hsの位置から一定量(5[mm])上方にずれた位置を「距離計測位置」とする。
ステップS45では、並列関節機構20を動かし、端子挿入ヘッド25の位置をY方向に移動してコネクタハウジング80までの距離Lを調整し、カメラ210の焦点距離と一致するように距離を合わせる。この時には、ハウジング受け11に照射されるレーザ光のスポット像の位置の変化から実際の距離を把握できる。
ステップS46では、ハウジング受け11上の基準穴Hsの計算上の座標位置へ端子挿入ヘッド25を移動する。
ステップS47では、基準穴Hsの実測座標を取得する。実測座標がまだ存在しない場合には、カメラ210の撮影により得られる映像を画像処理することにより、基準穴Hsを認識してその位置座標を検出する。
ステップS48では、理論値(設計値)に基づく基準穴Hsの計算座標と、実測座標とのずれ量(ΔX,ΔY,ΔZ)を算出する。
ステップS49では、計測対象のキャビティ81の計算座標に、S48のずれ量を加算した位置まで、並列関節機構20を駆動して端子挿入ヘッド25を移動する。
ステップS50では、現在の位置でカメラ210を用いてコネクタハウジング80を撮影し、計測対象のキャビティ81の実際の位置座標を映像の内容に基づいて実測する。この実測により得られたキャビティ81の座標を次のS51でデータベース73に登録する。
[ハウジング受けの基準穴座標計測:S47]
図19は、「ハウジング受けの基準穴座標計測」処理を示すフローチャートである。すなわち、図17におけるS47の処理の詳細が図19に示されている。また、図20(A)及び図20(B)は、処理対象画像の具体例を示す正面図である。また、図21(A)及び図21(B)は、レーザ光のスポット像を検出する場合のカメラで撮影された映像の内容の具体例を示す正面図である。図19の処理について以下に説明する。
ステップS61〜S64は、カメラの焦点が十分に合っていない状態で、基準穴を粗く画面中央に収めるために必要な操作である。
ステップS61では、ハウジング受け11の基準穴Hsの位置が、カメラ210で撮影した映像の画面中央になるように、端子挿入ヘッド25を移動する。この移動により、カメラ210で撮影した映像は、例えば図20(A)の状態になる。
ステップS62では、カメラ210で撮影した最新の映像と、基準穴検出シーン420のデータとを用いて、実際の基準穴Hsの座標(pxc,pzc)を計測する。
ステップS63では、S62で得られた座標(pxc,pzc)が画面の中央に位置するように、端子挿入ヘッド25の位置を微調整する。つまり、移動前の基準位置(画面中央)の基準座標(px0,pz0)とS62で得られた座標(pxc,pzc)との差分から次のように移動量を求めて、端子挿入ヘッド25を移動する。
X移動量=(pxc−px0)×ΔX
Z移動量=(pzc−pz0)×ΔZ
ステップS64では、S63での移動後に再びカメラ210で撮影を行い、次に示す条件のように移動量が十分に小さくなるまで、S62、S63を繰り返す。
|pxc−px0|<10[pxl(ピクセル)]
|pzc−pz0|<10[pxl]
ステップS65では、レーザ光が照射される箇所が基準穴Hsからずれた平坦な面になるように、端子挿入ヘッド25を所定量(+5[mm])だけ上方(Z方向)に移動する。
ステップS66Aでは、LED照明を切り、ハウジング受け11にレーザ光を照射し、カメラ210が撮影した映像中のレーザ光のスポット像よりレーザ検出シーン430を使ってx方向の位置座標Bxを認識する。S66Bでは、前述の第(1)式に基づき、レーザ光のスポット像のx座標Bxに対する距離Lを計算する。距離Lが、カメラ210の焦点合わせに必要な距離L0からずれている場合には、LとL0との差である移動量ΔLを算出し、移動量ΔLだけY方向に端子挿入ヘッド25を移動する(図21参照)。この移動後に再び計測を行い、ずれ量が次の条件を満たすまで同じ処理を繰り返す(S66C)。
|L−L0|<0.1[mm]
ステップS67では、再び、カメラ210で撮影した最新の映像と、基準穴検出シーン420のデータとを用いて、実際の基準穴Hsの座標(pxc,pzc)を計測する。
ステップS68では、S67で得られた座標(pxc,pzc)が画面の中央に位置するように、端子挿入ヘッド25の位置を微調整する。つまり、移動前の基準位置(画面中央)の基準座標(px0,pz0)とS67で得られた座標(pxc,pzc)との差分から次のように移動量を求めて、端子挿入ヘッド25を移動する。
X移動量=(pxc−px0)×ΔX
Z移動量=(pzc−pz0)×ΔZ
ステップS69では、S68での移動後に再びカメラ210で撮影を行い、次に示す条件のように移動量が十分に小さくなるまで、S67、S68を繰り返す。
|pxc−px0|<10[pxl]
|pzc−pz0|<10[pxl]
ステップS70では、S69を終了した後における基準穴Hsの中心位置のワールド座標(X,Y,Z,ψ)を実測値として取得し(図20(B)参照)、基準穴Hsの座標の計算値(理論値)と前記実測値との差分(ΔX,ΔY,ΔZ)を誤差量として算出する。
[キャビティ座標の計測:S50]
図22は、「キャビティ座標の計測」処理を示すフローチャートである。すなわち、図17のS50の詳細な内容が図22に示されている。また、図23は処理対象画像の具体例を示す正面図である。図22の処理の内容について以下に説明する。
S50を開始するまでに行われる前述の処理により、端子挿入ヘッド25における端子91先端位置を表すツール座標系は、ハウジング受け11の基準穴Hsの実際の位置に合わせて校正されている。
ステップS81では、前記ツール座標系のX、Z方向に端子挿入ヘッド25を移動して、コネクタハウジング80の挿入対象キャビティと対向する位置に端子挿入ヘッド25を位置決めする。挿入対象キャビティの位置は、コネクタハウジング80の各部の寸法の設計値や、ハウジング受け11の基準穴Hsとコネクタハウジング80との位置関係に基づいて計算により求める。
