JP6056272B2 - 洗浄装置 - Google Patents

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本発明は、医療器具、電子部品、機械部品などの被洗浄物を洗浄する洗浄装置に関する。
従来、医療器具、電子部品、機械部品などの被洗浄物を洗浄する洗浄装置として、内部に貯留される洗浄液に被洗浄物を浸漬させる洗浄槽と、洗浄槽の内部に貯留される洗浄液を加熱する加熱部と、洗浄槽の内部を減圧して加熱部により加熱された洗浄液を沸騰させる減圧部と、洗浄槽の内部に貯留される洗浄液に被洗浄物よりも下方側から気体を導入する給気部と、を備える洗浄装置が知られている。
このような洗浄装置は、加熱部により洗浄液を加熱した後に減圧部により減圧して洗浄液を沸騰させることで、気泡を発生させて、その気泡で被洗浄物を洗浄する。更に、このような洗浄装置は、給気部により洗浄槽の内部に貯留される洗浄液に被洗浄物よりも下方側から気体を導入することにより、沸点以上の温度に過熱した洗浄液が沸騰を突然おこす現象(以下「突沸」ともいう)を誘発するように構成される。
このような洗浄装置において、従来より深い洗浄槽に貯留された洗浄液における水深の深い部分は、洗浄液の水頭圧差により、水深の浅い部分に比べて、沸点が高く、沸騰が生じにくい。そのため、水深の深い部分においては、水深の浅い部分に比べて沸騰が発生しにくいため、空気(気体)を入れた際に突沸が起こりにくく、被洗浄物を十分に洗浄することができないことがある。
これに対して、洗浄槽の底部側に貯留される洗浄液を加熱する加熱部を有する洗浄装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の洗浄装置においては、加熱部により洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液(水深の深い部分の洗浄液)を加熱した後に減圧部により洗浄槽の内部を減圧して洗浄液を沸騰させるため、水深の深い部分において、沸騰が生じやすくなる。
特開2011−5480号公報
しかし、特許文献1に記載の洗浄装置においては、加熱部により洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液を加熱した後に、洗浄液が設定温度値に達した場合には、加熱部を停止させる。この理由の一つは、減圧部により洗浄槽の内部を減圧して洗浄液が沸騰していない状態において、加熱部により洗浄槽の内部の底部側に貯留された洗浄液が加熱されると、洗浄液の沸騰中に比べて洗浄液の対流が少ないため、その加熱された部分の周辺だけに沸騰が生じ、洗浄槽の内部の底部側で気泡が破裂することとなり、振動が発生し、異音が発生されやすくなるためである。
そのため、異音の発生を生じさせずに加熱部による加熱を効果的に行うことができれば、洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液を効果的に沸騰させて、空気(気体)を入れた際に、槽内全体で突沸が発生するようにして、洗浄能力を一層向上させることが可能である。そのため、洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液を効果的に沸騰させることができる洗浄装置が望まれている。
本発明は、洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液を効果的に沸騰させて、気体を入れた際に、槽内全体で突沸が発生するようにして、被洗浄物を洗浄する能力を一層向上させることができる洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明は、内部に洗浄液が貯留され、その洗浄液に被洗浄物を浸漬させる洗浄槽と、前記洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液を加熱する加熱部と、前記洗浄槽の内部を減圧して前記加熱部により加熱された洗浄液を沸騰させる減圧部と、を有する加熱減圧手段と、前記洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液の温度を検出する温度検出部と、前記洗浄槽の内部の気相部の圧力を検出する圧力検出手段と、前記加熱減圧手段により前記洗浄槽の内部を減圧して前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液が沸騰されている間において、前記温度検出部により検出される温度が予め設定される第1設定温度値を下回り且つ前記圧力検出手段により検出される前記洗浄槽の内部の気相部の圧力が予め設定される第1設定圧力値を下回る場合に、前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液を予め設定される第1加熱時間加熱するように前記加熱減圧手段を制御する制御部と、を備える洗浄装置に関する。
また、前記第1設定圧力値は、前記温度検出部により検出される温度が前記第1設定温度値の場合における洗浄液の飽和蒸気圧から洗浄液が沸騰中で且つ前記温度検出部により検出される温度が前記第1設定温度値の場合における洗浄液の飽和蒸気圧よりも高い圧力までの間の範囲であることが好ましい。
