JP6059604B2 - 農業用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、農業用フィルムに関するものであり、特に、耐チョーキング性、遮光安定性、及びフィルム強度において良好な (隠蔽性)農業用フィルムに関する。
従来の技術
従来、(隠蔽性)農業用フィルムは、農園芸植物の育苗、成長及び開花等を調製する遮光栽培、夜間における電照栽培、夏期における遮光及び遮熱栽培、また、家畜飼育における遮光及び遮熱等の目的で使用されている。
農業用フィルムに隠蔽性を付与するために、酸化チタン等の白色顔料、カーボンブラック等の黒色顔料を使用することが一般的である。また、隠蔽性農業用フィルムに追加の機能を付加したものが提案されている。例えば、特許文献1(特開2004−314363)では、白色顔料に、コロイダルシリカ(アルミナ)を更に添加した防曇性遮光農業用フィルムが提案されている。
遮光性及び遮熱性を向上させるために、大量の顔料を添加した場合、フィルムの均一性及びフィルム強度の低下を招くことがある。また、本発明者等によれば、遮光性を向上させるために、隠蔽性の良い顔料(例えば、酸化チタン)を使用すると、紫外線、熱等によりチョーキング現象が発生し、フィルムの強度が著しい低下することが認められた。「チョーキング現象」とは、顔料を包含するフィルムが、紫外線、熱、水分により劣化して、このフィルム表面に、顔料成分が粉状になって現れる現象をいう。
しかしながら、先行技術文献で提案されている通り、様々な機能を付与した隠蔽性農業用フィルムが開発されているものの、顔料を添加することにより、その後に発生する「チョーキング現象」を有効に防止したとする農業用フィルムは未だ開発されていない。
よって、今尚、遮光性及び遮熱性を向上させるために、顔料を添加した場合であっても、耐チョーキング性(長期安定性)、遮光安定性、及びフィルム強度において良好な農業用フィルムの開発が要求されている。
本発明者等は、本発明時において、(隠蔽性)農業用フィルムに、トリアジン系の第1光安定剤と、非トリアジン系の第2光安定剤と、紫外線吸収剤とを添加することにより、顔料を添加した場合であっても、遮光性及び遮熱性を維持しつつ、耐チョーキング性、遮光安定性、及びフィルム強度において良好な農業用フィルム提供することができる、との知見を得た。本発明は係る知見に基づいてなされたものである。
よって、本発明が提案する農業用フィルムは、
最外側層と、一又は二以上の中間層と、最内側層とを備えてなるものであり、
前記最外側層が、紫外線又は熱線を受ける側の層であり、かつ、ポリオレフィン系樹脂と、第1光安定剤と、第2光安定剤と、紫外線吸収剤とにより構成されてなり、
前記第1光安定剤が、トリアジン系光安定剤であり、
前記第2光安定剤が、非トリアジン系光安定剤であり、
前記中間層が、ポリオレフィン系樹脂と、顔料とにより構成されてなり、
最内側層が、紫外線又は熱線を受けない側の層であり、かつ、ポリオレフィン系樹脂により構成されてなるものである。
本発明は、トリアジン系の第1光安定剤と、非トリアジン系の第2光安定剤と、紫外線吸収剤との組合せ、取り分け、トリアジン系の第1光安定剤及び非トリアジン系の第2光安定剤との組合せを採用することにより、農業用フィルムに、隠蔽性を付与しつつ、チョーキング現象を防止し、フィルムの長期安定性、特に、ライフサイクルの長期化を高い次元において達成することが可能となる。
本発明による三層構造の農業用フィルムの概略図である。 本発明による五層構造の農業用フィルムの概略図である。
発明の詳細な説明
〔I.農業用フィルム〕
農業用フィルムは、最外側層と、一又は二以上の中間層と、最内側層とにより構成されてなる。例えば、図1においては、光源又は熱源から、最外側層1と、中間層3と、最内側層5との三層構造として構成され、好ましくは、白色顔料層1、黒色顔料層3、白色顔料層5と、それぞれ構成されてよい。
図2にあっては、光源又は熱源から、最外側層2と、第1中間層11と、第2中間層13と、第3の中間層15と、最内側層4との五層構造で構成されてなる。図2の態様にあっては、好ましくは、図1の三層構造において、中間層3が、第1中間層11と、第2中間層13と、第3の中間層15として構成されてなるものが好ましい。
図2の好ましい態様によれば、最外側層2(透明層)と、第1中間層11(白色顔料層)と、第2中間層13(黒色顔料層)と、第3の中間層15(白色顔料層)と、最内側層4(透明層)とにより構成されてなるものがより好ましい。
(1.最外側層)
最外側層は、紫外線又は熱線を受ける側の層である。図1及び図2に示す通り、光源及び熱源を受ける側の層である。最外側層は、原則として、ポリオレフィン系樹脂と、第1光安定剤と、第2光安定剤と、紫外線吸収剤とにより構成されてなる。
(第1光安定剤)
