JP6996177B2 - ロボット、力センサーのオフセット補正装置、及び、ロボットの制御方法 - Google Patents

ロボット、力センサーのオフセット補正装置、及び、ロボットの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、力センサーを有するロボット力センサーのオフセット補正装置、及び、ロボットの制御方法に関するものである。
特許文献1には、ロボットの力センサーの零点補正を行う技術が開示されている。この従来技術では、無負荷か負荷状態かを判定し、無負荷と判定された状態での電圧情報のサンプリング値の平均値を用いて、新しい零点を決定している。
特開平8-43220号公報
力センサーを用いる実際の作業では、作業開始前に力センサーの零点補正を行う。このとき必ずセンサー天板等、外部との相互作用を安定的に行う天板構造物を含め、何らかの重力負荷が掛かっている。よって、力センサーは、常に負荷状態において零点補正されるものである。しかしながら、上述した従来技術では無負荷状態で零点補正を行うと記載されており、本願の発明者は、ロボットが外部との接触状態がなく安定して見える状態であっても、力センサーのリセット後にセンサー出力のレベルが外部振動やロボットの停止時振動、あるいは制御振動などにより大きく変わってしまうことで、リセット直後のセンサー出力をそのまま補正に使用しても正確な力検出ができないという問題点があることを見いだした。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態(aspect)として実現することが可能である。
本発明の第1形態は、ロボットアームを備えるロボットであって、前記ロボットアームに設けられた力センサーと、前記力センサーのセンサー出力を処理する処理部と、を備え、前記処理部は、リセット期間に亘って前記力センサーの出力をゼロにするリセット動作を実行した後にオフセット算出期間を設け、前記オフセット算出期間における前記センサー出力に基づく値をオフセットとして算出するオフセット算出動作と、前記オフセット算出期間の経過後の力検出時に前記センサー出力から前記オフセットを減算する補正動作とを行うオフセット補正部を有し、前記オフセット補正部は、前記オフセット算出期間を、前記ロボットアームのうちの前記力センサーの設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間に設定する、ロボットである。
本発明の第2形態は、ロボットアームを備えるロボットであって、前記ロボットアームに設けられた力センサーと、前記力センサーのセンサー出力を処理する処理部と、を備え、前記処理部は、前記力センサーをリセットした後にオフセット算出期間を設け、前記オフセット算出期間における前記センサー出力に基づく値をオフセットとして算出するオフセット算出動作と、前記オフセット算出期間の経過後の力検出時に前記センサー出力から前記オフセットを減算する補正動作とを行うオフセット補正部を有し、前記オフセット補正部は、前記オフセット算出期間を、前記ロボットアームのうちの前記力センサーの設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間に設定する、ロボットである。
本発明の第3形態は、ロボットアームに設けられた力センサーのオフセットを補正するオフセット補正装置であって、リセット期間に亘って前記力センサーの出力をゼロにするリセット動作を実行した後にオフセット算出期間を設け、前記オフセット算出期間における前記力センサーの出力に基づく値をオフセットとして算出するオフセット算出部と、前記オフセット算出期間の経過後の力検出時に前記力センサーの出力から前記オフセットを減算する補正実行部と、を備え、前記オフセット算出部は、前記オフセット算出期間を、前記ロボットアームのうちの前記力センサーの設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間に設定する、オフセット補正装置である。
本発明の第4形態は、ロボットアームに設けられた力センサーのセンサー出力に基づいて、力制御を実行するロボットの制御方法であって、前記ロボットアームのうちの前記力センサーの設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間にオフセット算出期間を設定し、リセット期間に亘って前記力センサーの出力をゼロにするリセット動作を実行し、前記リセット動作を実行した後、前記オフセット算出期間における前記力センサーの前記センサー出力に基づく値をオフセットとして算出し、前記オフセット算出期間の後、前記センサー出力から前記オフセットを減算して、前記力制御を実行する、制御方法である。
(1)本発明の第1の形態によれば、ロボットアームを備えるロボットが提供される。このロボットは、前記ロボットアームに設けられた力センサーと、前記力センサーのセンサー出力を処理する処理部と、を備える。前記処理部は、前記力センサーをリセットした後にオフセット算出期間を設け、前記オフセット算出期間における前記センサー出力に基づく値をオフセットとして算出するオフセット算出動作と、前記オフセット算出期間の経過後の力検出時に前記センサー出力から前記オフセットを減算する補正動作とを行うオフセット補正部を有する。
このロボットによれば、力センサーのリセット後のオフセット算出期間でオフセットを算出し、そのオフセットを用いて力センサーを補正できるので、作業開始前の負荷状態に応じた正確な力検出を行うことができる。また、オフセット算出期間における力センサーの出力に基づく値をオフセットとして求めるので、力センサーのリセット後にセンサー出力のレベルが大きく変わる可能性がある場合にも、正しいオフセットを正確に求めることができる。