また、前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液に前記被洗浄物よりも下方側から気体を導入する給気手段を更に備え、前記制御部は、前記加熱減圧手段により洗浄液が前記第1加熱時間加熱された後に、前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液に気体を予め設定される第1導入時間導入するように前記給気手段を制御することが好ましい。
また、前記制御部は、前記給気手段により気体が前記第1導入時間導入されることが開始されるのと同時期に、前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液を予め設定される第2加熱時間加熱することを開始するように前記加熱減圧手段を制御することが好ましい。
本発明によれば、洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液を効果的に沸騰させて、気体を入れた際に、槽内全体で突沸が発生するようにして、被洗浄物を洗浄する能力を一層向上させることができる洗浄装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る洗浄装置1の概略を示す図である。 本実施形態の洗浄装置1の制御に係るフローチャートである。 本実施形態の洗浄装置1の制御に係るタイミングチャートである。 本発明の実施例及び比較例の実験結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る洗浄装置1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る洗浄装置1の概略を示す図である。
本実施形態の洗浄装置1は、洗浄液Wを沸騰させて被洗浄物2の洗浄を行う洗浄装置である。図1に示すように、本実施形態の洗浄装置1は、洗浄槽3と、加熱減圧手段としての加熱部5及び減圧部6と、給気手段としての液相給気部7と、気相給気部8と、圧力検出手段としての圧力センサ91と、温度検出部としての温度センサ92と、制御部としての制御装置10と、を備える。図1では、電気的な接続の経路を破線で示す。
洗浄槽3は、内部に洗浄液Wを貯留する。洗浄槽3は、内部に貯留された洗浄液Wに被洗浄物2を浸漬させる。被洗浄物2は、浸漬された状態で、給気手段7及び加熱部5よりも上部に配置される。
洗浄槽3は、内部の空間の減圧に耐性を有する中空容器により形成される。
洗浄槽3は、上方へ向けて開口する容器本体31と、容器本体31の開口部を覆うように配置される蓋32とを有する。容器本体31と蓋32とは、蓋32が容器本体31の開口を閉じた状態で、パッキン33で封止される。これにより、洗浄槽3の内部には、密閉空間が形成される。
洗浄槽3においては、洗浄槽3の内部の全部が洗浄液Wで満たされるのではなく、洗浄槽3の内部の途中まで洗浄液Wが貯留される。これにより、洗浄槽3の内部は、下方側の洗浄液Wが満たされる部分である液相部Lと、上方側の気体が満たされる部分である気相部Vと、に分けられて構成される。
洗浄槽3の内部に貯留された洗浄液W(液相部L)においては、水深の深い部分(洗浄液Wの底部側の部分)は、洗浄液Wの水頭圧差により、水深の浅い部分(洗浄液Wの上方側の部分)に比べて、沸点が高く、沸騰が生じにくい。
洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wは、特に制限されず、例えば、洗剤を含んだ水である。本実施形態では、洗浄液Wは、例えば、洗剤を0.5%含んだ水である。なお、洗浄液Wは、洗剤を含む水の他、洗剤を含まない水でもよい。また、洗浄液Wは、軟水、純水、溶剤など、洗浄に使用できるその他の液体でもよい。
洗浄液Wに浸漬される被洗浄物2は、洗浄を行う対象となる物品であり、例えば、医療器具(鉗子など)、電子部品、機械部品等である。
洗浄槽3には、加熱部5、減圧部6、液相給気部7及び気相給気部8が接続される。また、洗浄槽3には、洗浄槽3の内部の気相部Vの圧力を検出する圧力センサ91と、洗浄槽3の内部の洗浄液W(液相部L)の温度を検出する温度センサ92と、が設けられる。
加熱部5は、洗浄槽3の内部の底部側に貯留される洗浄液Wを加熱する。加熱部5は、水頭圧差で沸点が高くなった洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wを加熱して、洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wを沸騰させる。加熱部5は、洗浄槽3の水深の深い部分において、洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wを沸騰させて気泡を発生させる。
加熱部5は、その具体的構成を特に問わないが、本実施形態では、洗浄槽3の内部の底部に配置された電気ヒータ51により構成される。電気ヒータ51は、洗浄槽3の内部に洗浄液Wを貯留した状態で、ヒータ電源部52により通電されることで、洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wを加熱する。
