JP2013150565A - ポリオレフィン系農業用フィルムおよび農園芸用施設 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸性雨や農薬による酸性条件下に長期間さらされる場合においても破断強度が低下せず、高温高湿下で変色しないポリオレフィン系農業用フィルムを提供する。
【解決手段】二つのポリオレフィン系樹脂層の間に、ポリオレフィン系樹脂と、特定の配列を有するピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O式で表される赤外線吸収剤とを含有する層を有するポリオレフィン系農業用フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】二つのポリオレフィン系樹脂層の間に、ポリオレフィン系樹脂と、特定の配列を有するピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O式で表される赤外線吸収剤とを含有する層を有するポリオレフィン系農業用フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリオレフィン系農業用フィルムに関するものである。
ポリオレフィン系農業用フィルムは、軽く、展張作業などが容易であることから、広く農業用ハウスに利用されている。
そして、ポリオレフィン系農業用フィルムには、2年以上、耐候性が保持され、散布された農薬などによって性能が低下しないことが求められている。例えば特許文献1には、耐農薬性の改善を目的として、トリアジン骨格及び特定のピペリジン環構造を少なくとも2個以上有するヒンダードアミン化合物と紫外線吸収剤を含有するポリオレフィン系農業用フィルムが記載されている。
そして、ポリオレフィン系農業用フィルムには、2年以上、耐候性が保持され、散布された農薬などによって性能が低下しないことが求められている。例えば特許文献1には、耐農薬性の改善を目的として、トリアジン骨格及び特定のピペリジン環構造を少なくとも2個以上有するヒンダードアミン化合物と紫外線吸収剤を含有するポリオレフィン系農業用フィルムが記載されている。
また、特許文献2には、耐農薬性の改善を目的として、トリアジン骨格及び特定のピペリジン環構造を少なくとも2個以上有するヒンダードアミン化合物と、アルミニウム、及び、リチウムを金属成分とし、少なくとも1種以上のアニオン成分を含有する金属複合水酸化物塩を有効成分として含有する赤外線吸収剤を含有する農業用多層フィルムが記載されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2などに記載された農業用フィルムは、酸性雨や農薬による酸性条件下に長期間さらされる場合において破断強度が低下したり、高温高湿下で変色する場合があった。
本発明の目的は、酸性雨や農薬による酸性条件下に長期間さらされる場合においても破断強度が低下せず、高温高湿下で変色しないポリオレフィン系農業用フィルムを提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、本発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、二つのポリオレフィン系樹脂層の間に、
ポリオレフィン系樹脂と、下記式(1)または下記式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とを含有する層を有するポリオレフィン系農業用フィルムにかかるものである。
(式中、R1は炭素数60〜1000000のアルキル基を表す。
R10およびR11は、互いに独立して、水素原子、−OH、−OR15、または−NR16R17を表す。
R12は、−CH2−、−CO−、または−NR18−を表す。
R13は、−O−、−CH2−、−CO−、または−NR18−を表す。
R14は、1〜500個の炭素原子及び0〜200個のヘテロ原子を有し、R12、R13及び式(2)のピペリジン環構造においてR12とR13が結合する第4級炭素原子とともに4、5、6または7員環を形成する二価の置換基を表し、上記へテロ原子は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、またはハロゲン原子を表す。
R15、R16、R17およびR18は、互いに独立して、水素原子、または1〜500個の炭素原子および0〜200個のへテロ原子を有する置換基を表し、上記へテロ原子は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、またはハロゲン原子を表す。)
ポリオレフィン系樹脂と、下記式(1)または下記式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とを含有する層を有するポリオレフィン系農業用フィルムにかかるものである。
(式中、R1は炭素数60〜1000000のアルキル基を表す。
R10およびR11は、互いに独立して、水素原子、−OH、−OR15、または−NR16R17を表す。
R12は、−CH2−、−CO−、または−NR18−を表す。
R13は、−O−、−CH2−、−CO−、または−NR18−を表す。
R14は、1〜500個の炭素原子及び0〜200個のヘテロ原子を有し、R12、R13及び式(2)のピペリジン環構造においてR12とR13が結合する第4級炭素原子とともに4、5、6または7員環を形成する二価の置換基を表し、上記へテロ原子は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、またはハロゲン原子を表す。
R15、R16、R17およびR18は、互いに独立して、水素原子、または1〜500個の炭素原子および0〜200個のへテロ原子を有する置換基を表し、上記へテロ原子は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、またはハロゲン原子を表す。)
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムは、酸性雨や農薬による酸性条件下に長期間さらされる場合においても破断強度が低下せず、高温高湿下で変色しない農業用フィルムである。
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを主成分とするエチレンと他の単量体との共重合体などのポリエチレン系樹脂が挙げられる。
