JP2008155849A - エアバッグ装置のカバー体 - Google Patents

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宗寿 中島
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章宏 荊沢
Ryuji Sagisaka
隆二 鷺坂
Satoshi Kitazawa
智 北澤
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Abstract

【課題】エアバッグリッドとインパネ本体とを連結する部分に破断を生じさせることなく、エアバッグリッドを円滑に開口させることが可能なエアバッグ装置のケース上蓋として機能するカバー体を提供する。
【解決手段】本発明のカバー体は、扉部(2)と、前記扉部(2)を囲むように配した枠部(3)と、前記扉部(2)と前記枠部(3)とを連結するヒンジ部(4)とを一体に備えたエアバッグ装置のカバー体(1)であって、前記枠部(3)は、前記ヒンジ部(4)が配されている部位の両脇に、前記枠部(3)の内周縁(13)に向けて開口した第1スリット(7)を有し、前記ヒンジ部(4)は、前記第1スリット(7)の閉塞端(7a)間に枠部側連結端(25)を有し、前記枠部側連結端(25)から前記枠部(3)表面と同一平面上に延設した第1延長部(27)を介してU字状湾曲部(29)が形成され、前記第1延長部(27)から前記湾曲部(29)へ屈曲する第1屈曲部(30)が、前記枠部(3)の内周縁(13)よりも前記第1スリット(7)の前記閉塞端(7a)側に配されてなることに特徴を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、助手席に配されるエアバッグ装置のケース上蓋として機能し、エアバッグ装置のエアバッグ本体が膨張するときに、そのエアバッグ本体の膨出口を形成するエアバッグ装置のカバー体に関する。
現在、自動車等の車両が衝突した際に乗員を保護する安全装置として、エアバッグ装置が運転席や助手席等に装備されている。このエアバッグ装置は、一般に、車両が衝突して大きな衝撃を受けたときにその衝撃を感知し、インフレータから高圧ガスを発生させてエアバッグ本体内に導入することにより、エアバッグ本体を瞬時に膨張展開させる。これにより、乗員をエアバッグ本体で緩衝支持して、人体に加わる衝撃力を大幅に緩和できるため、衝突時の乗員の安全が確保される。
通常、助手席用のエアバッグ装置は、インストルメントパネル(以下、インパネと略記する)の裏面側に配置されている。例えば特表2002−507172号公報(特許文献1)には、助手席用エアバッグ装置を、インパネの裏面側に溶接で接合した支持組み立て体を介して支持する構成が示されている。
前記特許文献1についてより具体的に説明すると、インパネの裏面には、エアバッグ装置に対応する部位を囲むようにして溝状のテアライン(開裂溝)が閉ループ状に形成され、このテアラインがインパネの表面側から見えないように構成されたシームレスと呼ばれる構造が採用されている。この場合、インパネの表面に形成されたテアラインよりも内側の部分が、エアバッグ本体の膨張時に開口するエアバッグリッドとして形成されており、テアラインよりも外側の部分がインパネ本体として形成されている。
また、インパネの裏面側に接合される支持組み立て体は、外側リム(枠部)と、この外側リムに囲まれて配された矩形状のドアフラップ(扉部)と、ドアフラップの一側縁と外側リムの内周側の一側縁とを連結する蝶番部材(ヒンジ部)とを有しており、前記蝶番部材は、インパネの裏面から離間するようにU字状に湾曲して形成されている。更に、この支持組み立て体において、外側リムとドアフラップとの間には所定の間隔が設けられており、この間隔がインパネの裏面に形成したテアラインの位置と重なるようにして、外側リムとドアフラップとがインパネの裏面に溶接により接合される。
