以下、本発明の一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る会議装置としてのテレビ会議装置1000の不使用状態における外観が斜視図にて概略的に示されている。
テレビ会議装置1000は、図1に示されるように、不使用状態において、全体として、薄い略直方体状(略平板状)の外形を有している。図1では、テレビ会議装置1000は、例えば机、テーブルなどの上面(載置面)上に水平面に平行に載置されている。以下、テレビ会議装置の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
図2には、図1のテレビ会議装置1000の平面図(上面図)が示されている。テレビ会議装置1000は、図2に示されるように、筐体10、プロジェクタ20、電子カメラ32を含む画像入力ユニット31、スピーカー42を含む音声出力装置40、マイクロフォン52を含む音声入力装置50、制御装置60、操作部70、制御装置60を冷却する冷却装置80、位置検出手段300(図9(A)〜図9(C)参照)などを備えている。
筐体10は、薄型の箱形中空部材から成る。筐体10は、図2に示されるように、平面視で、例えばA4版サイズの矩形の外形を有し、その厚さが、例えば30mm〜50mm程度となっている(図3参照)。
筐体10内には、プロジェクタ20、音声出力装置40、音声入力装置50及び制御装置60が収容されている。
また、筐体10の+Y側の面には、一例として、+Y側及び+Z側に開口し、X軸方向のほぼ全域に亘って延びる段付き凹部12が形成されている。段付き凹部12内には、画像入力ユニット31が収容可能となっている。段付き凹部12は、+X側に位置するY軸方向の奥行きが長い長奥行き凹部12aと、−X側に位置するY軸方向の奥行きが短い短奥行き凹部12bとで構成されている。
制御装置60は、音声データ及び画像データをエンコード処理またはデコード処理をして、通信網としてのインターネットを介した音声及び画像の双方向通信を制御する。
制御装置60は、図4に示されるように、制御用基板としてのメインボード62、音声処理用及び操作用基板としてのサブボード64などを含む。
メインボード62は、短奥行き凹部12bの−Y側に配置されている。
メインボード62には、CPU(Central Processing Unit)100、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)104、HDD(Hard Disk Drive)106(もしくはストレージまたは記録デバイス)、データ入出力I/F108、ネットワークI/F(Interface)110、画像入力I/F112、画像出力I/F114、プロジェクタ制御部115、電源部117、タイマー119の各構成要素が、アドレスバス、データバス等のバスライン116を介して、双方向通信可能に接続された状態で実装されている。なお、上述した画像データは、動画または間欠画像(一定時間間隔の静止画像)のデータである。
また、メインボード62の+Y側の端部には、コネクタとしての画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94がX軸方向に並べて実装されている。また、メインボード62の−Y側の端部には、複数のUSB端子(不図示)がX軸方向に並べて実装されている。また、筐体10の−X側の側面には、電源ジャック(不図示)が嵌め込まれている。
ここで、短奥行き凹部12bを定める−Y側の面には、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94それぞれに対応する箇所に、3つの開口(不図示)がX軸方向に並べて形成されており、各端子に、対応する開口を介して、対応するケーブルを着脱可能となっている。
CPU100は、所定のプログラム(テレビ会議装置用プログラム)に基づいてテレビ会議装置1000全体の動作を制御する。なお、テレビ会議装置用プログラムに従ったCPU100の命令による、インターネットを介した音声及び画像の双方向通信にかかる一連の動作は後述する。
ROM102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPUの駆動に用いられるプログラムが記憶されている。
RAM104は、CPUのワークエリアとして使用される。
HDD106は、上記テレビ会議装置用プログラム、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。なお、HDDに限らず、例えばSSD(Solid State Drive)等を用いてもよい。上記テレビ会議装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、例えば記録メディア等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記テレビ会議装置用プログラムは、HDD106ではなく、ROM102に記憶されるようにしてもよい。HDD106は、CPU100の制御にしたがってHDD106に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
データ入出力I/Fは、前述したUSB端子に接続された例えばフラッシュメモリ等の記録メディアMに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するとともに、一のUSB端子に接続されたPCのディスプレイに表示されたデータの相手側のテレビ会議装置への送信を制御する。
記録メディアMは、他のUSB端子に着脱自在となっている。また、記録メディアMは、CPU100の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリに限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
ネットワークI/F110は、前述したLAN端子94(例えばイーサネット(登録商標)端子)を含み、インターネットを介したデータ(画像データ及び音声データ)の入出力を行う。画像入力I/F110は、電子カメラ32から出力される画像信号を所定の画像データとして取り込む。なお、電子カメラ32を含む画像入力ユニット31の詳細は後述する。
画像出力I/F114は、テレビ会議を行う相手方の会議装置の宛先や画質調整、出力信号の選択などの操作用アイコン等のメニュー画面、通信網を介して受信されたデータのうちエンコードされた画像データ、及び電子カメラ32により入力された画像データを、プロジェクタ20、画像出力端子92に接続される例えば液晶モニタ、液晶テレビなどの表示装置が受け入れ可能な所定のアナログまたはデジタルの画像信号に変換して出力するようになっている。なお、エンコードされた画像データを所定のコーデックを用いてデコードするのはCPU100による。この所定の画像信号としては、アナログRGB信号(VGA)、コンポーネントビデオ信号、HDMI(High―Definition Multimedia Interface)信号、DVI(Digital Video Interactive)信号が挙げられる。
電源部117は、外部電源に接続されており、電源ボタン72が押圧されるのに伴って又はCPU100からの指示に従って、テレビ会議装置1000の各構成部(例えばプロジェクタ20、電子カメラ32、制御装置60、冷却装置80など)への電源の供給又は供給停止を行う。
プロジェクタ制御部115については、後述する。
サブボード64には、後述する複数の操作ボタンに対応する複数の操作端子、音声入出力I/F120、音声制御部122などの各構成要素が実装されている。複数の操作端子118及び音声制御部122それぞれは、バスライン116を介して、互いに双方向通信可能に接続され、かつメインボード62に実装された上記各構成要素と双方向通信可能に接続されている。
音声入出力I/F120は、マイクロフォン52により入力された音声信号を所定の音声データとして取り込んで、該音声データを音声制御部122に送信するとともに、ネットワークI/F110、音声制御部122を介して受信された音声データをスピーカー42で再生可能な音声信号に変換する。なお、マイクロフォン52を含む音声入力装置50、スピーカー42を含む音声出力装置40の詳細は、後述する。
音声制御部122は、後述する一対のボリュームボタン76a、76bが操作されるのに伴いスピーカー42から出力される音の音量を調整し、後述するマイクミュートボタン78が押し下げられる(ON/OFFされる)のに伴いマイクロフォン52による音の入力/非入力を切り替える。
また、音声制御部122は、相手方のテレビ会議装置との双方向通信時に、スピーカー42から出力された音がマイクロフォン52により入力され、相手方のテレビ会議装置との間で音波のループを形成して発生するエコー、ハウリングを抑制するエコーキャンセル処理機能を有するとともに、例えば室内の空調、後述するファン86の作動音などのマイクロフォン52により入力された音を低減させるノイズキャンセル処理機能を有する。
冷却装置80は、制御装置60のメインボード62に実装された例えばCPU100、チップセット(不図示)などの発熱体が発する熱を筐体10外に放出することにより、該発熱体を冷却する。この冷却装置80は、図2に示されるように、ヒートパイプ82、ヒートシンク84、横置き式のファン86などを含む。ヒートパイプ82は、その一端がメインボード62に接続されており、その他端がヒートシンク84に接続されている。ヒートシンク84は、例えば金属製の多数のフィンを含む放熱部材から成る。そこで、メインボード62に発生した熱は、ヒートパイプ82、ヒートシンク84に順次伝わり、筐体10の−X側の側面に形成された排気口(不図示)から筐体10外に放出される。ファン86は、整流機能を有しており、筐体10内におけるヒートシンク84の+X側近傍に、その吸気方向が+Z方向となるように配置されている。そこで、筐体10の−Z側の面に形成された吸気口(不図示)を介してファン86により吸引されたエアは、ヒートシンク84を経由して、排気口から筐体10外に排出される。この結果、ヒートシンク84の放熱効果がより一層高められる。
