JP6060895B2 - 緩衝機能を有する包装用箱 - Google Patents

緩衝機能を有する包装用箱 Download PDF

Info

Publication number
JP6060895B2
JP6060895B2 JP2013505967A JP2013505967A JP6060895B2 JP 6060895 B2 JP6060895 B2 JP 6060895B2 JP 2013505967 A JP2013505967 A JP 2013505967A JP 2013505967 A JP2013505967 A JP 2013505967A JP 6060895 B2 JP6060895 B2 JP 6060895B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
buffer
plate
packaging box
support plate
box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013505967A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012128253A1 (ja
Inventor
芙美 和泉
芙美 和泉
宏一 丸橋
宏一 丸橋
友宏 吉田
友宏 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Astellas Pharma Inc
Original Assignee
Astellas Pharma Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Astellas Pharma Inc filed Critical Astellas Pharma Inc
Publication of JPWO2012128253A1 publication Critical patent/JPWO2012128253A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6060895B2 publication Critical patent/JP6060895B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D5/00Rigid or semi-rigid containers of polygonal cross-section, e.g. boxes, cartons or trays, formed by folding or erecting one or more blanks made of paper
    • B65D5/02Rigid or semi-rigid containers of polygonal cross-section, e.g. boxes, cartons or trays, formed by folding or erecting one or more blanks made of paper by folding or erecting a single blank to form a tubular body with or without subsequent folding operations, or the addition of separate elements, to close the ends of the body
    • B65D5/0254Rigid or semi-rigid containers of polygonal cross-section, e.g. boxes, cartons or trays, formed by folding or erecting one or more blanks made of paper by folding or erecting a single blank to form a tubular body with or without subsequent folding operations, or the addition of separate elements, to close the ends of the body with end closures formed by inward folding of flaps and securing them by means of a tongue integral with one of the flaps
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D5/00Rigid or semi-rigid containers of polygonal cross-section, e.g. boxes, cartons or trays, formed by folding or erecting one or more blanks made of paper
    • B65D5/02Rigid or semi-rigid containers of polygonal cross-section, e.g. boxes, cartons or trays, formed by folding or erecting one or more blanks made of paper by folding or erecting a single blank to form a tubular body with or without subsequent folding operations, or the addition of separate elements, to close the ends of the body
    • B65D5/10Rigid or semi-rigid containers of polygonal cross-section, e.g. boxes, cartons or trays, formed by folding or erecting one or more blanks made of paper by folding or erecting a single blank to form a tubular body with or without subsequent folding operations, or the addition of separate elements, to close the ends of the body with end closures formed by inward-folding of self-locking flaps hinged to tubular body
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D5/00Rigid or semi-rigid containers of polygonal cross-section, e.g. boxes, cartons or trays, formed by folding or erecting one or more blanks made of paper
    • B65D5/42Details of containers or of foldable or erectable container blanks
    • B65D5/44Integral, inserted or attached portions forming internal or external fittings
    • B65D5/50Internal supporting or protecting elements for contents
    • B65D5/5002Integral elements for containers having tubular body walls
    • B65D5/5011Integral elements for containers having tubular body walls formed by folding inwardly of extensions hinged to the upper or lower edges of the body
    • B65D5/5014Integral elements for containers having tubular body walls formed by folding inwardly of extensions hinged to the upper or lower edges of the body and with an integral end closure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D77/00Packages formed by enclosing articles or materials in preformed containers, e.g. boxes, cartons, sacks or bags
    • B65D77/04Articles or materials enclosed in two or more containers disposed one within another

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Cartons (AREA)
  • Buffer Packaging (AREA)
  • Packages (AREA)

