以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.レジ釣銭機の構成]
図1に外観を示すように、レジ釣銭機1は、大きく分けて上側のレジスタ部2と、下側の釣銭処理部3とにより構成されている。このレジ釣銭機1は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアのような小売店舗の精算所(いわゆるレジ)において、顧客が購入したい商品を精算する際に、レジ係員により操作されるようになされている。
なお以下では、レジ係員が対峙する側面及びその反対面をそれぞれ前面及び後面とし、さらに当該レジ係員から見て左右及び上下を定義して説明する。
レジスタ部2は、内蔵された統括制御部5によりレジ釣銭機1全体を統括制御するようになされている。またレジスタ部2には、図示しないバーコードリーダが接続されており、商品に付されたバーコードをこのバーコードリーダで読み取ることにより、当該商品を認識するようになされている。
表示操作部6は、液晶ディスプレイ等でなる表示部6Aと、当該液晶ディスプレイに重ねて配置されたタッチパネル等でなる操作部6Bとにより構成されている。
表示操作部6は、認識した商品の名称や金額等を液晶ディスプレイに表示する。また表示操作部6は、表示画面の一部に数字等の入力キーを表示しており、タッチパネル上の入力キーに対応する箇所が押下操作されると、当該入力キーに対応した入力操作を受け付けて統括制御部5へ送信する。これに応じて統括制御部5は、商品の数量の増減や金額の修正等の各処理を行うようになされている。
またレジスタ部2には、レシート処理部7が内蔵されている。レシート処理部7は、認識した商品の名称や金額等をレシートに印字し、これをレシート排出口7Aから排出するようになされている。
一方、釣銭処理部3は、大きく分けて、左側の硬貨処理部11と、右側の紙幣処理部12と、前側上部の操作部13とにより構成されている。
硬貨処理部11の前面には、上段に硬貨入金口14が設けられ、その下方にリジェクト口15及び硬貨出金口16が設けられている。
硬貨入金口14は、すり鉢状にえぐられたような形状に形成されると共に、その底部に硬貨を1枚ずつ取り込む取込機構が組み込まれている。また硬貨入金口14には、所定箇所に硬貨の有無を検出するセンサ(図示せず)が組み込まれている。
リジェクト口15及び硬貨出金口16は、いずれも硬貨処理部11の前面下部から前方へ突出しており、それぞれ上部中央が椀状にえぐられたような形状となっている。また硬貨出金口16にも、所定箇所に硬貨の有無を検出するセンサ16Sが組み込まれている。さらに硬貨出金口16の後方には、後述する釣銭制御部21により指示された金種の硬貨を指示された枚数ずつ出金する出金部17が内蔵されている。
紙幣処理部12の前面には、紙幣を外部から取り込み、また外部へ排出する紙幣入出金口18が設けられている。紙幣入出金口18の後方には、後述する釣銭制御部21により指示された金種の紙幣を指示された枚数ずつ出金する出金部19が内蔵されている。
操作部13は、LED(Light Emitting Diode)等が組み込まれた表示パネル及び複数の操作ボタンの組み合わせにより構成されている。
操作部13の表示パネルは、硬貨処理部11及び紙幣処理部12における稼働状況を表示するようになされており、例えば硬貨処理部11において釣銭用の硬貨が不足していることや、内部で異常を検出したこと、或いはその箇所等を表示する。
操作部13の操作ボタンは、レジ係員等による押下操作を介して、例えば硬貨の搬送等に関する指示を受け付けるようになされている。
さらに釣銭処理部3の内部には、釣銭制御部21が設けられている。釣銭制御部21は、図2にブロック構成を示すように、CPU(Central Processing Unit)22を中心に構成されており、フラッシュメモリ等でなるメモリ23から釣銭出金プログラム等の各種プログラムを読み出して実行することにより、釣銭処理部3を統括制御するようになされている。
また釣銭制御部21のCPU22は、I/O(Input / Output)ポート24及び25を介して硬貨処理部11及び紙幣処理部12に組み込まれている複数のモータ、ソレノイド及びセンサとそれぞれ接続され、I/Oポート26を介して操作部13の操作スイッチ及び表示パネルとそれぞれ接続されている。
さらに釣銭制御部21のCPU22は、レジスタ部2に組み込まれている統括制御部5のCPU31とも接続されており、互いに連携して各種処理を実行するようになされている。因みに統括制御部5のCPU31は、メモリ32から各種プログラムを読み出して実行することにより、レジスタ部2及びレジ釣銭機1全体を制御するようになされている。
実際の精算処理において、統括制御部5は、所定の精算処理プログラムを実行し、また釣銭制御部21に所定の入金プログラムを実行させる。
例えば、レジ係員が顧客から商品の代金として紙幣及び硬貨を預かると、紙幣はレジ係員により紙幣入出金口18(図1)へ投入され、硬貨はレジ係員によりまとめて硬貨入金口14(図1)へ投入される。
硬貨入金口14は、センサにより硬貨が投入されたことを検出すると、釣銭制御部21の制御に基づき、硬貨を1枚ずつ取り込み、図示しない硬貨鑑別部へ受け渡す。
釣銭制御部21は、硬貨鑑別部により硬貨の金種(例えば1円、5円、10円、50円、100円及び500円の6種類)及び真偽等を鑑別させ、異常であれば当該硬貨をリジェクト口15から排出させ、正常であれば当該硬貨を金種毎の収納庫(図示せず)に収納させる。
また釣銭制御部21は、紙幣処理部12により紙幣の金種及び真偽等を1枚ずつ鑑別した上で、内部の収納庫(図示せず)へ収納する。
ここで釣銭制御部21は、入金された金額を算出し、統括制御部5へ通知する。これに応じて統括制御部5は、入金額から商品の代金を差し引くことにより釣銭額CHを算出して釣銭制御部21へ通知すると共に、当該釣銭制御部21に釣銭出金プログラムを実行させる。
釣銭制御部21は、図3(A)に示すように、表示操作部6の右下部分に釣銭表示欄CCを設けた上で、当該釣銭表示欄CC内に比較的大きな数字により釣銭額CHを表示する。この釣銭表示欄CCは、レジ係員から目視しやすく、また顧客からも容易に目視できるよう、数字の大きさや配色等が適切に定められている。
また釣銭制御部21は、釣銭額CHに応じた紙幣を紙幣入出金口18から出金させると共に、釣銭額に応じた硬貨を出金部17により内部の収納庫から繰り出させ、硬貨出金口16から出金させる(詳しくは後述する)。
これに応じてレジ係員は、レシート処理部7(図1)により精算内容を印字したレシートと共に、紙幣及び硬貨を釣銭として顧客に手渡すことにより、一連の精算処理を完了するようになされている。
[1−2.釣銭出金処理]
ところで釣銭処理部3では、釣銭のうち特に硬貨を出金する際、全額を一括して出金するのではなく、桁毎に分けて出金するようになされている。ここでは、釣銭処理部3により釣銭額CHに応じた紙幣及び硬貨を釣銭として出金する釣銭出金処理について、詳細に説明する。
この釣銭出金処理を行う際、釣銭制御部21は、メモリ23から釣銭出金プログラムを読み出してCPU22において実行する。これにより釣銭制御部21は、図4に示すように、枚数決定部41、桁選定部42、出金指示部43及び表示制御部44といった各機能ブロックを構成するようになされている。
枚数決定部41は、統括制御部5から釣銭額CHの通知を受けると、その金額に応じて出金すべき紙幣及び硬貨の枚数を金種毎に決定し、これを桁選定部42及び出金指示部43へ供給する。
桁選定部42は、釣銭額CHのうち未出金の額(以下これを残額と呼ぶ)を桁毎に分解した上で、残額のうち最大の桁を出金対象とすべき一桁(以下これを対象桁DGと呼ぶ)を選定し、出金指示部43へ通知する。
出金指示部43は、対象桁DGに対応する金種の紙幣又は硬貨について、枚数決定部41において決定された枚数だけ出金させる出金指示を生成し、これを出金部17又は19へ供給する。これに応じて出金部17及び19は、出金指示により指示された金種の紙幣又は硬貨を指示された枚数だけ出金する。
表示制御部44は、表示操作部6(図1)の表示部6Aに表示命令を供給することにより、表示画面内の釣銭表示欄CC(図3(A))に釣銭額CHを表示させ、また対象桁DGに応じてその表示を変更させるようになされている。
そして釣銭制御部21は、図5に示す釣銭出金処理手順RT1に従って各機能ブロックによる各処理を順次実行することにより、釣銭を出金するようになされている。
