JP6065247B2 - 積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイル及びそのコーティング方法 - Google Patents

積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイル及びそのコーティング方法 Download PDF

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Description

本発明は、本出願人が提案した特許第4957926号の改良に関し、塩化ビニル系タイルの表面に高硬度の無機質コーティングを施して、後にリコートなどのメンテナンスを必要としないメンテナンスフリー型として提供できる積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイル及びそのコーティング方法に関するものである。
従来、床用タイルとしては大理石や御影石、人工石などの各種石材や、ビニル系床タイル、ビニル系シートなどの化学床用塩化ビニル系タイルなどがいろいろなところで使用されてきたが、近年ではこれに代わるべく、人工的に作られたセラミックタイルなどが使用されるようになってきた。このセラミックタイルは高温で焼結させて製作され、高硬度の特性を有する人工的な石材であり、御影石などと同等の硬さを有するため、歩行による光沢の落ちが殆どなく、施工後のメンテナンスが不要となるメンテナンスフリー型の床材として注目を浴びている。また、従来の大理石や御影石など、天然石材に比べると安価であり、最近では天然石材の代用品として使用されるだけでなく、ビニル系床タイルやビニル系シートなど、化学床用塩化ビニル系タイルに取って代わる床材としても、いろいろな商用施設などで多く使用されるまでに至った。
しかしながら、このセラミックタイルは従来の床材にない長所を有する反面、石材同様に重量物であるために高層階での施工が困難であったり、高温焼成時に発生する巣に汚れが詰ってしまい、美観を著しく損ねたりする。また、非常に硬い素材であるが故に滑って転倒すると重大事故につながったり、長時間の歩行によって感じたりするといった多くの難題を抱えていた。よって近年では、再度、塩化ビニル系タイルやビニル系シートの使用が改めて見直されつつある。この塩化ビニル系タイルは安価であり、柔らかい床材であるために歩行性に優れ、いろいろな種類や形状を自由に選ぶことができ、新店のみだけでなく、改装店、既存店など、あらゆるところで汎用的に使用することができる。更には軽量床材であるため、高層階での使用も容易にできるなど、セラミックタイルにない特長を有している。しかしながら、施工後はワックスなどで美観の維持管理に努めなければならず、定期的にワックス掛けやバフ掛けなどの処理が必要となるため、それに相当する維持管理費が必要であった。また、このワックス工法は定期的に剥離作業が必要であり、この剥離作業に伴う廃液処理などが環境問題の観点から問題となる工法でもあった。
一方、本願発明の様な塩化ビニル系タイルの表面にセラミックタイルに近いガラス系コーティング層を形成させるのは一般的に技術的に困難とされている。理由はセラミックタイルなどと異なり、塩化ビニル系タイルは130℃前後の耐熱性しか有さないため、高温焼結による高硬度化は望めず、さらには塩化ビニル系タイル自身が非常に軟らかい床材でもあるために、この表面上に超硬質ガラス系皮膜を形成して、セラミックタイルと同様の高硬度や耐摩耗性、長期光沢維持性などを有するメンテナンスフリー型コーティング層を形成するは技術的に困難とされている。
本課題を改善すべく、前回、提案した特開2010−163584号(特許4957926号)に開示した発明は、無機系コーティング層による床メンテナンス工法の提案であった。この提案だと従来のワックス工法よりは遥かに高光沢性や光沢維持性、耐溶剤性に優れ、メンテナンスの回数も年数回で済むために大幅な年間維持管理費の削減が図れることや、廃棄処理などが不要となるために環境にも優しいなどの多くのメリットがあった。しかしながら、メンテナンスフリー型として使用されている上記セラミックタイルに比べると、ワックス工法ほどはコストが掛らないまでも、幾らかの定期的メンテナンスの費用は必要であった。
また、上記提案においては鉛筆硬度が9H程度と低く、セラミックタイルに比べると耐摩耗性、長期光沢維持性などが不充分であった。即ち、コーティング剤を床用として使用した場合に光沢劣化の主たる原因となるのは、砂や土砂などの持ち込みによるものが非常に多いとされる。これらの砂や土砂の硬度は9H〜12Hとされているため、この硬さと同等かそれ以上の硬度を有するコーティング材でなければコーティング層の表面が摩耗し、光沢の維持は困難となり、メンテナンスフリー型タイルとして提供するのは困難である。
尚、一般的にビニル床タイルにはコンポジションタイルとホモジニアスタイルなどがあり、各々、ポリ塩化ビニルや可塑剤などからなるバインダーの含有率により区別される。コンポジションタイルの場合は、このバインダーが30%未満であり、ホモジニアスタイルの場合は30%以上とされている。一般的にコンポジションタイルは硬質系床材として重歩行部などの箇所に使用され、ホモジニアスタイルの場合は比較的歩行量の少ない中・軽歩行部で使用され、尚且つ、光沢や美観を重要視する施設において使用されているケースが多い。各々の用途の違いにより、タイルの強度や硬度、構造なども異なるため、これらのタイルにコーティングできる仕様としなければならないのと同時に、セラミックタイルと同様にメンテナンスフリー型タイルとするためには、トップコートに超硬質系コーティング層を形成させる必要がある。
