JP6058531B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の表示装置に好適な自発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものであリ、詳しくは複数種のアリールアミン化合物が正孔注入材料として使用され且つアントラセン環骨格とピリドインドール環骨格とを有する化合物が電子輸送材料として使用された有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略称することがある)に関する。
有機EL素子は自己発光性素子であるため、液晶素子にくらべて明るく視認性に優れ、鮮明な表示が可能であることから、活発な研究がなされてきた。
1987年にイーストマン・コダック社のC.W.Tangらは各種の役割を各材料に分担した積層構造素子を開発することにより有機材料を用いた有機EL素子を実用的なものにした。かかる有機EL素子は、電子を輸送することのできる蛍光体と正孔を輸送することのできる有機物とを積層することにより構成されるものであり、両方の電荷を蛍光体の層の中に注入して発光させることにより、10V以下の電圧で1000cd/m以上の高輝度が得られるというものである。
現在まで、有機EL素子の実用化のために多くの改良がなされている。例えば、積層構造の各種の役割がさらに細分化され、基板上に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極がこの順に設けられた構造のものが知られており、このような素子では、高効率と耐久性が達成されている。
また発光効率の更なる向上を目的として三重項励起子の利用が試みられ、燐光発光性化合物の利用も検討されている。
有機EL素子においては、両電極から注入された電荷が発光層で再結合して発光が得られるが、発光効率の向上、駆動電圧の低減、長寿命化を実現するためには、電子や正孔を効率良く注入・輸送し、両者が効率良く再結合できる、キャリアバランスに優れた素子とする必要がある。
有機EL素子に用いられる正孔注入材料としては、初期には銅フタロシアニン(CuPc)のようなフタロシアニン類が提案されたが(例えば、特許文献1参照)、可視域に吸収があることから、フェニレンジアミン構造を有する材料が広く用いられるようになった(特許文献2参照)。
一方、正孔輸送材料としては、ベンジジン骨格を含むアリールアミン系材料が用いられてきた(特許文献3参照)。
代表的な発光材料であるトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)は電子輸送材料として一般的に使用されているが、一般的に使用されている正孔輸送材料が持つ正孔移動度に比べ、Alqが持つ電子移動度が低いこと、Alqの仕事関数が5.8eVと十分な正孔阻止能力があるとは言えないため、このような正孔輸送材料の使用は、正孔の一部が発光層を通り抜けてしまい、効率が低下してしまうという問題がある。
更に、陽極および陰極から発光層へ、正孔注入または電子注入を効率良く行うため、材料の持つイオン化ポテンシャルの値と電子親和力の値を段階的に設定し、正孔注入層および電子注入層それぞれについて2層以上積層した素子が開発されているが(特許文献4参照)、用いられている材料では、発光効率、駆動電圧、素子寿命のいずれにおいても十分であるとはいえない。
現在では、有機EL素子の素子特性を改善させるために、正孔および電子の注入・輸送性能、薄膜の安定性や耐久性に優れた材料を組み合わせることで、キャリアバランスのとれた高効率、低駆動電圧、長寿命な素子が求められている。
米国特許第4,720,432号公報 特開平8−291115号公報 特許第3529735号公報 特開平6−314594号公報
本発明の目的は、正孔および電子の注入・輸送性能、薄膜の安定性や耐久性に優れた有機EL素子用の各種材料を、それぞれの材料が有する特性が効果的に発現できるように組み合わせることで、高効率、低駆動電圧、長寿命の有機EL素子を提供することにある。
そこで、本発明者らは上記の目的を達成するために、アリールアミン系材料が、正孔注入および輸送能力、薄膜の安定性や耐久性に優れていることに着目して、特定の2種類のアリールアミン化合物を選択し、発光層へ正孔を効率良く注入・輸送できるように組み合わせると、アントラセン環骨格とピリドインドール環骨格とを有する化合物が電子注入および輸送能力、薄膜の安定性や耐久性に優れていることに着目し、電子輸送材料として、上記のアリールアミン化合物の組み合わせが使用された素子に適用することにより、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、陽極と陰極との間に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層が設けられている有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記正孔注入層が、3個以上のトリフェニルアミン骨格が単結合または2価の炭化水素基で結合されている分子構造を有するアリールアミン化合物(α)を含み、
前記正孔輸送層が、2個のトリフェニルアミン骨格が単結合または2価の炭化水素基で結合されている分子構造を有するアリールアミン化合物(β)を含み、
前記電子輸送層が、下記一般式(1a)または下記一般式(2a)で表されるアントラセン環骨格とピリドインドール環骨格を有する電子輸送性化合物を含有すること、
を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
一般式(1a)の電子輸送性化合物;
Figure 0006058531
一般式(1a)において、
pは、2価の基Aの数を示し、0〜4の整数であり、
Aは、2価の無置換または置換芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基を示
し、但し、pが2以上であるとき、複数のAは互いに異なっていてよく、pが0であ
るときは、Aは存在せず、アントラセン環とピリドインドール環とが単結合を介して
結合しているものとし、
Arは、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を示し、
Arは、無置換または置換芳香族炭化水素基を示し、
〜Rは、それぞれ、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ
基、トリフルオロメチル基、炭素原子数16の無置換アルキル基、無置換または置
換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を表し、
の数を示すrは、0〜8の整数を表し、
は、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、
または炭素原子数16の無置換アルキル基を表し、rが2以上の数であるとき複
数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、
W、X、Y及びZは、それぞれ、炭素原子または窒素原子を表すが、そのいずれか
1つのみが窒素原子であるものとし、この場合の窒素原子にはR〜Rが結合して
いないものとする。
一般式(2a)の電子輸送性化合物;
Figure 0006058531
一般式(2a)において、
qは、2価の基Bの数を示し、0〜4の整数であり、
Bは、2価の無置換または置換芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基を示
し、但し、qが2以上であるとき、複数のBは互いに異なっていてよく、qが0であ
るときは、Bは存在せず、アントラセン環とピリドインドール環とが単結合を介して
結合しているものとし、
Arは、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を示し、
Ar及びArは、無置換または置換芳香族炭化水素基を示し、
〜R15は、それぞれ、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シア
ノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数16の無置換アルキル基、無置換または
置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を表し、
16の数を示すr16は、0〜7の整数を表し、
16は、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル
基、または炭素原子数16の無置換アルキル基を表し、r16が2以上の数である
とき、複数のR16は互いに同一でも異なっていてもよく、
W、X、Y及びZは、それぞれ、炭素原子または窒素原子を表すが、そのいずれか
1つのみが窒素原子であるものとし、この場合の窒素原子にはR〜R12が結合し
ていないものとする。
本発明の有機EL素子において、正孔注入層に使用される前記アリールアミン化合物(α)、即ち、3個以上のトリフェニルアミン骨格が単結合または2価の炭化水素基で結合されている分子構造を有するアリールアミン化合物(α)としては、下記一般式(3)で表されるものが好適である。
一般式(3)のアリールアミン化合物(α);
Figure 0006058531
式中、
17〜r28は、それぞれR17〜R28の数を示すものであり、
これらの内、r17、r18、r21、r24、r27及びr28は、
0〜5の整数を表し、r19、r20、r22、r23、r25及び
26は、0〜4の整数を表し、
17〜R28は、それぞれ、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、
シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6の無置換ア
ルキル基、炭素原子数2ないし6の無置換もしくは置換アルケニル基
、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基であり
、これらの基の中で同一のベンゼン環に結合しているもの同士は、互
いに結合して環を形成していてもよく、
〜Eは、それぞれ、単結合或いは下記式;
