JP2012055805A - 洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯留した水溶液を確実に突沸させ、その突沸により被洗浄物を効果的に洗浄する洗浄装置を提供する。
【解決手段】加温手段4により洗浄槽3内の水溶液を第一設定温度まで加温後、設定条件を満たすまで減圧手段5により洗浄槽3内を減圧して水溶液を沸騰させ、この沸騰中に、減圧手段5の作動を継続したまま液相給気弁18を開いて、洗浄槽3の内外の差圧により被洗浄物2よりも下方から洗浄槽3内の液中に外気を導入して、洗浄槽3内の水溶液を突沸させる。前記設定条件は、洗浄槽3内の水溶液が第二設定温度となるか、洗浄槽3内が第二設定圧力となるまでであり、且つ、第二設定温度は60℃以下、第二設定圧力は20kPa以下に設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療器具の他、電子部品や機械部品などを洗浄する洗浄装置に関するものである。
従来、下記特許文献1に開示される洗浄装置が知られている。この特許文献1に記載の洗浄装置は、その[0033]および[0034]に記載のとおり、排気装置(30)を稼働させた状態で排気弁(23b)を開放して、洗浄槽(20)内を減圧して、洗浄液(24)を沸騰させる。その後、[0037]に記載のとおり、排気弁(23b)を閉鎖した状態でリーク弁(26)を開放し、洗浄槽(20)の内外の差圧により導気管(25)から外気を導入する。このようにして、[0038]に記載のとおり、導入された外気が気泡となって被洗浄物に接触したり、その気泡によって洗浄液を揺動したり、或いは圧力解放時の衝撃によって、洗浄効果を得ようとするものである。
特開平10−10509号公報(段落番号0025−0041、図1)
しかしながら、前記特許文献1に記載の洗浄装置は、洗浄槽内の洗浄液を突沸(激しく沸騰)させて、洗浄液の爆発的な噴上げとそれに続く落下とによって、洗浄液を大きく揺動させて、被洗浄物を洗浄しようとするものではない。
すなわち、前記特許文献1に記載の洗浄装置は、洗浄槽内を減圧後、「排気弁23bを閉鎖し、リーク弁26を開放」して、液相部に外気を導入するが、洗浄液の沸騰中に排気弁を閉じれば、気相部は直ちに蒸気で満たされ、沸騰が止んでしまうものである。
このように、特許文献1に記載の洗浄装置は、洗浄液の沸騰中に、減圧手段の作動を継続したまま、大気圧との差圧を用いて、洗浄液中に外気を自然に導入して、その気泡を核として洗浄液に突沸を起こすものではない。
これに対し、出願人は、先に、洗浄槽内の液体を設定温度まで加温後、洗浄槽内を減圧して液体を沸騰させ、この沸騰中に洗浄槽内の液相部に外気を導入して、液体を突沸させることで、被洗浄物の洗浄を図る洗浄装置を提案し、既に特許出願を済ませている(特願2010−43688)。
この装置では、液体が沸騰している最中に、外気は、大気圧との差圧により自然に吸い込まれる。この場合、液中に導入された気泡の圧力は、最初の気泡が気相部に達するまで、洗浄槽内の圧力そのものとなる。従って、液中に空気泡を導入したことによって、導入された気体を沸騰の核として、導入された気泡は爆発的に膨張する。具体的には、液中に導入された気泡は、減圧下の洗浄槽内において膨張すると共に、液体の沸騰蒸気が入り込むことでさらに膨張しつつ、液相部を上昇する。このようにして液体を突沸させ、液体の爆発的な噴上げとそれに続く落下とによって、液体を大きく揺動させて、被洗浄物を効果的に洗浄することができる。
このような突沸を用いた洗浄装置について、発明者は、その後も鋭意研究に努めた結果、液相部への給気による突沸は、洗浄槽内の液体の温度(洗浄槽内の圧力ともいえる)に左右されることを知見した。すなわち、液体が高温(洗浄槽内の圧力が高圧ともいえる)になるほど、洗浄槽内における液体の上層と下層での温度差が小さくなるため、沸騰の核となる空気泡を導入しても、過熱領域ができず、突沸が起きにくいことが分かった。
