JP2005068687A - 床用uv硬化型保護シート並びに該保護シートによるフロアの補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 人の出入りの多い建物などの、床材保護のためのUVコートなどが、高い歩行頻度に起因してその光沢を失って補修を要する際に、簡略な作業によって容易に光沢の復元を図ることを可能とする。
【解決手段】 基材となる合成樹脂フィルム(a)の表面に、紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマーのうち少なくとも1種を主成分とする紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線照射することによって形成された紫外線硬化樹脂皮膜(b)と、前記合成樹脂フィルム(a)の裏面に形成された微粘着性接着剤層(c)とからなる床用UV硬化型保護シート、並びに該保護シートを用いたUVコーティングの補修方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 基材となる合成樹脂フィルム(a)の表面に、紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマーのうち少なくとも1種を主成分とする紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線照射することによって形成された紫外線硬化樹脂皮膜(b)と、前記合成樹脂フィルム(a)の裏面に形成された微粘着性接着剤層(c)とからなる床用UV硬化型保護シート、並びに該保護シートを用いたUVコーティングの補修方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建物等の床面に貼着される塩化ビニールシートやポリオレフィンタイル(Pタイル)などの各種床材を、健全な状態で維持するために施されているUVコーティングの補修や再コーティングに、有効に用いることのできる床用UV硬化型保護シート、並びに該保護シートを用いたフロアの補修方法に関する。
デパートや病院等人の出入りが多く、かつ清潔な状態を維持することが求められる各種の建物においては、通常鉄筋コンクリート製の床面に、塩化ビニールシートやポリオレフィンタイル(以下「Pタイル」ということがある。)などに代表される各種床材を貼着して所謂フロアが形成されている。従来該フロアを健全な状態で維持するためには、該フロアを充分に洗浄した後乾燥し、各種のワックスを少なくとも1回、必要に応じて数回に亘り塗布することにより保護する方法が一般的であった。
しかしながら、人の出入りが多く、歩行頻度の高い公共の建物等においては、上記ワックスによるコーティングも比較的短期間で摩耗するため、一定の間隔、例えば1ヵ月毎、若しくは数ヶ月単位で、洗浄とワックスがけを繰り返し、更には少なくとも年に1度は塗布されているワックスを全て剥離し、洗浄した後乾燥して、再びワックスを塗布するという、所謂フロア・メンテナンスが必要不可欠であったが、該フロア・メンテナンスの作業は、人が出入りする平日の昼間などに行うことは事実上不可能であるため、休日や夜間に行われることとなり、作業する業者との日程の調整に拘る煩わしさに加え、必然的にコストの上昇を招くという問題を有していた。
ところで上記ワックスを含め、床材を保護するための被覆材は、単に床材の健全性を維持するにとどまらず、床材に施される装飾や意匠を長期間に亘り鮮明に保持することも、その機能として求められる重要な要素であり、従って床材を保護するに充分な硬度に加え、その透明性と光沢性に優れ、且つ長期に亘り劣化しないという性能が求められている。
そこで近時、上記ワックス塗布に代わる床材の保護方法として、例えば合成樹脂を水に分散させたエマルジョンタイプや紫外線硬化型タイプなど、各種の被覆材を用いて床材をコーティングする方法が数多く開発され、広く採用されると共に、該紫外線硬化型コーティング剤やコーティング方法についても、様々な改善案が提案されている。具体的には紫外線硬化型樹脂組性物が、紫外線透過フィルムでラミネートされてなる床用紫外線硬化型被覆材を、床材に貼り付け、該フィルムの上から紫外線を照射することにより硬化させ、該床材と一体化させることによって床材を保護する方法(例えば、特許文献1参照)や、床面に貼着した床材の上に、装飾フィルムを載置(添付)した後、該装飾フィルムを水系の紫外線硬化型コーティング材の塗膜で覆い、該塗膜を紫外線照射によって硬化する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案され、それぞれ優れた成果が報告されている。
特開2002−188273(第1−第5頁)
特開2003−113668(第1−第10頁、第1−3図)
上記の紫外線硬化型コーティング処理を施された床材は、その初期投資は大幅なコスト負担が避けられないものの、通常のメンテナンスにおいては、洗剤による洗浄を繰り返すことによって、その光沢が長期にわたって維持されるというメリットが認められる。しかしながら、斯かる紫外線硬化型コーティング(以下「UVコート」ということがある。)であっても、人の出入りが多く、歩行頻度が高いという過酷な条件を余儀なくされるフロアにおいては、部分的に摩耗され、その光沢が減少することを免れ得ず、特殊な研磨剤等によって表面を研削して復輝・光沢再現を図ることとなるが、摩耗がより進行している場合には、その表面をフラットになるまで研削して、再度UVコートをしなおすという所謂リコートによる補修作業が施されていた。斯かるリコートによる補修作業は、摩耗部分の研削と紫外線硬化型樹脂による塗膜の形成、更には紫外線照射等、補修部分の大小に拘らず相当時間を費やすこととなり、例えば24時間営業の店舗やスーパーなどにとっては、補修時間の調整に苦慮せざるを得ず、早急に解決を望まれる大きな課題であった。