すなわち釣銭制御部21は、釣銭出金プログラムを実行すると釣銭出金処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。ステップSP1において釣銭制御部21は、統括制御部5から釣銭額CHを取得して枚数決定部41及び表示制御部44(図4)へ供給し、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2において釣銭制御部21は、表示制御部44(図4)から表示操作部6(図1)の表示部6A(図4)へ所定の表示命令を供給することにより、表示画面内の釣銭表示欄CC(図3(A))に釣銭額CHを表示させ、次のステップSP3へ移る。因みに釣銭額CHは、例えば白地に黒色の数字により表示される。
ステップSP3において釣銭制御部21は、残額の初期値として釣銭額CHと同一の値を設定し、次のステップSP3へ移る。
ステップSP4において釣銭制御部21は、枚数決定部41(図4)により、釣銭として出金すべき紙幣及び硬貨の金種毎の枚数を決定し、これを桁選定部42及び出金指示部43へ供給して、次のステップSP4へ移る。
ステップSP5において釣銭制御部21は、釣銭として紙幣を出金すべきであるか否か、換言すれば釣銭額CHが1000円以上であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、釣銭制御部21は次のステップSP5へ移る。
ステップSP6において釣銭制御部21は、出金指示部43から紙幣の出金指示を出金部19へ供給することにより、釣銭額CHのうち1000円の桁の部分を出金し、次のステップSP7へ移る。
ステップSP7において釣銭制御部21は、残額から出金済の金額を差し引くことにより当該残額を更新し、次のステップSP8へ移る。
一方、ステップSP5において否定結果が得られた場合、このことは釣銭として紙幣を出金する必要がないことを表しており、このとき釣銭制御部21は次のステップSP8へ移る。
ステップSP8において釣銭制御部21は、残額が0よりも大きいか否か、換言すれば釣銭として硬貨を出金する必要があるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、釣銭制御部21は次のステップSP9へ移って硬貨出金処理を行う。
ステップSP9において釣銭制御部21は、図6に示す硬貨出金サブルーチンSRT1を開始して、ステップSP11へ処理を移す。
ステップSP11において釣銭制御部21は、桁選定部42(図4)により、残額のうち最大の桁を対象桁DGとして選定し、これを出金指示部43及び表示制御部44へ通知して、次のステップSP12へ移る。
ステップSP12において釣銭制御部21は、表示制御部44により、例えば図3(B)に示すように、表示画面内の釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGの色を他の桁と異なる色(例えば赤色)に変更し、次のステップSP13へ移る。
ステップSP13において釣銭制御部21は、出金指示部43により、対象桁DGの硬貨のみを出金させる出金指示を生成し、これを出金部17へ供給してから次のステップSP14へ移る。
これに応じて出金部17は、出金指示に従い、対象桁DGの硬貨のみを硬貨出金口16(図1)へ出金する。このときレジ係員は、表示部6Aの釣銭表示欄CCを参照しながら、硬貨出金口16に出金された硬貨を取り出し、これを顧客へ返金する。
ステップSP14において釣銭制御部21は、残額から出金済の金額を差し引くことにより当該残額を更新し、次のステップSP15へ移る。
ステップSP15において釣銭制御部21は、桁選定部42により、残額が0よりも大きいか否か、すなわち釣銭のうち未だ出金していない硬貨があるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、釣銭制御部21は次のステップSP16へ移る。
ステップSP16において釣銭制御部21は、桁選定部42により硬貨出金口16のセンサ16Sから検出信号を取得したか否かを基に、当該硬貨出金口16から硬貨が取り出されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、釣銭制御部21は、このステップSP15を繰り返すことにより硬貨出金口16から硬貨が取り出されるのを待ち受ける。
一方、ステップSP16において肯定結果が得られると、釣銭制御部21は次の対象桁DGを選定した上で出金処理を行うべく、再度ステップSP11へ戻って一連の処理を繰り返す。
また、ステップSP15において否定結果が得られると、このことは釣銭額CHの全てを出金し終えたことを表しており、このとき釣銭制御部21は次のステップSP17へ移る。
ステップSP17において釣銭制御部21は、硬貨出金サブルーチンSRT1を終了して元の釣銭出金処理手順RT1(図5)へ処理を戻し、次のステップSP10へ移って釣銭出金処理手順RT1を終了する。
また釣銭制御部21は、ステップSP8において否定結果が得られた場合、すなわち釣銭として硬貨を出金する必要がない場合にも、ステップSP10へ移って釣銭出金処理手順RT1を終了する。
このように釣銭制御部21は、対象桁DGを順次切り替えながら、釣銭の硬貨を一桁分ずつ出金すると共に、釣銭表示欄CCのうち対象桁DGの表示色を他の桁と異なる色に変更するようになされている。
[1−3.釣銭出金シーケンス]
次に、釣銭処理部3からの出金処理と、釣銭表示欄CCの表示と、レジ係員による顧客への返金との関係について、図7のシーケンスチャートを用いて時系列に沿って説明する。ここでは、一例として釣銭額CHが「3777円」であると仮定する。
釣銭処理部3は、まず釣銭額CHに基づいた金種毎の枚数として、「1000円札が3枚、500円玉が1枚、100円玉が2枚、50円玉が1枚、10円玉が2枚、5円玉が1枚、及び1円玉が2枚」と決定する。また釣銭処理部3は、釣銭表示欄CCに釣銭額CHを通常の数字(黒色)により表示すると共に、残額の初期値を釣銭額CHと同一の「3777円」に設定する。
そして釣銭処理部3は、シーケンスQ1において、釣銭額CHが1000円以上であるため、釣銭額CHのうち1000円の桁に応じて出金部19から1000円札3枚を出金させ、残額を「777円」に更新する。このとき釣銭表示欄CCは、釣銭額CHの全桁を通常の数字により表示したままとなる。
これに応じてレジ係員は、例えば「まず大きい方から3000円をお返しします」等と説明しながら、紙幣入出金口18から取り出した3000円を顧客に返金する。
次に釣銭処理部3は、シーケンスQ2において、残額である「777円」のうち最大の桁である100円の桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGである100円の桁の表示色を黒色から赤色に変更する。これと共に釣銭処理部3は、対象桁DGに対応する金種である「500円玉1枚及び100円玉2枚」を出金部17から出金させ、残額を「77円」に更新する。
これに応じてレジ係員は、釣銭表示欄CCにおいて表示色が変化している100円の桁を参照し、例えば「次に700円をお返しします」等と説明しながら、硬貨出金口16から取り出した700円を顧客に返金する。
ここで釣銭処理部3は、センサ16Sにより硬貨出金口16から硬貨が取り出されたことを検出すると、次のシーケンスQ3へ移る。
シーケンスQ3において、釣銭処理部3は、残額である「77円」のうち最大の桁である10円の桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち直前の対象桁DGである100円の桁の表示色を黒色に戻し、現在の対象桁DGである10円の桁の表示色を黒色から赤色に変更する。これと共に釣銭処理部3は、対象桁DGに対応する金種である「50円玉1枚及び10円玉2枚」を出金部17から出金させ、残額を「7円」に更新する。
これに応じてレジ係員は、釣銭表示欄CCにおいて表示色が変化している10円の桁を参照し、例えば「次に70円をお返しします」等と説明しながら、硬貨出金口16から取り出した70円を顧客に返金する。
ここで釣銭処理部3は、センサ16Sにより硬貨出金口16から硬貨が取り出されたことを検出すると、次のシーケンスQ4へ移る。
シーケンスQ4において、釣銭処理部3は、残額である「7円」のうち最大の桁である1円の桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち直前の対象桁DGである10円の桁の表示色を黒色に戻し、現在の対象桁DGである1円の桁の表示色を黒色から赤色に変更する。これと共に釣銭処理部3は、対象桁DGに対応する金種である「5円玉1枚及び1円玉2枚」を出金部17から出金させ、残額を「0円」に更新する。
これに応じてレジ係員は、釣銭表示欄CCにおいて表示色が変化している1円の桁を参照し、例えば「残りの7円をお返しします」等と説明しながら、硬貨出金口16から取り出した7円を顧客に返金する。