具体的に説明すると、図3は、洗浄槽内の液体の飽和圧力と飽和温度との関係を示す図であるが、同じ圧力差ΔP(具体的には洗浄槽内の貯留液の上層と下層との水頭圧による圧力差)であっても、それに対応する温度差ΔT,ΔT´が高圧になるほど小さくなることが分かる(ΔT>ΔT´)。そして、液体を突沸させるには、液中に過熱領域が必要であるので、温度差は小さくなるのは突沸の誘発には不利となる。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、液体を確実に突沸させ、その突沸により被洗浄物を効果的に洗浄する洗浄装置を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、水溶液を貯留して被洗浄物を浸漬する洗浄槽と、この洗浄槽内の水溶液を加温する加温手段と、前記洗浄槽内の気相部に接続され、前記洗浄槽内の気体を外部へ吸引排出して、前記洗浄槽内を減圧する減圧手段と、前記洗浄槽内の液相部に接続され、前記洗浄槽内を減圧した状態で液相給気弁を開く液相給気手段とを備え、前記加温手段により前記洗浄槽内の水溶液を第一設定温度まで加温後、設定条件を満たすまで前記減圧手段により前記洗浄槽内を減圧して水溶液を沸騰させ、この沸騰中に、前記減圧手段の作動を継続したまま前記液相給気弁を開いて、前記洗浄槽の内外の差圧により前記被洗浄物よりも下方から前記洗浄槽内の液中に外気を導入して、前記洗浄槽内の水溶液を突沸させ、前記設定条件は、前記洗浄槽内の水溶液が第二設定温度となるか、前記洗浄槽内が第二設定圧力となるまでであり、且つ、前記第二設定温度は60℃以下、前記第二設定圧力は20kPa以下に設定されることを特徴とする洗浄装置である。
請求項1に記載の発明によれば、水溶液を第一設定温度まで加温後、洗浄槽内を減圧して水溶液を沸騰させ、この沸騰中に、減圧手段の作動を継続したまま液相給気弁を開いて、洗浄槽の内外の差圧により液中に外気を導入する。この装置では、水溶液が沸騰している最中に、外気は、大気圧との差圧により自然に吸い込まれる。この場合、液中に導入された気泡の圧力は、最初の気泡が気相部に達するまで、洗浄槽内の圧力そのものとなる。従って、液中に空気泡を導入したことによって、導入された気体を沸騰の核として、導入された気泡は爆発的に膨張する。具体的には、液中に導入された気泡は、減圧下の洗浄槽内において膨張すると共に、水溶液の沸騰蒸気が入り込むことでさらに膨張しつつ、液相部を上昇する。このようにして水溶液を突沸させ、水溶液の爆発的な噴上げとそれに続く落下とによって、水溶液を大きく揺動させて、被洗浄物を効果的に洗浄することができる。特に、水溶液を60℃以下とするか、洗浄槽内を20kPa以下として、液中に外気を導入することで、水溶液の上層と下層との温度差を確保して、過熱領域を生じさせ、突沸を確実に起こすことができる。
請求項2に記載の発明は、前記第二設定温度は50℃以下、前記第二設定圧力は12.3kPa以下に設定されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置である。
請求項2に記載の発明によれば、水溶液を50℃以下とするか、洗浄槽内を12.3kPa以下として、液中に外気を導入することで、一層確実に且つ激しく水溶液を突沸させることができる。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記加温手段による前記第一設定温度までの水溶液の加温と、前記液相給気弁を閉じた状態において前記設定条件を満たすまでの前記減圧手段による前記洗浄槽内の減圧と、これによる水溶液の沸騰中の前記液相給気手段による液中への外気の導入による水溶液の突沸とを順に繰り返すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄装置である。
請求項3に記載の発明によれば、水溶液の加温と、洗浄槽内の減圧と、それによる沸騰中の液中への外気の導入による水溶液の突沸とを繰り返すことで、被洗浄物の洗浄を一層確実に図ることができる。