このような前記特許文献1の支持組み立て体は、エアバッグ装置のケース上蓋として機能している。また、エアバッグ装置が作動したときには、エアバッグ本体の膨張圧力により支持組み立て体のドアフラップが押圧され、このドアフラップを介してインパネのテアラインに囲まれたエアバッグリッドが裏面側から全体的に押し上げられる。そして、エアバッグ本体の膨張圧力が増大することにより、インパネのテアラインが破断してエアバッグリッドがインパネ本体から切り離される。
このようにインパネ本体から分離したエアバッグリッドは、支持組み立て体のドアフラップとともに蝶番部材を中心として外側に向けて回動することによって、インパネに膨出口(開口)を形成する。これにより、エアバッグ本体はインパネの膨出口から車室内に膨出して展開するため、乗員の安全を確保することができる。このとき、エアバッグリッドは、支持組み立て体の蝶番部材を介してインパネ本体に連結されているため、エアバッグリッドの飛散も防止される。
特表2002−507172号公報
車両の衝突時に乗員をエアバッグ装置によって確実に保護するためには、エアバッグ装置が作動したときに、インパネに形成したエアバッグリッドが、どのような環境においても確実に開いて、エアバッグ本体を瞬時に安定して膨張させることが必要とされている。また、乗員の安全性を高めるためには、エアバッグリッドが開口したときに、エアバッグリッドのドア部分がインパネから完全に分離することを防ぎ、そのドア部分が車室内に飛散することを防止することも求められている。
しかしながら、前記特許文献1のように支持組み立て体を用いてエアバッグリッドのドア部分とインパネ本体とを連結した場合、エアバッグリッドが開口する際に、支持組み立て体の蝶番部材に、特に蝶番部材のインパネ本体側(外側リム側)の基部に、エアバッグリッドの回動によって生じる応力が集中しやすくなる。また、例えば気温が極めて低い超低温環境等の悪条件下では蝶番部材の剛性も低下する。このため、このような超低温環境等の悪条件下にてエアバッグリッドを開口させる場合は、ヒンジ部の外側リム側の基部に亀裂や破断が生じてしまう恐れがあることが懸念されていた。
従って、前記特許文献1のように支持組み立て体の外側リムとドアフラップとを単に蝶番部材によって連結する場合では、蝶番部材や、蝶番部材と外側リムとの連結部等に破断が生じないようにするために、支持組み立て体の材質を適切に選択することが必要となる。その結果、材料コストの増大を招き、製品のコストダウンを図ることが難しくなるという問題があった。
本発明は、かかる従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は、例えば超低温環境等の悪条件下でエアバッグ装置が作動した場合であっても、エアバッグリッドとインパネ本体とを連結する部分に亀裂や破断を生じさせることなく、エアバッグリッドを円滑に開口させることが可能なエアバッグ装置のケース上蓋として機能するカバー体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供されるエアバッグ装置のカバー体は、基本的な構成として、平板状の扉部と、前記扉部を囲むように配した枠部と、前記扉部と前記枠部とを連結する断面U字状に湾曲した湾曲部を有するヒンジ部とを一体に備え、エアバッグ装置のケース上蓋として機能し、前記エアバッグ装置のエアバッグ本体が膨張するときに、前記扉部が前記エアバッグ本体に押され、前記ヒンジ部が撓み変形して前記ヒンジ部を中心に回動して開くことにより、前記エアバッグ本体が膨出する膨出口を形成してなるエアバッグ装置のカバー体であって、前記枠部は、前記ヒンジ部が配されている部位の両脇に、前記枠部の内周縁に向けて開口した第1スリットを有し、前記ヒンジ部は、前記第1スリットの閉塞端間に前記枠部側の連結端を有し、前記枠部側連結端から前記枠部表面と同一平面上に延設した第1延長部を介して前記湾曲部が形成され、前記第1延長部から前記湾曲部へ屈曲する第1屈曲部が、前記枠部の内周縁よりも前記第1スリットの前記閉塞端側に配されてなることを最も主要な特徴とするものである。また、本発明に係るカバー体の前記枠部は、前記第1スリットを除いて、連続した板体で構成されていることに特徴を有している。