因みに釣銭処理部3は、残額が「0円」となっているため、このシーケンスQ4により一連の出金処理を終了する。
[1−4.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態による釣銭制御部21は、統括制御部5から釣銭額CHの通知を受けると、当該釣銭額CHを釣銭表示欄CCに表示すると共に、当該釣銭額CHに応じて、出金すべき紙幣及び硬貨の枚数を金種毎に決定する。また釣銭制御部21は、釣銭額CHが1000円以上であれば、まず紙幣を出金すると共に残額を更新する。
このときレジ係員は、例えば顧客の目前で1000円札を1枚ずつ数えることにより、釣銭額CHのうち1000円の桁である3000円分を手渡していることを顧客に明示することができる。
続いて釣銭制御部21は、対象桁DGを残額のうち最大の桁に設定し、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの表示色を変更すると共に、当該対象桁DGの金種のみの硬貨を出金させる。
これを換言すれば、釣銭制御部21は、釣銭額CHのうち硬貨を出金する部分を桁毎に分割し、釣銭表示欄CCの表示を一時的に変更して強調しながら出金する。
このため釣銭制御部21は、硬貨出金口16に一度に出金する硬貨の種類を2種類以内(500円玉及び100円玉等)とし、且つ枚数を5枚以内(900円等)とすることができる。
これにより釣銭制御部21は、レジ係員が硬貨出金口16から硬貨をまとめて取り出した際、又はレジ係員がこの硬貨を顧客に手渡した際に、顧客に対し硬貨の種類や枚数を容易に把握させることができ、その負担を軽減することができる。
このとき釣銭制御部21は、出金している桁(すなわち対象桁DG)を他の桁と異なる色に変更しているため、釣銭額CHのうち出金中の桁の金額(700円や70円等)をレジ係員及び顧客に直ちに視認させることができ、実際に出金された硬貨の合計額と容易に照合させることができる。
また釣銭制御部21は、釣銭表示欄CCに釣銭額CHを全額表示した上で、対象桁DGの色を他の桁と相違させているため、その時点で全釣銭額のうちどの部分が出金されているのか、またどの部分が未出金となっているのか、といった進捗状況を一目で認識させることもできる。
因みにレジ係員は、硬貨が出金される度に顧客に手渡す以外にも、例えば硬貨が出金される度に一方の手で取り出して顧客に見せて確認させた後、他方の手に保持しておき、全ての硬貨が出金された後に、他方の手に保持していた全ての硬貨を一括して顧客に手渡すようにしても良い。
さらに釣銭制御部21は、硬貨出金口16に出金した硬貨がレジ係員により取り出されたことをセンサ16Sにより検出してから対象桁DGを次の桁に移す。このため釣銭制御部21は、例えば釣銭出金処理の途中でレジ係員が顧客から質問を受けた場合のように、硬貨出金口16から硬貨を取り出すまでの時間が長引いた場合にも、次の対象桁DGの硬貨を混在させることなく、桁毎に順次返金させることができる。
以上の構成によれば、釣銭制御部21は、対象桁DGを順次移しながら、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの表示色を変更すると共に、当該対象桁DGの金種のみの硬貨を出金する。これにより釣銭制御部21は、釣銭表示欄CCの表示を一時的に変更して強調しながら、硬貨出金口16に一度に出金する硬貨の種類及び枚数をいずれも少なく抑えることができるので、レジ係員及び顧客に対し、出金された硬貨の種類や枚数を対象桁DG毎に容易に把握させると共に、釣銭表示欄CCに表示された数字のうち当該対象桁DGの部分と容易に照合させることができる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態による釣銭制御部21に代えて、釣銭制御部121が用いられる。
[2−1.釣銭出金処理]
この釣銭制御部121は、釣銭のうち特に硬貨を出金する際、出金すべき硬貨の全枚数に応じて、桁毎に分けて出金するか、或いは全桁を一括して出金するかを切り換えるようになされている。
具体的に釣銭制御部121は、第1の実施の形態による釣銭制御部21と同様の回路構成を有するものの(図2)、釣銭出金プログラムを実行した際に、第1の実施の形態と異なり、図4との対応部分に同一符号を付した図8に示すような機能ブロックを構成するようになされている。
すなわち釣銭制御部121は、第1の実施の形態と同様の枚数決定部41及び出金指示部43に加えて、第1の実施の形態による桁選定部42及び表示制御部44とそれぞれ対応する桁選定部142及び表示制御部144を有しており、さらに全枚数算出部145及び計時部146を有している。
表示制御部144は、表示制御部44と同様に表示画面内の釣銭表示欄CC(図3(A))に釣銭額CHを表示(すなわち白地に黒数字で表示)させる他、図9に示すように、対象桁DGの色を反転(すなわち黒地に白数字で表示)させるようになされている。
全枚数算出部145は、枚数決定部41により決定された金種別の硬貨の枚数を全て加算することにより、出金すべき硬貨の全枚数を算出し、これを桁選定部142へ供給する。
桁選定部142は、全枚数算出部145から供給された全枚数を所定の閾値(例えば10枚)と比較し、全枚数が閾値以上であれば釣銭額CHのうちいずれか一桁を、また全枚数が閾値未満であれば釣銭額CHのうち硬貨により出金すべき全桁(すなわち最大で3桁)を、それぞれ対象桁DGとして選定するようになされている。
計時部146は、時間を計測して桁選定部142に通知するようになされている。
そして釣銭制御部121は、第1の実施の形態と同様に釣銭出金処理手順RT1(図5)に従って釣銭を出金するものの、ステップSP9における硬貨出金処理については、図6と対応する図10に示す硬貨出金サブルーチンSRT2を実行するようになされている。
すなわち釣銭制御部121は、硬貨出金サブルーチンSRT2を開始してステップSP21へ移り、全枚数算出部145によって残額に相当する全金種の硬貨の枚数を全て加算することにより全枚数を算出し、次のステップSP22へ移る。
ステップSP22において釣銭制御部121は、桁選定部142により、全枚数が閾値(例えば10枚)未満であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは出金すべき硬貨の全枚数が比較的少なく、仮に一括で出金したとしても硬貨の金種や枚数の把握がそれほど困難では無いことを表しており、このとき釣銭制御部121は次のステップSP23へ移る。
ステップSP23において釣銭制御部121は、桁選定部142により、残額に相当する全桁(最大で3桁)を対象桁DGとして選定し、次のステップSP24へ移る。
ステップSP24において釣銭制御部121は、表示制御部144により、表示画面内の釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGの色を反転させ、次のステップSP25へ移る。
ステップSP25において釣銭制御部121は、出金指示部43により、対象桁DGの硬貨、すなわち残額全ての硬貨を出金させる出金指示を生成し、これを出金部17へ供給してから次のステップSP26へ移る。
これに応じて出金部17は、出金指示に従い、対象桁DGの硬貨を硬貨出金口16(図1)へ出金する。このときレジ係員は、表示部6Aの釣銭表示欄CCを参照しながら、硬貨出金口16に出金された硬貨を取り出し、これを顧客へ返金する。
ステップSP26において釣銭制御部121は、残額から出金済の金額を差し引くことにより当該残額を「0」に更新し、次のステップSP33へ移る。
一方、ステップSP22において否定結果が得られると、このことは出金すべき硬貨の全枚数が比較的多く、仮に一括で出金した場合には硬貨の金種や枚数の把握が容易ではないことを表しており、このとき釣銭制御部121は次のステップSP27へ移る。
ステップSP27において釣銭制御部121は、桁選定部142により、残額のうち最大の桁を対象桁DGとして選定し、これを出金指示部43及び表示制御部144へ通知して、次のステップSP28へ移る。
ステップSP28において釣銭制御部121は、表示制御部144により、表示画面内の釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGの色を反転させ、次のステップSP29へ移る。
ステップSP29において釣銭制御部121は、出金指示部43により、対象桁DGの硬貨のみを出金させる出金指示を生成し、これを出金部17へ供給してから次のステップSP30へ移る。
これに応じて出金部17は、出金指示に従い、対象桁DGの硬貨のみを硬貨出金口16(図1)へ出金する。このときレジ係員は、表示部6Aの釣銭表示欄CCを参照しながら、硬貨出金口16に出金された硬貨を取り出し、これを顧客へ返金する。