本発明によれば、水溶液を確実に突沸させ、その突沸により被洗浄物を効果的に洗浄することができる。
本発明の洗浄装置の一実施形態を示す概略図であり、一部を断面にして示している。 図1の洗浄装置の運転状態を示す図であり、グラフは、洗浄槽内の液温(縦軸)と経過時間(横軸)との関係を示しており、(A)から(C)は、グラフと対応して示すタイムチャートである。 洗浄槽内の水溶液の飽和圧力と飽和温度との関係を示す図である。
以下、本発明の洗浄装置の一実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。但し、本発明の洗浄装置は、以下の実施形態に限定されることなく、適宜に変更可能である。
図1は、本発明の洗浄装置の一実施形態を示す概略図であり、一部を断面にして示している。本実施形態の洗浄装置1は、液体(洗浄液)を貯留して被洗浄物2を浸漬する洗浄槽3と、この洗浄槽3内の液体を加温する加温手段4と、洗浄槽3内の気体を外部へ吸引排出して洗浄槽3内を減圧する減圧手段5と、減圧された洗浄槽3内の液相部へ外気を導入する液相給気手段6と、減圧された洗浄槽3内の気相部へ外気を導入する気相給気手段7とを備える。さらに、洗浄装置1は、洗浄槽3内の気相部の圧力を検出する圧力センサ8と、洗浄槽3内の液相部の温度を検出する温度センサ9と、これらセンサ8,9の検出信号などに基づき前記各手段4〜7を制御する制御手段(図示省略)とを備える。
洗浄槽3は、内部空間の減圧に耐える中空容器である。洗浄槽3は、上方へ開口して中空部を有する本体10と、この本体10の開口部を開閉する扉11とを備える。扉11を閉じた状態で、本体10と扉11との隙間はパッキン12で封止される。これにより、本体10の中空部は密閉され、洗浄槽3内に密閉空間が形成される。
洗浄槽3には、被洗浄物2が収容されると共に、液体が設定液位(被洗浄物2の浸漬状態で洗浄槽3内の底面からたとえば150〜250mm、本実施形態では200mm)まで貯留される。なお、洗浄槽3内に貯留される液体は、水溶液であれば特に問わず、たとえば水(具体的には純水)、または洗剤を含んだ水である。本実施形態では、洗剤を0.5%含んだ水である。また、被洗浄物2は、洗浄を図りたい物品であり、たとえば、医療器具、電子部品または機械部品である。
洗浄槽3には、洗浄槽3内の気相部の圧力を検出する圧力センサ8と、洗浄槽3内の液相部の温度を検出する温度センサ9とが設けられる。
加温手段4は、洗浄槽3内の液体を加温する。加温手段4は、その具体的構成を特に問わないが、本実施形態では、洗浄槽3内の底部に配置された電気ヒータ13である。この場合、洗浄槽3内に液体を貯留した状態で、電気ヒータ13に通電することで、洗浄槽3内の液体を加温することができる。
減圧手段5は、洗浄槽3内の気相部に接続され、洗浄槽3内の気体を外部へ吸引排出して洗浄槽3内を減圧する。具体的には、減圧手段5は、真空発生装置14を備え、この真空発生装置14は、排気路15を介して、洗浄槽3内の気相部に接続されている。真空発生装置14は、その具体的構成を特に問わないが、典型的には水封式の真空ポンプを備え、この真空ポンプより上流側に、排気路15内の蒸気を凝縮させる熱交換器をさらに備えてもよい。また、排気路15には、洗浄槽3の出口において、洗浄槽3内からの気体中に含まれる液滴や固形物を除去するために、デミスターのような気水分離器を設けてもよい。
液相給気手段6は、洗浄槽3内の液相部に接続され、洗浄槽3内の圧力と洗浄槽外の大気圧との差圧により、洗浄槽3内の液相部に外気を導入する。具体的には、液相給気手段6は、減圧された洗浄槽3内の液相部に、液相給気路16を介して外気を導入する。液相給気路16には、洗浄槽3へ向けて順に、フィルター17および液相給気弁18が設けられている。従って、洗浄槽3内が減圧された状態で液相給気弁18を開くと、洗浄槽3の内外の差圧により、フィルター17を介した空気を、洗浄槽3内の液相部に導入することができる。