音声出力装置40は、図2に示されるように、筐体10内における−X側かつ−Y側の角部に配置されており、スピーカー42に加えて、箱形の中空部材から成るスピーカーボックス44などを含む。スピーカー42としては、例えばフルレンジタイプの丸型のものが採用されているが、その他のものを採用しても良い。スピーカー42は、音声入出力I/F120に結線されており、該音声入出力I/F120から送信される音声信号を音声として出力する。スピーカー42は、その音声出力方向が概ね上向き(斜め上向きを含む)となるように、スピーカーボックス44に嵌め込まれている。筐体10の上面におけるスピーカー42の+Z側の箇所には、スピーカー42から出る音を外部に放出するための複数の貫通孔から成る音声放出口43(図15参照)が形成されている。
音声入力装置50は、図2に示されるように、筐体10内における+X側かつ−Y側の角部に配置されており、マイクロフォン52に加えて、マイクロフォン52を筐体10に保持させるための保持部材54などを含む。マイクロフォン52としては、例えば小型の無指向性のものが採用されているが、指向性を有するものを採用しても良い。マイクロフォン52は、音声入出力I/F120に結線されており、入力した音声を音声信号として音声入出力I/F120に送信する。マイクロフォン52は、その音声入力方向が概ね−Y方向となるように、筐体10の−Y側の側面の+X側の端部に保持部材54を介して固定されている。筐体10の+Y側の側面の+X側の端部には、マイクロフォン52により入力される音声を外部から取り込むための複数の貫通孔から成る音声取込口56(図6参照)が形成されている。
操作部70は、図1に示されるように、筐体10の+Z側の面のX軸方向中央にY軸方向に並べて嵌め込まれた複数(例えば4つ)の操作ボタンを有する。これら4つの操作ボタンは、それぞれ段付き凹部12側から順に、後述するロック解除ボタン71、テレビ会議装置1000に対する電源のON/OFFを行うための電源ボタン72、通信相手とのインターネット回線を切断するための回線ボタン73、例えば液晶モニタ、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)、液晶テレビ(いずれも不図示)などによりその画面上に又はプロジェクタ20によりスクリーン上に表示されるメニュー画面内において選択された項目を決定するための決定ボタン74となっている。筐体10の+Z側の面における決定ボタン74の外周近傍には、上記メニュー画面内の項目を選択するためのカーソル75が、決定ボタン74の外周を取り囲んだ状態で嵌め込まれている。上記メニュー画面内において選択及び決定される項目としては、例えば、テレビ会議を行う相手方のテレビ会議装置の宛先などが挙げられる。
筐体10の+Z側の面における決定ボタン74の+X側には、スピーカー42から出る音の音量を調整するための一対のボリュームボタン76a、76b(一方が音量を上げるためのボタンで、他方が音量を下げるためのボタン)が互いにX軸方向に隣接した状態で嵌め込まれている。筐体10の+Z側の面における決定ボタン74の−X側には、決定ボタン74側から順に、例えば液晶モニタの画面上又はスクリーン上に上記メニュー画面を呼び出すためのメニューボタン77、及びマイクミュートボタン78が嵌め込まれている。
筐体10の+Z側の面に配置された上記各操作ボタン及びカーソルが、それぞれ、操作(押圧)されると、その下側にある対応する部材と係合し、これにより、所望の機能が実現されるようになっている。特に、ロック解除ボタン71を除く上記各操作ボタン及びカーソルは、サブボード64上に実装されている対応する操作端子に対応する位置に配置されている。上記各ボタン及びカーソルは、それぞれ、押圧されていない状態で、その上面が筐体10の上面とほぼ面一になっている。このため、外観上の一体性に優れるとともに、テレビ会議装置1000を持ち運ぶ際に各ボタン及びカーソルが邪魔にならない。
ここで、図3から分かるように、筐体10の上面の−Y側部分は、−Y側が+Y側よりも低くなるようにXY平面(筐体10の下面)に対して3°〜8°(好ましくは、4°〜5°)傾斜している。この場合、特にユーザが筐体10の概ね−Y側に位置する場合に、上記各操作ボタン及びカーソルの視認性及び操作性に優れる。
画像入力ユニット31は、図2に示されるように、電子カメラ32に加えて、カメラハウジング34、アーム36、二軸ヒンジ39などを含む。
電子カメラ32は、その撮影レンズ32aを介して被写体の画像を入力し、該入力された画像を電気信号に変換して画像入力I/Fに出力する。電子カメラ32は、撮影レンズ32aがカメラハウジング34に形成された開口(不図示)に嵌め込まれた状態でカメラハウジング34内に収容されている。撮影レンズ32aとしては、例えば、焦点距離の短い単焦点の広角レンズが用いられている。
アーム36は、XZ平面に平行な扁平で細長い中空部材から成る。アーム36は、その基端部(長手方向他端部)が、一軸ヒンジ38を介して筐体10に接続されており、筐体10に対し、Y軸に平行な第1の軸線周りに相対回動可能となっている。
カメラハウジング34は、アーム36の長手方向一端部に二軸ヒンジ39を介して取り付けられており、アーム36に対し、該アーム36の長手方向に延びる第2の軸線及びこれに直交する第3の軸線それぞれの周りに独立に相対回動可能となっている。なお、図2以外の図においては、二軸ヒンジ39の図示が省略されている。
以下では、電子カメラ32、カメラハウジング34、アーム36及び二軸ヒンジ39を含んで構成されるユニットを画像入力ユニット31と称する。
画像入力ユニット31は、一軸ヒンジ38の作用により、段付き凹部12内に収容される収容位置と、一部が段付き凹部12から突出する突出位置との間を第1の軸線周りに回動可能となっている(図5(B)参照)。画像入力ユニット31の筐体10に対する第1の軸線周りの回動角度は、画像入力ユニット31が収容位置に位置するときを0°とすると、例えば0°以上135°以下の範囲内に機械的に制限されている。なお、画像入力ユニット31は、カメラハウジング34のアーム36に対する第2及び第3の軸線周りの位置が、撮影レンズ32aが−Y側を向くような位置(以下、基準位置と称する)にあるときに、段付き凹部12内に収容される。
また、画像入力ユニット31は、突出位置から収容位置に回動したときに、筐体10の段付き凹部12に隣接する箇所に設けられた不図示のロック機構により、収容位置にて筐体10に対して機械的に係止される。
そして、収容位置に位置する画像入力ユニット31は、筐体10の+Z側の面の+Y側の端部(段付き凹部12に隣接する箇所)に設けられたロック解除ボタン71が操作(押圧)されることにより、上記ロック機構による筐体10に対する係止が解除される。
ここで、上記ロック機構は、一例として、収容位置に位置する画像入力ユニット31を係止する係止位置と該係止位置から退避する退避位置との間で移動可能に筐体10に設けられたフック部材と、該フック部材を退避位置から係止位置に向けて付勢する弾性部材とを含む。そして、フック部材は、係止位置に位置するときにロック解除ボタン71が押圧されることにより、退避位置に移動し、退避位置に位置するときにロック解除ボタン71の押圧が解除されることにより、係止位置に移動する。
また、画像入力ユニット31は、一軸ヒンジ38に設けられた保持トルク発生機構(不図示)の作用により、筐体10に対する第1の軸線周りの所定範囲内の任意の位置(例えば上記回動角度が65°以上135°以下となる位置)で保持される。画像入力ユニット31は、その保持された状態から第1の軸線周りの所要のモーメントが加えられることで、第1の軸線周りに回動する。
また、画像入力ユニット31では、二軸ヒンジ39に設けられた保持トルク発生機構(不図示)の作用により、カメラハウジング34は、アーム36に対する第2及び第3の軸線それぞれの周りの所定範囲内の任意の位置で保持される。カメラハウジング34は、その保持された状態から第2及び第3の軸線それぞれの周りの所要のモーメントが加えられることで、第2及び第3の軸線それぞれの周りに回動する。
ここで、突出位置に位置する画像入力ユニット31を筐体10に対して第1の軸線周りに手動で回動させる際、一軸ヒンジ38を介して筐体10に、例えばY軸周り、X軸周り、Z軸周りなどのモーメントが作用する。この場合、テレビ会議装置1000における画像入力ユニット31を除く部分(以下、本体部と称する)の重心位置、及び画像入力ユニット31と上記本体部との重量比によっては、画像入力ユニット31を筐体10に対し回動させた際に、上記本体部がバタつくおそれがある。
そこで、本実施形態では、上記本体部の重心が筐体10の中心付近に位置するように筐体10内における各構成部の配置がなされているとともに、画像入力ユニット31と上記本体部との重量比が、例えば1:15とされている。
この結果、画像入力ユニット31を筐体10に対して回動させる際に、上記本体部がバタつくことが抑制される。すなわち、画像入力ユニット31を筐体10に対して安定した状態で第1の軸線周りに回動させることができる。
また、図1に示されるように、基準状態にある画像入力ユニット31は、収容位置に位置するとき、その−Z側の面の少なくとも一部が段付き凹部12の底を定める面上に載置され、また、図2に示されるように、画像入力ユニット31は、収容位置に位置するとき、X軸及びY軸方向に関して、段付き凹部12にほぼ嵌合した状態となっている。
プロジェクタ20は、図2に示されるように、筐体10内における長奥行き凹部12aの−Y側に配置されている。
プロジェクタ20は、一例として、光源としての3つのレーザダイオードLD1、LD2、LD3、光学系22、冷却系24、光源駆動回路などを含む。
3つのレーザダイオードLD1〜LD3は、例えばネットワークI/F、HDD106、データ入出力I/Fなどからの画像情報に基づいて上記光源駆動回路によって変調駆動される。