低密度ポリエチレンとしては、例えば、密度が910〜930kg/m3の低密度ポリエチレンが挙げられる。また、高密度ポリエチレンとしては、例えば、密度が941〜970kg/m3の高密度ポリエチレンが挙げられる。
低密度ポリエチレンとしては、例えば、密度が910〜930kg/m3の低密度ポリエチレンが挙げられる。また、高密度ポリエチレンとしては、例えば、密度が941〜970kg/m3の高密度ポリエチレンが挙げられる。
エチレンと共重合する他の単量体としては、炭素原子数3〜20のα−オレフィン、酢酸ビニル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンが挙げられる。より好ましくは、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンが挙げられる。前記の炭素原子数3〜20のα−オレフィンは、2種以上を組み合わせてもよく、そのような組み合わせとして、例えば、1−ブテンと4−メチル−1−ペンテンとの組み合わせ、1−ブテンと1−ヘキセンとの組み合わせ、1−ブテンと1−オクテンとの組み合わせ、1−ブテンと1−デセンとの組み合わせなどが挙げられる。より好ましくは、1−ブテンと4−メチル−1−ペンテンとの組み合わせ、1−ブテンと1−ヘキセンとの組み合わせが挙げられる。
エチレンを主成分とするエチレンと他の単量体との共重合体としては、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体などが挙げられる。
炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンが挙げられる。より好ましくは、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンが挙げられる。前記の炭素原子数3〜20のα−オレフィンは、2種以上を組み合わせてもよく、そのような組み合わせとして、例えば、1−ブテンと4−メチル−1−ペンテンとの組み合わせ、1−ブテンと1−ヘキセンとの組み合わせ、1−ブテンと1−オクテンとの組み合わせ、1−ブテンと1−デセンとの組み合わせなどが挙げられる。より好ましくは、1−ブテンと4−メチル−1−ペンテンとの組み合わせ、1−ブテンと1−ヘキセンとの組み合わせが挙げられる。
エチレンを主成分とするエチレンと他の単量体との共重合体としては、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体などが挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、例えば、870〜940kg/m3である。
本発明におけるエチレン・α−オレフィン共重合体として好ましくは、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン共重合体が挙げられる。
エチレンを主成分とするエチレンと他の単量体との共重合体のなかでは、エチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましい。エチレン・酢酸ビニル共重合体に含まれる酢酸ビニルに基づく単量体単位の含有量は、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい(ただし、エチレン・酢酸ビニル共重合体の重量を100重量%とする)。エチレン・酢酸ビニル共重合体の密度は、例えば、910〜950kg/m3である。
本発明におけるポリオレフィン系農業用フィルムは、二つのポリオレフィン系樹脂層の間に、
ポリオレフィン系樹脂と、式(1)または式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とを含有する層を有するポリオレフィン系農業用フィルムである。よって、本発明におけるポリオレフィン系農業用フィルムは、少なくとも3層を有する多層フィルムである。例えば、2種3層、3種3層、3種4層、4種4層、4種5層、5種5層等が例示できる。
以下、ポリオレフィン系樹脂と、式(1)または式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とを含有する層を中間層と称することがある。
ポリオレフィン系樹脂と、式(1)または式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とを含有する層を有するポリオレフィン系農業用フィルムである。よって、本発明におけるポリオレフィン系農業用フィルムは、少なくとも3層を有する多層フィルムである。例えば、2種3層、3種3層、3種4層、4種4層、4種5層、5種5層等が例示できる。
以下、ポリオレフィン系樹脂と、式(1)または式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とを含有する層を中間層と称することがある。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムが3層フィルムの場合には、各層の厚みの比は、ポリオレフィン系樹脂層/中間層/ポリオレフィン系樹脂層が1/2/1〜1/4/1であることが好ましい。
上記式(1)または上記式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物としては、市販のものを使用することができる。例えば、Hostavin NOW(クラリアント(株)製)などが挙げられる。また、これらの化合物は、特表2009−530428号公報に記載された方法に準拠して製造することができる。
本発明の農業用フィルムの中間層に含有される上記式(1)または上記式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物の含有量は、中間層のポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、好ましくは0.01〜2重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部である。上記式(1)または上記式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物の含有量が0.01重量部以上であると、耐候性の点で好ましい。2重量部以下であると、ヒンダードアミン化合物のブリードアウトが少ないという点で好ましい。