Figure 0006058531
式中、
n1は、1〜3の整数を表し、
29、R30及びR31の数を示すr29、r30、r31は、そ
れぞれ、0〜4の整数を表し、
29、R30及びR31は、それぞれ、前記R17〜R28と同様
の原子もしくは基を示す、
の何れかで表される2価の基を表す。
また、本発明の有機EL素子において、正孔輸送層に使用される前記アリールアミン化合物(β)、即ち、2個のトリフェニルアミン骨格が単結合または2価の炭化水素基で結合されている分子構造を有するアリールアミン化合物(β)としては、下記一般式(4)で表されるものが好適である。
一般式(4)のアリールアミン化合物(β);
Figure 0006058531
式中、
32〜R37の数を示すr32〜r37において、r32、r33
、r36、r37は、0〜5の整数を表し、
34、r35は0〜4の整数を表し、
32〜R37は、それぞれ、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、
シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6の無置換
アルキル基、炭素原子数2ないし6の無置換もしくは置換アルケニ
ル基、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基
であり、これらの基の中で同一のベンゼン環に結合しているもの同
士は、互いに結合して環を形成していてもよく、
は、単結合或いは下記式;
Figure 0006058531
式中、
n1は、1〜3の整数を表し、
29、R30及びR31の数を示すr29、r30、r31は、そ
れぞれ、0〜4の整数を表し、
29、R30及びR31は、それぞれ、前記R17〜R28と同様
の原子もしくは基を示す、
の何れかで表される2価の基を表す。
本発明の有機EL素子では、トリフェニルアミン骨格を分子中に3個以上有するアリールアミン化合物(α)が正孔注入層に使用され、トリフェニルアミン骨格を分子中に2個有するアリールアミン化合物(β)が正孔輸送層に使用され、さらに、電子輸送層に、前述した一般式(1)或いは(2)で表されるアントラセン環骨格とピリドインドール環骨格とを有する電子輸送性化合物が使用されていることが顕著な特徴である。
即ち、本発明においては、正孔及び電子の注入・輸送性に優れ、しかも薄膜の安定性や耐久性に優れている材料を、キャリヤバランスを考慮しながら組み合わせているため、正孔注入層への正孔注入効率や正孔輸送層から発光層への正孔輸送効率及び電子輸送層から発光層への電子輸送効率が、バランスよく向上している。この結果、本発明の有機ELは、高い発光効率を示し、駆動電圧も低く、優れた耐久性を示す。
このように本発明によれば、有機EL素子の発光効率の向上、駆動電圧の低減及び長寿命化を実現できる。
実施例8〜14、比較例1〜2で作製した有機EL素子の積層構造を示した図である。
<電子輸送性化合物>
本発明においては、アントラセン環骨格とピリドインドール環骨格とを有する電子輸送性化合物を電子輸送層の形成に使用するが、この電子輸送性化合物には、先に述べられているように、一般式(1)で表されるものと一般式(2)で表されるものがある。
一般式(1);
Figure 0006058531
一般式(2);
Figure 0006058531
上記の一般式から理解されるように、一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物とは、ピリドインドール環が連結しているアントラセン環の結合位置が異なるだけであり、その他の点では、両者は実質的に同じ構造を有する。即ち、一般式(1)の化合物は、アントラセン環の9位或いは10位にピリドインドール環が連結されているのに対して、一般式(2)の化合物は、アントラセン環の9位及び10位以外の位置にピリドインドール環が連結された構造を有する。
例えば、ピリドインドール環の一部を形成している原子W,X,Y及びZは、両者とも共通している。
また、一般式(1)におけるp及び2価の基Aは、一般式(2)におけるq及び2価の基Bに対応し、一般式(1)におけるAr及びArは、一般式(2)におけるAr、Ar及びArに対応している。さらに、一般式(1)におけるR〜Rは、一般式(2)におけるR〜R16に対応し、一般式(1)のrは、一般式(2)におけるr16に対応する。
以下、一般式(1)、(2)中の各基等について説明する。
(2価の基A、B及びp、q)
上記の一般式(1)、(2)において、p及びqは、2価の基A及びBの数を示し、0〜4の整数である。
即ち、これらの電子輸送性化合物は、2価の基A或いはBによってアントラセン環とピリドインドール環が結合された構造を有するが、p或いはqがゼロの場合には、2価の基A或いはBは存在せず、アントラセン環とピリドインドール環とは単結合により直接結合されたものとなっている。また、複数の2価の基A或いはBが連なってアントラセン環とピリドインドール環とを結合している場合(即ち、p或いはqが2以上のとき)、複数の基A或いはBは、互いに異なるものであってもよい。
このような2価の基A、Bは、芳香族炭化水素環基或いは芳香族複素環基であり、これらの環基は単環構造を有するものであってもよいし、縮合多環構造を有するものであってもよい。
例えば、上記の環基を形成する芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インデン環、ピレン環などを例示することができ、芳香族複素環としては、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾイミダゾール環、ピラゾール環、カルバゾール環、ナフチリジン環、フェナトリジン環、アクリジン環などを挙げることができる。
また、上記の芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基は、この化合物の電子輸送性が損なわれない限り、置換基を有していてもよく、このような置換基としては、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6のアルキル基、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基を挙げることができる。
このような置換基において、上記の炭素原子数1ないし6のアルキル基は直鎖状、分岐状の何れであってもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等を挙げることができる。
上記置換基である芳香族炭化水素基の例としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントリル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基等を挙げることができる。
また、上記置換基における芳香族複素環基としては、インデニル基、ピレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、フラニル基、ピロニル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基等を例示することができる。
また、上記の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
さらにキノン構造が形成されているものでもよく、例えば、フルオレノン環も2価の基A或いはBであってよい。
(Ar及びAr
一般式(1)におけるAr及び一般式(2)におけるArは、芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基(これらは一価の基である)を示し、これらの基は、何れも縮合多環構造を有していてもよい。
この芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントリル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基等を挙げることができる。
また、芳香族複素環基としては、インデニル基、ピレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、フラニル基、ピロニル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基等を挙げることができる。
また、このような芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基も、電子輸送性に悪影響を与えない限り、置換基を有していてもよい。このような置換基としては、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、水酸基、ニトロ基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、スチリル基、ピリジル基、ピリドインドリル基、キノリル基、ベンゾチアゾリル基のような基をあげることができ、これらの置換基はさらに置換されていても良い。
(Ar及びAr,Ar
一般式(1)中のAr及び一般式(2)中のAr,Arは、芳香族炭化水素基を示し、この芳香族炭化水素基も縮合多環構造を有していてよい。
このような芳香族炭化水素基は、上記Ar及びArに関して例示したものと同様の基、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントリル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基等を挙げることができる。
さらに、これらの芳香族炭化水素基も、上記のAr及びArに関して例示したものと同様の置換基を有していてもよく、かかる置換基もさらに置換基を有していてもよい。
(R〜R及びR〜R15
一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6の無置換アルキル基、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を表す。また、一般式(2)におけるR〜R15も、これらR〜Rと同じである。