ところで、本実施形態では、液相給気路16からの空気は、洗浄槽3内の底部に設けた液相給気ノズル19を介して、洗浄槽3内の液中に導入される。液相給気ノズル19は、洗浄槽3内の底部に、横向きに配置されたパイプである。このパイプは、本実施形態では、洗浄槽3内の底部を蛇行するよう設けられている。また、このパイプは、洗浄槽3内の底部ではあるが底面から離隔して、水平に保持されている。さらに、このパイプには、その延出方向へ沿って設定間隔で、パイプの周側壁にノズル孔20が下方へ開口して形成されている。これにより、洗浄槽3内が減圧された状態で液相給気弁18を開くと、洗浄槽3内の液中に均質に空気を導入することができる。
気相給気手段7は、洗浄槽3内の気相部に接続され、洗浄槽3内の圧力と洗浄槽3外の大気圧との差圧により、洗浄槽3内の気相部に外気を導入する。具体的には、気相給気手段7は、減圧された洗浄槽3内の気相部に、気相給気路21を介して外気を導入する。気相給気路21には、洗浄槽3へ向けて順に、フィルター22および気相給気弁23が設けられている。従って、洗浄槽3内が減圧された状態で気相給気弁23を開くと、洗浄槽3の内外の差圧により、フィルター22を介した空気を、洗浄槽3内の気相部に導入することができる。
制御手段は、前記各センサ8,9の検出信号などに基づき、前記各手段4〜7を制御する。具体的には、電気ヒータ13、真空発生装置14、液相給気弁18、気相給気弁23の他、圧力センサ8および温度センサ9は、制御手段に接続されている。そして、制御手段は、以下に述べるように、所定の手順(プログラム)に従い、洗浄槽3内の被洗浄物2の洗浄を図る。
以下、本実施形態の洗浄装置1の運転方法の一例について説明する。
図2は、本実施形態の洗浄装置1の運転状態を示す図であり、グラフは、洗浄槽3内の液温(縦軸)と経過時間(横軸)との関係を示しており、(A)から(C)は、グラフと対応して示すタイムチャートである。ここで、(A)は電気ヒータ13の作動の有無を示し、(B)は真空発生装置14の作動の有無を示し、(C)は液相給気弁18の開閉を示している。
まず、洗浄槽3内に被洗浄物2を収容すると共に液体を貯留することで、洗浄槽3内の貯留液に被洗浄物2を浸漬した状態とする。その後、洗浄槽3内の液体を第一設定温度T1まで加温する加温動作S1と、設定条件を満たすまで洗浄槽3内を減圧する減圧動作S2と、洗浄槽3内の液中に外気を導入して洗浄槽3内の液体を突沸させる液相給気動作S3とを順に実行する。その後、所望により、所定の終了条件を満たすまで、加温動作S1と、減圧動作S2と、液相給気動作S3とを繰り返す。以下、まずは第一回目の各動作S1〜S3について説明し、その後、第二回目以降の各動作S1〜S3について説明する。
第一回目の加温動作S1では、洗浄槽3内の液体が第一設定温度T1になるまで、洗浄槽3内の液体を加温する。具体的には、液相給気弁18および気相給気弁23を閉じると共に真空発生装置14を停止した状態で、電気ヒータ13を作動させればよい。加温動作S1中、温度センサ9により洗浄槽3内の液体の温度を監視して、洗浄槽3内の液体が第一設定温度T1になれば、電気ヒータ13を停止させて加温動作S1を終了する。
第一回目の減圧動作S2は、設定条件を満たすまで、減圧手段5を用いて洗浄槽3内を減圧する。具体的には、液相給気弁18および気相給気弁23を閉じた状態で、真空発生装置14を作動させればよい。前記設定条件としては、洗浄槽3内の液体が第二設定温度T2となるか、洗浄槽3内が第二設定圧力P2となるか、あるいはこれらを満たす設定時間が経過するまでとされる。なお、第二設定温度T2は、第二設定圧力P2における飽和温度であり、逆にいうと、第二設定圧力P2は、第二設定温度T2における飽和圧力であり、第二設定温度T2と第二設定圧力P2とは所定の関係にある。
