JP6069106B2 - 車両のエアバッグカバー - Google Patents

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この発明は、エアバッグ装置の袋体の車室内側の外側を覆い、袋体の展開時に一部が破断して開く車両のエアバッグカバーに関するものである。
車両のエアバッグ装置は、インストルメントパネルやステアリングホイールの内側に内蔵され、衝撃の入力時に袋体がガス圧によって膨張展開することにより、車室内の乗員を保護するようになっている。
エアバッグ装置の袋体の外側を覆うエアバッグカバーは、インストルメントパネル等の内装材に一体に形成され、若しくは、別体部品として内装材に組み付けられている。そして、エアバッグカバーには、通常、袋体の膨張展開部に臨む部位にH字状やコ字状に肉薄の破断予定部(ティアライン)が設けられ、その破断予定部に囲まれた部位が、袋体の膨張展開時に車室内側に押し開かれるリッド部とされている。破断予定部は、リッド部の回動端となるヒンジ部と対向する位置に、袋体から押圧力を受けたときに開裂を開始する開裂線領域と、開裂線領域の両端部からヒンジ部の端部に向かって延在する側部破断領域と、を有している。
ところで、エアバッグ装置の袋体の膨張展開時に、袋体を安定して所望の方向に展開させるためには、エアバッグカバーの破断予定部のうちの開裂線領域から開裂が開始することが望ましい。このため、この要望に対応するためのエアバッグカバーが開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2に記載のエアバッグカバーは、破断予定部の開裂線領域の隣接する縁部に、袋体方向に突出する突出部が設けられ、袋体の膨張展開時に突出部で最初に押圧力を受けることにより、開裂線領域から開裂を生じるようになっている。
特に、特許文献2に記載のエアバッグカバーでは、開裂線領域の中央部に隣接する縁部のみに突出部が設けられており、袋体の膨張展開時に、開裂線領域の略中央位置から開裂が開始され易くなっている。
特開平11−301398号公報 特開2013−10417号公報
しかし、上記従来のエアバッグカバーにおいては、袋体の膨張展開時に、袋体から突出部に最初に押圧力が作用したとしても、破断予定部の開裂線領域が実際に開裂を開始するまでには、リッド部の全域が一旦ある程度上方に膨出し、開裂線領域の縁部の張力が充分に高まるまで待たなければならない。
このため、従来のエアバッグカバーにおいては、車室内に袋体が膨出するまでに時間的なロスが生じるうえ、リッド部の全域が一旦ある程度上方に膨出変形することが原因となって、開裂線領域以外の部分が先に開裂したり、ヒンジ部に不要な応力が作用して必要外の部材破損を招いたりする可能性が考えられる。そして、開裂線領域以外の部分が先に開裂したり、ヒンジ部に必要外の部材破損を生じたりすると、袋体の安定した膨張展開が阻害されることになる。
そこでこの発明は、袋体の膨張展開時に破断予定部の開裂線領域からの確実な開裂を迅速に得られるようにして、袋体の車室内への膨張展開を安定的に制御することのできる車両のエアバッグカバーを提供しようとするものである。
この発明に係る車両のエアバッグカバーでは、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
請求項1に係る発明は、エアバッグ装置(例えば、実施形態のエアバッグ装置4)の袋体(例えば、実施形態の袋体5)の外側を覆い、前記袋体がインフレータ(例えば、実施形態のインフレータ6)のガス圧を受けて膨張展開したときに、当該袋体から押圧力を受けて破断予定部(例えば、実施形態の破断予定部11)が破断することにより、リッド部(例えば、実施形態のリッド部12A,12B)が車室内に開く車両のエアバッグカバーであって、前記破断予定部が、前記リッド部の回動端となるヒンジ部(例えば、実施形態のヒンジ部13A,13B)と対向する位置にあって前記袋体から押圧力を受けたときに開裂を開始する開