上記の炭素原子数1ないし6の無置換アルキル基は、前述した2価の基Aが有していてよい置換基として挙げたアルキル基と同様のものである。
また、上記の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基は、上記のArに関して示したものと同様の基であり、これらの基が有していてよい置換基も、Arに関して示したものと同様である。
(R、r及びR16、r16
一般式(1)中のrはアントラセン環に結合し得るRの数を示し、0〜8の整数を表す。同様に、一般式(2)中のr16はR16のアントラセン環に結合し得るRの数を示し、0〜7の整数を表す。
また、R及びR16は、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、または炭素原子数1ないし6の無置換アルキル基を表し、さらに、r及びr16が2以上の数であるとき複数のR及びR16は互いに同一でも異なってもよい。
上記の無置換アルキル基も、前述した2価の基A、Bが有していてよい置換基として挙げたアルキル基と同様のものである。
(W〜Z)
ピリドインドール環の一部を形成している原子W,X,Y及びZは、一般式(1)及び一般式(2)の何れの場合においても、これらの何れか一つのみが窒素原子であり、他は炭素原子である。一般的には、これに限定されるものではないが、Yが炭素原子であり、W,X及びZが窒素原子となる。
また、この環を構成する炭素原子には、基R〜R(水素原子を含む)の何れかが結合しているが、窒素原子には、基R〜Rは結合しておらず、水素原子も結合していない。
好適な一般式(1)の電子輸送性化合物;
本発明において、上記一般式(1)で表される電子輸送性化合物においては、例えば下記式(1a)で示されている位置に、アントラセン環がピリドインドール環に結合する位置が固定されていることが好ましい。
Figure 0006058531
上記一般式(1a)において、A、Ar、Ar、R〜R、p及びr、W、X、Y及びZは、前記一般式(1)で記載したとおりである。
また、先にも述べたように、環構成原子W〜Zの内、Yが窒素原子であることが好ましく、さらに、アントラセン環とピリドインドール環とは、単結合で連結された構造となっているか(即ち、p=0)或いは2価のベンゼン環基(フェニレン基)もしくはナフタレン環基で連結された構造を有していること(p=1)が好適であり、さらには、r=0であることが好適である。このような構造を有する好適な電子輸送性化合物は、例えば下記一般式(1b)〜(1g)で表される。
Figure 0006058531
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尚、前記一般式(1b)〜(1g)において、Ar、Ar、R、R及びR〜Rは、前記一般式(1)で記載したとおりである。
一般式(1)の電子輸送性化合物の具体例;
上述した一般式(1)で表される電子輸送性化合物の具体例としては、これに限定されるものではないが、以下のものを例示することができる。
Figure 0006058531
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好適な一般式(2)の電子輸送性化合物;
本発明において、前述した一般式(2)で表される電子輸送性化合物においては、例えば下記式(2a)で示されているように、アントラセン環の2位にピリドインドール環が結合していることが好ましく、さらに、下記式(2b)で示されている位置に、アントラセン環がピリドインドール環に結合する位置が固定されていることが好ましい。
Figure 0006058531
Figure 0006058531
尚、前記式中、B、Ar〜Ar、R〜R16、q及びr16、W、X、Y及びZは、前記一般式(2)で記載したとおりである。
また、かかる電子輸送性化合物においても、環構成原子W〜Zの内、Yが窒素原子であることが好ましく、さらに、アントラセン環とピリドインドール環とは、単結合で連結された構造となっているか(即ち、q=0)或いはフェニレン基で連結された構造を有していること(q=1)が好適であり、さらには、r16=0であることが好適である。
このような構造を有する好適な電子輸送性化合物は、例えば下記一般式(2c)〜(2e)で表される。
Figure 0006058531
Figure 0006058531
Figure 0006058531
尚、上記の式中、Ar〜Ar、R、R10、R12〜R15は、前記一般式(2)で記載したとおりである。
一般式(2)の電子輸送性化合物の具体例;
上述した一般式(2)で表される電子輸送性化合物の具体例としては、これに限定されるものではないが、以下のものを例示することができる。
Figure 0006058531
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(電子輸送性化合物の製造)
上述した一般式(1)或いは(2)で表される電子輸送性化合物は、新規な化合物であり、これらの化合物は例えば、以下のように合成できる。
まず、相当するハロゲノアニリノピリジンをパラジウム触媒による環化反応を行うことによって相当するピリドインドール誘導体を合成し(例えば、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1505(1999)参照)、さらに、種々の芳香族炭化水素化合物もしくは芳香族複素環化合物のハライドとのUllmann反応やBuchwald−Hartwig反応などの縮合反応を行うことによって、相当する5位にアリール基(Ar、Ar)が導入されたピリドインドール誘導体を合成することができる。
このようにして合成されたピリドインドール誘導体を、N−ブロモスクシンイミドなど用いてブロモ化し、相当するブロモ体を合成することができる。
このようなピリドインドール誘導体のブロモ体と、既知の方法によって合成したアントラセン環構造を有するボロン酸またはボロン酸エステル(例えば、J.Org.Chem.,60,7508(1995)参照)を、Suzukiカップリングなどのクロスカップリング反応を行うことによって(例えば、非特許文献5参照)、アントラセン環骨格とピリドインドール環骨格とを有する前述した電子輸送性化合物を合成することができる。
また、上記ピリドインドール誘導体のブロモ体から対応するボロン酸またはボロン酸エステルを合成し、これに芳香族炭化水素もしくは芳香族複素環のジハロゲン化物を反応させることによって、ハロゲン化アリール基が結合したピリドインドール誘導体とした後に、上記アントラセン環構造を有するボロン酸またはボロン酸エステルを、Suzukiカップリングなどのクロスカップリング反応を行うことによっても、アントラセン環骨格とピリドインドール環骨格とを有する前述した電子輸送性化合物を合成することができる。
<アリールアミン化合物(α)>
本発明においては、3個以上のトリフェニルアミン骨格が単結合または2価の炭化水素基(即ち、ヘテロ原子を含まない2価の基)で結合されている分子構造を有するアリールアミン化合物(α)を用いて正孔注入層を形成する。このアリールアミン化合物(α)は、後述するアリールアミン化合物(β)と比較しても正孔移動度が高い。
このようなアリールアミン化合物(α)は、例えば種々のトリフェニルアミンの3量体あるいは4量体などであり、特に正孔移動度が高いという点で、トリフェニルアミン骨格を4個有しているものが好ましい。このような4個のトリフェニルアミン骨格を有するアリールアミンとしては、下記の一般式(3)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0006058531
(R17〜R28及びr17〜r28
前記一般式(3)において、r17〜r28は、それぞれ分子中の各ベンゼン環に結合し得る基R17〜R28の数を示すものであり、これらの内、r17、r18、r21、r24、r27及びr28は、0〜5の整数を表す。また、r19、r20、r22、r23、r25及びr26は、0〜4の整数を表す。即ち、r17〜r28の値が0であることは、当該ベンゼン環には基R17〜R28が結合していないことを意味する。
17〜R28は、それぞれ、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6の無置換アルキル基、炭素原子数2ないし6の無置換もしくは置換アルケニル基、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基であり、これらの基の中で同一のベンゼン環に結合しているもの同士は(r17〜r28が2以上の場合)、互いに結合して環を形成していてもよい。
上記のR17〜R28において、炭素原子数1ないし6の無置換アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等を挙げることができる。
炭素原子数2ないし6の無置換アルケニル基も、直鎖状でも分岐状でもよく、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基等を例示することができる。
芳香族炭化水素基の例としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントリル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基等を挙げることができる。
芳香族複素環基としては、インデニル基、ピレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、フラニル基、ピロニル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基等を例示することができる。
また、上記のアルケニル基、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基は、何れも置換基を有していてもよい。このような置換基は、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6のアルキル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基を例示することができ、これらの置換基はさらに置換基を有しても良い。