Description

本発明は緩衝機能を有する包装用箱に係り、特に内部に収納された錠剤が外部衝撃によって破損することを防止する緩衝構造を備えた緩衝機能を有する包装用箱に関する。
従来、包装用の紙箱等に壊れやすい錠剤や割れやすいアンプル等の内容物を収納する場合には、内容物を外部衝撃から守るため、紙箱と内容物との空隙に発泡部材やエアーキャップなどの緩衝材が充填されていた。また、内容物の形に合わせて成形された緩衝材からなる成形品に内容物を収めてから、紙箱の中に収納することが行われていた。
このような包装方法では、紙箱とは別体で緩衝材を準備する必要があり、また、包装工程が煩雑化されるため、包装コストがかかるという問題点があった。
そこで、包装箱の内周面に沿って緩衝二重構造を設けた紙製の包装箱が知られている。(例えば、特許文献1〜5参照)。
特許文献1及び2では、包装箱の側板にそれぞれ内壁を形成して二重構造とし、バイアルやアンプルを支持するため、内壁の一部を切り欠いて挿入部を設け、バイアル等のホルダーを備えた構成が開示されている。そして、上記構成の包装箱は、挿入部にバイアル等を嵌合させることにより、バイアル等を外部の衝撃から保護することができる。
特許文献3及び4の緩衝材付き包装箱は、両側面の内周面に沿って板状の緩衝材が設けられたものである。緩衝材は両端部が支持されており、包装箱の側面板との間に所定の緩衝空間を有している。緩衝空間を形成する緩衝材には、中間部の撓みを防止するために中間支持部が設けられている。また、特許文献4の緩衝材付き包装箱の緩衝材の中間支持部は、緩衝材の中間部に切り込みを形成し、この切り込み部をL字状に折り曲げて切り起こし片とし、その先端を側面板に連結固着することにより、緩衝材の中間部を支持するように構成されている。
そして、上記構成の特許文献3及び4の包装箱は、緩衝材によって外部からの衝撃を吸収し、薬剤キット、ガラス製品等の衝撃により破損する虞のあるものを衝撃から保護する。
しかし、上記特許文献1〜4は、いずれもバイアル等、一定の強度及び重量を備えたものが収納されるための包装箱に関するものである。したがって、上記特許文献1〜4で開示された包装箱を用いても、錠剤を包装する際、十分な緩衝効果を得ることが難しかった。
特許文献1及び2のホルダー付き組立式包装用箱は、箱に設けられたホルダーの部分が底板から成形されているため、箱の寸法に自由度が低く、PTPシートに充てんされた錠剤を収納するには内容物に合ったサイズを設計することが難しい。
また、特許文献3及び4の包装箱に備えられた緩衝材は、薬剤キット等の比較的重量が大きいものを保持する強度を備える必要があることから、緩衝材において中間部の撓みを防止して中間支持部または切り起こし片が備えられている。したがって、薬剤キットよりも軽量である錠剤を収納すると、緩衝材が補強されていて中間部が撓まないため、緩衝材が固すぎて、適当な緩衝効果が得られないという問題点があった。
さらに、特許文献1〜4において開示された包装箱は、バイアル等、比較的重量が大きい物品を保持する必要性があることから、一定の剛性を備えるために、緩衝構造の部分が補強されている。したがって、箱全体の構造が複雑となり、箱を成形する際の作業が煩雑になるという問題点があった。
上記問題点に対し、特許文献5では、錠剤を外部衝撃から保護するため、適度な緩衝能を有し、且つ構成が簡単で製造工程を簡易化することができる包装用箱S′が開示されている(図13参照)。
特開平08−91351号公報 特開平08−151074号公報 特開平09−323722号公報 特開平10−152131号公報 国際公開第2009/072557号
特許文献5の緩衝材付き包装用箱S′は、図13に示すように、サイドフラップ41′,42′の一部を切って形成された緩衝板43′,44′によって、側壁が二重構造になっており、錠剤(より詳細には、錠剤がその内部に包装されたPTPシートを収容したピロー)を外部衝撃から保護するための緩衝能を備えている。緩衝板43′,44′は、上方に備えられたサイドフラップ41′,42′の一部及び第1の支持板45a′,46a′と、側面に貼着された支持板(不図示)とで支持されているため、緩衝板43′,44′の中央部は可撓性を有しており、外部衝撃に弱く壊れやすい錠剤を保護することができる。
しかし、特許文献5の緩衝材付き包装用箱S′は、サイドフラップ41′,42′を構成する部分の台紙を切り欠いて緩衝板43′,44′を形成するため、サイドフラップ41′,42′と緩衝板43′,44′の大きさを両者とも大きく確保することができず、緩衝板43′,44′の大きさが制限される。そして、緩衝板43′,44′の大きさを任意で大きくすることができず、フラップの大きさにより緩衝能を向上させるには改善の余地があった。
したがって、包装用箱において、緩衝板43′,44′の大きさを任意に設定することができ、外部衝撃に対して壊れやすい錠剤に対し、十分に高い緩衝能を備えることが可能な技術が望まれていた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、錠剤が収納されたPTPシートを包装する包装用箱であって、十分な緩衝能が得られる緩衝空間を備えた緩衝機能を有する包装用箱を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、構成が簡単であり、製造工程の簡易化が可能な緩衝機能を有する包装用箱を提供することにある。
前記課題は、本発明の包装用箱によれば、1枚の箱形成基板を折り曲げ組み立てて形成されると共に、錠剤が収納されたPTP包装シートを包装する包装用箱であって、一連の側板を所定位置で折り曲げて略中空矩形状に連結して形成された胴部と、該胴部に連結されて上部に形成された蓋部と、前記胴部に連結されて下部に形成された底部と、互いに対向する一対の前記側板の内側の少なくとも一方に形成された緩衝部と、を備え、前記緩衝部は、前記胴部の内側に向けて前記側板の前記蓋部側に連結されたサイドフラップと、該サイドフラップの前記側板が連結された側と側に連結されると共に前記サイドフラップに貼着された第1の支持板と、該第1の支持板の下側に連結される第2の支持板と、該第2の支持板の下側に連結されると共に前記底部に対し略平行に配設された第3の支持板と、前記第3の支持板に連結されると共に、前記第3の支持板から前記側板に対し略平行に延設された緩衝板と、前記緩衝板から延設され、前記胴部または前記底部に貼着された貼着片と、を備え、前記緩衝板は、前記緩衝板の上端に連結される前記第3の支持板と、前記緩衝板の下端に連結される前記貼着片のみに支持されること、により解決される。
このように、本発明の包装用箱は、互いに対向する側板の少なくとも一方に緩衝部を有しており、緩衝部は、前記胴部の内側に向けて前記側板の前記蓋部側に連結されたサイドフラップと、該サイドフラップの前記側板が連結された側と側に連結されると共に前記サイドフラップに貼着された第1の支持板と、該第1の支持板の下側に連結される第2の支持板と、該第2の支持板の下側に連結されると共に前記底部に対し略平行に配設された第3の支持板と、前記第3の支持板に連結されると共に、前記第3の支持板から前記側板に対し略平行に延設された緩衝板と、前記緩衝板から延設され、前記胴部または前記底部に貼着された貼着片と、を備え、前記緩衝板は、前記緩衝板の上端に連結される前記第3の支持板と、前記緩衝板の下端に連結される前記貼着片のみに支持されている。
このような構成により、本発明では、側面側に設けられた緩衝板が側板に対して離間して配設されている。したがって、緩衝板が側板に対して支持板と貼着板とによってのみ支持される構成である(すなわち、二点においてのみ支持される)ため、緩衝板は十分な可撓性を備えている。
さらに、緩衝板は、サイドフラップの一部を切って形成する構成ではなく、サイドフラップの側板と所定間隔で離間して略平行に支持板から延設された可撓性を有し、折曲可能に連設された構成であるため、サイドフラップの大きさに依存せず、緩衝板を任意の大きさに形成することができる。その結果、緩衝板を十分に大きくすることが可能となり、緩衝板がより高い可撓性を備えることができる。
また、十分な可撓性を備えた緩衝板を有するため、本発明の包装用箱は、錠剤が収納されたPTPシートに対し、十分な緩衝機能が得られる緩衝空間を備えている。
そして、本発明の包装用箱は、1枚の箱形成基板を折り曲げて形成するため、構成が簡単であり、製造工程が極めて簡易化されている。したがって、本発明の包装用箱は、廉価に製造することができる。
さらに、サイドフラップと緩衝板の大きさを互いに独立に設定することができるため、緩衝板を大きく形成しても、サイドフラップを十分に大きく形成することができる。したがって、蓋部と胴部との間をサイドフラップによって覆うことができるため、蓋部と胴部との間から箱内へ異物が侵入するのを効果的に防ぐことができる。
このとき、前記緩衝板は、上方に開口した切り欠き部が形成されてなると好適である。
このように、緩衝板は上方に開口した切り欠き部を備えているため、より緩衝板が撓みやすく、その結果、緩衝能の高い緩衝部を備えた包装用箱とすることができる。
また、本発明の包装用箱は、前記錠剤が、1枚の前記PTP包装シート内に前記錠剤を包装した状態の前記PTP包装シートを、高さ150cmの高さから10枚落下させたとき、前記錠剤の破損数が1錠以上となる強度を有するときにおいて好適に用いられる。
このように、本発明の包装用箱は、緩衝能が極めて高い緩衝部を備えているため、上記のように破損しやすい錠剤の包装用途に対して、特に好適に用いられる。
さらに、本発明の包装用箱は、前記錠剤が、硬度が9.8N以上、110N以下の錠剤であるときに特に好適に用いられる。
このように、本発明の包装用箱は、緩衝能が高い緩衝部を備えているため、硬度が所定数値以下の壊れやすい錠剤の包装用として、特に好適である。
PTP包装に適用可能な錠剤の強度、すなわち、通常のPTP包装のカバーシートから製剤を押し出して取り出すことが可能な錠剤の強度の目安として、錠剤の縦方向の硬度が挙げられる。その硬度は錠剤の大きさ、形状により異なるが、例えば直径約8.0mmの時、約9.8N、また、直径約10.0mmの時、約14.7N、さらに、直径約12.0mmの時、約19.6N以上が好適である。
さらにまた、本発明の包装用箱は、前記錠剤が、口腔内崩壊錠であるときに特に好適に用いられる。
本発明の緩衝機能を有する包装用箱は、大きな緩衝部を確保することができ、緩衝部に備えられた緩衝板が十分に撓むことができるため、緩衝能が高い。したがって、内部に収納するPTPシートに包装された錠剤を、外部衝撃から効果的に保護することができる。その結果、外部衝撃に対して壊れやすい性質を有する錠剤に対して、特に好適に用いることができる。
また、本発明の包装用箱は、1枚の箱形成基板を折り曲げ組み立てることにより、側板の内側に緩衝構造を有する包装用箱を形成することができる。したがって、外部からの衝撃に対して十分な緩衝効果が得られる包装用箱を、低コストで、かつ、簡易な製造工程により提供することができる。