減圧部6は、洗浄槽3の内部を減圧して、加熱部5により加熱された洗浄液Wを沸騰させる。減圧部6は、真空発生装置61と、排気路62と、を備える。真空発生装置61は、排気路62を介して、洗浄槽3の内部の気相部Vに接続されている。真空発生装置61は、洗浄槽3の内部の気相部Vの気体を外部へ吸引して排出して、洗浄槽3の内部を減圧する。真空発生装置61により気相部Vが減圧されることにより、洗浄槽3に貯留されると共に加熱部5に加熱された洗浄液Wは、沸騰される。
液相給気部7は、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液W(液相部L)に、被洗浄物2よりも下方側から外気(空気、気体)を導入する。液相給気部7は、洗浄槽3の液相部Lに接続されている。液相給気部7は、洗浄槽3の内部の圧力と洗浄槽3の外部の大気圧との圧力差により、洗浄槽3の内部の液相部Lに外気を導入する。本実施形態においては、外気は、洗浄装置1の外部の空気である。
液相給気部7は、液相給気路71と、フィルター72と、液相給気弁73と、液相給気ノズル75と、を有する。液相給気部7は、減圧された洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液W(液相部L)に、液相給気路71を介して外気を導入する。液相給気路71には、導入側端部71aから洗浄槽3へ向けて順に、フィルター72、液相給気弁73、液相給気ノズル75が設けられている。洗浄槽3の内部が減圧された状態で液相給気弁73を開くと、洗浄槽3の内部と外部との圧力差により、導入側端部71aをから導入された外気を、洗浄槽3の内部の液相部Lに導入することができる。
液相給気ノズル75は、液相給気路71の洗浄槽3側の一端部に接続されている。液相給気ノズル75は、洗浄槽3の内部の底部側において、被洗浄物2の下方側に洗浄液Wに浸漬された状態で、底面から離間して配置される。液相給気ノズル75は、水平方向に延びるパイプ状に形成される。本実施形態においては、液相給気ノズル75は、洗浄槽3の内部の底部側を蛇行するように延びている。
液相給気ノズル75は、複数のノズル孔76を有する。複数のノズル孔76は、液相給気ノズル75が延びる方向に沿って所定間隔で形成されている。複数のノズル孔76は、洗浄液Wが侵入しにくいように下方へ向けて開口している。これにより、洗浄槽3の内部が減圧された状態で液相給気弁73を開くと、下方へ向けて開口するノズル孔76は、洗浄槽3の内部の洗浄液Wに、均一に外気を導入することができる。
このように構成された液相給気部7においては、液相給気路71から導入された外気は、洗浄槽3の内部の底部側において、液相給気ノズル75の複数のノズル孔76を介して、洗浄槽3の内部に貯留された洗浄液Wに導入される。
気相給気部8は、減圧された洗浄槽3の内部の気相部Vへ外気を導入する。気相給気部8は、洗浄槽3の内部の上方側の気相部Vに接続されている。気相給気部8は、洗浄槽3の内部と外部との圧力差により、洗浄槽3の内部の気相部Vに外気を導入する。
気相給気部8は、気相給気路81と、フィルター82と、気相給気弁83と、を有する。気相給気部8は、減圧された洗浄槽3の内部の気相部Vに、気相給気路81を介して外気を導入する。気相給気路81には、導入側端部81aから洗浄槽3へ向けて順に、フィルター82、気相給気弁83が設けられている。気相給気路81の洗浄槽3側の一端部は、洗浄槽3の気相部Vに接続される。洗浄槽3の内部が減圧された状態で気相給気弁83を開くと、洗浄槽3の内部の圧力と外部の大気圧との圧力差により、導入側端部81aから導入されてフィルター82を介した外気を、洗浄槽3の内部の気相部Vに導入することができる。
圧力センサ91は、洗浄槽3の内部の気相部Vの圧力を測定(検出)するセンサである。圧力センサ91は、洗浄槽3の気相部Vに接続されている。圧力センサ91は、制御装置10と電気的に接続されている。圧力センサ91で検出された洗浄槽3の内部の気相部Vの圧力は、制御装置10へ検出信号として送信される。
温度センサ92は、洗浄槽3の内部の底部側に貯留される洗浄液W(液相部L)の温度を測定(検出)するセンサである。温度センサ92は、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wの底部側に配置される。温度センサ92は、制御装置10と電気的に接続されている。温度センサ92で検出された洗浄槽3に貯留された洗浄液Wの底部側の温度は、制御装置10へ検出信号として送信される。
制御装置10は、本実施形態の洗浄装置1における各部を制御する。制御装置10は、圧力センサ91及び温度センサ92の検出信号などに基づいて、加熱部5、減圧部6、液相給気部7、気相給気部8等を制御する。
具体的には、制御装置10は、圧力センサ91及び温度センサ92に電気的に接続され、各センサから測定情報を受信する。また、制御装置10は、電気ヒータ51、真空発生装置61、液相給気弁73、気相給気弁83に電気的に接続される。制御装置10は、圧力センサ91及び温度センサ92の検出信号などに基づいて、電気ヒータ51、真空発生装置61、液相給気弁73、気相給気弁83等を動作させて、加熱部5、減圧部6、液相給気部7、気相給気部8等を制御する。