さらに、R17〜R28の中で複数存在するものが互いに結合して環を形成する場合、単結合を介して互いに結合して環を形成していてもよいし、或いは置換基を有していてもよいメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。特に、ジメチルメチレン基を介して互いに結合して環を形成していることが好ましい。
本発明においては、R17〜R28の少なくとも一つが、重水素原子であるか、或いは重水素原子を含む基、例えば重水素原子を置換基として有するアルケニル基、芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基であることが好ましい。
(E〜E
また、一般式(3)において、E〜Eは、トリフェニルアミン骨格同士の結合部分に相当するものであり、単結合或いは2価の炭化水素基を示す。
この2価の炭化水素基、即ち、ヘテロ原子を含まない2価の基としては、下記式;
Figure 0006058531
尚、上記の2価の基を示す式中、n1は、1〜3の整数を表し、R29、R30及びR31の数を示すr29、r30、r31は、それぞれ、0〜4の整数を表す。
また、R29、R30及びR31は、それぞれ、前記R17〜R28と同様の原子もしくは基を示すものである。
一般式(3)のアリールアミン化合物(α)の具体例;
上述した一般式(3)で表されるアリールアミン化合物(α)の具体例としては、これに限定されるものではないが、以下の(3−1)〜(3−23)の化合物を挙げることができるが、これらの中でも、上述した一般式(3)で表されるトリアリールアミン(トリフェニルアミン骨格を4個有するもの)が特に好ましい。
Figure 0006058531
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Figure 0006058531
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Figure 0006058531
また、前述した一般式(3)で表されるようなトリフェニルアミン骨格を4個有するものではないが、下記(3’−1)〜(3’−7)で示すようなトリフェニルアミン骨格を3個有する化合物もアリールアミン化合物(α)として、正孔注入層の形成に好適に使用することができる。
Figure 0006058531
Figure 0006058531
Figure 0006058531
Figure 0006058531
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Figure 0006058531
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<アリールアミン化合物(β)>
本発明においては、正孔輸送層を形成する化合物として、2個のトリフェニルアミン骨格が単結合または2価の炭化水素基(即ち、ヘテロ原子を含まない2価の基)で結合されている分子構造を有するアリールアミン化合物(β)が使用される。
このようなアリールアミン化合物(β)は、例えば下記の一般式(4)で表わされる。
Figure 0006058531
(R32〜R37及びr32〜r37
上記一般式(4)において、r32〜r37は、分子中のベンゼン環に結合し得る基R32〜R37の数を示すものであり、r32、r33、r36、r37は、0〜5の整数であり、r34、r35は、0〜4の整数を表す。即ち、r32〜r37の値が0であるときは、当該ベンゼン環には基R32〜R37が結合していないことを意味する。
32〜R37は、それぞれ、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし6の無置換アルキル基、炭素原子数1ないし6の無置換もしくは置換アルケニル基、無置換もしくは置換芳香族炭化水素基または無置換もしくは置換芳香族複素環基を示す。また、R32〜R37が複数存在するものは(r32〜r37が2以上の場合)、互いに結合して環を形成していても良い。
上記のR32〜R37において、炭素原子数1ないし6の無置換アルキル基または炭素原子数2ないし6の無置換アルケニル基は、直鎖状若しくは分岐状でもよく、具体的には、一般式(3)のR17〜R28について例示したものと同じアルキル基及びアルケニル基を挙げることができる。
芳香族炭化水素基または芳香族複素環基の具体例としては、R17〜R28の場合と同様な基をあげることができる。
さらに、上記のアルケニル基、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基は置換基を有していてもよく、このような置換基としても、R17〜R28について挙げた置換基と同じ基を挙げることができる。
また、基R32〜R37の中で複数存在するものが互いに結合して環を形成する場合、単結合を介して互いに結合して環を形成していてもよいし、或いは置換基を有していてもよいメチレン基、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。特に、ジメチルメチレン基を介して互いに結合して環を形成していることが好ましい。
本発明において、R32〜R37の少なくとも一つが、重水素原子若しくは重水素原子を含む置換基(例えば、置換基として重水素原子を有するアルケニル基、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基)であることが好ましい。
(E
また、一般式(4)において、Eは、前述した一般式(3)中のE〜Eと同じであり、単結合或いは2価の炭化水素基を示す。
この2価の炭化水素基は、先のE〜Eについて述べたとおり、下記式;
Figure 0006058531
で表される。
上記の式において、n1は、1〜3の整数を表し、R29、R30及びR31の数を示すr29、r30、r31は、それぞれ、0〜4の整数を表す。また、R29、R30及びR31は、それぞれ、前記R17〜R28と同様の原子もしくは基を示すものである。
一般式(4)のアリールアミン化合物(β)の具体例;
上述した一般式(4)で表されるアリールアミン化合物(β)の具体例としては、これに限定されるものではないが、例えば、以下の(4−1)〜(4−23)の化合物を挙げることができる。
Figure 0006058531
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また、前述した一般式(4)で表されるものではないが、下記(4’−1)及び(4’−2)で示すようなトリフェニルアミン骨格を2個有する化合物もアリールアミン化合物(β)として、正孔輸送層の形成に好適に使用することができる。
Figure 0006058531
Figure 0006058531
<有機EL素子の構造>
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極との間に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層がこの順に形成されているという基本構造を有しているものであり、特に、正孔注入層が、トリフェニルアミン骨格を有するアリールアミン化合物(α)により形成され、正孔輸送層は、トリフェニルアミン骨格を有するアリールアミン化合物(β)により形成され、さらに、電子輸送層が、前述した一般式(1)或いは(2)の電子輸送性化合物により形成されているという構造を有している。
以下、この有機EL素子を構成する各層について説明する。
<陽極及び陰極>
本発明の有機EL素子において、陽極は、透明プラスチック基板(例えばポリエチレンテレフタレート基板)やガラス基板などの透明基板上への蒸着により設けられるものであり、ITOや金のような仕事関数の大きな電極材料により形成される。
また、陰極としては、アルミニウムのような仕事関数の低い金属や、マグネシウム銀合金、マグネシウムインジウム合金、アルミニウムマグネシウム合金のような、より仕事関数の低い合金が電極材料として用いられる。
<正孔注入層>
正孔注入層は、前述したアリールアミン化合物(α)、即ち、トリフェニルアミン骨格を分子中に3個以上有する化合物により形成される。即ち、このアリールアミン化合物(α)は、正孔移動度が極めて大きく、しかも薄膜状態が安定に維持できる。従って、このような化合物を用いて正孔注入層を形成することにより、発光効率の向上、駆動電圧の低減及び長寿命化を実現できるのである。
また、本発明においては、発光効率、駆動電圧、耐久性等の性能が損なわれない限りにおいて、正孔注入層形成用材料として知られている他の化合物、例えば、銅フタロシアニンに代表されるポルフィリン化合物;ヘキサシアノアザトリフェニレンのようなアクセプター性の複素環化合物;その他の塗布型(有機溶剤可溶性)の高分子材料などを、上記のアリールアミン化合物(α)と併用することもできる。このような他の化合物は、アリールアミン化合物(α)との混合物の形で正孔注入層を形成することができ、この場合、アリールアミン化合物(α)当り50重量%以下の少量とすべきである。また、アリールアミン化合物(α)により形成された層に積層する形で、他の化合物の層を1層或いは複数層設けることもできる。
<正孔輸送層>
正孔注入層に隣接して設けられる正孔輸送層は、前述したアリールアミン化合物(β)、トリフェニルアミン骨格を分子中に2個有する化合物により形成される。
この正孔輸送層も、上述した正孔注入層と同様、アリールアミン化合物(β)以外の他の正孔輸送性化合物が併用されていてもよい。このような他の化合物は、アリールアミン化合物(β)との混合物の形で正孔輸送層を形成することができ、この場合、本発明の有機EL素子の性能が損なわれない範囲の量で(例えばアリールアミン化合物(β)当り50重量%以下)、併用すべきである。また、アリールアミン化合物(β)により形成された層に積層する形で、他の正孔輸送性化合物の層を1層或いは複数層設けることもできる。
<発光層>
発光層は、従来公知の有機EL素子に使用されているものと同じであり、例えば、Alq等のキノリノール誘導体の金属錯体のほか、亜鉛、ベリリウム、アルミニウムなどの各種金属の錯体、アントラセン誘導体、ビススチリルベンゼン誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体などの発光材料を用いて発光層を形成することができる。さらには、前述した一般式(1)或いは一般式(2)で表されるアントラセン骨格とピリドインドール骨格を有する化合物を用いて発光層を形成することもできる。