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として種々検討した結果、予めUVコートされた保護シートを用意し、該保護シートによって補修部分をそっくり張り替えることにより、極めて容易に修復作業を完了し得ることに着目して本発明を完成した。即ち本発明は、基材となる合成樹脂フィルム(a)の表面に、紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマーのうち少なくとも1種を主成分とする紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線照射することによって形成された紫外線硬化樹脂皮膜(b)と、前記合成樹脂フィルム(a)の裏面に形成された微粘着性接着剤層(c)とからなることを特徴的構成要件とする、床用UV硬化型保護シートを要旨とするものである。
本発明による前記床用UV硬化型保護シートにおいて、合成樹脂フィルム(a)の表面に紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線照射することによって得られる紫外線硬化樹脂被膜(b)の膜厚を、2〜6μmとしたことを好ましい態様とするものである。
また本発明による前記床用UV硬化型保護シートにおいて、該保護シートの裏面に形成される微粘着性接着剤層(c)の厚さを、20〜60μmとしたこと、中でも25〜35μmの範囲としたことを好ましい態様とするものである。
更に本発明による前記床用UV硬化型保護シートは、該保護シートを形成する前記微粘着性接着剤層(c)の引っ張り強度が、耐Pタイルや塩化ビニールシート等に対して、4.0〜14.0N/25mmであり、中でも10.0〜14.0N/25mmの範囲であることを好ましい態様とするものである。
本発明における前記床用UV硬化型保護シートを構成する合成樹脂フィルム(a)が、塩化ビニルフィルム、アクリルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポバールフィルム、酢酸セルロースフィルム等からなる熱可塑性樹脂フィルムから選択され、中でもポリエチレンテレフタレートフィルム、熱可塑性ポリエステルフィルムが好ましく採用される。
また、本発明の床用UV硬化型保護シートを形成するために用いられる前記紫外線硬化性モノマー/及び又はオリゴマーのうち少なくとも1種が、溶剤希釈タイプ、水系希釈タイプ及び無溶剤タイプの各種アクリル系樹脂からなり、中でも溶剤希釈タイプのアクリル系樹脂が好ましく採用される。
さらに、本発明の床用UV硬化型保護シートを形成する前記微粘着性接着剤層(c)が、各種アクリル系共重合物からなることを好ましい態様とするものである。
本発明における床用UV硬化型保護シート同士の継ぎ目に、又は、床用UV硬化型保護シートの前記微粘着性接着剤層(c)の表面に、さらに防汚剤を塗布してなることを好ましい態様とするものである。
また、本発明に係るフロアの補修方法は、床面に各種床材を貼着せしめることによって形成され、且つUV硬化型樹脂コーティングによって保護されたフロアにおいて、部分的に摩耗が進行して光沢が減少した該UV硬化型樹被膜を、剥離若しくは研削除去した後、前記各実施態様のいずれかにおいて得られた本発明のUV硬化型保護シートを、適宜選択して貼着せしめることを特徴的構成要件とするものである。
本発明によって得られる床用UV硬化型保護シートは、予めUVコートされた床材が、摩耗等によって著しくその光沢を失い、部分的にリコートによる補修の必要性が生じた場合に、その補修材として有効に用いることができる。即ち、当該摩耗部分を研削した後、本発明の床用UV硬化型保護シートを、その補修部分に貼着するだけで、当初の光沢が復帰するため、改めてUV硬化型樹脂を塗布し、紫外線照射による硬化処理するという煩雑な作業から解放され、極めて簡略な作業によって床材の健全な状態を復元することができる。
また、本発明による床用UV硬化型保護シートを、UVコートするフロアの歩行頻度の高い部分に、選択的に貼着しておくことにより、摩耗によって光沢を失った際、その部分のみを剥離して張り替えることが可能であるため、改めてメンテナンスの専門業者に依頼する必要もなく、低いコストと極めて簡易な操作によって、フロア全体としての清浄な光沢を、長期にわたり維持することができる。
さらに、本発明による床用UV硬化型保護シートは、その表面に予めUV硬化された被膜が形成されているため、現場での塗布作業やUV線照射などの作業が省略されるため、各種有機溶剤による障害や安全面での対策は、必要最小限の配慮を要するのみで足りる。
本発明における床用UV硬化型保護シート(以下単に「保護シート」ということがある。)は、基材として塩化ビニルフィルム、アクリルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポバーフィルム、酢酸セルロースフィルム等の合成樹脂フィルム(a)が用いられるが、中でも透明度が高く機械的強度に優れ、厚さに選択性を有し、しかも汎用市販品で入手が容易な熱可塑性樹脂、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、熱可塑性ポリエステルフィルムが好ましく採用される。また、前記合成樹脂フィルム(a)の厚さは70〜130μmが好ましく、その厚さが70μm以下の場合は、保護シートを形成してフロア上に貼着する際、皺を発生して変形し易くなるため施工が困難となり、一方、130μmを超えるとフロアに段差を生じて塵埃等を集積する要因となったり、極端な場合には歩行者が躓く原因となったりすることも懸念される。なお、該合成樹脂フィルム(a)の両面に易接着コーティングが施されているものであることが、後の工程を効率的に進捗する上で望ましい。
合成樹脂フィルム(a)の表面に、紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線照射することによって得られる紫外線硬化樹脂被膜(b)の厚さは、2〜6μmであることが望ましい。該紫外線硬化樹脂被膜(b)の厚さが、2μm未満では、充分な強度を有する硬化被膜が得られず、また、6μmより厚くなると得られる保護シートの加工性が損なわれると共に、その透明度が減少する場合があるため好ましくなく、実質的には3μm±1μm程度が最も好ましい。