本発明のカバー体において、前記扉部は、前記ヒンジ部が配されている部位の両脇に、前記扉部の外縁に向けて開口した第2スリットを有し、前記ヒンジ部は、前記第2スリットの閉塞端間に前記扉部側の連結端を有し、前記扉部側連結端から前記扉部表面と同一平面上に延設した第2延長部を介して前記湾曲部が形成され、前記第2延長部から前記湾曲部へ屈曲する第2屈曲部が、前記扉部の外縁よりも前記第2スリットの前記閉塞端側に配されていることが好ましい。
また本発明では、前記扉部が2枚の扉体を有する観音開き構造に構成されていることが好ましい。
更に本発明において、前記第1スリットは、前記枠部の内周縁から5mm以上10mm以下の長さで形成されていることが好ましく、また、前記第2スリットは、前記扉部の外縁から5mm以上10mm以下の長さで形成されていることが好ましい。
本発明では、前記ヒンジ部の前記第1屈曲部から前記枠部側連結端までの長さ、及び/又は、前記ヒンジ部の前記第2屈曲部から前記扉部側連結端までの長さは、2mm以上7mm以下であることが好ましい。また、前記第1スリット及び/又は前記第2スリットの幅は、0.5mm以上であることが好ましい。
本発明に係るエアバッグ装置のカバー体において、枠部のヒンジ部が配されている部位の両脇には、枠部の内周縁に向けて開口した第1スリットが形成されている。また、扉部と枠部とを連結するヒンジ部は、枠部の両脇に形成した第1スリットの閉塞端間に枠部側連結端を有し、その枠部側連結端から枠部表面と同一面上に延びた第1延長部を介して、断面U字状の湾曲部が形成されている。
このような構成を有する本発明のカバー体であれば、エアバッグ装置が作動してエアバッグ本体を膨張させる際に、扉部の回動により生じる応力が扉部と枠部とを連結するヒンジ部に加えられても、ヒンジ部に前述のような第1延長部が形成されていることにより、そのヒンジ部にかかる応力を湾曲部と第1延長部とに分散させることができる。更に、このヒンジ部の第1延長部は、ヒンジ部の湾曲部とともに扉部の回動を協働して行うことができる。このため、例えば超低温環境等の悪条件下でエアバッグ装置を作動させる場合でも、ヒンジ部に破断が生じることを防いで、ヒンジ部を中心にして扉部を安定して円滑に回動させることができる。
更に、本発明のカバー体では、ヒンジ部の第1屈曲部が枠部の内周縁よりも第1スリットの閉塞端側に配されており、ヒンジ部の湾曲部が、枠部の内周縁と扉部の外縁との間隔よりも長く形成されている。これにより、扉部を回動させるときの初期段階でヒンジ部の湾曲部がエアバッグ本体から圧縮応力を受けても、当該湾曲部でその圧縮応力を十分に吸収でき、この圧縮応力に起因するヒンジ部の破断も効果的に防ぐことができる。
本発明のカバー体において、枠部の第1スリットを除いた部分は、連続した板体で構成されている。これにより、カバー体をインパネの裏面に溶接接合したときに、その接合状態を安定させることができ、また、インパネ裏面側の空間を有効的に活用することが可能となる。なお、本発明において、連続した板体とは、板体の表面から裏面に貫通するスリットや切込み等が形成されていない平板状の部材をいう。
また、本発明のカバー体において、前記扉部のヒンジ部が配されている部位の両脇には、扉部の外縁に向けて開口した第2スリットが形成されている。また、前記ヒンジ部には、扉部側連結端から扉部表面と同一面上に延びた第2延長部を介して断面U字状の湾曲部が形成されており、第2延長部から湾曲部へ屈曲する第2屈曲部が、扉部の外縁よりも第2スリットの閉塞端側に配されている。これにより、第2延長部は、ヒンジ部の湾曲部とともに扉部の回動を協働して行うことができるとともに、ヒンジ部の長さを実質的に増大させることができる。このため、扉部を回動させてエアバッグリッドを開口させる際に、ヒンジ部にかかる応力をより効果的に分散してヒンジ部に破断が生じることを防ぎ、扉部の回動を円滑に行うことができる。