制御装置10は、減圧部6により洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wが減圧されて沸騰されている間において、温度センサ92により検出される温度が第1設定温度値T1を下回り且つ圧力センサ91により検出される洗浄槽3の内部の圧力が第1設定圧力値P1を下回る場合に、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wを第1加熱時間K1(図3参照)加熱するように加熱部5を制御する。
第1加熱時間K1(図3参照)は、洗浄液Wの沸騰中において、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wを加熱する時間である。本実施形態においては、第1加熱時間K1は、例えば5秒である。この第1加熱時間K1の5秒において、加熱部5は、沸騰中の洗浄液Wの沸騰を促進させることができる。
また、第1設定圧力値P1は、洗浄液Wの沸騰中で且つ飽和蒸気圧に達する前の洗浄液Wの圧力値から洗浄液Wの飽和蒸気圧の圧力値までの範囲である。
洗浄槽3の内部に貯留された洗浄液Wが沸騰される圧力は、一般的には、洗浄槽3の内部に貯留された洗浄液Wの飽和蒸気圧である。ただし、実際には、飽和蒸気圧に達する前において洗浄槽3の内部に貯留された洗浄液Wの飽和蒸気圧よりもわずかに高い圧力であっても、洗浄液Wの一部に過熱された部分が存在することで、沸騰が起こる場合がある。例えば、洗浄槽3の内部の壁面周辺の温度が高くなっており、洗浄槽3の内部に貯留された洗浄液Wの温度は均一でないことにより、洗浄液Wが飽和蒸気圧よりも高い圧力で沸騰する場合がある。
そのため、本実施形態においては、第1設定圧力値P1には、洗浄液Wの沸騰中で且つ飽和蒸気圧に達する前の洗浄液Wの圧力値を含むこととした。つまり、第1設定圧力値P1は、洗浄液Wの沸騰中で且つ飽和蒸気圧に達する前の洗浄液Wの圧力値から洗浄液Wの飽和蒸気圧の圧力値までの範囲である。
また、制御装置10は、加熱部5により洗浄液Wが第1加熱時間K1加熱された後に、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wに外気(空気、気体)を第1導入時間D1(図3参照)導入するように液相給気部7を制御する。
第1導入時間D1(図3参照)は、沸騰中の洗浄液Wが加熱された後に、外気を導入する時間である。本実施形態においては、第1導入時間D1は、例えば2秒である。この第1導入時間D1の2秒において、液相給気部7は、沸点以上の温度に過熱した洗浄液Wが沸騰を突然おこす現象(以下「突沸」ともいう)を誘発させることができる。
また、制御装置10は、液相給気部7により外気が第1導入時間D1導入されることが開始されるのと同時期に、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wを第2加熱時間K2(図3参照)加熱することを開始するように加熱部5を制御する。
第2加熱時間K2(図3参照)は、前述の加熱部5による第1加熱時間K1の加熱後に加熱される時間である。本実施形態においては、第2加熱時間K2は、例えば2秒である。この第2加熱時間K2の2秒において、加熱部5は、次に実行される洗浄槽3の気相部Vを減圧して洗浄液Wを沸騰させる動作の準備のために、洗浄液Wの加熱を行うことができる。
次に、本実施形態の洗浄装置1の動作について説明する。図2は、本実施形態の洗浄装置1の制御に係るフローチャートである。図3は、本実施形態の洗浄装置1の制御に係るタイミングチャートである。
まず、洗浄装置1は、洗浄槽3の内部に洗浄液Wを貯留させ且つ洗浄液Wに被洗浄物2を浸漬させた状態で、洗浄動作を開始する。
ステップST1において、洗浄液Wの初期の加熱を行う。具体的には、液相給気弁73及び気相給気弁83を閉じ、真空発生装置61を停止させた状態で、加熱部5(電気ヒータ51)は、洗浄槽3の内部に貯留された底部側の洗浄液Wを加熱する。
加熱部5は、初期の加熱動作においては、洗浄槽3の内部の底部側に貯留される洗浄液Wを初期設定温度値T0まで加熱することで、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wの全体を加熱する。ステップST1における洗浄装置1の動作は、図3におけるタイミングt1において実行される。また、タイミングt1においては、洗浄槽3の内部の気相部Vの圧力は、初期圧力P0で保持されている。この初期圧力P0は、加熱部5により加熱された場合に洗浄液Wが激しく沸騰しない圧力が設定される。
ステップST2において、制御装置10は、温度センサ92により検出された洗浄液Wの温度が初期設定温度値T0に達したか否かを判定する。温度センサ92により検出された洗浄液Wの温度が初期設定温度値T0に達した場合(YES)には、処理は、ステップST3に進む。温度センサ92により検出された洗浄液Wの温度が初期設定温度値T0に達しない場合(NO)には、処理は、ステップST2に戻り、洗浄液Wを継続して加熱する。
ステップST3において、制御装置10は、加熱部5を停止させる。ステップST3における洗浄装置1の動作は、図3におけるタイミングt1からt2に切り替わるタイミングにおいて実行される。その後、洗浄槽3に貯留される洗浄液Wの温度は、図3のタイミングt2において、加熱部5を停止した後においても加熱部5の加熱による余熱により、継続して上昇し、ある程度上昇した後に、下降する。