本発明の一実施形態に係る包装用箱の開封前の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る包装用箱に物品を収納した状態の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る包装用箱のサイドフラップを開いた状態の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る包装用箱のサイドフラップを閉じた状態の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る包装用箱の断面図(図2のI−I断面図)である。 本発明の一実施形態に係る包装用箱の箱形成基板の展開図である。 本発明の一実施形態に係る包装用箱を折り畳んだ状態の正面図である。 本発明の他の実施形態に係る包装用箱のサイドフラップを開いた状態の斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る包装用箱のサイドフラップを閉じた状態の斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る包装用箱の断面図((a)図8のi−i断面図、(b)は図9のii−ii断面図)である。 本発明の他の実施形態に係る包装用箱の箱形成基板の展開図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る包装用箱のサイドフラップを開いた状態の斜視図である。 従来例に係る包装体に物品を収納した状態の斜視図である。
S′,S1,S2,S3 包装用箱
a〜e,a′〜d′ 接続部
f,f′ 折れ線
1,1′ 箱形成基板
2 ピロー
3 PTP包装シート
4 錠剤
10,110 蓋部
11,111 蓋板
12,112 差込みフラップ
20,120 胴部
21,22,23,24,121,122,123,124 側板
25,31a,33a,47,48,125,131a,133a,147,148 貼着片
24a,32a,32b,34a,34b,41a,42a,47a,48a,121a,122a,124a,132a,134a,141a,142a,147a,148a, 貼着部
30,130 底部
31,32,33,34,131,132,133,134 底フラップ
40a,40b,140a,140b,240a,240b 緩衝部
41′,42′,41,42,141,142 サイドフラップ
43′,44′,43,44,143,144,243,244 緩衝板
45a′,46a′,45a,46a,145a,146a 第1の支持板(支持板)
45a,46a エンボス部
45b,46b,145b,146b 第2の支持板
45c,46c 第3の支持板
45d,46d 切り欠き部
50,150 切取線
51 シート
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図7は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は包装用箱の開封前の外観を示す斜視図、図2は包装用箱に物品を収納した状態の斜視図、図3は包装用箱のサイドフラップを開いた状態の斜視図、図4は包装用箱のサイドフラップを閉じた状態の斜視図、図5は包装用箱の断面図(図2のI−I断面図)、図6は包装用箱の箱形成基板の展開図、図7は包装用箱を折り畳んだ状態の正面図である。
また、図8〜図10は本発明の他の実施形態に係るものであり、図8は包装用箱のサイドフラップを開いた状態の斜視図、図9は包装用箱のサイドフラップを閉じた状態の斜視図、図10は包装用箱の断面図((a)図8のi−i断面図、(b)は図9のii−ii断面図)、図11は包装用箱の箱形成基板の展開図である。
さらに図12は、本発明のさらに他の実施形態に係るものであり、包装用箱のサイドフラップを開いた状態の斜視図である。
[実施形態1]
(包装用箱S1の構成)
本例の包装用箱S1は、物品を収納するための直方体状の箱であり、図1に示すように、蓋部10と、4枚の側板21,22,23,24からなる略中空矩形状の胴部20と、底部30と、を備えている。
この包装用箱S1は、蓋部10を開封することにより上面から物品を出し入れすることができるように構成されている。
また、包装用箱S1の対向する一対の側面内側には包装用箱S1に収納する物品への衝撃を緩和するための緩衝空間が形成された緩衝部40a,40bが設けられている(図4参照)。
胴部は、略長方形の4枚の側板21,22,23,24を連結することで構成されており、側板21と側板23、及び、側板22と側板24はそれぞれ略平行に配設されている。
蓋板11は、略長方形状に形成され、側板21の上部側に屈曲可能に連接されている。また、図2、図3に示すように、側板21に接続された側とは逆側の端部側には差込みフラップ12が屈曲可能に連接されている。閉箱状態では、この差込みフラップ12を側板23の内側に差込むことによって蓋部10が図1の状態に固定される。
底部30は、胴部20を構成する側板21,22,23,24の下部側に連結された底フラップ31,32,33,34を互いに組み合わせることにより形成される。
ここで、上述した4枚の側板21,22,23,24と他の構成片との接続について説明する。
側板21は、左右の両側で側板22と側板24に接続されており、上部側には蓋板11が、下部側には底フラップ31がそれぞれ屈曲可能に連結されている。
側板23は、所定の間隔を有して側板21と略平行に配設され、左右の両側で側板22と側板24に接続されている。側板23の下部側には底フラップ33がそれぞれ屈曲可能に連結されている。
側板22と側板24は、所定の間隔を有して略平行に配設され、左右両側でそれぞれ側板21と側板23に接続されている。側板22と側板24の上部側には、緩衝部40a,40bと連結されたサイドフラップ41,42が、下部側には底フラップ32,34がそれぞれ屈曲可能に連結されている。そして、側板22と側板24の内側に緩衝部40a,40bが形成される。
次に、本例の緩衝部40a,40bの特徴的な構成について説明する。
2箇所に形成された緩衝部40a,40bは互いに対称であるので、便宜上、側板22の内側に形成された一方側の緩衝部40a側を代表として説明する。
図4に示すように、緩衝部40aは、サイドフラップ41と、サイドフラップ41から連設されてサイドフラップ41に貼着された支持板としての第1の支持板45aと、支持板45aから第2の支持板45b及び第3の支持板45cを介して延設された緩衝板43と、緩衝板43から延設されて底板32に貼着された貼着片47を備えている。
すなわち、緩衝部40aは、胴部の内側に向けて側板22の蓋部10側(本実施形態では上端)に連結されたサイドフラップ41と、サイドフラップ41の側板22が連結された側(本実施形態では上端)と対向する側(本実施形態では側板22が連結された端部と対向する側の端部)に連結されると共にサイドフラップに貼着された第1の支持板45aと、第1の支持板45aの下側(本実施形態では下端)に連結される第2の支持板45bと、第2の支持板45bの下側(本実施形態では下端)に連結されると共に緩衝板43に連結された第3の支持板45cと、側板22と所定間隔で離間して略平行に第3の支持板45cから延設された可撓性を有する緩衝板43と、緩衝板43から延設され、胴部20または底部30に貼着された貼着片47と、を備えている。
第2の支持板45bは側板22及びサイドフラップ41に対して貼着されておらず、サイドフラップ41を閉じるときにサイドフラップ41及び第1の支持板45aの厚みを吸収するために備えられる。また、サイドフラップ41を開く際にも、第2の支持板45bがサイドフラップ41及び第1の支持板45aの厚みを吸収するため、サイドフラップ41が開きやすい。
また、第3の支持板45cは側板22と緩衝板43とに架設され、略水平になるように配設されている。したがって、側板22と緩衝板43との間に空間が保持されるため、包装用箱S1は、外部からの衝撃を緩和する機能を有する。第3の支持板45c及び貼着板47は互いに略平行に形成されており、貼着片47は、底フラップ32の内面に貼着される。
そして、第2の支持板45b,第3の支持板45c、緩衝版43には、切り欠き部45dが形成されている。切り欠き部45dは、具体的には、緩衝板43の上端の略中央部から第3の支持板45cに向かって切り欠かれるように形成される。
また、切り欠き部45dを備えることにより、包装用箱S1の内部に収納される内容物を取り出す際、指ぬき穴としての機能も果たすため、内容物を取り出しやすくなる。
なお、切り欠き部45dの面積を小さくすると緩衝部40aの強度が向上し、切り欠き部45dの面積を大きくすると、内容物の取り出し性が向上するため、切り欠き部45dの面積は、必要な緩衝能力(緩衝部40aの強度)と作業性に依存して適宜変更可能である。
このように、切り欠き部45dの面積を変更することにより、緩衝能を調節することができるため、より緩衝能の制御を容易にすることができる。すなわち、緩衝板43の可撓性を高めたい場合には、切り欠き部45dを大きく形成すればよいし、緩衝板43の剛性を向上させたい場合には、切り欠き部45dを小さく形成する(或いは設けない)とよい。
したがって、包装用箱S1は、緩衝板43の大きさ、及び切り欠き部45dの大きさを任意に制御可能であり、内部に収納される錠剤4の硬度(壊れやすさ)・重量に依存して、適切な緩衝能を備えることができる。
図6に示すように、サイドフラップ41と第1の支持板45aの接続部a、第1の支持板45aと第2の支持板45bの接続部b、第2の支持板45bと第3の支持板45cの接続部c、第3の支持板45cと緩衝板43の接続部d、緩衝板43と貼着片47の接続部eは屈曲可能に形成されている。
また、接続部aは、折り返しやすくするため、半切掛(ハーフカット)加工が施されており、接続部b〜eにはそれぞれ屈曲させやすいように、ミシン目が形成されている。
緩衝板43に接続された貼着片47は、底フラップ32に貼着され、水平に配設される第3の支持板45cと略同じ幅で形成されている。そして、貼着片47の縁端は底フラップ32と側板22との境界部分、すなわち折れ線fに沿って(または平行に)配設される。したがって、貼着片47と第3の支持板45cとが略平行に配設され、且つ、緩衝板43と側板22とが略平行に配設されることにより、緩衝板43と側板22との間に緩衝部40aが形成される。
(緩衝部40a,40bの作用効果)
次に、緩衝部40a,40bの作用効果について説明する。図5には図2のI−I断面図を示した。2箇所に形成された緩衝部40a,40bは互いに対称であるので、便宜上、側板22の内側に形成された一方側の緩衝部40a側を代表として説明する。
