JP6053783B2 - アゾジカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

アゾジカルボン酸エステルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電解反応を用いて、カルバミン酸エステルから直接アゾジカルボン酸エステルを得る製造方法に関する。
アゾジカルボン酸エステルは、有用な化学反応剤として、例えば、光延反応の縮合剤など、広い用途に利用されてきた。
従来、アゾジカルボン酸エステルは、下記の反応式1で示すように、塩基存在下、ヒドラジンに、2モルのクロロギ酸エステルを作用させてヒドラゾジカルボン酸エステルを調製し、これに発煙硝酸、塩素、PhI(OAc)2, 臭素/ピリジンなどを作用させる2段階の反応で合成されてきた(非特許文献1〜4)。
Figure 0006053783
これら従来の合成法では、出発物質に、不安定でその取り扱いに格別の注意を要するヒドラジンを用いなければならないという問題があった。また、反応中間体として生成するヒドラゾジカルボン酸エステルをアゾジカルボン酸エステルに変換する際に、毒性の高い、あるいは高価な酸化剤を大量に必要とするという問題があった。
Kauer, J. C. Org. Synth. 1963, 4, 411. Zhang, W.; Li W.: Liu, D.; Dong, Q. Zhongguo Kangshengsu Zazhi 2003, 7, 391. CAN 141:379719. Moriarty, R. M.; Prakash, I.; Penmasta, R. Synth. Commun. 1987, 17, 40 Starr, J. T.; Rai, G. S.: Dang, S. Rai: Dang, H.; Mcnelis, B. J. Synth. Commun. 1997, 18, 3197.
本発明は、実用的で工業的に有利なアゾジカルボン酸エステルの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、安全、安価、且つ簡便なカルバミン酸エステルの電解酸化二量化方法について、鋭意研究を行った。その結果、水中又は有機溶媒と水との混合溶媒中で、ハロゲン化水素酸、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、過ハロゲン酸、およびこれらの塩からなる群より選択される1種又は2種以上のハロゲン化合物の存在下に、カルバミン酸エステルを電解することにより、1工程の、実用的で工業的に有利な、環境負荷軽減効果の大きいアゾジカルボンサンエステルの製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の、アゾジカルボン酸エステルの製造方法を提供するものである。
項1.水中又は有機溶媒と水との混合溶媒中で、ハロゲン化水素酸、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、過ハロゲン酸、およびこれらの塩からなる群より選択される1種又は2種以上のハロゲン化合物の存在下に、カルバミン酸エステルを電解することを特徴とする、アゾジカルボン酸エステルの製造方法。
項2.ハロゲン化合物が、臭化水素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の製造方法。
項3.さらに、酸の存在下に行うことを特徴とする、項1又は2に記載の製造方法。
項4.陽陰極室を隔膜で分離した分離セルを用いて電解を行う、項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
項5.有機溶媒が、炭素数5〜12のアルカン、炭素数5〜12のシクロアルカン、炭素数4〜12のエーテル、及び炭素数1〜4のカルボン酸の炭素数1〜8のアルキルエステルからなる群より選択される1種又は2種以上である、項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
項6.1mA/cm〜1A/cmの定電流密度条件下に電解を行う、項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
項7.10mA/cm〜500mA/cmの定電流密度条件下に電解を行う、項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
項8.−10〜80℃で電解を行う、項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
項9.0〜40℃の条件下に電解を行う、項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明によれば、入手容易なカルバミン酸エステルを、特定の条件下で電解酸化することで、直接、アゾジカルボン酸エステルを簡便に製造することができる。
本発明で用いられる原料や必要な反応剤は、いずれも安定的に安価に入手可能であり、また、不安定な中間体を取り扱うことなく、直接、一段階でアゾジカルボン酸エステルが製造できることから、本発明の製造方法は、従来の製造方法と比較して、格段に有利な工業的製造方法である。