ステップST4において、減圧部6は、洗浄槽3の内部の気相部Vの圧力を初期圧力P0から減圧していく。ステップST4における洗浄装置1の動作は、図3におけるタイミングt2において実行される。
具体的には、制御装置10は、真空発生装置61を、図3におけるタイミングt1からt2に切り替わるタイミングにおいて、洗浄槽3の内部の気相部Vの圧力を初期圧力P0から減圧するように動作させる。これにより、洗浄槽3の内部の圧力が徐々に減圧されて所定圧力に減圧されると、洗浄槽3の内部に貯留された洗浄液Wは、沸騰状態となる。
ステップST5において、制御装置10は、温度センサ92により検出された洗浄液Wの温度が第1設定温度値T1を下回り且つ圧力センサ91により検出された気相部Vの圧力が第1設定圧力値P1を下回ったか否かを判定する。温度センサ92により検出された洗浄液Wの温度が第1設定温度値T1を下回り且つ圧力センサ91により検出された気相部Vの圧力が第1設定圧力値P1を下回った場合(YES)には、処理は、ステップST6に進む。温度センサ92により検出された洗浄液Wの温度が第1設定温度値T1を下回っていない又は圧力センサ91により検出された気相部Vの圧力が第1設定圧力値P1を下回っていない場合(NO)には、処理は、ステップST5に戻る。
第1設定温度値T1は、洗浄運転を行う際、任意に設定する温度である。洗浄槽3の内部の圧力が第1設定温度値T1の飽和蒸気圧と等しければ、洗浄液は、沸騰している。
第1設定圧力値P1は、第1設定温度値T1の飽和蒸気圧から洗浄液が沸騰中で且つ第1設定温度値T1の飽和蒸気圧力に達する前の圧力までの間の範囲である。
第1設定圧力値P1の範囲に、洗浄液が沸騰中で且つ第1設定温度値T1の飽和蒸気圧に達する前の圧力を含める理由は、次の通りである。
洗浄液が沸騰中で且つ第1設定温度値T1の飽和蒸気圧に達する前においては、洗浄液の温度が第1設定温度値T1よりも高い温度において洗浄槽3の内部を減圧すると、第1設定温度値T1の飽和蒸気圧に達する前に、洗浄液の沸騰が生じるためである。
また、洗浄液の温度が第1設定温度値T1よりも高い温度で第1設定温度値T1の飽和蒸気圧に達する前において、局所的に過熱される部分があると、洗浄液の沸騰が生じるためである。
第1設定温度値T1は、例えば、40.0℃〜60.0℃の範囲に設定される。本実施形態においては、第1設定温度値T1は、例えば50.5℃である。
また、本実施形態においては、第1設定温度値T1の飽和蒸気圧力は、例えば12.7kPaである。そのため、第1設定圧力値P1は、12.7kPa〜14.7kPaの範囲に設定される。
ステップST6において、加熱部5は、洗浄液Wの沸騰中に、洗浄槽3に貯留された洗浄液Wを第1加熱時間K1加熱する。このステップST6における洗浄装置1の動作は、図3におけるタイミングt3において実行される。
本実施形態においては、タイミングt3の時間は、例えば5秒である。この第1加熱時間K1の5秒において、加熱部5は、洗浄槽3の底部側に貯留される洗浄液Wを加熱して、沸騰中の洗浄液Wの沸騰を促進させることができる。
このようにして、加熱部5は、洗浄液Wの沸騰中に、洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wを加熱する。そのため、加熱部5は、洗浄槽3の内部の底部側に貯留された沸点が高い部分の洗浄液Wを加熱して沸騰を生じさせやすい。そして、洗浄槽3の内部の底部側の水深の深い部分に貯留された洗浄液Wの流動が活発となる。これにより、洗浄槽3の内部の底部側において、気泡が発生しやすい。
以上のように構成される洗浄装置1においては、洗浄液Wの沸騰中に、洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wを加熱することで、洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wを効果的に沸騰させ、空気を入れた際に、槽内全体で突沸が発生することにより、その突沸による洗浄液の激しい流動で被洗浄物2を洗浄する。
なお、洗浄液Wが沸騰する前に洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wが加熱部5により加熱されると、洗浄液Wの沸騰中に比べて洗浄液Wの対流が少ないため、その加熱された部分の周辺だけに沸騰を生じさせて、洗浄槽3の内部の底部側で気泡が破裂することとなり、異音が発生しやすくなる。そのため、本実施形態における加熱部5による第1加熱時間K1の加熱動作は、洗浄液Wの沸騰中に実行される。
ステップST7において、液相給気部7は、減圧部6の減圧動作を継続して実行した状態で、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wに被洗浄物2よりも下方側から外気(空気、気体)を第1導入時間D1導入する。具体的には、真空発生装置61の作動を継続した状態で、液相給気弁73を開いて、洗浄槽3の内部と外部との圧力差により、液相給気路71、フィルター72及び液相給気ノズル75を介して、被洗浄物2よりも下方から洗浄液Wに外気を第1導入時間D1導入する。
このステップST7における洗浄装置1の動作は、図3におけるタイミングt4において実行される。本実施形態においては、タイミングt4の時間は、例えば2秒である。この第1導入時間D1の2秒において、液相給気部7は、洗浄液Wに外気を導入して、洗浄液Wの突沸を誘発させることができる。