合成樹脂フィルム(a)の裏面に形成される微粘着性接着剤層(c)の厚さは、20〜60μmであり、好ましくは25〜35μmであることが望ましい。該微粘着性接着剤層(c)の厚さが、20μm未満ではその粘着力が減少して密着性に不安があり、一方、60μmより厚くなると保護シートの透明性が損なわれると共に、必要以上に粘着力が増加して、その剥離性が悪くなって補修作業の妨げとなるために好ましくない。従って、該微粘着性接着剤層(c)の厚さが25〜35μmの範囲内であることが、本発明の床用UV硬化型保護シートの優れた実用性を確保する上で好ましい。
本発明による前記床用UV硬化型保護シートは、該保護シートを形成する該微粘着性接着剤層(c)の引っ張り強度が、4.0〜14.0N/25mm、好ましくは10.0〜14.0N/25mmであることが望ましい。該微粘着性接着剤層(c)の引っ張り強度が、4.0N/25mm未満では、業務用の掃除機等で直ちに剥がれてしまうため好ましくなく、また、14.0N/25mmを超えると、床材から剥離が困難となり、補修のための施工作業を煩雑とする。従って、本発明における該保護シートは、その微粘着性接着剤層(c)の引っ張り強度を、10.0〜14.0N/25mmの範囲内にコントロールすることにより、優れた粘着力と程よい剥離性とが最適に調和することが確認され、好ましい範囲としての重要な要件となる。
本発明によれば前記合成樹脂フィルム(a)の表裏いずれかの表面に、紫外線硬化型性モノマー及び/又はオリゴマーを主成分とする紫外線硬化型樹脂組成物を塗布することによって塗膜を形成し、次いで紫外線を照射することによって該塗膜を硬化させ、表面に紫外線硬化樹脂被膜(b)を形成した合成樹脂フィルムが得られる。その後該合成樹脂フィルムの裏面に微粘着性接着剤層(c)を形成することにより、本発明の床用UV硬化型保護シートが完成する。
前記紫外線硬化樹脂被膜(b)は、主成分となる紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー(b−1)に加えて、添加成分としての光重合開始剤(b−2)、紫外線吸収剤(b−3)及び紫外線安定剤(b−4)とからなる紫外線硬化型樹脂組成物を、合成樹脂フィルム(a)の表面に塗布した後、紫外線照射することによって形成されるが、前記紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー(b−1)は、従来公知の紫外線硬化型アクリル系樹脂の中から、1種若しくは2種以上を併用して用いることが可能であり、本発明においては、合成樹脂フィルム(a)の表面に塗布した該紫外線硬化型樹脂組成物に、紫外線照射を実施して硬化させ、その後該フィルム(a)の裏面に微粘着性接着剤層(c)を形成させるという手順を踏むことが好ましく、紫外線照射前に該微粘着性接着剤層(c)を形成させておくと、紫外線照射によって接着剤としての機能が損なわれる惧れがある。
本発明で使用される前記(b−1)成分であるモノマーまたはオリゴマーは活性エネルギー線によって硬化可能であれば特に限定されない。使用可能なモノマーやオリゴマーとしては、ウレン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、コロイダルシリ力と(メタ)アクリロイルアルコキシシランを縮合して得られる有磯無機ハイブリッド(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和結合を有する単官能(メタ)アクリレートまたは多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられ、保護シートの要求性能に応じて選択すれば良い。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−プチル(メタ)アクリレート、i−プチル(メタ)アクリレート、t−プチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、モルフォリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ口ピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシプチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、インボルニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチノル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物などのモノ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジアクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレ−ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシポリ(メタ)アクリレート、1,6−へキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンへキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートとポリ(n=6−15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレクタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンとコハク酸および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンとコハク酸、エチレングリコール、及び(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等のポリエステルポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