裂線領域(例えば、実施形態の開裂線領域11a)と、当該開裂線領域の両端部から前記ヒンジ部の対応する両側の端部に向かって延在する側部破断領域(例えば、実施形態の側部破断領域11b,11c)と、を有するものにおいて、前記リッド部の前記袋体に臨む側の面のうちの、前記開裂線領域から所定距離離間した部位に基端部(例えば、実施形態の基端部14a)が連結され、当該基端部から前記袋体側で前記開裂線領域方向に向かって斜めに突出する開裂誘導板(例えば、実施形態の開裂誘導板14A,14B)と、前記開裂誘導板が前記袋体から押圧力を受けるときに、前記開裂誘導板の前記基端部から先端部(例えば、実施形態の先端部14b)に向かって作用する反力を受け止める反力受け部(例えば、実施形態の開裂誘導板14B,14A)と、を備え、前記リッド部は、中央に共通の破断予定部の開裂線領域を挟んで略対称に一対設けられ、各前記リッド部の前記袋体に臨む側の面には、それぞれ前記開裂誘導板の基端部が連結され、一対の前記開裂誘導板の先端部同士は、破断可能な薄肉片(例えば、実施形態の薄肉片15)によって相互に連結され、前記開裂誘導板の先端部同士の連結部の前記袋体に臨む側の面は、前記開裂誘導板の外面に滑らかに連続する曲面によって形成され、前記開裂誘導板の先端部が、前記袋体から押圧力を受けたときに相互に相手開裂誘導板の反力を受け止める前記反力受け部となることを特徴とするものである。
これにより、衝突時等にインフレータのガス圧を受けて袋体が膨出展開すると、袋体が一対のリッド部の開裂誘導板の先端部に当接して、両開裂誘導板の先端部を押圧する。一対の開裂誘導板は、こうして袋体から押圧力を受けると、先端部同士が押圧しあって各開裂誘導板の基端部から先端部に向かって作用する反力を相互に受け止めつつ、リッド部に重なる方向に変位する。この間各開裂誘導板には先端部から基端部に向かう分力が作用する。この分力は、各リッド部の開裂線領域での開裂を促進するとともに、各リッド部の車室内側への不要な膨出を抑制する。
また、一対の開裂誘導板の先端部同士は、組付時には、薄肉片によって相互に連結されているが、衝突時等にインフレータのガス圧を受けて袋体が膨張展開するときには袋体からの押圧力を受けて破断する。したがって、組付時や、袋体が膨張展開しない状況では、各開裂誘導板ががたつきなく安定した状態に維持される。
また、袋体の膨張展開時には、袋体は開裂誘導板の先端部同士の連結部の曲面に当接することになる。このため、袋体には損傷等が生じにくくなる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る車両のエアバッグカバーにおいて、前記開裂誘導板の基端部は、薄肉部(例えば、実施形態の薄肉部16)によって前記リッド部に連結されていることを特徴とするものである。
これにより、袋体の膨張展開時に、開裂誘導板の先端部側が袋体によって押圧されると、開裂誘導板は基端部の薄肉部を中心として容易に撓み変形する。このため、袋体の展開時には、開裂誘導板が袋体の展開に柔軟に追従し、開裂誘導板が袋体に引っ掛かったり、袋体の表面に擦れを生じたりするのを有効に防止することができる。
請求項に係る発明は、請求項1または2に係る車両のエアバッグカバーにおいて、前記開裂誘導板の側辺の前記袋体に臨む領域には曲面状の面取り部(例えば、実施形態の面取り部40)が設けられていることを特徴とするものである。
これにより、袋体の膨張展開時に、袋体が開裂誘導板の側辺に当接した場合にも、その側辺には曲面状の面取り部が設けられているため、袋体には損傷等が生じにくくなる。
請求項に係る発明は、請求項1〜のいずれか1項に係る車両のエアバッグカバーにおいて、前記リッド部には、前記開裂誘導板の基端部の幅方向外側に肉抜き部(例えば、実施形態の切欠き部17の略円形領域17b)が設けられていることを特徴とするものである。
これにより、リッド部上の開裂誘導板の基端部との連結部の剛性が肉抜き部によって低く維持され、袋体の膨張展開時に開裂誘導板の先端部に袋体から押圧力が付与されたときには、開裂誘導板の基端部の撓み変形がより容易になる。