本発明の農業用フィルムの中間層には、上記式(1)または上記式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物に加えて、他の公知のヒンダードアミン化合物を、併用しても良い。
かかる公知のヒンダードアミン化合物としては、特開平8−73667号公報に記載の構造を有するヒンダードアミン化合物が挙げられる。具体的には、商品名チヌビン622、キマソーブ944、キマソーブ119(以上BASF製)、ホスタビンN30、VP Sanduvor PR−31(以上クラリアント社製)、サイヤソーブUV3529、サイヤソーブUV3346(以上サイテック社製)などが挙げられる。
上記式(3)で表される赤外線吸収剤としては、市販のものを使用することができ、例えば、マグクリア(戸田工業株式会社製)などが挙げられる。
本発明の農業用フィルムの中間層に含有されるMg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤の含有量は、5〜20重量%が好ましく、9〜16重量%がより好ましい(ただし、中間層の重量を100重量%とする)。5重量%以上であると、耐候性の点で好ましく、20重量%以下であると、透明性の点で好ましい。
本発明の農業用フィルムは、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤の分散性を良くする目的で、中間層に界面活性剤を含有することができる。
本発明では、中間層に、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とは異なる赤外線吸収剤を、必要に応じて用いることができる。かかる赤外線吸収剤としては、例えば、
下記式(4)表される複合水酸化物が挙げられる。
[Li+(Al3+)2(OH-)6]2(SiyO(2y+1) 2-)・mH2O (4)
式中、m、およびyは、0≦m<5、2≦y≦4という条件を満たす。
下記式(4)表される複合水酸化物が挙げられる。
[Li+(Al3+)2(OH-)6]2(SiyO(2y+1) 2-)・mH2O (4)
式中、m、およびyは、0≦m<5、2≦y≦4という条件を満たす。
上記の複合水酸化物の例としては、OPTIMA−SS(戸田工業株式会社製)が挙げられる。上記式(4)で表される赤外線吸収剤は、Si−O結合を有するため、ポリオレフィン系農業用フィルムに求められる保温性を、効率よく向上させることができる。
本発明の農業用フィルムのポリオレフィン系樹脂層は、上記式(1)および上記式(2)とは異なるヒンダードアミン化合物を含有することができる。
かかるヒンダードアミン化合物としては、特開平8−73667号公報に記載の構造を有するヒンダードアミン化合物が挙げられる。
具体的には、商品名チヌビン622、キマソーブ944、キマソーブ119(以上BASF製)、ホスタビンN30、VP Sanduvor PR−31(以上クラリアント社製)、サイヤソーブUV3529、サイヤソーブUV3346(以上サイテック社製)などが挙げられる。なかでも、チヌビン622、キマソーブ944が、ブリードアウトが少ない点で好ましい。
ポリオレフィン系樹脂層が含有する上記ヒンダードアミン化合物の含有量は、当該層のポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、好ましくは0.01〜2重量部、更に好ましくは0.1〜1重量部である。
また、ポリオレフィン系樹脂層は、エチレンに基づく単量体単位と環状アミノビニル化合物に基づく単量体単位とを有するエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体を含有することができる。かかるエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体としては、特開2002−265693号公報に記載の構造を有するものが挙げられる。上記のエチレン・環状アミノビニル共重合体は、分子量が高く、ブリードアウトしにくく、表層に用いるのに好適である。
本発明の農業用フィルムは、耐候性を更に向上させる目的で、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、2−(2‘−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、ベンゾエート類、置換オキザニリド類、シアノアクリレート類、トリアジン類などが挙げられる。
2−ヒドロキシベンゾフェノン類としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5‘−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などが挙げられる。
2−(2‘−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類としては、2−(2’−ヒドロキシ−5‘−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3‘,5’―ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシ−3’,5‘−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3‘−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシ−3’,5‘−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ベンゾエート類としては、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5‘−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニルー3‘、5’−ジ第三ブチル−4‘−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
置換オキザニリド類としては、2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4‘−ドデシルオキザニリドなどが挙げられる。
シアノアクリレート類としては、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
