JP6064660B2 - 力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置、および電子部品検査装置 - Google Patents

力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置、および電子部品検査装置 Download PDF

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本発明は、力検出装置、並びに該力検出装置を用いたロボット、電子部品搬送装置および電子部品検査装置に関する。
近年、生産効率向上を目的として、工場等の生産施設への産業用ロボット導入が進められている。このような産業ロボットは、1軸または複数軸方向に対して駆動可能なアームと、アーム先端側に取り付けられる、ハンド、部品検査用器具または部品搬送用器具等のエンドエフェクタとを備えており、部品の組み付け作業、部品加工作業等の部品製造作業、部品搬送作業および部品検査作業等を実行することができる。
このような産業用ロボットにおいては、アームとエンドエフェクタとの間に、力検出装置が設けられている。産業用ロボットに用いられる力検出装置としては、例えば、特許文献1に開示されているような力検出装置が用いられる。特許文献1の力検出装置は、受けた外力に応じて電荷を出力する電荷出力素子(圧電素子)と、電荷出力素子から出力された電荷を増幅する増幅器と、電荷出力素子から出力される電荷を電圧に変換するためのコンデンサと、コンデンサの端子間を短絡し、コンデンサに蓄積された電荷をリセットするための機械式リレーを有するリセット回路とから構成されている。このような構成を有することにより、特許文献1の力検出装置は、電荷出力素子に任意の1軸に沿って加えられた外力を検出することができる。
しかしながら、産業用ロボットのエンドエフェクタを制御するためには、6軸力(すなわち、x、y、z軸方向の並進力成分およびx、y、z軸周りの回転力成分)の検出が必要な場合がある。このような場合、特許文献1が開示するような力検出装置を少なくとも3つ組み合わせて3軸力(x、y、z軸方向の並進力)を検出可能とした3軸力検出装置を構成し、該3軸力検出装置を少なくとも3つ産業用ロボットのリストに搭載する必要がある。
このような産業用ロボットのリストに搭載される力検出装置のサイズが大きいと、リストの稼働領域が狭まってしまう場合がある。また、力検出装置のサイズが厚いと、産業用ロボットの関節部分からエンドエフェクタの末端までの距離が長くなるため、産業用ロボットの可搬重量が少なくなる場合がある。したがって、力検出装置は小型および軽量であることが好ましい。
このような課題を解決するために、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献2には、リセット回路として半導体スイッチング素子を用いた力検出装置が開示されている。機械式リレーと比較して、半導体スイッチング素子は小型および軽量であるので、リセット回路として半導体スイッチング素子を用いることにより、装置全体を小型および軽量化することができる。
しかしながら、リセット回路として半導体スイッチング素子を使用すると、半導体スイッチング素子のリーク電流による出力ドリフトが発生してしまう。このような出力ドリフトは、力検出装置の検出分解能および検出精度を低下させることから好ましくない。さらに、出力ドリフトは、力検出装置の測定(稼働)時間に比例して蓄積されるので、力検出装置の測定可能時間を長くすることができないという問題があった。
特開平5−95237号公報 特開平11−148878号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小型かつ出力ドリフトが低減された力検出装置、並びに該力検出装置を用いたロボット、電子部品搬送装置および電子部品検査装置を提供することを目的とする。
このような目的は、下記の発明により達成される。
本発明の力検出装置は、受けた外力に応じて電荷を出力する素子と、第1のスイッチング素子と、第1のコンデンサとを有し、前記電荷を電圧に変換して前記電圧を出力する変換出力回路と、第2のスイッチング素子と、第2のコンデンサとを有し、補償用信号を出力する補償用信号出力回路と、前記変換出力回路から出力される前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力される前記補償用信号とに基づき、前記外力を検出する外力検出回路とを備え、
前記第2のコンデンサの静電容量は、前記第1のコンデンサの静電容量より小さいことを特徴とする。
これにより、補償用信号出力回路が出力した補償用信号を用いて、変換出力回路から出力される電圧を補償することができる。その結果、より精度の高い力検出を行うことができる。また、第2のコンデンサの静電容量は、第1のコンデンサの静電容量より小さいので、補償用信号出力回路は、より正確に第2のスイッチング素子から補償用信号を取得することができる。その結果、より正確に変換出力回路から出力される電圧を補償することができる。
本発明の力検出装置では、前記第1のコンデンサの前記静電容量をC1、前記第2のコンデンサの前記静電容量をC2としたとき、C2/C1が0.1〜0.8であることが好ましい。
静電容量比C2/C1が上記下限値を下回ると、第2のコンデンサが飽和する場合がある。一方、静電容量比C2/C1が上記上限値を上回ると、第2のスイッチング素子から補償用信号を正確に取得できない場合がある。
本発明の力検出装置では、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子は、リーク電流が生じる半導体スイッチング素子であり、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子は、前記第1のスイッチング素子の前記リーク電流と前記第2のスイッチング素子の前記リーク電流が連動するよう、同一の半導体基板上に実装されており、前記補償信号出力回路は、前記第2のスイッチング素子の前記リーク電流を検出し、検出した前記リーク電流を前記補償用信号として出力することが好ましい。
これにより、補償用信号出力回路は、第2のスイッチング素子のリーク電流を検出することにより、第1のスイッチング素子のリーク電流を間接的に取得することができる。
本発明の力検出装置では、前記外力検出回路は、前記変換出力回路から出力された前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力された前記補償用信号との少なくとも一方にゲインを与えて補正を行うゲイン補正部を有し、前記外力検出回路は、前記ゲイン補正部によって補正された前記電圧と、前記補償用信号との差分を取ることにより、前記外力を検出することが好ましい。
これにより、第1のコンデンサの静電容量C1と第2のコンデンサの静電容量C2の差に起因する、電圧と補償用信号の感度差を補正することができる。
本発明の力検出装置では、前記素子は、グランドに接地された複数のグランド電極層と、少なくとも3つのセンサとを積層することにより構成され、前記各センサの力検出方向は、互いに直交していることが好ましい。
これにより、素子は、互いに直交する3軸に沿った外力のそれぞれに応じて電荷を出力することができる。
本発明の力検出装置では、前記センサの少なくとも1つは、Xカット水晶を含み、前記センサの少なくとも2つは、Yカット水晶を含んでいることが好ましい。
これにより、素子は、せん断力と圧縮力のそれぞれに応じた電荷を出力することができる。
本発明の力検出装置では、前記各センサはそれぞれ、第1の結晶軸を有する第1の圧電体層と、前記第1の圧電体層に対向して設けられ、第2の結晶軸を有する第2の圧電体層と、前記第1の圧電体層と前記第2の圧電体層との間に設けられた出力電極層とを有し、
前記第1の圧電体層の前記第1の結晶軸は、前記第2の圧電体層の前記第2の結晶軸の方向と反対方向を向いていることが好ましい。
これにより、出力電極層近傍に集まる正電荷または負電荷を増加させることができる。
本発明の力検出装置では、前記第1の圧電体層および前記第2の圧電体層は、水晶で構成されていることが好ましい。
これにより、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有する圧電体層を構成することができる。
本発明の力検出装置は、第1の基板と、前記第1の基板と対向する第2の基板とをさらに備え、前記素子は、前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられていることが好ましい。
これにより、第1の基板または第2の基板に加えられる外力を検出することができる。
本発明の力検出装置は、複数の前記素子を有し、
前記各素子は、前記第1の基板または前記第2の基板の周方向に沿って、等角度間隔に配置されていることが好ましい。
これにより、偏りなく外力を検出することができる。
本発明のロボットは、アームを複数有し、前記複数のアームの隣り合う前記アーム同士を回動自在に連結してなる少なくとも1つのアーム連結体と、前記アーム連結体の先端側に設けられたエンドエフェクタと、前記アーム連結体と前記エンドエフェクタの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
前記力検出装置は、前記外力に応じて電荷を出力する素子と、第1のスイッチング素子と、第1のコンデンサとを有し、前記電荷を電圧に変換して前記電圧を出力する変換出力回路と、第2のスイッチング素子と、第2のコンデンサとを有し、補償用信号を出力する補償用信号出力回路と、前記変換出力回路から出力される前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力される前記補償用信号とに基づき、前記外力を検出する外力検出回路とを備え、
前記第2のコンデンサの静電容量は、前記第1のコンデンサの静電容量より小さいことを特徴とする。
これにより、力検出装置が検出した外力をフィードバックし、より精密に作業を実行することができる。また、力検出装置が検出した外力によって、エンドエフェクタの障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、より安全に作業を実行することができる。
本発明の電子部品搬送装置は、モーターと、前記モーターにより駆動され、電子部品を把持する把持部と、前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
前記力検出装置は、前記外力に応じて電荷を出力する素子と、第1のスイッチング素子と、第1のコンデンサとを有し、前記電荷を電圧に変換して前記電圧を出力する変換出力回路と、第2のスイッチング素子と、第2のコンデンサとを有し、補償用信号を出力する補償用信号出力回路と、前記変換出力回路から出力される前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力される前記補償用信号とに基づき、前記外力を検出する外力検出回路とを備え、