ステップSP30において釣銭制御部121は、残額から出金済の金額を差し引くことにより当該残額を更新し、次のステップSP31へ移る。
ステップSP31において釣銭制御部121は、桁選定部142により、残額が0よりも大きいか否か、すなわち釣銭のうち未だ出金していない硬貨があるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、釣銭制御部121は次のステップSP32へ移る。
ステップSP32において釣銭制御部121は、計時部146を利用することにより、硬貨を出金してから所定の待機時間(例えば5秒間)が経過したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、釣銭制御部121はこのステップSP32を繰り返すことにより、待機時間の経過を待つ。
一方、ステップSP32において肯定結果が得られると、このことは直前に対象桁DGの硬貨を出金してから十分な時間が経過しており、当該硬貨が硬貨出金口16から既に取り出された可能性が高く、次の対象桁DGの硬貨を出金すべきであることを表しており、このとき釣銭制御部121は再度ステップSP27へ戻って一連の処理を繰り返す。
またステップSP31において否定結果が得られると、このことは釣銭額CHの全てを出金し終えたことを表しており、このとき釣銭制御部121は次のステップSP33へ移る。
ステップSP33において釣銭制御部121は、硬貨出金サブルーチンSRT2を終了して元の釣銭出金処理手順RT1(図5)へ処理を戻す。
このように釣銭制御部121は、釣銭として出金すべき硬貨の総枚数に応じて、残額の全桁又は一桁を対象桁DGとして選定し出金すると共に、釣銭表示欄CCのうち対象桁DGの表示を反転させるようになされている。
[2−2.釣銭出金シーケンス]
次に、釣銭処理部3からの出金処理と、釣銭表示欄CCの表示と、レジ係員による顧客への返金との関係について、図7と対応する図11及び図12のシーケンスチャートを用いて説明する。
[2−2−1.一括して出金する場合]
まず、一例として釣銭額CHが「3333円」であったと仮定した場合を図11に示す。釣銭処理部3は、釣銭額CHに基づいた金種毎の枚数として、「1000円札が3枚、100円玉が3枚、10円玉が3枚、及び1円玉が3枚」と決定する。また釣銭処理部3は、釣銭表示欄CCに釣銭額CHを通常の数字(黒色)により表示すると共に、残額の初期値を釣銭額CHと同一の「3333円」に設定する。
そして釣銭処理部3は、シーケンスQ11において、釣銭額CHが1000円以上であるため、釣銭額CHのうち1000円の桁に応じて出金部19から1000円札3枚を出金させ、残額を「333円」に更新する。このとき釣銭表示欄CCは、全桁を通常の数字により表示したまま、表示内容を特に変更しない。
これに応じてレジ係員は、例えば「まず大きい方から3000円をお返しします」等と説明しながら、紙幣入出金口18から取り出した3000円を顧客に返金する。
次に釣銭処理部3は、シーケンスQ12において、残額である「333円」を出金する場合の全枚数を「9枚」と算出し、これが閾値である10枚未満となるため、残額の全桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGである100円、10円及び1円の3桁の表示を反転させる。
これと共に釣銭処理部3は、対象桁DGに対応する金種である「100円玉3枚、10円玉3枚及び1円玉3枚」を出金部17から一括して出金させ、残額を「0円」に更新して一連の出金処理を終了する。
これに応じてレジ係員は、釣銭表示欄CCにおいて表示が反転している100円、10円及び1円の桁を参照し、例えば「残りの333円をお返しします」等と説明しながら、硬貨出金口16から取り出した333円を顧客に返金する。
因みに釣銭処理部3は、残額が「0円」となっているため、このシーケンスQ12により一連の出金処理を終了する。
[2−2−2.桁毎に出金する場合]
次に、他の例として釣銭額CHが「3334円」であったと仮定した場合を図12に示す。釣銭処理部3は、釣銭額CHに基づいた金種毎の枚数として、「1000円札が3枚、100円玉が3枚、10円玉が3枚、及び1円玉が4枚」と決定する。また釣銭処理部3は、釣銭表示欄CCに釣銭額CHを通常の数字(黒色)により表示すると共に、残額の初期値を釣銭額CHと同一の「3334円」に設定する。
そして釣銭処理部3は、シーケンスQ21において、釣銭額CHが1000円以上であるため、釣銭額CHのうち1000円の桁に応じて出金部19から1000円札3枚を出金させ、残額を「334円」に更新する。このとき釣銭表示欄CCは、全桁を通常の数字により表示したまま、表示内容を特に変更しない。
これに応じてレジ係員は、例えば「まず大きい方から3000円をお返しします」等と説明しながら、紙幣入出金口18から取り出した3000円を顧客に返金する。
次に釣銭処理部3は、シーケンスQ22において、残額である「334円」を出金する場合の全枚数を「10枚」と算出し、これが閾値である10枚以上となるため、その最大の桁である100円の桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGである100円の桁の表示を反転させる。これと共に釣銭処理部3は、対象桁DGに対応する金種である「100円玉3枚」を出金部17から出金させ、残額を「34円」に更新する。
これに応じてレジ係員は、釣銭表示欄CCにおいて表示が反転している100円の桁を参照し、例えば「次に300円をお返しします」等と説明しながら、硬貨出金口16から取り出した300円を顧客に返金する。
ここで釣銭処理部3は、直前の出金から待機時間である5秒間が経過すると、次のシーケンスQ23へ移る。
シーケンスQ23において、釣銭処理部3は、残額である「34円」のうち最大の桁である10円の桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち直前の対象桁DGである100円の桁の表示を通常に戻し、現在の対象桁DGである10円の桁の表示を反転させる。これと共に釣銭処理部3は、対象桁DGに対応する金種である「10円玉3枚」を出金部17から出金させ、残額を「4円」に更新する。
これに応じてレジ係員は、釣銭表示欄CCにおいて表示色が変化している10円の桁を参照し、例えば「次に30円をお返しします」等と説明しながら、硬貨出金口16から取り出した30円を顧客に返金する。
ここで釣銭処理部3は、直前の出金から待機時間である5秒間が経過すると、次のシーケンスQ24へ移る。
シーケンスQ24において、釣銭処理部3は、残額である「4円」のうち最大の桁である1円の桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち直前の対象桁DGである10円の桁の表示を通常に戻し、現在の対象桁DGである1円の桁の表示を反転させる。これと共に釣銭処理部3は、対象桁DGに対応する金種である「1円玉4枚」を出金部17から出金させ、残額を「0円」に更新する。
これに応じてレジ係員は、釣銭表示欄CCにおいて表示色が変化している1円の桁を参照し、例えば「残りの4円をお返しします」等と説明しながら、硬貨出金口16から取り出した4円を顧客に返金する。
因みに釣銭処理部3は、残額が「0円」となっているため、このシーケンスQ24により一連の出金処理を終了する。
[2−3.動作及び効果]
以上の構成において、第2の実施の形態による釣銭制御部121は、統括制御部5から釣銭額CHの通知を受けると、当該釣銭額CHを釣銭表示欄CCに表示すると共に、当該釣銭額CHに応じて、出金すべき紙幣及び硬貨の枚数を金種毎に決定する。また釣銭制御部121は、釣銭額CHが1000円以上であれば、まず紙幣を出金すると共に残額を更新する。
続いて釣銭制御部121は、残額に相当する硬貨の全枚数を算出する。ここで釣銭制御部121は、全枚数が閾値未満であれば、残額に相当する全桁を対象桁DGとして、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの表示を反転させると共に、対象桁DGの硬貨、すなわち残額全ての硬貨を一括して出金させる。
また釣銭制御部121は、釣銭の残額に相当する硬貨の全枚数が閾値以上であれば、第1の実施の形態と同様に対象桁DGを残額のうち最大の桁に設定し、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの表示を反転させると共に、対象桁DGの金種のみの硬貨を出金させる。
これを換言すれば、釣銭制御部121は、釣銭額CHの硬貨の全枚数が少ない場合には、レジ係員や顧客による硬貨の金種や枚数の把握が容易であることから、一括して出金することにより所要時間の短縮や手間の削減を図ることができる。