トリアジン類としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕−フェノール、2−〔4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−5−(オクチロキシ)フェノールなどが挙げられる。
2−(2‘−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類としては、2−(2’−ヒドロキシ−5‘−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3‘,5’―ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシ−3’,5‘−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3‘−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシ−3’,5‘−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ベンゾエート類としては、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5‘−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニルー3‘、5’−ジ第三ブチル−4‘−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
置換オキザニリド類としては、2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4‘−ドデシルオキザニリドなどが挙げられる。
シアノアクリレート類としては、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
トリアジン類としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕−フェノール、2−〔4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−5−(オクチロキシ)フェノールなどが挙げられる。
好ましくは、2−(2‘−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類であり、より好ましくは、2−(2’−ヒドロキシ−3‘−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾールが挙げられる。
紫外線吸収剤は、単独で又は二種以上で用いられる。紫外線吸収剤のブリードアウトを少なくする点で、二種以上併用することが好ましい。二種以上併用する場合には、各紫外線吸収剤の融点の差を70℃以下にすることが、より好ましい。
本発明に係る農業用フィルムに含まれる紫外線吸収剤の含有量は、本発明に係る農業用フィルムに含まれるポリオレフィン系樹脂100重量部に対し5重量部以下、好ましくは0.001〜3重量部、更に好ましくは0.005〜1重量部である。紫外線吸収剤の含有量が5重量部以下であると、紫外線吸収剤がブリードアウトしにくく、農業用フィルムの透明性が低下しないという点で好ましい。紫外線吸収剤の含有量が0.001重量部以上であると、耐候性改良効果が高いという点で好ましい。
紫外線吸収剤は、いずれか一層のみに含有させてもよく、複数の層に含有させてもよく、全ての層に含有させても良い。
本発明に係るポリオレフィン系農業用フィルムの厚みは、フィルム強度の観点から、0.01mm以上であることが好ましい。一方、展張作業をしやすいという観点から、前記農業用フィルムの厚みは0.3mm以下が好ましい。0.05〜0.25mmの範囲がより好ましく、0.10〜0.15mmが特に好ましい。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムは、所定量の式(1)または式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤、必要に応じて各種の添加剤をポリオレフィン系樹脂に添加して、これらを混合・混練機で混練して得られた樹脂組成物を用いて製造することができる。上記樹脂組成物の調製において、混合・混練機としては、例えば、リボンブレンダー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、単軸押出機、および2軸押出機などのポリオレフィン系樹脂の加工に通常使用されている装置を使用することができる。フィルムの製造には、共押出インフレーション成形法、共押出T−ダイキャスティング成形法などを用いることができ、共押出インフレーション成形法が好ましい。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムの好ましい実施形態の例は、二つのポリオレフィン系樹脂層の間に、
ポリオレフィン系樹脂と、上記式(1)または上記式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とを含有する層を有するポリオレフィン系農業用フィルムであって、少なくとも一方の表層として防曇層を有するフィルムである。かかる防曇層としては、無機酸化物ゾルのコーティング層や、無機酸化物と有機化合物からなるコーティング層が挙げられる。無機酸化物ゾルとしては、例えば、コロイダルシリカやアルミナゾルが挙げられ、有機化合物としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル変性ポリウレタン系樹脂などの高分子樹脂バインダーや、界面活性剤が挙げられる。防曇層は、ポリオレフィン系農業用フィルムの一方の表層として形成されていてもよいし、両方の表層として形成されていてもよい。また、防曇層は単層膜でも2層以上の多層膜でもよいが、特開2011−245857号公報に記載の2層の多層膜が好ましい。
防曇層を形成する方法としては、二つのポリオレフィン系樹脂層の間に上記中間層を有するフィルムの表面に塗布する方法でもよいし、予め作製した防曇層と、二つのポリオレフィン系樹脂層の間に上記中間層を有するフィルムとを接着する方法でもよい。