後述する実施例において明らかにされるとおり、第二設定温度T2は60℃以下、第二設定圧力P2は20kPa以下に設定される。特に、第二設定温度T2は50℃以下、第二設定圧力P2は12.3kPa以下に設定されるのが好ましい。なお、第一設定温度T1は、第二設定温度T2(または第二設定圧力P2における飽和温度)に基づき設定すればよい。具体的には、第一設定温度T1は、第二設定温度T2よりも所定温度(たとえば0.5〜2℃)高い温度に設定される。いずれにしても、減圧動作S2において、洗浄槽3内の液体は沸騰し、その沸騰中に、次に述べる液相給気動作S3が実行される。
第一回目の液相給気動作S3は、減圧動作S2による減圧手段5の作動を継続したまま液相給気手段6を用いて、洗浄槽3の内外の差圧により被洗浄物2よりも下方から洗浄槽3内の液体中に外気を導入する。具体的には、真空発生装置14の作動を継続したまま、液相給気弁18を開いて、大気圧との差圧により、フィルター17、液相給気路16および液相給気ノズル19を介して、貯留液中に外気を導入する。
このように、本実施形態の洗浄装置1では、洗浄槽3内の液体が沸騰している最中に、外気は、ブロアーで押し込まれることなく、大気圧との差圧により自然に吸い込まれる。この場合、液中に導入された気泡の圧力は、最初の気泡が気相部に達するまで、洗浄槽3内の圧力そのものとなる。従って、液中に空気泡を導入したことによって、導入された気体を沸騰の核として、導入された気泡は爆発的に膨張する。具体的には、液中に導入された気泡は、減圧下の洗浄槽3内において膨張すると共に、液体の沸騰蒸気が入り込むことでさらに膨張しつつ、液相部を上昇する。このようにして液体を突沸させ、液体の爆発的な噴上げとそれに続く落下とによって、液体を大きく揺動させて、被洗浄物2を効果的に洗浄することができる。
液相給気手段6により液相部に供給された空気は、やがて気相部に達し、洗浄槽3内を復圧する。液相給気動作S3において、洗浄槽3内を大気圧まで復圧してもよいが、加温動作S1、減圧動作S2および液相給気動作S3のセットを繰り返す場合には、洗浄槽3内を大気圧まで復圧してしまうと次回の減圧動作において減圧時間に無駄を生じるので、大気圧未満の所定圧力までの復圧で止めるように、液相給気弁18を閉じるのがよい。
その後、所望により、再び、加温動作S1がなされる。この加温動作S1では、電気ヒータ13に通電して、洗浄槽3内の液体を第一設定温度T1まで加温する。この加温動作S1では、真空発生装置14は、作動を継続したままとするが、場合により停止させてもよい。加温動作S1において真空発生装置14の作動を継続する場合、液相給気弁18を閉じたままでは洗浄槽3内の液体が沸騰してしまうので、沸騰する直前で一時的に液相給気弁18を開く動作が繰り返される。洗浄槽3内の液体が第一設定温度T1になると、電気ヒータ13を停止して、減圧動作S2に以降する。
減圧動作S2では、前述した第一回目の減圧動作S2と同様であり、液相給気弁18を閉じた状態を維持して、たとえば洗浄槽3内の液体が第二設定温度T2になるという設定条件を満たすまで、真空発生装置14により洗浄槽3内を減圧して、貯留液を沸騰させる。そして、この設定条件を満たすと、液相給気動作S3に以降する。
液相給気動作S3では、前述した第一回目の液相給気動作S3と同様であり、貯留液の沸騰中に液相給気弁18を開けて、洗浄槽3内の貯留液中に外気を導入し、その導入した空気泡を沸騰の核として、貯留液を突沸させる。この突沸による液体の爆発的な噴上げとそれに続く落下とによって、液体を大きく揺動させて、被洗浄物2を効果的に洗浄することができる。
このようにして、加温動作S1、減圧動作S2および液相給気動作S3を、所定の終了条件を満たすまで繰り返すのであるが、この終了条件として、第一回目の加温動作S1の終了時点からの経過時間、液相給気動作S3の実行回数を採用することができる。
そして、終了条件を満たせば、液相給気弁18を閉じて、電気ヒータ13および真空発生装置14を停止した状態で、気相給気弁23を開けて洗浄槽3内を大気圧まで復圧すればよい。その後、所望により、洗浄槽3内の液体を入れ替えて被洗浄物2をもう一度洗浄したり、被洗浄物2を乾燥したりしてもよい。なお、本実施形態において、洗浄には、濯ぎも含まれる。