また、ホスト材料及びドーパント材料(ゲスト材料)を用いて発光層を形成することもできる。この場合、ホスト材料としては、上記の前記発光材料に加え、チアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体などを用いることができる。ドーパント材料としては、キナクリドン、クマリン、ルブレン、ペリレンおよびそれらの誘導体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、アミノスチリル誘導体などを用いることができる。
更に、ゲスト材料として燐光発光体を使用することも可能である。燐光発光体としては、イリジウムや白金などの金属錯体の燐光発光体を使用することができる。例えば、Ir(ppy)などの緑色の燐光発光体、FIrpic、FIr6などの青色の燐光発光体、BtpIr(acac)などの赤色の燐光発光体などが用いられる。
このときのホスト材料としては、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)、TCTA、mCPなどのカルバゾール誘導体などの正孔注入・輸送性のホスト材料を用いることができ、p−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH2)、2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(TPBI)などの電子輸送性のホスト材料も使用することができる。このようなホスト材料を使用することにより高性能の有機EL素子を作製することができる。
尚、燐光発光体のホスト材料へのドープは濃度消光を避けるため、発光層全体に対して1〜30重量パーセントの範囲で、共蒸着によってドープすることが好ましい。
尚、かかる発光層は、単層構造に限定されるものではなく、上述した各種の化合物を用いて形成された層が積層された積層構造を有するものであってもよい。
<電子輸送層>
本発明の有機EL素子において、電子輸送層は、前述した一般式(1)或いは一般式(2)で表される電子輸送性化合物を用いて形成される。即ち、この電子輸送性化合物は、アントラセン骨格とピリドインドール骨格とを有しており、このような構造の電子輸送性化合物を用いて電子輸送層を形成することにより、前述した正孔注入層及び正孔輸送層が有する正孔注入・輸送特性とのバランスを確保でき、発光効率、駆動電圧、耐久性(長寿命)に関して優れた性能を発揮する有機EL素子が得られるのである。
また、かかる電子輸送層においても、前述した電子輸送性化合物以外のもの、例えば、Alq等のキノリノール誘導体の金属錯体のほか、亜鉛、ベリリウム、アルミニウムなどの各種の金属錯体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、カルボジイミド誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体などの公知の電子輸送性材料を、併用することができる。このような他の電子輸送性材料は、一般式(1)或いは一般式(2)の電子輸送性化合物との混合物の形で電子輸送層を形成することができ、この場合、このような他の電子輸送性材料の使用量も、本発明で得られる優れた特性を損なわない範囲の少量とすべきであり、一般式(1)或いは一般式(2)の電子輸送性化合物当り50重量%以下とするのがよい。また、一般式(1)或いは一般式(2)の電子輸送性化合物により形成された層に積層する形で、他の電子輸送性材料の層を1層或いは複数層設けることもできる。
<その他の層>
本発明の有機EL素子においては、上述した特定の化合物を用いて正孔注入層、正孔輸送層及び電子輸送層が形成されている限りにおいて、必要に応じて、他の層を設けることができる。例えば、正孔輸送層と発光層との間には電子阻止層を設けることができ、発光層と電子輸送層との間には正孔阻止層を設けることができ、さらに、電子輸送層と陰極との間には電子注入層を設けることができる。
電子阻止層;
電子阻止層は、注入された電子が発光層を通過してしまうことを阻止するために設けられるものである。電子阻止層を形成するための材料としては、電子阻止性を有する種々の化合物を使用することができ、下記のカルバゾール誘導体が代表的である。
4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン
(TCTA);
9,9−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]フルオレン;
1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP);
2,2−ビス(4−カルバゾール−9−イルフェニル)アダマンタン
(Ad−Cz);
また、上記のカルバゾール誘導体以外にも、9−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−9−[4−(トリフェニルシリル)フェニル]−9H−フルオレンに代表されるトリフェニルシリル基を有しており且つトリアリールアミン骨格を分子中に有している化合物なども、電子阻止層形成用の材料として使用することができる。
正孔阻止層;
正孔阻止層は、注入された正孔が発光層を通過してしまうことを阻止するために設けられるものであり、バソクプロイン(BCP)などのフェナントロリン誘導体、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナート)−4−フェニルフェノレート(BAlq)などのキノリノール誘導体の金属錯体の他、各種の希土類錯体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、オキサジアゾール誘導体など、正孔阻止作用を有する化合物により形成される。
電子注入層;
電子注入層は、フッ化リチウム、フッ化セシウムなどのアルカリ金属塩、フッ化マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、酸化アルミニウムなどの金属酸化物などを用いて形成することができる。
<有機EL素子の製造>
上述した構造を有する本発明の有機EL素子は、例えば陽極、陰極、及び陽極と陰極の間の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び適宜設けられる電子阻止層、正孔阻止層、電子注入層などを、その材料の種類に応じて、蒸着法、スピンコート法、インクジェット法等の公知の方法によって透明基板上に成膜することによって製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
8−(9,10−ジフェニルアントラセン−2−イル)−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(2−1)]の合成;
窒素置換した反応容器に、
ヨードベンゼン 43.0ml、
5H−ピリド[4,3−b]インドール 50.0g、
銅粉 1.9g、
炭酸カリウム 82.2g、
ジメチルスルホキシド 2.1ml、
を加えて加熱し、170℃で3時間攪拌した。100℃まで冷却し、さらにトルエン500mlを加えて、100℃で1時間攪拌した。不溶物をろ過によって除き、ろ液を減圧下で濃縮することによって粗製物を得た。
粗製物をカラムクロマトグラフ(担体:NHシリカゲル、溶離液:トルエン)によって精製し、5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドールの黄色液体69.9g(収率96%)を得た。
上記で得られたインドール化合物の黄色液体 27.2g
ジメチルホルムアミド 150ml
を窒素置換した反応容器に加え、攪拌しながら、
N−ブロモスクシンイミド 23.8g
を加えて加熱し、50℃で10時間攪拌した。室温まで冷却し、クロロホルム300ml、水300mlを加えた後に攪拌し、その後有機相を分液した。有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧下で濃縮することによって粗製物を得た。
この粗製物をカラムクロマトグラフ(担体:NHシリカゲル、溶離液:トルエン/ヘキサン)によって精製し、8−ブロモ−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドールの黄色液体18.0g(収率50%)を得た。
上記で得られたピリドインドールのブロモ化物2.8g、
9,10−ジフェニルアントラセン−2−ボロン酸 3.6g、
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.1g、
2M炭酸カリウム水溶液 22ml、
トルエン 60ml、
エタノール 15ml、
を窒素置換した反応容器に加えて加熱し、攪拌しながら16時間還流した。室温まで冷却し、トルエン100ml、飽和食塩水100mlを加えた後に攪拌し、その後有機相を分液した。
この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧下で濃縮することによって粗製物を得た。
粗製物をカラムクロマトグラフ(担体:NHシリカゲル、溶離液:トルエン/ヘキサン)によって精製し、8−(9,10−ジフェニルアントラセン−2−イル)−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(2−1)]の黄色粉体3.0g(収率61%)を得た。
尚、得られた黄色粉体についてはNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の28個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=9.39(1H)
=8.52(1H)
=8.36(1H)
=7.98(1H)
=7.84(1H)
=7.74(3H)
=7.50−7.67(16H)
=7.45(1H)
=7.35(2H)
=7.29(1H)
<実施例2>