このようにして、本実施形態の洗浄装置1においては、洗浄槽3の内部の洗浄液Wが沸騰中に加熱された後に、外気は、大気圧との圧力差により洗浄槽3の内部に吸い込まれる。この場合、洗浄液Wに導入された空気(気体)の気泡は、減圧された洗浄槽3の内部において膨張すると共に、洗浄液Wの沸騰した蒸気が入り込むことでさらに膨張しつつ、液相部Lを上昇する。このため、突沸が誘発され、洗浄液Wの噴上げとそれに続く落下とによって、洗浄液Wを大きく揺動させて、被洗浄物2を効果的に洗浄することができる。
また、本実施形態においては、液相給気部7による外気の導入前において、洗浄槽3の内部の底部側に貯留される洗浄液Wは、加熱部5により加熱されて沸騰しやすくなっている。そのため、洗浄液Wの突沸が更に活発化され、洗浄液Wの噴上げとそれに続く落下とによって、洗浄液Wを大きく揺動させて、被洗浄物2を一層効果的に洗浄することができる。
液相給気部7により洗浄液W(液相部L)に導入された外気は、液相部Lを上昇して、気相部Vに達し、洗浄槽3の内部の圧力を上昇させて復圧する。なお、液相給気部7の動作において、洗浄槽3の内部を大気圧まで復圧してもよいが、加熱動作、減圧動作及び液相給気動作の一連の動作を繰り返す場合には、洗浄槽3の内部の圧力を大気圧まで復圧してしまうと次回の減圧動作において減圧のための時間を要する。そのため、大気圧未満の所定圧力の復圧で止めるように、液相給気弁73を閉じるように制御してもよい。
ステップST8において、加熱部5は、ステップST7における液相給気部7により空気(気体)が第1導入時間D1導入されることが開始されるのと同時期に、洗浄槽3の内部に貯留された洗浄液Wを第2加熱時間K2加熱することを開始する。ステップST8における洗浄装置1の動作は、図3におけるタイミングt3からt4に切り替わるタイミングにおいて実行される。その後、図3におけるタイミングt4において、洗浄槽3の内部に貯留された洗浄液Wは、ステップST7の第1導入時間D1と同じ時間である第2加熱時間K2加熱される。
本実施形態においては、加熱部5は、前述の加熱部5による第1加熱時間K1の加熱後に連続して、第2加熱時間K2の加熱を行う。また、本実施形態においては、加熱部5による第2加熱時間K2と、前述の液相給気部7による第1導入時間D1とは、同じ長さの時間であり、図3における同じタイミングt4において実行される。
本実施形態においては、タイミングt4の時間は、前述のとおり、例えば2秒である。この第2加熱時間K2の2秒において、加熱部5は、次に洗浄槽3の気相部Vを減圧させて洗浄液Wを沸騰させる準備のために、洗浄液Wの加熱を行うことができる。
ステップST9において、制御装置10は、洗浄槽3の気相部Vを減圧して洗浄液Wを沸騰させる動作の繰り返し回数が設定回数に達したか否かを判定する。繰り返し回数が設定回数に達した場合(YES)には、処理は、終了する。繰り返し回数が設定回数に達していない場合(NO)には、処理は、ステップST4へ戻り、ステップST4〜ステップST8において、洗浄槽3の気相部Vを減圧して洗浄液Wを沸騰させる動作を繰り返す。
この繰り返しの動作は、図3におけるタイミングt2〜t4の動作を一連の動作として繰り返されることにより実行される。洗浄装置1における洗浄動作の制御において、図3に示すように、タイミングt2〜t4の動作の後の動作であるタイミングt7〜t9、t8〜t10における動作は、タイミングt3〜t5における動作と同様の動作である。
この繰り返し動作により、突沸による洗浄液Wの爆発的な噴上げとそれに続く落下とが繰り返し行われ、洗浄液Wを大きく揺動させて、被洗浄物2を効果的に洗浄することができる。また、洗浄槽3に貯留される洗浄液Wの温度の上昇と下降とが所定温度範囲内を繰り返されているため、洗浄液Wの温度変化が安定する。
なお、本発明の液相給気制御(沸騰中に加熱する制御)と、従来の液相給気制御(沸騰中に加熱しない制御)と、気相給気制御と、の3つの制御を組み合わせて最適な制御をすることによって、被洗浄物2の洗浄性を向上させることができる。
本発明の液相給気制御とは、洗浄液Wの沸騰中に洗浄液Wを加熱する制御である。従来の液相給気制御とは、洗浄液Wの沸騰中に洗浄液Wを加熱しない制御である。気相給気制御とは、洗浄槽の内部の圧力の減圧中に洗浄槽の内部の気相部Vに外気を導入する制御である。
ここで、以下、A(従来の液相給気制御)、B(気相給気制御)、C(本発明の液相給気制御)、とした場合において、洗浄動作の制御例を示す。
例えば、鉗子などの鋼製小物のみを洗浄する場合には、C(本発明の液相給気制御)を15分間実行することが好ましい。
ラパロ管などの管状器械のみを洗浄する場合には、A(従来の液相給気制御)を15分間実行することが好ましい。
チューブやマスクのみを洗浄する場合には、A(従来の液相給気制御)を10分間実行した後に、B(気相給気制御)を5分間実行することが好ましい。
鋼製小物と管状器械とを洗浄する場合には、C(本発明の液相給気制御)を10分間実行した後に、A(従来の液相給気制御)を5分間実行することが好ましい。
鋼製小物と、チューブやマスクと、を洗浄する場合には、C(本発明の液相給気制御)を10分行った後に、B(気相給気制御)を5分間実行することが好ましい。