その一方で釣銭制御部121は、釣銭額CHの硬貨の全枚数が多い場合には、所要時間の延長や手間の増加を招きながらも、桁毎に分割して硬貨を出金することにより、出金の度に硬貨の金種や枚数を容易に把握させることができる。
さらに釣銭制御部121は、いずれの場合にも硬貨の出金と連動するように、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの表示を反転させるため、レジ係員や顧客に対し、釣銭額のうちどの部分が出金されているのかを容易に認識させることができる。
また釣銭制御部121は、一桁ごとに出金する場合、待機時間が経過するまで対象桁DGの表示を反転させたままとするため、出金後レジ係員が硬貨出金口16から対象桁DGの硬貨を取り出して顧客に渡す頃までは、当該対象桁DGを反転させたままとすることになる。
このため釣銭制御部121は、レジ係員が硬貨出金口16から硬貨を取り出して確認する時点のみでなく、その後にレジ係員が顧客に当該硬貨を渡す時点やその後に顧客が釣銭表示欄CCと渡された硬貨とを見比べる時点においても、反転された対象桁DGに容易に着目させることができる。
また釣銭制御部121は、一桁ごとに出金する場合、待機時間が経過すると次の桁の硬貨を出金するため、第1の実施の形態のように硬貨出金口16にセンサ16Sを設ける必要が無く、釣銭処理部3の構成の簡略化に寄与することができる。
その他の点についても、釣銭制御部121は、第1の実施の形態による釣銭制御部21と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、釣銭制御部121は、出金すべき硬貨の全枚数に応じて残額の全桁又は一桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの表示を反転させると共に、当該対象桁DGの金種のみの硬貨を出金する。これにより釣銭制御部121は、釣銭表示欄CCの表示を一時的に変更して強調しながら、硬貨出金口16に一度に出金する硬貨の種類及び枚数をいずれも少なく抑えることができ、さらに全枚数が少ない場合には一括して出金することができるので、レジ係員及び顧客に対し、出金された硬貨の種類や枚数を対象桁DG毎に容易に把握させると共に、釣銭表示欄CCに表示された数字のうち当該対象桁DGの部分と容易に照合させることができ、さらに全枚数によっては所要時間の短縮や手間の削減を図ることもできる。
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態においては、第1の実施の形態による釣銭制御部21に代えて、釣銭制御部221が用いられる。
[3−1.釣銭出金処理]
この釣銭制御部221は、釣銭のうち特に硬貨を出金する際、基本的には桁毎に分けて出金するものの、枚数が少ない桁については複数桁をまとめて出金するようになされている。
具体的に釣銭制御部221は、第1の実施の形態による釣銭制御部21と同様の回路構成を有するものの(図2)、釣銭出金プログラムを実行した際に、第1の実施の形態と異なり、図4との対応部分に同一符号を付した図13に示すような機能ブロックを構成するようになされている。
すなわち釣銭制御部221は、第1の実施の形態と同様の枚数決定部41及び出金指示部43に加えて、第1の実施の形態による桁選定部42及び表示制御部44とそれぞれ対応する桁選定部242及び表示制御部244を有している。
表示制御部244は、表示制御部44と同様に表示画面内の釣銭表示欄CC(図3(A))に釣銭額CHを通常の大きさの数字によって表示させる他、対象桁DGの数字を拡大表示させるようになされている。
桁選定部242は、さらに仮選定部251、仮枚数算出部252及び比較選定部253の各機能ブロックにより構成されている。
仮選定部251は、釣銭額CHを桁毎に分解した上で、対象桁DGを選定するために仮の出金対象とする桁(以下これを仮対象桁DMと呼ぶ)を選定し、これを仮枚数算出部252へ通知する。
仮枚数算出部252は、仮対象桁DMの硬貨の枚数を全て加算した仮枚数を算出し、これを比較選定部253へ通知する。
比較選定部253は、仮枚数を所定の閾値(例えば5枚)と比較し、仮枚数が閾値未満であれば仮対象桁を一桁追加して仮枚数の算出及び閾値との比較を繰り返し、仮枚数が閾値以上であればこのときの仮対象桁DMを全て対象桁DGとして選定する。
そして釣銭制御部221は、第1の実施の形態と同様に釣銭出金処理手順RT1(図5)に従って釣銭を出金するものの、ステップSP9における硬貨出金処理については、図6と対応する図14に示す硬貨出金サブルーチンSRT3を実行するようになされている。
すなわち釣銭制御部221は、硬貨出金サブルーチンSRT3を開始してステップSP41へ移り、仮選定部251によって残額のうち最大の一桁を仮対象桁DMとして選定し、これを仮枚数算出部252へ通知して、次のステップSP42へ移る。
ステップSP42において釣銭制御部221は、仮枚数算出部252によって、全ての仮対象桁DMの硬貨の枚数を加算することにより仮枚数を算出し、次のステップSP43へ移る。
ステップSP43において釣銭制御部221は、比較選定部253によって、仮枚数が所定の閾値(例えば5枚)以上であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは仮枚数が比較的少なく、同時に出金する枚数をさらに増加し得ることを表しており、このとき釣銭制御部221は次のステップSP44へ移る。
ステップSP44において釣銭制御部221は、仮選定部251によって、現在仮対象桁DMとして選択されていない桁のうち最大の桁を仮対象桁DMに加えることにより、当該仮対象桁DMを一桁追加して、次のステップSP45へ移る。
ステップSP45において釣銭制御部221は、仮選定部251によって、仮対象桁DMが残額の全桁に相当するか否かを判別する。ここで否定結果が得られると、このことは未だ仮対象桁DMとして選定されていない桁が残っているため、現在の仮対象桁DMにもう一桁を追加できるか否かを再度判別すべきであることを表しており、このとき釣銭制御部221は再度ステップSP42へ戻る。
一方、ステップSP45において肯定結果が得られると、このことはこれ以上仮対象桁DMを追加できないため、無条件で現在の仮対象桁DMを対象桁DGとすべきであることを表しており、このとき釣銭制御部221は次のステップSP46へ移る。
また、ステップSP43において肯定結果が得られると、このことは仮枚数が比較的多いため、仮対象桁DMにこれ以上の桁を追加すべきでないことを表しており、このとき釣銭制御部221は次のステップSP46へ移る。
ステップSP46において釣銭制御部221は、比較選定部253によって、現在の全ての仮対象桁DMを対象桁DGとして選定し、次のステップSP47へ移る。
ステップSP47において釣銭制御部221は、表示制御部244により、表示画面内の釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGの大きさを他の桁よりも拡大して表示し、次のステップSP48へ移る。
ステップSP48において釣銭制御部221は、出金指示部43により、対象桁DGの硬貨のみを出金させる出金指示を生成し、これを出金部17へ供給してから次のステップSP49へ移る。
ステップSP49において釣銭制御部221は、残額から出金済の金額を差し引くことにより当該残額を更新し、次のステップSP50へ移る。
ステップSP50において釣銭制御部221は、桁選定部242により、残額が0よりも大きいか否か、すなわち釣銭のうち未だ出金していない硬貨があるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、釣銭制御部221は次のステップSP51へ移る。
ステップSP51において釣銭制御部221は、桁選定部242により硬貨出金口16のセンサ16Sから検出信号を取得し、これを基に当該硬貨出金口16から硬貨が取り出されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、釣銭制御部221は、このステップSP51を繰り返すことにより硬貨出金口16から硬貨が取り出されるのを待ち受ける。
一方、ステップSP51において肯定結果が得られると、釣銭制御部221は次の対象桁DGを選定した上で出金処理を行うべく、再度ステップSP41へ戻って一連の処理を繰り返す。
またステップSP50において否定結果が得られると、このことは釣銭額CHの全てを出金し終えたことを表しており、このとき釣銭制御部221は次のステップSP52へ移る。
ステップSP52において釣銭制御部221は、硬貨出金サブルーチンSRT3を終了して元の釣銭出金処理手順RT1(図5)へ処理を戻す。