第1光安定剤であるトリアジン系光安定剤は、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)の一種であり、トリアジン骨格を有するヒンダードアミン系光安定剤である。第1光安定剤の具体例として、1,6−ヘキサンジアミン−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)〔(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ジブチルアミン1,3、5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、50% コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物 50%N,N’,N’ ’,N’ ’ ’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、立体障害アミンオリゴマー「N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マレイン酸イミド、及びα−オレフィン(C20−24)からなる共重合体」からなる群から選択されてなる一種又は二種以上の混合物が挙げられる。
トリアジン系光安定剤は、市販品を購入することができ、例えば、サイテック社製UV3529、サイテック社製UV3346、BASF社製CHIMASSORB944FDL、BASF社製CHIMASSORB119FL、BASF社製CHIMASSORB2020FDL、BASF社製TINUVIN111FDL、BASF社製UVINUL5050H、等が挙げられる。
第1光安定剤は、好ましくは、下記化学式(I)で表される化合物を使用することができる。
Figure 0006059604
〔上記式(I)中、
及びRは、それぞれ異なっても同一であってもよく、水素原子、炭素数が1〜5のアルキル基であり、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基であり、
xは1〜10の整数であり、好ましくは2〜7の整数であり、
mは、1〜10の整数である〕
化学式(I)で表される化合物の具体例としては、1,6−ヘキサンジアミン−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物(サイテック社製:UV3529)、ポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)〔(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕](サイテック社製:UV3346)等からなる群から選択されてなる一種又は二種以上の混合物が挙げられる。
最外側層において、ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、トリアジン系光安定剤が、0.1質量部以上1.0質量部以下であり、好ましくは下限値が0.3質量部以上であり、上限値が0.7質量部以下で添加されてなることが好ましい。第1光安定剤(トリアジン系光安定剤)の添加量が上記範囲内とされてなることにより、十分な耐候性が得られるため、例えば、農業用フィルム表面に微細なクラックが生じて、光沢及び透過性が低下することを十分抑制することが可能となる。また、農業用フィルムに、ブルームが発生することを防止し、土及び埃等の外部からの付着物の影響による汚れの目立ちを有効に防止することができる。
(第2光安定剤)
第2光安定剤は、トリアジン骨格を有しない非トリアジン系光安定剤であり、例えば、トリアジン骨格を有しないヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が使用される。第2光安定剤は、紫外線吸収剤としての機能を兼ね備えてなるものであってもよい。
第2光安定剤、即ち、トリアジン骨格を有しないヒンダードアミン系光安定剤(HALS)の具体例としては、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルペピリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等からなる群から選択される一種又は二種以上の組合せが挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤は、市販品を購入することができ、例えば、BASF社製LS622等が挙げられる。
最外側層において、ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、第2光安定剤が、0.1質量部以上1.0質量部以下であり、好ましくは下限値が0.3質量部以上であり、上限値が0.7質量部以下で添加されてなることが好ましい。第2光安定剤(非トリアジン系光安定剤)が上記添加量で添加されることにより、十分な耐候性が得られるため、例えば、フィルム表面に微細なクラックが生じて、光沢及び透過性が低下することを十分抑制することが可能となる。また、農業用フィルムに、ブルームが発生することを防止し、土及び埃等の外部からの付着物の影響による汚れの目立ちを有効に防止することが可能となる。