コロイダルシリ力と(メタ)アクリロイルアルコキシシラン等を縮合して得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレートも被膜の硬度等を上昇させる為に用いられる。具体的には、コロイダルシリ力とビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキンシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの組み合わせからなる有機無機ハイブリッドビニル化合物や有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
これら(b−1)成分は必要に応じて複数を組み合わせて用いる事が好ましい。特に1〜2種類の単官能アクリレートと、1〜2種類の多官能アクリレートおよび1分子内に少なくと2個あるいはそれ以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するウレタンポリ(メタ)アクリレート化合物の組み合わせが適している。中でもモノ又はポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、10〜40重量部、1分子内に少なくとも2個のラジカル重合成不飽和二重結合を有するウレタンポリ(メタ)アクリレート化合物、5〜40重量部、及びポリ[(メタ)アクリロイルオキシアルキル](イソ)シアヌレート、20〜70重量部からなる組み合わせが好ましく、耐熱性、耐薬品性、耐久性、基材との密着性に優れた塗膜を得ることができる。モノ又はポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレートは、10重量部末満では、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜が得られず、40重量部を超えると耐摩耗性が低下する傾向にある。さらに大幅過剰に配合された場合には硬化被膜にクラックが生じ易くなり、耐久性試験や耐候性試験後の硬化被膜にはクラックが生じる。また、硬化被膜の耐熱性も低下する。ウレタンポリ(メタ)アクリレート化合物は5重量部末満では、十分な強靭性、耐候性を有する硬化被膜が得られず、また空気雰囲気下での硬化性が悪くなる。40重量部を超えると、耐摩耗性が低下する。ポリ[(メタ)アクリロイルオキシアルキル](イソ)シアヌレ−トは20重量部未満では、充分な耐摩耗性や耐熱性を有する硬化被膜が得られず、70重量部を超えると、硬化性が低下する。
本発明の床用UV硬化型保護シートを構成する前記紫外線硬化樹脂被膜(b)を、効果的に形成するためには上記各モノマーに加え、以下のような光重合開始剤(b−2)を添加することが好ましく、例えばメタノール溶液中405nmにおける吸光係数が100ml/g・cm以上であるラジカル重合性光重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキサイド系が挙げられる。具体例としてば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、ルシリンTPO)、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド(BASF社製、ルシリンTPO−L)などに代表されるモノアシルフォスフィンオキサイドやビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィオキサイド(Chiba specialty Chemicals社製、Irg.819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ベンチルフォスフィンオキサイド(Chiba specialty Chemicals社製、CGl403)に代表されるビスアシルフォスフィンオキサイドなどがある。この他に使用可能な光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(Chiba specialty Chemicals社製、Irg.369)に代表されるアミノケトンやカンファーキノン等が挙げられる。
また本発明では、本発明の効果を損なわない範囲内で、これらの光重合開始剤(b−2)以外の光重合開始剤を併用しても良い。上記光重合開始剤(b−2)に併用して用いられる光重合開姶剤成分としては、ベンゾイン ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2、2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物等か使用される。
上記紫外線硬化型樹脂被膜(b)の主成分であるモノマー及び/又はオリゴマー(b−1)に対する光重合開始剤(b−2)の添加量(全量)は、(b−1)成分100重量部に対し0.1〜10重量部、より好ましくは2〜4重量部である。光重合開始剤(b−2)の添加量が0.1重量部未満では、被膜の硬化性か不十分となり十分な耐磨耗性、密着性および耐候性が得られない。かつ光重合開始剤(b−2)の全添加量が10重量部を越えると被膜の着色を招き、また耐侯性も低下する。光重合開始剤(b−2)の添加量は光重合開始剤(b−2)全量中1〜100質量%であれば、十分な硬化速度が得られやすい。
本発明における床用UV硬化型保護シートを構成する前記紫外線硬化樹脂被膜(b)を、効果的に形成するために更に紫外線吸収剤(b−3)を用いることが好ましいが、使用される紫外線吸収剤(b−3)は特に限定されることはなく、組成物に均一に溶解し、かつ必要な耐候性が付与できるものであれば使用可能である。特に、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、安息香酸フェニル系から誘導された化合物で、それらの最大吸収波長が240〜380nmの範囲にある紫外線吸収剤(b−3)が好ましく、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤(b−3)が好ましく、さらにこの上記2種を組み合わせて用いるのが最も好ましい。