このような組み合わせで洗浄動作の制御を行うことにより、被洗浄物2を洗浄する洗浄性能を向上させることができる。
なお、上記の洗浄時間は一例であり、洗浄時間等は、洗浄評価を実施することにより決定される。
上述した本実施形態に係る洗浄装置1によれば、例えば、以下のような効果が得られる。
本実施形態における洗浄装置1においては、内部に洗浄液Wが貯留されその洗浄液Wに被洗浄物2を浸漬させる洗浄槽3と、洗浄槽3の内部の底部側に貯留される洗浄液Wを加熱する加熱部5と、洗浄槽3の内部を減圧して加熱部5により加熱された洗浄液Wを沸騰させる減圧部6と、洗浄槽3の内部の底部側に貯留される洗浄液Wの温度を検出する温度検出部92と、洗浄槽3の内部の圧力を検出する圧力検出手段91と、減圧部6により洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wが減圧されて沸騰されている間において、温度検出部92により検出される温度が第1設定温度値T1を下回り且つ圧力検出手段91により検出される洗浄槽3の内部の圧力が第1設定圧力値P1を下回る場合に、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wを第1加熱時間K1加熱するように加熱部5を制御する制御装置10と、を備える。
そのため、加熱部5は、洗浄液Wの沸騰中に、洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wを加熱する。これにより、加熱部5は、洗浄液Wの沸騰中に、水頭圧差により沸点が高くなった洗浄槽3の底部側に貯留された洗浄液Wを加熱することができる。従って、洗浄液Wの沸騰中に、洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wを沸騰させやすくなる。これにより、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wを効果的に沸騰させて、空気(気体)を入れた際に、槽内全体で突沸が発生するようにして、被洗浄物2を洗浄する能力を一層向上させることができる。
また、本実施形態における洗浄装置1においては、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wに被洗浄物2よりも下方側から空気(気体)を導入する液相給気部7を更に備え、制御装置10は、加熱部5により洗浄液Wが第1加熱時間K1加熱された後に、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wに空気(気体)を第1導入時間D1導入するように液相給気部7を制御する。そのため、液相給気部7は、洗浄液Wの沸騰中に加熱されて沸騰しやすくなった洗浄槽3の内部の底部側に貯留された洗浄液Wに、外気を導入することができる。これにより、洗浄液Wの突沸を誘発させて、洗浄液Wを大きく揺動させることができる。従って、被洗浄物2を洗浄する能力を一層向上させることができる。
また、本実施形態における洗浄装置1においては、制御装置10は、液相給気部7により外気が第1導入時間D1導入されることが開始されるのと同時期に、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wを第2加熱時間K2加熱することを開始するように加熱部5を制御する。そのため、液相給気部7による給気の開始と同時期に、次に実行される洗浄槽3の気相部Vを減圧して洗浄液Wを沸騰させる動作の準備の加熱を開始することができる。これにより、洗浄装置1の動作を次の動作に速やかに移行させることができるため、洗浄時間を短縮することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、加熱部5は、洗浄液Wを、第1加熱時間K1加熱した後に連続して第2加熱時間K2加熱するように構成されるが、これに制限されない。加熱部5は、洗浄液Wを、第1加熱時間K1のみ加熱して、第2加熱時間K2については加熱しないように構成してもよい。
また、前記実施形態においては、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液Wに外気(空気、気体)を導入する液相給気部7を備えているように構成したが、これに制限されない。本発明は、液相給気部を備えていなくてもよい。
以下、本発明の実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものでない。図4は、本発明の実施例及び比較例の実験結果を示すグラフである。
本実施例においては、以下の評価方法に基づいて、評価試験を行った。
<評価方法>
本評価方法においては、「日本医療機器学会」から発行された「医療現場における滅菌保障のガイドライン2010」に記載されている評価方法に基づいて評価試験を行った。この刊行物に記載される評価方法は、ISO15883に基づいた評価方法である。
具体的には、洗浄液の深さが400mmの洗浄槽に対して、高さが50mmのバスケットを8段積み重ねることにより、洗浄液の深さ400mmを深さ方向においてバスケットの1段〜8段に区切った。これにより、洗浄液の深さに対する評価試験を行った。