本発明にあっては、第1光安定剤であるトリアジン系光安定剤と、第2光安定剤である非トリアジン系光安定剤とを組み合わせることにより、これらを単独で包含する農業用フィルムと比較して、優れた隠蔽性(遮光性及び遮熱性)を付与しつつ、耐チョーキング性、遮光安定性、フィルム強度安定性を実現し、フィルムの長期安定性を高い次元において達成することが可能となる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が例示される。最外側層において、ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、紫外線吸収剤は、0.05質量部以上0.5質量部以下であり、好ましくは下限値が0.15質量部以上であり、上限値が0.3質量部以下で添加されてなることが好ましい。紫外線吸収剤が上記添加量で添加されることにより、十分な耐候性が得られるため、例えば、農業用フィルム表面に微細なクラックが生じて、光沢及び透過性が低下することを十分抑制することが可能となる。また、農業用フィルムに、ブルームが発生することを防止し、土及び埃等の外部からの付着物の影響による汚れの目立ちを有効に防止することが可能となる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−アルコキシカルボニルエチルフェニル)トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレンビス(4−tert−オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、及び2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(ドデシル)−4−メチルフェノールからなる群から選択される一種又はこれらの二種以上の組合せが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−tert−ブチル−4’−(2−メタクロイルオキシエトキシエトキシ)ベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)、及び2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンからなる群から選択される一種又はこれらの二種以上の組合せが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、市販品を購入することができ、例えば、シプロ化成社製SS102等が挙げられる。
サリチル酸系紫外線吸収剤の具体例としては、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル、及びサリチル酸ホモメンチルからなる群から選択される一種又はこれらの二種以上の組合せが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤の具体例としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートが挙げられる。
(ポリオレフィン樹脂)
本発明にあっては、基本樹脂となるポリオレフィン系樹脂が用いられる。ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのエチレンを50重量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、線状低密度ポリエチレンがより好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
エチレンを重合した熱可塑性樹脂をポリエチレン(PE)において、低密度(約0.910〜0.925程度のもの)ポリエチレンをLDPEと称し、かつ、エチレンとオレフィンの共重合により作られた低密度のポリエチレンを線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)と称している。
低密度ポリエチレン樹脂は、市販品を購入することができ、例えば、ダウケミカル社製NUC−8170等が挙げられる。
線状低密度ポリエチレン樹脂は、市販品を購入することができ、例えば、プライムポリマー社製モアテック0138N等が挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、市販品を購入することができ、例えば、宇部丸善ポリエチレン社製VF120S等が挙げられる。
(顔料)