レーザダイオードLD1は、一例として、赤色レーザであり、赤色光を−Y方向に射出するように配置されている。
レーザダイオードLD2は、一例として、青色レーザであり、青色光を−X方向に射出するように、レーザダイオードLD1の+X側かつ−Y側に配置されている。
レーザダイオードLD3は、一例として、緑色レーザであり、緑色光を−X方向に射出するように、レーザダイオードLD2の−Y側に配置されている。
光学系22は、一例として、3つのコリメートレンズCR1〜CR3、2つのダイクロイックミラーDM1、DM2、2つの反射ミラーRM1、RM2、レンズユニット23などを有している。
コリメートレンズCR1は、一例として、レーザダイオードLD1の−Y側に配置されており、レーザダイオードLD1から射出された赤色光を略平行光とする。
コリメートレンズCR2は、一例として、レーザダイオードLD2の−X側に配置されており、レーザダイオードLD2から射出された青色光を略平行光とする。
コリメートレンズCR1は、一例として、レーザダイオードLD3の−X側に配置されており、レーザダイオードLD3から射出された緑色光を略平行光とする。
ダイクロイックミラーDM1及びDM2は、それぞれ、例えば誘電体多層膜などの薄膜から成り、特定の波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過させる。
ダイクロイックミラーDM1は、一例として、コリメートレンズCR1の−Y側かつコリメートレンズCR2の−X側に、X軸及びY軸に対して例えば45°傾斜して配置されており、コリメートレンズCR1を介した赤色光を−Y方向に透過させ、コリメートレンズCR2を介した青色光を−Y方向に反射する。
なお、コリメートレンズCR1を介した赤色光及びコリメートレンズCR2を介した青色光は、それぞれダイクロイックミラーDM1の中央付近に入射する。
ダイクロイックミラーDM2は、一例として、ダイクロイックミラーDM1の−Y側かつコリメートレンズCR3の−X側に、X軸及びY軸に対して例えば45°傾斜して配置されており、ダイクロイックミラーDM1を透過した赤色光及び青色光を−Y方向に透過させ、コリメートレンズCR3を介した緑色光を−Y方向に反射する。
なお、ダイクロイックミラーDM1を介した赤色光及び青色光、並びにコリメートレンズCR2を介した緑色光は、それぞれダイクロイックミラーDM2の中央付近に入射する。
ダイクロイックミラーDM2を介した3つの光(赤色光、青色光及び緑色光)は、1つの光に合成されて、反射ミラーRM1に入射する。
この場合、3つのレーザダイオードLD1〜LD3の発光強度の強弱のバランスにより、合成された光(以下、合成光CLと称する)の色が表現されるようになっている。
反射ミラーRM1は、ダイクロイックミラーDM2の−Y側に、X軸及びY軸に対して例えば45°傾斜して配置されており、ダイクロイックミラーDM2からの合成光を−X側に反射する。
反射ミラーRM2は、反射ミラーRM1の−X側に、X軸及びY軸に対して例えば45°傾斜して配置されており、反射ミラーRM1からの合成光を+Y側に反射する。
レンズユニット23は、それぞれの光軸がY軸に平行となるようにY軸方向に並べて配置された複数の投射レンズを含んで構成されており、反射ミラーRM2の+Y側に配置されている。レンズユニット23は、筐体10の−Z側の面(XY平面)に対して+Y側ほど高くなるように傾斜して配置されている。以下では、複数の投射レンズのうち、最も+Y側の投射レンズを、投射レンズ23aと称する。
投射レンズ23aは、長奥行き凹部12aを定める−Y側の面に形成された開口(不図示)に嵌め込まれている。
複数の投射レンズのうち、最も+Y側の投射レンズ23aを除く、少なくとも2つの投射レンズは、レンズ駆動装置又は調整レバー(いずれも不図示)を介して、光軸方向に関して相対的に回動可能となっている。すなわち、プロジェクタ20は、自動焦点位置調整機能(オートフォーカス機能)、及び手動によるズーム調整機能を有している。
そこで、反射ミラーRM2からの合成光は、レンズユニット23を介して+Y方向に射出される。
冷却系24は、一例として、2つのヒートシンク24a、24b、ファン24c、ダクト24dなどを含む。
ここで、長奥行き凹部12aを定める−Y側の面における投射レンズ23aが嵌め込まれた開口の+X側の箇所には、複数の貫通孔から成る吸気口16が形成されている。また、筐体10の+X側の側面の−Y側の端部近傍(音声入力装置50の+Y側近傍)には、複数の貫通孔から成る排気口18が形成されている。この場合、吸気口16と排気口18との間に気体流路が形成される。
ヒートシンク24aは、一例として、Z軸方向に積層されたXY平面に平行な金属板を含んで構成され、レーザダイオードLD1に接触し、かつその少なくとも一部が上記気体流路内に位置するように配置されている。この場合、レーザダイオードLD1に発生した熱は、ヒートシンク24aを介して上記気体流路に放出される。
ヒートシンク24bは、一例として、Z軸方向に積層されたXY平面に平行な金属板を含んで構成され、2つのレーザダイオードLD2、LD3に接触し、かつその少なくとも一部が上記気体流路内に位置するようにヒートシンク24bの−Y側に配置されている。この場合、2つのレーザダイオードLD2、LD3それぞれに発生した熱は、ヒートシンク24bを介して上記気体流路に放出される。
ファン24cは、上記気体流路内に位置するようにヒートシンク24bの−Y側に配置されている。
ダクト24dは、平面視L字状の筒状部材から成り、そのL字の一端(開放端)が上記ファン24cの−Y側に位置し、そのL字の他端(開放端)が排気口18に接続されている。
そこで、ファン24cが駆動されると、吸気口16を介して筐体10内にエア(気体)が流入し、該エアは、ヒートシンク24a、24b、ファン24c、ダクト24d、排気口18を介して筐体10外に流出する。その際、ヒートシンク24a、24bから放出された熱は、エアと共に排気口18から排出される。この結果、3つのレーザダイオードLD1〜LD3を効率良く冷却でき、ひいては安定した強度の光を得ることができる。
ここで、図2に示されるように、画像入力ユニット31が収容位置に位置しているとき、電子カメラ32が収容されたカメラハウジング34が長奥行き凹部12a内に位置している。この場合、撮影レンズ32a及びカメラハウジング34は、投射レンズ23a及び吸気口16に近接した状態で対向しており、撮影レンズ32a、投射レンズ23a及び吸気口16は、外部から遮蔽されている(図5(A)参照)。
また、画像入力ユニット31が収容位置に位置しているとき、アーム36が短奥行き凹部12b内に位置している。この場合、アーム36は、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94に近接した状態で対向しており、これら3つの端子は、外部から遮蔽されている(図2及び図5(A)参照)。
すなわち、テレビ会議装置1000が不使用状態にあるときには、撮影レンズ32a、投射レンズ23a、吸気口16、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94は、外部から遮蔽されることで、保護されている。具体的には、各レンズの損傷及び該レンズへの異物の付着が抑制され、吸気口16内への異物の進入が抑制され、各端子への異物の付着が抑制される。
一方、画像入力ユニット31を筐体10に対して第1の軸線周りに所定角度(例えば40°〜135°)回動させて段付き凹部12内から突出させると、撮影レンズ32a、投射レンズ23a、吸気口16、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94は、外部に露出される(図5(B)参照)。
この場合、撮影レンズ32aを介して画像を入力することができるとともに、投射レンズ23aを介して光を投射することができる。また、吸気口16を介して筐体10内に気体を効率良く流入させることができる。また、画像入力端子90に外部機器(例えばDVDプレーヤー、PCなどの画像情報を出力可能な機器)に接続されたケーブルを接続することができる。また、画像出力端子92に外部機器(例えば液晶モニタ、液晶テレビなどの表示機能を有する機器)に接続されたケーブルを接続することができる。また、LAN端子94にインターネットに接続されたケーブルを接続することができる。
すなわち、テレビ会議装置1000を使用可能な状態にすることができる。
ここで、プロジェクタ20の投射レンズ23aからは、一例として、+Y側ほどX軸方向及びZ軸方向に徐々に広がる光、すなわちXZ断面がX軸方向を長手方向とし、Z軸方向を短手方向とする矩形の光が投射される(図7(A)及び図8(B)参照)。この光のXZ断面(矩形断面)のX軸に平行な辺の長さとZ軸に平行な辺の長さの比は、例えば16:9とされている。
この光の投射範囲(以下、単に、投射範囲と称する)は、回動体31の+Y側の端面を含む仮想平面上では、図7(A)に示される矩形の二点鎖線内となる。なお、投射範囲は、図8(B)では、多数の密集したドットで示されている。
この場合、画像入力ユニット31の第1の軸線周りの回動領域と、投射範囲とが部分的に重複している。以下では、画像入力ユニット31を、「回動体31」とも称する。そして、回動体31の収容位置から突出位置への回動方向を開き方向と称し、回動体31の突出位置から収容位置への回動方向を閉じ方向と称する。
具体的には、回動体31は、収容位置と、該収容位置から開き方向に所定角度(例えば40°)回動した所定の突出位置との間(但し、収容位置を含み、上記所定の突出位置を含まない)に位置しているときは、一部が投射範囲内に位置している(図7(A)及び図8(A)参照)。
一方、回動体31は、上記所定の突出位置と、該突出位置から開き方向に最も(例えば95°)回動した位置である最大開き位置との間(但し、上記所定の突出位置及び最大開き位置を含む)に位置しているときは、全体が投射範囲外に位置する(図7(B)及び図8(B)参照)。そこで、以下では、上記所定の突出位置を、「投射範囲脱出位置」と称する。