本発明の電解反応において用いるハロゲン化合物を含む電解溶液は、回収・再利用が可能であることから、これを繰り返し利用することで、製造コストの削減や廃棄物の減量化が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、水中又は有機溶媒と水との混合溶媒中で、ハロゲン化水素酸、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、過ハロゲン酸、およびこれらの塩からなる群より選択される1種又は2種以上のハロゲン化合物の存在下に、カルバミン酸エステルを電解することにより、アゾジカルボン酸エステルを製造する方法であり、下記の反応式2で表される。
Figure 0006053783
上記Rのアルキル基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ベンジル基が挙げられる。炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。好ましくは、エチル基である。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。具体的な炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基等が挙げられる。好ましくは、メトキシエチル基である。
ハロゲン化水素酸としては、具体的には、塩化水素酸、臭化水素酸、沃化水素酸が挙げられる。
次亜ハロゲン酸としては、具体的には、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜沃素酸が挙げられる。
亜ハロゲン酸としては、具体的には、亜塩素酸、亜臭素酸、亜沃素酸が挙げられる。
ハロゲン酸としては、具体的には、塩酸、臭素酸、沃素酸が挙げられる。
過ハロゲン酸としては、具体的には、過塩素酸、過臭素酸、過沃素酸が挙げられる。
これらの中でも、塩酸、臭化水素酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過塩素酸が好ましい。
また、ハロゲン化水素酸、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、過ハロゲン酸の塩としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、具体的には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
アルカリ土類金属塩としては、具体的には、カルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。
これらの中でも、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化バリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、亜臭素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウムが好ましい。
これらのハロゲン化合物は、1種単独あるいは2種以上を混合して使用できる。少なくとも一種が、臭化水素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、あるいはそれらの塩のいずれかであることが好ましい。
電解液中のハロゲン化合物の濃度としては、通常、0.001重量%〜飽和濃度、好ましくは0.01重量%〜飽和濃度とするのがよい。
本発明の電解反応は、さらに酸を加えて行うことが好ましい。
酸としては、例えば、鉱酸、スルホン酸、スルフィン酸、スルフェン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸が挙げられる。
鉱酸としては、具体的には、硫酸、次亜硫酸、亜硫酸、リン酸、次亜リン酸、亜リン酸等が挙げられる。
スルホン酸としては、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
スルフィン酸としては、具体的には、メタンスルフィン酸、エタンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸等が挙げられる。
スルフェン酸としては、具体的には、メタンスルフェン酸、ベンゼンスルフェン酸、p−トルエンスルフェン酸等が挙げられる。
ホスホン酸としては、具体的には、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸等が挙げられる。
ホスフィン酸としては、具体的には、メチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。
これらの酸は、1種単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
本発明の電解酸化反応においては、溶媒として、水又は水と有機溶媒との混合溶媒が使用される。水と混合し得る有機溶媒としては、炭素数5〜12のアルカン、炭素数5〜12の置換又は非置換のシクロアルカン、炭素数4〜12のエーテル、及び炭素数1〜4のカルボン酸の炭素数1〜8のアルキルエステルからなる群より選択される1種又は2種以上が挙げられる。
炭素数5〜12のアルカンとしては、具体的には、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等が挙げられる。
炭素数5〜12の置換又は非置換のシクロアルカンとしては、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロノナン等が挙げられる。