紫外線吸収剤(b−3)の具体例としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタテシロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキン−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノンフェニルサリシレート、p−tert−プチルフェニルサリシレート、p−(1、1,3,3、−テトラメチルプチル)フェニルサリシレート、3−ヒドロキシフェニルベンゾエート、フェニレン−1、3−ジベンゾエート、2−(2−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−プチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロギシ3、5−tert−プチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロギシ−5−tert−プチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロギシ−4−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3、5−トリアジンとグリシジルアルキル(C12−C13)エーテルとの反応生成物等が挙げられるが、これらのうちベンゾフェノン系の2−ヒドロキシ4−オクトキシベンゾフェノン、及び2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、べンゾトリアゾール系の2−(2−ヒドロキシ−tert−プチルフェニル)ベンゾトリアゾールが特に好ましく、これらは2種以上を組み合わせて使うのがより好ましい。
紫外線吸収剤(b−3)の使用割合は、本発明の床用UV硬化型保護シートの性能に悪影響を及ぼさない範囲において任意であるが、例えば前記紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー(b−1)が溶媒希釈タイプのアクリル系樹脂の場合、該(b−1)成分100重量部に対して、2〜30重量部、より好ましくは5〜15重量部である。前記紫外線吸収剤(b−3)の量が2重量部未満では、硬化被膜の耐候性が十分でなく、30重量部を超えると被膜自身の硬化が不十分となり、硬化被膜の強靭性、耐熱性、耐摩耗性が低下する。
更に、前記紫外線硬化型樹脂被膜(b)の光安定剤(b−4)として添加されるヒンダードアミン系光安定剤(b−4)としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルー4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ビベリジル)セバケート、ビス(1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ブロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ブトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ペンチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘプチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ノニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−デカニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ドデシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられるが、これらのうちビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートが特に好ましい。
上記ヒンダードアミン系光安定剤(b−4)の使用割合は、本発明の床用UV硬化型保護シートの性能に悪影響を及ぼさない範囲において任意であるが、例えば前記紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー(b−1)が溶媒希釈タイプのアクリル系樹脂の場合、該(b−1)成分100重量部に対して、0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜2重量部である。前記ヒンダードアミン系光安定剤(b−4)の添加量が0.1重量部末満では、硬化被膜の耐候性及び耐久性か十分でなく、5重量部を超えると被膜自身の硬化が不十分となり、硬化被膜の強靭性、耐熱性、耐摩耗性が低下する。
本発明の床用UV硬化型保護シートを構成する紫外線硬化型樹脂被膜(b)を形成するための紫外線樹脂組成物は、上記紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー(b−1)の1種若しくは2種以上に加え、各種の光重合開始剤(b−2)、紫外線吸収剤(b−2)、光安定剤(b−4)等がそれぞれ単独で、若しくは混合成分として、適宜に添加することにより形成されるが、これに加え、必要に応じて有機溶剤、酸化防止剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種の添加剤等の成分が添加されてもよい。それらの添加剤として有機溶剤を用いる場合、基材の種類により選択して用いるのか良い。例えば、基材の合成樹脂フィルム(a)としてポリカーボネ―トフィルムを選択した場合には、イソプタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸n−ブチル、酢酸ジエチレングリコールなどのエステル系溶剤等を組み合わせて用いるのが良い。溶剤の使用量は上記紫外線樹脂組成物100重量部に対して20〜800重量部を用いるのが良い。
本発明の床用UV硬化型保護シートを構成する紫外線硬化型樹脂被膜(b)を形成するための紫外線樹脂組成物は、基材となる合成樹脂フィルム(a)、例えばポリカーボネートフィルムなどに塗布した後の活性エネルギー線照射により、架橋し、硬化被膜を形成する。活性エネルギー線照射により硬化する際には、上記紫外線樹脂組成物を基材上に規定の膜厚が形成されるように塗布し、その後溶剤を揮発させた後、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等を用いて、紫外線などを照射する。照射する雰囲気は、空気中でも良いし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でも良い。