以下では、回動体31の第1の軸線周りの回動領域のうち、収容位置と投射範囲脱出位置と間の領域(但し、収容位置を含み、投射範囲脱出位置を含まない)を第1回動領域と称し、投射範囲脱出位置と最大開き位置との間(但し、投射範囲脱出位置及び最大開き位置を含む)の領域を第2回動領域と称する。
位置検出手段300は、回動体31が第1回動領域内及び第2回動領域内のいずれに位置しているかを検出するための手段である。位置検出手段300の検出信号は、プロジェクタ制御部115に出力される。プロジェクタ制御部115は、位置検出手段300からの検出信号に基づいて、上記光源駆動回路を介して上記3つのレーザダイオードLD1〜LD3を制御する。
位置検出手段300は、図9(A)に示されるように、V字ばね150、スイッチ152などを有している。なお、図9(A)〜図9(C)では、テレビ会議装置1000は、模式的に示されている。
V字ばね150は、一例として、XZ断面略V字状の金属製の部材から成り、V字の一辺部分がアーム36の収容位置に近い側の側面における回動支点(一軸ヒンジ38の軸)付近の箇所に取り付けられている。V字ばね150は、V字の一辺部分と他辺部分との成す角度が40°未満になると、開き方向の弾性力を発生させる。
スイッチ152は、電気的接点を有するスイッチボタン152a、電気的接点を有するボタン保持部材152bなどを含む。スイッチボタン152aは、回動体31の回動に伴うV字ばね150の回動領域内に、図示しない弾性部材によって+Z方向に付勢された状態でZ軸方向にスライド可能に、筐体10の内底面上に固定されたボタン保持部材152bに保持されている。
スイッチボタン152aが−Z方向に押圧されると、スイッチボタン152aの電気的接点と、ボタン保持部材152bの電気的接点とが接触し、両電気的接点それぞれに接続された不図示の配線を介してプロジェクタ制御部115に検出信号が出力されるようになっている。
具体的には、スイッチボタン152aがV字ばね150によって押圧されているときにのみ、プロジェクタ制御部115に検出信号が出力される。すなわち、スイッチボタン152aがV字ばね150によって押圧されていないときは、検出信号はプロジェクタ制御部115に出力されない。
そこで、投射範囲脱出位置と最大開き位置との間、すなわち第2回動領域内に位置している回動体31(図9(A)参照)を閉じ方向に手動で回動させると、回動体31は投射範囲脱出位置に差し掛かり、V字ばね150がスイッチボタン152aに当接する。このとき、回動体31から手を離すと、V字ばね150の開き方向の弾性力及びスイッチボタン152aに作用する+Z方向の付勢力によって、回動体31は投射範囲脱出位置で静止する(図9(B)参照)。
次いで、回動体31を投射範囲脱出位置から閉じ方向に僅かに回動させて第1回動領域内に位置させると、V字ばね150によってスイッチボタン152aが押圧され、プロジェクタ制御部115に検出信号が出力される。
回動体31を、V次ばね150の開き方向の弾性力に抗して、更に閉じ方向に回動させて、収容位置に位置させると、上記ロック機構の作用により、回動体31は、収容位置に係止される(図9(C)参照)。
一方、回動体31がロック機構によって収容位置に係止されているときに(図9(C))、ロック解除ボタン71を押圧してロック機構による回動体31の係止を解除すると、回動体31は、V字ばね150の作用により、収容位置から投射範囲脱出位置まで回動し(ポップアップし)、スイッチボタン152aの押圧が解除され、プロジェクタ制御部115に検出信号が出力されなくなる(図9(B)参照)。
そして、回動体31を、投射範囲脱出位置から更に開き方向に回動させると、V字ばね150がスイッチボタン152aから離間するため、依然としてプロジェクタ制御部115に検出信号は出力されない(図9(A)参照)。
そこで、本実施形態では、プロジェクタ制御部115は、位置検出手段300から検出信号が出力されているときは回動体31が第1回動領域内に位置していると判断し、位置検出手段300から検出信号が出力されていないときは回動体31が第2回動領域内に位置していると判断する。
以上の説明から分かるように、V字ばね150は、回動体31の位置を投射範囲脱出位置で保持する機能、回動体31が閉じ方向に回動されて投射範囲脱出位置を超えたときにスイッチボタンを押圧する機能、及び収容位置で係止が解除された回動体31を投射範囲脱出位置までポップアップさせる機能を有する。
以下に、図10を用いて、テレビ会議装置1000を用いる会議システム2000について説明する。この会議システム2000は、図10に示されるように、インターネットに接続された末端の複数(例えば2つ)のルータR1と、該複数のルータR1それぞれに接続された複数のルータR2とを有する通信網としてのLAN(Local Area Network)と、複数のルータR2のそれぞれに接続された複数(例えば3つ)のテレビ会議装置1000及び中継装置4と、インターネットに接続された通信管理装置5とを含む。
中継装置4は、所定の制御プログラムに従って、各種機能を実現させるコンピュータであり、通信網の品質(伝送速度)を常時モニタし、その伝送速度に適した解像度の画像データを設定するようになっている。すなわち、この中継装置4は、通信網の状態、テレビ会議装置1000の処理状況などの影響により、双方向通信時のテレビ会議装置1000同士において、画像データと音声データとにずれ(遅延)が生じていないかを常時検知し、音声データと画像データとにずれが生じている場合、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データの中から、そのずれが生じているテレビ会議装置1000に対し、最も適した解像度を選択し、相手側のテレビ会議装置1000に送信するようになっている。これにより、通信網の品質が悪化した場合でも、途切れずに動画像の通信が可能になっている。
また、この中継装置4は、画像データと音声データとのずれを解消するために、上述した解像度の変更の他、フレームレートの変更、両者のバランスを重視した解像度及びフレームレートの変更が可能になっている。このように中継装置4は、通信網の品質(伝送速度)を常時モニタし、ずれ検知、解像度の指定など、動画像および音声の転送にかかわる管理を行なっている。
通信管理装置5は、所定の制御プログラムに従って、全てのテレビ会議装置1000を管理するコンピュータであり、全てのテレビ会議装置1000の現在の動作状況(双方向通信中、通信待機中、非通電状態など)の把握、テレビ会議装置1000のデバイス認証、デバイス認証されたテレビ会議装置1000への宛先リストの付与、中継装置4の選定、テレビ会議装置1000同士の双方向通信に対する課金など、テレビ会議装置1000と中継装置4とを一元的に管理する。
以上のように構成される会議システム2000を用いるテレビ会議の一例を、図11及び図12を参照しつつ以下に説明する。図12のフローチャートは、プロジェクタ制御部115によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。ここでは、複数のメンバーでそれぞれ構成される複数(例えば12)のグループ間で、各グループがテレビ会議装置1000を1つ用いてテレビ会議を行う。
一のグループの複数のメンバー(例えば7人)は、図11に示されるように、例えば会議室内に配置されたY軸方向を長手方向とする平面視矩形のテーブルTの+X側、−X側及び−Y側にそれぞれテーブルT側を向いた状態で着座する。
テレビ会議装置1000は、回動体31が収容位置に位置する状態でテーブルTの上面の+Y側の端部に、その背面が+Y側に位置するように、すなわち回動体31が+Y側に位置するように載置される。この際、テレビ会議装置1000では、筐体10の上面の一部が背面側から正面側にかけて低くなるように傾斜しているため、その向きが容易に把握され、所望の向きに容易に向けることができる。
上述のようにテーブルT上に載置されたテレビ会議装置1000では、例えばその−X側かつ−Y側の斜め方向に位置するユーザ(一のグループのメンバー)によって、操作部70を介した各種操作が行われる。
また、ユーザによって、テレビ会議装置1000に対する電気及び通信に関する配線の接続(例えば、インターネットに接続される端子とLAN端子94とのケーブルを介した接続、画像出力端子92と外部機器(例えば液晶モニタ、液晶テレビなどの画像を表示可能な機器)に接続された端子とのケーブルを介した接続、画像入力端子90と外部機器(例えばDVDプレーヤー、PCなどの画像情報を出力可能な機器)に接続された端子とのケーブルを介した接続、電源ジャックと電源とのケーブルを介した接続など)が行われる。
そして、ユーザは、電源ボタン72(図1参照)を押してテレビ会議装置1000を起動させる。テレビ会議装置1000が起動されると、冷却装置80による制御装置60の冷却が開始される。
最初のステップS1では、回動体31が第2回動領域内に位置しているか否かが判断される。ここでは、回動体31は、収容位置に位置しているため、位置検出手段300からプロジェクタ制御部115に検出信号が出力されている。この場合、ステップS1での判断が否定され、ステップS1での判断が再び行われる。
そこで、ユーザによって、ロック解除ボタン71(図1参照)が押し下げられると、回動体31の筐体10に対する係止が解除され、V字ばね150のポップアップ機能により、回動体31は、収容位置から投射範囲脱出位置(総回動角度が例えば40°の位置)まで回動する。
回動体31が投射範囲脱出位置に位置したとき、位置検出手段300からプロジェクタ制御部115に検出信号が出力されなくなる。この場合、ステップS1での判断が肯定され、ステップS3に移行する。
ステップS3では、レーザダイオードが点灯されて、プロジェクタ20から画像情報に応じて変調された光がテーブルTの+Y側かつ+Z側の斜め上方に配置されたスクリーンS上に投射される。なお、プロジェクタ20の水平画角αは、一例として、20°〜40°に設定されている。また、レーザダイオードの点灯に伴い、冷却系24によるレーザダイオードの冷却が開始される。