炭素数4〜12のエーテルとしては、具体的には、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
炭素数1〜4のカルボン酸の炭素数1〜8のアルキルエステルとしては、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
これらの有機溶媒は、1種単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
また、混合溶媒を用いる場合、有機溶媒は、溶媒全体に対し、50重量%以下が好ましい。
水又は水と有機溶媒との混合溶媒の使用量は、カルバミン酸エステル1重量部に対して、通常1〜100重量部程度、好ましくは5〜50重量部程度でよい。
本発明の電解酸化反応において、定電流電解法及び定電位電解法のいずれも採用することが出来るが、装置、操作の簡便さ等の点で、定電流電解法を採用するのが好ましい。電流密度は通常、1mA/cm〜1A/cm、好ましくは10〜500mA/cmの範囲とするのが良い。
使用する電極材料としては、通常の電解反応で用いられる電極を利用できる。陽極材料としては、例えば、白金、あるいは白金メッキ処理したチタンやステンレス等の金属電極が好ましい。陰極材料としては、例えば、白金、ステンレス、スズ、アルミニウム、亜鉛、銅、チタン、白金メッキ処理したチタン等の金属電極や炭素電極が挙げられる。
本発明の電解酸化反応は、陽極と陰極とを隔膜で分離した分離セル中でも、無隔膜の単一槽中でも行うことができる。分離セル中で行うことがより好ましい。
本発明の電解酸化反応において通電する電気量は、用いる電解槽の形状、用いる溶剤の種類、電解条件等により異なり、一概には言えないが、通常、原料のカルバミン酸エステルに対して、0.1〜10F/mol、好ましくは0.2〜5F/molである。
本発明の電解酸化反応は、通常、−20〜80℃で行うことができる。特に、冷却下に行うことが好ましく、−15〜40℃が好適であり、より好適には、−10〜10℃である。
生成したアゾジカルボン酸エステルは、電解溶液中から、当業界において通常用いられる有機溶媒によって抽出・水洗操作などを行うことにより、容易に分取することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の各実施例で得られたアゾジカルボン酸ジエステルは、赤外吸収スペクトル(IR)及びプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により同定した。
IR:1777cm−1(C=O伸縮)、
H−NMR(300MHz、CDCl):δ4.13(q、J=7.2Hz、2H)、1.07(t、J=7.2Hz、3H)、
13C−NMR(75MHz、CDCl):δ160.6、65.7、14.3。
以下の各実施例での未反応のカルバミン酸エステル及び生成物のアゾジカルボン酸ジエステルの定量は、ガスクロマトグラフィーにより行った。
実施例1
ガラスフィルターで陽陰極室を分離した電解セル(分離型セル)の陽極室に、カルバミン酸エチル(2.14g、24mmol)、臭化ナトリウム(0.41g、4mmol)、臭素酸ナトリウム(0.30g、2mmol)、硫酸(0.5M、6mL)とペンタン(4mL)を秤り取り、陰極室に硫酸(0.5M、6mL)とペンタン(4mL)を加えた。陽陰極として白金板(各々1.5×1cm)を付した後、電解セルを0℃の氷浴に浸して冷却しながら、電流を150mAで一定に保ち、4.2時間(1F/mol)電解を行った。陽極室の電解液を酢酸エチル(8mL)で3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アゾジカルボン酸ジエチルが33%の収率で生成し、カルバミン酸エチルが60%回収されていた。抽出液を減圧下に濃縮し、残渣にペンタン(10mL)を加えて溶解し、蒸留水(10ml)で3回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下に濃縮し、目的のアゾジカルボン酸ジエチルを、淡橙色の液体(0.66g、電流効率64%、消費したカルバミン酸エチルに対する収率89%)として得た。
実施例2〜11
陽極室に加えた臭化ナトリウム及び臭素酸ナトリウムに替えて、表1に示す酸や塩を添加し、同表に示す条件で電解を行った他は、実施例1と同じ条件で電解した。
Figure 0006053783
実施例12〜18
水と混合する有機溶媒として、ペンタンに替えて、表2に示す有機溶媒を用いた他は、実施例1の条件により電解した。
Figure 0006053783
実施例19〜21
下記反応式3において1で示される原料について、表3に示すRをもつカルバミン酸エステル1に替えた他は、実施例1に示す条件で電解を行った。
Figure 0006053783
Figure 0006053783
実施例22
2枚の白金電極(1.5×1cm)を付したビーカー型電解セル(非分離型セル)に、カルバミン酸エチル(2.14g、24mmol)、臭化ナトリウム(0.41g、4mmol)、臭素酸ナトリウム(0.30g、2mmol)、硫酸(0.5M、6mL)とペンタン(4mL)とを秤り取り、電解セルを氷浴に浸して0℃に冷却しながら、電流を150mAで一定に保ち、4.3時間(1F/mol)電解を行った。電解液を酢酸エチル(8mL)で3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アゾジカルボン酸ジエチルが22%の収率で生成し、カルバミン酸エチルが71%回収されていた。減圧下で溶媒を留去したのち、残渣にペンタン(10mL)を加えて溶解し、蒸留水(10ml)で3回洗浄した。続いて、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮し、目的のアゾジカルボン酸ジエチルを、淡橙色の液体(0.45g、電流効率43%、消費したカルバミン酸エチルに対する収率74%)として得た。