ステップS82では、計測対象のコネクタハウジング80の品番、及び端子91の品番の組み合わせで特定される、1つのキャビティ検出シーン410のデータをデータベース73から取り込み、このキャビティ検出シーン410における領域の中心が基準座標(px0,pz0)になるように定める。
S82の状態で、カメラ210を用いてコネクタハウジング80を撮影することにより、例えば図23に示すような映像が得られる。キャビティ検出シーン410は、図23中に示す点線で囲んだ領域程度の大きさの1つのキャビティが含まれる基準画像データである。したがって、図23に示すような映像とキャビティ検出シーン410とを画像処理により比較して、キャビティ検出シーン410と一致する領域、つまり1つのキャビティを映像の中から探索することができる。
ステップS83では、画像処理によりカメラ210の映像とキャビティ検出シーン410とを比較しながら、注目領域、例えば図23に示す点線で囲んだ領域内に、1つのキャビティの全体が入るように、端子挿入ヘッド25を移動する。
ステップS84では、S83の移動終了後の目的のキャビティを表す代表位置について、画像上の座標(pxc,pzc)を画像処理により計測する。
ステップS85では、目的のキャビティの画像上の座標(pxc,pzc)が、画面の中央に移動するように、端子挿入ヘッド25を移動する。移動量は次式により求める。
X移動量=(pxc−px0)×ΔX
Z移動量=(pzc−pz0)×ΔZ
ステップS86では、S85の移動後に再びカメラ210で撮影した映像を処理して、目的のキャビティの画像上の座標(pxc,pzc)と、基準座標(px0,pz0)との誤差が1ピクセル以内になるまでS83、S84を繰り返す。つまり以下の条件を満たすまで繰り返す。
|pxc−px0|<1[pxl]
|pzc−pz0|<1[pxl]
[キャビティ検出シーンの登録]
図24は、「キャビティ検出シーンの登録」処理の手順を示すフローチャートである。すなわち、図24の手順を実行することにより、前述の処理を実行する際に必要なキャビティ検出シーン410の基準データ(キャビティモデル)を作成することができる。また、図25は、各検出シーンについて登録される画像の内容の具体例を示す正面図である。図24の手順について以下に説明する。
ステップS91では、並列関節機構20を駆動して端子挿入ヘッド25を目的のコネクタハウジング80と対向する位置に移動し、更にコネクタハウジング80の各部の寸法の理論値を利用して、各キャビティ81をカメラ210で撮影できる位置まで移動する。また、Y方向の位置については、カメラ210の焦点がコネクタハウジング80の前面の位置で合うように端子挿入ヘッド25の位置を調整する。
ステップS92では、目的のキャビティ81を含むコネクタハウジング80の画像をカメラ210で撮影する。例えば、図25に示す画像501のように、複数のキャビティ81が含まれるコネクタハウジング80の前面の矩形領域を端子91側から視た状態で撮影する。
ステップS93では、S92の撮影で得られた画像を利用して、キャビティ毎にシーンのデータを必要な種類だけ作成する。複数の品番のコネクタハウジング80、複数の色のコネクタハウジング80、複数の品番の端子91が存在する場合には、ハウジングの品番、色、端子の品番のそれぞれについて、独立したシーンのデータを作成する。例えば、図25に示した画像501の中から一部分を切り出して、画像502のようなシーンのデータを作成する。画像502は、1つのキャビティ81の全体を含み、1つのキャビティ81のサイズよりも少し大きい程度の範囲のデータである。
ステップS94では、コネクタハウジング80の複数のキャビティ81の中で、基準とする1つのキャビティの画像をモデルとして登録する。複数のキャビティ81は基本的には同じ形状及び同じ寸法なので、代表的な位置のキャビティ、例えば中央位置のキャビティの画像をモデルとして登録する。
ステップS95では、1つのキャビティの領域の中で、中心狙い位置を代表点の座標として登録する。
ステップS96では、1つのキャビティを検索する際の範囲を指定する。例えば、図25に示す画像503中で、基準座標(px0,pz0)を中心とする領域A01を特定し、この領域A01に基づいて領域A02を特定する。領域A01は1つのキャビティとサイズが同一であり、領域A02は、キャビティサイズに所定値β(例えば1〜2[mm]程度)を加算した大きさとし、領域A02を検索範囲とする。また、所定値βについては、隣接するキャビティが2つ以上入らない(例えば、最小キャビティサイズの1/2)、且つ、基準穴から図面寸法値で検出されるキャビティサイズより大きい領域になるように決定され、その結果としてβ=1〜2mmとなる。
ステップS97では、基準キャビティのモデルを含む各検出シーンのデータを、コネクタハウジング80の品番及び端子91の品番の情報を含む「HG品番端子品番シーン」としてデータベース73に登録する。
したがって、データベース73に登録されたキャビティ検出シーン410のデータを利用する場合には、図25中の画像502のような1つのキャビティの形状及び大きさを特定可能なモデルの情報を取得できる。そして、カメラ210の撮影により画像501のようなデータが得られる場合に、画像501の一部の領域の中からモデルの画像502とほぼ一致する箇所を画像処理により簡単に検索することができる。
[インプット情報の構成例]
図26は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置が使用するインプット情報の構成例を示す模式図である。すなわち、端子挿入用位置合わせ装置がティーチングプログラム72の実行によりティーチングを行う際に、必要な情報として図26に示すような様々なインプット情報がティーチングプログラム72に入力される。