最外側層は、有機又は無機の顔料、好ましくは白色顔料(より好ましい)又は黒色顔料をさらに含んでなるものであってよい。農業用フィルムが、三層構造の場合、最外側層は顔料(白色顔料が好ましい)を包含するものとして構成される。また、農業用フィルムが、四層以上の構造の場合、最外側層は透明層として形成されてよいが、顔料を添加してもよい。最外側層は、顔料を包含する場合には、着色層となる。本発明にあっては、白色顔料と、それ以外の顔料(黒色顔料、有彩色顔料)とを使用することが好ましい。
白色顔料の具体例としては、酸化チタン、酸化ジルコニア、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、タルク、白土、水酸化アルミ、炭酸マグネシウム、白色中空樹脂エマルジョンからなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が例示され、好ましくは、金属酸化物であり、酸化チタン、酸化ジルコニア、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、シリカ、又はアルミナであり、より好ましくは、酸化チタンである。酸化チタンは、市販品を購入することができ、例えば、日弘ビックス社製PO−0107ホワイト等が挙げられる。
黒色顔料の具体例としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック類、銅酸化物、鉄酸化物等の金属類、アニリンブラック等の有機顔料からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が例示され、好ましくは、カーボンブラック(類)が使用される。カーボンブラックは、市販品を購入することができ、例えば、東洋インキ社製TET01337ブラック)等が挙げられる。
有彩色顔料の具体例としては、赤色、黄色、青色、茶色、黒色系等の有機顔料又は無機顔料が例示され、有機顔料の具体例としては、フタロシアニン顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、アントラピリジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピリノン顔料、ピリレン顔料、イソインドリノン顔料、チオインジゴ顔料等が例示できる。無機顔料では、酸化鉄、群青、紺青、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、チタニウムイエロー、チタンブラック、ジンクロロメート、鉄黒、モリブデンレッド、モリブデンホワイト、リトポン、エメラルドグリーン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、コバルトブルー、カーボンブラック等が例示できる。
本発明の好ましい態様によれば、ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、顔料が、35質量部以上65質量部以下であり、好ましくは下限値が40質量部以上であり上限値が60質量部以下で添加されてなることが好ましい。顔料が上記添加量で添加されることにより、遮光性及び遮熱性を十分達成することができ、また、樹脂ペレットと顔料ペレットの重量差による分離を抑制し、分散ムラによる外観不良(色ムラ)、遮光性及び遮熱性のムラを有効に防止することが可能となる。
(2.中間層)
本発明にあっては、一又は二以上の中間層は、最外側層と最内側層との間に存在する。中間層は、基本的に、ポリオレフィン系樹脂と、顔料とにより構成されてなる。
本発明の好ましい態様によれば、農業用フィルムが最外側層と、中間層と、最内側層との三層構造とされる場合、中間層は、有色顔料、好ましくは黒色顔料(カーボンブラック)によって構成されてなるものが好ましい。そして、農業用フィルムが四層以上の構造となる場合には、中心積層構造体は、第1中間層(白色顔料層)と、第2中間層(黒色顔料層)と、第3中間層(白色顔料層)とを基本として、さらに、最外側層と最内側層を設けたものとして構成されてよい。本発明のより好ましい態様によれば、最外側層と、第1中間層(白色顔料層)と、第2中間層(黒色顔料層)と、第3中間層(白色顔料層)と、最内側層との順で構成されてなるものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、(1.最外側層)の項で説明したのと同様であってよい。また、顔料は、(1.最外側層)の項で説明したものの一種又は二種以上の混合物であってもよい。例えば、白色顔料である酸化チタンと、白色顔料以外の顔料であるカーボンブラックとを混合させたものであってもよい。