ポリオレフィン系樹脂と、上記式(1)または上記式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とを含有する層を有するポリオレフィン系農業用フィルムであって、少なくとも一方の表層として防曇層を有するフィルムである。かかる防曇層としては、無機酸化物ゾルのコーティング層や、無機酸化物と有機化合物からなるコーティング層が挙げられる。無機酸化物ゾルとしては、例えば、コロイダルシリカやアルミナゾルが挙げられ、有機化合物としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル変性ポリウレタン系樹脂などの高分子樹脂バインダーや、界面活性剤が挙げられる。防曇層は、ポリオレフィン系農業用フィルムの一方の表層として形成されていてもよいし、両方の表層として形成されていてもよい。また、防曇層は単層膜でも2層以上の多層膜でもよいが、特開2011−245857号公報に記載の2層の多層膜が好ましい。
防曇層を形成する方法としては、二つのポリオレフィン系樹脂層の間に上記中間層を有するフィルムの表面に塗布する方法でもよいし、予め作製した防曇層と、二つのポリオレフィン系樹脂層の間に上記中間層を有するフィルムとを接着する方法でもよい。
防曇層を塗布する方法としては、グラビアコーティング、バーコーティングなどが挙げられる。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムは、防曇性を付与する目的で、防曇剤を含有することができる。防曇剤としては、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレンオキサイド付加物等のソルビタン系界面活性剤、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、トリグリセリンモノステアレート、テトラグリセリンジモンタネート、グリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンセスキオレエート、テトラグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリントリオレエート、テトラグリセリントリオレエート、テトラグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレンオキサイド付加物等のグリセリン系界面活性剤、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート等のポリエチレングリコール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、ソルビタン/グリセリン縮合物と有機酸とのエステル、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミン、ポリオキシエチレン(4モル)ステアリルアミン、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン(4モル)ラウリルアミンモノステアレート等のポリオキシエチレンアルキルアミン及びその脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムは、ヒンダードアミン化合物、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、防曇剤とは異なる添加剤を必要に応じて含んでもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、防霧剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、顔料等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジアルキルフェノール誘導体や2−アルキルフェノール誘導体などのいわゆるヒンダードフェノール系化合物、フォスファイト系化合物やフォスフォナイト系化合物などの3価のリン原子を含むリン系エステル化合物が挙げられる。これら酸化防止剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に色相安定化の観点から、ヒンダードフェノール系化合物とリン系エステル化合物を併用して用いることが好ましい。また酸化防止剤は、各層の重量を100重量%とするとき、それぞれの層に0.01〜1重量%含まれることが好ましく、0.03〜0.5重量%含有されることがより好ましい。
防霧剤としては、例えば、パーフルオロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアルキル基等を有するフッ素化合物(特にフッ素系界面活性剤)、またアルキルシロキサン基を有するシリコーン系化合物(特にシリコーン系界面活性剤)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤の具体例としては、ダイキン工業(株)製のユニダインDS−403N、DS−403、DS−406、DS−401(商品名)、セイミケミカル(株)製のサーフロンKC−40(商品名)等が挙げられ、シリコーン系界面活性剤としては、東レダウコーニング(株)社製のSH−3746(商品名)が挙げられる。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。防霧剤の含有量は、0.01〜3重量%が好ましく、0.02〜2重量%がより好ましく、0.05〜1重量%が特に好ましい(ただし、農業用フィルムの重量を100重量%とする)。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムが農園芸用施設フレームに展張された農園芸用施設は、農薬を使用する等、酸性条件下に長期間さらされる場合においても、展張されたポリオレフィン系農業用フィルムが破れにくく、変色しにくいため、好適に用いられる。上記農園芸用施設としては、植物栽培用の温室やトンネルなどが挙げられる。
以下、本発明の実施例を示す。なお実施例及び比較例中の試験方法は次の通りである。
<ペレットの試験方法>
<1>MFR
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃において、荷重21.18Nで測定を行った。
<1>MFR
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃において、荷重21.18Nで測定を行った。
<2>密度
JIS K6760−1981に規定された方法に従い、測定を行った。
JIS K6760−1981に規定された方法に従い、測定を行った。
<フィルムの試験方法>
<3>色目