例えば、特許文献1では、「コーティング剤全体の組成に対し、少なくとも、4官能及び3官能のアルコキシシランの混合物を10〜45wt%と、平均径5〜20nmの超微粒コロイダルシリカ10〜50wt%とを混合し、さらに、化学床用として可撓性を付与させるためにシリコーンアルコキシオリゴマー及び/又は2官能のアルコキシシランを2〜20wt%と、前記超微粒コロイダルシリカとアルコキシシランとの結合剤として官能基がビニル基、エポキシ基、アミノ基を使用したシランカップリング剤0.5〜2.0wt%と、前記アルコキシシランの加水分解によって生成されるシラノールの縮合反応を促進させる触媒としてリン酸系触媒やチタン系触媒などを0.5〜5wt%とを配合してなる化学床保護用可撓性付与常温硬化型無機質コーティング剤」を開示した。
しかしながら、特許文献1においては、ワックス工法と同様に定期的にリコートを行うことを前提としていたために、2官能のシランなどにより、ある程度は硬度を抑えて可撓性を付与させたコーティング剤であった。従って、一般的なワックスなどに比べると長期光沢維持特性は優れているものの、セラミックタイルに比べると、硬度や耐摩耗性、光沢維持性などが劣る皮膜であった。これに対し、セラミックタイルに近いメンテナンスフリー型コーティング層を得るには、従来のコーティング層よりは遥かに高硬度タイプのコーティング仕様とする必要があり、そのためには今まで以上の高硬度化や耐摩耗性、長期光沢維持性を有する仕様にしなければならない。また、その皮膜を常温硬化、又は、塩化ビニル系タイルの耐熱性温度130℃以下の熱処理にて形成しなければならない。そのためにはトップコート層に4官能シランやシリカによる膜を形成し、その皮膜が焼結体に近い(架橋密度が極めて高い)構造にしなければ超高硬度皮膜を形成することは困難である。そうなると必然的に、その縮合反応時(架橋反応)に発生する収縮による内部歪を吸収できるような構造にしなければ、タイルの反りやクラックなどの発生が問題となり、製品としては不完全となる。加えて、使用時に発生するタイルの変形などについても、ある程度は追従できるような柔軟性を付与させる必要がある。
本発明においては、コーティング層の超高硬度化を図るために、今まで以上に架橋密度の向上を図らなければならない。同時にコーティング剤の硬化時に発生する収縮による内部歪を吸収できる構造が必要となる。つまり、塩化ビニル系タイルの反りやクラックなどを吸収できるコーティング層を形成させる必要がある。それが可能となればセラミックタイルが持つ高硬度、耐摩耗性、これによる長期光沢維持性やメンテナンスフリー化、環境適合性(廃液処理が不要)などの特徴と、塩化ビニル系タイルが持つ安価さ、汎用性(新店、改装店、既存店など全てへの導入)、高層階への導入、歩行性の向上、転倒事故の回避、美観の長期維持などの特徴を併せ持つ積層型無機系保護コーティング処理付き塩化ビニル系タイル及びそのコーティング方法の提案が望まれる。
請求項1の発明は、塩化ビニル系タイルの表面に無機系保護コーティング層を形成し、トップコート層の鉛筆硬度が10H以上、かつコーティング処理後においてタイル端部の反りが1mm以下である積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルを提供するものである。
この発明において、塩化ビニル系タイル上に形成する無機系保護トップコーティン層については、10H以上の高硬度仕様にしなければならないのと、その皮膜にクラックがないこと、コーティング剤の硬化収縮時にタイルの反りが1mm以下になるように抑制されることが前提である。タイルの反りが発生しなければクラックの発生も起き難い。経験的に1mm以下の変形量であれば1%以内のクラックの発生量に留めることが出来る。それにより、塩化ビニル系タイルが持っている柔軟性を犠牲にすることなく、超高硬質の皮膜を塩化ビニル系タイルの上に形成出来、ビニル系床タイルでありながら、セラミックタイルが持つ高硬度、耐摩耗性、長期光沢維持性やメンテナンスフリー、環境適合性(廃液処理が不要)と、ビニル系床タイルが持つ安価さ、汎用性(新店、改装店、既存店など全てへの導入)、高層階への導入、歩行性の向上、転倒事故の回避、美観の長期維持などの特徴を併せ持つことが出来、歩行やカート及び台車などによる使用時のタイル自体の変形や衝撃に対しても追従できる柔軟性を付与させた積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルを提供することができる。
請求項2の発明は、前記塩化ビニル系タイルのポリ塩化ビニルの含有量が10%〜40%である請求項1記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルを提供するものである。
この発明においては、塩化ビニル系タイル上に形成する無機系保護トップコーティン層の架橋反応時(縮合反応時)に発生する収縮に伴う内部歪を吸収し、タイルの反りを1mm以下にとどめ、クラックの発生率を1%以内に抑制するに適した柔軟性を有する塩化ビニル系タイルであり、硬質系床材コンポジションタイル、柔軟系床材ホモジニアスタイルの両方に幅広く利用することができる。