前記第1のコンデンサの静電容量は、前記第2のコンデンサの静電容量より大きいことを特徴とする。
これにより、力検出装置が検出した外力をフィードバックし、より精密に作業を実行することができる。また、力検出装置が検出した外力によって、把持部の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、より安全に電子部品搬送作業を実行することができる。
本発明の電子部品検査装置は、モーターと、前記モーターにより駆動され、電子部品を把持する把持部と、前記電子部品を検査する検査部と、前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
前記力検出装置は、前記外力に応じて電荷を出力する素子と、第1のスイッチング素子と、第1のコンデンサとを有し、前記電荷を電圧に変換して前記電圧を出力する変換出力回路と、第2のスイッチング素子と、第2のコンデンサとを有し、補償用信号を出力する補償用信号出力回路と、前記変換出力回路から出力される前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力される前記補償用信号とに基づき、前記外力を検出する外力検出回路とを備え、
前記第1のコンデンサの静電容量は、前記第2のコンデンサの静電容量より大きいことを特徴とする。
これにより、力検出装置が検出した外力をフィードバックし、より精密に作業を実行することができる。また、力検出装置が検出した外力によって、把持部の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、より安全に電子部品検査作業を実行することができる。
本発明の力検出装置の第1実施形態を概略的に示す回路図である。 図1に示す力検出装置の電荷出力素子を概略的に示す断面図である。 図1に示す力検出装置のコンデンサの実装例を示す断面図および平面図である。 本発明の力検出装置の第2実施形態を概略的に示す回路図である。 図4に示す力検出装置の電荷出力素子を概略的に示す断面図である。 本発明の力検出装置の第3実施形態を概略的に示す斜視図である。 本発明の力検出装置を用いた単腕ロボットの1例を示す図である。 本発明の力検出装置を用いた複腕ロボットの1例を示す図である。 本発明の力検出装置を用いた電子部品検査装置および電子部品搬送装置の1例を示す図である。 本発明の力検出装置を用いた電子部品搬送装置の1例を示す図である。
以下、本発明の力検出装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の力検出装置の第1実施形態を概略的に示す回路図である。図2は、図1に示す力検出装置の電荷出力素子を概略的に示す断面図である。図3は、図1に示す力検出装置のコンデンサの実装例を示す断面図および平面図である。
図1に示す力検出装置1aは、任意の1軸(x軸、y軸またはz軸)に沿って加えられた外力を検出する機能を有する。力検出装置1aは、任意の1軸に沿って加えられた(受けた)外力に応じて電荷Qを出力する電荷出力素子(素子)10aと、電荷出力素子10aから出力された電荷Qを電圧Vに変換し、電圧Vを出力する変換出力回路20と、補償用信号Voffを出力する補償用信号出力回路30と、変換出力回路20から出力される電圧Vと、補償用信号出力回路30から出力される補償用信号Voffとに基づき、加えられた外力を検出する外力検出回路40aとを備えている。
<電荷出力素子(素子)>
図2に示す電荷出力素子10aは、図2中のβ軸に沿って加えられた(受けた)外力(せん断力)に応じて電荷Qを出力する機能を有する。電荷出力素子10aは、2つのグランド電極層11と、2つのグランド電極層11の間に設けられたセンサ12を有する。なお、図2において、グランド電極層11およびセンサ12の積層方向をγ軸方向とし、γ軸方向に直交し且つ互いに直交する方向をそれぞれα軸方向、β軸方向としている。
図示の構成では、グランド電極層11と、センサ12は、全て等しい幅(図中の左右方向の長さ)を有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、グランド電極層11の幅が、センサ12の幅よりも広くてもよいし、その逆であってもよい。
グランド電極層11は、グランド(基準電位点)に接地された電極である。グランド電極層11を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、金、チタニウム、アルミニウム、銅、鉄またはこれらを含む合金が好ましい。これらの中でも特に、鉄合金であるステンレスを用いるのが好ましい。ステンレスにより構成されたグランド電極層11は、優れた耐久性および耐食性を有する。
センサ12は、β軸に沿って加えられた(受けた)外力(せん断力)に応じて電荷Qを出力する機能を有する。このセンサ12は、β軸の正方向に沿って加えられた外力に応じて正電荷を出力し、β軸の負方向に沿って加えられた外力に応じて負電荷を出力するよう構成されている。
センサ12は、第1の結晶軸CA1を有する第1の圧電体層121と、第1の圧電体層121と対向して設けられ、第2の結晶軸CA2を有する第2の圧電体層123と、第1の圧電体層121と第2の圧電体層123との間に設けられ、電荷Qを出力する出力電極層122を有する。
第1の圧電体層121はβ軸の負方向に配向した第1の結晶軸CA1を有する圧電体によって構成されている。第1の圧電体層121の表面に対し、β軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第1の圧電体層121内に電荷が誘起される。その結果、第1の圧電体層121の出力電極層122側表面近傍には正電荷が集まり、第1の圧電体層121のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第1の圧電体層121の表面に対し、β軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第1の圧電体層121の出力電極層122側表面近傍には負電荷が集まり、第1の圧電体層121のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第2の圧電体層123は、β軸の正方向に配向した第2の結晶軸CA2を有する圧電体によって構成されている。第2の圧電体層123の表面に対し、β軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第2の圧電体層123内に電荷が誘起される。その結果、第2の圧電体層123の出力電極層122側表面近傍には正電荷が集まり、第2の圧電体層123のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第2の圧電体層123の表面に対し、β軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第2の圧電体層123の出力電極層122側表面近傍には負電荷が集まり、第2の圧電体層123のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
このように、第1の圧電体層121の第1の結晶軸CA1は、第2の圧電体層123の第2の結晶軸CA2の方向と反対方向を向いている。これにより、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123のいずれか一方のみと、出力電極層122によってセンサ12を構成する場合と比較して、出力電極層122近傍に集まる正電荷または負電荷を増加させることができる。その結果、出力電極層122から出力される電荷Qを増加させることができる。
なお、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123の構成材料としては、水晶、トパーズ、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等が挙げられる。これらの中でも特に、水晶が好ましい。水晶により構成された圧電体層は、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有するためである。また、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123のように、層の面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる圧電体層は、Yカット水晶により構成することができる。
出力電極層122は、第1の圧電体層121内および第2の圧電体層123内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qとして出力する機能を有する。前述のように、第1の圧電体層121の表面または第2の圧電体層123の表面にβ軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層122近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層122からは、正の電荷Qが出力される。一方、第1の圧電体層121の表面または第2の圧電体層123の表面にβ軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層122近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層122からは、負の電荷Qが出力される。
また、出力電極層122の幅は、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123の幅以上であることが好ましい。出力電極層122の幅が、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123よりも狭い場合、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123の一部は出力電極層122と接しない。そのため、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123に生じた電荷の一部を出力電極層122から出力できない場合がある。その結果、出力電極層122から出力される電荷Qが減少してしまう。
このように、電荷出力素子10aは、上述したグランド電極層11と、センサ12を有することにより、図2中のβ軸に平行な外力に応じて電荷Qを出力することができる。