図26に示すように、このインプット情報には、キャビティ座標(X,Y,Z)の計算位置、チャック角度J4、円盤選択情報R/L、円盤角度、及びシーン品番情報が含まれている。また、端子挿入装置の状態である、挿入ヘッド選択情報、挿入ヘッド座標(X,Y,Z)、挿入ヘッド角度J4、円盤番号、及び円盤角度の各情報もインプット情報に含まれている。更に、端子挿入ヘッド25における照明のオンオフ、レーザ光のオンオフ、及びカメラの状態を表す情報がインプット情報に含まれている。また、画像処理プログラム75の処理結果として得られる位置座標(X,Z)の情報や、画像処理のサーチ領域(モデルサイズ+αの領域)変更入力を表す情報αもインプット情報に含まれている。
[アウトプット情報の構成例]
図27は、本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置が使用するアウトプット情報の構成例を示す模式図である。すなわち、端子挿入用位置合わせ装置がティーチングプログラム72の実行によりティーチングを行う際に、ティーチングプログラム72が図27に示したアウトプット情報のような様々な情報を出力する。
図27に示すように、このアウトプット情報には、端子挿入装置に対する移動命令として、キャビティ座標(X,Y,Z)、チャック角度、円盤選択、及び円盤角度の情報が含まれている。また、ティーチングの結果を反映してインプット情報を置き換えるための情報として、挿入ヘッド選択、キャビティ座標(X,Y,Z)、挿入ヘッド角度、円盤選択、及び円盤角度の情報が含まれている。更に、照明オンオフ、レーザ光のオンオフ、画像処理シーンのサーチ領域の座標を指定する情報、及びカメラの撮影タイミングを表す情報もアウトプット情報に含まれている。
[キャビティを探索する動作の説明]
図28(A)、図28(B)、及び図28(C)は、カメラで撮影した映像の具体例を示す正面図であり、図28(A)は映像の全体を示し、図28(B)及び図28(C)は、それぞれ映像の一部分を示す拡大図である。
例えば、図28(A)に示すような状況を表す映像の中から、1つのキャビティ81の位置を探索するのは容易ではない。つまり、コネクタハウジング80の形状が複雑であるし、同じ形状の部位が近い位置に多数存在するので、1つのキャビティ81だけを正確に特定するのは難しい。また、同じ形状の部位が近い位置に多数存在するので、事前に狭い領域のみに限定して特定のキャビティの位置の探索を行うと、隣接する他のキャビティを間違って認識する可能性が高くなる。
図17に示した処理においては、特定のキャビティの位置を探索する前に、ハウジング受け11に形成された基準穴Hsの位置を探索している。つまり、基準穴Hsを位置検索のためのマーカとして利用している。ハウジング受け11は比較的形状が単純であるため、ハウジング受け11上の特徴的な基準穴Hsのパターンだけを映像中から探索するのは比較的容易である。また、基準穴Hsのパターンを周囲の他のパターンと区別することが容易であるため、基準穴Hsを探索する際には、図28(A)に示す映像の全体のように、比較的広い範囲の領域を探索範囲に定める。これにより、基準穴Hsの探索が更に容易になる。
また、特定のキャビティの位置を探索する前に、マーカである基準穴Hsの位置を特定することにより、各々のキャビティの位置を、基準穴Hsの位置と各部の寸法の理論値とに基づいて比較的高い精度で推定できる。したがって、特定のキャビティの位置を探索する際には、図28(C)や図23に示すような比較的狭い範囲の映像のみに限定して探索を行うようにしている。これにより、特定のキャビティの位置を短時間で且つ正確に探索できる。
[レーザ光を用いた距離計測の説明]
図29は、カメラ210の撮影方向と直交する方向から視た状況を表す光路図である。
また、図30は、カメラ210で撮影した映像及び映像中のレーザ光のスポット像を表す正面図である。また、図31は、カメラ設置位置に応じた距離の変化と、映像中のレーザ光スポットの座標との関係を表すグラフである。
図9に示した端子挿入ヘッド25においては、カメラ210の撮影方向(光軸210b)に対して傾斜した方向(光軸230a)に向けてレーザ光源230がレーザ光を出射するように構成されている。したがって、端子91の先端位置(P01)と対向する箇所にコネクタハウジング80の前面が配置されている場合には、カメラ210がコネクタハウジング80を撮影する時に、撮影された映像の中にレーザ光のスポット像も現れる。
つまり、コネクタハウジング80の前面を「挿入面」とした場合のレーザ光の光路は図29のように変化する。すなわち、「挿入面」がY方向に移動してカメラ210と「挿入面」との距離が変化すると、照射されるレーザ光の「挿入面」上の位置がX方向に変化する。そのため、「挿入面」のY方向位置の変化に伴って図30に示すような、カメラ210が撮影した映像511、512、513が変化する。
「挿入面」が中央の位置にある時には、図30の映像512のように、レーザスポット像LSが画面のほぼ中央に現れる。また、距離が大きくなると、図30の映像511のようにレーザスポット像LSの位置が画面中央からX軸のプラス方向に移動する。逆に距離が小さくなると、図30の映像513のようにレーザスポット像LSの位置が画面中央からX軸のマイナス方向に移動する。