この発明によれば、袋体の膨張展開時に袋体が開裂誘導板の先端部に押圧力を付与したときに、開裂誘導板の先端部が反力受け部によって開裂誘導板の基端部から先端部に向かって作用する反力を受け止められた状態のままリッド部に重なる方向に変位することにより、リッド部上の開裂誘導板との連結部と開裂線領域との間に張力を発生し、かつ、リッド部上の開裂誘導板との連結部とヒンジ部との間に圧縮応力を生じさせることができるため、袋体の膨張展開時に破断予定部の開裂線領域からの確実な開裂を迅速に得ることができる。したがって、この発明によれば、袋体の車室内への膨張展開を安定的に制御することができる。
助手席側のインストルメントパネルの内側にエアバッグ装置を備えた車両の車室内を示す斜視図である。 この発明の第1の実施形態のエアバッグ装置の図1のA−A断面と図3のB−B断面に対応する断面図である。 この発明の第1の実施形態のエアバッグカバーの背面図である。 この発明の第1の実施形態のエアバッグカバーを背面側から見た部分破断斜視図である。 この発明の第1の実施形態のエアバッグ装置の膨張展開過程を示す図2と同様の断面図である。 この発明の第1の実施形態のエアバッグ装置の膨張展開過程を示す図2と同様の断面図である。 この発明の第1の実施形態のエアバッグ装置の膨張展開過程を示す図2と同様の断面図である。 この発明の第1の実施形態のエアバッグ装置の膨張展開過程を示す図2と同様の断面図である。 この発明の第2の実施形態のエアバッグカバーを背面側から見た部分破断斜視図である。 この発明の第2の実施形態のエアバッグカバーの図9のC−C断面に対応する断面図である。 この発明の第3の実施形態のエアバッグカバーを背面側から見た部分破断斜視図である。 この発明の第4の実施形態のエアバッグカバーの図3のD矢視に対応する模式的な側面図である。 この発明の第5の実施形態のエアバッグカバーの図3のE矢視に対応する模式的な側面図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する各実施形態においては、共通部分に同一符号を付して重複する説明を省略するものとする。また、図中、矢印FRは、車両の前方を指し、矢印UP,LHは、車両の上方と左側方をそれぞれ指すものとする。
最初に、図1〜図8に示す第1の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態に係るエアバッグカバー10を採用した車両の車室内を示す図であり、図2は、図1のA−A断面に対応する断面図である。
図1において、1A,1Bは、車室内の運転席側と助手席側の各シートであり、2は、運転席の前方に配置されたステアリングホイール、3は、運転席と助手席の前方にまたがって配置された樹脂製のインストルメントパネルである。インストルメントパネル3の助手席の前方位置の内部には、助手席用のエアバッグ装置4が配置されている。
エアバッグ装置4は、図2に示すように、ガス圧を受けて膨張展開する折り畳まれた袋体5と、衝撃の入力時にガスを発生して袋体5に高圧ガスを供給するインフレータ6と、袋体5とインフレータ6を保持するリテーナ7と、を備え、これらがエアバッグモジュールとしてインストルメントパネル3の助手席の前方位置に内蔵されている。
インストルメントパネル3のエアバッグ装置4の上方側に位置される部位は、この実施形態におけるエアバッグカバー10を構成している。この実施形態においては、エアバッグカバー10は、インストルメントパネル3の一般部と一体に形成されているが、別体部品によって構成することも可能である。インストルメントパネル3は、車室内に臨む意匠面となるアウタ部材3Aと、アウタ部材3Aの裏面側に接合されるインナ部材3Bと、を備えている。なお、エアバッグカバー10部分におけるアウタ部材とインナ部材は、それぞれ符号10A,10Bを付してある。