詳細には、洗浄液の深さが400mmの洗浄槽にバスケットを8段積重ね、1段目(最下段)、3段目、6段目、8段目(最上段)のバスケットに、評価対象物(鉗子)を5本ずつ入れて、評価を行った。評価対象物には、洗浄液に浸漬させる前に、模擬血液を付着させて乾燥させた。
そして、実施例による制御方法及び比較例による制御方法により洗浄した後、評価対象物について、蛋白質に反応して発光する試薬を入れて、蛋白質の残量を測定器により測定した。測定器の測定においては、蛋白質の残量が多い場合には、発光の強度が大きい値が示される。この評価試験を5回行い、平均値を求めた。
実施例の制御方法は、本発明の制御方法であって、図1に示す構成の洗浄装置1を用いて、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液の沸騰中に、洗浄液を加熱する制御である。
比較例の制御方法は、従来の制御方法であって、図1に示す構成の洗浄装置1を用いて、洗浄槽3の内部に貯留される洗浄液の沸騰中に、洗浄液を加熱しない制御である。
<評価結果>
図4に示すような評価結果が得られた。
バスケットの1段目(最下段)において、比較例の洗浄制御においては、残留した平均の蛋白質の量は、1本当たり74μgであった。一方、実施例の洗浄制御においては、残留した平均の蛋白質の量は、1本当たり34μgであった。
バスケットの3段目において、比較例の洗浄制御においては、残留した平均の蛋白質の量は、1本当たり41μgであった。一方、実施例の洗浄制御においては、残留した平均の蛋白質の量は、1本当たり42μgであった。
バスケットの6段目において、比較例の洗浄制御においては、残留した平均の蛋白質の量は、1本当たりの68μgであった。一方、実施例の洗浄制御においては、残留した平均の蛋白質の量は、1本当たり48μgであった。
バスケットの8段目において、比較例の洗浄制御においては、残留した平均の蛋白質の量は、1本当たり38μgであった。一方、実施例の洗浄制御においては、残留した平均の蛋白質の量は、1本当たり24μgであった。
以上の評価結果により、1段目(最下段)において、実施例(残留蛋白質の量:1本当たり34μg)の洗浄制御は、比較例(残留蛋白質の量:1本当たり74μg)の洗浄制御に対して、洗浄性が向上されたことが確認された。従って、実施例の洗浄制御(本発明の制御)は、水深の深い場所である1段目(最下段)において、比較例の洗浄制御(従来の制御)よりも、洗浄性が向上されたことが確認された。
1 洗浄装置
2 被洗浄物
3 洗浄槽
5 加熱部(加熱減圧手段)
6 減圧部(加熱減圧手段)
7 液相給気部(給気手段)
10 制御装置(制御部)
91 圧力センサ(圧力検出手段)
92 温度センサ(温度検出部)
D1 第1導入時間
K1 第1加熱時間
K2 第2加熱時間
P1 第1設定圧力値
T1 第1設定温度値
W 洗浄液

Claims (4)

  1. 内部に洗浄液が貯留され、その洗浄液に被洗浄物を浸漬させる洗浄槽と、
    前記洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液を加熱する加熱部と、前記洗浄槽の内部を減圧して前記加熱部により加熱された洗浄液を沸騰させる減圧部と、を有する加熱減圧手段と、
    前記洗浄槽の内部の底部側に貯留される洗浄液の温度を検出する温度検出部と、
    前記洗浄槽の内部の気相部の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記加熱減圧手段により前記洗浄槽の内部を減圧して前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液が沸騰されている間において、前記温度検出部により検出される温度が予め設定される第1設定温度値を下回り且つ前記圧力検出手段により検出される前記洗浄槽の内部の気相部の圧力が予め設定される第1設定圧力値を下回る場合に、前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液を予め設定される第1加熱時間加熱するように前記加熱減圧手段を制御する制御部と、
    を備える洗浄装置。
  2. 前記第1設定圧力値は、前記温度検出部により検出される温度が前記第1設定温度値の場合における洗浄液の飽和蒸気圧から洗浄液が沸騰中で且つ前記温度検出部により検出される温度が前記第1設定温度値の場合における洗浄液の飽和蒸気圧よりも高い圧力までの間の範囲である
    請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液に前記被洗浄物よりも下方側から気体を導入する給気手段を更に備え、
    前記制御部は、前記加熱減圧手段により洗浄液が前記第1加熱時間加熱された後に、前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液に気体を予め設定される第1導入時間導入するように前記給気手段を制御する
    請求項1又は2に記載の洗浄装置。
  4. 前記制御部は、前記給気手段により気体が前記第1導入時間導入されることが開始されるのと同時期に、前記洗浄槽の内部に貯留される洗浄液を予め設定される第2加熱時間加熱することを開始するように前記加熱減圧手段を制御する
    請求項3に記載の洗浄装置。
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