更に本発明では、前記扉部が2枚の扉体を有する観音開き構造に構成されている。これにより、エアバッグ本体の膨張時に、テアラインで破断したエアバッグリッドを円滑に回動させることができ、インパネにエアバッグ本体の膨出口を短時間で確実に形成することができる。
このような本発明のカバー体において、前記第1スリットは、枠部の内周縁から5mm以上10mm以下の長さで形成されている。また、前記第2スリットも、扉部の外縁から5mm以上10mm以下の長さで形成されている。更に、ヒンジ部の第1屈曲部から枠部側連結端までの長さ、及び/又は、第2屈曲部から扉部側連結端までの長さが、2mm以上7mm以下、好ましくは3mm以上6mm以下に設定されている。
これにより、ヒンジ部において湾曲部の長さと第1及び第2延長部の長さとをバランス良く十分に確保することができる。このため、エアバッグリッドを開口させるときに、その初期段階でヒンジ部が受ける圧縮応力を湾曲部で効果的に吸収できるとともに、エアバッグリッドの回動によって生じる応力を湾曲部や第1延長部、更には第2延長部に効果的に分散できるため、ヒンジ部に破断が生じることをより確実に防止することができる。
更に本発明のカバー体では、第1スリット及び/又は第2スリットの幅が0.5mm以上に設定されている。これにより、エアバッグリッドがヒンジ部を中心にして回動する際にヒンジ部が枠部や扉部と干渉することを防ぐことができ、エアバッグリッドの回動を円滑に行うことができる。
以下、本発明に係るカバー体の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるカバー体を模式的に示した斜視図である。また、図2は、同カバー体のヒンジ部を拡大して示した拡大斜視図であり、図3は、同カバー体のヒンジ部が設けられている部位を中心に示した上面図である。
なお、本実施形態のカバー体において、前後方向及び左右方向とは、カバー体の扉部に平行であって、カバー体をインパネの裏面側に接合したときに車両の前後方向及び左右方向に沿った方向を言う。また、上方とは、カバー体の扉部に垂直であって、エアバッグ本体がカバー体から膨出する側の向きであり、下方とは、カバー体から見てエアバッグ装置が配される側の向きである。
本実施形態のカバー体1は、インパネ33の裏面に配されて、助手席用エアバッグ装置のケース上蓋として機能する部材であり、熱可塑性オレフィン系エラストマー等の合成樹脂を成形することによって形成されている。このカバー体1は、図1に示したように、扉部2と、扉部2を囲むように枠状に配した枠部3と、扉部2と枠部3とを連結するヒンジ部4とを一体に備えている。
前記枠部3は、平板部11と、平板部11の上面側に形成された格子部12とにより形成されている。また、枠部3の下面側には、図示を省略したエアバッグ装置を取り付けるための筒状体5が枠部3の内周縁部から垂設されており、この筒状体5には、エアバッグ装置に配されたフック部を係止してエアバッグ装置を保持するための係止孔6が形成されている。
更に、この枠部3には、ヒンジ部4が接続されている部位の両脇に、枠部3の内周縁13に向けて前後方向に開口した第1スリット7が形成されており、この第1スリット7を除いた枠部3の部分は連続した板体で構成されている。なお、本実施形態において、第1スリット7の閉塞端7aの形状は、図3に示すように、上面視にて、第1スリット7の幅を直径とする半円形状に形成されている。
本発明において、枠部3における前後の枠片14の幅14a、及び左右の枠片15の幅15aの寸法は特に限定されるものではないが、本実施形態では、前後の枠片14の幅14aの寸法は30mmの大きさに設定され、左右の枠片15の幅15aの寸法は20mmの大きさに設定されている。また、本実施形態において、枠部3に形成した各第1スリット7の大きさは、枠部3の内周縁13から第1スリット7の閉塞端7aまでの長さが10mmで、スリット幅の寸法が2mmとなるように設定されている。