図30に示したような距離の変化と各映像中のレーザスポット像LSの位置の変化とを計測することにより、図31に示すような特性直線が得られる。この特性直線を利用することにより、カメラ210が撮影した映像中の実際のレーザスポット像LSの位置の違いを距離の違いに変換することができる。つまり、前述の第(1)式に相当する換算式を用いて、距離を把握することができる。そして、この距離に基づきカメラ210の焦点が合うように自動的に調節することが可能になる。カメラ210の焦点が合った状態でのみカメラ210の撮影を実行することにより、鮮明な映像を取得することができる。
[変形例の説明]
[マーカの変更]
図32は、コネクタハウジング80の外観の具体例を示す正面図である。前述の端子挿入用位置合わせ装置においては、ハウジング受け11上に設けた基準穴Hsを目印となるマーカとして利用し、基準位置を決定している。この基準穴Hsについては、検索しやすい箇所であれば、ハウジング受け11以外の位置に配置しても良い。また、基準穴Hs以外のマーカを利用することもできる。
例えば、図32に示したコネクタハウジング80の場合には、四隅の各々の箇所に特徴的な形状が存在している。このような場合には、図32に示すように、コネクタハウジング80の左上隅を囲む領域に相当するマーカM1、右上隅を囲む領域に相当するマーカM2、右下隅を囲む領域に相当するマーカM3、及び右下隅を囲む領域に相当するマーカM4のいずれかを利用することが可能である。例えば、マーカM1の領域内の映像により構成されるマーカ検出シーンの基準データを作成しておき、カメラ210が撮影した映像の中から、マーカM1の基準データとパターンが一致する領域を検索することにより、マーカM1の位置を特定できる。そして、このマーカM1の位置を基準として、各キャビティ81の位置を特定できる。
[距離計測方法の変更]
図33は、位置合わせ治具の外観を示す正面図である。図34は、カメラ設置位置に応じた距離の変化と、映像を画像処理して得られるフォーカス値との関係を表すグラフである。
例えば、図29に示す「挿入面」に相当する位置に、図33に示したパターンが形成された治具を取り付け、この治具の位置をY方向に移動しながら、つまり距離を変化させながら治具をカメラ210で撮影すると、様々な映像が得られる。各々の映像を画像処理してフォーカス値を算出し、フォーカス値の分布状況を調べると、図34に示すような特性曲線が得られる。尚、フォーカス値については、例えば処理対象の画像中の隣接する画素同士の明るさの差分の2乗をある領域全体について求めることにより算出可能である。つまり、焦点が合って映像が鮮明になっている時にはフォーカス値が大きくなり、焦点がずれると映像が不鮮明になってフォーカス値が小さくなる。
したがって、上記のような計測を事前に行って、図34に示すような特性曲線を取得することができる。そして、カメラ210が撮影した映像から算出したフォーカス値と、前記特性曲線とに基づいて、カメラ210と被写体であるコネクタハウジング80前面との距離の変化を把握することができる。この場合には、レーザ光源230がなくても、距離の変化を検出しカメラ210の焦点を合わせることができる。
上記以外の方法を用いることもできる。例えば、図33に示すような基準穴を有する治具を採用し、図33中のA又はBの距離を表す画素数を算出する。そして、A又はBの画素数に基づき、図34に示す画素数と距離との関係から距離を算出する。この場合は、フォーカス値を用いる場合よりも高い精度が得られる。
[端子挿入ヘッドの変更]
図35は、変形例の端子挿入ヘッドに関する外観を示す正面図である。図35に示した端子挿入ヘッド25Bにおいては、端子挿入ヘッド25Bが端子91を挿入する方向(Y)とカメラ210の撮影する方向とがほぼ並行に配置されている。したがって、ヘッド方向切換部300に相当する回転機構は存在せず、代わりにカメラ210の位置をX方向及びその反対方向に平行に移動するための機構(図示せず)が端子挿入ヘッド25Bに備わっている。
つまり、図35の端子挿入ヘッド25Bを用いた端子挿入用位置合わせ装置においては、端子91がコネクタハウジング80と対向する状態と、カメラ210の撮影方向がコネクタハウジング80と対向する状態との切り替えを、回転ではなく端子挿入ヘッド25Bの平行移動によって実現することができる。尚、端子挿入ヘッド25Bにおいて端子挿入ヘッド25Bを平行移動するための機構については、並列関節機構20以外の位置決め精度の高い機構を用いることが望ましい。
[キャビティ座標の登録手順の変更]
図10に示した「全キャビティ座標登録フロー」では、コネクタハウジング80に備わったN個のキャビティ81の全てについて、S15をそれぞれ実行し、全てのキャビティ81の計測結果をそれぞれ登録している。しかし、例えばコネクタハウジング80に含まれるキャビティ81の総数が多い場合には、代表的な一部のキャビティ81のみに限定してS15を実行し、一部のキャビティのみ計測結果を登録するように変更しても良い。代表的な一部のキャビティ81としては、例えばコネクタハウジング80の四隅のそれぞれの位置にある4つのキャビティ81を選定することが想定される。
その場合、計測を行わない残りのキャビティについては、例えばキャビティ間の間隔の理論値(設計値)とキャビティ番号とに基づき、計測を行った代表キャビティとの相対距離を推定し、この相対距離と、前記代表キャビティの実測した位置座標とに基づいて計算した推定値を登録すれば良い。この場合であっても、代表キャビティの位置座標は実測により求めるので、製造ロットの違いによりコネクタハウジング80の寸法にばらつきが生じている場合や、並列関節機構20の位置精度の関係で位置ずれが生じている場合であっても、端子91の位置を目的のキャビティ81の位置に正確に位置合わせすることが可能になる。
[端子挿入用位置合わせ装置の上記以外の用途の説明]
前述の端子挿入用位置合わせ装置は、端子挿入装置のティーチングを行うために利用しているが、それ以外にも、例えば次のような用途で利用できる。