緩衝部40aにおいて、側板22と緩衝板43は互いに略同じ高さに形成され、所定距離離間して略平行となるように配設されており、第3の支持板45cと貼着片47はそれぞれ平行に配設されている。また、これらは屈曲可能な接続部b〜eを介して接続されている。したがって、包装用箱S1において、緩衝板43,側板22,第3の支持板45c,及び貼着片47によって囲まれて形成された緩衝空間は平行四辺形を形成する。したがって、緩衝板43は、上端及び下端によってのみ支持されるので、適当な可撓性を有する。
また、緩衝板43は、サイドフラップ41から連設された紙片によって構成されているため、緩衝板43とサイドフラップ41は互いに独立してその大きさを任意に設定することができる。したがって、緩衝板43の面積を大きく形成することができ、その結果、包装用箱S1は、十分な緩衝能を得ることができる。
また、サイドフラップ41の面積もまた、緩衝板43の面積に依存せず、大きな面積を確保することができるため、包装用箱S1において、蓋部10と胴部20との間から箱内に異物が入り込んでしまうことを防止することができる。
そして、緩衝部40aは、包装用箱S1の底フラップ31,32,33,34を図7のように折り畳むとき、貼着片47と第3の支持板45cの角度(側板22に対する角度)を変えることによって、偏平状に変形することができる。
このように、貼着片47は底フラップ32に貼着されて一体に動くことから、底フラップ32の折曲動作にしたがって緩衝板43は胴部の内方に膨縮させることができる。これは、底フラップ32の角度の変化にしたがって貼着片47の角度が変化し、緩衝板43を胴部20の内外方向に移動するためである。
本実施形態では、包装用箱S1に収納する物品として、錠剤4を封入したピロー包装品(ピロー)2を例にとって説明する。図2、図5に示すように、錠剤4が支持されたPTP包装シート3を複数枚重ねた状態で封入したピロー2を5つ縦置きに並列に並べて収納される。このとき、ピロー2内のPTP包装シート3は緩衝板43と平行になるように配置される。
また、ピロー2に封入された錠剤4は、後述するように、衝撃に弱く、壊れやすい性質を有するものがある。このように、衝撃に対して脆弱性があり、高硬度ではあるが、割れやすい錠剤4に対し、本発明の包装用箱S1は、特に高い緩衝能を保持する。このように、本発明の包装用箱S1は、衝撃に対して割れやすい錠剤4を複数包装する際に好適である。
さらに、口腔内崩壊錠のように、硬度が低く壊れやすい性質を有する錠剤にも好適である。
そしてこのとき、ピロー2は、互いに隣り合うピロー2及び緩衝部40a,40bに当接して空隙がない状態で収納され、包装用箱S1内で移動することがないように収納される。したがって、緩衝部40aと緩衝部40bとの間の距離は、包装されるピロー2の大きさ(横幅)に依存し、ピロー2の横幅のほぼ整数倍となるように形成される。
また、さらに緩衝効果を高めるため、ピロー2の間には、図2に示すように、注意書きや広告等のシート51を挿入してもよい。
本発明では、このような緩衝構造を設けることにより、以下のような効果を奏する。
側面側に設けられた緩衝板43,44が底フラップ32,34の折曲動作にしたがって膨縮して、内部の物品を衝撃から保護する緩衝空間を側板22,24との間にそれぞれ形成するため、緩衝板43,44を膨出させた状態で初めて緩衝空間が構成される。そして、このように、緩衝板43,44を膨出させた状態では外部からの衝撃に対して緩衝効果を得ることができる。具体的には、緩衝板43,44及び側板22,24の弾性変形及び塑性変形によって衝撃エネルギーを吸収して物品の破損を効果的に防止することができる。
さらにまた、切り欠き部45d,46dの形状及び大きさにより緩衝板43,44の強度を調整して最適な緩衝効果を得ることができ、物品の側面方向から安定して保持することができる。このとき、緩衝板43,44は内容物であるピロー2に対して空隙を備えることなく密接するが、切り欠き部45d,46dが指ぬきとしての機能も果たすため、ピロー2を取り出しやすくなる。
緩衝板43,44の膨縮を底フラップ32,34の折曲動作に従わせることができるため、包装作業や物品の出し入れ作業が容易となる。よって、作業効率が上昇し、包装コストを低減化させることができる。
また、包装用箱S1を折り畳んだ際、図7のように、平面状に折り畳むことができるため、包装用箱S1の収納時や運搬時、必要なスペースを小さく抑えることができる。
なお、本発明の包装用箱S1は、サイドフラップ41,42を切り欠くことにより緩衝部40a,40bを形成する構成ではないため、サイドフラップ41,42の面積を大きく確保することができる。したがって、包装用箱S1の箱側方から蓋部10と胴部20との間に異物が入り込むのを防止する効果が高い。
(包装用箱S1の組み立て)
次に、本例の包装用箱S1を組み立てるための基板の構成について説明する。図6に包装用箱S1を組み立てるための箱形成基板1の展開図を示す。本例に示す包装用箱S1は空白紙(ブランクシート)を打ち抜いて形成した一枚紙からなる箱形成基板1を折り曲げ組み立てることにより形成されている。なお、箱形成基板1は、適度な可撓性を備えると共に、筺体を形成するために適度な強度を備えた紙材から形成されている。
箱形成基板1は、胴部20を構成する4枚の側板21,22,23,24が胴回り方向に一連に接続され、各側板の縁端部分に他の蓋部10、底部30や緩衝部40a,40bを形成する構成片が接続されている。
ここで、箱形成基板1状態での、4枚の側板21,22,23,24と他の構成片との接続について説明する。
側板21は、長手方向の一端側で側板22と、他端側では貼着片25と接続されている。また、高さ方向の一端側で蓋板11と、他端側では底フラップ31と接続されている。蓋板11には差込みフラップ12が、底フラップ31には貼着片31aが接続されている。
側板21の一端側に接続された側板22は、他端側に側板23が接続され、高さ方向の一端側には緩衝部40aを形成する一連の構成片が接続されており、高さ方向の他端側には底フラップ32が接続されている。
側板22の一端側に接続された側板23は、他端側に側板24が接続され、高さ方向の一端側を切り欠くように切取線50が形成されており、高さ方向の他端側には底フラップ33が接続されている。切取線50は、包装用箱S1の蓋板11を閉めたときに、蓋板11と接着テープ等により固定される開封口部分を区画するものであり、細かいミシン目によって形成されている。また、底フラップ33には貼着片33aが接続されている。
側板23の一端側に接続された側板24の他端側は自由端となっている。高さ方向の一端側には緩衝部40bを形成する一連の構成片が接続されており、高さ方向の他端側には底フラップ34が接続されている。
なお、上記各構成片はそれぞれ、折れ線fを介して接続されている。
緩衝部40a,40bは互いに同様であるので、便宜上、側板22に接続された緩衝部40aについて説明する。
緩衝部40aを形成する一連の構成片は、側板22側からサイドフラップ41、第1の支持板45a、第2の支持板45b、第3の支持板45c、緩衝板43、貼着片47と接続されており、これらの接続部a〜eにはそれぞれミシン目(またはハーフカット加工)が施され折曲げが容易に構成されている。そして、接続部a,d,eが内側に向かって山折り、接続部b,cが谷折りになるように折曲され、貼着片47が底フラップ32の内面に貼着される。
また、第2の支持板45b、第3の支持板45c、緩衝板43には、中央部付近に形成された切り欠き部45dを形成するための切り込み線が形成されている。この切り欠き部45dの大きさを調整することにより、緩衝部40aの緩衝面強度や緩衝効果を調整することができる。
そして、底部30は、底フラップ31,32,33,34を組み立てることにより構成される。
続いて、箱形成基板1の組み立て方法について説明する。
刃型によって空白紙(ブランクシート)から切り抜かれた箱形成基板1は、まず、緩衝部40a,40bが組み立てられる。
接続部aを折り曲げ、次いで、接続部aを折り曲げた状態でサイドフラップ41の貼着部41aと第1の支持板45aとを貼着(糊付け)する。このとき、第1の支持板45aの一部が、表面から見て若干凹んだ状態となるようにエンボス加工を施してエンボス部45aを設け、そのエンボス部45aに糊付けすると、サイドフラップ41に貼着しやすく、好適である。なお、緩衝部40b側についても同様である。
エンボス部45aは、その外周が第1の支持板45aの外周よりも内側に形成されており、エンボス部45aの外周と第1の支持板45aの外周とは所定距離離間して形成されている。このような構成により、糊付けした際、糊(接着剤)が第1の支持板45aからはみ出すことがなく、外観性を向上させることができる。
このように、胴部20の内側に緩衝部40aを形成する一連の連続片を折り曲げた状態とした後、緩衝部40a,40bの貼着片47,48がそれぞれ底フラップ32,34に接着されることにより、緩衝部40a,40bが形成される。具体的には、貼着部32b,34bに対して貼着片47,48の貼着部47a,48aが貼り付けられることにより、緩衝部40a,40bが立体的に組み立てられる。なお、貼着部32b,34bは、それぞれ底フラップ32,34において、貼着部32a,34aが備えられた面とは反対側の面に設けられる。
そして、緩衝部40a,40bが形成された状態とした後、底フラップ31,33の貼着片31a,33aをそれぞれ底フラップ32,34の貼着部32a,34aにそれぞれ内側に折り畳みながら貼着することで底部30が形成され製箱前の状態となる。
また、底部30が形成された状態とした後、側板21に連結された貼着片25が側板24の貼着部24aに貼着される。また、上述した工程は組み立て機械にて行うことができる。
このように組み立てられた製箱前の包装用箱S1は、貼着されて内側に折り畳まれた底部30を外側へ押し込むことによって極めて容易に製箱状態とすることができる。
1枚の箱形成基板1を折り曲げ組み立てることにより、側板22,24の内側に緩衝構造を有する包装用箱S1を立体的に立ち上げることができる。したがって、作業性の向上と製造コストの低減を図ることができると共に、外部からの衝撃に対して十分な緩衝効果が得られる包装用箱S1を、低コストで、かつ、簡易な製造工程により提供することができる。
また、組み立て工程は、折れ線fに沿っての折り曲げ工程と、貼着工程によって構成され、折り曲げ、貼着する構成片の構成や回数も平易であることから機械での組み立てに適しており、また、製箱前の状態においても隆起部分のない平らな状態となることから保存の際の省スペース化を図ることができる。
なお、本例のような包装用箱S1を組み立てるためには、箱形成基板1が上記と同一の構成でなくても可能である。