先ず、スクリーンS上には、メニュー画面が表示される。このメニュー画面は、各種調整や会議の開始(双方向通信の開始)などの各項目がアイコンと文字情報で表示される。
また、回動体31が投射範囲脱出位置に位置したとき、撮影レンズ32a、吸気口16、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94が露出する。このとき、電子カメラ32は、被写体の画像を撮影可能な状態となる。また、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94それぞれに、対応するケーブルを接続可能となる。
そこで、ユーザは、回動体31を、投射範囲脱出位置から開き方向に例えば50°手動で回動させるとともに(図5(B)及び図6参照)、カメラハウジング34をアーム36に対して第2及び第3の軸線それぞれの周りに適宜手動で回動させることにより、電子カメラ32を、例えば一のクループのメンバー全員の姿がその撮影視野内に入る位置に位置させる。また、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94それぞれに、対応するケーブルを接続する。
次のステップS5では、回動体31が第1回動領域内に位置しているか否かが判断される。ここでは、回動体31は第2回動領域内に位置しているため、位置検出手段300からプロジェクタ制御部115に検出信号が出力されていない。この場合、ステップS5での判断は、否定され、ステップS5での判断が再び行われる。
なお、仮に、ユーザが、誤って、回動体31を第2回動領域から第1回動領域に回動させた場合には、位置検出手段300からプロジェクタ制御部115に検出信号が出力される。この場合、ステップS5での判断が肯定され、ステップS7に移行する。
ステップS7では、プロジェクタ20からの光の投射が停止される。すなわち、プロジェクタ制御部115は、各レーザダイオードを消灯させて、スクリーンS上の投影画像をミュートさせる。
次のステップS9では、回動体31が第2回動領域内に位置しているか否かが判断される。ここでは、回動体31は、第1回動領域内に位置しているため、位置検出手段300からプロジェクタ制御部115に検出信号が出力されている。この場合、ステップS9での判断は否定され、ステップS11に移行する。一方、ステップS9での判断が肯定されると、フローは、ステップS3に戻る。
ステップS11では、タイマー119による計時に基づいて、所定時間(例えば数分)が経過したか否かが判断される。この判断が否定された場合は、フローは、ステップS9に戻る。
そこで、ユーザが、ステップS11でのタイマー119による計時が開始されてから例えば数分以内に、すなわちステップS11での判断が否定され、ステップS9での判断が行われているときに、回動体31を掴んだまま又は回動体31から手を離して、回動体31を開き方向に回動させて第2回動領域内に位置させると、位置検出手段300からプロジェクタ制御部115に検出信号が出力されなくなり、ステップS9での判断が肯定される。この場合、フローは、ステップS3に戻り、プロジェクタ20から光が投射される。
このように、プロジェクタ20から光を投射した後、回動体31を第1回動領域内に位置させてプロジェクタ20からの光の投射を停止させたとしても、所定時間(例えば数分)以内に回動体31を第2回動領域内に位置させれば、即座に、プロジェクタ20から光を投射させることができる。
一方、ユーザが、ステップS11でのタイマー119による計時が開始されてから例えば数分以内に、回動体31を第2回動領域内に位置させなかった場合(例えば回動体31を収容位置に係止させた場合など)、位置検出手段300からプロジェクタ制御部115に依然として検出信号が出力されているため、ステップS9での判断が否定された後、ステップS11での判断が肯定され、ステップS13に移行する。
ステップS13では、CPU100に電源OFF信号が出力される。電源OFF信号を受けたCPU100は、電源部117を介して電源の供給を停止して、テレビ会議装置1000をシャットダウンする。ステップS13の後、フローは終了する。
以下では、ステップS5での判断が否定され、ステップS5での判断が再び行われていることを前提に話を進める。
ユーザは、プロジェクタ20の調整レバー(不図示)を適宜操作することで、スクリーンS上に表示される画面の大きさを適正な大きさにする(ズーム調整を行う)。また、プロジェクタ20では、前述したオートフォーカス機能により、スクリーンS上に表示される画像のピント調整が自動的に行われる。
また、ユーザは、カーソル75及び決定ボタン74を操作してメニュー画面上でプロジェクタ20の画像設定モードを選択及び決定し、スクリーンS上に画像設定モードを表示させる。そして、カーソル75及び決定ボタン74を操作して画像設定モードの各選択項目内の各種パラメータの値を選択及び決定することで、スクリーンS上に表示される画像の明暗、濃淡などを例えば会議室内の明るさなどに応じて調整する。なお、画像設定モードには、前述したズーム調整を、レンズ駆動装置を介してマニュアルで行うための選択項目もある。
次いで、ユーザは、カーソル75を操作して、上記メニュー画面上の会議の開始に関する項目を選択し、決定ボタン74を押して、会議の開始を決定する。
会議の開始が決定されると、一のテレビ会議装置1000は、その旨の信号を、通信網(LAN、インターネット)介して、通信管理装置5に送信する。このとき、通信管理装置5は、一のテレビ会議装置1000に対しデバイス認証を行い、その認証後、一のテレビ会議装置1000に、該一のテレビ会議装置1000以外の複数の他のテレビ会議装置1000(通信管理装置5に登録されているテレビ会議装置1000)の現在の動作状況を示した宛先リストを送信する。このとき、一のテレビ会議装置1000は、この宛先リストを、プロジェクタ20によりスクリーンS上に表示する。この宛先リストは、直感的な操作が可能なアイコン表示と文字情報とからなり、適宜、更新される。
ここで、ユーザは、カーソル75及び決定ボタン74を操作して、上記宛先リストからテレビ会議(双方向通信)を行いたい他のテレビ会議装置1000を選択及び決定する。
このようにして、宛先リスト中の非通電状態でない複数の他のテレビ会議装置1000の中から、双方向通信を行ないたい他のテレビ会議装置1000が選択及び決定されると、通信管理装置5は、複数の中継装置4の中から最適な中継装置4を選択する。通常は、一のテレビ会議装置1000と物理的に近い中継装置4が選択されるが、その中継装置4に何らかの不具合がある場合、他の中継装置4が選択される。例えば、図10に示されるように、一のテレビ会議装置1000のIPアドレスが(1.2.1.5)の場合、IPアドレスが(1.2.1.2)の中継装置4が選択されるが、その中継装置4がダウンしているときは、IPアドレスが(1.2.2.2)の中継装置4が選択される。なお、IPアドレスは、説明の便宜上、個々のテレビ会議装置1000に割り振られた固有のIPアドレスである(図10では、IPアドレスが括弧内の4つの数字で表されている。例えば通信管理装置5は(1.1.1.2))。
通信管理装置5により中継装置4が選択されると、即座に、その中継装置4を介して、IPアドレスに基づいて他のテレビ会議装置1000へ双方向通信の要求が送信される。他のテレビ会議装置1000では、その双方向通信の要求が着信すると、その要求の容認及び拒否それぞれに関する項目を、プロジェクタ20によりスクリーンS上に映し出されたメニュー画面上に表示する。
そこで、他のグループのメンバーは、他のテレビ会議装置1000のカーソル75及び決定ボタン74を操作することにより、上記容認及び拒否それぞれに関する項目のうちのいずれかを選択・決定する。そして、容認に関する項目が選択・決定されると、一及び他のテレビ会議装置1000間の双方向通信が開始される。
このとき、中継装置4は、上述したように、通信網の品質(伝送速度)を常時モニタしており、通信網の品質が悪化した場合、現在の解像度より一段下げた解像度の画像データに切り替えた中継、または、フレームレートを下げた中継、または、両者を下げた中継を行なう。通信管理装置5は、テレビ会議装置1000同士の双方向通信の開始と共に、そのテレビ会議装置1000同士の特定、通信時間の計測など、本実施の形態にかかる会議システム2000の使用に対する課金のための処理が実行される。
一及び他のテレビ会議装置1000間の双方向通信が開始されると、一のテレビ会議装置1000の電子カメラ32により入力される一のグループのメンバー全員の姿(画像)が、インターネット回線を介して通信相手の他のグループの他のテレビ会議装置1000に送信され、該他のテレビ会議装置1000に接続されたプロジェクタ20によりスクリーンS上に映し出される。また、他のテレビ会議装置1000の電子カメラ32により入力される他のグループのメンバー全員の姿(画像)が、インターネット回線を介して一のテレビ会議装置1000に送信され、該一のテレビ会議装置1000に接続されたプロジェクタ20によりスクリーンS上に映し出される。
ここで、一及び他のテレビ会議装置1000のCPU100は、電子カメラ32で撮像された画像を、所定のコーデックを用いて、高解像度(例えば、横が640画素、縦が480画素)、中解像度(例えば、横が320画素、縦が240画素)、低解像度(例えば、横が160画素、縦が120画素)の各画像品質となるようにエンコードし、そのエンコードした画像データを出力する。このエンコードした画像データは、一及び他のテレビ会議装置1000において、動画または間欠画像(一定時間間隔の静止画像)にデコード可能なデータであり、メニュー画面から、動画または間欠画像のいずれかに選択が可能になっている。また、テレビ会議に参加している複数のその他のグループのテレビ会議装置1000からの複数の画像データを合成処理して同時出力するピクチャー・イン・ピクチャー機能を始めとした多彩な画像表現が可能になっている。