本発明における前記微粘性接着剤層(c)は、本発明の床用UV硬化型保護シートの有用性を高めるうえで重要な要素であり、溶媒希釈タイプのアクリル系共重合体を主成分とし、希釈剤としては酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、水などが選択され、接着し易くかつ剥がれ易いという相反する機能を同時に求められる。具体的にはバキュ−ム・掃除機などの吸引によるはがれ現象や、ポリッシャ−等の清掃機器による皺の発生や剥離現象が見られない程度の接着力を有し、しかも床材の保護のために貼着した該保護シートが、摩耗して交換を要するような場合には、容易に剥離してその作業の妨げにならない程度の再剥離性が必須の要件となり、更には本発明保護シートの特性のひとつである無色透明性と、その光沢性を損なうことのない素材によって形成されることが必要である。
上記微粘着着接着剤層(c)としては、前記本発明保護シートの裏面に市販の両面テープ(c′)を貼着しておくことも可能である。該両面テープは基材としてポリエステルフィルムを用い、その両面にアクリル系の粘着剤を有するもので、透明性に優れるために接合部分が目立つことがなく、接着力や再剥離性においても前記微粘着性接着剤層(c)に匹敵するものを、適宜に選択して用いることができる。
本発明においては、前記床用UV硬化型保護シート同士の継ぎ目に、更に防汚剤を塗布しておくことが好ましいが、これはフィルム同士を繋ぎ合わせる部分などに、ゴミ、ホコリ、水分や油分などが付着して、美観を損なうことを未然に防止するためである。また、保管等の観点から微粘着性接着剤層(c)の表面に、防汚剤を塗布しても良い。該接着剤層(c)を形成する接着剤成分は必然的に塵埃等を取り込み易いため、その表面にフッ素樹脂などをコーティングすることが望ましいが、該フッ素樹脂は自らを溶解する溶剤が石油系溶剤の場合、該接着剤層(c)をも溶解する恐れがあるため、フッ素系溶剤、例えばパーフロロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等を用いることが好ましい。
本発明における床用UV硬化型保護シートは、UVコートされたフロアの補修用として優れた性能を発揮するが、従来のワックス塗布によるメンテナンスを繰り返していたフロアの一部、若しくは全てを該保護シートに置き換えることも有効である。例えばスーパーなどのフロアにおいて、とりわけ歩行頻度が高く過酷な条件が予測される領域のみを、選択的にワックスの剥離除去を実施し、そこに本発明の保護シートを貼着しておくことにより、全体をUVコートするのに比較して、極めて低コストで部分的にUVコートされたフロアが完成し、事後のメンテナンスも必要に応じて当該保護シートの交換を行い、他は通常の洗浄のみを繰り返すことで足りるため、大幅な合理化を実現できる。
床用UV硬化保護シートの作製
紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー(b−1)として、市販のウレタンポリ(メタ)アクリレート化合物19重量部、ポリ(メタ)アクリレート27重量部、ポリ[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]40重量部と、光重合開始剤(b−2)として2,4,6−トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイド(BASF社製・ルシリンTPO)3重量部と、紫外線吸収剤(b−3)として2−ヒドロキシ4−オクトキシベンゾフェノンと2−(2−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールとの反応性生物10重量部と、光安定剤(b−4)としてビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート1重量部との混合組成物を、該混合組成物100重量部に対して400重量部に相当するイソブタノールと酢酸n−ブチルとの混合溶液中で希釈し、得られた紫外線硬化型樹脂組成物を、幅200mm、長さ500mmで、厚さが75μmの市販のPETフィルム(東洋紡製・商品名コスモシャインA4300:両面易接着コート品)の片面に塗布(塗膜の厚さ10μm)した後、石英水銀灯による紫外線照射を行って硬化させ、膜厚3μmの無色透明で、光沢度80以上のアクリル系紫外線硬化樹脂皮膜を形成した。次いでその裏面に別に用意した微粘着性接着剤層{市販の再剥離用アクリル系粘着剤(コニシ株式会社製・製品名ボンドKH637)を、アプリケーターを用いて、乾燥時の膜厚で30μmになるよう塗工し、100°C×3分間乾燥して得た予成形体}を転写した後、該微粘着性接着剤の表面に防汚剤としてパーフロロカーボンをスプレーし、40°Cで3日間養生して図1に示すような実質的に3層構造の、床用UV硬化型保護シートを得た。
紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー(b−1)として、市販のウレタンポリ(メタ)アクリレート化合物19重量部、ポリ(メタ)アクリレート27重量部、ポリ[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]40重量部と、光重合開始剤(b−2)として2,4,6−トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイド(BASF社製・ルシリンTPO)3重量部と、紫外線吸収剤(b−3)として2−ヒドロキシ4−オクトキシベンゾフェノンと2−(2−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールとの反応性生物10重量部と、光安定剤(b−4)としてビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート1重量部との混合組成物を、該混合組成物100重量部に対して400重量部に相当するイソブタノールと酢酸n−ブチルとの混合溶液中で希釈し、得られた紫外線硬化型樹脂組成物を、幅200mm、長さ500mmで、厚さが75μmの市販のPETフィルム(東洋紡製・商品名コスモシャインA4300:両面易接着コート品)の片面に塗布(塗膜の厚さ10μm)した後、石英水銀灯による紫外線照射を行って硬化させ、膜厚3μmの無色透明で、光沢度80以上のアクリル系紫外線硬化樹脂皮膜を形成した。次いでその裏面に別に用意した微粘着性接着剤層{市販の再剥離用アクリル系粘着剤(コニシ株式会社製・製品名ボンドKH637)を、アプリケーターを用いて、乾燥時の膜厚で30μmになるよう塗工し、100°C×3分間乾燥して得た予成形体}を転写した後、該微粘着性接着剤の表面に防汚剤としてパーフロロカーボンをスプレーし、40°Cで3日間養生して図1に示すような実質的に3層構造の、床用UV硬化型保護シートを得た。