例えば、緩衝部40a,40bを、切り欠き部45d,46dを介して複数に分割して構成してもよい。この場合、例えば、側板22の内側に形成した緩衝部40aを高さの異なる2つの緩衝部に分割するように構成とすれば、段差のある形状を有する物品を収納した場合にも間隙をなくすことができる。具体的には、緩衝部40a,40bの高さは、緩衝板43,44及び第2の支持板45b,46bの長さ(緩衝板43,44の高さ)で決定されるため、緩衝板43,44の高さの異なる2つの緩衝部40a,40bを側板22,24に形成すればよい。
[実施形態2]
(包装用箱S2の構成)
次に、他の実施形態(実施形態2)に係る包装用箱S2の構成について、図8、図9を参照して説明する。
本例の包装用箱S2は、上記実施形態の包装用箱S1とは異なる緩衝部140a,140bを備えている点を特徴とする。なお、その他の構成は、上記実施形態の包装用箱S1と共通するため、その説明を省略する。
本実施形態の包装用箱S2において、対向する一対の側面内側には包装用箱S2に収納する物品への衝撃を緩和するための緩衝空間が形成された緩衝部140a,140bが設けられている。2箇所に形成された緩衝部140a,140bは互いに対称であるので、便宜上、側板122の内側に形成された一方側の緩衝部140a側を代表として説明する。
図8、9に示すように、緩衝部140aは、サイドフラップ141と、サイドフラップ141から連設されてサイドフラップ141に貼着された支持板としての第1の支持板145aと、第1の支持板145aから延設された緩衝板143と、緩衝板143から第2の支持板145bを介して延設されて側板122に貼着された貼着片147を備えている。
すなわち、緩衝部140aは、側板122と、側板122と所定の間隔を有して平行に配置された緩衝板143と、側板122の上端(蓋部110側の端部)に連結されたサイドフラップ141と、サイドフラップ141の上端(側板122が連結された端部と対向する側の端部)に連結されると共にサイドフラップ141に貼着された第1の支持板145aと、緩衝板143の下端に連結された第2の支持板145bと、第2の支持板145bの下端に連結された貼着片147と、を備えている。なお、緩衝板143は、第1の支持板145aの下端に連結されている。
図8に示すように、サイドフラップ141を開いた状態では、緩衝板143の上端部が、サイドフラップ141に重なるように配設されており、サイドフラップ141と、第1の支持板145a,緩衝板143,第2の支持板145bとは平面状になるように、貼着片147が側板122の内面に貼着される。このように、本実施形態の包装用箱S2は、貼着片147が底フラップ132ではなく、側板122の内面に貼着されていることを特徴とする。
一方、図9に示すように、サイドフラップ141を閉じた状態とすると、サイドフラップ141と第2の支持板145bとが略水平に保持され、且つ側板122と緩衝板143とが所定距離離間して略平行に配設されるため、緩衝部140aにおいて緩衝空間を形成する。この構成により、側板122と緩衝板143との間に空間が保持されるため、包装用箱S2は、外部からの衝撃を緩和する機能を有する。
図11に示すように、サイドフラップ141と第1の支持板145aの接続部a′、第1の支持板145aと緩衝板143の接続部b′、緩衝板143と第2の支持板145bの接続部c′、第2の支持板145bと貼着片147の接続部d′は屈曲可能に形成されている。
また、接続部a′は、折り返しやすくするため、半切掛(ハーフカット)加工が施されており、接続部b′〜d′にはそれぞれ屈曲させやすいように、ミシン目または、山型の切り込みが形成されている。
第2の支持板145bを介して緩衝板143に接続された貼着片147は、側板122に貼着され、緩衝板143と略同じ幅で形成されている。そして、第2の支持板145bと緩衝板143との接続部c′が内側に向かって山折りされ、サイドフラップ141を閉じることにより、緩衝板143と側板122との間に緩衝部140aが形成される。
(緩衝部140a,140bの作用効果)
次に、緩衝部140a,140bの作用効果について説明する。図10(a)には図8のi−i断面図、図10(b)には図9のii−ii断面図を示した。なお、図10には、説明のため、ピロー2が収納された状態を示す。2箇所に形成された緩衝部140a,140bは互いに対称であるので、便宜上、側板122の内側に形成された一方側の緩衝部140a側を代表として説明する。
緩衝部140aにおいて、側板122と緩衝板143、及び第1の支持板145a(サイドフラップ141)と第2の支持板145bはそれぞれ平行に配設されており、また、これらは屈曲可能な接続部b′〜d′を介して接続されている。したがって、緩衝板143,側板122,サイドフラップ141,及び第2の支持板145bとによって囲まれて形成された緩衝空間は平行四辺形を形成し、第1の支持板145a(サイドフラップ141)と第2の支持板145bの角度を変えることによって胴部120の内側方向に変形することができる。したがって、緩衝板143は、上端及び下端によってのみ支持されるので、適当な可撓性を有する。
また、緩衝板143は、サイドフラップ141から連設された紙片によって構成されているため、緩衝板143とサイドフラップ141は互いに独立してその大きさを任意に設定することができる。したがって、緩衝板143の面積を大きく形成することができ、その結果、包装用箱S2は、十分な緩衝能を得ることができる。
また、サイドフラップ141の面積もまた、緩衝板143の面積に依存せず、大きな面積を確保することができるため、包装用箱S2において、蓋部110と胴部120との間から箱内に異物が入り込んでしまうことを防止することができる。
さらに、サイドフラップ141は第1の支持板145aと一体に貼着されていることから、サイドフラップ141の折曲動作にしたがって緩衝板143は胴部120の内方に膨縮させることができる。これは、サイドフラップ141の角度の変化にしたがって第1の支持板145a及び第2の支持板145bの角度が変化し、緩衝板43を胴部の内外方向に移動するためである。
このように、本実施形態の包装用箱S2においては、サイドフラップ141の開閉に伴って、緩衝部140aの緩衝空間が形成されたり、折り畳まれたりする。
そして、サイドフラップ141を折り曲げ、閉じた状態で初めて緩衝部140aの緩衝空間が構成されるため、サイドフラップ141を立てた状態(開いた状態)では取り出し口が広くピロー2の箱詰め作業が容易である。
サイドフラップ141を内側方向に折り曲げると、緩衝板143が内側へ膨出してピロー2に当接し、ピロー2と包装用箱S2の内面との空隙をなくすことができる。さらに、包装用箱S2を閉じるために蓋板11を折り曲げるとサイドフラップ141が内側に折り曲げられた状態で固定されるため、包装用箱S2を閉じた状態では、ピロー2と包装用箱S2内面との空隙をなくした状態を保持することができる。
本実施形態の包装用箱S2では、このような緩衝構造を設けることにより、以下のような効果を奏する。
側面側に設けられた緩衝板143,144がサイドフラップ141,142の折曲動作にしたがって膨縮して、内部の物品を衝撃から保護する緩衝空間を側板122,124との間にそれぞれ形成するため、緩衝板143,144を膨出させた状態で初めて緩衝空間が構成される。緩衝板143,144を収縮させた状態では取り出し口が広く箱詰め作業が容易となり、緩衝板143,144を膨出させた状態では外部からの衝撃に対して緩衝効果が得られる。具体的には、緩衝板143,144及び側板122,124の弾性変形及び塑性変形によって衝撃エネルギーを吸収して物品の破損を効果的に防止することができる。
また、第2の支持板145b,146bに連続して側板側に貼着される貼着片147,148が形成され、貼着片147,148は第2の支持板145b,146b(より具体的には、接続部c′,d′)が底部30と離れるように側板122,124に貼着されるため包装用箱の組み立てを容易にすることができる。
さらに、緩衝板143,144の膨縮をサイドフラップ141,142の折曲動作に従わせることができるため、物品の出し入れ時に緩衝部140a,140bが引っ掛かりにくく、包装作業や物品の出し入れ作業が容易となる。よって、歩留まり及び作業効率が上昇し、包装コストを低減化させることができる。また、機械での包装にも適している。
(包装用箱S2の組み立て)
次に、本例の包装用箱S2を組み立てるための基板の構成について説明する。図11に包装用箱S2を組み立てるための箱形成基板1′の展開図を示す。本例に示す包装用箱S2は空白紙(ブランクシート)を打ち抜いて形成した一枚紙からなる箱形成基板1′を折り曲げ組み立てることにより形成されている。なお、箱形成基板1′は、適度な可撓性を備えると共に、筺体を形成するために適度な強度を備えた紙材から形成されている。
箱形成基板1′は、胴部120を構成する4枚の側板121,122,123,124が胴回り方向に一連に接続され、各側板の縁端部分に他の蓋部110、底部130や緩衝部140a,140bを形成する構成片が接続されている。
本実施形態の箱形成基板1′において、緩衝部140a,140bを形成する構成片以外の構成は、上記実施形態の箱形成基板1とほぼ同様であるため、その説明を省略する。なお、側板124において、長手方向の一端側に貼着片125が連結されているが、側板121に連結されていても良い。
緩衝部140a,140bは互いに同様であるので、便宜上、側板122に接続された緩衝部140aについて説明する。
緩衝部140aを形成する一連の構成片は、側板122側からサイドフラップ141、第1の支持板145a、緩衝板143、第2の支持板145b、貼着片147と接続されており、これらの接続部a′〜d′にはそれぞれミシン目(またはハーフカット加工)が施され折曲げが容易に構成されている。そして、接続部a′,c′,d′が内側に向かって山折り、接続部b′が谷折りに折曲され、貼着片147が側板122の内面に貼着される。
続いて、箱形成基板1′の組み立て方法について説明する。
刃型によって空白紙(ブランクシート)から切り抜かれた箱形成基板1′は、まず、緩衝部140a,140bが組み立てられる。
接続部a′を折り曲げ、次いで、接続部a′を折り曲げた状態でサイドフラップ141の貼着部141aと第1の支持板145aとを貼着(糊付け)する。なお、緩衝部140b側についても同様である。
このように、胴部120の内側に緩衝部140aを形成する一連の連続片を折り曲げた状態とした後、緩衝部140a,140bの貼着片147,148がそれぞれ側板122,124に接着されることにより、緩衝部140a,140bが形成される。具体的には、貼着部122a,124aに対して貼着片147,148の貼着部147a,148aが貼り付けられることにより、緩衝部140a,140bが立体的に組み立てられる。一方、底フラップ131,133の貼着片131a,133aをそれぞれ底フラップ132,134の貼着部132a,134aにそれぞれ内側に折り畳みながら貼着することで底部130が形成され製箱前の状態となる。更に、側板124に連結された貼着片125が側板121の貼着部121aに貼着される。なお、緩衝部140a,140bの形成と貼着片125の貼着と底部130の貼着はほぼ同時に行われる。また、上述した工程は組み立て機械にて行うことができる。