また、一のテレビ会議装置1000のマイクロフォン52により一のグループの音声が入力され、該入力された音声は、インターネット回線を介して他のテレビ会議装置1000に送信され、そのスピーカー42により出力される。一方、他のテレビ会議装置1000のマイクロフォン52により他のグループの音声が入力され、該入力された音声は、インターネット回線を介して一のテレビ会議装置1000に送信され、そのスピーカー42により出力される。
ここで、ユーザ(一のグループのメンバー)は、テレビ会議が開始される前、及びテレビ会議が行われている間に、適宜、一対のボリュームボタン76a、76bを押してスピーカー42から出る音の音量を調整し、マイクミュートボタン78を押して一のグループ側の音声が通信相手の他のグループ側に出力されないようにする。また、ユーザは、適宜、メニューボタン77を押して、スクリーンS上にメニュー画面を呼び出し、カーソル75及び決定ボタン74を押してメニュー画面上の項目を選択及び決定することにより、所望の機能を実行する。
また、ユーザは、例えば被写体を切り替える場合などに、被写体の高さ及び向きに応じて、回動体31を開き方向又は閉じ方向に回動させるとともにカメラハウジング34をアーム36に対して第2軸及び第3軸周りに回動させて、電子カメラの高さ及び向きを調整する。
この際、回動体31を第1回動領域内に位置させたときには、ステップS5での判断が肯定され、プロジェクタ20からの光の投射が停止される(ステップS7)が、回動体31を所定時間(例えば数分)以内に第2回動領域内に位置させれば(ステップS9、ステップS11)、即座に、プロジェクタ20から光を投射させることができる(ステップS3)。
以上のようにして、画像及び音声の双方向通信によるテレビ会議が行われる。
なお、ユーザは、通信相手の他のグループを変更したいときには、回線ボタン73を押して、現に接続されている他のテレビ会議装置1000とのインターネット回線を切断する。このとき、スクリーンS上にメニュー画面が映し出され、そのメニュー画面上に上記宛先リストが表示される。
ここで、ユーザは、前述と同様に、一のテレビ会議装置1000のカーソル75及び決定ボタン74を操作して、次にテレビ会議を行いたい他のテレビ会議装置1000を選択及び決定する。そして、その選択及び決定された他のテレビ会議装置1000にて、前述と同様に、双方向通信が容認される操作が行われたときに、一及び他のテレビ会議装置1000間の双方向通信が開始される。以後、前述と同様に、テレビ会議が行われる。
テレビ会議が終了後、ユーザは、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94それぞれからケーブルを取り外す。
また、カメラハウジング34をアーム36に対して第2の軸線及び第3の軸線それぞれの周りに適宜回動させて回動体31を第2回動領域内で基準状態にし、基準状態にある回動体31を閉じ方向に回動させる。そして、回動体31が投射範囲脱出位置を超えて第1回動領域内に位置したときに、ステップS5での判断が肯定され、プロジェクタ20からの光の投射が停止される(ステップS7)。回動体31を更に閉じ方向に回動させて、収容位置に係止させておくと、自動的に、電源がOFFとなる(ステップS9、ステップS11、ステップS13)。
なお、ユーザは、電源ボタン72を押すことでテレビ会議装置1000への電力供給を強制的に停止させることもできる。このように電源ボタン72を押すと、テレビ会議装置1000をシャットダウンし、通信相手との通信を終了させることもできる。
テレビ会議装置1000は、回動体31が収容位置に位置された状態で、平面視A4版のサイズのほぼ平板状の形態となる。
そして、回動体31が収容位置に位置するとき、撮影レンズ32a、投射レンズ23a、吸気口16、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94が外部から遮蔽される。
以上説明した本実施形態のテレビ会議装置1000は、筐体10と、該筐体10に設けられたプロジェクタ20と、プロジェクタ20からの光の投射範囲内に一部が位置する第1回動領域内、又は第1回動領域に連続し、前記光の投射範囲外に全体が位置する第2回動領域内を、筐体10に相対的に回動可能に設けられた、電子カメラ32を有する回動体31と、回動体31が第1回動領域内及び第2回動領域内のいずれに位置しているかを検出するための位置検出手段300と、該位置検出手段300からの出力信号に基づいて、プロジェクタ20を制御する制御装置60と、を備えている。そして、制御装置60は、回動体31が第1回動領域内に位置しているとき、プロジェクタ20から光を投射させないように制御する。
この場合、プロジェクタ20から投射された光が回動体31に照射されることが防止され、ひいては回動体31の過熱による損傷を防止することができる。
また、ロック解除ボタン71を押圧する1つの動作で(ワンタッチ操作で)、回動体31を収容位置から第2回動領域内の投射範囲脱出位置に回動させ、プロジェクタ20から光を投射させることができる。
この場合、仮に回動体31を回動させること、及びプロジェクタ20から光を投射させることを別々に行う場合に比べて、操作が簡単である。
また、制御装置60は、回動体31が第2移動領域内に位置しているとき、プロジェクタ20から画像情報に応じて変調された光を投射させる。
この場合、テレビ会議装置1000の一部によって、プロジェクタ20から投射される光が遮られることがないので、スクリーンS上に所望の画像を投影することができる。
また、位置検出手段300は、回動体31の第2回動領域内の投射範囲脱出位置から第1回動領域内の投射範囲脱出位置から最も離れた位置である収容位置に向けての回動に伴って、回動体31を投射範囲脱出位置に向けて付勢するV字ばね150を有し、回動体31がV字ばね150によって付勢されるときに、制御装置60に検出信号を出力する。
この場合、簡易な構成及び制御で、回動体31が第1回動領域内及び第2回動領域内のいずれに位置しているかを検出することができる。
また、V字ばね150の開き方向の弾性力によって、第2回動領域内に位置する回動体31が投射範囲脱出位置から自重によって第1回動領域内に進入することを阻止することができる。
また、V字ばね150の作用によって、収容位置でロック(係止)が解除された回動体31を、投射範囲脱出位置までポップアップさせることができる。このため、回動体31のロックを解除してから即座に、プロジェクタ20から光を投射させることができる。
また、位置検出手段300は、回動体31がV字ばね150によって付勢されるときの回動体31の回動に機械的に連動して−Z方向に変位し、V字ばね150による回動体31の付勢が解除されるときの回動体31の回動に機械的に連動して+Z方向に変位するスイッチボタン152aを更に有し、スイッチボタン152aの−Z方向の変位に伴い、制御装置60に検出信号を出力する。
この場合、回動体31の回動とスイッチボタン152aの変位とを機械的に連動させているため、回動体31が第1回動領域内及び第2回動領域内のいずれに位置しているかを安定して精度良く検出することができる。
また、回動体31の回動に伴い、回動体31に取り付けられたV字ばね150を介してスイッチボタン152aを押圧する構成を採用しているため、部品点数の削減を図ることができる。
また、回動体31が第2回動領域内に位置してから第1回動領域内に位置したときに、電源をOFFさせず、プロジェクタ20を所定時間(例えば数分)待機状態にしているため、スクリーンS上に画像を即座に再投影させることができる。
一方、仮に回動体31が第2回動領域内に位置してから第1回動領域内に位置したときに、即座に電源をOFFさせる場合、スクリーン上に画像を再投影させるためには、装置を再起動する必要があり、時間が掛かってしまう。
また、回動体31を筐体10に対して第1の軸線周りに相対的に回動させるだけで、投射レンズ23a及び撮影レンズ32aを露出又は遮蔽できる。すなわち、投射レンズ23a及び撮影レンズ32aを、手間を掛けずに露出又は遮蔽できる。
また、各レンズを保護するためのキャップが不要である。また、回動体31が収容位置に位置するときに、各レンズを保護するとともに、該レンズに異物が付着することを防止することができる。なお、投射レンズ23aに異物が付着していると投射される画像の品質が低下するおそれがあり、撮影レンズ32aに異物が付着していると相手方に送信される画像の品質が低下するおそれがある。
すなわち、テレビ会議装置1000を、各レンズが遮蔽される不使用時の形態と各レンズが露出する使用時の形態との間で、容易に移行させることができる。
また、回動体31が第2回動領域内に位置するとき、電子カメラ32は、プロジェクタ20から離間する。この場合、プロジェクタ20の稼動時、すなわちプロジェクタ20から光を投射しているときに、電子カメラ32にプロジェクタ20で発生した熱が伝わることを極力抑制することができ、ひいては電子カメラ32の損傷を防止できる。
また、回動体31が収容位置に位置するとき、吸気口16が遮蔽され、回動体31が露出位置に位置するとき、吸気口16が露出される。
この場合、テレビ会議装置1000の不使用時に吸気口16を介して筐体10内に例えば塵、埃等の異物が入ることを抑制することができ、テレビ会議装置1000の使用時に吸気口16を介して筐体10内にエアを効率良く流入させることができる。なお、筐体10内に異物が入ると、例えばプロジェクタ20、制御装置60などにトラブルが発生するおそれがある。
また、回動体31が収容位置に位置するとき、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94が遮蔽され、回動体31が露出位置に位置するとき、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94が露出される。