(1)固定盤10の円盤と並列関節機構20の位置の校正を行うために、前述の端子挿入用位置合わせ装置を利用する。
(2)端子挿入装置の設備を移設する際に、位置ずれが生じていないか確認するために、前述の端子挿入用位置合わせ装置を利用する。
(3)前述の端子挿入用位置合わせ装置が端子挿入装置に常設されている場合には、端子挿入装置の可動部が原点位置に復帰した時に、正しい原点に位置決めされているか否かを確認するために、端子挿入用位置合わせ装置を利用できる。
(4)前述の端子挿入用位置合わせ装置が端子挿入装置に常設されている場合には、端子挿入装置が端子91をコネクタハウジング80に挿入する前の行程として、端子挿入用位置合わせ装置で位置を確認し、その後で挿入を実行する。この場合、端子挿入用位置合わせ装置が確認する位置については、ハウジング受け11のマーカのみを確認しても良いし、コネクタハウジング80の四隅のキャビティのみを確認しても良い。
ここで、上述した本発明の実施形態の端子挿入用位置合わせ装置の特徴をそれぞれ以下[1]〜[15]に簡潔に纏めて列記する。
[1] コネクタハウジング(80)を支持する固定盤(10)と、先端に端子(91)が接続された電線(90)を把持する把持機構(電線チャック25c)と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構(20)とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティ(81)に対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部(カメラ210)と、
前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部(画像処理プログラム75)と、
前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部(ティーチングプログラム72)と、
を備えたことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[2] [1]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構(33)及び前記撮像部(210)は、前記端子の挿入方向(Y)と、前記撮像部の撮影方向とが互いに異なる状態で配置され(図9参照)、
前記把持機構及び前記撮像部を支持する箇所に方向切換用可動軸(回転軸240)が配置され、
前記ティーチング制御部は、前記方向切換用可動軸を中心とする前記把持機構及び前記撮像部の回動動作により、端子挿入用の位置と、撮影用の位置とを切り替える、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[3] [1]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記把持機構(33)及び前記撮像部(210)は、前記端子の挿入方向と、前記撮像部の撮影方向とが互いにほぼ平行になった状態で異なる位置に配置され(図35参照)、
前記ティーチング制御部は、前記把持機構及び前記撮像部を移動することにより、端子挿入用の位置と、撮影用の位置とを切り替える、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[4] [1]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記撮像部の近傍に配置され、前記撮像部の撮影方向に対して傾斜した方向に向けてレーザ光を出射するレーザ光源(230)を備え、
前記ティーチング制御部は、撮影により得られた映像中のレーザ光のスポット像の位置の違いに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の違いに相当する情報を取得する(S31〜S34)、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[5] [4]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、撮影対象面の照明を消灯制御する(S30)、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[6] [4]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、撮影対象面の基準部位と対向する位置から、撮影方向に対して直交する方向に一定量だけ前記撮像部及び前記把持機構を移動する(S29)、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[7] [4]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、前記撮像部及び前記把持機構を撮影対象面に接近又は離間する方向に移動し、前記撮影対象面までの距離が互いに異なる少なくとも2点の各々の位置で前記レーザ光のスポット像の位置を計測し、前記計測の結果に基づいて、前記スポット像の位置の違いと距離との関係を表す換算式を取得する(S31〜S34)、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[8] [1]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記コネクタハウジングまでの距離の違いと、撮影により得られた映像を画像処理して得られる焦点の違いを反映したフォーカス値との関係を表す特性曲線(図34参照)を事前に把握し、撮影した映像から算出したフォーカス値と前記特性曲線とに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