このように組み立てられた製箱前の包装用箱S2は、貼着されて内側に折り畳まれた底部130を外側へ押し込むことによって極めて容易に製箱状態とすることができる。
上記のように、1枚の箱形成基板1′を折り曲げ組み立てることにより、側板122,124の内側に緩衝構造を有する包装用箱S2を立体的に立ち上げることができる。
また、組み立て工程は、折れ線f′に沿っての折り曲げ工程と、貼着工程によって構成され、折り曲げ、貼着する構成片の構成や回数も平易であることから機械での組み立てに適している。
さらに、製箱前の状態においても隆起部分のない偏平な状態となることから保存の際の省スペース化を図ることができる。
さらにまた、サイドフラップ141,142が開かれた状態であると、緩衝部140a,140bが平面状となるため、内容物を入れやすい。一方、蓋板111を閉じて、サイドフラップ141,142を閉じた状態とすると、緩衝部140a,140bとがスムーズに膨出し、緩衝空間を形成するため、包装用箱S2は、高い緩衝効果を備えつつ、内容物の出し入れが容易となる。
なお、本例のような包装用箱S2を組み立てるためには、箱形成基板1が上記と同一の構成でなくても可能である。
例えば、緩衝部140a,140bを、複数に分割して構成してもよい。この場合、例えば、側板122の内側に形成した緩衝部140aを高さの異なる2つの緩衝部に分割するように構成とすれば、段差のある形状を有する物品を収納した場合にも間隙をなくすことができる。具体的には、緩衝部140a,140bの高さは、緩衝板143,144の大きさに依存して決定されるため、緩衝板143,144の高さの異なる2つの緩衝部140a,140bを側板122,124に形成すればよい。
[実施形態3]
(包装用箱S3の構成)
次に、さらに他の実施形態(実施形態3)に係る包装用箱S3の構成について、図12を参照して説明する。
本例の包装用箱S3は、上記実施形態の包装用箱S1とは異なる緩衝部240a,240bを備えている点を特徴とする。なお、その他の構成は、上記実施形態の包装用箱S1と共通するため、その説明を省略する。
本実施形態の包装用箱S3は、緩衝部40a,40bにおいて切り欠き部45d,46dを備えた包装用箱S1とは異なり、緩衝部240a,240bにおいて切り欠き部を備えていない点を特徴としている。
このように、切り欠き部を設けず、緩衝板243,244を連続した板材によって構成することにより、緩衝能の大きな緩衝部240a,240bとすることができる。
なお、包装用箱S3の展開図等は上記実施形態の包装用箱S1と共通であるため、その説明を省略する。
(確認試験)
本願出願人は、上述した実施例の構成による本発明の包装用箱S3(本発明の実施例)と、比較例1としての図13に示す特許文献5の包装用箱S′(サイドフラップの一部を切ることによって緩衝部を形成した包装用箱:比較品1)と、比較例2としての特許文献4の包装用箱(緩衝材の中間部に切り込みを形成し、この切り込み部をL字状に折り曲げて切り起こし片とし、その先端を側面板に連結固着することにより、緩衝材の中間部を支持する構成の包装用箱:比較品2)とを用いて緩衝効果確認試験を行い、内容物の破損状況について確認した。以下に試験内容及び試験結果を示す。
(1)試験体
以下に示す試験体A(比較例1),B(比較例2),C(実施例)の3種類を用いた。PTP包装シートに保持された錠剤及び乾燥剤(粉末の乾燥剤が袋状に包装されたもの)が封入されたピローを収納する物品として、各試験体A,B,Cの内部に収め、所定の高さからそれぞれ落下させて、錠剤の破損した数を調べた。
・試験体A:緩衝構造が小さい包装用箱(比較例1)
・試験体B:緩衝構造において中間支持部を備えた包装用箱(比較例2)
・試験体C:緩衝構造が大きい包装用箱(実施例)
なお、ピローは、2枚のPTP包装シートと、乾燥剤とが封入されたものを用いた。より詳細には、PTP包装シートは、ピロー内において、収納部(突出した部分)が互いに噛み合うように対向させた状態で封入されている。また、1枚のPTP包装シートにおいて、錠剤は、14錠(7錠×2列)包装されている。乾燥剤は、偏平な袋状に形成されており、PTP包装シートの薬剤が取り出される面側に沿うようにピロー内に収納されている。なお、乾燥剤は、2枚のPTP包装シートのうち、一方のPTP包装シートに沿って封入されている。そして、このピローを5つずつ、フィルム状のバンドによって一纏めにした状態のもの4つを、垂直に立てた状態で(PTP包装シートの薬剤が取り出される面が緩衝板に対して略平行となるようにして)試験体A,B,Cにそれぞれ箱詰めし、それぞれ左側の緩衝部が下になるように落下させた。このとき、ピローは、乾燥剤が包装用箱の落下方向に対して上方となるように収納された状態(すなわち乾燥剤による緩衝効果を得られないため、最も錠剤が破損しやすい状態)としている。
すなわち、包装用箱には20個のピローが収められており、1個のピローには2枚のPTPシートと乾燥剤とが封入されており、1枚のPTP包装シートには14錠の錠剤が収められている。
比較例1の試験体Aは、側板部分の内側に緩衝部が構成されているものの、サイドフラップの一部を切って緩衝部を形成した構造であり、緩衝板の面積が小さく、緩衝部強度が比較的弱い(剛性が低い)構成である。また、比較例2の試験体Bは、緩衝部において中間支持部が備えられており、緩衝部強度が比較的強い(剛性が高い)構成である。これに対し、本発明の実施例である試験体Cは、緩衝板の面積が試験体Aと比較して大きく確保されており、試験体Bのように中間支持部が備えられていないため、緩衝板が適度な可撓性を備えている。したがって試験体Cは、上記試験体A,Bと比較して、緩衝部強度が中程度(剛性が中程度)となる構成である。
また、比較例の試験体A,Bは、その内部が、試験体Cの緩衝部240a,240bの膨出時と同一の寸法となるように形成されている。そして、その他の構造,寸法は本発明品と同様の包装用箱である。
本試験に用いたPTP包装シート及び錠剤の詳細を以下に示す。
・PTP包装シート
シートサイズ:54×147.5mm、包装錠剤数:7錠×2列/枚
・錠剤
錠剤重量:約655mg/錠、硬度:約110N(シュロイニゲル社製錠剤硬度計による)
なお、本試験に用いた錠剤の落下試験(落下高さ150cmとし、PTP包装シート1枚に14錠包装された状態として、PTP包装シートを10枚落下させた場合の破損数)の結果は、薬剤収納部(ポケット)を上にして落下させた場合の錠剤破損数が29錠、ポケットを下にして落下させた場合の錠剤破損数が118錠であった。
上記のように、本試験に用いた錠剤は、一般的な他の錠剤と比較して、錠剤重量が大きいものである。さらに、PTP包装シートの大きさもまた、一般的な他のPTP包装シートと比較して大きいものである。
(2)試験方法
上記PTP包装シートを2枚ずつピローに封入し、ピロー20個を試験体A,B,Cにそれぞれ収納し(計560錠の錠剤を試験体A,B,Cにそれぞれ収納し)、このサンプルについて、落下試験を行った。
落下試験の方法として、落下試験機DT−202(吉田精機製)を用いて包装用箱の左側の緩衝部を下方になるように(ピロー内の乾燥剤が上方となるように)固定治具で保持して所定高さまで持ち上げ、上述した物品の収納状態でそれぞれ鉄板上に落下させて、ピローに封入された錠剤の破損の有無(破損数)を確認した。このとき、同じ試験体(試験体A,B,C)について、それぞれのサンプル数を3として、試験を行った。なお、落下高さは200cmとした。
(3)結果
表1に試験体A,B,Cについての落下試験での破損錠剤数を示す。
Figure 0006060895
表1に示すように、本発明品に相当する試験体Cでは、破損錠剤数が試験体Aと比較して約4分の1、試験体Bと比較して3分の1であり、試験体A,Bと比較して、破損錠剤数が極めて少ないことが示された。したがって、試験体A(本発明の包装用箱S3)が、極めて高い緩衝能を保持していることが認められた。
(4)考察
上記結果によれば、本発明品は比較例と比較して外部衝撃に対する緩衝能が極めて高いと言える。したがって、比較例の構成と比較して本発明品は、バイアル等の比較的重量が大きい物品ではなく、軽量な錠剤を包装した際、緩衝部において十分な可撓性を備えることから、高い緩衝能を備えている。そして、他の一般的な錠剤と比較して、特に、錠剤の中でも硬度が高く、一般的な錠剤と比較して、比較的重量の大きな錠剤に関し、外部からの衝撃に対してより確実に破損を防止することができるという効果を奏することが確認された。
(その他の錠剤例)
本発明の包装用箱S1〜S3は、上記確認試験で用いた錠剤の他、錠剤の強度に関し、1枚のPTP包装シートにつき、錠剤を包装したPTP包装シートを、高さ150cmの高さから10枚落下させたとき、錠剤の破損数が1錠以上となる強度である錠剤(すなわち、外部衝撃に対して脆弱性を有する錠剤)に対しても、本発明の包装用箱S1〜S3は、高い緩衝能を有する。
また、硬度が9.8N以上、110N(シュロイニゲル社製錠剤硬度計による)以下の錠剤に対しても高い緩衝能を有する。したがって、上記錠剤に対して本発明の包装用箔S1〜S3は特に好適に用いられる。
以下の表2において、本発明の包装用箱S1〜S3によって包装される錠剤例(錠剤A〜G、このうち錠剤A〜Fは口腔内崩壊錠である)を示す。なお、この時の落下試験においても上記確認試験で用いた落下試験機DT−202(吉田精機製)を用いて評価した。また、表2中に示した錠剤の硬度は、シュロイニゲル社製錠剤硬度計による計測値である。
Figure 0006060895
表2中の「上」は、PTP包装シートの錠剤を収納した部分(突出したポケット部分)が上方になるように落下させたときの錠剤破損数であり、「下」は、PTP包装シートの錠剤を収納した部分(突出したポケット部分)が下方になるように落下させたときの錠剤破損数である。
[さらに他の実施形態]
包装用箱において、内部の錠剤が破損しない程度の十分な緩衝能を備えていれば、上記実施形態1〜3のように、緩衝部40a,40b(または緩衝部140a,140b及び緩衝部240a,240b)のように、2箇所に対称となるように緩衝部を備えていなくとも良い。たとえば、包装用箱の内容物であるピローにおいて、乾燥剤を封入する場合等は、緩衝部を二箇所に設けなくても良い。より詳細には、PTP包装シートによって区画される一方側に乾燥剤を封入することにより、一方側に十分な緩衝効果をピロー2が備えている場合は、包装用箱において緩衝部を片側だけに設けた構成としても良い。
本発明の緩衝機能を有する包装用箱は、外部衝撃に対して壊れやすい性質を有する錠剤が収納されたPTPシートを包装する包装箱として用いることができ、特に錠剤の中でも硬度が高く、一般的な錠剤と比較して、比較的重量の大きな錠剤にも好適に用いることが可能である。