フィルムを、温度60℃、相対湿度90%下に30日間曝露し、曝露後の色目を目視にて観察した。
<3>色目
フィルムを、温度60℃、相対湿度90%下に30日間曝露し、曝露後の色目を目視にて観察した。
<4>耐酸性試験1
次に、処理されたフィルムより、JIS K 6781号に規定の引張切断荷重試験片を採取した。そして、JIS K 6783号に準拠し、ブラックパネル温度63℃で、連続式サイクルで、サンシャインウエザーメーターにおいて曝露した。曝露してから、1000時間後に引張試験を行い、引張切断荷重を測定した。また、亜硫酸水に浸漬していないフィルムも、別途、引張切断荷重を測定した。なお、引張切断荷重の測定は、JISK 6781に規定された方法に従い、引張速度=500m/分で測定を行った。
そして、(曝露後の引張切断強度/浸漬前の引張切断強度)×100により算出される引張切断強度の残率を求めた。
次に、処理されたフィルムより、JIS K 6781号に規定の引張切断荷重試験片を採取した。そして、JIS K 6783号に準拠し、ブラックパネル温度63℃で、連続式サイクルで、サンシャインウエザーメーターにおいて曝露した。曝露してから、1000時間後に引張試験を行い、引張切断荷重を測定した。また、亜硫酸水に浸漬していないフィルムも、別途、引張切断荷重を測定した。なお、引張切断荷重の測定は、JISK 6781に規定された方法に従い、引張速度=500m/分で測定を行った。
そして、(曝露後の引張切断強度/浸漬前の引張切断強度)×100により算出される引張切断強度の残率を求めた。
<5>耐酸性試験2
亜硫酸水の濃度を0.06規定とした以外は、<4>と同じ方法で試験を行った。
亜硫酸水の濃度を0.06規定とした以外は、<4>と同じ方法で試験を行った。
<ポリエチレンペレットの作製>
以下に示す方法で、PE−1〜PE−3のポリエチレンペレットを作製した。
(1)助触媒担体の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
以下に示す方法で、PE−1〜PE−3のポリエチレンペレットを作製した。
(1)助触媒担体の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
前記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50重量%)3.46kgとヘキサン2.05kgとを投入し、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール1.55kgとトルエン2.88kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、5℃に冷却し、H2O 0.221kgを反応器の温度を5℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌した。撹拌後、室温にて、残量16Lまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、次に、95℃に昇温し、4時間撹拌した。撹拌後、室温にて、上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することにより、固体成分(以下、助触媒担体(a)と称する。)を得た。
(2)予備重合触媒成分(1)の調製
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド91.8mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次に上記助触媒担体(a)0.7kgを投入し、オートクレーブを31℃まで降温して系内が安定した後、エチレンを0.1kg、水素を0.1リットル(常温常圧体積)仕込み、続いてトリイソブチルアルミニウム267mmolを投入して重合を開始した。エチレンと水素をそれぞれ0.6kg/時間と0.5リットル(常温常圧体積)で連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.6kg/時間と10.9リットル(常温常圧体積)/時間で連続供給することによって合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素などをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、助触媒担体(a)1g当り37gのポリエチレンを含有する予備重合触媒成分(1)を得た。
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド91.8mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次に上記助触媒担体(a)0.7kgを投入し、オートクレーブを31℃まで降温して系内が安定した後、エチレンを0.1kg、水素を0.1リットル(常温常圧体積)仕込み、続いてトリイソブチルアルミニウム267mmolを投入して重合を開始した。エチレンと水素をそれぞれ0.6kg/時間と0.5リットル(常温常圧体積)で連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.6kg/時間と10.9リットル(常温常圧体積)/時間で連続供給することによって合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素などをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、助触媒担体(a)1g当り37gのポリエチレンを含有する予備重合触媒成分(1)を得た。
(3)エチレン−1−ヘキセン共重合体(PE−1)の製造
前記の予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンとの共重合を実施した。重合条件は、温度85℃、全圧2MPa、エチレンに対する水素のモル比は1.22%、エチレンに対する1−ヘキセンのモル比は1.31%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間4時間となるように、前記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、20.5kg/時間の重合効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、PE−1と称する。)のパウダーを得た。