8−〔9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)−アントラセン−2−イル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(2−2)]の合成;
実施例1で得られたピリドインドールのブロモ化物(8−ブロモ−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドールを用いて、次のようにして合成を行った。
上記のピリドインドールのブロモ化物 2.0g
9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−ボロン酸
3.5g
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.4g
2M炭酸カリウム水溶液 10ml
トルエン 20ml
エタノール 5ml
を窒素置換した反応容器に加えて加熱し、攪拌しながら5.5時間還流した。室温まで冷却し、トルエン50ml、水30mlを加えた後に攪拌し、その後、有機相を分液した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧下で濃縮することによって粗製物を得た。
粗製物をカラムクロマトグラフ(担体:NHシリカゲル、溶離液:トルエン)によって精製し、8−〔9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)−アントラセン−2−イル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(2−2)]の黄色粉体2.2g(収率53%)を得た。
尚、得られた黄色粉体についてはNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の32個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=9.32(1H)
=8.48(1H)
=8.32(1H)
=8.11(2H)
=8.02−8.07(5H)
=7.95(2H)
=7.88(1H)
=7.68−7.78(5H)
=7.58−7.64(7H)
=7.49(3H)
=7.37(1H)
=7.33(2H)
=7.24(1H)
<実施例3>
8−〔4−[10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル]フェニル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−6)]の合成;
8−(4−ブロモフェニル)−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドールを合成し、このピリドインドール誘導体を原料として用いた。
窒素置換した反応容器に、
上記ピリドインドール誘導体 4.0g
10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−ボロン酸
4.1g
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.3g
2M炭酸カリウム水溶液 15ml
トルエン 32ml
エタノール 8ml
を加えて加熱し、攪拌しながら18時間還流した。室温まで冷却し、ろ過により析出物を採取した。析出物を1,2−ジクロロベンゼンに加熱しながら溶解し、不溶物をろ過によって除いた後、ろ液を減圧下で濃縮することによって粗製物を得た。
粗製物を1,2−ジクロロベンゼンによる再結晶によって精製し、8−〔4−(10−ナフタレン−2−イル−アントラセン−9−イル)−フェニル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−6)]の黄色粉体2.5g(収率40%)を得た。
得られた黄色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の30個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=9.50(1H)
=8.62(1H)
=8.57(1H)
=8.09(1H)
=8.04(1H)
=7.99(3H)
=7.92(2H)
=7.87(2H)
=7.75(2H)
=7.66−7.72(2H)
=7.55−7.66(9H)
=7.30−7.40(5H)
<実施例4>
8−〔3−[10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル]フェニル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−11)]の合成;
実施例3と同様、8−(3−クロロフェニル)−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドールを合成し、このピリドインドール誘導体を原料として用いた。
窒素置換した反応容器に、
上記のピリドインドール誘導体 2.85g
10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−ボロン酸
3.35g
酢酸パラジウム 0.05g
ブチルジアダマンチルホスフィン 0.17g
りん酸三カリウム 5.11g
キシレン 29ml
を加えて加熱し、攪拌しながら26時間還流した。室温まで冷却し、トルエン50ml、水100mlを加えた後に攪拌し、その後有機相を分液した。有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧下で濃縮することによって粗製物を得た。
粗製物をカラムクロマトグラフ(担体:NHシリカゲル、溶離液:トルエン/ヘキサン)によって精製し、8−〔3−[10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル]フェニル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−11)]の黄白色粉体1.81g(収率36.2%)を得た。
得られた黄白色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の30個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=9.41(1H)
=8.52(2H)
=8.08(1H)
=8.02(1H)
=8.00(1H)
=7.93(2H)
=7.90(1H)
=7.87(2H)
=7.83(1H)
=7.76−7.73(3H)
=7.62(5H)
=7.56(2H)
=7.54−7.49(3H)
=7.37(2H)
=7.31(3H)
<実施例5>
8−〔4−[10−フェニルアントラセン−9−イル]ナフタレン−1−イル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−15)]の合成;
実施例3と同様、8−(4−ブロモナフタレン−1−イル)−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール)を合成し、このピリドインドール誘導体を原料として用いた。
窒素置換した反応容器に、
上記のピリドインドール誘導体 4.00g
10−フェニルアントラセン−9−ボロン酸 2.92g
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.51g
2M炭酸カリウム水溶液 8ml
ジオキサン 32ml
を加えて加熱し、攪拌しながら20時間還流した。室温まで冷却し、トルエン、水を加えた後に攪拌し、その後有機相を分液した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧下で濃縮することによって粗製物を得た。
粗製物をカラムクロマトグラフ(担体:NHシリカゲル、溶離液:トルエン)によって精製した後、アセトンとメタノールの混合溶媒による晶析、o−ジクロロベンゼンとヘキサンの混合溶媒による晶析を繰り返すことによって、8−〔4−[10−フェニルアントラセン−9−イル]ナフタレン−1−イル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−15)]の黄白色粉体3.20g(収率58%)を得た。
得られた黄白色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の30個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=9.47(1H)
=8.59(1H)
=8.54(1H)
=8.16(1H)
=7.84−7.55(18H)
=7.46(1H)
=7.39−7.34(3H)
=7.30−7.26(4H)
<実施例6>
8−〔4−[10−(ナフタレン−1−イル)アントラセン−9−イル]ナフタレン−1−イル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−17)]の合成;
実施例5と同様、ピリドインドール誘導体(8−(4−ブロモナフタレン−1−イル)−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール)を使用し、次の合成反応を行った。
窒素置換した反応容器に、
上記のピリドインドール誘導体 3.50g
10−(ナフタレン−1−イル)アントラセン−9−ボロン酸
3.26g
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.45g
2M炭酸カリウム水溶液 7ml
ジオキサン 30ml
を加えて加熱し、攪拌しながら20時間還流した。室温まで冷却し、トルエン、水を加えた後に攪拌し、その後有機相を分液した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧下で濃縮することによって粗製物を得た。
粗製物をトルエンとヘキサンの混合溶媒による晶析、シリカゲルによる吸着精製、メタノール洗浄、トルエンとヘキサンの混合溶媒による晶析、トルエンとメタノールの混合溶媒による晶析を繰り返すことによって、8−〔4−[10−(ナフタレン−1−イル)アントラセン−9−イル]ナフタレン−1−イル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−17)]の白色粉体1.60g(収率31%)を得た。