このように釣銭制御部221は、桁毎の枚数が多い場合には一桁ごとに対象桁DGとし、桁毎の枚数が少ない場合には複数桁をまとめて対象桁DGとしながら、当該対象桁DGのみの硬貨を一度に出金すると共に、釣銭表示欄CCのうち対象桁DGの数字を拡大して表示させるようになされている。
[3−2.釣銭出金シーケンス]
次に、釣銭処理部3からの出金処理と、釣銭表示欄CCの表示と、レジ係員による顧客への返金との関係について、図7と対応する図15のシーケンスチャートを用いて説明する。ここでは、一例として釣銭額CHが「3911円」であると仮定する。
釣銭処理部3は、まず釣銭額CHに基づいた金種毎の枚数として、「1000円札が3枚、500円玉が1枚、100円玉が4枚、10円玉が1枚、及び1円玉が1枚」と決定する。また釣銭処理部3は、釣銭表示欄CCに釣銭額CHを通常の数字(黒色)により表示すると共に、残額の初期値を釣銭額CHと同一の「3911円」に設定する。
そして釣銭処理部3は、シーケンスQ31において、釣銭額CHが1000円以上であるため、釣銭額CHのうち1000円の桁に応じて出金部19から1000円札3枚を出金させ、残額を「911円」に更新する。このとき釣銭表示欄CCは、全桁を通常の数字により表示したまま、表示内容を特に変更しない。
これに応じてレジ係員は、例えば「まず大きい方から3000円をお返しします」等と説明しながら、紙幣入出金口18から取り出した3000円を顧客に返金する。
次に釣銭処理部3は、シーケンスQ32において、残額である「911円」のうち最大の桁である100円の桁を仮対象桁DMとし、その仮枚数を5枚と算出して、これが閾値である5枚以上となるため、この仮対象桁DMをそのまま対象桁DGに選定する。
そして釣銭処理部3は、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGである100円の桁の数字を拡大すると共に、対象桁DGに対応する金種である「500円玉1枚及び100円玉4枚」を出金部17から出金させ、残額を「11円」に更新する。
これに応じてレジ係員は、釣銭表示欄CCにおいて拡大して表示されている100円の桁を参照し、例えば「次に900円をお返しします」等と説明しながら、硬貨出金口16から取り出した900円を顧客に返金する。
ここで釣銭処理部3は、センサ16Sにより硬貨出金口16から硬貨が取り出されたことを検出すると、次のシーケンスQ33へ移る。
シーケンスQ33において、釣銭処理部3は、残額である「11円」のうち最大の桁である10円の桁を仮対象桁DMとし、その仮枚数を1枚と算出する。続いて釣銭処理部3は、この仮枚数が閾値である5枚未満となるため、次の桁である1円の桁を仮対象桁DMに追加し、これにより仮対象桁DMが残額の全桁に相当することになるため、10円の桁及び1円の桁でなる仮対象桁DMをそのまま対象桁DGに選定する。
そして釣銭処理部3は、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち直前の対象桁DGである100円の桁の数字を通常の大きさに戻し、現在の対象桁DGである10円の桁及び1円の桁の数字を拡大する。これと共に釣銭処理部3は、対象桁DGに対応する金種である「10円玉1枚及び1円玉1枚」を出金部17から出金させ、残額を「0円」に更新する。
これに応じてレジ係員は、釣銭表示欄CCにおいて拡大して表示されている10円の桁及び1円の桁を参照し、例えば「残りの11円をお返しします」等と説明しながら、硬貨出金口16から取り出した11円を顧客に返金する。
因みに釣銭処理部3は、残額が「0円」となっているため、このシーケンスQ33により一連の出金処理を終了する。
[3−3.動作及び効果]
以上の構成において、第3の実施の形態による釣銭制御部221は、統括制御部5から釣銭額CHの通知を受けると、当該釣銭額CHを釣銭表示欄CCに表示すると共に、当該釣銭額CHに応じて、出金すべき紙幣及び硬貨の枚数を金種毎に決定する。また釣銭制御部221は、釣銭額CHが1000円以上であれば、まず紙幣を出金すると共に残額を更新する。
続いて釣銭制御部221は、仮対象桁DMを選定し、仮枚数が閾値(例えば5枚)以上となるまで仮対象桁DMを1桁ずつ追加していくことにより、1桁以上の対象桁DGを選定する。
そして釣銭制御部221は、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの数字を拡大して表示させると共に、対象桁DGの金種のみの硬貨を出金させる。
これを換言すれば、釣銭制御部221は、出金すべき硬貨の枚数が少ない桁については、隣接する桁と合わせて出金することにより、出金された硬貨の金種や枚数の確認が容易となるような範囲で、所要時間の短縮や手間の削減を図ることができる。
その一方で釣銭制御部221は、出金すべき硬貨の枚数が多い桁については、一桁毎に出金することにより、レジ係員や顧客に硬貨の金種や枚数を容易に確認させることができる。
すなわち釣銭制御部221は、一桁ごとに出金するか、或いは複数桁をまとめて出金するかを桁毎に判断するため、一度に出金する硬貨の金種及び枚数を抑えてレジ係員や顧客による確認時の負担を軽減しながらも、所要時間や手間を必要最小限に抑えることができる。
さらに釣銭制御部221は、いずれの場合にも釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの数字を拡大して表示させるため、レジ係員や顧客に対し、釣銭額のうちどの部分が出金されているのかを容易に認識させることができる。
その他の点についても、釣銭制御部221は、第1の実施の形態による釣銭制御部21と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、釣銭制御部221は、桁毎の出金すべき硬貨の枚数に応じて1桁又は2桁以上の桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの数字を拡大して表示させると共に、当該対象桁DGの金種のみの硬貨を出金する。これにより釣銭制御部221は、釣銭表示欄CCの表示を一時的に変更して強調しながら、硬貨出金口16に一度に出金する硬貨の種類及び枚数をいずれも少なく抑えることができ、枚数が少ない桁については複数桁をまとめて出金することもできるので、レジ係員及び顧客に対し、出金された硬貨の種類や枚数を対象桁DG毎に容易に視認させると共に、釣銭表示欄CCに表示された数字のうち当該対象桁DGの部分と容易に照合させることができ、さらに所要時間の短縮や手間の削減を図ることもできる。
[4.第4の実施の形態]
第4の実施の形態においては、第1の実施の形態による釣銭制御部21に代えて、釣銭制御部321が用いられる。
[4−1.釣銭出金処理]
この釣銭制御部321は、釣銭のうち特に硬貨を出金する際、レジ係員の操作に応じて、桁毎に分けて出金するか、或いは全桁を一括して出金するかを切り換えるようになされている。
具体的に釣銭制御部321は、第1の実施の形態による釣銭制御部21と同様の回路構成を有するものの(図2)、釣銭出金プログラムを実行した際に、第1の実施の形態と異なり、図4との対応部分に同一符号を付した図16に示すような機能ブロックを構成するようになされている。
すなわち釣銭制御部321は、第1の実施の形態と同様の枚数決定部41及び出金指示部43に加えて、第1の実施の形態による桁選定部42及び表示制御部44とそれぞれ対応する桁選定部342及び表示制御部344を有している。
表示制御部344は、図17(A)に示すように、表示制御部44と同様に表示画面内の釣銭表示欄CCに釣銭額CHを表示させる他、対象桁DGの数字の真上にカーソルCURを表示させるようになされている。
桁選定部342は、残額を1桁毎に対象桁DGとして選定する桁毎出金モードと、全桁を一括して対象桁DGに選定する一括出金モードとの2種類の出金モードを有している。また桁選定部342は、操作部13(図1)に設けられた出金モード切換ボタン(図示せず)が押下される度に、これらの出金モードを交互に切り換えるようになされている。
また表示制御部344は、表示部6Aにおける釣銭表示欄CCの近傍に、現在の出金モードを表示するモード表示欄MDを表示している。表示制御部344は、現在の出金モードが桁毎出金モードであれば、図17(A)に示したようにモード表示欄MDに「桁毎」と表示させ、一括出金モードであれば、図17(B)に示すようにモード表示欄MDに「一括」と表示させるようになされている。
さらに桁選定部342は、操作部13に設けられた次桁出金ボタン(図示せず)がレジ係員により押下されると、当該操作部13から供給される次桁出金信号を取得するようになされている。