本発明の好ましい態様によれば、ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、顔料は、10質量部以上65質量部以下であり、好ましくは下限値が15質量部以上であり上限値が60質量部以下で添加されてなることが好ましい。顔料が上記添加量で添加されることにより、遮光性及び遮熱性を十分達成することができ、また、樹脂ペレットと顔料ペレットの重量差による分離を抑制し、分散ムラによる外観不良(色ムラ)、遮光性及び遮熱性のムラを有効に防止することが可能となる。
本発明にあっては、二以上の中間層において、
一の中間層が、ポリオレフィン系樹脂と、白色顔料とにより構成されてなり、
他の中間層が、ポリオレフィン系樹脂と、白色顔料以外の顔料とにより構成されてなる態様が提案される。
より好ましい態様として、前記ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、
前記白色顔料が、10質量部以上65質量部以下であり、好ましくは下限値が15質量部以上であり上限値が60質量部以下で添加されてなり、
前記白色顔料以外の顔料が、10質量部以上65質量部以下であり、好ましくは下限値が15質量部以上であり上限値が60質量部以下で添加されてなるものが提案される。
より好ましいものとして、白色顔料が、酸化チタンであり、白色顔料以外の顔料が、カーボンブラックであるものが提案される。
本発明の好ましい態様によれば、中間層は、第1光安定剤(トリアジン系光安定剤)と、第2光安定剤(非トリアジン系光安定剤)と、紫外線吸収剤とをさらに含んでなるものが好ましい。より好ましい態様によれば、上記した中心積層構造体において、最外側層と接する一の中間層又は第1中間層(好ましくは白色顔料層)に、第1光安定剤と、第2光安定剤と、紫外線吸収剤とを包含させてなるものが好ましい。最外側層において、既に、チョーキング現象を防止する層となっているが、最外側層と接する一の中間層又は第1中間層(好ましくは白色顔料層)もまた、チョーキング現象を防止する層として構成することにより、農業フィルムの長期安定性をより付与することが可能となる。
第1光安定剤と、第2光安定剤と、紫外線吸収剤の種類は、(1.最外側層)の項で説明したのと同様であってよい。
ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、第1光安定剤が、0.1質量部以上1.0質量部以下であり、好ましくは下限値が0.3質量部以上であり、上限値が0.7質量部以下で添加されてなることが好ましい。第1光安定剤が上記添加量で添加されることにより、十分な耐候性が得られるため、例えば、フィルム表面に微細なクラックが生じて、光沢及び透過性が低下することを十分抑制することが可能となる。また、農業用フィルムに、ブルームが発生することを防止し、土及び埃等の外部からの付着物の影響による汚れの目立ちを有効に防止することが可能となる。
ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、第2光安定剤が、0.1質量部以上であり1.0質量部以下であり、好ましくは下限値が0.3質量部以上であり、上限値が0.7質量部以下で添加されてなる。上記添加量で添加されることにより、フィルムの物性を低下させることなく十分な耐候性が得られる。また、農業用フィルムに、ブルームが発生することを防止し、土及び埃等の外部からの付着物の影響による汚れの目立ちを有効に防止することが可能となる。
ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、紫外線吸収剤が、0.05質量部以上0.5質量部以下であり、好ましくは下限値が0.15質量部以上であり、上限値が0.3質量部以下で添加されてなる。上記添加量で添加されることにより、
上記添加量で添加されることにより、農業用フィルムの物性を低下させることなく十分な耐候性が得られる。また、農業用フィルムに、ブルームが発生することを防止し、土及び埃等の外部からの付着物の影響による汚れの目立ちを有効に防止することが可能となる。
(3.最内側層)
最内側層は、紫外線又は熱線を受けない側の層である。最内側層は、ポリオレフィン系樹脂により構成されてなる。
例えば、農業用フィルムが五層構造とされる場合、最内側層は、原則として、白色顔料又は有色顔料を包含せず、透明層として形成されてなる。例えば、農業用フィルムが三層構造又は四層構造とされる場合、最内側層は、顔料、より好ましくは白色顔料又は黒色顔料をさらに含んでいてもよい。また、最内側層は、第1光安定剤(トリアジン系光安定剤)と、第2光安定剤(非トリアジン系光安定剤)と、紫外線吸収剤を含んでなるものであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂、第1光安定剤(トリアジン系光安定剤)、第2光安定剤(非トリアジン系光安定剤)、紫外線吸収剤及び顔料については、「1)最外側層」の項で説明したのと同様であってよい。
(任意の添加剤)