前記扉部2は、車両の前方側(ウインドシールド側)と後方側(シート側)とに配される2枚1組の平板状の扉体21を有しており、各扉体21は、平板部22と、平板部22の上面側に形成された格子部23とにより構成されている。この1組の扉体21は、2つの扉体21間に所定の間隔を設けて車両の前後方向に対称的に配されており、エアバッグ装置のエアバッグ本体が膨張するときに観音開き状に開くようにヒンジ部4を介して枠部3に連結されている。
また、扉部2の各扉体21には、ヒンジ部4が接続されている部位の両脇に、扉部2の外縁24に向けて前後方向に開口した第2スリット8が形成されており、この第2スリット8の閉塞端8aは、上面視にて、第2スリット8の幅を直径とする半円形状に形成されている。本実施形態において、各第2スリット8の大きさは、扉体21の外縁24から第2スリット8の閉塞端8aまでの長さが10mmで、スリット幅の寸法が2mmとなるように設定されている。
前記ヒンジ部4は、図2に拡大して示したように、第1スリット7の閉塞端7a間に配された枠部側連結端25で枠部3と一体に連結され、第2スリット8の閉塞端8a間に配された扉部側連結端26で扉部2と一体に連結されている。また、ヒンジ部4は、枠部側連結端25から連続し、枠部3の表面と同一面上に平坦に延設された第1延長部27と、扉部側連結端26から連続して、扉部2の表面と同一面上に平坦に延設された第2延長部28と、第1延長部27と第2延長部28との間で、下方に凸となるように断面U字状に湾曲して形成された湾曲部29とを有している。
この場合、第1延長部27と湾曲部29との境界となる第1屈曲部30は、枠部3の内周縁13よりも第1スリット7の閉塞端7a側(枠部3の内側)に形成されている。また、第2延長部28と湾曲部29との境界となる第2屈曲部31は、扉部2の外縁24よりも第2スリット8の閉塞端8a側(扉部2の内側)に形成されている。
なお、本発明において、ヒンジ部の各部分のサイズは特に限定されないが、本実施形態のヒンジ部4においては、第1屈曲部30から枠部側連結端25までの長さ(即ち、第1延長部27の長さ)、及び、第2屈曲部31から扉部側連結端26までの長さ(即ち、第2延長部28の長さ)が5mmに設定されている。また、湾曲部29における第1屈曲部30と第2屈曲部31間の長さは約15mmに設定され、第1及び第2延長部27,28の表面から湾曲部29の底部までの深さも約15mmに設定されている。
このような本実施形態のカバー体1は、図4に示したように、扉部2と枠部3の表面を振動溶接等によりインパネ33の裏面に溶着することによって、インパネ33の助手席前方となる所定位置に取り付けられる。本実施形態において、カバー体1が取り付けられるインパネ33の裏面には、閉ループ状に形成された第1テアライン32aと、第1テアラインに囲まれたエアバッグリッド34となる長方形状の領域を前後に区画するように左右方向に直線状に形成された第2テアライン32bとが設けられており、これらの第1及び第2テアライン32a,32bがインパネ33の表面側からは見えないようにしたシームレス構造が採用されている。
従って、カバー体1をインパネ33の裏面に取り付ける際には、カバー体1の扉部2と枠部3との間に形成された間隔と、扉部2の1組の扉体21間に形成された間隔とが、インパネ33に形成した第1及び第2テアライン32a,32bの位置に重なるようにして、カバー体1がインパネ33の裏面に固着される。また、カバー体1をインパネ裏面に固着した後は、カバー体1に設けた筒状体5の係止孔6に、図示を省略したエアバッグ装置のフック部を係止することにより、カバー体1にエアバッグ装置を容易に取り付けることができる。
次に、車両が衝突してエアバッグ装置のエアバッグ本体が膨張するときに、インパネ33の裏面に固着した本実施形態のカバー体1が行う挙動について説明する。ここで、図5は、エアバッグ本体が膨張するときにおけるカバー体が行う挙動を、ヒンジ部が形成されている部分を拡大して段階的に示した説明図である。