また、エアバッグカバー10の裏面の前後に離間した二位置には、車両前方側斜め下方に延出する前側支持片30と後側支持片31とが突設されている。この前側支持片30と後側支持片31にはエアバッグ装置4のリテーナ7が取り付けられている。
エアバッグカバー10には、エアバッグ装置4の袋体5が膨張展開したときに、袋体5から押圧力を受けて破断する破断予定部11が設けられている。この実施形態の場合、破断予定部11は、図1に示すように略H字状に設けられ、袋体5によって下方側から押圧力を受けたときに破断して前後二つのリッド部12A,12Bが観音開き状に車室内に開くようになっている。破断予定部11は、例えば、エアバッグカバー10のインナ部材10Bの背面側にノッチ状の溝を設け、アウタ部材10Aのその溝に対応する近傍領域を切り欠くことによって形成される。
図3は、エアバッグカバー10を背面側から見た図である。
この実施形態の破断予定部11は、具体的には、各リッド部12A,12Bの回動端となるヒンジ部13A,13Bと対向する位置にあって、袋体5から押圧力を受けたときに開裂を開始する開裂線領域11aと、開裂線領域11aの両端部から前後の各ヒンジ部13A,13Bの対応する両側の端部に向かって延在する側部破断領域11b,11cと、を有している。この実施形態の場合、ヒンジ部13A,13Bと開裂線領域11aは、車幅方向に沿って延在し、前後のリッド部12A,12Bは、開裂線領域11aを挟んで対称に設けられている。また、この実施形態においては、側部破断領域11b,11cのヒンジ部13A,13B側の端部は、円弧状に湾曲して各ヒンジ部13A,13Bの両端部に回り込んでいる。袋体5の膨張展開時には、中央の開裂線領域11aと両側部の側部破断領域11b,11cが破断することにより、前後のリッド部12A,12Bがヒンジ部13A,13Bを中心として車室内方向に押し開かれる。
なお、この実施形態のヒンジ部13A,13Bは、インナ部材10Bが部分的に薄肉形成され、その薄肉部分が屈曲して後側支持片31に連結されている。
エアバッグカバー10の背面(袋体5に臨む側の面)のうちの、前後の各リッド部12A,12Bの幅方向の略中央の開裂線領域11aから所定距離離間した部位には、開裂誘導板14A,14Bの各基端部14aが一体に連結されている。開裂誘導板14A,14Bは、袋体5の膨張展開時に袋体5が当接して、エアバッグカバー10の破断予定部11のうちの開裂線領域11aでの開裂を促進するための部材であり、リッド部12A,12Bとの連結部から先端部14b側が、袋体5側で開裂線領域11a方向に向かって斜めに突出している。この実施形態の場合、前後の開裂誘導板14A,14Bの先端部14bは、開裂線領域11aの直下位置において相互に突き合わされ、破断可能な薄肉片15によって相互に連結されている。したがって、前後の開裂誘導板14A,14Bは、全体の断面形状が下方に凸となる略V字形状を呈している
また、前記の開裂誘導板14A,14Bの基端部は14aは、薄肉部16によって対応するリッド部12A,12Bに連結されている。
図4は、リッド部12A,12Bと開裂誘導板14A,14Bの詳細構造を示す斜視図である。
同図にも示すように、両開裂誘導板14A,14Bの先端部14bは斜めに傾斜した状態で相互に突き合わされ、両開裂誘導板14A,14Bの外面側(袋体5に臨む側)に偏倚した位置において、薄肉片15によって滑らかな円弧を描いて接続されている。つまり、開裂誘導板14A,14Bの先端部同士の連結部である薄肉片15の外面(袋体5に臨む側の面)は、両開裂誘導板14A,14Bの外面に滑らかに連続する曲面を形成している。
なお、両開裂誘導板14A,14Bの先端部14bは、初期状態では薄肉片15部分でのみ接続され、その他の部位は相互に所定隙間をもって離間しているが、袋体5の膨張展開時に、袋体5から両開裂誘導板14A,14Bの先端部14bにリッド部12A,12B方向に向かう押圧力を加えられると、先端部14b,14b同士が相互に当接し、相手開裂誘導板14B,14Aの先端部14bに作用するヒンジ部13B,13Aから離反する方向の反力を受け止めるようになる。したがって、このとき各開裂誘導板14A,14Bの基端部14aには、リッド部12A,12Bとの連結部をヒンジ部13A,13B方向に押圧する力が作用する。この実施形態では、各開裂誘導板14A,14Bは、相手開裂誘導板14B,14Aの先端部bに作用するヒンジ部13B,13Aから離反する方向の反力を受け止める反力受け部を構成している。