性能試験
得られた床用UV硬化型保護シートを25mm幅にカットした試験片として、色調が黒とグレーのPタイル(フクビブ化学工業株式会社製・品番P712BL)と、木目模様とグレーの意匠が施された市販の塩ビ長尺の床材とに、それぞれワックス未処理のものと、ワックス処理したものとを被着体として用意し、以下のような引っ張り強度試験を実施した。
1. 常態試験・・・標準状態(23°C 相対湿度50%)の雰囲気下、上記試験片を被着体にJIS2Kgロールで圧着して、同条件下で3日間放置し、引っ張り速度300mm/minでの180度引き剥がし強度試験。
2. 耐水試験・・・常態試験同様にして試験片を作製して3日間放置後、同条件下で水に48時間浸漬し、取り出し後直ちに常態試験と同様の引き剥がし強度試験。
3. 耐洗剤試験・・・水に代えて30倍に希釈した床用中性洗剤を用いた以外は、上記耐水試験と同様の引き剥がし強度試験。
得られた結果は表1に示す通りである。
表1からも明らかなように、実施例1によって得られた本発明のUV硬化型保護シートは、被着体がPタイル(黒)の場合、ワックス処理、未処理品に拘らず、その引っ張り強度は、常態試験、耐水試験及び耐洗剤試験の何れにおいても4.0N/25mm以上で、かつ14.0N/25mm未満の値を示し、保護シートとしての優れた粘着力と、再剥離性を有することが確認された。
さらに、該試験片と同様の試験片を鏡面仕上げしたステンレス板及びガラス板に貼着し、その粘着力を測定したところ、20℃、3日間で、前者は6.9N/25mm、後者は4.5N/25mmであることが確認され、じゅうたん用クリーニングマシーン(蔵王産業製S−101:真空圧25.5Kpa)による水噴霧後のバキュームテスト(120秒)においても剥離は見られなかった。なお、防汚剤の効果により貼着界面へのゴミなどの付着も見られず、当該保護シートは無色透明で且つ優れた光沢を維持しており、充分な硬度を持って被着体を保護していることが確認された。
得られた床用UV硬化型保護シートを25mm幅にカットした試験片として、色調が黒とグレーのPタイル(フクビブ化学工業株式会社製・品番P712BL)と、木目模様とグレーの意匠が施された市販の塩ビ長尺の床材とに、それぞれワックス未処理のものと、ワックス処理したものとを被着体として用意し、以下のような引っ張り強度試験を実施した。
1. 常態試験・・・標準状態(23°C 相対湿度50%)の雰囲気下、上記試験片を被着体にJIS2Kgロールで圧着して、同条件下で3日間放置し、引っ張り速度300mm/minでの180度引き剥がし強度試験。
2. 耐水試験・・・常態試験同様にして試験片を作製して3日間放置後、同条件下で水に48時間浸漬し、取り出し後直ちに常態試験と同様の引き剥がし強度試験。
3. 耐洗剤試験・・・水に代えて30倍に希釈した床用中性洗剤を用いた以外は、上記耐水試験と同様の引き剥がし強度試験。
得られた結果は表1に示す通りである。
表1からも明らかなように、実施例1によって得られた本発明のUV硬化型保護シートは、被着体がPタイル(黒)の場合、ワックス処理、未処理品に拘らず、その引っ張り強度は、常態試験、耐水試験及び耐洗剤試験の何れにおいても4.0N/25mm以上で、かつ14.0N/25mm未満の値を示し、保護シートとしての優れた粘着力と、再剥離性を有することが確認された。
さらに、該試験片と同様の試験片を鏡面仕上げしたステンレス板及びガラス板に貼着し、その粘着力を測定したところ、20℃、3日間で、前者は6.9N/25mm、後者は4.5N/25mmであることが確認され、じゅうたん用クリーニングマシーン(蔵王産業製S−101:真空圧25.5Kpa)による水噴霧後のバキュームテスト(120秒)においても剥離は見られなかった。なお、防汚剤の効果により貼着界面へのゴミなどの付着も見られず、当該保護シートは無色透明で且つ優れた光沢を維持しており、充分な硬度を持って被着体を保護していることが確認された。
紫外線硬化皮膜形成後のPETフィルムの裏面に転写した微粘着性接着剤層を、市販の両面接着テープ(住友スリーエム社製VHBアクリルフォーム構造用接合テープ:製品番号Y−4905J)に代えた以外は、実施例1と同様にして図2に示すような床用UV硬化型保護シートを得た。得られた床用UV硬化型保護シートを試験片として、実施例1と同様にして引っ張り強度試験と、粘着力の試験を行った結果、実施例1に順ずる効果が確認され、実施例1と同様にして行ったバキュームテスト(120秒)においても剥離現象は見られず、防汚剤の効果により貼着界面へのゴミなどの付着の見られず、当該保護シートは無色透明で且つ優れた光沢を維持しており、充分な硬度を有して被着体を保護していることが確認された。
紫外線硬化皮膜形成後のPETフィルムの裏面に転写した微粘着性接着剤層を、市販の両面接着テープ(コニシ株式会社製両面粘着テープ:製品番号ボンドWF201)に代えた以外は、実施例1と同様にして床用UV硬化型保護シートを得た。得られた床用UV硬化型保護シートを試験片として、実施例1と同様にして引っ張り強度試験して、粘着力の試験を行った結果、実施例1に順ずる効果が確認され、実施例1と同様にして行ったバキュームテスト(120秒)においても剥離現象は見られず、防汚剤の効果により貼着界面へのゴミなどの付着の見られず、当該保護シートは無色透明で且つ優れた光沢を維持しており、充分な硬度を有して被着体を保護していることが確認された。