の変化を検出する、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[9] [1]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記コネクタハウジングのキャビティ位置を検出する前に、前記端子とは異なる棒を前記把持機構で把持し(S21)、前記棒の先端部が、前記コネクタハウジングを支持するハウジング受け、もしくはその近傍に形成された基準穴の位置と一致した状態で、前記撮像部の位置又は方向を前記コネクタハウジングと対向する位置に切り替え(S22)た後、前記撮像部が撮影した映像に基づき、前記撮像部の位置を修正する(S23〜S28)、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[10] [9]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、事前に登録した検出対象シーンと一致する基準画像(検出シーン登録データ400)を保持する画像データベース(データベース73)を含み、前記画像データベース上の前記基準画像と、前記撮像部が撮影した映像との比較により、検出対象の位置を探索する、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[11] [9]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部を所定の基準位置(基準穴Hs)に合わせた後で、前記撮像部及び前記把持機構を一定量移動して、撮影した映像における移動した画素数を検出し、移動量と移動画素数との関係を把握する(S25〜S28)、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[12] [1]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が撮影した映像について、比較的広い領域(例えば図28(A)の範囲)を処理対象として、前記コネクタハウジングを支持するハウジング受け、もしくはその近傍に形成されたマーカの位置を探索した後、前記マーカの位置を基準として、各キャビティの位置を推定し、限定した領域(例えば図28(C)の範囲)内を画像処理して実際のキャビティを画像中から探索する、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[13] [12]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、事前に登録した検出対象シーンと一致する基準画像(400)を保持する画像データベース(73)を含み、前記画像データベース上の前記基準画像と、前記撮像部が撮影した映像との比較により、検出対象の位置を探索する、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[14] [1]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が撮影した映像に基づき、前記コネクタハウジングに含まれる全てのキャビティの各々の位置を順番に計測し、計測結果に基づいて前記全てのキャビティの位置情報をそれぞれ登録する(図10参照)、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
[15] [1]に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
前記ティーチング制御部は、前記撮像部が撮影した映像に基づき、前記コネクタハウジングに含まれる複数のキャビティのうち代表的な一部の代表キャビティについて、各々の位置を順番に計測し、前記代表キャビティ以外の残りのキャビティについては、前記代表キャビティの計測結果に基づき計算により推定した位置を登録する(図示せず)、
ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
10 固定盤
11 ハウジング受け
12 レール部材
13 円盤部材
14 モータ部材
20 並列関節機構
21 基台
22a、22b、22c 第1モータ
23a、23b、23c アーム
24a、24b、24c リンク
25 端子挿入ヘッド
25c 電線チャック
25f 第2モータ
30 電線運搬機
31 運搬レール
32 移動体
33 搬送チャック
34 フレーム
35 エアチャック本体
40 端子計測センサ
41 センサ台
42 X計測センサ
43 Z計測センサ
44 センサ台レール
46 駆動源
70 制御装置
71 制御装置本体
72 ティーチングプログラム
73 データベース
74 カメラ制御部
75 画像処理プログラム
80 コネクタハウジング
81 キャビティ
90 電線
91 端子
95 棒
95a 先端
210 カメラ
215 ミラー
220 照明部
230 レーザ光源
240 回転軸
300 ヘッド方向切換部
400 検出シーン登録データ
410 キャビティ検出シーン
420 基準穴検出シーン
430 レーザ検出シーン
P01,P02 位置
Hs 基準穴

Claims (15)

  1. コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持し且つ前記端子を把持しない把持機構と、前記把持機構を可動範囲内にて6自由度で自在に移動・旋回可能であり且つ前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
    前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