請求項3の発明は、前記塩化ビニル系タイルの厚みが2.0mm〜6.0mmである請求項1及び2いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルを提供するものである。
この発明においては、タイルの反りによる無機系コート層のクラックを防止できると共に、塩化ビニル系タイルの適切な柔軟性を持たせることができる。タイル厚み2.0mm以下ではタイルが薄くなりすぎるため、反りやクラックの発生しない塗膜を形成するのは困難となり、6.0mm以上になると反りやクラックの発生については問題ないが、反面、タイル自体の剛性が増し可撓生が乏しくなって、塩化ビニル系床タイルとしての柔軟性機能が損なわれる可能性がある。
請求項4の発明は、前記トップコート層側の表面光沢が70以上である請求項1乃至3いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルを提供するものである。
この発明においては、セラミックタイルが持つ高光沢性、高硬度、耐摩耗性、それによる長期光沢維持性、美観の長期維持などを有するメンテナンスフリー型の塩ビ系タイルを得ることができる。
請求項5の発明は、塩化ビニル系タイルの表面に少なくともアンダーコート層、中間コート層、トップコート層の積層型無機系保護コーティング処理を施すものであって、前記アンダーコート層の硬度が3H〜6H、厚みを20μm〜50μm、中間コート層の硬度が6H〜9H、厚みを10μm〜40μm、トップコート層の硬度が10H以上、厚みが3μm〜20μmとなる複数層を積層するようにした積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法を提供するものである。
この発明においては、塩化ビニル系タイル上に形成する無機系保護トップコーティング層について、架橋反応(縮合反応)時に発生するコーティング剤の内部歪や、それに伴うタイルの反りやクラックの発生を充分に抑制することが出来る。具体的にはトップコート層が薄膜ではあるが、超硬質系コーティング層を形成するために、この架橋反応時に発生する内部歪を中間コート層で吸収するようにし、中間コート層の架橋反応時に発生する内部歪をアンダーコート層が吸収できるようにし、更にはアンダーコート層の架橋反応時に発生する内部歪を塩ビタイル自体が吸収できるようにした構造とした。よって、常温硬化型コーティング剤特有の問題となる架橋時の内部歪について、タイル自体の反りを1mm以下にすることにより、クラックの発生率をも1%以内に抑制することができる。つまり、積層型コーティング層にすることにより、コーティング剤の硬化収縮時に発生する内部歪を各硬度と厚みの異なった積層型コーティング層で吸収できるようにしたものである。
その方法はトップコートから中間層、アンダーコート層の硬度と厚みをパラメーターにして、トップコートからアンダーコートまでの各々の内部歪を吸収できるようにしたものであり、それにより、タイル自体の歪(タイルの反り)が起き難いようにしたものである。また、床材として使用時に発生する歩行による変形や集中荷重に対しても、コーティング層を積層型にすることにより、ある程度は吸収できるようにもした緩衝構造とすることができる。このコーティング方法は新設タイルに処理することは当然ながら、既に設置されている化ビニル系タイルにおいてもワックスの剥離を行った後に処理することができる。
また、トップコート自体は超硬質系コーティング層となるため、層厚みをあまり厚くするとクラックが入り易くなる。一方、層厚みが薄くなるとトップコート自体では光沢を得ることは困難となる。この点について、アンダーコートや中間コートを形成して厚みを補うことで、固形分濃度の低いコーティング剤を塗布して作製した薄いトップコート層であっても光沢性の高い皮膜を形成することが可能となる。
請求項6の発明は、前記塩化ビニル系タイルのポリ塩化ビニルの含有量が10%〜40%である請求項5記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法を提供するものである。
この発明においては、塩化ビニル系タイル上に形成する無機系保護トップコーティン層の架橋反応時(縮合反応時)に発生するタイルの反り等を1mm以下にとどめることにより、クラックの発生率をも1%以内に抑制することが出来る塩化ビニル系タイルの柔軟性を有しており、硬質系床材コンポジションタイル、軟質系床材ホモジニアスタイルの両方に幅広く利用することができる。また、タイルの反りによる無機系コート層のクラックを防止できると共に、ビニル系タイル本来の柔軟性を有する適切な塩化ビニル系タイルを得ることができる。また、アンダーコート層の架橋反応時に発生する収縮に伴う内部歪を塩化ビニル系タイル自体が吸収できるようにでき、床材として使用時に発生する歩行による変形や荷重に対しても、コーティング層とともに吸収できる。
請求項7の発明は、前記塩化ビニル系タイルの厚みが2mm〜6mmである請求項5及び6いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法を提供するものである。
この発明においては、タイルの反りによる無機系コート層のクラックの発生を防止できると共に、塩ビタイル本来の柔軟性を有する適切な塩化ビニル系タイルとすることができる。また、アンダーコート層の架橋反応時に発生する収縮に伴う内部歪をタイル自体が吸収でき、床材として使用時に発生する歩行による変形や荷重に対しても、コーティング層とともに吸収できる。