本発明にあっては、最外側層と、中間層と、最内側層とは、所望の機能を達成させるために、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、粘度調整剤、分散剤、乳化剤、アンチブロック剤等を適量添加することができる。熱安定剤及び酸化防止剤の具体例としては、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、有機亜燐酸エステル等のキレーターが挙げられる。滑剤の具体例としては、ステアリン酸アマイド等の飽和脂肪酸アマイド、エルカ酸アマイド、オレイン酸アマイド等の不飽和脂肪酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等のビスアマイド等が挙げられる。アンチブロック剤としては、珪藻土、合成シリカ、タルク、マイカ、ゼオライト等が挙げられる。
〔II.農業用フィルムの製造〕
最外側層、中間層、最内側層を構成する材料を混合して各組成物を形成し、各層を形成することができる。顔料を包含する場合には、粘度調整剤、乳化剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を追加してもよい。形成方法は、例えば、多層インフレーション法、多層Tダイ法、多層ラミネート法、カレンダー法等が挙げられる。
多層インフレーション法では、まず、ポリオレフィン系樹脂成分と各種配合成分とをそれぞれ所定の割合で配合し、リボンブレンダ、バンバリミキサ、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機を用いて、各層毎の組成物を形成する。そして、各層毎の組成物を線状に押出成形し、3〜5mmの長さにカットしてペレット状に調製する。次に、各層毎の組成物を異なるホッパーに供給し、シリンダー内で加熱する。そして、各層毎の組成物を、同心円状に形成された、複数の狭い環状のすき間を有するダイから押し出し、その中に空気を送り込み、膨張させる。その後、冷却して固化させることによって、多層フィルムを製造することができる。
農業用フィルムの厚さは、50μm以上200μm以下であり、好ましくは下限値が75μm以上であり、上限値が150μm以下であることが好ましい。
農業用フィルムの厚さが上記範囲内とされてなることにより、遮熱性及び遮光性の効果を十分得られることができ、かつ、農業用フィルムの重量を軽減することができ、展張作業性効率が良好となる。また、農業用フィルムの重みによる弛みを防止することができ、ハウス骨材等への負荷を軽減することが可能となる。
また、農業用フィルムの遮光率は95%以上であり、好ましく99%以上であることが好ましい。農業用フィルムの遮光率が上記範囲内とされてなることにより、農園芸作物の生長、開花等の調整が容易に行うことができる。
〔III.農業用フィルムの用途〕
本発明による農業用フィルムは、農業用ハウス、農業用トンネルなどの農業用施設、家畜の飼育及び保管施設、農業用飼料、肥料等、並びに農機具等において、使用される。
発明を実施するための態様
本発明の内容は下記実施例によって詳細に説明されてなるが、本発明の範囲は、実施例のみに限定して解釈されるものではない。
〔農業用フィルムの調製(五層構造)〕
最外側層と、中間層と、最内側層との五層構造を有する農業用フィルムをそれぞれ調製した。調製の方法は、最外側層(透明層)と、第1中間層(白色顔料層)と、第2中間層(黒色顔料層)と、第3中間層(白色顔料層)と、最内側層(透明層)とを共押出しTダイ法、共押出し空冷インフレーション法、共押出し水冷インフレーション法等を用いて五層からなる農業用フィルムをそれぞれ調製した。調製した農業用フィルムのフィルム厚さは、約150μmであった。
実施例1〜4及び比較例1〜3の各層(A層〜E層)の組成等は、表1及び表2に記載した通りであった。各層の組成の数値は重量部であり、表中の略記は以下の通りである。
〔農業用フィルムの調製2(四層構造)〕
実施例5は、最外側層と、中間層(1〜3)との四層構造を有する農業用フィルムを調製した。実施例6は、中間層(1〜3)と、最内外層の四層構造を有する農業用フィルムを調製した。調製の方法は、最外側層(透明層)又は最内側層(透明層)、第1中間層(白色顔料層)と、第2中間層(黒色顔料層)と、第3中間層兼最内側層(白色顔料層)とを共押出しTダイ法、共押出し空冷インフレーション法、共押出し水冷インフレーション法等を用いて三層からなる農業用フィルムをそれぞれ調製した。調製した農業用フィルムのフィルム厚さは、約150μmであった。
〔農業用フィルムの調製3(三層構造)〕
最外側層と、中間層と、最内側層との三層構造を有する農業用フィルムをそれぞれ調製した。調製の方法は、最外側層(白色顔料層)と、中間層(黒色顔料層)と、最内側層(白色顔料層)を共押出しTダイ法、共押出し空冷インフレーション法、共押出し水冷インフレーション法等を用いて三層からなる実施例7及び比較例4及び5の農業用フィルムをそれぞれ調製した。調製した農業用フィルムのフィルム厚さは、約150μmであった。