    前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
    を備えたことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  2. コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
    前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
    前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
    を備え、
    前記把持機構及び前記撮像部は、前記端子の挿入方向と、前記撮像部の撮影方向とが互いに異なる状態で配置され、
    前記把持機構及び前記撮像部を支持する箇所に方向切換用可動軸が配置され、
    前記ティーチング制御部は、前記方向切換用可動軸を中心とする前記把持機構及び前記撮像部の回動動作により、端子挿入用の位置と、撮影用の位置とを切り替える、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  3. 請求項1に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記把持機構及び前記撮像部は、前記端子の挿入方向と、前記撮像部の撮影方向とが互いにほぼ平行になった状態で異なる位置に配置され、
    前記ティーチング制御部は、前記把持機構及び前記撮像部を移動することにより、端子挿入用の位置と、撮影用の位置とを切り替える、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  4. 請求項1に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記撮像部の近傍に配置され、前記撮像部の撮影方向に対して傾斜した方向に向けてレーザ光を出射するレーザ光源を備え、
    前記ティーチング制御部は、撮影により得られた映像中のレーザ光のスポット像の位置の違いに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の違いに相当する情報を取得する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  5. 請求項4に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記ティーチング制御部は、前記撮像部が前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、撮影対象面の照明を消灯制御する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  6. コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
    前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
    前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
    を備え、
    前記撮像部の近傍に配置され、前記撮像部の撮影方向に対して傾斜した方向に向けてレーザ光を出射するレーザ光源を備え、
    前記ティーチング制御部は、撮影により得られた映像中のレーザ光のスポット像の位置の違いに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の違いに相当する情報を取得し、
    前記ティーチング制御部は、前記撮像部が前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、撮影対象面の基準部位と対向する位置から、撮影方向に対して直交する方向に一定量だけ前記撮像部及び前記把持機構を移動する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  7. コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
    前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
    前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
    を備え、
    前記撮像部の近傍に配置され、前記撮像部の撮影方向に対して傾斜した方向に向けてレーザ光を出射するレーザ光源を備え、
    前記ティーチング制御部は、撮影により得られた映像中のレーザ光のスポット像の位置の違いに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の違いに相当する情報を取得し、
    前記ティーチング制御部は、前記撮像部が前記レーザ光のスポット像を撮影する際に、前記撮像部及び前記把持機構を撮影対象面に接近又は離間する方向に移動し、前記撮影対象面までの距離が互いに異なる少なくとも2点の各々の位置で前記レーザ光のスポット像の位置を計測し、前記計測の結果に基づいて、前記スポット像の位置の違いと距離との関係を表す換算式を取得する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  8. 請求項1に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記ティーチング制御部は、前記コネクタハウジングまでの距離の違いと、撮影により得られた映像を画像処理して得られる焦点の違いを反映したフォーカス値との関係を表す特性曲線を事前に把握し、撮影した映像から算出したフォーカス値と前記特性曲線とに基づいて、前記コネクタハウジングまでの距離の変化を検出する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  9. コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