Pタイル(フクビ化学工業株式会社製・品番P712BL)の床材にUVコーティングを施されたフロアにおいて、人の出入りが極端に多く、ヒールマークなどによって摩耗が進行し、部分的に光沢を失ったUVコートを幅300mm、長さ1000mmに亘って剥離し、当該部分のPタイル上に残存する粘着剤等を研削除去した後、同一寸法に切断した本発明のUV硬化型保護シートを貼着することにより、該フロアを正常な状態に復元して補修作業を完了した。この際、所望により2%の界面活性剤水溶液を該床面に噴霧若しくは塗布することにより、保護シートの位置決めや修正作業が容易となるが、更にガラス清掃用スキージーなどによって、内包されている空気の脱泡や水分除去を行うことによって均一な接着面を得ることができる。なお、本発明方法による補修作業後は、直ちに歩行が可能であるが、施工後の粘着剤の安定を考慮して、72時間程度の水分による浸漬を回避することが望ましい。
以上詳述したように、本発明による床用UV硬化型保護シートは、従来のUVコートフロアの補修用として、効果的に用いることは勿論、新たにUVコートを施すフロアにおいても、充分に活用することが可能であり、とりわけ人の出入りが多く、歩行頻度の高い出入り口など、過酷な条件が予測される部分に、本発明の保護シートを貼着しておくことにより、その高い硬度と優れた光沢性によって、長期にわたり清潔感ある生活空間を維持すると共に、長い間の摩耗の繰り返しで万一光沢を失ない、保護シートの交換が必要になった場合も、当該部分の保護シートを剥離して撤去し、新たな保護シートと張り替えるという簡略な作業により、補修部分の光沢は蘇り、フロアは繰り返して健全に維持することができる。なお、本発明の保護シートは所謂使い捨てのタイプであるが、その寸法は自由に調整可能であるため、複雑なコーナー部分などにも適切に対応できるため、資源の有効利用にも十分に寄与することができる。
a 合成樹脂フィルム
b 紫外線硬化型樹脂被膜
c 微粘着剤層
c′両面テープ(微粘着剤層)
b 紫外線硬化型樹脂被膜
c 微粘着剤層
c′両面テープ(微粘着剤層)
Claims (9)
- 基材となる合成樹脂フィルム(a)の表面に、紫外線硬化性モノマー及び/又はオリゴマーのうち少なくとも1種を主成分とする紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線照射することによって形成された紫外線硬化樹脂皮膜(b)と、前記合成樹脂フィルム(a)の裏面に形成された微粘着性接着剤層(c)とからなることを特徴とする床用UV硬化型保護シート。
- 前記合成樹脂フィルム(a)の表面に、紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線照射することによって得られる紫外線硬化樹脂被膜(b)の厚さを、2〜6μmとしたことを特徴とする請求項1に記載の床用UV硬化型保護シート。
- 前記合成樹脂フィルム(a)の裏面に形成される微粘着性接着剤層(c)の厚さを、20〜60μmとしたことを特徴とする請求項1または2記載の床用UV硬化型保護シート。
- 前記微粘着性接着剤層(c)の引っ張り強度が、耐ポリオレフィンタイルや塩化ビニールシートに対して、4.0〜14.0N/25mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の床用UV硬化型保護シート。
- 前記合成樹脂フィルム(a)が、塩化ビニルフィルム、アクリルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポバールフィルム、酢酸セルロースフィルムとからなる熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の床用UV硬化型保護シート。
- 前記紫外線硬化性モノマー及びオリゴマーのうち少なくとも1種が、溶剤希釈タイプ、水系希釈タイプ及び無溶剤タイプの各種アクリル系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の床用UV硬化型保護シート。
- 前記微粘着性接着剤層(c)が、各種アクリル系共重合物からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の床用UV硬化型保護シート。
- 前記床用UV硬化型保護シート同士の継ぎ目に、又は、前記微粘着性接着剤層(c)の表面に、さらに防汚剤を塗布してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の床用UV硬化型保護シート。
- 床面に各種床材を貼着せしめることによって形成され、且つUV硬化型樹脂コーティングによって保護されたフロアの補修方法において、部分的に摩耗が進行して光沢が減少した当該補修部分のUV硬化型樹脂被膜を、剥離若しくは研削除去した後、請求項1〜8のいずれか1項記載の床用UV硬化型保護シートを貼着せしめることを特徴とするフロアの補修方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014129081A1 (ja) * | 2013-02-20 | 2014-08-28 | 株式会社九州ハイテック | 積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイル及びそのコーティング方法 |
-
2003
- 2003-08-20 JP JP2003296751A patent/JP2005068687A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
WO2014129081A1 (ja) * | 2013-02-20 | 2014-08-28 | 株式会社九州ハイテック | 積層型無機系保護コーティング塩化ビニル系タイル及びそのコーティング方法 |
CN104903522A (zh) * | 2013-02-20 | 2015-09-09 | 株式会社九州公司 | 具有层叠型无机类保护涂层的氯乙烯类面砖及其涂覆方法 |
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