(2)上記ロボットにおいて、前記センサー出力に基づく値は、前記オフセット算出期間における前記センサー出力の平均値であるものとしてもよい。
このロボットによれば、オフセットを容易に算出できる。
(3)上記ロボットにおいて、前記力センサーは、力検出素子と前記力検出素子の出力信号を増幅する増幅回路とをそれぞれ含む複数の力検出ユニットを有しており、前記オフセット補正部は、前記増幅回路の出力信号を前記センサー出力として使用して前記オフセット算出動作及び前記補正動作を実行するものとしてもよい。
このロボットによれば、複数の力検出ユニットの増幅回路の出力信号をセンサー出力として使用してオフセット算出動作及び補正動作を実行するので、オフセット補正を正確に実行することが可能である。
(4)上記ロボットにおいて、前記処理部は、更に、前記複数の力検出ユニットの前記増幅回路の出力信号に対して前記補正動作を行って得られたオフセット補正済み信号を、複数の検出軸に関する力を表す力信号に変換する力変換部を備えるものとしてもよい。
このロボットによれば、力変換部が、オフセット補正済み信号を複数の検出軸に関する力を表す力信号に変換するので、力信号に対するオフセットの影響を小さく抑えることができ、力検出を精度良く行うことができる。
(5)上記ロボットにおいて、前記力センサーは、複数の検出軸に関する力を表す力信号を出力し、前記オフセット補正部は、前記複数の検出軸に関する前記力信号を前記センサー出力として使用して前記オフセット算出動作及び前記補正動作を実行するものとしてもよい。
このロボットによれば、複数の検出軸に関する力信号をセンサー出力として使用してオフセット算出動作及び補正動作を実行するので、複数の検出軸に関する力信号にオフセットが発生する場合にその影響を低減することが可能である。
(6)上記ロボットにおいて、オフセット補正部は、前記オフセット算出期間を、前記ロボットアームのうちの前記力センサーの設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間に設定するものとしてもよい。
このロボットによれば、オフセットを正確に求めることが可能である。
(7)上記ロボットにおいて、前記オフセット補正部は、前記オフセット算出期間の前に、前記センサー出力が安定するまで待機する待機期間を設定するものとしてもよい。
このロボットによれば、センサー出力が安定した後にオフセットが算出されるので、オフセットを正確に求めることができる。
(8)本発明の第2の形態は、力センサーのオフセットを補正するオフセット補正装置である。この力センサー補正装置は、前記力センサーをリセットした後にオフセット算出期間を設け、前記オフセット算出期間における前記力センサーの出力に基づく値をオフセットとして算出するオフセット算出部と、前記オフセット算出期間の経過後の力検出時に前記力センサーの出力から前記オフセットを減算する補正実行部と、を備える。
この力センサー補正装置によれば、力センサーのリセット後のオフセット算出期間でオフセットを算出し、そのオフセットを用いて力センサーを補正できるので、作業開始前の負荷状態に応じた正確な力検出を行うことができる。また、オフセット算出期間における力センサーの出力に基づく値をオフセットとして求めるので、力センサーのリセット後にセンサー出力のレベルが大きく変わる可能性がある場合にも、正しいオフセットを正確に求めることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ロボット又は力センサー補正装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体(non-transitory storage medium)等の形態で実現することができる。
ロボットシステムの概念図。 第1実施形態におけるロボットと制御装置の機能を示すブロック図。 複数のプロセッサーによって制御装置が構成される一例を示す概念図。 複数のプロセッサーによって制御装置が構成される他の例を示す概念図。 力センサーの内部構成の一例を示す回路図。 力センサーのリセットによるオフセットの問題を説明する説明図。 力センサーのリセットによるオフセットの問題を説明する説明図。 力センサーのリセットによるオフセットの問題を説明する説明図。 第1実施形態におけるオフセット補正処理のタイミングチャート。 第1実施形態におけるオフセット補正処理のタイミングチャート。 第1実施形態におけるオフセット補正処理のタイミングチャート。 第1実施形態におけるオフセット補正処理のフローチャート。 第2実施形態におけるロボットと制御装置の機能を示すブロック図。 第2実施形態におけるオフセット補正処理のフローチャート。 第3実施形態におけるセンサーキャブレーションのフローチャート。 センサーキャブレーションに用いる測定装置の構成を示す説明図。 センサーキャブレーションに用いる他の測定装置の構成を示す説明図。
A.第1実施形態
図1は、一実施形態におけるロボットシステムの概念図である。このロボットシステムは、ロボット100と、制御装置200と、ティーチングペンダント300と、を備えている。ロボット100は、ティーチングプレイバック方式のロボットである。ロボット100を用いた作業は、予め作成された教示データ又は指令に従って実行される。
ロボット100は、基台120と、アーム130とを備えている。アーム130を「ロボットアーム」とも呼ぶ。アーム130は、6つの関節J1~J6で順次接続されている。これらの関節J1~J6のうち、3つの関節J2,J3,J5は曲げ関節であり、他の3つの関節J1,J4,J6はねじり関節である。本実施形態では6軸ロボットを例示しているが、1個以上の関節を有する任意のアーム機構を有するロボットを用いることが可能である。
アーム130の先端部であるアームエンド132には、力センサー150と、エンドエフェクター160とがこの順に装着されている。図1の例では、エンドエフェクター160は、操作部品OEの押圧検査に用いる直棒状の押圧部材である。但し、エンドエフェクター160としてはこれ以外の任意のものを使用可能である。エンドエフェクター160の先には、ツール中心点TCP(Tool Center Point)が設定されている。ロボット100によるエンドエフェクター160の制御は、ツール中心点TCPの位置姿勢を変更する制御を含んでいる。なお、位置姿勢(position and orientation)とは、3次元の座標系における3つ座標値と、各座標軸回りの回転とで規定される状態を意味する。
力センサー150は、エンドエフェクター160に掛かる力を検出するセンサーである。力センサー150としては、単軸方向の力を検出可能なロードセルや、複数の軸方向の力成分を検出可能な力覚センサーやトルクセンサーを利用可能である。本実施形態では、力センサー150として、6軸の力覚センサーを用いている。6軸の力覚センサーは、固有のセンサー座標系において互いに直交する3個の検出軸に平行な力の大きさと、3個の検出軸まわりのトルクの大きさとを検出する。なお、力センサー150は、エンドエフェクター160の位置以外の位置に設けるようにしてもよく、例えば、関節J1~J6のうちの1つ以上の関節に設けるようにしてもよい。
制御装置200は、プロセッサー210と、メインメモリー220と、不揮発性メモリー230と、表示制御部240と、表示部250と、I/Oインターフェース260とを有している。これらの各部は、バスを介して接続されている。プロセッサー210は、例えばマイクロプロセッサー又はプロセッサー回路である。制御装置200は、I/Oインターフェース260を介して、力センサー150と、ロボット100と、ティーチングペンダント300に接続される。
ティーチングペンダント300は、人間の教示作業者がロボット100の動作を教示する際に使用するロボット教示装置の一種である。ティーチングペンダント300は、図示しないプロセッサーとメモリーとを有している。ティーチングペンダント300を用いた教示により作成される教示データ又は指令は、制御装置200の不揮発性メモリー230に格納される。
図2は、ロボット100と制御装置200の機能を示すブロック図である。制御装置200のプロセッサー210は、メモリー230に格納された各種の指令232を実行することによってロボット100を動作させる指令実行部212としての機能を実現する。
制御装置200の構成としては、図1及び図2に示した構成以外の種々の構成を採用することが可能である。例えば、プロセッサー210とメインメモリー220を図1の制御装置200から削除し、この制御装置200と通信可能に接続された他の装置にプロセッサー210とメインメモリー220を設けるようにしてもよい。この場合には、当該他の装置と制御装置200とを合わせた装置全体が、ロボット100の制御装置として機能する。他の実施形態では、制御装置200は、2つ以上のプロセッサー210を有していてもよい。更に他の実施形態では、制御装置200は、互いに通信可能に接続された複数の装置によって実現されていてもよい。これらの各種の実施形態において、制御装置200は、1つ以上のプロセッサー210を備える装置又は装置群として構成される。
図3は、複数のプロセッサーによって制御装置が構成される一例を示す概念図である。この例では、ロボット100及びその制御装置200の他に、パーソナルコンピューター400,410と、LANなどのネットワーク環境を介して提供されるクラウドサービス500とが描かれている。パーソナルコンピューター400,410は、それぞれプロセッサーとメモリーとを含んでいる。また、クラウドサービス500においてもプロセッサーとメモリーを利用可能である。これらの複数のプロセッサーの一部又は全部を利用して、ロボット100の制御装置を実現することが可能である。
図4は、複数のプロセッサーによって制御装置が構成される他の例を示す概念図である。この例では、ロボット100の制御装置200が、ロボット100の中に格納されている点が図4と異なる。この例においても、複数のプロセッサーの一部又は全部を利用して、ロボット100の制御装置を実現することが可能である。
図5は、力センサー150の内部構成の一例を示す回路図である。力センサー150は、複数の力検出ユニット40と、A-D変換回路50と、信号処理回路60とを有している。個々の力検出ユニット40は、力検出素子20と、力検出素子20の出力信号を増幅する増幅回路30とをそれぞれ含む。増幅回路30は、増幅後の信号VaをA-D変換回路50に供給する。A-D変換回路50は、デジタル変換後の信号Vdを信号処理回路60に供給する。力検出ユニット40の個数は、力センサー150で検出する検出軸の数、及び、各検出軸に関する力の種類に応じて設定される。例えば、力センサー150が、互いに直交する3個の検出軸に平行な力の大きさと、3個の検出軸まわりのトルクの大きさとを検出する場合には、12個の力検出ユニット40が使用される。具体的な力検出ユニット40の構成例については、例えば本出願人により開示された特開2014-163870号公報に詳述されているので、ここではその説明を省略する。
力検出素子20としては、例えば、圧電式や、歪みゲージ式、光学式などの各種の素子を使用可能である。本実施形態では、圧電部材としての水晶を利用した力検出素子20を使用しており、力検出素子20は、外部から加えられた外力に応じた電荷を出力する。
増幅回路30は、力検出素子20から出力された電荷を積分して電圧信号Vaに変換する積分回路として構成されている。具体的には、増幅回路30は、オペアンプ31と、コンデンサー32と、スイッチ素子33とを有する。オペアンプ31のマイナス入力端子は、力検出素子20の電極に接続され、オペアンプ31のプラス入力端子は、グランド(基準電位点)に接地されている。また、オペアンプ31の出力端子は、A-D変換回路50に接続されている。コンデンサー32は、オペアンプ31のマイナス入力端子と出力端子との間に接続されている。スイッチ素子33は、コンデンサー32と並列接続されている。スイッチ素子33は、信号処理回路60から供給されるオン/オフ信号に従い、スイッチング動作を実行する。
スイッチ素子33がオフの場合、力検出素子20から出力された電荷は、コンデンサー32に蓄えられ、その電圧VaがA-D変換回路50に出力される。一方、スイッチ素子33がオンになった場合、コンデンサー32の両端子間が短絡される。その結果、コンデンサー32に蓄えられた電荷は放電されてゼロとなり、A-D変換回路50に出力される電圧Vaは0ボルトとなる。スイッチ素子33をオンする動作は、力センサー150のリセットに相当する。
信号処理回路60は、オフセット補正部62と、力変換部66とを有している。オフセット補正部62は、オフセット算出部63と、補正実行部64とを有し、オフセット補正済み信号Vcを出力する。オフセット補正部62によるオフセット補正の内容については後述する。信号処理回路60は、「力センサーのセンサー出力を処理する処理部」に相当する。
力変換部66は、複数の力検出ユニット40の出力を、複数の検出軸に関する力を表すF信号(i)に変換して出力する。なお、力信号F(i)を単に「力F(i)」とも呼ぶ。図5の例では、これらの力F(i)は、互いに直交する3個の検出軸に平行な力Fx,Fy,Fzと、3個の検出軸まわりのトルクTx,Ty,Tzとを含んでいる。力F(i)は、更に、3個の検出軸に平行な力Fx,Fy,Fzを3つの軸方向成分とする力ベクトルの大きさFmagと、3個の検出軸まわりのトルクTx,Ty,Tzを3つの軸方向成分とするトルクベクトルの大きさTmagも含む。力ベクトルの大きさFmagは3個の力Fx,Fy,Fzの2乗和の平方根であり、トルクベクトルの大きさTmagは、3個のトルクTx,Ty,Tzの2乗和の平方根である。但し、これらの大きさFmag,Tmagは省略可能である。信号処理回路60から出力される力F(i)は、ロボット100の制御装置200に供給され、制御装置200によるロボット100の力制御に利用される。
図6A~図6Cは、力センサー150のリセットによるオフセットの問題を説明する説明図である。ここでは、ロボット100のアーム130が同一姿勢の静止した状態で観測された3種類のセンサー出力を示している。図6A~図6C及び後述する図7A~図7Cの説明において「センサー出力」とは、力検出ユニット40(図5)の増幅回路30の出力を意味する。図6A~図6Cに示す個々のセンサー出力は、ほぼ同程度のノイズレベルNLで出力値が変化している。本願の発明者は、このノイズレベルNLが、力センサー150のスペックのノイズレベルよりもかなり大きくなる場合があることを見いだした。具体的に言えば、力センサー150の先端部に取付けられたエンドエフェクター160の質量に応じて、ユーザーが望まない大きなノイズ(外乱振動)が観測される。この理由は、エンドエフェクター160の周囲の振動や、モーター制御の共振による微小な振動と、エンドエフェクター160の慣性による移動抑制の相互作用を力センサー150が検出し、力センサー150が理想的な状態(力センサー150に何も取付けられていない状態)にあるときのノイズレベルを大きく上回るノイズが観測されることによるものと推測される。実際に、ノイズレベルNLが力センサー150のスペックのノイズレベルの10倍程度に増大した場合が観測された。
このように大きなノイズレベルNLが存在する場合に、力センサー150のリセットを行うと、リセット後にセンサー出力が大きくシフトする場合がある。図6A~図6Cの例では、時刻t0で力センサー150をリセットし、リセット期間Tresの経過後の時刻t1でリセットを解除している。前述したように、リセット期間Tresは、力検出ユニット40の増幅回路30のスイッチ素子33がオン状態にある期間である。リセット後の3種類のセンサー出力は、リセット期間Tresのセンサー出力(0V)からオフセットしており、それらのオフセット量が互いに大きく異なっている。これは、リセット解除のタイミングに応じて、ノイズレベルNLの範囲内のオフセットがセンサー出力に重畳されるからであると推定される。従って、最大ではノイズレベルNLと同程度のオフセットが発生する場合があり、一方、最小ではほとんどオフセットが無い場合(図6Aの理想状態)もある。オフセット量は、リセット解除のタイミングと、そのときのノイズレベルとに依存するので、事前に予想することは不可能である。
図7A~図7Cは、第1実施形態におけるオフセット補正処理のタイミングチャートである。オフセット補正処理は、オフセット補正部62(図5)によって実行される。ここではまず、図6A~図6Cと同様に、時刻t0で力センサー150をリセットし、リセット期間Tresの経過後の時刻t1でリセットを解除している。その後、時刻t1から時刻t2までの待機期間Twtを設定している。待機期間Twtは、センサー出力が安定化するまで待機する期間である。但し、待機期間Twtは省略してもよい。