Claims (2)

  1. 1枚の箱形成基板を折り曲げ組み立てて形成されると共に、錠剤が収納されたPTP包装シートを包装する包装用箱であって、
    一連の側板を所定位置で折り曲げて略中空矩形状に連結して形成された胴部と、
    該胴部に連結されて上部に形成された蓋部と、
    前記胴部に連結されて下部に形成された底部と、
    互いに対向する一対の前記側板の内側の少なくとも一方に形成された緩衝部と、
    を備え、
    前記緩衝部は、
    前記胴部の内側に向けて前記側板の前記蓋部側に連結されたサイドフラップと、
    該サイドフラップの前記側板が連結された側と側に連結されると共に前記サイドフラップに貼着された第1の支持板と、
    該第1の支持板の下側に連結される第2の支持板と、
    該第2の支持板の下側に連結されると共に前記底部に対し略平行に配設された第3の支持板と、
    前記第3の支持板に連結されると共に、前記第3の支持板から前記側板に対し略平行に延設された緩衝板と、
    前記緩衝板から延設され、前記胴部または前記底部に貼着された貼着片と、
    を備え
    前記緩衝板は、前記緩衝板の上端に連結される前記第3の支持板と、前記緩衝板の下端に連結される前記貼着片のみに支持されることを特徴とする緩衝機能を有する包装用箱。
  2. 前記緩衝板は、上方に開口した切り欠き部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の緩衝機能を有する包装用箱。
JP2013505967A 2011-03-23 2012-03-19 緩衝機能を有する包装用箱 Expired - Fee Related JP6060895B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011065016 2011-03-23
JP2011065016 2011-03-23
PCT/JP2012/057022 WO2012128253A1 (ja) 2011-03-23 2012-03-19 緩衝機能を有する包装用箱