そして釣銭制御部321は、第1の実施の形態と同様に釣銭出金処理手順RT1(図5)に従って釣銭を出金するものの、ステップSP9における硬貨出金処理については、図6と対応する図18に示す硬貨出金サブルーチンSRT4を実行するようになされている。
すなわち釣銭制御部321は、硬貨出金サブルーチンSRT4を開始してステップSP61へ移り、現在の出金モードが桁毎出金モード又は一括出金モードのいずれであるかを検出して、次のステップSP62へ移る。
ステップSP62において釣銭制御部321は、桁毎出金モードであるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはレジ係員の操作により一括出金モードが選択されていることを表しており、このとき釣銭制御部321は次のステップSP63へ移る。
ステップSP63において釣銭制御部321は、桁選定部342により、残額に相当する全桁(最大で3桁)を対象桁DGとして選定し、次のステップSP64へ移る。
ステップSP64において釣銭制御部321は、表示制御部344により、表示画面内の釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGの各数字の上側にカーソルCURを表示させ(図17(B))、次のステップSP65へ移る。
ステップSP65において釣銭制御部321は、出金指示部43により、対象桁DGの硬貨、すなわち残額全ての硬貨を出金させる出金指示を生成し、これを出金部17へ供給してから次のステップSP66へ移る。
これに応じて出金部17は、出金指示に従い、対象桁DGの硬貨を硬貨出金口16(図1)へ出金する。このときレジ係員は、表示部6Aの釣銭表示欄CCを参照しながら、硬貨出金口16に出金された硬貨を取り出し、これを顧客へ返金する。
ステップSP66において釣銭制御部321は、残額から出金済の金額を差し引くことにより当該残額を「0」に更新し、次のステップSP33へ移る。
一方、ステップSP62において肯定結果が得られると、このことはレジ係員の操作により桁毎出金モードが選択されていることを表しており、このとき釣銭制御部321は次のステップSP67へ移る。
ステップSP67において釣銭制御部321は、桁選定部342により、残額のうち最大の桁を対象桁DGとして選定し、これを出金指示部43及び表示制御部344へ通知して、次のステップSP68へ移る。
ステップSP68において釣銭制御部321は、表示制御部344により、表示画面内の釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち対象桁DGの数字の上側にカーソルCURを表示させ(図17(A))、次のステップSP69へ移る。
ステップSP69において釣銭制御部321は、出金指示部43により、対象桁DGの硬貨のみを出金させる出金指示を生成し、これを出金部17へ供給してから次のステップSP70へ移る。
これに応じて出金部17は、出金指示に従い、対象桁DGの硬貨のみを硬貨出金口16(図1)へ出金する。このときレジ係員は、表示部6Aの釣銭表示欄CCを参照しながら、硬貨出金口16に出金された硬貨を取り出し、これを顧客へ返金する。
ステップSP70において釣銭制御部321は、残額から出金済の金額を差し引くことにより当該残額を更新し、次のステップSP71へ移る。
ステップSP71において釣銭制御部321は、桁選定部342により、残額が0よりも大きいか否か、すなわち釣銭のうち未だ出金していない硬貨があるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、釣銭制御部321は次のステップSP72へ移る。
ステップSP72において釣銭制御部321は、次桁出金信号を取得したか否かを基に操作部13の次桁出金ボタンが押下されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは直前に出金された釣銭をレジ係員が顧客に受け渡す作業の途中である等、レジ係員側で次の桁の釣銭を取り出す準備ができていないことを表しており、このとき釣銭制御部321はステップSP72を繰り返すことにより、次桁出金ボタンの押下を待つ。
一方、ステップSP72において肯定結果が得られると、このことはレジ係員が自らの意思により次桁出金ボタンを押下しており、次の桁の釣銭を取り出す準備ができていることを表しており、このとき釣銭制御部321は次の対象桁DGを選定した上で出金処理を行うべく、再度ステップSP67へ戻って一連の処理を繰り返す。
またステップSP71において否定結果が得られると、このことは釣銭額CHの全てを出金し終えたことを表しており、このとき釣銭制御部321は次のステップSP73へ移る。
ステップSP73において釣銭制御部321は、硬貨出金サブルーチンSRT4を終了して元の釣銭出金処理手順RT1(図5)へ処理を戻す。
このように釣銭制御部321は、レジ係員の操作に応じて設定された出金モードに従い、一括出金モードであれば硬貨の全桁を一括して出金し、桁毎出金モードであれば第1の実施の形態と同様に一桁分ずつ出金するよう切り換えると共に、釣銭表示欄CCのうち対象桁DGの表示を反転させるようになされている。
[4−2.動作及び効果]
以上の構成において、第4の実施の形態による釣銭制御部321は、統括制御部5から釣銭額CHの通知を受けると、当該釣銭額CHを釣銭表示欄CCに表示すると共に、当該釣銭額CHに応じて、出金すべき紙幣及び硬貨の枚数を金種毎に決定する。また釣銭制御部321は、釣銭額CHが1000円以上であれば、まず紙幣を出金すると共に残額を更新する。
続いて釣銭制御部321は、レジ係員により選択されている出金モードを検出し、一括出金モードであれば、残額に相当する全桁を対象桁DGとして、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの各数字の上側にカーソルCURを表示させると共に、対象桁DGの硬貨、すなわち残額全ての硬貨を一括して出金させる。
また釣銭制御部321は、桁毎出金モードであれば、第1の実施の形態と同様に対象桁DGを残額のうち最大の桁に設定し、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの数字の上側にカーソルCURを表示させると共に、対象桁DGの金種のみの硬貨を出金させる。
このため釣銭制御部321は、レジ係員の判断により、例えば混雑している場合や釣銭額CHの全枚数が少ない場合等に、一括して出金することにより所要時間の短縮や手間の削減を図ることができ、また例えば顧客が子供やお年寄りであった場合等に、所要時間の延長や手間の増加を承知しながらも、桁毎に分割して硬貨を出金することにより、出金の度に硬貨の金種や枚数を容易に確認させることができる。
さらに釣銭制御部321は、いずれの場合にも釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの数字の上側にカーソルCURを表示させるため、レジ係員や顧客に対し、釣銭額のうちどの部分が出金されているのかを容易に認識させることができる。
また釣銭制御部321は、釣銭表示欄CCの近傍に設けたモード表示欄MDに出金モードを表示しているため、レジ係員が当該釣銭表示欄CCを視認する際に釣銭額CHや対象桁DGに加えてこのときの出金モードについても確認させることができる。
その他の点についても、釣銭制御部321は、第1の実施の形態による釣銭制御部21と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、釣銭制御部321は、レジ係員に選択された出金モードに応じて残額の全桁又は一桁を対象桁DGとし、釣銭表示欄CCに表示している釣銭額CHのうち当該対象桁DGの数字の上側にカーソルCURを表示させると共に、当該対象桁DGの金種のみの硬貨を出金する。これにより釣銭制御部321は、釣銭表示欄CCの表示を一時的に変更して強調しながら、桁毎出金モードが選択された場合には硬貨出金口16に一度に出金する硬貨の種類及び枚数をいずれも少なく抑えることができ、一括出金モードが選択された場合には一括して出金することができるので、レジ係員及び顧客に対し、出金された硬貨の種類や枚数を対象桁DG毎に容易に視認させると共に、釣銭表示欄CCに表示された数字のうち当該対象桁DGの部分と容易に照合させることができ、さらにレジ係員の選択により所要時間の短縮や手間の削減を図ることもできる。
[5.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては釣銭表示欄CCにおける対象桁DGの表示色を変更し、第2の実施の形態においては対象桁DGの表示を反転させ、第3の実施の形態においては対象桁DGの数字を拡大して表示し、第4の実施の形態においては対象桁DGの数字の上側にカーソルCURを表示するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば対象桁DGの数字を点滅させ、或いは対象桁DGの背景色のみを変更し、さらには対象桁DGの書体を太字に変更する等しても良く、さらにはこれらを適宜組み合わせても良い。また第4の実施の形態におけるカーソルCURとしては、矢印状にかぎらず、円状、三角形状や四角形状等、種々の形状を用いることができ、さらには様々な色で表示しても良く、また表示位置を上側に限らず下側や上下両側等としても良い。すなわち、要は釣銭額CH全体を表示しながらも対象桁DGの数字又は背景や近傍の表示を一時的に他の桁と相違させることにより、レジ係員や顧客に対象桁DGの数字に着目させることができれば良い。
また上述した実施の形態においては、レジ釣銭機1におけるレジスタ部2の上側に設けられた表示操作部6の表示部6Aに釣銭表示欄CCを表示し、これをレジ係員及び顧客に視認させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば精算所にレジ釣銭機1とは別体の金額表示器が設けられている場合に、当該金額表示器に釣銭表示欄CCと同様に釣銭額CHを表示するようにしても良い。さらにこの場合、例えば金額表示器における対象桁DGの数時等の表示を他の桁と相違させるタイミングを、表示操作部6の表示部6Aに表示した釣銭表示欄CCにおけるタイミングよりも数秒程度遅延させることにより、顧客がレジ係員から硬貨を受け取った後もしばらくは対象桁DGの表示が他の桁と相違した状態を維持し、顧客に容易に照合させるようにしても良い。
さらに上述した第4の実施の形態においては、表示部6Aにおける釣銭表示欄CCの近傍にモード表示欄MDを設け、その時点における出金モードを表示するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば操作部13(図1)の表示パネルや硬貨出金口16の近傍等にLED等によるモード表示欄MDを設けても良い。また、例えば第2の実施の形態において表示部6Aにおける釣銭表示欄CCの近傍にモード表示欄MDを設けることにより、全桁一括又は一桁毎のいずれにより出金されるかをレジ係員に予め提示するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、釣銭表示欄CCの釣銭額CHを、対象桁DGの硬貨を出金するときに一時的に表示色を変更し、次の対象桁DGの硬貨を出金する際には出金済の桁を元の表示色に戻すようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば出金済の桁の色を出金中の対象桁DGの表示色及び元の表示色のいずれとも異なる表示色に変更することにより、出金済の桁、出金中の桁及び未出金の桁それぞれを表示色によって区別するようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても、同様に桁ごとの表示手法を出金状況に応じて相違させるようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、釣銭表示欄CCにおいて通常の数字を白色の背景に黒色の数字により表示し、対象桁DGの数字を赤色とするようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば通常の数字を黒色の背景に緑色の数字により表示し、対象桁DGの数字を黄色とする等、他の種々の配色とするようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては1桁ずつ、第2の実施の形態においては総枚数に応じて全桁を一括して又は1桁ずつ、第3の実施の形態においては桁毎の枚数に応じて1桁ずつ又は複数桁をまとめて、第4の実施の形態においては出金モードに応じて全桁を一括して又は1桁ずつ、対象桁DGを選定するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第3及び第4の実施の形態を組み合わせることにより、出金モードに応じて、全桁を一括して選定し又は桁毎の枚数に応じて1桁ずつ若しくは複数桁を対象桁DGとして選定する等、種々の手法により1以上の桁でなる対象桁DGを選定するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、閾値を10枚とし、第3の実施の形態においては、閾値を5枚とするようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、それぞれの閾値を任意の枚数としても良い。この場合、閾値としては、一度に出金される硬貨の金種及び枚数を容易に把握し得る範囲に止めるよう、適切に定めることが望ましい。
さらに上述した実施の形態においては、紙幣の出金時には、釣銭表示欄CCの表示を特に変更しないようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば紙幣の出金時に釣銭表示欄CCにおける1000円の桁の表示を他の桁と相違させるようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、桁毎に出金する際の待機時間を5秒とするようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、待機時間を例えば3秒や8秒などの任意の時間としても良く、さらには出金する硬貨の枚数や金種の数に応じて適宜変化させるようにしても良い。
さらに上述した第4の実施の形態においては、レジ係員が操作部13の次桁出金ボタンを押下することにより、対象桁DGを次の桁に移して次の出金処理を行うようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば硬貨出金口16(図1)の近傍等、レジ係員の作業効率を高め得る種々の箇所に次桁出金ボタンを配置するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、釣銭制御部21においてCPU22が釣銭出金プログラムを実行することにより、枚数決定部41、桁選定部42、出金指示部43及び表示制御部44の各ブロックをソフトウェアにより構成するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばハードウェアにより各ブロックを構成するようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、釣銭処理部3を制御する釣銭制御部21により釣銭出金プログラムを実行するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばレジスタ部2の統括制御部5により釣銭出金プログラムを実行するようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、釣銭制御部21のメモリ23に予め記憶された釣銭出金プログラムをCPU22が読み出して実行することにより釣銭出金処理を行うようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばレジ釣銭機1が通信インタフェースを介してホストコンピュータやサーバ装置等と接続されている場合に、このホストコンピュータやサーバ装置等から釣銭出金プログラムをダウンロードしてCPU22により実行するようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、小売店舗の精算所において主にレジ係員に操作され、釣銭額CHを釣銭表示欄CCに表示しながら釣銭を出金するレジ釣銭機1に本発明を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば銀行等の金融機関に設置され顧客の操作により金銭に関する種々の取引処理を行う現金自動預払機(ATM)や、飲料や切符等の各種商品・サービスの精算処理を行う自動販売機等、顧客との商取引において硬貨の出金処理を行う種々の装置に適用することができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、表示部としての表示部6Aと、枚数決定部としての枚数決定部41と、桁選定部としての桁選定部42と、出金指示部としての出金指示部43と、出金部としての出金部17と、表示制御部としての表示制御部44とによって硬貨出金装置としての釣銭処理部3を構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる表示部と、枚数決定部と、桁選定部と、出金指示部と、出金部と、表示制御部とによって硬貨出金装置を構成するようにしても良い。