時刻t2から時刻t3までのオフセット算出期間Tcoでは、オフセット算出部63がオフセットΔfを算出するオフセット算出動作を実行する。具体的には、オフセット算出部63は、オフセット算出期間Tcoにおけるセンサー出力の平均値を、オフセットΔfとして算出する。但し、センサー出力の平均値以外の値であって、センサー出力に基づいて算出される他の値をオフセットΔfとして使用してもよい。但し、センサー出力の平均値を使用すれば、オフセットΔfを容易に算出できる。第1実施形態において、オフセットΔfは、個々の力検出ユニット40に関して算出される。算出されたオフセットΔfは、オフセット算出部63から補正実行部64に供給される。
オフセット算出期間Tcoは、アーム130のうちの力センサー150の設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間に設定することが好ましい。この固有振動は、センサー出力Vdを信号処理回路60が分析することによって検出可能である。信号処理回路60は、例えば、センサー出力Vdに高速フーリエ変換処理を適用することによって力センサー150の設置部分の固有振動数を検出できる。センサー出力Vdの振動は、力センサー150の設置部分の固有振動も含んでいるので、オフセット算出期間Tcoをその固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間に設定すれば、オフセットΔfをより正確に求めることが可能である。なお、Nをあまり大きな値に設定するとオフセット補正に長い時間を要するので、Nは1~2の値に設定することが好ましい。「固有振動のN周期に相当する期間」は、許容誤差を含んでいてもよく、「固有振動のN周期に等しい期間」を100%としたときに、±10%の誤差は許容される。
オフセット算出期間Tcoの経過後は、力検出実行期間Tenである。この力検出実行期間Tenでは、補正実行部64が、センサー出力からオフセットΔfを減算する補正動作を次式に従って実行する。
Vc=Vd-Δf …(1)
ここで、Vcはオフセット補正済み信号、Vdは補正前のセンサー出力である。図5の例では、補正前のセンサー出力Vdは、個々の力検出ユニット40の増幅回路30の出力信号Vaをデジタル変換した後のデジタル信号である。
図7A~図7Cにおいて、時刻t3以降の力検出実行期間Tenは、上記(1)式で得られたオフセット補正済み信号Vcを示している。オフセット補正済み信号Vcは、図7A~図7Cのいずれの場合にもオフセットが解消したものとなっている。複数の力検出ユニット40の出力Vdについて得られたオフセット補正済み信号Vcは、力変換部66に供給される。力変換部66は、これらの複数のオフセット補正済み信号Vcを、複数の検出軸に関する力を表す力信号F(i)に変換する。前述した図5の例では、力変換部66から出力される力信号F(i)は、互いに直交する3個の検出軸に平行な力Fx,Fy,Fzと、3個の検出軸まわりのトルクTx,Ty,Tzと、力ベクトルの大きさFmagと、トルクベクトルの大きさTmagと、をそれぞれ表す信号である。力変換部66の変換処理は、例えば力センサー150のキャリブレーションで設定された変換行列を用いて実行される。この変換処理の内容は周知なので、ここでは説明を省略する。
図8は、第1実施形態におけるオフセット補正処理のフローチャートである。このオフセット補正処理は、例えば、エンドエフェクター160を用いて作業を開始する前に、TCPがワーク(図1の場合には操作部品OE)に対して予め定められた基準位置にある状態で実行される。ステップS110では、増幅回路30のスイッチ素子33をオンしてリセットを開始し(図7A~図7Cの時刻t1)、ステップS120では、増幅回路30のスイッチ素子33をオフしてリセットを解除する(図7A~図7Cの時刻t2)。その後、ステップS130では、増幅回路30の出力が安定するまで待機する(図7A~図7Cの待機期間Twt)。ステップS140では、オフセット算出期間Tocにおいて、センサー出力に基づく値をオフセットΔfとして算出する。ステップS150では、算出したオフセットΔfを用いて力検出を開始する。具体的には、補正実行部64が、センサー出力からオフセットΔfを減算する補正動作を実行し、力変換部66が複数のオフセット補正済み信号を複数の検出軸に関する力を表す力信号F(i)に変換する。
以上のように、第1実施形態では、力センサー150をリセットした後にオフセット算出期間Tocを設け、オフセット算出期間Tocにおけるセンサー出力に基づく値をオフセットΔfとして算出するオフセット算出動作と、オフセット算出期間Tocの経過後の力検出時にセンサー出力からオフセットΔfを減算する補正動作とを実行する。この結果、力センサー150のリセット後に大きなオフセットが発生する可能性がある場合にも、そのオフセットを用いて力センサー150を補正できるので、作業開始前の負荷状態に応じた正確な力検出を行うことができる。また、オフセット算出期間Tocにおけるセンサー出力に基づく値をオフセットΔfとして求めるので、力センサー150のリセット後にセンサー出力のレベルが大きく変わる可能性がある場合にも、正しいオフセットΔfを正確に求めることができる。
B.第2実施形態
図9は、第2実施形態におけるロボット100と制御装置200の機能を示すブロック図である。図2に示した第1実施形態との違いは、制御装置200のプロセッサー210によってオフセット補正部214の機能が実行される点である。また、第2実施形態では、図5に示した力センサー150の信号処理回路60内のオフセット補正部62は省略され、複数の力検出ユニット40の出力Vaをデジタル変換した信号Vdを、力変換部66が力信号F(i)に変換して出力する。第2実施形態では、プロセッサー210が、「力センサーのセンサー出力を処理する処理部」に相当する。
オフセット補正部214は、力センサー150から供給された複数の力信号F(i)をセンサー出力として使用して、オフセット補正を実行することによって、複数の力信号F(i)に関するオフセットをそれぞれ算出する。複数の力信号F(i)に関するオフセットは、力センサー150から供給された力信号F(i)のそれぞれをオフセット算出期間で平均した値である。
第2実施形態において、オフセット補正済み信号F(i)は、上述した(1)式の代わりに、次式で算出される。
Fc(i)=F(i)-ΔF(i) …(2)
ここで、F(i)は補正前のセンサー出力、ΔF(i)はセンサー出力F(i)のオフセットである。指令実行部212は、このオフセット補正済み信号Fc(i)を利用して、力制御を実行することが可能である。
なお、上記(2)式に従って力センサー出力F(i)からオフセットΔF(i)を減算する代わりに、ロボット100を動作させるための指令232の中で指定されている力の目標値を、オフセットΔF(i)で補正するようにしてもよい。この補正処理は次式で与えられる。
Fc(i)=F(i)+ΔF(i) …(3)
ここで、Fc(i)は補正後の力の目標値、F(i)は補正前の力の目標値、ΔF(i)はセンサー出力F(i)のオフセットである。
この(3)式に従った補正処理は、指令232に従った作業を実行する前に行うことが可能である。この補正処理は、上述した(2)式に従った補正処理と等価である。
図10は、第2実施形態におけるオフセット補正処理のフローチャートである。ステップS205では、オフセット補正部214が力センサー150にリセットコマンドを発行する。次のステップS210~S230は、図8のステップS110~S130と同じ処理である。すなわち、ステップS210では、力センサー150が増幅回路30のスイッチ素子33をオンしてリセットを開始する(図7A~図7Cの時刻t1)。ステップS220では、力センサー150が増幅回路30のスイッチ素子33をオフしてリセットを解除する(図7A~図7Cの時刻t2)。ステップS230では、増幅回路30の出力が安定するまで待機する(図7A~図7Cの待機期間Twt)。ステップS235では、その後のセンサー出力F(i)のログをオフセット補正部214内に記録する。ステップSS40では、オフセット算出期間Tocにおいて、センサー出力F(i)に基づく値(例えば平均値)をオフセットΔF(i)として算出する。ステップS250では、算出したオフセットΔF(i)を用いて力検出を開始する。具体的には、オフセット補正部214が、複数の検出軸に関するセンサー出力F(i)からオフセットΔF(i)を減算する補正動作を実行する。
以上の第2実施形態も、第1実施形態と同様に、力センサー150をリセットした後にオフセット算出期間Tocを設け、オフセット算出期間Tocにおけるセンサー出力F(i)に基づく値をオフセットΔF(i)として算出するオフセット算出動作と、オフセット算出期間Tocの経過後の力検出時にセンサー出力F(i)からオフセットΔF(i)を減算する補正動作とを実行する。この結果、力センサー150のリセット後に大きなオフセットが発生する可能性がある場合にも、そのオフセットを用いて力センサー150を補正できるので、作業開始前の負荷状態に応じた正確な力検出を行うことができる。また、オフセット算出期間Tocにおけるセンサー出力F(i)に基づく値をオフセットΔF(i)として求めるので、力センサー150のリセット後にセンサー出力F(i)のレベルが大きく変わる可能性がある場合にも、正しいオフセットΔF(i)を正確に求めることができる。
但し、オフセット補正の精度は、第2実施形態よりも前述した第1実施形態の方が高いので、第1実施形態の方が好ましい。第1実施形態の方がオフセット補正の精度が高くなる理由は、オフセットが発生する回路(図5の力検出ユニット40)の出力に対してオフセット補正を行っているからであると推定される。
C.第3実施形態
図11は、第3実施形態において実行する力センサー150のキャリブレーション処理のフローチャートである。キャリブレーション処理は、力センサー150をロボット100に装着する前に、複数の力検出ユニット40の出力を複数の検出軸に関する力F(i)に変換する変換行列を求める処理である。第3実施形態では、このキャリブレーション処理において、個々の力検出ユニット40の出力についてのオフセット補正を実行する。図11の処理は、例えば図3に示したパーソナルコンピューター400を利用して実行可能である。
ステップS310では、力センサー150を測定装置に取り付ける。この測定装置は、力センサー150の複数の検出軸x,y,zに対して、力センサー150が検出する力F(i)を高精度に測定するための装置である。
図12は、センサーキャブレーションに用いる測定装置610の構成を示す説明図である。この測定装置610は、垂直な壁面611に設置される基台612を有し、この基台612の垂直面に力センサー150が設置される。図12には、力センサー150のセンサー座標系Σfが描かれている。この例では、センサー座標系Σfのx方向が鉛直上向きになる状態で力センサー150が基台612上に設置されている。測定装置610は、更に、力センサー150の表面(力感知面)に固体される吊り下げ治具613と、吊り下げ治具613から鉛直下方に吊り下げられた吊り下げ皿615とを有する。吊り下げ治具613は、ネジ614を用いて力センサー150に固定されている。吊り下げ皿615の上には、予め重量が正確に測定された基準重りである錘616が1つ以上載置可能である。力センサー150は、オフセット補正装置700に接続されている。オフセット補正装置700は、オフセット算出部710と、補正実行部720とを有する。このオフセット補正装置700は、図5に示したオフセット補正部62と同様のオフセット補正機能を有する。
この測定装置610を使用すれば、錘616によって、力センサー150の-x方向に掛かる力-Fxを正確に設定可能である。従って、この状態における力センサー150からの出力F(i)のうちのx方向の力Fxが、錘616の重さに応じた力に正確に一致するように、力センサー150をキャリブレーションすることが可能である。
図13は、センサーキャブレーションに用いる他の測定装置620の構成を示す説明図である。この測定装置620は、水平なテーブル面621に設置される基台622を有し、この基台622の水平面に力センサー150が設置される。この例では、センサー座標系Σfのz方向が鉛直上向きになる状態で力センサー150が基台622上に設置されている。測定装置620は、更に、力センサー150の表面(力感知面)に固体される治具623を有する。この治具623の上には、錘616が1つ以上載置可能である。力センサー150は、図12と同様に、オフセット補正装置700に接続されている。
この測定装置620を使用すれば、錘616によって、力センサー150の-z方向に掛かる力-Fzを正確に設定可能である。従って、この状態における力センサー150からの出力F(i)のうちのz方向の力Fzが錘616の重さに応じた力に正確に一致するように、力センサー150をキャリブレーションすることが可能である。
図12と図13に示した測定装置610,620は、図11のステップS310で使用される測定装置の一例であり、これら以外の任意の測定装置を利用可能である。y方向の力Fyや3軸回りのトルクTx,Ty,Tzのキャリブレーションにおいても同様の測定装置が利用される。
図11のステップS320では、オフセット補正装置700が力センサー150のオフセット補正処理を実行する。このオフセット補正処理は、第1実施形態において図7A~図7C及び図8に即して説明した処理と同じである。このオフセット補正処理によって、複数の力検出ユニット40の出力Vdに対するオフセットΔfが得られる。これ以降は、上述した(1)式に従って、力検出ユニット40の出力VdからオフセットΔfを減算したオフセット補正済み信号Vcが使用される。
ステップS330では、測定装置に乗せる錘616の重量を順次変化させ、力センサー150によって力を検出する。錘616の重量は、例えば、5kgf毎に変化させることが可能である。ステップS340では、複数の錘重量に対して得られたデータを線形化する。この線形化は、複数の錘重量で得られたオフセット補正済み信号Vcが、錘重量に対してほぼ直線的な関係となるようにオフセット補正済み信号Vcを補正する処理である。なお、ステップS330とステップS340の処理は、力センサー150の各検出軸毎に行われる。
ステップS350では、ステップS340で得られた複数の検出軸に関するデータを用いて、複数の力検出ユニット40の出力Vdを、複数の力F(i)に変換する変換行列を算出する。ステップS360では、得られた変換行列を、力センサー150の信号処理回路60(図5)に登録する。ステップS370では、力センサー150のオフセットを確認する。この処理は、例えば、図8のステップS110~S140と同じ処理を実行して、オフセットΔfを取得することによって行うことができる。このオフセットΔfが、図11のステップS320で得られていたオフセットとほぼ同程度であれば、問題が無いものとしてキャリブレーションを終了する。一方、ステップS370で得られたオフセットΔfが、ステップS320で得られていたオフセットと許容差を超えて異なる場合には、ステップS320以降の処理を再度実行するようにしても良い。
以上のように、第3実施形態では、力センサー150のキャリブレーションを行う際に、第1実施形態と同様のオフセット補正処理を実行するので、力センサー150を正確にキャリブレーションすることが可能である。上述した第1実施形態や第2実施形態においても、このキャリブレーションで得られた変換行列を信号処理回路60の力変換部66(図5)で利用するようにすれば、力センサー150を用いた力の検出をより精度良く行うことが可能となる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
オフセット算出期間における外部からの振動影響を低減する手法として、「平均化手法」以外にも、「適切な時定数を持つフィルターを適用する」こともオフセットを算出する手法として機能する。例えば、平滑化フィルターを用いてセンサー出力を平滑化した値をオフセットして利用することができる。すなわち、オフセット算出動作では、オフセット算出期間におけるセンサー出力に基づく値をオフセットとして算出することが可能である。
また、例えば本出願人により開示された特開2015-182164号公報に記載された、等速度での移動中に力センサーをリセットすることと合わせて本願発明を実施することも可能である。
20…力検出素子、30…増幅回路、31…オペアンプ、32…コンデンサー、33…スイッチ素子、40…力検出ユニット、50…A-D変換回路、60…信号処理回路、62…オフセット補正部、63…オフセット算出部、64…補正実行部、66…力変換部、100…ロボット、120…基台、130…アーム、132…アームエンド、150…力センサー、160…エンドエフェクター、200…制御装置、210…プロセッサー、212…指令実行部、214…オフセット補正部、220…メインメモリー、230…不揮発性メモリー、232…指令、240…表示制御部、250…表示部、260…I/Oインターフェース、300…ティーチングペンダント、400,410…パーソナルコンピューター、500…クラウドサービス、610…測定装置、611…壁面、612…基台、613…吊り下げ治具、614…ネジ、615…吊り下げ皿、616…錘、620…測定装置、621…テーブル面、622…基台、623…治具、700…オフセット補正装置、710…オフセット算出部、720…補正実行部

Claims (9)

  1. ロボットアームを備えるロボットであって、
    前記ロボットアームに設けられた力センサーと、
    前記力センサーのセンサー出力を処理する処理部と、
    を備え、
    前記処理部は、リセット期間に亘って前記力センサーの出力をゼロにするリセット動作を実行した後にオフセット算出期間を設け、前記オフセット算出期間における前記センサー出力に基づく値をオフセットとして算出するオフセット算出動作と、前記オフセット算出期間の経過後の力検出時に前記センサー出力から前記オフセットを減算する補正動作とを行うオフセット補正部を有し、
    前記オフセット補正部は、前記オフセット算出期間を、前記ロボットアームのうちの前記力センサーの設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間に設定する、ロボット。
  2. 請求項1に記載のロボットであって、
    前記センサー出力に基づく値は、前記オフセット算出期間における前記センサー出力の平均値である、ロボット。
  3. 請求項1又は2に記載のロボットであって、
    前記力センサーは、力検出素子と前記力検出素子の出力信号を増幅する増幅回路とをそれぞれ含む複数の力検出ユニットを有しており、
    前記オフセット補正部は、前記増幅回路の出力信号を前記センサー出力として使用して前記オフセット算出動作及び前記補正動作を実行する、ロボット。
  4. 請求項3に記載のロボットであって、
    前記処理部は、更に、前記複数の力検出ユニットの前記増幅回路の出力信号に対して前記補正動作を行って得られたオフセット補正済み信号を、複数の検出軸に関する力を表す力信号に変換する力変換部を備える、ロボット。
  5. 請求項1又は2に記載のロボットであって、
    前記力センサーは、複数の検出軸に関する力を表す力信号を出力し、
    前記オフセット補正部は、前記複数の検出軸に関する前記力信号を前記センサー出力として使用して前記オフセット算出動作及び前記補正動作を実行する、ロボット。
  6. ロボットアームを備えるロボットであって、
    前記ロボットアームに設けられた力センサーと、
    前記力センサーのセンサー出力を処理する処理部と、
    を備え、
    前記処理部は、前記力センサーをリセットした後にオフセット算出期間を設け、前記オフセット算出期間における前記センサー出力に基づく値をオフセットとして算出するオフセット算出動作と、前記オフセット算出期間の経過後の力検出時に前記センサー出力から前記オフセットを減算する補正動作とを行うオフセット補正部を有し、
    前記オフセット補正部は、前記オフセット算出期間を、前記ロボットアームのうちの前記力センサーの設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間に設定する、ロボット。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載のロボットであって、
    前記オフセット補正部は、前記オフセット算出期間の前に、前記センサー出力が安定するまで待機する待機期間を設定する、ロボット。
  8. ロボットアームに設けられた力センサーのオフセットを補正するオフセット補正装置であって、
    リセット期間に亘って前記力センサーの出力をゼロにするリセット動作を実行した後にオフセット算出期間を設け、前記オフセット算出期間における前記力センサーの出力に基づく値をオフセットとして算出するオフセット算出部と、
    前記オフセット算出期間の経過後の力検出時に前記力センサーの出力から前記オフセットを減算する補正実行部と、
    を備え
    前記オフセット算出部は、前記オフセット算出期間を、前記ロボットアームのうちの前記力センサーの設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間に設定する、オフセット補正装置。
  9. ロボットアームに設けられた力センサーのセンサー出力に基づいて、力制御を実行するロボットの制御方法であって、
    前記ロボットアームのうちの前記力センサーの設置部分の固有振動のN周期(Nは1以上の整数)に相当する期間にオフセット算出期間を設定し、
    リセット期間に亘って前記力センサーの出力をゼロにするリセット動作を実行し、
    前記リセット動作を実行した後、前記オフセット算出期間における前記力センサーの前記センサー出力に基づく値をオフセットとして算出し、
    前記オフセット算出期間の後、前記センサー出力から前記オフセットを減算して、前記力制御を実行する、制御方法。
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