また、エアバッグカバー10のインナ部材10Bは、開裂誘導板14A,14Bの直上位置とその側方向の所定範囲が切り欠かれている。図3,図4では、開裂誘導板14A,14Bの直上部の側方の切欠き部に符号17を付してある。この切欠き部17は、図3に示すように、エアバッグカバー10の下方から見たときに、開裂誘導板14A,14Bの側辺に沿う直線領域17aと、その直線領域17aの延出方向の両端部に配置された略円形領域17bと、を有している。このうち略円形領域17bは、リッド部12A,12B上の開裂誘導板14A,14Bとの連結部の近傍において、開裂誘導板14A,14Bの基端部14aの幅方向の外側に位置している。この実施形態においては、切欠き部17の略円形領域17bが肉抜き部を構成している。
つづいて、袋体5の膨張展開時におけるエアバッグカバー10の挙動を図5〜図8を参照して説明する。
車両の衝突時等にエアバッグ装置4のインフレータ6が高圧のガスを発生し、図5に示すように袋体5が前部上方側に向かって膨張展開を開始すると、その袋体5は、エアバッグカバー10の略中央部の開裂誘導板14A,14Bの先端部14bに当接し、その開裂誘導板14A,14Bの先端部14bに上方側(リッド部12A,12B側)に向かう押圧力Fを付与する。
こうして、開裂誘導板14A,14Bの先端部14bに押圧力Fが入力されると、開裂誘導板14A,14Bの先端部14bが上方側に押し上げられるとともに、図6に示すように押圧力Fが、各開裂誘導板14A,14Bに沿った分力F1,F2として、各リッド部12A,12Bの開裂誘導板14A,14Bとの連結部に作用する。この結果、各リッド部12A,12Bの開裂誘導板14A,14Bとの連結部と開裂線領域11aとの間にリッド部12A,12Bの面方向に沿った張力T1,T2が作用し、開裂線領域11aの中央部が大きな張力を受けて開裂を開始する。なお、このとき各リッド部12A,12Bの開裂誘導板14A,14Bとの連結部とヒンジ部13A,13Bとの間には圧縮応力が作用し、その領域での上方側への膨出変形が抑制される。
こうして、エアバッグカバー10の開裂線領域11aの中央から開裂が開始すると、その開裂が開裂線領域11aの全域に広がるとともに、図7に示すように開裂誘導板14A,14Bの先端部14b同士の接続部である薄肉片15が破断し、袋体5が前後のリッド部12A,12Bを押し開いて車室内側に膨張展開するようになる。
こうして、袋体5が膨張展開を続けると、図8に示すように袋体5が助手席の前方側に張り出し、前方に移動しようとする助手席の乗員の上半身を袋体5が緩衝作用をもって受け止めるようになる。
以上のように、この実施形態のエアバッグカバー10は、袋体5の膨張展開時に袋体5が開裂誘導板14A,14Bの先端部に押圧力を付与したときに、開裂誘導板14A,14Bが先端部14b同士でヒンジ部13A,13Bから離反する方向の反力を受け止めつつ、リッド部12A,12Bに重なる方向に撓み変形することにより、各リッド部12A,12Bの開裂誘導板14A,14Bとの連結部と開裂線領域11aとの間にリッド部12A,12Bの面方向に沿った張力T1,T2を生じさせ、かつ、各リッド部12A,12Bの開裂誘導板14A,14Bとの連結部とヒンジ部13A,13Bとの間に圧縮応力を生じさせることができるため、袋体5の膨張展開時に開裂線領域11aからの確実な開裂を迅速に得ることができる。
したがって、この実施形態のエアバッグカバー10においては、袋体5の車室内への膨張展開を安定的に制御することができる。