先ず、車両が衝突してエアバッグ本体が膨張し始めると、エアバッグ本体の膨張圧力によりカバー体1の扉部2が裏面側から押圧され、この扉部2を介してインパネ33のエアバッグリッド34の裏面が全体的に押し上げられる。そして、エアバッグ本体の膨張圧力が増大することにより、インパネ裏面に形成した第1及び第2テアライン32a,32bが破断してエアバッグリッド34がインパネ本体から切り離される。
エアバッグリッド34が破断すると、カバー体1の1組の扉体21が、破断したエアバッグリッド34とともにヒンジ部4を中心に外側に向けて回動することにより、エアバッグリッド34を開口させてインパネ33に膨出口を形成する。このとき、扉部2が回動する初期の段階では、図5(a)に示したように、ヒンジ部4の第2屈曲部31が伸びるように変形して扉体21が外側に向けて回動し始めるとともに、ヒンジ部4の湾曲部29が、エアバッグ本体の膨張圧力を扉部2側から受けて枠部3側に押圧される。
本実施形態のカバー体1では、合成樹脂から形成されているので、ヒンジ部4が上述のような湾曲部29を枠部3側に押圧する応力(圧縮応力)を受けると撓み変形し、ヒンジ部4が圧縮して第1屈曲部30と第2屈曲部31との間隔37が狭くなるとともに、第1延長部27が下方側に湾曲する。このため、ヒンジ部4が受けた圧縮応力を、湾曲部29と第1延長部27とにより容易に吸収することができる。
特に、本実施形態のカバー体1においては、ヒンジ部4の湾曲部29の長さが、枠部3の内周縁13と扉部2の外縁24との間隔よりも大きく形成されている。これにより、ヒンジ部4が前述の圧縮応力を受けた際に、ヒンジ部4を大きく弾性変形させてその圧縮応力を確実に吸収することができ、圧縮応力に起因してヒンジ部4に破断が生じることを確実に防ぐことができる。
更にカバー体1がエアバッグ本体の膨張圧力を連続的に受け続けると、図5(b)に示したように、扉体21は、その回動する方向に応力を受けて扉体21の展開を大きくするとともに、その回動により生じる外向きの遠心力を受ける。これにより、ヒンジ部4は、扉体21側に引っ張られるような応力を受けて、第1屈曲部30と第2屈曲部31との間隔37を拡げるように湾曲部29が開いていく。
このとき、本実施形態のカバー体1では、湾曲部29の回動を、湾曲部29と第1及び第2延長部27,28との協働によって円滑に行うことができる。それとともに、ヒンジ部4が受ける引張り応力を、湾曲部29と第1及び第2延長部27,28とに分散することができるため、この引張り応力に起因してヒンジ部4に亀裂や破断が生じることを確実に防ぐことができる。
その後、扉体21の回動が更に進むことにより、図5(c)に示したように、前述のように一旦開いた湾曲部29が再び折り曲げられて第1屈曲部30と第2屈曲部31との間隔37が狭くなり、扉体21が観音開き状に完全に開いた状態となる。このとき、ヒンジ部4は、折り曲げられることによって圧縮応力を受けるが、ヒンジ部4に第1及び第2延長部27,28が形成されていることよって、その圧縮応力が湾曲部29に集中することを防いで、第1及び第2延長部27,28にも分散させることができる。従って、この圧縮応力に起因してヒンジ部4に破断が生じることを確実に防ぐことができる。
そして、上述のようにカバー体1の扉体21が観音開き状に完全に開くことにより、エアバッグリッド34が開口して、インパネ33にエアバッグ本体が膨出する膨出口を形成することができる。従って、エアバッグ本体はその膨出口から車室内に瞬時に膨出し、乗員の安全を確保することができる。また、扉部2の各扉体21はヒンジ部4を介して枠部3に連結されているため、エアバッグ本体の膨出時に、破断したエアバッグリッド34が車室内に飛散することを防止することができる。