実施例1乃至7並びに比較例1乃至5の各層の組成等は、表1及び表2に記載した通りであった。各層の組成の数値は重量部であり、表中の略記は以下の通りである。
略記
UV-3529:トリアジン系光安定剤:サイテック社製
LS-622:ヒンダードアミン系光安定剤:BASF社製
SS102:ベンゾフェノン系紫外線吸収剤:シプロ化成社製
AB剤:(アンチブロック剤:珪素土)
L-LDPE:線状低密度ポリエチレン(明細書に定義)
LDPE:低密度ポリエチレン(明細書に定義)
18%EVA:18%エチレン−酢酸ビニル共重合体
〔評価試験〕
実施例及び比較例における農業用フィルムについて、下記基準に従って評価を行った。その結果は、下記表1に記載された通りであった。
(評価1:光沢度試験)
耐候性試験機(アイスーパーUVテスター・岩崎電気製)にてデューサイクル試験30サイクル後の試験片表面の光沢を目視で確認した。デューサイクル試験における条件は以下の通りとした。
(評価条件)
1サイクルの時間 :LIGHT 12時間、DEW 2時間
ブラックパネル温度:63℃
紫外線量 : 80mw/cm2
LIGHT 試験温度:60℃、試験湿度:55%RH
DEW 試験温度:30℃、試験湿度:90%RH以上
(評価基準)
評価○:試験前サンプルと殆ど大差がなかった。
評価△:表面に若干のくすみが見られたが、光沢の有無は、試験前サンプルと比較しなければ確認が困難であった。
評価×:光沢がないことが明らかに確認できた。
(評価2:外層面耐久性試験)
耐候性試験機(アイスーパーUVテスター・岩崎電気製)にてデューサイクル試験後の試験片表面の亀裂の発生度合いを確認した。デューサイクル試験における条件は以下のとおりとした。
(試験条件)
1サイクルの時間:LIGHT 12時間、DEW 2時間
ブラックパネル温度:63℃
紫外線量 : 80mw/cm2
LIGHT 試験温度:60℃、試験湿度:55%RH
DEW 試験温度:30℃、試験湿度:90%RH以上
評価基準
4cm×16cmの試験片で全面に亀裂が発生するまでの時間(サイクル数)を計測した。
評価○ :70サイクル超過
評価△ :50サイクル以上69サイクル以下
評価× :30サイクル以上49サイクル以下
評価××:30サイクル未満
(評価3:遮光率評価試験)
キセノンランプの照度を照度計(トプコン社製:IM−600)で測定し基準値を決めた後、キセノンランプを各試料で遮蔽し、キセノンランプの漏れた光の照度を測定し、遮光率を計算で求めた。
(評価基準)
評価◎:99.95%以上
評価○:99.9%以上99.95%未満
評価△:99.0%以上、99.9%未満
評価×:99.0%未満
Figure 0006059604
Figure 0006059604
Figure 0006059604
Figure 0006059604
1、2:最外側層
4、5:最内側層
3:中間層
11:第1中間層
12:第2中間層
13:第3中間層

Claims (21)

  1. 農業用フィルムであって、
    最外側層と、一又は二以上の中間層と、最内側層とを備えてなるものであり、
    前記最外側層が、紫外線又は熱線を受ける側の層であり、かつ、ポリオレフィン系樹脂と、第1光安定剤と、第2光安定剤と、紫外線吸収剤とにより構成されてなり、
    前記第1光安定剤が、トリアジン系光安定剤であり、
    前記第2光安定剤が、非トリアジン系光安定剤であり、
    前記中間層が、ポリオレフィン系樹脂と、顔料とにより構成されてなり、
    最内側層が、紫外線又は熱線を受けない側の層であり、かつ、ポリオレフィン系樹脂により構成されてなる、農業用フィルム。
  2. 前記第1光安定剤が、トリアジン骨格を有するヒンダードアミン系光安定剤である、請求項1に記載の農業用フィルム。
  3. 前記第1光安定剤が、下記化学式(I)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の農業用フィルム。
    Figure 0006059604
    〔上記式中、
    及びRは、それぞれ異なっても同一であってもよく、水素原子、炭素数が1〜5のアルキル基であり、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基であり、
    xは1〜10の整数であり、好ましくは2〜7の整数であり、
    mは、1〜10の整数である〕