請求項8の発明は、前記アンダーコート層と中間コート層とトップコート層との積層総厚みが33〜110μである請求項5乃至7いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法を提供するものである。
この発明においては、前記アンダーコート層と中間コート層とトップコート層との積層総厚みを33μm以上とすることにより、トップコート層が固形分濃度の低いコーティング剤を塗布して得られた薄い膜であっても、光沢性の高い皮膜を形成することが可能となる。また、コンポジションタイルなど、タイルの表面に凹凸があるものであっても70以上の光沢値が得られる。積層総厚みが110μmを超えるとタイルの反りやクラックなどが起き易くなる。
請求項9の発明は、前記アンダーコート層と中間コート層とトップコート層との積層した塩ビ系タイルの表面を30℃〜100℃にて1時間以上熱処理を施すようにした請求項5乃至8いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法を提供するものである。
この発明において、熱処理の際に塩化ビニル系タイルの変形を予防することを目的とした矯正処理を行うことにより、無機系保護トップコーティン層の架橋反応時(縮合反応時)に発生するタイルの反り等を1mm以下に留めることに寄与する。好ましくは30℃〜50℃である。
特開2010―163584号(特許第4957926号)
本実施例において使用される塩化ビニル系タイルは,ポリ塩化ビニルの含有量が10%〜40%で、厚みが2mm〜6mmである。そして、この塩化ビニル系タイル表面に積層型無機系保護コーティング処理を施す。
前記下地層(アンダーコート層及び中間コート層)とトップコート層のコーティング剤については本出願人が提案した特開2010−163584号公報(特許第4957926号)に示される。すなわち、コーティング剤全体の組成に対し、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランから選ばれる少なくとも1種以上の4官能アルコキシシランと、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも1種以上の3官能アルコキシシランとの混合物を10〜45wt%と、平均径5〜20nmの超微粒コロイダルシリカ10〜50wt%と、化学床用として可撓性を付与させるためにシリコーンアルコキシオリゴマー及び/又は2官能のアルコキシシランを2〜20wt%と、前記超微粒コロイダルシリカとアルコキシシランとの結合剤として官能基がビニル基、エポキシ基、アミノ基の何れかを使用したシランカップリング剤0.5〜2.0wt%と、前記アルコキシシランの加水分解によって生成されるシラノールの縮合反応を促進させる触媒としてリン酸系触媒又はチタン系触媒を0.5〜5wt%とを配合してなる化学床保護用可撓性付与常温硬化型無機質コーティング剤が使用される。そして、これら4官能シランや3官能シラン、メチル・エチルシリケート、シリカゾル、その他の組み合わせや配合割合を変えることにより、高硬度、高光沢の塗膜の開発が可能となる。
本発明に用いられる4官能のアルコキシシランとしてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3官能のアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシランなどを使用する。
また、可撓性を付与させるために使用する2官能アルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどを使用する。また、シリコーンアルコキシオリゴマーとしては高分子量体や可撓性付与単位を導入したメチル系オリゴマーを使用した方が望ましい。高分子量体のメチル系オリゴマーは添加量を増やすと粘度の上昇を招く恐れがあるために、少量の添加でなければならない。
シランカップリング剤としては、官能基がビニル基、エポキシ基、アミノ基などのものを使用して主にビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3.4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトシキシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを使用する。
高硬度を保有させるために使用するコロイダルシリカは有機溶剤に分散したタイプ、例えば分散媒としてメタノール系、イソプロパノール系、エチレングリコール系、ジメチルアセトアミド系、メチルエチルケトン系、メチルエチル系、キシレンn-ブタノール系、メチルイソブチル系を使用する。また水分散型コロイダルシリカも使用する。いずれも粒子径が5nm〜20nmである。
触媒としてはリン酸系やチタン系触媒(有機チタネート)、アルミ系触媒などを使用する。リン酸系はアルコール(イソプロピルアルコールなど)で希釈されたものでリン酸濃度が20〜30%のものを使用する。また、チタン系触媒としては有機チタネートなどを使用し、主にテトラ-i-プロポキシチタン、テトラーn-プトキシチタン、テトラキス(2-エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、ジーi-プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジーn-プトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、チタニウムーi-プロポキシオクチレングリコート、チタニウムステアレートなどをアルコールなどで50%位に希釈したものを使用し、これら触媒の添加量は、アルコキシシランに対し上記希釈液で重量比で0.1wt%〜5.0wt%とした。更にアルミ系触媒としてはアルミニウムアルコレート、アルミニウムキレート、環状アルミニウムオリゴマーなどが使用され、アルコール(イソプロピルアルコール)などで希釈されたもので濃度20%〜50%のものを使用する。
本実施例の前記下地は、アンダーコート層及び中間コート層からなり、前記アンダーコート層は硬度を3H〜6H、厚みを20μm〜50μm、中間コート層は硬度を6H〜9H、厚みを10μm〜40μmとなるように形成して、その上面に硬度が10H以上、厚みが3μm〜20μmのトップコート層を形成する。
一般的に耐摩耗性を向上させるのであればコーティング層の硬度を上げるか、コーティング自体に柔軟性を付与させて衝撃を吸収させるような機能を持たせて、傷の侵入を防ぐしか方法はない。但し、無機系コーティング剤の場合は、一般的なアクリル樹脂やウレタン樹脂などのように柔軟性を付与させることはできず、コーティング層自体の硬度を上げて耐摩耗性を向上させるしか手立てはない。(表1)にコーティング層の表面硬度をパラメーターにしたときの皮膜の耐摩耗性と光沢劣化性の結果を示すが、コーティング剤の硬度が低いと、当然ながら摩耗が激しく、コーティング剤の光沢が徐々に劣化していく。このテストの結果より、コーティング層の硬度は少なくとも10H以上を有する仕様でなければ耐摩耗性に優れたメンテナンスフリー化は望めない。
Figure 0006065247
*硬度はJIS鉛筆硬度試験により膜厚みは10μmで金属鋼板に塗布して測定。
*鉛筆硬度試験はJISK5600-5-4により測定。
*耐摩耗試験はJISH8503-1989により1時間の研磨材落下試験にて測定。
*研磨材はGC#100を使用。
*JIS鉛筆硬度試験の規格は6Hまでであるが、実際は10Hまでの鉛筆が存在するため、その鉛筆で硬度測定試験を実施。11H以上については表1の鉛筆硬度試験と耐摩耗試験の相関データー(図1)に基づき、11H,12Hを推定(相当と)した。
*耐摩耗試験の1時間は実際の現場の1年位に相当する。
(表2)はコーティング層の硬度とタイルの反りの関係を示すが、これは通常仕様において、下地処理(密着性を高めるためのプライマー処理)を行った後に、上記、超硬質系コーティング剤を1層だけ塗布し、タイルの反りとクラック発生の有無を確認した結果を示したものである。前述した通り、塩化ビニル系タイルは一般的なコンポジションタイル(硬質系タイル)とホモジニアスタイル(軟質系タイル)があり、タイルの厚みも□30Cm×2mm厚みのものと、□45Cm×3mm厚みのものがある。今回の評価試験で用いたものは、最もタイルの反りやクラックの入り易い□30Cm×2mmのコンポジョンタイル及びホモジニアスタイルについて、タイルの反りとクラック発生の有無を確認した。
Figure 0006065247
*タイルは□30×2mmのホモジタイルとコンポジタイルを使用した。
*処理は上記、鉛筆硬度を有するコート層を1層塗布。厚みは約10μm前後とした。
*乾燥は塗布後にて乾燥(40℃×10H)。
*タイルの反りはタイルの端部の反りを計測。
*クラックの発生は全体に占めるクラックの割合を目視により判断。
上記の結果から理解されるように、鉛筆硬度10Hの皮膜を□30Cm×2mmの塩化ビニル系タイルの上に形成させようとすると、硬質系床材であるコンポジタイルで4〜6mm位の反りが発生し、20%位の割合でクラックが発生する。また、軟質系床材であるホモジニアスタイルに至っては6〜9mmの反りが発生し、45%位の割合でクラックが発生することが分かった。
上記の通り、メンテナンスフリー化のためにコーティング層の硬度を上げれば、タイルの反りやクラックの発生が問題となる。この問題を解決するためには、現状のタイルにおいてはコーティング剤の架橋反応の際に発生する内部歪を吸収する中間層を設けるか、タイル自体の剛性を高めるために厚みを増すか、ポリ塩化ビニルの含有量などを増やして剛性を増すなどの方法を取るしか方法はない。
既存の塩化ビニル系タイルを使用する場合、さらにこの中間層を形成してタイルの反りを吸収できるかどうか、クラック対策が可能かどうかについてテストした。下記の通り、中間層の硬度や厚みをパラメーターにしてタイルの反り(歪)やクラック発生の有無の確認を行った。試験の方法は上記、□30Cm×2mmの塩ビ系タイルの上に下地処理を施し、その上に中間層を形成し、その後に硬質系コーティング剤である10Hのコート層を10μm塗布した。中間層の硬度と厚みをパラメーターにしてテストした結果を表3に示す。テストにおいては、特にタイルの反りやクラックが発生しやすい軟質系床材ホモジニアスタイル厚み2.0mmで評価した。
Figure 0006065247
*単位mmはタイル端部の反り値であり、%は目視によるクラックの発生割合。
*NGはクラックが発生しているもの、OKはクラック発生1%以内のものである。
*塗膜形成後、40℃×10hの熱処理を行う。
*中間層を形成し、その上に10Hのコート層を10μmのトップコート層を処理。
*−は測定せず。
上記の通り、中間層の硬度と厚みをパラメーターにしてテストを行った結果、9H位では当然ながら緩衝材としての効果はあまり期待できず、緩衝材として塗膜を形成しても反りやクラックの対策とはなり得ない。しかしながら、中間層の硬度の下げていくと徐々にタイルの反りやクラックの発生は少なくなる傾向にあるが、5H以下となると逆にクラックの発生が増す傾向にある。この原因については中間層が余りにも柔らかくなり過ぎると、架橋の際に発生するトップコートの収縮が起き易くなり、逆にクラックの発生を助長するものと推測される。よって中間層の硬度は6H位までに留めておく必要がある。但し、6H位の中間コート層で塗膜の厚みが30μm位の場合であったとしてもタイルの変形は2〜3mm位あり、クラック発生量も5%位であるため、この状態でも完全ではいことが分かる。
上記、中間層だけでは十分な緩衝材としての効果が得られなかったため、更にその下地としてアンダーコート層を作成し、タイルの反りやクラック対策とする積層型コーティング層の作製を行った。このアンダーコートの上に中間層として6Hのコート層を30μm位処理し、その上にトップコートの10Hの硬度のものを10μmの厚みに成膜して、タイルの反りやクラックの発生状態を調べた。
Figure 0006065247
*単位mmはタイル端部の反り値であり、%は目視によるクラックの発生割合。
*NGはクラックの発生しているものであり、OKは1%以内のクラック発生のものである。
*中間層として6Hのコート層を30μm位処理し、その後にトップコートの10Hの硬度のものを10μm前後だけ塗布する。
*−は測定せず。
表4に示す通り、トップコート層や中間層の下部にアンダーコート層を塗布することにより、OKで示した硬度と膜厚の条件でタイルの反りやクラックの発生を抑制できることが分かった。上記の一連の実験より、アンダーコート層の硬度は3H〜6Hが望ましく、その厚みは20μm〜50μmが望ましい。この範囲の仕様であれば軟質系床材である□30C,m×2mmのホモジニアスタイルであったとしても、タイルの反りやクラックの発生を懸念する必要なく、トップコート層に10H以上の非常に硬い皮膜を形成し、メンテナンスフリータイプのコーティング層を形成することが可能となる。また、このアンダーコートを処理することにより、総塗膜の厚み60μm位となり、コンポジションタイルなど、タイルの表面に凹凸があったとしても70以上の光沢値が得られるようになった。この総塗膜の厚みは50μm以上で光沢値70以上が得られ、厚み60μ以上に厚くすると光沢値75以上が得られ易い。尚、アンダーコート層が2Hで厚み20〜40μmのものは、アンダーコート層が軟らかくなり過ぎて架橋時発生する収縮によりクラックの発生を助長する。
下記(表5)にタイルの厚みを変えた場合のタイルの反りとクラック発生の関係を示す。トップコート層は硬度10Hとして厚みは10μm前後、アンダーコート層は3Hとして厚みは30μmに固定し、中間層は7Hとして厚みは30μmに固定し、硬度を下記のように変えて評価を行った。

Figure 0006065247
*―は測定せず。
上記の通り、タイルの厚みを増していくと当然ながらタイルの剛性は増して、タイルの変形やクラックは発生しにくくなる。タイル厚み2.0mm以下ではタイルが薄くなりすぎるため、反りやクラックの発生しない塗膜を形成するのは困難であり、6.0mm以上になると反りやクラックの発生については問題ないが塩化ビニル系タイル自体の剛性が増して床材としての機能を失う可能性がある。そのため、タイルの厚みとは2.0mm〜6.0mm位が適切である。
このようにコーティング剤のアンダーコート層、中間コート層、トップコート層を表6に示す硬度及び膜厚に調整して、ポリ塩化ビニルの含有量が30%〜40%で、□30Cm×2mmの塩ビ系タイルであるホモジニアスタイルに塗布し、40℃にて10時間熱処理を施した。これらの各試料についてタイルの反り及びコート層表面のクラックの発生率を調べた。第6表中クラックの発生が1%以下のものには○、1%以上のものには×を付して示してある。尚、表中*印は本発明の範囲外のものである。
Figure 0006065247
*印は本発明の範囲外のものである。
第6表から理解されるように、アンダーコート層の硬度が3H〜6H、厚みが20μm〜50μm、中間コート層の硬度が6H〜9H、厚みが10μm〜40μm、トップコート層の硬度が10H以上、厚みが3μm〜20μmの試料3〜6、8、11,12、14、18、19はトップコート層表面を目視により観察したところクラックの発生が1%以内であった。これに対し、上記範囲外の試料2、7、9、10、13,15〜17、20,21のトップコート層表面を目視により観察したところ約1%以上のクラック発生が見られた。また、試料2についてはタイルの反りやクラックの発生はないものの、皮膜が薄すぎるために規定の光沢値が得られないことが分かった。更に熱処理後のトップコート層の硬度は12H相当の試料のものもあった。これは、40℃にて10時間熱処理を施したためと考えられる。尚、試料1についてはトップコート層の硬度が低くすぎて土砂の硬度に負けてしまうため、本発明が目的とするメンテナンスフリーの被膜の対象外であるため測定せず。