この場合、テレビ会議装置1000の不使用時に各端子に異物が付着することを抑制することができ、テレビ会議装置1000の使用時に各端子に対応するケーブルを接続することができる。なお、各端子に異物が付着すると、外部機器、ネットワーク等との情報の入出力に支障を来たすおそれがある。
また、テレビ会議装置1000は、不使用時の形態では、小型かつ薄型で、携帯性に優れ、例えばそのまま小脇に抱えて、又はバッグなどに簡単に収納して持ち運ぶことができる。このため、専用の会議室のような場所に特に限定されず、様々な場所に持ち込んで、使用することができる。
以下に、本発明のいくつかの変形例を説明する。各変形例では、上記実施形態と異なる点を主に説明し、上記実施形態と同様の構成を有する部材には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
《第1変形例》
第1変形例は、図13(A)及び図13(B)に示されるように、回動体の形状及び取り付け位置が上記実施形態と異なる。
第1変形例では、図13(A)に示されるように、回動体430が収容位置に位置するときに画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94が露出するように、回動体430の形状及び取り付け位置が設定されている。
具体的には、回動体430は、上記実施形態の回動体31に比べて、アーム436の長手方向に直交する方向(短手方向)の寸法が短くされ(例えば半分程度にされ)、かつ一軸ヒンジ38の位置、すなわち回動支点の位置が+Z側にずらされている。換言すると、回動体430は、回動体31から、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94に対向する部分が取り除かれた形状を有している。
また、図13(B)に示されるように、回動体430が突出位置に位置するときも、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94は露出している。
すなわち、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94は、回動体430の位置に関わらず、常に露出している。
第1変形例によれば、回動体430の位置に関わらず、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94それぞれに対して、対応するケーブルを着脱することができる。
特に、回動体430が第1回動領域内に位置し、プロジェクタ20から光が投射されていないときに、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94に対するケーブルの着脱を行うことができるため、火傷等を防止できる。
《第2変形例》
第2変形例は、図14に示されるように、電子カメラ32及びプロジェクタ20の位置が上記実施形態と異なる。
第2変形例では、回動体31が筐体に対して上記実施形態と逆向きに取り付けられている。
筐体250に形成された段付き凹部12では、長奥行き凹部12aが−X側に位置し、短奥行き凹部12bが+X側に位置している。
そして、回動体31が段付き凹部12に収容された状態では、電子カメラ32が収容されたカメラハウジング34が長奥行き凹部12a内に位置し、アーム36が短奥行き凹部12b内に位置している。
この場合、撮影レンズ32aは、長奥行き凹部12aを定める−Y側の面に近接して対向している。また、投射レンズ23a、吸気口16、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94は、アーム36に近接して対向している。
ここで、アーム36の材料として、例えばアルミニウム(熱伝導率237W/m・K)などの放熱性が高い材料が用いられている。このため、プロジェクタ20で発生する熱を効率的に外部に逃がすことができ、電子カメラ32に熱が伝わることを抑制でき、ひいては電子カメラ32の損傷を防止できる。
なお、「放熱性が高い材料」とは、ABS樹脂等のプラスチックの熱伝導率(例えば0.1〜0.4W/m・k)よりも大きな熱伝導率を有する材料を意味する。
なお、アーム36の材料として放熱性が高い材料を用いることに代えて、アームに放熱シート、冷却パッド(放熱シリコン素材等、熱伝導率が1〜20W/m・K程度のもの)を取り付けても良い。
また、上述のようにアーム36又はアーム36に取り付けられた部材からの放熱性を高めることに代えて又は加えて、カメラハウジング34の材料として、上記ABS樹脂等のプラスチック(熱伝導率(例えば0.1〜0.4W/m・k))などの放熱性が高くない材料(断熱性を有する材料)を用いても良いし、カメラハウジング34とアーム36との間(例えば二軸ヒンジ)に断熱材を設けても良いし、カメラハウジング34とアーム36との間の隙間を大きくしても良い。
この場合、プロジェクタ20で発生しアーム36に伝わった熱が電子カメラ32に伝わることを抑制でき、ひいては電子カメラ32の損傷を防止できる。
第2変形例によれば、回動体31が収容位置に位置する状態で、電子カメラ32及びプロジェクタ20が互いに離れた位置に位置するため、プロジェクタ20の稼動時にプロジェクタ20で発生した熱が電子カメラ32に伝わることを抑制でき、ひいては電子カメラ32の損傷を抑制できる。
《第3変形例》
第3変形例は、図15に示されるように、回動体310、プロジェクタ、画像入力端子90、画像出力端子92、LAN端子94の位置が上記実施形態と異なる。
第3変形例では、図15に示されるように、段付き凹部12に代えて、筐体200の+Z側の面の+Y側の端部にX軸方向のほぼ全域に亘って延びる凹部120が形成されている。凹部120内には、回動体310が平面視でほぼ嵌合した状態で収容されている。凹部120を定める+Y側の面の−X側部分には、切り欠き120aが形成されている。
収容位置にある回動体310では、電子カメラは、撮影レンズ32aが−Z側に向けられた状態で凹部120の+X側に収容されており、アーム360は、凹部120の−X側に収容されている。
アーム360は、XY平面に平行な扁平形状の中空部材から成る。画像入力ユニット310が収容位置にあるとき、アーム360の−Z側には、メインボード62に実装された画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94がX軸方向に並んで位置している。
プロジェクタ20は、図示は省略されているが、筐体200内における+X側に収容されている。投射レンズ23aは、凹部120を定める−Y側の面の+X側部分に形成された開口に嵌め込まれている。吸気口16は、凹部120を定める−Y側の面における投射レンズ23aが嵌め込まれた開口の+X側に形成されている。
以上より、回動体310が収容位置にあるとき、撮影レンズ32aは、筐体200の凹部120を定める底面(−Z側の面)に近接して対向し、投射レンズ23a及び吸気口16は、筐体200の凹部120を定める−Y側の面に近接して対向し、画像入力端子90、画像出力端子92及LAN端子94は、凹部120内においてアーム360の−Z側の面に対向している。
すなわち、回動体310が収容位置にあるとき、投射レンズ23a、吸気口16、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94は、遮蔽されている。
また、回動体310が収容位置から所定角度(例えば90°)回動されると、投射レンズ23a、吸気口16、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94が、露出する(図16参照)。
この場合、投射レンズ23aは、切り欠き120aに面して(対向して)おり、切り欠き120aを介して光を筐体200外に投射可能となっている。また、吸気口16も、切り欠き120aに対向しており、吸気口16を介して筐体200内にエアを効率良く流入させることが可能となっている。なお、切り欠き120aは、投射範囲を含むように形成されており、プロジェクタ20から投射された光が筐体200の+Y側の側壁に照射されることはない。
結果として、回動体310は、投射レンズ23a、吸気口16、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94が遮蔽される収容位置と、投射レンズ23a、吸気口16、画像入力端子90、画像出力端子92及びLAN端子94が露出される突出位置との間で回動可能である。
第3変形例によれば、上記実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第3変形例において、例えば、プロジェクタ20を筐体200内における−X側に配置することとしても良い。この場合、回動体310が収容位置に位置するときに、電子カメラ32とプロジェクタ20とが近接しないため、プロジェクタ20で発生した熱が電子カメラ32に伝わることを抑制でき、ひいては電子カメラ32の損傷を防止できる。
なお、プロジェクタ制御部によるプロジェクタ20の制御は、上記実施形態で説明したものに限定されない。
例えば、回動体が収容位置に位置しているときに、ロック解除ボタン71が押圧されて回動体のロック(係止)が解除されたときに、プロジェクタ制御部にロック解除信号が出力され又はロック信号が出力されなくなり、そのタイミングに基づいて、レーザダイオードLD1〜LD3の点灯を制御することとしても良い。
具体的には、位置検出手段は、係止解除手段によって回動体の係止が解除されたことを検出する検出部を有している。より詳細には、検出部は、一例として、ロック機構のフック部材に設けられた電気的接点と、回動体に設けられた電気的接点と、これら両電気的接点それぞれとプロジェクタ制御部とを接続する配線とを有している。そして、フック部材と回動体とが係止しているとき又はその係止が解除されているときに、両電気的接点が接触して、プロジェクタ制御部に信号(ロック信号又はロック解除信号)が出力されるようになっている。
そして、回動体が収容位置に位置する状態でテレビ会議装置1000が起動された後、プロジェクタ制御部は、検出部からロック解除信号が出力されたタイミング又はロック信号が出力されなくなったタイミングに基づいて、回動体が第2回動領域内に位置しているか否かを判断する。