なお、電荷出力素子10aとして、β軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qを出力する機能を有する例を説明したが、本発明はこれに限られない。第1の結晶軸CA1の配向方向が異なる第1の圧電体層121および第2の結晶軸CA2の配向方向が異なる第2の圧電体層123を用いることにより、α軸に平行な外力(せん断力)またはγ軸に平行な外力(圧縮/引張力)に応じて電荷Qを出力する電荷出力素子10aを構成することが可能である。このような場合も、本発明の範囲内である。
<変換出力回路>
変換出力回路20は、電荷出力素子10aから出力された電荷Qを電圧Vに変換して電圧Vを出力する機能を有する。変換出力回路20は、オペアンプ21と、コンデンサ22と、スイッチング素子23とを有する。オペアンプ21の第1の入力端子(マイナス入力)は、電荷出力素子10aの出力電極層122に接続され、オペアンプ21の第2の入力端子(プラス入力)は、グランド(基準電位点)に接地されている。また、オペアンプ21の出力端子は、外力検出回路40aに接続されている。コンデンサ22は、オペアンプ21の第1の入力端子と出力端子との間に接続されている。スイッチング素子23は、オペアンプ21の第1の入力端子と出力端子との間に接続され、コンデンサ22と並列接続されている。また、スイッチング素子23は、駆動回路(図示せず)に接続されており、駆動回路からのオン/オフ信号に従い、スイッチング素子23はスイッチング動作を実行する。
スイッチング素子23がオフの場合、電荷出力素子10aから出力された電荷Qは、静電容量C1を有するコンデンサ22に蓄えられ、電圧Vとして外力検出回路40aに出力される。次に、スイッチン素子23がオンになった場合、コンデンサ22の両端子間が短絡される。その結果、コンデンサ22に蓄えられた電荷Qは、放電されて0クーロンとなり、外力検出回路40aに出力される電圧Vは、0ボルトとなる。スイッチング素子23がオンとなることを、変換出力回路20をリセットするという。
スイッチング素子23は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等の半導体スイッチング素子である。半導体スイッチング素子は、機械式スイッチと比べて小型および軽量であるので、力検出装置1aの小型化および軽量化に有利である。以下、代表例として、スイッチング素子23としてMOSFETを用いた場合を説明する。
スイッチング素子23は、ドレイン電極、ソース電極、およびゲート電極を有している。スイッチング素子23のドレイン電極またはソース電極の一方がオペアンプ21の第1の入力端子に接続され、ドレイン電極またはソース電極の他方がオペアンプ21の出力端子に接続されている。また、スイッチング素子23のゲート電極は、駆動回路(図示せず)に接続されている。
理想的な変換出力回路20から出力される電圧Vは、電荷出力素子10aから出力される電荷Qの蓄積量に比例する。しかしながら、実際の変換出力回路20においては、スイッチング素子23からコンデンサ22に流入するリーク電流が発生する。このようなリーク電流は電圧Vに含まれる出力ドリフトDとなる。したがって、電荷Qの蓄積量に比例する電圧成分(真の値)をVtとすると、出力される電圧Vは、V=Vt+Dとなる。
出力ドリフトDは、測定結果に対する誤差となるので、力検出装置1aの検出精度および検出分解能が低下してしまうという問題があった。また、リーク電流は、測定(駆動)時間に比例して累積されるので、力検出装置1aの測定時間を長くすることができないという問題があった。
このようなリーク電流は、ゲート絶縁膜の絶縁性の不足、プロセスルールの微細化、半導体中の不純物濃度のバラツキ等の半導体構造および温度、湿度等の使用環境に起因する。半導体構造起因のリーク電流は、スイッチング素子毎に固有の値となるので、予め半導体構造起因のリーク電流を測定しておくことにより、比較的容易に補償できる。しかしながら、使用環境起因のリーク電流は、使用環境(状況)に応じて変動するので、補償が困難である。本発明の力検出装置1aは、次に説明する補償用信号出力回路30から出力される補償用信号Voffを用いて、半導体構造起因のリーク電流および使用環境起因のリーク電流による影響を低減(補償)することができる。
<補償用信号出力回路>
補償用信号出力回路30は、変換出力回路20から出力される電圧Vを補償するための補償用信号Voffを出力する機能を有する。補償用信号出力回路30は、図示のように、変換出力回路20と独立して設けられていてもよい。ここでいう「独立して設けられ」とは、補償用信号出力回路30の構成要素(後述するオペアンプ31、コンデンサ32およびスイッチング素子33)と、変換出力回路20の構成要素(すなわち、オペアンプ21、コンデンサ22およびスイッチング素子23)が異なる要素(部品)であることをいう。すなわち、補償用信号出力回路30は、変換出力回路20と別途設けられ、その構成要素を共有しない。
補償用信号出力回路30は、オペアンプ31と、コンデンサ32と、スイッチング素子33とを有する。オペアンプ31の第1の入力端子(マイナス入力)は、コンデンサ32およびスイッチング素子33に接続され、オペアンプ31の入力端子(プラス入力)は、グランド(基準電位点)に接地されている。また、オペアンプ31の出力端子は、外力検出回路40aに接続されている。コンデンサ32は、オペアンプ31の入力端子と出力端子との間に接続されている。スイッチング素子33は、オペアンプ31の第1の入力端子と出力端子との間に接続され、コンデンサ32と並列接続されている。また、スイッチング素子33には、駆動回路(図示せず)に接続されており、駆動回路からのオン/オフ信号に従い、スイッチング素子33はスイッチング動作を実行する。
スイッチング素子33は、変換出力回路20のスイッチング素子23と同様の半導体スイッチング素子(MOSFET)である。スイッチング素子33は、ドレイン電極、ソース電極、およびゲート電極を有している。スイッチング素子33のドレイン電極またはソース電極の一方がオペアンプ31の第1の入力端子に接続され、ドレイン電極またはソース電極の他方がオペアンプ31の出力端子に接続されている。また、スイッチング素子33のゲート電極は、駆動回路(図示せず)に接続されている。
スイッチング素子33に接続された駆動回路は、変換出力回路20のスイッチング素子23に接続された駆動回路と同一の駆動回路であってもよいし、異なる駆動回路であってもよい。スイッチング素子33に接続された駆動回路と、スイッチング素子23に接続された駆動回路とが異なる駆動回路である場合、スイッチング素子33に接続された駆動回路は、スイッチング素子23に接続された駆動回路と同期したオン/オフ信号を出力する。これにより、スイッチング素子33のスイッチング動作と、スイッチング素子23のスイッチング動作とが同期する。すなわち、スイッチング素子33とスイッチング素子23のオン/オフタイミングは一致する。
スイッチング素子33は、変換出力回路20のスイッチング素子23と同様の半導体スイッチング素子である。したがって、スイッチング素子33の半導体構造に起因するリーク電流は、スイッチング素子23の半導体構造に起因するリーク電流と実質的に等しい。ここでいう「実質的に等しい」とは、スイッチング素子33の半導体構造に起因するリーク電流と、スイッチング素子23の半導体構造に起因するリーク電流との差が、スイッチング素子23、33の半導体構造に起因するリーク電流と比較して無視できる程度に十分に小さいことを意味する。
また、スイッチング素子33は、変換出力回路20のスイッチング素子23と同等の使用環境下に実装されている。ここでいう「使用環境」とは、温度および湿度のことを示す。これにより、スイッチング素子33の使用環境に起因するリーク電流と、スイッチング素子23の使用環境に起因するリーク電流とを実質的に等しくすることができる。ここでいう「実質的に等しい」とは、スイッチング素子33の使用環境に起因するリーク電流と、スイッチング素子23の使用環境に起因するリーク電流との差が、スイッチング素子23、33の使用環境に起因するリーク電流と比較して無視できる程度に十分に小さいことを意味する。
この結果、スイッチング素子33のリーク電流は、スイッチング素子23のリーク電流と連動する。すなわち、スイッチング素子23のリーク電流が増大したときは、スイッチング素子33のリーク電流も同様に増大し、スイッチング素子23のリーク電流が減少したときは、スイッチング素子33のリーク電流も同様に減少する。これにより、補償用信号出力回路30は、スイッチング素子33のリーク電流を検出することにより、スイッチング素子23のリーク電流を間接的に取得することができる。
上述の「同等の使用環境下」とは、例えば、スイッチング素子23の近傍にスイッチング素子33が実装されている場合、スイッチング素子23とスイッチング素子33が同一筐体内に実装されている場合、スイッチング素子23とスイッチング素子33が同一の半導体基板上に実装されている場合等が挙げられる。
これらの中でも、スイッチング素子23とスイッチング素子33が同一の半導体基板上に実装されていることが好ましい。スイッチング素子23とスイッチング素子33とを同一の半導体基板上に実装することにより、スイッチング素子23周辺の温度および湿度と、スイッチング素子33周辺の温度および湿度を容易に実質的に等しくすることができる。ここでいう「実質的に等しい」とは、スイッチング素子33周辺の温度および湿度と、スイッチング素子23の温度および湿度との差が、無視できる程度に十分に小さいことを意味する。
また、スイッチング素子23とスイッチング素子33が同一の半導体基板上に実装されている場合、スイッチング素子23とスイッチング素子33とを同一プロセスで形成することができ、作業工程の短縮に有利である。また、スイッチング素子23とスイッチング素子33とを同一プロセスで形成できるため、スイッチング素子23とスイッチング素子33の特性のバラツキを抑制することができる。そのため、スイッチング素子23の半導体構造に起因するリーク電流と、スイッチング素子33の半導体構造に起因するリーク電流とをより高い精度で等しくすることができる。
スイッチング素子33がオフの場合、スイッチング素子33で発生するリーク電流が、静電容量C2を有するコンデンサ32に流入し、電荷が蓄積されることで、補償用信号Voffとして外力検出回路40aに出力される。次に、スイッチング素子33をオンにすると、コンデンサ32の両端子間が短絡される。その結果、コンデンサ32に蓄えられた電荷Qは、放電されて0クーロンとなり、外力検出回路40aに出力される補償用信号Voffは、0ボルトとなる。
変換出力回路20や補償用信号出力回路30のような電圧変換機能を有する回路において、コンデンサの静電容量を小さくすると、電圧変換感度が向上するが、飽和電荷量が小さくなる。通常、スイッチング素子23、33のような半導体スイッチング素子のリーク電流は、電荷出力素子10aから入力される電荷Qよりも小さい。したがって、コンデンサ32の静電容量C2は、コンデンサ22の静電容量C1よりも小さいことが好ましい。これにより、スイッチング素子33で発生するリーク電流をより正確に電圧変換することができる。