また、本発明の範囲内である前記試料8のコーティング方法を表7に示すように、ポリ塩化ビニル含有量及び厚みを異なえた塩化ビニル基材に適用した。塩化ビニル系タイルの反りとコーティング剤のクラックの発生状態を示したものを下記に示す。尚、*印は本発明の範囲外のものである。
Figure 0006065247
*印は本発明の範囲外のものである。
*−は測定せず。
表7から理解されるように、上記表6に示した本発明の範囲内である試料8のコーティング方法をポリ塩化ビニルの含有量が10%〜40%で、厚みが2mm〜6mmである塩化ビニル系タイルに適用した。本発明の範囲内である試料23,25、27のトップコート層表面にはクラックの発生がほとんど見られなかった。これに対し、本発明の範囲外である塩化ビニル系タイルに適用した試料22、24のトップコート層を目視により観察したところ1%以上のクラックの発生が見られた。尚、試料番号26についてはタイルの反りやクラックは発生しなかったものの、厚みが厚すぎて柔軟性が付与され難いため発明の対象外とした。また、試料番号28についてもポリ塩化ビニルの含有量が多すぎて柔軟性に欠けるために本発明の対象外とした。
尚、別途試験において、タイルの反りやクラックの発生が最も懸念される厚み2.0mmの軟質系ホモジニアスタイルに於いて評価試験を行ったが、ポリ塩化ビニルや可塑剤などからなるバインダーの含有率が40%までは良好であった。実際には剛性の高い硬質系コンポジョンタイルや3.0mm厚×□45cmサイズの塩化ビニル系タイルを使用することにより、更に変形やクラックの発生しない超硬質系トップコート層の塗膜を形成させることが出来る。本特許で請求しているバインダーの含有率が10〜40%までの塩化ビニル系タイルにおいては、上記実験の通り、トップコート層表面において11Hや12H相当の鉛筆硬度を得ることができ、それにより、セラミックタイルに近い耐久性や光沢維持性が期待できる。
また、表6に示す本発明の範囲内試料についてトップコート層の滑り抵抗値を測定したところ、JIS A1454の滑り性試験に準拠したC.S.R測定結果、乾式で0.9〜1.0、湿式で0.7〜0.8と安全歩行の目安とされる数値領域内であった。したがって、滑り抵抗値の問題により転倒して重大事故につながることはなく、また、セラミックタイルと異なり長時間の歩行により疲労感を感じることもない。
さらに、表6に示す本発明の範囲内試料についてトップコート層の表面抵抗値を測定したところ1×1010Ω〜1×1011Ωであり、カート走行や歩行時に静電気が問題となることはなく、埃や汚れの付着も抑制できる。
この発明においては、塩化ビニル系基材上に形成する無機系保護トップコーティン層について、コーティング剤の架橋反応時(縮合反応時)時に発生する収縮に伴う内部歪を吸収することにより、タイルの反り等を1mm以下にとどめ、クラックの発生率も1%以内に抑制することが可能となった。また、塩ビタイルが持っている柔軟性を犠牲にすることなく、超硬質の皮膜を塩化ビニル系タイルの上に形成する。即ち、セラミックタイルが持つ高硬度、耐摩耗性による長期光沢維持性やメンテナンスフリー、環境適合性(廃液処理が不要)などの特性と、塩化ビニル系タイルが持つ安価さ、汎用性(新店、改装店、既存店など全てへの導入)、高層階への導入、歩行性の向上、転倒事故の回避などの特性を併せ持ち、美観の長期維持性を得ることができた。また、歩行やカート及び台車などにより発生するタイルの変形や衝撃に対しても、クラックが発生することなく追従できる機能を付与することができる積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルを提供することができる。
また、塩化ビニル系タイル上に形成する無機系保護トップコーティン層の架橋反応時(縮合反応時)に発生するコーティング剤の収縮に伴う内部歪を積層コーティングにより吸収し、タイルの反り等を1mm以下にとどめることが出来、クラックの発生率をも1%以内に抑制するに適した塩化ビニル系タイルの柔軟性を有すると共に、硬質系床材コンポジションタイル、柔軟系床材ホモジニアスタイルの両方に幅広く利用することができる。
また、タイルの反りによる無機系コート層のクラックを防止できると共に、塩化ビニル系タイル本来の柔軟性を有する適切な塩化ビニル系タイルとすることができる。タイル厚み2.0mm以下ではタイルが薄くなりすぎるため、反りやクラックの発生しない塗膜を形成するのは困難であり、6.0mm以上になると反りやクラックの発生については問題ないが、塩化ビニル系タイル自体の剛性が増して塩化ビニル系タイル本来の柔軟性に乏しくなっていき、床材として歩行性に優れた機能を失う可能性がある。
また、塩化ビニル系タイル上に形成する無機系保護トップコーティング層について、架橋反応(縮合反応)時に発生するコーティング剤の収縮に伴う内部歪や、それに伴うタイルの反りやクラックの発生を充分に抑制することが出来る。具体的にはトップコート層が薄膜仕様ではあるが、超硬質系コーティング層を形成するために、この架橋反応時に発生する収縮伴う内部歪を中間コート層で吸収するようにし、中間コート層の架橋反応時に発生する収縮に伴う内部歪をアンダーコート層が吸収できるようにし、更にはアンダーコート層の架橋反応時に発生する内部歪を塩ビタイル自体が吸収できるようにした構造とした。よって、常温硬化型コーティング剤特有の問題となる架橋時の内部歪について、タイル自体の反りは1mm以下にとどめ、それによるクラックの発生率をも1%以内に抑制することができる。つまり積層型コーティング層にすることにより、コーティング剤の硬化収縮時に発生する内部歪を吸収できるようにしたものである。