また、この実施形態のエアバッグカバー10においては、開裂誘導板14A,14Bの基端部14aが薄肉部16によってリッド部12A,12Bに連結されているため、袋体5の膨張展開時に袋体5から押圧力を受けたときに、開裂誘導板14A,14Bが基端部14aの薄肉部16を中心として柔軟に撓み変形し、開裂誘導板14A,14Bが袋体5に引っ掛かったり、袋体5の表面に擦れを生じたりするのを有効に防止することができる。
また、この実施形態のエアバッグカバー10は、開裂誘導板14A,14Bの先端部同士が破断可能な薄肉片15によって相互に連結されているため、組付時や袋体5が膨張展開しない状況での開裂誘導板14A,14Bのがたつきを有効に防止かることができる。
ただし、開裂誘導板14A,14Bは、かならずしも先端部同士を連結しなければならないものではなく、単に、先端部同士を当接させたり、微小隙間を持たせて対向配置するようにしても良い。
さらに、この実施形態のエアバッグカバー10においては、開裂誘導板14A,14Bの先端部14b同士の連結部(薄肉片15)の袋体5に臨む側の面が、開裂誘導板14A,14Bの外面に滑らかに連続する曲面によって形成されているため、袋体5が膨張展開時に当接したときに、袋体5に損傷等が生じるのを未然に防止することができる。
また、この実施形態のエアバッグカバー10は、リッド部12A,12Bの裏面側の開裂誘導板14A,14Bとの連結部の近傍に切欠き部17が設けられ、その切欠き部17の略円形領域17bが開裂誘導板14A,14Bの基端部14aの幅方向の外側に位置しているため、リッド部12A,12B上の開裂誘導板14A,14Bとの連結部の剛性をを切欠き部17の略円形領域17bによって低く維持することができる。
したがって、この実施形態のエアバッグカバー10においては、袋体5の膨張展開時に開裂誘導板14A,14Bの先端部14bに袋体5から押圧力が付与されたときにおける開裂誘導板14A,14Bの基端部14aの撓み変形をより容易にすることができる。
図9は、第2の実施形態のエアバッグカバー110を背面側から見た斜視図であり、図10は、図9のC−C断面に対応する断面図である。
この第2の実施形態のエアバッグカバー110は、基本的な構成は第1の実施形態とほぼ同様であるが、各開裂誘導板114A,114Bの側辺の袋体に臨む領域(コーナ部)に曲面状の面取り部40が設けられている。
この実施形態のエアバッグカバー110は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるうえ、開裂誘導板114A,114Bの側辺の袋体に臨む領域に曲面状の面取り部40が設けられていることから、袋体の展開時に、その袋体が開裂誘導板114A,114Bの側辺に強く当接することがあっても袋体の損傷を防止することができる。
図11は、第3の実施形態のエアバッグカバー210を背面側から見た斜視図である。
この第3の実施形態のエアバッグカバー210は、基本的な構成は第1の実施形態とほぼ同様であるが、開裂誘導板214A,214Bの基端部14aと先端部14bの間の中間領域がリッド部12A,12B側に向かって凹状に湾曲している点が第1の実施形態のものと異なっている。
この実施形態のエアバッグカバー210は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるうえ、開裂誘導板214A,214Bの基端部14aと先端部14bの間の中間領域がリッド部12A,12B側に向かって凹状に湾曲していることから、袋体から開裂誘導板214A,214Bの先端部14bに入力された押圧力を、開裂線領域11aを破断させる力に効率良く変換することができる、という利点がある。
また、図12,図13は、第4の実施形態のエアバックカバー310と第5の実施形態のエアバッグカバー410の模式的な側面図である。
図12に示す第4の実施形態は、各リッド部12A,12Bから突出する開裂誘導板314A,314Bがリッド部12A,12Bの幅方向の中心位置Pから車幅方向の左側にオフセットして配置され、かつ、開裂誘導板314A,314Bの先端部14bの高さが車幅方向の左側に向かうにしたがって次第に高くなるように設定されている。