前記の予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンとの共重合を実施した。重合条件は、温度85℃、全圧2MPa、エチレンに対する水素のモル比は1.22%、エチレンに対する1−ヘキセンのモル比は1.31%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間4時間となるように、前記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、20.5kg/時間の重合効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、PE−1と称する。)のパウダーを得た。
(4)エチレン−1−ヘキセン共重合体パウダー(PE−1)の造粒
前記で得たPE−1のパウダーを、押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)により、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、PE−1のペレットを得た。PE−1のペレットのMFRは0.5g/10分、密度は921kg/m3であった。
前記で得たPE−1のパウダーを、押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)により、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、PE−1のペレットを得た。PE−1のペレットのMFRは0.5g/10分、密度は921kg/m3であった。
(5)エチレン−1−ヘキセン共重合体(PE−2)の製造
上記の予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンとの共重合を実施した。重合条件は、温度80℃、全圧2MPa、エチレンに対する水素のモル比は1.48%、エチレンに対する1−ヘキセンのモル比は1.70%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間4時間となるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、20.3kg/時間の重合効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、PE−2と称する。)のパウダーを得た。
上記の予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンとの共重合を実施した。重合条件は、温度80℃、全圧2MPa、エチレンに対する水素のモル比は1.48%、エチレンに対する1−ヘキセンのモル比は1.70%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間4時間となるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、20.3kg/時間の重合効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、PE−2と称する。)のパウダーを得た。
(6)エチレン−1−ヘキセン共重合体パウダー(PE−2)の造粒
上記で得たPE−2のパウダーを、押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)により、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、PE−2のペレットを得た。PE−2のペレットのMFRは0.4g/10分、密度は913kg/m3であった。
上記で得たPE−2のパウダーを、押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)により、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、PE−2のペレットを得た。PE−2のペレットのMFRは0.4g/10分、密度は913kg/m3であった。
(7)エチレン−1−ヘキセン共重合体(PE−3)の製造
上記で得た予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダー(以下、PE−3と称する。)を得た。重合条件としては、重合温度を87℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を0.63%、エチレンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ヘキセンモル比をそれぞれ0.78%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4時間であった。
上記で得た予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダー(以下、PE−3と称する。)を得た。重合条件としては、重合温度を87℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を0.63%、エチレンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ヘキセンモル比をそれぞれ0.78%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4時間であった。
(8)エチレン−1−ヘキセン共重合体パウダー(PE−3)の造粒
得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりPE−3のペレットを得た。PE−3のペレットのMFRは0.4g/10分、密度は926kg/m3であった。
得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりPE−3のペレットを得た。PE−3のペレットのMFRは0.4g/10分、密度は926kg/m3であった。
<添加剤MBの作製>
下記に示した配合で、各樹脂および添加剤を計量し、混練した後、造粒機により造粒して、添加剤マスターバッチペレットMB1〜MB5を作製した。
MB1:PE−4/B1=35/65(重量%)
MB2:PE−4/C1=90/10(重量%)
MB3:PE−4/C2=90/10(重量%)