実施例23
2枚の白金電極(1.5x1cm)を付したビーカー型電解セル(非分離型セル)に、カルバミン酸エチル(891mg、10mmol)、臭化ナトリウム(515mg、5mmol)、酢酸緩衝液(2M、pH=5.5mL)を秤り取り、電解セルを冷却浴に浸して−10℃に冷却しながら、電流を400mAで一定に保ち、1.3時間(2F/mol)電解を行った。電解液を酢酸エチル(5mL)で3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アゾジカルボン酸ジエチルが40%の収率で生成し、カルバミン酸エチルが51%回収されていた。
実施例24〜25
電解温度を、表4に示す温度に替えた他は、実施例23の条件で電解を行った。
Figure 0006053783
実施例26〜28
電流を、表5に示す電流値に替えた他は、実施例23の条件で電解を行った。
Figure 0006053783
実施例29〜31
陽極を、表6に示す電極に替えた他は、実施例23の条件で電解を行った。
Figure 0006053783
実施例32
ガラスフィルターで陽陰極室を分離した電解セル(H型分離セル)の陽極室に、カルバミン酸エチル(891mg、10mmol)、塩化ナトリウム(1.75g、30mmol)、硫酸(0.5M、5mL)を秤り取り、陰極室に硫酸(0.5M、6mL)を加えた。陽陰極として、白金板(各々1.5x1cm)を付した後、電解セルを0℃の氷浴に浸して冷却しながら、電流を150mAで一定に保ち、3.5時間(2F/mol)電解を行った。陽極室の電解液を、酢酸エチル(8mL)で3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アゾジカルボン酸ジエチルが 22%の収率で生成し、カルバミン酸エチルが42%回収されていた。
実施例33、34
塩化ナトリウムの添加量を、表7に示す量に替えた他は、実施例32の条件で電解を行った。
Figure 0006053783
実施例35〜45
塩化ナトリウムに替えて、表8に示す塩又は酸を用いた他は、実施例32の条件で電解を行った。
Figure 0006053783
実施例46
ガラスフィルターで陽陰極室を分離した電解セル(H型分離セル)の陽極室に、カルバミン酸エチル(891mg、10mmol)、臭化ナトリウム(515mg、5mmol)、硫酸(0.5M、5mL)を秤り取り、陰極室に硫酸(0.5M、6mL)を加えた。陽陰極として、白金板(各々1.5x1cm)を付した後、電解セルを0℃ の氷浴に浸して冷却しながら、電流を150mAで一定に保ち、3.5時間(2F/mol)電解を行った。陽極室の電解液を、酢酸エチル(8mL)で3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、アゾジカルボン酸ジエチルが 40%の収率で生成し、カルバミン酸エチルが29%回収されていた。
実施例47〜52
陽陰極室にそれぞれ加えた0.5M硫酸に替えて、表9に示す酸又は塩の水溶液、若しくは緩衝溶液を用いた他は、実施例46の条件で電解を行った。
Figure 0006053783

Claims (7)

  1. 水中又は有機溶媒と水との混合溶媒中で、ハロゲン化水素酸、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、過ハロゲン酸、およびこれらの塩からなる群より選択される1種又は2種以上のハロゲン化合物の存在下に、カルバミン酸エステルを電解することを特徴とする、アゾジカルボン酸エステルの製造方法。
  2. ハロゲン化合物が、臭化水素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、およびそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の製造方法。
  3. さらに、酸の存在下に行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 陽陰極室を隔膜で分離した分離セルを用いて電解を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 有機溶媒が、炭素数5〜12のアルカン、炭素数5〜12の置換又は非置換のシクロアルカン、炭素数4〜12のエーテル、及び炭素数1〜4のカルボン酸の炭素数1〜8のアルキルエステルからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 1mA/cm〜1A/cmの定電流密度条件下に電解を行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. −10〜80℃で電解を行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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