以上のように、本実施形態のカバー体1であれば、ヒンジ部4に湾曲部29と第1及び第2延長部27,28とが形成されていることにより、エアバッグ装置が作動してエアバッグ本体を膨張させる際に、ヒンジ部4が受ける応力を確実に吸収し、また分散して、ヒンジ部4に破断を生じさせることなく、扉体21の回動を円滑に行うことができる。従って、例えば超低温環境等の悪条件下でエアバッグ装置が作動する場合であっても、エアバッグ本体の膨出口をインパネに確実に形成してエアバッグ本体を安定して膨張させるとともに、ヒンジ部4の破断を防いでエアバッグリッドが飛散することを防止することができるため、乗員の安全をより確実に確保することが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。例えば、以上では、平面略H状のテアラインを採用した二枚扉のいわゆる観音開き形式のエアバッグカバーについて説明を行っているが、本発明はこれに限られず、例えば、平面略U状のテアラインを採用したいわゆるシングルフラップ形式のエアバッグカバーにおけるヒンジ構造にも適用が可能であるし、また、必要に応じて3枚以上のドアフラップを設けたエアバッグカバーにおけるヒンジ構造にも適用が可能であることはいうまでもない。
また、前記実施形態のカバー体1において、枠部3に形成した第1スリット7及び扉部2に形成した第2スリット8の幅寸法はスリットの長さ方向で一定であり、また、第1スリット7の閉塞端7aの形状、及び、第2スリット8の閉塞端8aの形状が、上面視で、それぞれのスリット幅を直径とする半円形状に形成されている。しかしながら、本発明では、第1及び第2スリットの形状や、それらの閉塞端における形状は、扉体が回動するときにヒンジ部に対して圧縮応力や引張り応力がかかっても、その応力を吸収又は分散してヒンジ部に亀裂や破断が生じるのを防ぎ、扉体の回動を円滑に行うことができれば、どのような形状であっても良い。
例えば、本発明では、第1及び第2スリット7,8の閉塞端7a,8aにおける形状を、図6(a)に示したように、上面視で、それぞれのスリット幅よりも大きい直径を有する半円形状にすることも、また、図6(b)に示したように、幅寸法を漸増して台形状にすることも、更には、図6(c)に示したように、直角に屈曲させた形状にすることも可能である。また、第1及び第2スリット7,8自体の形状についても、図6(d)〜(f)に示したように、第1及び第2スリット7,8の幅寸法が閉塞端7a,8aに向かって漸減するような形状を採用することも可能である。
本発明のカバー体を模式的に示す斜視図である。 同カバー体のヒンジ部を拡大して示す拡大斜視図である。 同カバー体のヒンジ部が設けられている部位を中心に示す上面図である。 同カバー体をインストルメントパネルに固着した状態を模式的に示す斜視断面図である。 エアバッグ本体が膨張するときにおけるカバー体が行う挙動を、ヒンジ部が形成されている部分を拡大して段階的に示した説明図である。 カバー体の変形例について、ヒンジ部が設けられている部位を中心に拡大して示す上面図である。
符号の説明
1 カバー体
2 扉部
3 枠部
4 ヒンジ部
5 筒状体
6 係止孔
7 第1スリット
7a 第1スリットの閉塞端
8 第2スリット
8a 第2スリットの閉塞端
11 平板部
12 格子部
13 内周縁
14 枠片
14a 枠片の幅
15 枠片
15a 枠片の幅
21 扉体
22 平板部
23 格子部
24 外縁
25 枠部側連結端
26 扉部側連結端
27 第1延長部
28 第2延長部
29 湾曲部
30 第1屈曲部
31 第2屈曲部
32a 第1テアライン
32b 第2テアライン
33 インパネ(インストルメントパネル)
34 エアバッグリッド
37 第1屈曲部と第2屈曲部との間隔

Claims (8)

  1. 平板状の扉部(2)と、前記扉部(2)を囲むように配した枠部(3)と、前記扉部(2)と前記枠部(3)とを連結する断面U字状に湾曲した湾曲部(29)を有するヒンジ部(4)とを一体に備え、エアバッグ装置のケース上蓋として機能し、前記エアバッグ装置のエアバッグ本体が膨張するときに、前記扉部(2)が前記エアバッグ本体に押され、前記ヒンジ部(4)が撓み変形して前記ヒンジ部(4)を中心に回動して開くことにより、前記エアバッグ本体が膨出する膨出口を形成してなるエアバッグ装置のカバー体(1)であって、