その方法はトップコートから中間層、アンダーコート層の硬度と厚みをパラメーターにして、トップコートからアンダーコートまでの各々の内部歪を吸収できるようにしたものであり、それにより、タイル自体の変形(タイルの反り)が起き難いようにしたものである。また、床材として使用時に発生する歩行による変形や荷重に対しても、コーティング層を積層型にすることにより、ある程度の変形は吸収できるようにした緩衝材型コーティングの構造とすることができる。このコーティング方法は新設タイルに処理することは当然ながら、既存に設置されている床タイルにおいてもワックスの剥離を行ったあとに処理することができる。
また、トップコート自体は超硬質系コーティング層となるため、層厚みをあまり厚くするとクラックが入り易くなる。一方、層厚みが薄くなるとトップコート自体では光沢を得ることは困難となる。この点について、アンダーコートや中間コートを形成して厚みを補うことで、固形分濃度の低いコーティング剤を塗布して作製した薄いトップコート層であっても光沢性の高い皮膜を形成することが可能となる。
また、塩化ビニル系タイル上に形成する無機系保護トップコーティン層の架橋反応時(縮合反応時)に発生する内部歪を積層型コーティング層で吸収し、タイルの反り等を1mm以下にとどめることにより、クラックの発生率をも1%以内に抑制できると共に、硬質系床材コンポジションタイル、軟質系床材ホモジニアスタイルの両方に幅広く利用することができる。また、アンダーコート層の架橋反応時に発生する内部歪を塩ビタイル自体が吸収できるようにでき、床材として使用時に発生する歩行による変形や荷重に対しても、コーティング層とともに吸収できる。
また、前記アンダーコート層と中間コート層とトップコート層との積層総厚みが33μm以上とすることにより(望ましくは60μm〜105μm)、コンポジションタイルなど、タイルの表面に凹凸があるものであっても70以上の光沢値が得られる。
さらに、熱処理によりトップコート層の硬度をより硬くして、無機系保護トップコーティン層の架橋反応時(縮合反応時)に発生するタイルの反り等を矯正することにより、1mm以下の反りに留めることが出来る。
(表1)の鉛筆硬度試験と耐摩耗試験の相関データー

Claims (9)

  1. 塩化ビニル系タイルの表面にガラス質無機系保護コーティング層を形成し、トップコート層が鉛筆硬度試験と耐摩耗試験の相関データーに基づき測定した場合の鉛筆硬度が10H相当以上、かつコーティング処理後においてガラス質層が硬化する際に生じる架橋反応(縮合反応)時の収縮により塩化ビニル系タイル基材側に発生するタイル端部の反りが1mm以下である積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイル。
  2. 前記塩化ビニル系タイルのポリ塩化ビニルの含有量が10%〜40%である請求項1記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイル。
  3. 前記塩化ビニル系タイルの厚みが2mm〜6mmである請求項1及び2いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイル。
  4. 前記トップコート層の表面光沢が70以上である請求項1乃至3いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイル。
  5. 塩化ビニル系タイルの表面に少なくともアンダーコート層、中間コート層、トップコート層の積層型無機系保護コーティング処理を施すものであって、前記アンダーコート層の硬度が3H〜6H、厚みを20μm〜50μm、中間コート層の硬度が6H〜9H、厚みを10μm〜40μm、トップコート層の硬度が10H相当以上、厚みが3μm〜20μmの複数層を積層するようにした積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法。
  6. 前記塩化ビニル系タイルのポリ塩化ビニルの含有量が10%〜40%である請求項5記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法。
  7. 前記塩化ビニル系タイルの厚みが2mm〜6mmである請求項5及び6いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法。
  8. 前記アンダーコート層と中間コート層とトップコート層との積層総厚みが33〜110μmとする請求項5乃至7いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法。
  9. 前記アンダーコート層と中間コート層とトップコート層とを積層した塩ビ系タイルの表面を30℃〜100℃にて1時間以上熱処理を施すようにした請求項5乃至8いずれかに記載の積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイルのコーティング方法。
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