MB4:PE−4/C3=90/10(重量%)
MB5:EVA−1/C4/C5=90/7.5/2.5(重量%)
なお、略号の意味は、以下の通りである。
PE−4:スミカセンF200−0 (住友化学株式会社製 低密度ポリエチレン)
EVA−1:エバテートH2020(住友化学株式会社製 エチレン・酢酸ビニル共重合体)
B1:Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O (商品名:マグクリア 戸田工業株式会社製)
C1:ヒンダードアミン化合物 (商品名:ホスタビン NOW クラリアント株式会社)
C2:ヒンダードアミン化合物 (商品名:チヌビン NOR 371 BASF製)
C3:ヒンダードアミン化合物 (商品名:チヌビン 622 BASF製)
C4:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
C5:2―(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
下記に示した配合で、各樹脂および添加剤を計量し、混練した後、造粒機により造粒して、添加剤マスターバッチペレットMB1〜MB5を作製した。
MB1:PE−4/B1=35/65(重量%)
MB2:PE−4/C1=90/10(重量%)
MB3:PE−4/C2=90/10(重量%)
MB4:PE−4/C3=90/10(重量%)
MB5:EVA−1/C4/C5=90/7.5/2.5(重量%)
なお、略号の意味は、以下の通りである。
PE−4:スミカセンF200−0 (住友化学株式会社製 低密度ポリエチレン)
EVA−1:エバテートH2020(住友化学株式会社製 エチレン・酢酸ビニル共重合体)
B1:Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O (商品名:マグクリア 戸田工業株式会社製)
C1:ヒンダードアミン化合物 (商品名:ホスタビン NOW クラリアント株式会社)
C2:ヒンダードアミン化合物 (商品名:チヌビン NOR 371 BASF製)
C3:ヒンダードアミン化合物 (商品名:チヌビン 622 BASF製)
C4:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
C5:2―(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
[実施例1]
<フィルムの作製>
各層用に40mm押出機を備えた3層インフレーション成形機で、100mmΦダイス、1.2mmリップを用い、加工温度160℃にて、内層が20μm、中間層が60μm、外層が20μmとなるようにダイスから吐出量を調整して三層のチューブ状フィルムを成形して、切り開いて3層の多層フィルムを得た。各層に用いた原料は、表1に示した。得られたフィルムの評価結果を表1、図1に示した。
<フィルムの作製>
各層用に40mm押出機を備えた3層インフレーション成形機で、100mmΦダイス、1.2mmリップを用い、加工温度160℃にて、内層が20μm、中間層が60μm、外層が20μmとなるようにダイスから吐出量を調整して三層のチューブ状フィルムを成形して、切り開いて3層の多層フィルムを得た。各層に用いた原料は、表1に示した。得られたフィルムの評価結果を表1、図1に示した。
[比較例1]
<フィルムの作製>
各層に用いた原料を、表1に示したように変更したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1、図1に示した。
<フィルムの作製>
各層に用いた原料を、表1に示したように変更したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1、図1に示した。
なお、表に記載した略号は以下の通りである。
PE−5:スミカセンE FV203
(住友化学株式会社製 エチレン・1−ヘキセン共重合体)
PE−5:スミカセンE FV203
(住友化学株式会社製 エチレン・1−ヘキセン共重合体)
本発明に係るポリオレフィン系農業用フィルムは、植物栽培用の温室やトンネルなどの農園芸用施設の被覆フィルムとして利用することができる。
Claims (3)
- 二つのポリオレフィン系樹脂層の間に、
ポリオレフィン系樹脂と、下記式(1)または下記式(2)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物と、Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O(式(3))で表される赤外線吸収剤とを含有する層を有するポリオレフィン系農業用フィルム。
(式中、R1は炭素数60〜1000000のアルキル基を表す。
R10およびR11は、互いに独立して、水素原子、−OH、−OR15、または−NR16R17を表す。
R12は、−CH2−、−CO−、または−NR18−を表す。
R13は、−O−、−CH2−、−CO−、または−NR18−を表す。
R14は、1〜500個の炭素原子及び0〜200個のヘテロ原子を有し、R12、R13及び式(2)のピペリジン環構造においてR12とR13が結合する第4級炭素原子とともに4、5、6または7員環を形成する二価の置換基を表し、上記へテロ原子は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、またはハロゲン原子を表す。
R15、R16、R17およびR18は、互いに独立して、水素原子、または1〜500個の炭素原子および0〜200個のへテロ原子を有する置換基を表し、上記へテロ原子は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、またはハロゲン原子を表す。) - 少なくとも一方の表層として防曇層を有する請求項1に記載のポリオレフィン系農業用フィルム。
- 請求項1または2に記載のポリオレフィン系農業用フィルムが農園芸用施設フレームに展張された農園芸用施設。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012012788A JP2013150565A (ja) | 2012-01-25 | 2012-01-25 | ポリオレフィン系農業用フィルムおよび農園芸用施設 |
Applications Claiming Priority (1)
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