また、コンデンサ22の静電容量C1とコンデンサ32の静電容量C2の静電容量比C2/C1は、0.1〜0.8であるのが好ましく、0.3〜0.6であるのがさらに好ましい。静電容量比C2/C1が上記下限値を下回ると、コンデンサ32がスイッチング素子33で発生するリーク電流により飽和する場合がある。一方、静電容量比C2/C1が上記上限値を上回ると、スイッチング素子33で発生するリーク電流に対する十分な感度が得られない場合がある。
図3は、静電容量が異なる2つのコンデンサ22およびコンデンサ32を同一半導体基板上に実装した回路の1例を示すものである。図3(a)は、コンデンサ22およびコンデンサ32を有する回路の平面図である。なお、図3(a)においては、説明のため、一部構成要素が透過した状態になっている。図3(b)は、図3(a)中のA−A線断面図である。
図3の回路は、半導体基板50と、半導体基板50上に設けられた層間絶縁層60、70と、層間絶縁層60上に設けられたコンデンサ22、32と、配電層80a、80bと、層間絶縁層70内に設けられたスルーホール71とを有している。
コンデンサ22は、配電層80aおよびスルーホール71を介して、図3中では図示しないオペアンプ21およびスイッチング素子23と電気的に接続されている。同様に、コンデンサ32は、配電層80bおよびスルーホール71を介して、図3中では図示しないオペアンプ31およびスイッチング素子33と電気的に接続されている。
静電容量C1を有するコンデンサ22は、コンデンサ下部電極層221と、コンデンサ下部電極層221と対向した2つのコンデンサ上部電極層223と、コンデンサ下部電極層221とコンデンサ上部電極層223との間に設けられたコンデンサ絶縁層222とを有する。
静電容量C2を有するコンデンサ32は、コンデンサ下部電極層321と、コンデンサ下部電極層321と対向したコンデンサ上部電極層323と、コンデンサ下部電極層321とコンデンサ上部電極層323との間に設けられたコンデンサ絶縁層322とを有する。
コンデンサ22およびコンデンサ32のような構造を有するコンデンサの静電容量は、コンデンサ上部電極層の面積に比例する。図示の構成においては、コンデンサ32のコンデンサ上部電極層323の面積は、コンデンサ22のコンデンサ上部電極層223の面積よりも小さい。このような構成を有することにより、同一の半導体基板50上に、静電容量の異なる2つのコンデンサ22、23を実装することができる。
図3を用いて、静電容量の異なる2つのコンデンサ22、23の実装例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、補償用信号出力回路30は、直列に接続された複数のコンデンサを有していてもよい。これにより、補償用信号出力回路30のコンデンサの静電容量を小さくすることができ、補償用信号出力回路30のコンデンサの静電容量を変換出力回路20のコンデンサの静電容量よりも小さくすることができる。また、変換出力回路20は、並列に接続された複数のコンデンサを有していてもよい。これにより、変換出力回路20のコンデンサの静電容量を大きくすることができ、補償用信号出力回路30のコンデンサの静電容量を変換出力回路20のコンデンサの静電容量よりも小さくすることができる。このような場合も、本発明の範囲内である。
<外力検出回路>
外力検出回路40aは、変換出力回路20から出力される電圧Vと、補償用信号出力回路30から出力される補償用信号Voffとに基づき、加えられた外力を検出する機能を有する。外力検出回路40aは、変換出力回路20に接続された増幅器41aと、補償用信号出力回路30に接続された増幅器42aと、増幅器41a、42aに接続された差動アンプ43aを有する。
増幅器41aの入力端子は、変換出力回路20のオペアンプ21の出力端子に接続されており、増幅器41aの出力端子は、差動アンプ43aの第1の入力端子(マイナス入力)に接続されている。増幅器42aの入力端子は、補償用信号出力回路30のオペアンプ31の出力端子に接続されており、増幅器42aの出力端子は、差動アンプ43aの第2の入力端子(プラス入力)に接続されている。
増幅器41aは、変換出力回路20から出力される電圧VにゲインG=aを与え、補正する機能を有する。増幅器42aは、補償用信号出力回路30から出力される補償用信号VoffにゲインG=bを与え、補正する機能を有する。
増幅器41aのゲイン係数aと、増幅器42aのゲイン係数bは、a=C1/C2×bの関係式を満足することが好ましい。ここで、C1は変換出力回路20のコンデンサ22の静電容量であり、C2は補償用信号出力回路30のコンデンサ32の静電容量である。これにより、コンデンサ22の静電容量C1とコンデンサ32の静電容量C2の差に起因する、電圧Vと補償用信号Voffの感度差を補正することができる。その結果、補正された出力ドリフトD(すなわち、a×D)と、補正された補償用信号Voff(すなわち、b×D)との値が実質的に等しくなる。ここでいう「実質的に等しい」とは、補正された出力ドリフトD(すなわち、a×D)と補正された補償用信号Voff(すなわち、b×D)との差が、無視できる程度に十分に小さいことを意味する。なお、a=1は、電圧Vを補正しないことを意味する。同様に、b=1は、補償用信号Voffを補正しないことを意味する。
差動アンプ43aは、増幅器41aによって補正された電圧Vと、増幅器42aによって補正された補償用信号Voffとの差分を取り、信号Fを出力する機能を有する。上述のように、補正された電圧Vに含まれ、リーク電流に起因する出力ドリフトと、補正された補償用信号Voffとの値とは略等しい。したがって、差動アンプ43aの出力端子から出力される信号Fは、以下のようになる。
F=a×V−b×Voff
=a×(Vt+D)−b×Voff
=a×Vt+a×D−b×Voff
≒a×Vt
このように、補正された電圧Vと補正された補償用信号Voffとの差分を取ることにより、補正された電圧Vからリーク電流に起因する出力ドリフトDを低減(除去)することができる。外力検出回路40aは、このような構成を有することにより、電荷出力素子10aから出力される電荷Qの蓄積量に比例する信号Fを出力することができる。この信号Fは電荷出力素子10aに加えられた外力に対応するので、力検出装置1aは、電荷出力素子10aに加えられた外力を検出することができる。
このように、本発明の力検出装置1aは、補償用信号出力回路30と、外力検出回路40aとを有することにより、変換出力回路20のスイッチング素子23のリーク電流に起因する出力ドリフトDを低減することができる。その結果、力検出装置1aの検出精度および検出分解能を向上することができる。また、上述した出力ドリフトDの低減方法は、測定時間が長くなった場合であっても有効なので、力検出装置1aの測定時間を長くすることができる。
<第2実施形態>
次に図4および図5に基づき本発明の第2実施形態を説明する。以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図4は、本発明の力検出装置の第2実施形態を概略的に示す回路図である。図5は、図4に示す力検出装置の電荷出力素子を概略的に示す断面図である。
図4に示す力検出装置1bは、互いに直交する3軸(α(X)軸、β(Y)軸、γ(Z)軸)に沿って加えられた外力を検出する機能を有する。力検出装置1bは、互いに直交する3軸に沿って加えられた(受けた)外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qx、Qy、Qzを出力する電荷出力素子(素子)10bと、電荷出力素子10bから出力された電荷Qxを電圧Vxに変換する変換出力回路20aと、電荷出力素子10bから出力された電荷Qzを電圧Vzに変換する変換出力回路20bと、電荷出力素子10bから出力された電荷Qyを電圧Vyに変換する変換出力回路20cと、補償用信号Voffを出力する補償用信号出力回路30と、加えられた外力を検出する外力検出回路40bとを備えている。
<電荷出力素子(素子)>
電荷出力素子10bは、互いに直交する3軸に沿って加えられた(受けた)外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qx、Qy、Qzを出力する機能を有する。図5に示すように、電荷出力素子10bは、グランド(基準電位点)に接地された4つのグランド電極層11と、β軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qyを出力する第1のセンサ12と、γ軸に平行な外力(圧縮/引張力)に応じて電荷Qzを出力する第2のセンサ13と、α軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qxを出力する第3のセンサ14とを有し、グランド電極層11と各センサ12、13、14は交互に積層されている。なお、図5において、グランド電極層11およびセンサ12、13、14の積層方向をγ軸方向とし、γ軸方向に直交し且つ互いに直交する方向をそれぞれα軸方向、β軸方向としている。
図示の構成では、図5中の下側から、第1のセンサ12、第2のセンサ13、第3のセンサ14の順で積層されているが、本発明はこれに限られない。センサ12、13、14の積層順は任意である。
第1のセンサ12は、β軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qyを出力する機能を有する。第1のセンサ12は、上述した第1実施形態のセンサ12と同様の構造および機能を有している。
第2のセンサ13は、γ軸に沿って加えられた(受けた)外力(圧縮/引張力)に応じて電荷Qzを出力する機能を有する。第2のセンサ13は、γ軸に平行な圧縮力に応じて正電荷を出力し、γ軸に平行な引張力に応じて負電荷を出力するよう構成されている。
第2のセンサ13は、第3の結晶軸CA3を有する第3の圧電体層131と、第3の圧電体層131と対向して設けられ、第4の結晶軸CA4を有する第4の圧電体層133と、第3の圧電体層131と第4の圧電体層133との間に設けられ、電荷Qzを出力する出力電極層132を有する。
第3の圧電体層131は、γ軸の正方向に配向した第3の結晶軸CA3を有する圧電体によって構成されている。第3の圧電体層131の表面に対し、γ軸に平行な圧縮力が加えられた場合、圧電効果により、第3の圧電体層131内に電荷が誘起される。その結果、第3の圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第3の圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第3の圧電体層131の表面に対し、γ軸に平行な引張力が加えられた場合、第3の圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第3の圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第4の圧電体層133は、γ軸の負方向に配向した第4の結晶軸CA4を有する圧電体によって構成されている。第4の圧電体層133の表面に対し、γ軸に平行な圧縮力が加えられた場合、圧電効果により、第4の圧電体層133内に電荷が誘起される。その結果、第4の圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第4の圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第4の圧電体層133の表面に対し、γ軸に平行な引張力が加えられた場合、第4の圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第4の圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第3の圧電体層131および第4の圧電体層133の構成材料としては、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123と同様の構成材料を用いることができる。また、第3の圧電体層131および第4の圧電体層133のように、層の面方向に垂直な外力(圧縮/引張力)に対して電荷を生ずる圧電体層は、Xカット水晶により構成することができる。
出力電極層132は、第3の圧電体層131内および第4の圧電体層133内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qzとして出力する機能を有する。前述のように、第3の圧電体層131の表面または第4の圧電体層133の表面にγ軸に平行な圧縮力が加えられた場合、出力電極層132近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層132からは、正の電荷Qzが出力される。一方、第3の圧電体層131の表面または第4の圧電体層133の表面にγ軸に平行な引張力が加えられた場合、出力電極層132近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層132からは、負の電荷Qzが出力される。
第3のセンサ14は、α軸に沿って加えられた(受けた)外力(せん断力)に応じて電荷Qxを出力する機能を有する。第3のセンサ14は、α軸の正方向に沿って加えられた外力に応じて正電荷を出力し、α軸の負方向に沿って加えられた外力に応じて負電荷を出力するよう構成されている。
第3のセンサ14は、第5の結晶軸CA5を有する第5の圧電体層141と、第5の圧電体層141と対向して設けられ、第6の結晶軸CA6を有する第6の圧電体層143と、第5の圧電体層141と第6の圧電体層143との間に設けられ、電荷Qxを出力する出力電極層142を有する。
第5の圧電体層141は、α軸の負方向に配向した第5の結晶軸CA5を有する圧電体によって構成されている。第5の圧電体層141の表面に対し、α軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第5の圧電体層141内に電荷が誘起される。その結果、第5の圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第5の圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第5の圧電体層141の表面に対し、α軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第5の圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第5の圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第6の圧電体層143は、α軸の正方向に配向した第6の結晶軸CA6を有する圧電体によって構成されている。第6の圧電体層143の表面に対し、α軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第6の圧電体層143内に電荷が誘起される。その結果、第6の圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第6の圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第6の圧電体層143の表面に対し、α軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第6の圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第6の圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第5の圧電体層141および第6の圧電体層143の構成材料としては、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123と同様の構成材料を用いることができる。また、第5の圧電体層141および第6の圧電体層143のように、層の面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる圧電体層は、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123と同様に、Yカット水晶により構成することができる。
出力電極層142は、第5の圧電体層141内および第6の圧電体層143内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qxとして出力する機能を有する。前述のように、第5の圧電体層141の表面または第6の圧電体層143の表面にα軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層142近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層142からは、正の電荷Qxが出力される。一方、第5の圧電体層141の表面または第6の圧電体層143の表面にα軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層142近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層142からは、負の電荷Qxが出力される。
このように、第1のセンサ12、第2のセンサ13、および第3のセンサ14は、各センサの力検出方向が互いに直交するように積層されている。これにより、各センサは、それぞれ、互いに直交する力成分に応じて電荷を誘起することができる。そのため、電荷出力素子10bは、3軸(α(X)軸、β(Y)軸、γ(Z)軸)に沿った外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qx、Qy、Qzを出力することができる。
また、Yカット水晶によって構成される、第1のセンサ12および第3のセンサ14の単位力当たりの電荷発生量は、例えば、8pC/Nである。Xカット水晶によって構成される、第2のセンサ13の単位力当たりの電荷発生量は、例えば、4pC/Nである。したがって、通常、電荷出力素子10bのγ軸に平行な外力(圧縮/引張力)に対する感度は、電荷出力素子10bのα軸またはβ軸に平行な外力(せん断力)に対する感度よりも低い。そのため、通常、第2のセンサ13から出力される電荷Qzは、第1のセンサ12から出力される電荷Qyおよび第3のセンサ14から出力される電荷Qxよりも小さい。
<変換出力回路>
変換出力回路20a、20cは、第1実施形態の変換出力回路20と同様の構成を有している。変換出力回路20bは、コンデンサ22の静電容量C3を除き、第1実施形態の変換出力回路20と同様の構成を有している。変換出力回路20aは、電荷出力素子10bから出力された電荷Qxを電圧Vxに変換する機能を有する。変換出力回路20bは、電荷出力素子10bから出力された電荷Qzを電圧Vzに変換する機能を有する。変換出力回路20cは、電荷出力素子10bから出力された電荷Qyを電圧Vyに変換する機能を有する。
各変換出力回路20a、20b、20cのスイッチング素子23には、同一の駆動回路が接続されていてもよいし、それぞれ異なる駆動回路が接続されていてもよい。各スイッチング素子23には、駆動回路から、全て同期したオン/オフ信号入力される。これにより、各変換出力回路20a、20b、20cのスイッチング素子23の動作が同期する。すなわち、各変換出力回路20a、20b、20cのスイッチング素子23のオン/オフタイミングは一致する。
上述のように、通常、第2のセンサ13から出力される電荷Qzは、第1のセンサ12から出力される電荷Qyおよび第3のセンサ14から出力される電荷Qxよりも小さい。したがって、変換出力回路20bのコンデンサ22の静電容量C3は、変換出力回路20a、20cのコンデンサ22の静電容量C1よりも小さいことが好ましい。これにより、電荷Qzを正確に電圧に変換することができる。
また、静電容量C1と静電容量C3の静電容量比C3/C1は、0.3〜0.8であるのが好ましく、0.45〜0.6であるのがより好ましい。静電容量比C3/C1が上記下限値を下回ると、電荷Qzによってコンデンサ22が飽和する場合がある。一方、静電容量比C3/C1が上記上限値を上回ると、電荷Qzに対する十分な感度が得られない場合がある。
また、各変換出力回路20a、20b、20cのスイッチング素子23は同等の半導体スイッチング素子であり、さらに、同等の使用環境下に実装されているので、各スイッチング素子23のリーク電流は実質的に等しい。したがって、各スイッチング素子23の出力ドリフトDも実質的に等しい。
上述の「同等の使用環境下」とは、例えば、各スイッチング素子23が互いの近傍に実装されている場合、各スイッチング素子23が同一筐体内に実装されている場合、各スイッチング素子23が同一の半導体基板上に実装されている場合等が挙げられる。
これらの中でも、各スイッチング素子23が同一の半導体基板上に実装されていることが好ましい。各スイッチング素子23を同一の半導体基板上に実装することにより、各スイッチング素子23周辺の温度および湿度を実質的に等しくすることができる。また、各スイッチング素子23が同一の半導体基板上に実装されている場合、各スイッチング素子23を同一プロセスで形成することができ、作業工程の短縮に有利である。また、各スイッチング素子23を同一プロセスで形成できるため、各スイッチング素子23の特性バラツキを抑制することができる。そのため、各スイッチング素子23の半導体構造に起因するリーク電流をより高い精度で等しくすることができる。
<補償用信号出力回路>
補償用信号出力回路30は、第1実施形態の補償用信号出力回路30と同様の構成を有している。補償用信号出力回路30は、変換出力回路20aから出力される電圧Vx、変換出力回路20bから出力される電圧Vzおよび変換出力回路20cから出力される電圧Vyを補償するための補償用信号Voffを出力する機能を有する。補償用信号出力回路30は、図示のように、変換出力回路20a、20b、20cと独立して設けられていてもよい。
また、補償用信号出力回路30のスイッチング素子33は、各変換出力回路20a、20b、20cのスイッチング素子23と同等の使用環境下に実装されている。これにより、スイッチング素子33のリーク電流は、各スイッチング素子23のリーク電流と連動する。したがって、補償用信号出力回路30は、スイッチング素子33のリーク電流を検出することにより、各スイッチング素子23のリーク電流を間接的に取得することができる。補償用信号出力回路30は、取得したスイッチング素子33のリーク電流を補償用信号Voffとして出力する。
このように、補償用信号出力回路30は、スイッチング素子33のリーク電流を検出することにより、各変換出力回路20a、20b、20cのスイッチング素子23のリーク電流を間接的に取得することができる。したがって、本発明の力検出装置1bは、各変換出力回路20a、20b、20c用に3つのリーク電流検出回路を設ける必要がない。そのため、力検出装置1bに必要な回路数を減らすことができ、力検出装置1bを小型化および軽量化することができる。
また、補償用信号出力回路30のコンデンサ32の静電容量C2は、第2のセンサ13のコンデンサ22の静電容量C3よりも小さいことが好ましい。すなわち、コンデンサ22の静電容量C1、C3とコンデンサ32の静電容量C2の大小関係は、C2<C3<C1であることが好ましい。これにより、電荷Qx、Qy、Qzおよびスイッチング素子33のリーク電流を正確に電圧に変換することができる。
<外力検出回路>
外力検出回路40bは、変換出力回路20aから出力される電圧Vxと、変換出力回路20bから出力される電圧Vzと、変換出力回路20cから出力される電圧Vyと、補償用信号出力回路30から出力される補償用信号Voffとに基づき、加えられた外力を検出する機能を有する。外力検出回路40bは、変換出力回路20a、20b、20cおよび補償用信号出力回路30に接続されたADコンバーター41bと、ADコンバーター41bに接続された演算回路42bとを有する。
ADコンバーター41bは、電圧Vx、Vy、Vzおよび補償用信号Voffをアナログ信号からデジタル信号へ変換する機能を有する。ADコンバーター41bによってデジタル変換された電圧Vx、Vy、Vzおよび補償用信号Voffは、演算回路42bに入力される。
演算回路42bは、デジタル変換された電圧Vx、Vy、Vzおよび補償用信号Voffにゲインを与えて補正を行うゲイン補正部(図示せず)と、ゲイン補正部によって補正された電圧Vx、Vy、Vzおよび補償用信号Voffに基づき、信号Fx、Fy、Fzを演算し、出力する演算部(図示せず)を有する。
ゲイン補正部は、電圧Vx、Vyに対しゲインG=aを与え、電圧Vzに対しゲインG=cを与え、補償用信号Voffに対しゲインG=bを与えることにより、電圧Vx、Vy、Vzおよび補償用信号Voffの補正を行う機能を有する。ゲイン係数aと、ゲイン係数bは、a=C1/C2×bの関係式を満足することが好ましい。ゲイン係数cと、ゲイン係数bは、c=C3/C2×bの関係式を満足することが好ましい。
ここで、C1は変換出力回路20a、20cのコンデンサ22の静電容量であり、C2は補償用信号出力回路30のコンデンサ32の静電容量であり、C3は変換出力回路20bのコンデンサ22の静電容量である。これにより、変換出力回路20a、20cのコンデンサ22の静電容量C1とコンデンサ32の静電容量C2の差に起因する、電圧Vx、Vyと補償用信号Voffの感度差を補正することができる。同様に、変換出力回路20bのコンデンサ22の静電容量C3とコンデンサ32の静電容量C2の差に起因する、電圧Vzと補償用信号Voffの感度差を補正することができる。これにより、補正された電圧Vx、Vy、Vzに含まれ、リーク電流に起因する出力ドリフトD(すなわち、a×Dまたはc×D)と、補正された補償用信号Voff(すなわち、b×D)とが実質的に等しくなる。なお、a=1は、電圧Vx、Vyを補正しないことを意味する。b=1は、補償用信号Voffを補正しないことを意味する。同様に、c=1は、電圧Vzを補正しないことを意味する。
演算部は、ゲイン補正部によって補正された電圧Vx、Vy、Vzおよびゲイン補正部によって補正された補償用信号Voffに基づき、信号Fx、Fy、Fzを演算し、出力する機能を有する。信号Fxは、ゲイン補正部によって補正された電圧Vx(すなわち、a×Vx)と、ゲイン補正部によって補正された補償用信号Voff(b×Voff)との差分を取ることにより演算される。したがって、出力される信号Fxは、以下のようになる。
Fx=a×Vx−b×Voff
=a×(Vxt+D)−b×Voff
=a×Vxt+a×D−b×Voff
≒a×Vxt
ここで、Vxtは、電圧Vxに含まれ、電荷Qxの蓄積量に比例する電圧成分(真の値)である。
同様に、信号Fyは、ゲイン補正部によって補正された電圧Vy(すなわち、a×Vy)と、ゲイン補正部によって補正された補償用信号Voff(b×Voff)の差分を取ることにより演算される。したがって、出力される信号Fyは、以下のようになる。
Fy=a×Vy−b×Voff
=a×(Vyt+D)−b×Voff
=a×Vyt+a×D−b×Voff
≒a×Vyt
ここで、Vytは、電圧Vyに含まれ、電荷Qyの蓄積量に比例する電圧成分(真の値)である。
同様に、信号Fzは、ゲイン補正部によって補正された電圧Vz(すなわち、c×Vz)と、ゲイン補正部によって補正された補償用信号Voff(b×Voff)の差分を取ることにより演算される。したがって、出力される信号Fzは、以下のようになる。
Fz=c×Vz−b×Voff
=c×(Vzt+D)−b×Voff
=c×Vzt+c×D−b×Voff
≒c×Vzt
ここで、Vztは、電圧Vzに含まれ、電荷Qzの蓄積量に比例する電圧成分(真の値)である。
上述のように、補正された電圧Vx、Vy、Vzに含まれ、リーク電流に起因する出力ドリフトD(すなわち、a×Dまたはc×D)と、補正された補償用信号Voff(b×Voff)とは実質的に等しいので、補正された電圧Vx、Vy、Vzからリーク電流に起因する出力ドリフトDを低減(除去)することができる。演算回路42bは、このような構成を有することにより、電荷出力素子10bから出力される電荷Qx、Qy、Qzの蓄積量に比例する信号Fx、Fy、Fzを出力することができる。この信号Fx、Fy、Fzは電荷出力素子10bに加えられた3軸力(せん断力および圧縮/引張力)に対応するので、力検出装置1bは、電荷出力素子10aに加えられた3軸力を検出することができる。
このように、本発明の力検出装置1bは、補償用信号出力回路30と、外力検出回路40bとを有することにより、変換出力回路20a、20b、20cのスイッチング素子23のリーク電流に起因する出力ドリフトDを低減することができる。その結果、力検出装置1bの検出精度および検出分解能を向上させることができる。また、上述した出力ドリフトDの低減方法は、測定時間が長くなった場合であっても有効なので、力検出装置1bの測定時間を長くすることができる。
<第3実施形態>
次に、図6に基づき、本発明の第3実施形態である6軸力検出装置(力検出装置)を説明する。以下、第3実施形態について、前述した第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図6は、本発明の力検出装置の第3実施形態を概略的に示す斜視図である。図6の6軸力検出装置(力検出装置)100は、6軸力(x、y、z軸方向の並進力成分およびx、y、z軸周りの回転力成分)を検出する機能を有する。6軸力検出装置100は、第1の基板101と、第1の基板101に対向する第2の基板102と、第1の基板101と第2の基板102との間に挟持された(設けられた)4つの力検出装置1bと、4つの力検出装置1bに接続された演算部(図示せず)とを有している。
上述のように、力検出装置1bは、互いに直交する3軸(α(X)軸、β(Y)軸、γ(Z)軸)に沿った外力を検出する機能を有する。また、力検出装置1bは、全て同じ方向を向いた状態で第1の基板101と第2の基板102との間に挟持されて(設けられて)いる。図示のように、力検出装置1bは、第1の基板101または第2の基板102の周方向に沿って、等角度間隔に配置されていることが好ましく、第1の基板101または第2の基板102の中心点を中心とした同心円状に、等間隔に配置されていることがさらに好ましい。このように、力検出装置1bを配置することにより、偏りなく外力を検出することができる。
第1の基板101および第2の基板102の相対位置が互いにFx0方向にずれる外力が加えられた場合、各力検出装置1bは、それぞれ信号Fx1、Fx2、Fx3、Fx4を出力する。同様に、第1の基板101および第2の基板102の相対位置が互いにFy0方向にずれる外力が加えられた場合、各力検出装置1bは、それぞれ信号Fy1、Fy2、Fy3、Fy4を出力する。また、第1の基板101および第2の基板102の相対位置が互いにFz0方向にずれる外力が加えられた場合、各力検出装置1bは、それぞれ信号Fz1、Fz2、Fz3、Fz4を出力する。
また、第1の基板101および第2の基板102は、互いにx軸周りに回転する相対変位、y軸周りに回転する相対変位、およびz軸周りに回転する相対変位が可能であり、各回転に伴う外力を力検出装置1bに伝達することが可能である。
演算部は、各力検出装置1bから出力された信号に基づき、x軸方向の並進力成分Fx0、y軸方向の並進力成分Fy0、z軸方向の並進力成分Fz0、x軸周りの回転力成分Mx、y軸周りの回転力成分My、z軸周りの回転力成分Mzを演算する機能を有する。各力成分は、以下の式により求めることができる。
Fx0=Fx1+Fx2+Fx3+Fx4
Fy0=Fy1+Fy2+Fy3+Fy4
Fz0=Fz1+Fz2+Fz3+Fz4
Mx=b×(Fz4−Fz2)
My=a×(Fz3−Fz1)
Mz=b×(Fx2−Fx4)+a×(Fy1−Fy3)
ここで、a、bは定数である。
このように、6軸力検出装置100は、第1の基板101、第2の基板102、複数の力検出装置1bおよび演算部を有することにより、6軸力を検出することができる。
なお、図示の構成では、力検出装置1bの数は4であるが、本発明はこれに限られない。6軸力検出装置100は、少なくとも3つの力検出装置1bを有していれば、6軸力を検出可能である。力検出装置1bが3つの場合、力検出装置1bの数が少ないので、6軸力検出装置100を軽量化することができる。力検出装置1bが図示のように4つの場合、上述のように非常に単純な演算によって6軸力を求めることができるので、演算部を簡略化することができる。また、力検出装置1bが6つの場合、より高い精度で6軸力を検出することができる。
<第4実施形態>
次に、図7に基づき、本発明の第4実施形態である単腕ロボットを説明する。以下、第4実施形態について、前述した第1、第2および第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7は、本発明の力検出装置を用いた単腕ロボットの1例を示す図である。図7の単腕ロボット500は、基台510と、アーム連結体520と、アーム連結体520の先端側に設けられたエンドエフェクタ530と、アーム連結体520とエンドエフェクタ530との間に設けられた本発明の6軸力検出装置(力検出装置)100とを有する。
基台510は、アーム連結体520を回動させるための動力を発生させるアクチュエーター(図示せず)およびアクチュエーターを制御する制御部(図示せず)等を収納する機能を有する。また、基台510は、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などに固定される。
アーム連結体520は、第1のアーム521、第2のアーム522、第3のアーム523、第4のアーム524および第5のアーム525を有しており、隣り合うアーム同士を回動自在に連結することにより構成されている。アーム連結体520は、制御部の制御によって、各アームの連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
エンドエフェクタ530は、対象物を把持する機能を有する。エンドエフェクタ530は、第1の指531および第2の指532を有している。アーム連結体520の駆動によりエンドエフェクタ530が所定の動作位置まで到達した後、第1の指531および第2の指532の離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。
6軸力検出装置100は、エンドエフェクタ530に加えられる外力を検出する機能を有する。6軸力検出装置100が検出する6軸力を基台510の制御部にフィードバックすることにより、単腕ロボット500は、より精密な作業を実行することができる。また、6軸力検出装置100が検出する6軸力によって、単腕ロボット500は、エンドエフェクタ530の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、単腕ロボット500は、より安全に作業を実行することができる。
なお、図示の構成では、アーム連結体520は、合計5本のアームによって構成されているが、本発明はこれに限られない。アーム連結体520が、1本のアームに構成されている場合、2〜4本のアームによって構成されている場合、6本以上のアームによって構成されている場合も本発明の範囲内である。
<第5実施形態>
次に、図8に基づき、本発明の第5実施形態である複腕ロボットを説明する。以下、第5実施形態について、前述した第1、第2、第3および第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図8は、本発明の力検出装置を用いた複腕ロボットの1例を示す図である。図8の複腕ロボット600は、基台610と、第1のアーム連結体620と、第2のアーム連結体630と、第1のアーム連結体620の先端側に設けられたエンドエフェクタ640aと、第2のアーム連結体630の先端側に設けられたエンドエフェクタ640bと、第1のアーム連結体620とエンドエフェクタ640a間および第2のアーム連結体630とエンドエフェクタ640bとの間に設けられた本発明の6軸力検出装置(力検出装置)100を有する。
基台610は、第1のアーム連結体620および第2のアーム連結体630を回動させるための動力を発生させるアクチュエーター(図示せず)およびアクチュエーターを制御する制御部(図示せず)等を収納する機能を有する。また、基台610は、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などに固定される。
第1のアーム連結体620は、第1のアーム621および第2のアーム622を回動自在に連結することにより構成されている。第2のアーム連結体630は、第1のアーム631および第2のアーム632を回動自在に連結することにより構成されている。第1のアーム連結体620および第2のアーム連結体630は、制御部の制御によって、各アームの連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
エンドエフェクタ640a、640bは、対象物を把持する機能を有する。エンドエフェクタ640aは、第1の指641aおよび第2の指642aを有している。エンドエフェクタ640bは、第1の指641bおよび第2の指642bを有している。第1のアーム連結体620の駆動によりエンドエフェクタ640aが所定の動作位置まで到達した後、第1の指641aおよび第2の指642aの離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。同様に、第2のアーム連結体630の駆動によりエンドエフェクタ640bが所定の動作位置まで到達した後、第1の指641bおよび第2の指642bの離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。
6軸力検出装置100は、エンドエフェクタ640a、640bに加えられる外力を検出する機能を有する。6軸力検出装置100が検出する6軸力を基台610の制御部にフィードバックすることにより、複腕ロボット600は、より精密に作業を実行することができる。また、6軸力検出装置100が検出する6軸力によって、複腕ロボット600は、エンドエフェクタ640a、640bの障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、複腕ロボット600は、より安全に作業を実行することができる。
なお、図示の構成では、アーム連結体は合計2本であるが、本発明はこれに限られない。複腕ロボット600が3本以上のアーム連結体を有している場合も、本発明の範囲内である。
<第6実施形態>
次に、図9、10に基づき、本発明の第6実施形態である電子部品検査装置および電子部品搬送装置を説明する。以下、第6実施形態について、前述した第1、第2、第3、第4および第5実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図9は、本発明の力検出装置を用いた電子部品検査装置および部品搬送装置の1例を示す図である。図10は、本発明の力検出装置を用いた電子部品搬送装置の1例を示す図である。
図9の電子部品検査装置700は、基台710と、基台710の側面に立設された支持台720とを有する。基台710の上面には、検査対象の電子部品711が載置されて搬送される上流側ステージ712uと、検査済みの電子部品711が載置されて搬送される下流側ステージ712dとが設けられている。また、上流側ステージ712uと下流側ステージ712dとの間には、電子部品711の姿勢を確認するための撮像装置713と、電気的特性を検査するために電子部品711がセットされる検査台714とが設けられている。なお、電子部品711の例として、半導体、半導体ウェハー、CLDやOLED等の表示デバイス、水晶デバイス、各種センサ、インクジェットヘッド、各種MEMSデバイス等などが挙げられる。
また、支持台720には、基台710の上流側ステージ712uおよび下流側ステージ712dと平行な方向(Y方向)に移動可能にYステージ731が設けられており、Yステージ731からは、基台710に向かう方向(X方向)に腕部732が延設されている。また、腕部732の側面には、X方向に移動可能にXステージ733が設けられている。また、Xステージ733には、撮像カメラ734と、上下方向(Z方向)に移動可能なZステージを内蔵した電子部品搬送装置740が設けられている。また、電子部品搬送装置740の先端側には、電子部品711を把持する把持部741が設けられている。また、電子部品搬送装置740の先端と、把持部741との間には、本発明の6軸力検出装置(力検出装置)100が設けられている。更に、基台710の前面側には、電子部品検査装置700の全体の動作を制御する制御装置750が設けられている。
電子部品検査装置700は、以下のようにして電子部品711の検査を行う。最初に、検査対象の電子部品711は、上流側ステージ712uに載せられて、検査台714の近くまで移動する。次に、Yステージ731およびXステージ733を動かして、上流側ステージ712uに載置された電子部品711の真上の位置まで電子部品搬送装置740を移動させる。このとき、撮像カメラ734を用いて電子部品711の位置を確認することができる。そして、電子部品搬送装置740内に内蔵されたZステージを用いて電子部品搬送装置740を降下させ、把持部741で電子部品711を把持すると、そのまま電子部品搬送装置740を撮像装置713の上に移動させて、撮像装置713を用いて電子部品711の姿勢を確認する。次に、電子部品搬送装置740に内蔵されている微調整機構を用いて電子部品711の姿勢を調整する。そして、電子部品搬送装置740を検査台714の上まで移動させた後、電子部品搬送装置740に内蔵されたZステージを動かして電子部品711を検査台714の上にセットする。電子部品搬送装置740内の微調整機構を用いて電子部品711の姿勢が調整されているので、検査台714の正しい位置に電子部品711をセットすることができる。次に、検査台714を用いて電子部品711の電気的特性検査が終了した後、今度は検査台714から電子部品711を取り上げ、Yステージ731およびXステージ733を動かして、下流側ステージ712d上まで電子部品搬送装置740を移動させ、下流側ステージ712dに電子部品711を置く。最後に、下流側ステージ712dを動かして、検査が終了した電子部品711を所定位置まで搬送する。
図10は、本発明の6軸力検出装置(力検出装置)100を含む電子部品搬送装置740を示す図である。電子部品搬送装置740は、把持部741と、把持部741に接続された6軸力検出装置100と、6軸力検出装置100を介して把持部741に接続された回転軸742と、回転軸742に回転可能に取り付けられた微調整プレート743を有する。また、微調整プレート743は、ガイド機構(図示せず)によってガイドされながら、X方向およびY方向に移動可能である。
また、回転軸742の端面に向けて、回転方向用の圧電モーター744θが搭載されており、圧電モーター744θの駆動凸部(図示せず)が回転軸742の端面に押しつけられている。このため、圧電モーター744θを動作させることによって、回転軸742(および把持部741)をθ方向に任意の角度だけ回転させることが可能である。また、微調整プレート743に向けて、X方向用の圧電モーター744xと、Y方向用の圧電モーター744yとが設けられており、それぞれの駆動凸部(図示せず)が微調整プレート743の表面に押しつけられている。このため、圧電モーター744xを動作させることによって、微調整プレート743(および把持部741)をX方向に任意の距離だけ移動させることができ、同様に、圧電モーター744yを動作させることによって、微調整プレート743(および把持部741)をY方向に任意の距離だけ移動させることが可能である。
また、6軸力検出装置100は、把持部741に加えられる6軸力を検出する機能を有する。6軸力検出装置100が検出する6軸力を制御装置750にフィードバックすることにより、電子部品搬送装置740および電子部品検査装置700は、より精密に作業を実行することができる。また、6軸力検出装置100が検出する6軸力によって、把持部741の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、電子部品搬送装置740および電子部品検査装置700は、より安全な作業を実行可能である。
また、本発明の力検出装置1a、1bおよび6軸力検出装置100は、振動計、加速度計、重力計、動力計、地震計または傾斜計等の各種測定機器にも適用可能であり、本発明の力検出装置1a、1bおよび6軸力検出装置100を用いた各種測定機器も本発明の範囲内である。
以上、本発明の力検出装置、並びに該力検出装置を用いたロボット、電子部品搬送装置および電子部品検査装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
1a、1b…力検出装置 10a、10b…電荷出力素子(素子) 11…グランド電極層 12…(第1の)センサ 121…第1の圧電体層 122…出力電極層 123…第2の圧電体層 13…第2のセンサ 131…第3の圧電体層 132…出力電極層 133…第4の圧電体層 14…第3のセンサ 141…第5の圧電体層 142…出力電極層 143…第6の圧電体層 20、20a、20b、20c…変換出力回路 21…オペアンプ 22…コンデンサ 23…スイッチング素子 30…補償用信号出力回路 31…オペアンプ 32…コンデンサ 33…スイッチング素子 40a、40b…外力検出回路 41a、42a…増幅器 41b…ADコンバーター 42b…演算回路
43a…差動アンプ 50…半導体基板 60、70…層間絶縁層 71…スルーホール 80a、80b…配電層 100…6軸力検出装置(力検出装置) 101…第1の基板 102…第2の基板 221、321…コンデンサ下部電極層 222、322…コンデンサ絶縁層 223、323…コンデンサ上部電極層 500…単腕ロボット 510…基台 520…アーム連結体 521…第1のアーム 522…第2のアーム 523…第3のアーム 524…第4のアーム 525…第5のアーム 530…エンドエフェクタ 531…第1の指 532…第2の指 600…複腕ロボット 610…基台 620…第1のアーム連結体 621…第1のアーム 622…第2のアーム 630…第2のアーム連結体 631…第1のアーム 632…第2のアーム 640a…第1のエンドエフェクタ 641a…第1の指 642a…第2の指 640b…第2のエンドエフェクタ 641b…第1の指 642b…第2の指 700…電子部品検査装置 710…基台 711…電子部品 712u…上流側ステージ 712d…下流側ステージ 713…撮像装置 714…検査台 720…支持台 731…Yステージ 732…腕部 733…Xステージ 734…撮像カメラ 740…電子部品搬送装置 741…把持部 742…回転軸 743…微調整プレート 744x、744y、744θ…圧電モーター 750…制御装置 CA1…第1の結晶軸 CA2…第2の結晶軸 CA3…第3の結晶軸 CA4…第4の結晶軸 CA5…第5の結晶軸 CA6…第6の結晶軸 Fx0、Fy0、Fz0…並進力成分 Fx1、Fx2、Fx3、Fx4、Fy1、Fy2、Fy3、Fy4、Fz1、Fz2、Fz3、Fz4…信号 Q、Qx、Qy、Qz…電荷 Mx、My、Mz…回転力成分 V、Vx、Vy、Vz…電圧 Voff…補償用信号

Claims (13)

  1. 受けた外力に応じて電荷を出力する素子と、
    第1のスイッチング素子と、第1のコンデンサとを有し、前記電荷を電圧に変換して前記電圧を出力する変換出力回路と、
    第2のスイッチング素子と、第2のコンデンサとを有し、補償用信号を出力する補償用信号出力回路と、
    前記変換出力回路から出力される前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力される前記補償用信号とに基づき、前記外力を検出する外力検出回路とを備え、
    前記第2のコンデンサの静電容量は、前記第1のコンデンサの静電容量より小さいことを特徴とする力検出装置。
  2. 前記第1のコンデンサの前記静電容量をC1、前記第2のコンデンサの前記静電容量をC2としたとき、C2/C1が0.1〜0.8である請求項1に記載の力検出装置。
  3. 前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子は、リーク電流が生じる半導体スイッチング素子であり、
    前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子は、前記第1のスイッチング素子の前記リーク電流と前記第2のスイッチング素子の前記リーク電流が連動するよう、同一の半導体基板上に実装されており、
    前記補償信号出力回路は、前記第2のスイッチング素子の前記リーク電流を検出し、検出した前記リーク電流を前記補償用信号として出力する請求項1または2に記載の力検出装置。
  4. 前記外力検出回路は、前記変換出力回路から出力された前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力された前記補償用信号との少なくとも一方にゲインを与えて補正を行うゲイン補正部を有し、
    前記外力検出回路は、前記ゲイン補正部によって補正された前記電圧と、前記補償用信号との差分を取ることにより、前記外力を検出する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の力検出装置。
  5. 前記素子は、グランドに接地された複数のグランド電極層と、少なくとも3つのセンサとを積層することにより構成され、
    前記各センサの力検出方向は、互いに直交している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の力検出装置。
  6. 前記センサの少なくとも1つは、Xカット水晶を含み、
    前記センサの少なくとも2つは、Yカット水晶を含んでいる請求項5に記載の力検出装置。
  7. 前記各センサはそれぞれ、
    第1の結晶軸を有する第1の圧電体層と、
    前記第1の圧電体層に対向して設けられ、第2の結晶軸を有する第2の圧電体層と、
    前記第1の圧電体層と前記第2の圧電体層との間に設けられた出力電極層とを有し、
    前記第1の圧電体層の前記第1の結晶軸は、前記第2の圧電体層の前記第2の結晶軸の方向と反対方向を向いている請求項5または6に記載の力検出装置。
  8. 前記第1の圧電体層および前記第2の圧電体層は、水晶で構成されている請求項7に記載の力検出装置。
  9. 前記力検出装置は、第1の基板と、前記第1の基板と対向する第2の基板とをさらに備え、
    前記素子は、前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられている請求項1ないし8のいずれか1項に記載の力検出装置。
  10. 前記力検出装置は、複数の前記素子を有し、
    前記各素子は、前記第1の基板または前記第2の基板の周方向に沿って、等角度間隔に配置されている請求項9に記載の力検出装置。
  11. アームを複数有し、前記複数のアームの隣り合う前記アーム同士を回動自在に連結してなる少なくとも1つのアーム連結体と、
    前記アーム連結体の先端側に設けられたエンドエフェクタと、
    前記アーム連結体と前記エンドエフェクタの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
    前記力検出装置は、
    前記外力に応じて電荷を出力する素子と、
    第1のスイッチング素子と、第1のコンデンサとを有し、前記電荷を電圧に変換して前記電圧を出力する変換出力回路と、
    第2のスイッチング素子と、第2のコンデンサとを有し、補償用信号を出力する補償用信号出力回路と、
    前記変換出力回路から出力される前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力される前記補償用信号とに基づき、前記外力を検出する外力検出回路とを備え、
    前記第2のコンデンサの静電容量は、前記第1のコンデンサの静電容量より小さいことを特徴とするロボット。
  12. モーターと、
    前記モーターにより駆動され、電子部品を把持する把持部と、
    前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
    前記力検出装置は、
    前記外力に応じて電荷を出力する素子と、
    第1のスイッチング素子と、第1のコンデンサとを有し、前記電荷を電圧に変換して前記電圧を出力する変換出力回路と、
    第2のスイッチング素子と、第2のコンデンサとを有し、補償用信号を出力する補償用信号出力回路と、
    前記変換出力回路から出力される前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力される前記補償用信号とに基づき、前記外力を検出する外力検出回路とを備え、
    前記第2のコンデンサの静電容量は、前記第1のコンデンサの静電容量より小さいことを特徴とする電子部品搬送装置。
  13. モーターと、
    前記モーターにより駆動され、電子部品を把持する把持部と、
    前記電子部品を検査する検査部と
    前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
    前記力検出装置は、
    前記外力に応じて電荷を出力する素子と、
    第1のスイッチング素子と、第1のコンデンサとを有し、前記電荷を電圧に変換して前記電圧を出力する変換出力回路と、
    第2のスイッチング素子と、第2のコンデンサとを有し、補償用信号を出力する補償用信号出力回路と、
    前記変換出力回路から出力される前記電圧と、前記補償用信号出力回路から出力される前記補償用信号とに基づき、前記外力を検出する外力検出回路とを備え、
    前記第2のコンデンサの静電容量は、前記第1のコンデンサの静電容量より小さいことを特徴とする電子部品検査装置。
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