また、図13に示す第5の実施形態は、前後の各リッド部12A,12Bから突出する開裂誘導板414A,414Bの長さが、後側のものが前側のものよりも長くなっており、開裂誘導板314A,314Bの先端部14bが破断予定部11の開裂線領域11aよりも前側にオフセットして配置されている。
これらの実施形態は、袋体の初期展開位置や初期展開方向がリッド部12A,12Bの車幅方向の中央位置や前後方向の中央位置(開裂線領域11a)からずれている場合においても、開裂誘導板314A,314Bや414A,414Bから作用する開裂のための張力を、開裂線領域11aの幅方向の中央部付近に集中させることができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
4…エアバッグ装置
5…袋体
6…インフレータ
10…エアバッグカバー
11…破断予定部
11a…開裂線領域
11b,11c…側部破断領域
12A,12B…リッド部
13A,13B…ヒンジ部
14A,14B…開裂誘導板(反力受け部)
14a…基端部
14b…先端部
15…薄肉片
16…薄肉部
17…略円形領域(肉抜き部)
110…エアバッグカバー
114A,114B…開裂誘導板(反力受け部)
40…面取り部
210…エアバッグカバー
214A,214B…開裂誘導板(反力受け部)
310…エアバッグカバー
314A,314B…開裂誘導板(反力受け部)
410…エアバッグカバー
414A,414B…開裂誘導板(反力受け部)

Claims (4)

  1. エアバッグ装置の袋体の外側を覆い、前記袋体がインフレータのガス圧を受けて膨張展開したときに、当該袋体から押圧力を受けて破断予定部が破断することにより、リッド部が車室内に開く車両のエアバッグカバーであって、
    前記破断予定部が、前記リッド部の回動端となるヒンジ部と対向する位置にあって前記袋体から押圧力を受けたときに開裂を開始する開裂線領域と、当該開裂線領域の両端部から前記ヒンジ部の対応する両側の端部に向かって延在する側部破断領域と、を有するものにおいて、
    前記リッド部の前記袋体に臨む側の面のうちの、前記開裂線領域から所定距離離間した部位に基端部が連結され、当該基端部から前記袋体側で前記開裂線領域方向に向かって斜めに突出する開裂誘導板と、
    前記開裂誘導板が前記袋体から押圧力を受けるときに、前記開裂誘導板の前記基端部から先端部に向かって作用する反力を受け止める反力受け部と、を備え、
    前記リッド部は、中央に共通の破断予定部の開裂線領域を挟んで略対称に一対設けられ、
    前記リッド部の前記袋体に臨む側の面には、それぞれ前記開裂誘導板の基端部が連結され、
    一対の前記開裂誘導板の先端部同士は、破断可能な薄肉片によって相互に連結され、
    前記開裂誘導板の先端部同士の連結部の前記袋体に臨む側の面は、前記開裂誘導板の外面に滑らかに連続する曲面によって形成され、
    前記開裂誘導板の先端部が、前記袋体から押圧力を受けたときに相互に相手開裂誘導板の反力を受け止める前記反力受け部となることを特徴とする車両のエアバッグカバー。
  2. 前記開裂誘導板の基端部は、薄肉部によって前記リッド部に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のエアバッグカバー。
  3. 前記開裂誘導板の側辺の前記袋体に臨む領域には曲面状の面取り部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のエアバッグカバー。
  4. 前記リッド部には、前記開裂誘導板の基端部の幅方向外側に肉抜き部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のエアバッグカバー。
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