ところで、上述した各減圧動作S2では、加温手段4を停止したが、場合により作動を継続してもよい。
前記実施形態の洗浄装置1を用いて、液相給気動作S3直前の洗浄槽3内圧力と突沸現象との関係を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2012055805
表1は、液相給気弁18を開く直前の洗浄槽3内の圧力と、洗浄槽3内の貯留液の上層と下層との温度差と、目視による突沸現象の有無と、液相給気動作S3中(突沸中)の音の強さとの関係を示す表である。なお、洗浄槽3内の貯留液に被洗浄物2を浸漬した状態で、貯留液の水深は200mmである。また、突沸が激しいほど、大きな音を生ずるので、デシベル値が大きくなる。
この表から明らかなとおり、液相給気動作S3を開始する直前の洗浄槽3内圧力は、19.9kPa以下(貯留液の温度が60℃以下に相当)であれば突沸が生じ、12.3kPa(貯留液の温度が50℃以下に相当)であれば、明らかな突沸が見られた。
この原因は、図3に示すように、同じ圧力差ΔP(具体的には洗浄槽3内の貯留液の上層と下層との水頭圧による圧力差)であっても、それに対応する温度差ΔT,ΔT´が高圧になるほど小さくなることと関係する(ΔT>ΔT´)。すなわち、高温(つまり洗浄槽3内圧力が高い)ほど貯留液の上層と下層での温度差が小さくなり、空気(沸騰の核)を導入しても、過熱領域ができず、突沸が生じないと考えられる。そして、貯留液の上層と下層とで、突沸が生じる温度差が得られる条件は、表1から、洗浄槽3内が20kPa以下、より好ましくは15kPa以下であることが分かる。
1 洗浄装置
2 被洗浄物
3 洗浄槽
4 加温手段
5 減圧手段
6 液相給気手段
7 気相給気手段
8 圧力センサ
9 温度センサ
13 電気ヒータ
14 真空発生装置
18 液相給気弁
T1 第一設定温度
T2 第二設定温度

Claims (3)

  1. 水溶液を貯留して被洗浄物を浸漬する洗浄槽と、
    この洗浄槽内の水溶液を加温する加温手段と、
    前記洗浄槽内の気相部に接続され、前記洗浄槽内の気体を外部へ吸引排出して、前記洗浄槽内を減圧する減圧手段と、
    前記洗浄槽内の液相部に接続され、前記洗浄槽内を減圧した状態で液相給気弁を開く液相給気手段とを備え、
    前記加温手段により前記洗浄槽内の水溶液を第一設定温度まで加温後、設定条件を満たすまで前記減圧手段により前記洗浄槽内を減圧して水溶液を沸騰させ、この沸騰中に、前記減圧手段の作動を継続したまま前記液相給気弁を開いて、前記洗浄槽の内外の差圧により前記被洗浄物よりも下方から前記洗浄槽内の液中に外気を導入して、前記洗浄槽内の水溶液を突沸させ、
    前記設定条件は、前記洗浄槽内の水溶液が第二設定温度となるか、前記洗浄槽内が第二設定圧力となるまでであり、且つ、前記第二設定温度は60℃以下、前記第二設定圧力は20kPa以下に設定される
    ことを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記第二設定温度は50℃以下、前記第二設定圧力は12.3kPa以下に設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記加温手段による前記第一設定温度までの水溶液の加温と、
    前記液相給気弁を閉じた状態において前記設定条件を満たすまでの前記減圧手段による前記洗浄槽内の減圧と、
    これによる水溶液の沸騰中の前記液相給気手段による液中への外気の導入による水溶液の突沸と
    を順に繰り返すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄装置。
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