得られた白色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の32個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=9.48(1H)
=8.59−8.56(2H)
=8.19−8.04(3H)
=7.85−7.46(17H)
=7.40−7.25(9H)
<実施例7>
8−〔4−[10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル]ナフタレン−1−イル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−18)]の合成;
実施例5と同様、ピリドインドール誘導体(8−(4−ブロモナフタレン−1−イル)−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール)を使用し、次の合成反応を行った。
窒素置換した反応容器に、
上記のピリドインドール誘導体 2.30g
10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−ボロン酸
2.31g
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.30g
2M炭酸カリウム水溶液 5ml
ジオキサン 18ml
を加えて加熱し、攪拌しながら20時間還流した。室温まで冷却し、トルエン、水を加えた後に攪拌し、その後有機相を分液した。この有機相を無水硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧下で濃縮することによって粗製物を得た。
粗製物をカラムクロマトグラフ(担体:NHシリカゲル、溶離液:トルエン/ヘキサン)によって精製した後、トルエンとヘキサンの混合溶媒による晶析、メタノール洗浄、アセトンとメタノールの混合溶媒による晶析を繰り返すことによって、8−〔4−[10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル]ナフタレン−1−イル〕−5−フェニル−5H−ピリド[4,3−b]インドール[化合物(1−18)]の黄色固体0.95g(収率28%)を得た。
得られた黄色固体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の32個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=9.47(1H)
=8.59(1H)
=8.55(1H)
=8.17−8.05(4H)
=7.96(1H)
=7.83−7.78(4H)
=7.74−7.58(12H)
=7.45(1H)
=7.38(1H)
=7.34−7.27(6H)
<実施例8>
下記の手順で、図1に示す構造の有機EL素子を作製した。即ち、この有機EL素子は、ガラス基板1上に透明陽極2(ITO電極)、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、陰極(アルミニウム電極)8が順に蒸着により設けられた構造を有している。
先ず、膜厚150nmのITO(Indium Tin Oxide)を成膜したガラス基板1をイソプロピルアルコール中にて超音波洗浄を20分間行った後、200℃に加熱したホットプレート上にて10分間乾燥を行った。その後、UVオゾン処理を5分間行った後、このITO付きガラス基板を真空蒸着機内に取り付け、0.001Pa以下まで減圧した。
続いて、下記化合物(3−1)を用いての蒸着により、透明陽極2を覆うように膜厚20nmの正孔注入層3を形成した。
Figure 0006058531
この正孔注入層3の上に、下記化合物(4−1)を用いての蒸着により膜厚40nmの正孔輸送層4を形成した。
Figure 0006058531
この正孔輸送層4の上に、下記化合物(5)と下記化合物(6)とを、重量比が5:95となる蒸着速度で二元蒸着を行い、膜厚30nmの発光層5を形成した。
Figure 0006058531
Figure 0006058531
この発光層5の上に、下記の化合物(2−1)を用いての蒸着により、30nmの厚みの電子輸送層6を形成した。
Figure 0006058531
この電子輸送層6の上に、電子注入層7としてフッ化リチウムを膜厚0.5nmとなるように蒸着した。
最後に、アルミニウムを150nm蒸着して陰極8を形成した。
作製した有機EL素子について、大気中、常温で各種の特性を測定した。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
<実施例9>
化合物2−1に代えて下記構造式の化合物2−2を用いて膜厚30nmの電子輸送層6を形成した以外は、実施例8と同様の条件で有機EL素子を作製した。
Figure 0006058531
作製した有機EL素子について、大気中、常温で各種の特性を測定した。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
<実施例10>
化合物2−1に代えて下記構造式の化合物1−6を用いて膜厚30nmの電子輸送層6を形成した以外は、実施例8と同様の条件で有機EL素子を作製した。
Figure 0006058531
作製した有機EL素子について、大気中、常温で各種の特性を測定した。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
<実施例11>
化合物2−1に代えて下記構造式の化合物1−11を用いて膜厚30nmの電子輸送層6を形成した以外は、実施例8と同様の条件で有機EL素子を作製した。
Figure 0006058531
作製した有機EL素子について、大気中、常温で各種の特性を測定した。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
<実施例12>
化合物2−1に代えて下記構造式の化合物1−15を用いて膜厚30nmの電子輸送層6を形成した以外は、実施例8と同様の条件で有機EL素子を作製した。
Figure 0006058531
作製した有機EL素子について、大気中、常温で各種の特性を測定した。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
<実施例13>
化合物2−1に代えて下記構造式の化合物1−17を用いて膜厚30nmの電子輸送層6を形成した以外は、実施例8と同様の条件で有機EL素子を作製した。
Figure 0006058531
作製した有機EL素子について、大気中、常温で各種の特性を測定した。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
<実施例14>
化合物2−1に代えて下記構造式の化合物1−18を用いて膜厚30nmの電子輸送層6を形成した以外は、実施例8と同様の条件で有機EL素子を作製した。
Figure 0006058531
作製した有機EL素子について、大気中、常温で各種の特性を測定した。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
<比較例1>
比較のために、化合物2−1に代えてAlqを用いて膜厚30nmの電子輸送層6形成した以外は、実施例8と同様の条件で有機EL素子を作製した。
作製した有機EL素子について、大気中、常温で各種の特性を測定した。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
<比較例2>
比較のために、化合物3−1に代えてCuPcを使用して膜厚20nmの正孔注入層3を形成した以外は、実施例8と同様の条件で有機EL素子を作製した。
作製した有機EL素子について、大気中、常温で各種の特性を測定した。作製した有機EL素子に直流電圧を印加したときの発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
Figure 0006058531
比較例1と比較例2より、正孔注入層の化合物をCuPcから、化合物3−1に代えた場合、駆動電圧は低下するが、発光効率が低下することが確認された。これは、化合物3−1の正孔の移動度が高すぎるため、正孔キャリアが増大し、キャリアバランスが崩れ、再結合確率が低下したためと考えられた。
そこで、電子輸送層の化合物を、電子キャリアの輸送速度が速い材料であるアントラセン環構造とピリドインドール環構造を有する化合物(化合物2−1、化合物2−2、化合物1−6、化合物1−11、化合物1−15、化合物1−17、化合物1−18)に代えたところ、実施例8〜14に示すように、駆動電圧のさらなる低下と電流効率および電力効率の大幅な向上が確認できた。これは、正孔の移動度が高い材料と電子キャリアの輸送速度が速い材料を組み合わせることにより、正孔キャリアと電子キャリアのキャリアバランスが改善されたことを示している。
本発明の有機EL素子は、発光効率が向上すると共に、駆動電圧が低下して、有機EL素子の耐久性を改善させることができ、例えば、家庭電化製品や照明の用途への展開が可能となった。
1:ガラス基板
2:透明陽極
3:正孔注入層
4:正孔輸送層
5:発光層
6:電子輸送層
7:電子注入層
8:陰極

Claims (13)

  1. 陽極と陰極との間に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層が設けられている有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記正孔注入層が、3個以上のトリフェニルアミン骨格が単結合または2価の炭化水素基で結合されている分子構造を有するアリールアミン化合物(α)を含み、
    前記正孔輸送層が、2個のトリフェニルアミン骨格が単結合または2価の炭化水素基で結合されている分子構造を有するアリールアミン化合物(β)を含み、
    前記電子輸送層が、下記一般式(1a)または下記一般式(2a)で表されるアントラセン環骨格とピリドインドール環骨格を有する電子輸送性化合物を含有すること、