ここで、収容位置に位置している回動体は、ロックが解除されると、V字ばね150の作用によって、開き方向に回動し、所定時間(例えば数秒)後には、投射範囲脱出位置に到達する。
そこで、プロジェクタ制御部は、検出部からロック解除信号が出力され又はロック信号が出力されなくなってから所定時間(例えば数秒)が経過したときに、プロジェクタ20から光を投射する。
すなわち、プロジェクタ制御部は、回動体のロックが解除されてから所定時間(例えば数秒)が経過したときに、回動体が第2回動領域内に位置していると判断する。なお、上記所定時間は、V字ばね150の作用によって回動体が収容位置から第2回動領域内(投射範囲脱出位置)まで回動する時間以上の時間であれば良い。
なお、プロジェクタ制御部は、位置検出手段300からの検出信号の有無によっても、回動体が第1回動領域内及び第2回動領域内のいずれに位置しているかを判断できるが、ロック解除信号を受信したときには、検出信号に優先して、ロック解除信号又はロック信号に基づくプロジェクタ20の制御を行う。一方、ロック解除信号又はロック信号を受信しないときは、検出信号の有無によって、プロジェクタ20の制御を行う。
このように、回動体のロック解除に基づいてプロジェクタ20を制御することで、例えば位置検出手段300に故障等の不具合が発生しても、回動体が収容位置に位置しているときにプロジェクタ20から光が照射されることを防止でき、ひいては回動体及びその他の部材の過熱による損傷を防止できる。また、回動体のロックが解除され、回動体が第2回動領域内に位置したときに、プロジェクタ20から光を投射することができる。
また、ロック解除ボタン71が、電源ONボタンを兼ねても良い。この場合、ロック解除ボタン71を押圧する1つの操作で、電源をONすることと、回動体を収容位置から投射範囲脱出位置に回動させることを並行して行うことができる。この場合、電源ON後、所定時間経過後に、プロジェクタ20から光を投射させても良い。
この場合、回動体を収容位置から第2回動領域に回動させるとともに電源がONとなるため、回動体を第2回動領域に回動させることなく会議を開始してしまうこと(相手側に映像が送信されないこと)が防止される。
さらに、上記ロック機構に電源OFF機能を持たせても良い。すなわち、ロック機構のフック部材が収容位置に位置した回動体を係止したときに、電源をOFFさせるようにしても良い。
この場合、回動体を第2回動領域内から収容位置に回動させることで、電源をOFFできるため、電源の消し忘れを防止できる。
なお、上記実施形態では、スイッチボタンが押圧されたときに検出信号が出力されているが、これに代えて、スイッチボタンの押圧が解除されたときに検出信号が出力されるようにしても良い。この場合、例えば、位置検出手段300にトラブルが発生し、検出信号を出力できなくなっても、回動体の位置に関わらず、プロジェクタ20から光が投射されることはないため、回動体の過熱による損傷を防止できる。
また、上記実施形態及び各変形例では、V字ばね150は、回動体31に取り付けられているが、スイッチボタン152aに取り付けられても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、V字ばね150の一辺部分と他辺部分とが成す角度が40°とされているが、これに限らず、投射範囲の大きさ、すなわち投射範囲脱出位置に応じて、40°未満又は40°よりも大きくしても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、位置検出手段は、回動体が第1回動領域内及び第2回動領域内のいずれに位置しているかを、V字ばね150とスイッチ装置152を用いて検出することとしているが、これに限られない。
例えば、ジャイロセンサで回動体の角速度を検出し、検出した角速度と回動時間との積を算出して、回動体が第1回動領域内及び第2回動領域内のいずれに位置しているかを検出することとしても良い。また、スイッチボタンに代えて、スイッチレバーを用いても良い。また、V次ばねでスイッチボタンを押圧せずに、回動体でスイッチボタンを押圧しても良い。また、光学センサを第1回動領域と第2回動領域との境界付近に配置し、回動体を直接的に検出することとしても良い。
V字ばねに代えて、例えば、一軸ヒンジ38をトーションばね(ねじりばね)で開き方向に付勢して、回動体をポップアップさせるようにしても良い。この場合、回動体でスイッチボタンを押圧することとしても良い。
また、スイッチボタン152aに、電源ボタンとしての機能も持たせても良い。具体的には、スイッチボタン152aが押圧されたときに、電源がONからOFFとなり、スイッチボタン152aの押圧が解除されたときに、電源がOFFからONとなれば良い。
また、V字ばね150を設けずに、回動体を収容位置から突出位置に向けて手動で回動させることとしても良い。この場合、ロック機構を設けなくても良い。そして、例えば、回動体が収容位置に位置していることを例えばセンサなどで検出可能とし、検出時にプロジェクタから光を投射させないようにしても良い。さらに、回動体が第1回動領域内に位置しているときに自重によって収容位置に向けて回動し、かつ第2回動領域内の所定範囲の位置(例えば総回動角度が40°〜135°の位置)で位置が保持できるように一軸ヒンジ38の保持トルクを調整しても良い。
また、上記実施形態の図12のステップS7に代えて、電源OFF信号を出力して、テレビ会議装置をシャットダウンしても良い。この場合、消費電力を極力抑えることができる。
また、上記実施形態及び各変形例では、プロジェクタ制御部は、回動体が第1回動領域内に位置していると判断したとき、プロジェクタから光を投射させないようにしているが、これに代えて、回動体に照射させても過熱による損傷を与えない黒色光を投射させても良い。要は、回動体が第1回動領域に位置しているときに、プロジェクタから黒色光以外の光を投射させないようすれば良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、回動体の回動に伴うプロジェクタ20の制御をプロジェクタ制御部115によって行っているが、プロジェクタ制御部115を設けずに、例えば、CPU100で行っても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、筐体に凹部が形成され、該凹部に回動体が収容可能となっているが、筐体に凹部を形成せず、回動体を筐体に外付けすることとしても良い。要は、回動体が収容位置と突出位置との間で筐体に対して回動可能に筐体に設けられれば良い。
また、プロジェクタの構成は、上記実施形態及び各変形例で説明したものに限られない。
例えば、レーザダイオードの数は、3つに限られない。例えば、白色光を射出する1つのレーザダイオードを用いて、その白色光を例えばカラーホイール、色分解手段で3色の光に分けた後、例えばダイクロイックプリズムなどの色合成手段で合成することで、カラー画像を形成することとしても良い。また、例えば1つのレーザダイオードを用いてモノクロ画像を形成することとしても良い。この場合、色分解手段及び色合成手段を設ける必要がない。
また、レーザダイオード(半導体レーザ)に代えて、例えば他のレーザ、水銀ランプなどの光源を用いても良い。
また、光学系は、レンズユニット23の前段に、少なくとも1つの液晶パネル、マイクロレンズアレイ、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)、光偏向器、自由曲面ミラーなどを有していても良い。
上記実施形態及び各変形例では、凹部を定める−Y側の面に通気口としての吸気口16が設けられ、回動体の回動に伴って吸気口16が露出又は遮蔽されるようになっているが、これに代えて、例えば凹部を定める−Y側の面に通気口としての排気口を設けて、回動体の回動に伴って排気口が露出又は遮蔽されるようにしても良い。この場合、吸気口は、排気口の位置に応じた適正な位置に設ければ良い。
メインボード62に実装された複数の端子(コネクタ)の種類及び数は、上記実施形態及び各変形例で説明したものに限られず、適宜変更可能である。
上記実施形態及び各変形例では、筐体10は、平面視矩形に形成されているが、これに限られず、例えば、平面視多角形(但し、矩形を除く)、平面視円形、平面視楕円形などの他の形に形成しても良い。
また、本実施形態のテレビ会議装置1000に用いる会議装置用プログラムを、パソコンを利用したソフトウェアベースのものと同等とすることで、中継装置4や通信管理装置5の不要な会議システムが構築可能(LANやWANのみを用いた会議システムも構築可能)となる。このように本実施の形態にかかるテレビ会議装置1000は、上述した会議システム2000の構築に用いることに限定されない。
上記実施形態及び各変形例では、本発明の会議装置の一例として、画像及び音声の双方向通信(送受信)が可能なテレビ会議装置1000について説明したが、本発明の会議装置は、これに限られない。すなわち、本発明の会議装置は、テレビ会議装置としてだけでなく、例えば電話会議装置として用いることも可能である。
また、上記実施形態及び各変形例では、電子カメラ32で入力した画像(例えばユーザの姿、書画など)を会議の相手先に送信しているが、これに限らず、例えば一のテレビ会議装置の電子カメラ32により入力した画像(例えばユーザの姿、書画など)を該一のテレビ会議装置のプロジェクタ20によりスクリーンS上に投射しても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、会議の相手先から送られてきた画像をプロジェクタ20によりスクリーン上に投射しているが、これに限らず、例えば、プロジェクタ20によりスクリーン上に投射した画像(例えばユーザの姿、書画など)を電子カメラ32により入力して、入力された画像を相手先に送信しても良い。
本発明の会議装置は、以上説明した以外にも、様々な用途に用いることができる。