    前記枠部(3)は、前記ヒンジ部(4)が配されている部位の両脇に、前記枠部(3)の内周縁(13)に向けて開口した第1スリット(7)を有し、
    前記ヒンジ部(4)は、前記第1スリット(7)の閉塞端(7a)間に前記枠部(3)側の連結端(25)を有し、前記枠部側連結端(25)から前記枠部(3)表面と同一平面上に延設した第1延長部(27)を介して前記湾曲部(29)が形成され、前記第1延長部(27)から前記湾曲部(29)へ屈曲する第1屈曲部(30)が、前記枠部(3)の内周縁(13)よりも前記第1スリット(7)の前記閉塞端(7a)側に配されてなる、
    ことを特徴とするエアバッグ装置のカバー体。
  2. 前記枠部(3)は、前記第1スリット(7)を除いて、連続した板体で構成されてなる請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体。
  3. 前記扉部(2)は、前記ヒンジ部(4)が配されている部位の両脇に、前記扉部(2)の外縁(24)に向けて開口した第2スリット(8)を有し、
    前記ヒンジ部(4)は、前記第2スリット(8)の閉塞端(8a)間に前記扉部(2)側の連結端(26)を有し、前記扉部側連結端(26)から前記扉部(2)表面と同一平面上に延設した第2延長部(28)を介して前記湾曲部(29)が形成され、前記第2延長部(28)から前記湾曲部(29)へ屈曲する第2屈曲部(31)が、前記扉部(2)の外縁(24)よりも前記第2スリット(8)の前記閉塞端(8a)側に配されてなる、
    請求項1又は2記載のエアバッグ装置のカバー体。
  4. 前記扉部(2)は、2枚の扉体(21)を有する観音開き構造に構成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ装置のカバー体。
  5. 前記第1スリット(7)は、前記枠部(3)の内周縁(13)から5mm以上10mm以下の長さで形成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ装置のカバー体。
  6. 前記第2スリット(8)は、前記扉部(2)の外縁(24)から5mm以上10mm以下の長さで形成されてなる請求項3〜5のいずれかに記載のエアバッグ装置のカバー体。
  7. 前記ヒンジ部(4)の前記第1屈曲部(30)から前記枠部側連結端(25)までの長さ、及び/又は、前記ヒンジ部(4)の前記第2屈曲部(31)から前記扉部側連結端(26)までの長さが、2mm以上7mm以下である請求項1〜6のいずれかに記載のエアバッグ装置のカバー体。
  8. 前記第1スリット(7)及び/又は前記第2スリット(8)の幅が、0.5mm以上である請求項1〜7のいずれかに記載のエアバッグ装置のカバー体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011001016A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Honda Motor Co Ltd エアバッグ装置のバッグカバー
JP2011156946A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Daihatsu Motor Co Ltd 車両におけるカーテンシールドエアバッグ装置
JP2014094675A (ja) * 2012-11-09 2014-05-22 Toyota Motor Corp エアバッグドアを一体に有するインストルメントパネル

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