    前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
    前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
    を備え、
    前記ティーチング制御部は、前記コネクタハウジングのキャビティ位置を検出する前に、前記端子とは異なる棒を前記把持機構で把持し、前記棒の先端部が、前記コネクタハウジングを支持するハウジング受け、もしくはその近傍に形成された基準穴の位置と一致した状態で、前記撮像部の位置又は方向を前記コネクタハウジングと対向する位置に切り替えた後、前記撮像部が撮影した映像に基づき、前記撮像部の位置を修正する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  10. 請求項9に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記ティーチング制御部は、事前に登録した検出対象シーンと一致する基準画像を保持する画像データベースを含み、前記画像データベース上の前記基準画像と、前記撮像部が撮影した映像との比較により、検出対象の位置を探索する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  11. 請求項9に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記ティーチング制御部は、前記撮像部を所定の基準位置に合わせた後で、前記撮像部及び前記把持機構を一定量移動して、撮影した映像における移動した画素数を検出し、移動量と移動画素数との関係を把握する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  12. コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
    前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
    前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
    を備え、
    前記ティーチング制御部は、前記撮像部が撮影した映像について、比較的広い領域を処理対象として、前記コネクタハウジングを支持するハウジング受け、もしくはその近傍に形成されたマーカの位置を探索した後、前記マーカの位置を基準として、各キャビティの位置を推定し、限定した領域内を画像処理して実際のキャビティを画像中から探索する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  13. 請求項12に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記ティーチング制御部は、事前に登録した検出対象シーンと一致する基準画像を保持する画像データベースを含み、前記画像データベース上の前記基準画像と、前記撮像部が撮影した映像との比較により、検出対象の位置を探索する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  14. 請求項1に記載の端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記ティーチング制御部は、前記撮像部が撮影した映像に基づき、前記コネクタハウジングに含まれる全てのキャビティの各々の位置を順番に計測し、計測結果に基づいて前記全てのキャビティの位置情報をそれぞれ登録する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
  15. コネクタハウジングを支持する固定盤と、先端に端子が接続された電線を把持する把持機構と、前記把持機構を前記電線先端の端子が前記コネクタハウジングと対向する位置まで運搬可能な並列関節機構とを含み、前記コネクタハウジングのいずれか1つのキャビティに対して前記端子を挿入する端子挿入装置、を位置合わせするための端子挿入用位置合わせ装置であって、
    前記把持機構と隣接した位置に配置され、前記把持機構と共に移動可能な撮像部と、
    前記撮像部が前記コネクタハウジングもしくはその近傍を撮影した時に得られた映像を画像処理する画像処理部と、
    前記画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記端子挿入装置が把握している前記電線先端の端子等の位置と、前記コネクタハウジングのキャビティ位置との相対的な位置関係を調整するティーチング制御部と、
    を備え、
    前記ティーチング制御部は、前記撮像部が撮影した映像に基づき、前記コネクタハウジングに含まれる複数のキャビティのうち代表的な一部の代表キャビティについて、各々の位置を順番に計測し、前記代表キャビティ以外の残りのキャビティについては、前記代表キャビティの計測結果に基づき計算により推定した位置を登録する、
    ことを特徴とする端子挿入用位置合わせ装置。
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