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子;
    Figure 0006058531
    一般式(1a)において、
    pは、2価の基Aの数を示し、0〜4の整数であり、
    Aは、2価の無置換または置換芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基を示
    し、
    但し、pが2以上であるとき、複数のAは互いに異なっていてよく、pが0である
    ときは、Aは存在せず、アントラセン環とピリドインドール環とが単結合を介して結
    合しているものとし、
    Arは、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を示し、
    Arは、無置換または置換芳香族炭化水素基を示し、
    〜Rは、それぞれ、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ
    基、トリフルオロメチル基、炭素原子数16の無置換アルキル基、無置換または置
    換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を表し、
    の数を示すrは、0〜8の整数を表し、
    は、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、
    または炭素原子数16の無置換アルキル基を表し、rが2以上の数であるとき複
    数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、
    W、X、Y及びZは、それぞれ、炭素原子または窒素原子を表すが、そのいずれか
    1つのみが窒素原子であるものとし、この場合の窒素原子にはR〜Rが結合して
    いないものとする、
    Figure 0006058531
    一般式(2a)において、
    qは、2価の基Bの数を示し、0〜4の整数であり、
    Bは、2価の無置換または置換芳香族炭化水素環基もしくは芳香族複素環基を示
    し、但し、qが2以上であるとき、複数のBは互いに異なっていてよく、qが0であ
    るときは、Bは存在せず、アントラセン環とピリドインドール環とが単結合を介して
    結合しているものとし、
    Arは、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を示し、
    Ar及びArは、無置換または置換芳香族炭化水素基を示し、
    〜R15は、それぞれ、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シア
    ノ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数16の無置換アルキル基、無置換または
    置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を表し、
    16の数を示すr16は、0〜7の整数を表し、
    16は、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル
    基、または炭素原子数16の無置換アルキル基を表し、r16が2以上の数である
    とき、複数のR16は互いに同一でも異なっていてもよく、
    W、X、Y及びZは、それぞれ、炭素原子または窒素原子を表すが、そのいずれか
    1つのみが窒素原子であるものとし、この場合の窒素原子にはR〜R12が結合し
    ていないものとする。
  2. 前記アリールアミン化合物(α)が、下記一般式(3)で表される請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子;
    Figure 0006058531
    式中、
    17〜r28は、それぞれR17〜R28の数を示すものであり、これらの内、
    17、r18、r21、r24、r27及びr28は、0〜5の整数を表し、
    19、r20、r22、r23、r25及びr26は、0〜4の整数を表し、
    17〜R28は、それぞれ、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ト
    リフルオロメチル基、炭素原子数16の無置換アルキル基、炭素原子数26の無
    置換もしくは置換アルケニル基、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族
    複素環基であり、これらの基の中で同一のベンゼン環に結合しているもの同士は、互
    いに結合して環を形成していてもよく、
    〜Eは、それぞれ、単結合或いは下記式;
    Figure 0006058531
    式中、
    n1は、1〜3の整数を表し、
    29、R30及びR31の数を示すr29、r30、r31は、それぞれ、0〜
    4の整数を表し、
    29、R30及びR31は、それぞれ、前記R17〜R28と同様の原子もしく
    は基を示す、
    の何れかで表される2価の基を表す。
  3. 前記アリールアミン化合物(β)が、下記一般式(4)で表される請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子;
    Figure 0006058531
    式中、
    32〜R37の数を示すr32〜r37において、r 32 、r 33 、r 36
    37 は、0〜5の整数を表し、r 34 、r 35 は0〜4の整数を表し、
    32〜R37は、それぞれ、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ト
    リフルオロメチル基、炭素原子数16の無置換アルキル基、炭素原子数26の無
    置換もしくは置換アルケニル基、無置換または置換芳香族炭化水素基もしくは芳香族
    複素環基であり、これらの基の中で同一のベンゼン環に結合しているもの同士は、互
    いに結合して環を形成していてもよく、
    は、単結合或いは下記式;
    Figure 0006058531
    式中、
    n1は、1〜3の整数を表し、
    29、R30及びR31の数を示すr29、r30、r31は、それぞれ、0〜
    4の整数を表し、
    29、R30及びR31は、それぞれ、前記R17〜R28と同様の原子もしく
    は基を示す、
    の何れかで表される2価の基を表す。
  4. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(1b):
    Figure 0006058531
    式中、
    Ar、Ar、R、R、R〜Rは、前記一般式(1a)で記載したとお
    りである、
    で表される請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(1c):
    Figure 0006058531
    式中、
    Ar、Ar、R、R、R〜Rは、前記一般式(1a)で記載したとお
    りである、
    で表される請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(1d):
    Figure 0006058531
    式中、
    Ar、Ar、R、R、R〜Rは、前記一般式(1a)で記載したとお
    りである、
    で表される請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(1e):
    Figure 0006058531
    式中、
    Ar、Ar、R、R、R〜Rは、前記一般式(1a)で記載したとお
    りである、
    で表される請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(1f):
    Figure 0006058531
    式中、
    Ar、Ar、R、R、R〜Rは、前記一般式(1a)で記載したとお
    りである、
    で表される請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(1g):
    Figure 0006058531
    式中、
    Ar、Ar、R、R、R〜Rは、前記一般式(1a)で記載したとお
    りである、
    で表される請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(2b):
    Figure 0006058531
    式中、
    B、Ar〜Ar、R〜R16、q及びr16、W、X、Y及びZは、前記一
    般式(2a)で記載したとおりである、
    で表される請求項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(2c):
    Figure 0006058531
    式中、
    Ar〜Ar、R、R10、R12〜R15は、前記一般式(2a)で記載し
    たとおりである、
    で表される請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(2d):
    Figure 0006058531
    式中、
    Ar〜Ar、R、R10、R12〜R15は、前記一般式(2a)で記載し
    たとおりである、
    で表される請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記電子輸送性化合物が、下記一般式(2e):
    Figure 0006058531
    式中、
    Ar〜Ar、R、R10、R12〜R15は、前記一般式(2a)で記載し
    たとおりである、
    で表される請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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