  4. 前記最外側層において、ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、前記第1光安定剤が、0.1質量部以上1.0質量部以下で添加されてなる、請求項1〜3の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  5. 前記第2光安定剤が、トリアジン骨格を有しないヒンダードアミン系光安定剤である、請求項1〜4の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  6. 前記最外側層において、ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、第2光安定剤が、0.1質量部以上1.0質量部以下で添加されてなる、請求項1〜5の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  7. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤から選択される一種又は二種以上の混合物である、請求項1〜6の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  8. 前記最外側層において、ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、前記紫外線吸収剤が、0.05質量部以上0.5質量部以下で添加されてなる、請求項1〜7の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  9. 前記最外側層において、ポリオレフィン系樹脂が、エチレン−α−オレフィン共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である、請求項1〜8の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  10. 前記最外側層又は前記最内側層が、顔料をさらに含んでなる、請求項1〜9の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  11. 前記顔料が白色顔料又は黒色顔料である、請求項10に記載の農業用フィルム。
  12. 前記最外側層又は前記最内側層における前記ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、前記顔料が、35質量部以上65質量部以下で添加されてなる、請求項10又は11に記載の農業用フィルム。
  13. 前記中間層におけるポリオレフィン系樹脂が、線状低密度ポリエチレン樹脂である、請求項1〜12の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  14. 前記中間層における前記ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、前記顔料が、10質量部以上65質量部以下で添加されてなる、請求項1〜13の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  15. 前記中間層が、第1光安定剤と、第2光安定剤と、紫外線吸収剤とをさらに含んでなるものである、請求項1〜14の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  16. 前記二以上の中間層において、
    一の中間層が、ポリオレフィン系樹脂と、白色顔料とを含んで成されてなり、
    他の中間層が、ポリオレフィン系樹脂と、白色顔料以外の顔料とを含んで構成されてなる、請求項1〜15の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  17. 前記ポリオレフィン系樹脂の添加量を100質量部とした場合、
    前記白色顔料が、10質量部以上65質量部以下で添加されてなり、
    前記白色顔料以外の顔料が、10質量部以上65質量部以下で添加されてなる、請求項16に記載の農業用フィルム。
  18. 前記白色顔料が、酸化チタンであり、
    前記白色顔料以外の顔料が、カーボンブラックである、請求項16又は17に記載の農業用フィルム。
  19. 前記一の中間層が、最外側層と接する場合に、
    前記一の中間層が、第1光安定剤と、第2光安定剤と、紫外線吸収剤とをさらに含んでなるものである、請求項16〜18の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  20. 前記農業用フィルムの厚さが、50μm以上200μm以下であり、
    前記農業用フィルムの遮光率が95%以上である、請求項1〜1の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  21. 農業用ハウス、農業用トンネル、農業用施設、及び農機具に使用される、請求項1〜20の何れか一項に記載の農業用フィルム。
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