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012128253A1 JPWO2012128253A1 (ja) 2014-07-24
JP6060895B2 true JP6060895B2 (ja) 2017-01-18

Family

ID=46879400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013505967A Expired - Fee Related JP6060895B2 (ja) 2011-03-23 2012-03-19 緩衝機能を有する包装用箱

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6060895B2 (ja)
WO (1) WO2012128253A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180002621U (ko) * 2017-02-24 2018-09-03 씨제이제일제당 (주) 상품 포장용 상자

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3002031B1 (fr) 2013-02-13 2017-06-09 Cedrem Paroi anti-intrusion
JP6445233B2 (ja) * 2013-11-08 2018-12-26 マクセルホールディングス株式会社 電池トレイ及び梱包セット
JP6419505B2 (ja) * 2014-09-26 2018-11-07 ノーベルファーマ株式会社 携行用薬剤セット
JP6895723B2 (ja) * 2016-07-25 2021-06-30 株式会社クラウン・パッケージ 包装箱の製造方法
KR101840937B1 (ko) * 2016-07-27 2018-03-21 주식회사 삼보테크 안경렌즈 포장상자
KR200491502Y1 (ko) * 2018-07-27 2020-04-17 (주)신원인팩 제품 고정이 가능한 포장용 상자
JP6449517B1 (ja) * 2018-10-09 2019-01-09 ノーベルファーマ株式会社 携行用薬剤セット
CN109606890B (zh) * 2018-11-19 2020-04-24 珠海格力电器股份有限公司 一种家用电器用纸卡包装箱
CN111874400B (zh) * 2020-07-20 2022-02-11 珠海格力电器股份有限公司 用于包装盒的缓冲件及包装盒
GB2607600A (en) * 2021-06-07 2022-12-14 Reckitt Benckiser Vanish Bv A box

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0513710Y2 (ja) * 1989-02-16 1993-04-12
JPH09323722A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Takeda Chem Ind Ltd 緩衝材付き組立式包装箱
WO2009072557A1 (ja) * 2007-12-04 2009-06-11 Astellas Pharma Inc. 緩衝機能を有する包装用箱

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000006956A (ja) * 1998-06-23 2000-01-11 Mita Ind Co Ltd 包装容器

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0513710Y2 (ja) * 1989-02-16 1993-04-12
JPH09323722A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Takeda Chem Ind Ltd 緩衝材付き組立式包装箱
WO2009072557A1 (ja) * 2007-12-04 2009-06-11 Astellas Pharma Inc. 緩衝機能を有する包装用箱

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180002621U (ko) * 2017-02-24 2018-09-03 씨제이제일제당 (주) 상품 포장용 상자
KR200489029Y1 (ko) 2017-02-24 2019-04-18 씨제이제일제당 주식회사 상품 포장용 상자

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2012128253A1 (ja) 2014-07-24
WO2012128253A1 (ja) 2012-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6060895B2 (ja) 緩衝機能を有する包装用箱
JP5122977B2 (ja) パッケージ
JPWO2020100915A1 (ja) 包装袋
RU2600918C2 (ru) Емкость с шарнирной крышкой
JP5263172B2 (ja) 緩衝機能を有する包装用箱
JP4600179B2 (ja) 贈答箱
JP5827459B2 (ja) 包装用箱
JP2012012026A (ja) 緩衝仕切り付包装用箱
JP3879773B2 (ja) 包装用箱
JP5593155B2 (ja) 包装用箱
JP2013049473A (ja) 簡易仕切付き紙箱
JP4001186B2 (ja) 補強フラップを折り曲げ重ねた緩衝面を有する包装用箱
JP5641209B2 (ja) 中仕切り付き包装箱
JP4294658B2 (ja) 包装用箱
JP2006225011A (ja) 包装箱
JP7474019B2 (ja) 包装容器およびブランクセット
KR20070119038A (ko) 포장용 상자
JP5522603B2 (ja) 中仕切りおよびこの中仕切り付き収納箱
WO2022219707A1 (ja) パッケージ
JP5619491B2 (ja) 緩衝機能付包装用箱
JP2008143565A (ja) 緩衝機能付包装用箱
JP2018016373A (ja) 包装用箱
JPH0858772A (ja) 瓶等の破損仕易い被包装物を収容する包装用箱
JP2017527497A (ja) 深さのある内側フレームを備えた消費者物品用の容器
JP6147381B1 (ja) 紙箱、梱包体、紙組立体、及び収納体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6060895

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees