JP6050722B2 - プラズマ処理装置及びフィルタユニット - Google Patents

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Description

本発明は、高周波を用いて被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置に係り、特に処理容器内の高周波電極その他の電気的部材から給電ラインや信号線等の線路上に入ってくる高周波ノイズを遮断するためのフィルタを備えるプラズマ処理装置に関する。
プラズマを用いる半導体デバイスあるいはFPD(Flat Panel Display)の製造のための微細加工においては、被処理基板(半導体ウエハ、ガラス基板等)上のプラズマ密度分布の制御と共に、基板の温度ないし温度分布の制御が非常に重要である。基板の温度制御が適正に行われないと、基板表面反応ひいてはプロセス特性の均一性が確保できなくなり、半導体デバイスあるいは表示デバイスの製造歩留まりが低下する。
一般に、プラズマ処理装置、特に容量結合型のプラズマ処理装置のチャンバ内で被処理基板を載置する載置台またはサセプタは、プラズマ空間に高周波を印加する高周波電極の機能と、基板を静電吸着等で保持する保持部の機能と、基板を伝熱で所定温度に制御する温度制御部の機能とを有している。温度制御機能に関しては、プラズマやチャンバ壁からの輻射熱の不均一性による基板への入熱特性の分布や、基板支持構造による熱分布を適切に補正できることが望まれている。
従来より、サセプタの温度ひいては基板の温度を制御するために、サセプタに通電により発熱する発熱体を組み込んで該発熱体の発生するジュール熱を制御するヒータ方式が多く用いられている。しかしながら、ヒータ方式が採られると、該高周波電源よりサセプタに印加された高周波の一部がノイズとして発熱体からヒータ給電ラインに入り込みやすい。高周波ノイズがヒータ給電ラインを通り抜けてヒータ電源に到達すると、ヒータ電源の動作ないし性能が害されるおそれがある。さらに、ヒータ給電ライン上で高周波の電流が流れると、高周波のパワーが無駄に消費される。このような実情により、サセプタ内蔵の発熱体から入ってくる高周波のノイズを減衰させまたは阻止するためのフィルタをヒータ給電ライン上に設けるのが通例となっている。通常、この種のフィルタは、サセプタの直下で処理容器の外に配置される。
本出願人は、特許文献1で、プラズマ処理装置において処理容器内の高周波電極その他の電気的部材から給電ラインや信号線等の線路上に入ってくる高周波のノイズを遮断するフィルタの性能を改善する技術を開示している。このフィルタ技術は、分布定数線路の規則的な多重並列共振特性を利用することにより、フィルタ内に収めるコイルを1個の空芯コイルで済ましている。
特開2011−135052
容量結合型のプラズマ処理装置は、プラズマプロセスにおける高周波の機能およびその制御性を高めるために、処理容器内の電極に周波数の異なる複数の高周波を印加することが多い。たとえば、下部2周波印加方式は、被処理基板を載置するサセプタ(下部電極)に、プラズマの生成に適した比較的高い基本周波数(通常27MHz以上)を有する第1高周波HFと、プラズマから被処理基板に入射するイオンのエネルギーを制御するのに適した比較的低い基本周波数(通常13MHz以下)を有する第2高周波LFとを重畳して印加する。この場合、基板の温度制御のためにサセプタに組み込まれる発熱体を介してヒータ給電ライン上に第1および第2高周波HF,LFのノイズが同時に入ってくる。ヒータ給電ライン上に設けられるフィルタは、それら2周波の高周波ノイズを同時に遮断しなければならない。
上記のような特許文献1のフィルタにおいては、遮断対象の周波数の中で最も低い第2高周波LFの基本周波数によって空芯コイルに要求されるインダクタンスつまりコイルのサイズ(特に軸方向のコイル長さ)が左右され、第2高周波LFの基本周波数が低いほどコイル長さを大きくしなければならない。たとえば、第2高周波LFの基本周波数が3.2MHzの場合はコイル長さが200mm以上必要であり、第2高周波LFの基本周波数が400kHzの場合はコイル長さが750mm以上必要になる。しかしながら、空芯コイルのサイズが大きくなるほど、コイル導線の抵抗が高くなって、ヒータ電源からの電流が流れる時に発生するジュール熱が増えて、フィルタ内の電力損失が増大する。また、空芯コイルのサイズつまりフィルタのサイズが大きくなると、サセプタないしチャンバの下に設けられる各種用力供給系のレイアウト設計が難しくなる。
さらに、上記特許文献1のフィルタにおいては、空芯コイルとそれを包囲する筒状の外導体とで形成される分布定数線路の並列多重共振により、フィルタの周波数−インピーダンス特性に多数の並列共振周波数が略一定の周波数間隔で現れる。しかし、並列共振周波数が規則的な周波数間隔で得られるが故に、プロセスの種類や仕様など様々な観点から任意に選定される両高周波HF,LFの周波数に並列多重共振を同時にマッチングさせることが難しいという問題もある。
特に、上記特許文献1のフィルタにおいて並列多重共振の中で最も低い並列共振周波数を3.2MHzや400kHzのような低目の値に設定された第2高周波LFの基本周波数に合わせる設計を行うと、上記のように空芯コイルの大型化を招くだけでなく、共振周波数の間隔が非常に狭くて傾斜(変化率)の急峻な周波数−インピーダンス特性になる。このため、フィルタ設計にわずかな誤差やばらつきがあると、遮断対象の基本周波数が並列共振周波数よりも隣の直列共振周波数に寄って、著しく低いインピーダンスとなり、フィルタ機能が効かなくなることがある。このため、フィルタの設計・製作・調整が難しく、プラズマ処理装置レベルでの機差も生じやすい。
本発明は、上記のような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、処理容器内の高周波電極その他の電気的部材から給電ラインや信号線等の線路上に入ってくる有害な複数の周波数の高周波ノイズに対して、効率的かつ安定確実に十分高いインピーダンスを与えて、プラズマプロセスの再現性・信頼性を向上させるプラズマ処理装置およびフィルタユニットを提供する。
本発明の第1の観点におけるプラズマ処理装置は、プラズマ処理が行われる処理容器内の所定の電気的部材に線路を介して電気的に接続される電力系または信号系の外部回路を有し、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを前記線路上に設けたフィルタによって減衰させ、または阻止するプラズマ処理装置であって、前記フィルタが、前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、前記空芯ソレノイドコイルの巻線間に周回方向の複数箇所で局所的に入っている絶縁性の櫛歯と、前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体とを有する、
また、本発明の第1の観点におけるフィルタユニットは、プラズマ処理が行われる処理容器内の電気的部材が前記処理容器の外に配置される外部回路に線路を介して電気的に接続されているプラズマ処理装置において、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを減衰させ、または阻止するために前記線路の途中に設けられるフィルタユニットであって、前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、前記空芯ソレノイドコイルの巻線間に周回方向の複数箇所で局所的に入っている絶縁性の櫛歯と、前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体とを有する。
上記第1の観点においては、プラズマ処理中に処理容器内の上記電気的部材から処理容器の外の上記外部回路に向かって線路上に入ってくる複数の高周波のノイズに対して、フィルタの初段の空芯ソレノイドコイルが周波数の高い方の高周波ノイズを遮断し、次段のトロイダルコイルが空芯コイルを通過した周波数の最も低い高周波ノイズを遮断する。このように、周波数の高い方の高周波のノイズに対するフィルタ遮断機能および周波数の低い方の高周波のノイズに対するフィルタ遮断機能を、空芯ソレノイドコイルおよびトロイダルコイルにそれぞれ役割分担させる。
また、上記第1の観点においては、空芯ソレノイドコイルが、その巻線ピッチを櫛歯ピッチによって正確に設定値に揃えているので、再現性が高くて個体差の少ない周波数−インピーダンス特性またはフィルタ特性を得ることができる。さらには、空芯ソレノイドコイルの巻線間には櫛歯を除く部分にエアギャップが形成されているので、コイルで発生する熱がエアギャップを介して速やかに放出される。したがって、空芯ソレノイドコイルを効率よく冷却することができる。
本発明の第2の観点におけるプラズマ処理装置は、プラズマ処理が行われる処理容器内の所定の電気的部材に線路を介して電気的に接続される電力系または信号系の外部回路を有し、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを前記線路上に設けたフィルタによって減衰させ、または阻止するプラズマ処理装置であって、前記フィルタが、前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、前記空芯ソレノイドコイルの第1の区間で巻線間に周回方向の複数箇所で局所的に入っている絶縁性の櫛歯と、前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐコイルチューブと、前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体とを有する。
また、本発明の第2の観点におけるフィルタユニットは、プラズマ処理が行われる処理容器内の第1の電極に設けられている発熱体が前記処理容器の外に配置されるヒータ電源に給電ラインを介して電気的に接続されているプラズマ処理装置において、前記発熱体から前記ヒータ電源に向かって前記給電ラインに入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを減衰させ、または阻止するために前記給電ラインの途中に設けられるフィルタユニットであって、前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、前記空芯ソレノイドコイルの第1の区間で巻線間に周回方向の複数箇所で局所的に入っている絶縁性の櫛歯と、前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐコイルチューブと、前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体とを有する。
上記第2の観点においては、プラズマ処理中に処理容器内の上記電気的部材から処理容器の外の上記外部回路に向かって線路上に入ってくる複数の高周波のノイズに対して、フィルタの初段の空芯ソレノイドコイルが周波数の高い方の高周波ノイズを遮断し、次段のトロイダルコイルが空芯ソレノイドコイルを通過した周波数の最も低い高周波ノイズを遮断する。このように、周波数の高い方の高周波のノイズに対するフィルタ遮断機能および周波数の低い方の高周波のノイズに対するフィルタ遮断機能を、空芯ソレノイドコイルおよびトロイダルコイルにそれぞれ役割分担させる。
また、上記第2の観点においては、空芯ソレノイドコイルの第1の区間では巻線間に周回方向の複数箇所で絶縁性の第1の櫛歯が入り、第2の区間では巻線間を周回方向の全域で第2のコイルチューブが塞ぐ構成が採られることにより、空芯ソレノイドコイルと筒状導体との間に形成される分布定数線路または同軸線路の距離間隔を一定に保ちながら、特性インピーダンスを区間単位で変化させて、並列多重共振における共振周波数の一部または全部をシフトさせることができる。
本発明の第3の観点におけるプラズマ処理装置は、プラズマ処理が行われる処理容器内の所定の電気的部材に線路を介して電気的に接続される電力系または信号系の外部回路を有し、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを前記線路上に設けたフィルタによって減衰させ、または阻止するプラズマ処理装置であって、前記フィルタが、前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐ第1の比誘電率を有する第1のコイルチューブと、前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐ第2の比誘電率を有する第2のコイルチューブと、前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体とを有する。
本発明の第3の観点におけるフィルタユニットは、プラズマ処理が行われる処理容器内の電気的部材が前記処理容器の外に配置される外部回路に線路を介して電気的に接続されているプラズマ処理装置において、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを減衰させ、または阻止するために前記線路の途中に設けられるフィルタユニットであって、前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐ第1の比誘電率を有する第1のコイルチューブと、前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐ第2の比誘電率を有する第2のコイルチューブと、前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体とを有する。
上記第3の観点においては、プラズマ処理中に処理容器内の上記電気的部材から処理容器の外の上記外部回路に向かって線路上に入ってくる複数の高周波のノイズに対して、フィルタの初段の空芯ソレノイドコイルが周波数の高い方の高周波ノイズを遮断し、次段のトロイダルコイルが空芯ソレノイドコイルを通過した周波数の最も低い高周波ノイズを遮断する。このように、周波数の高い方の高周波のノイズに対するフィルタ遮断機能および周波数の低い方の高周波のノイズに対するフィルタ遮断機能を、空芯ソレノイドコイルおよびトロイダルコイルにそれぞれ役割分担させる。
さらに、上記第3の観点においては、空芯ソレノイドコイルの第1の区間では第1の比誘電率を有する第1のコイルチューブが巻線間を周回方向の全域で塞ぐ一方で、第2の区間では第2の比誘電率を有する第2のコイルチューブが巻線間を周回方向の全域で塞ぐ構成が採られることにより、空芯ソレノイドコイルと筒状導体との間に形成される分布定数線路または同軸線路の距離間隔を一定に保ちながら、特性インピーダンスを区間単位で変化させて、並列多重共振における共振周波数の一部または全部をシフトさせることができる。
本発明のプラズマ処理装置またはフィルタユニットによれば、上記のような構成および作用により、処理容器内の高周波電極その他の電気的部材から給電ラインや信号線等の線路上に入ってくる有害な複数の周波数の高周波ノイズに対して、効率的かつ安定確実に十分高いインピーダンスを与えて、プラズマプロセスの再現性・信頼性を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す断面図である。 上記プラズマ処理装置のサセプタ(下部電極)に設けられる発熱体の構成を示す略平面図である。 上記サセプタ内の発熱体に電力を供給するためのヒータ給電部の回路構成を示す図である。 第1の実施例におけるフィルタユニットの全体構造を示す縦断面図である。 上記フィルタユニットの要部の構造を示す横断面図である。 上記フィルタユニットにおける要部の構成を示す部分拡大斜視図である。 上記フィルタユニットにおける空芯ソレノイドコイル回りのサブアッセンブリの具体的構成例を示す斜視図である。 上記サブアッセンブリの要部を示す部分拡大斜視図である。 上記サブアッセンブリの具体的構成の一変形例を示す斜視図である。 上記フィルタユニットに設けられるトロイダルコイルの構造を示す平面図である。 上記トロイダルコイルのトロイダルコアの外観構成を示す斜視図である。 上記フィルタユニットにおける空芯ソレノイドコイルの標準的な巻線ピッチ分布を模式的に示す図である。 空芯ソレノイドコイルが図10の巻線ピッチ分布を有する場合の周波数−インピーダンス特性の一例を示す図である。 上記トロイダルコイル回りの等価回路を示す回路図である。 上記トロイダルコイル回りの等価回路の周波数−インピーダンス特性の一例を示す図である。 上記空芯ソレノイドコイルの巻線ピッチおよび櫛歯に関する別の実施例の構成を示す斜視図である。 図14の実施例における巻線ピッチに関する空芯ソレノイドコイルの分割パターンを模式的に示す図である。 空芯ソレノイドコイルが巻線ピッチに関して図15の分割パターンを有する場合の周波数−インピーダンス特性の一例を示す図である。 一変形例におけるプラズマ処理装置の構成を示す断面図である。 別の実施例におけるフィルタユニット内の物理的な構造を示す縦断面図である。 図18の実施例における空芯ソレノイドコイルの要部(コイル巻線間構造)を示す部分拡大斜視図である。 図18の実施例における巻線ピッチに関する空芯ソレノイドコイルの分割パターンを模式的に示す図である。 空芯ソレノイドコイルが巻線ピッチに関して図20の分割パターンを有する場合の周波数−インピーダンス特性の一例を示す図である。 別の実施例における要部(コイル巻線間構造)を示す部分拡大斜視図である。 トロイダルコアの一変形例を示す図である。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。

[プラズマ処理装置全体の構成]
図1に、本発明の第1の実施形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す。このプラズマ処理装置は、下部2周波印加方式の容量結合型プラズマエッチング装置として構成されており、たとえばアルミニウムまたはステンレス鋼等の金属製の円筒型チャンバ(処理容器)10を有している。チャンバ10は接地されている。
チャンバ10内には、被処理基板としてたとえば半導体ウエハWを載置する円板形状のサセプタ12が下部電極として水平に配置されている。このサセプタ12は、たとえばアルミニウムからなり、チャンバ10の底から垂直上方に延びるたとえばセラミック製の絶縁性筒状支持部14により非接地で支持されている。この絶縁性筒状支持部14の外周に沿ってチャンバ10の底から垂直上方に延びる導電性の筒状支持部16とチャンバ10の内壁との間に環状の排気路18が形成され、この排気路18の底に排気口20が設けられている。この排気口20には排気管22を介して排気装置24が接続されている。排気装置24は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、チャンバ10内の処理空間を所望の真空度まで減圧することができる。チャンバ10の側壁には、半導体ウエハWの搬入出口を開閉するゲートバルブ26が取り付けられている。
サセプタ12には、第1および第2の高周波電源28,30がマッチングユニット32および給電棒34を介して電気的に接続されている。ここで、第1の高周波電源28は、主としてプラズマの生成に寄与する一定周波数(通常27MHz以上)の第1高周波HFを出力する。一方、第2の高周波電源30は、主としてサセプタ12上の半導体ウエハWに対するイオンの引き込みに寄与する一定周波数(通常13MHz以下)の第2高周波LFを出力する。マッチングユニット32には、第1および第2の高周波電源28,30とプラズマ負荷との間でインピーダンスの整合をとるための第1および第2の整合器(図示せず)が収容されている。
給電棒34は、所定の外径を有する円筒形または円柱形の導体からなり、その上端がサセプタ12の下面中心部に接続され、その下端がマッチングユニット32内の上記第1および第2整合器の高周波出力端子に接続されている。また、チャンバ10の底面とマッチングユニット32との間には、給電棒34の周りを囲む円筒形の導体カバー35が設けられている。より詳細には、チャンバ10の底面(下面)に給電棒34の外径よりも一回り大きな所定の口径を有する円形の開口部が形成され、導体カバー35の上端部がこのチャンバ開口部に接続されるとともに、導体カバー35の下端部が上記整合器の接地(帰線)端子に接続されている。
サセプタ12は半導体ウエハWよりも一回り大きな直径または口径を有している。サセプタ12の上面は、ウエハWと略同形状(円形)かつ略同サイズの中心領域つまりウエハ載置部と、このウエハ載置部の外側に延在する環状の周辺部とに区画されている。ウエハ載置部の上に、処理対象の半導体ウエハWが載置される。環状周辺部の上には、半導体ウエハWの口径よりも大きな内径を有するリング状の板材いわゆるフォーカスリング36が取り付けられる。このフォーカスリング36は、半導体ウエハWの被エッチング材に応じて、たとえばSi,SiC,C,SiO2の中のいずれかの材質で構成されている。
サセプタ12上面のウエハ載置部には、ウエハ吸着用の静電チャック38および発熱体40が設けられている。静電チャック38は、サセプタ12の上面に一体形成または一体固着された膜状または板状の誘電体42の中にDC電極44を封入しており、DC電極44にはチャンバ10の外に配置される外付けの直流電源45がスイッチ46、高抵抗値の抵抗48およびDC高圧線50を介して電気的に接続されている。直流電源45からの高圧の直流電圧がDC電極44に印加されることにより、クーロン力で半導体ウエハWを静電チャック38上に吸着保持できるようになっている。なお、DC高圧線50は、被覆線であり、円筒体の下部給電棒34の中を通り、サセプタ12を下から貫通して静電チャック38のDC電極44に接続されている。
発熱体40は、静電チャック38のDC電極44と一緒に誘電体42の中に封入された例えばスパイラル状の抵抗発熱線からなり、この実施形態では図2に示すようにサセプタ12の半径方向において内側の発熱線40(IN)と外側の発熱線40(OUT)とに2分割されている。このうち、内側発熱線40(IN)は、絶縁被覆された給電導体52(IN)、フィルタユニット54(IN)および電気ケーブル56(IN)を介して、チャンバ10の外に配置される専用のヒータ電源58(IN)に電気的に接続されている。外側発熱線40(OUT)は、絶縁被覆された給電導体52(OUT)、フィルタユニット54(OUT)および電気ケーブル56(OUT)を介して、やはりチャンバ10の外に配置される専用のヒータ電源58(OUT)に電気的に接続されている。この中で、フィルタユニット54(IN),54(OUT)はこの実施形態における主要な特徴部分であり、その内部の構成および作用については後に詳細に説明する。
サセプタ12の内部には、たとえば円周方向に延びる環状の冷媒室または冷媒通路60が設けられている。この冷媒室60には、チラーユニット(図示せず)より冷媒供給管を介して所定温度の冷媒たとえば冷却水cwが循環供給される。冷媒の温度によってサセプタ12の温度を下げる方向に制御できる。そして、サセプタ12に半導体ウエハWを熱的に結合させるために、伝熱ガス供給部(図示せず)からの伝熱ガスたとえばHeガスが、ガス供給管およびサセプタ12内部のガス通路62を介して静電チャック38と半導体ウエハWとの接触界面に供給されるようになっている。
チャンバ10の天井には、サセプタ12と平行に向かい合って上部電極を兼ねるシャワーヘッド64が設けられている。このシャワーヘッド64は、サセプタ12と向かい合う電極板66と、この電極板66をその背後(上)から着脱可能に支持する電極支持体68とを有し、電極支持体68の内部にガス室70を設け、このガス室70からサセプタ12側に貫通する多数のガス吐出孔72を電極支持体68および電極板66に形成している。電極板66とサセプタ12との間の空間SPがプラズマ生成空間ないし処理空間となる。ガス室70の上部に設けられるガス導入口70aには、処理ガス供給部74からのガス供給管76が接続されている。電極板66はたとえばSi、SiCあるいはCからなり、電極支持体68はたとえばアルマイト処理されたアルミニウムからなる。
このプラズマエッチング装置内の各部たとえば排気装置24、高周波電源28,30、直流電源45のスイッチ46、ヒータ電源58(IN),58(OUT)、チラーユニット(図示せず)、伝熱ガス供給部(図示せず)および処理ガス供給部74等の個々の動作および装置全体の動作(シーケンス)は、マイクロコンピュータを含む制御部75によって制御される。
このプラズマエッチング装置における枚葉ドライエッチングの基本的な動作は次のようにして行われる。先ず、ゲートバルブ26を開状態にして加工対象の半導体ウエハWをチャンバ10内に搬入して、静電チャック38の上に載置する。そして、処理ガス供給部74よりエッチングガス(一般に混合ガス)を所定の流量でチャンバ10内に導入し、排気装置24によりチャンバ10内の圧力を設定値にする。さらに、第1および第2の高周波電源28、30をオンにして第1高周波HFおよび第2高周波LFをそれぞれ所定のパワーで出力させ、これらの高周波HF,LFをマッチングユニット32および給電棒34を介してサセプタ(下部電極)12に印加する。また、伝熱ガス供給部より静電チャック38と半導体ウエハWとの間の接触界面に伝熱ガス(Heガス)を供給するとともに、静電チャック用のスイッチ46をオンにして、静電吸着力により伝熱ガスを上記接触界面に閉じ込める。一方で、ヒータ電源58(IN),58(OUT)をオンにして、内側発熱線40(IN)および外側発熱線40(OUT)を各々独立したジュール熱で発熱させ、サセプタ12上面の温度ないし温度分布を設定値に制御する。シャワーヘッド64より吐出されたエッチングガスは両電極12,64間で高周波の放電によってプラズマ化し、このプラズマで生成されるラジカルやイオンによって半導体ウエハW表面の被加工膜が所望のパターンにエッチングされる。
このプラズマエッチング装置は、陰極結合型であり、プラズマの生成に適した比較的高い基本周波数(通常27MHz以上)を有する第1高周波HFをサセプタ12に印加することにより、プラズマを好ましい解離状態で高密度化し、より低圧の条件下でも高密度プラズマを形成することができる。それと同時に、イオンの引き込みに適した比較的低い基本周波数(通常13MHz以下)を有する第2高周波LFをサセプタ12に印加することにより、サセプタ12上の半導体ウエハWに対して選択性の高い異方性のエッチングを施すことができる。
特に、この実施形態では、後述するように、第1高周波HFには高密度プラズマの生成により適した高い周波数領域(通常40MHz以上)を、第2高周波LFにはイオンエネルギーの制御により適した低い周波数領域(通常3.2MHz以下)を、それぞれ支障なく使えるようになっている。
また、この容量結合型プラズマエッチング装置においては、サセプタ12にチラーの冷却とヒータの加熱を同時に与え、しかもヒータの加熱を半径方向の中心部とエッジ部とで独立に制御するので、高速の温度切換または昇降温が可能であるとともに、温度分布のプロファイルを任意または多様に制御することも可能である。
また、この容量結合型プラズマエッチング装置においては、プラズマエッチングの最中に、高周波電源28,30よりサセプタ12に印加された第1および第2高周波HF,LFの一部が、サセプタ12に組み込まれている内側発熱線40(IN)および外側発熱線40(OUT)を介して給電導体52(IN),52(OUT) に高周波ノイズとして入り込んでくる。これら2周波の高周波ノイズのどちらかでもヒータ電源58(IN),58(OUT)に突入すれば、ヒータ電源58(IN),58(OUT)の動作ないし性能が害されるおそれがある。
この点に関しては、上記のように、ヒータ電源58(IN),58(OUT)と内側発熱線40(IN)および外側発熱線40(OUT)とを電気的に結ぶヒータ給電ライン上にフィルタユニット54(IN),54(OUT)が設けられている。これらのフィルタユニット54(IN),54(OUT)は、以下に詳しく述べるように、内側発熱線40(IN)および外側発熱線40(OUT)からヒータ給電ライン上に入ってくる第1および第2高周波HF,LFのノイズのいずれに対しても、インピーダンスの十分に高いフィルタ遮断機能を低消費電力で効率的にかつ安定確実に発揮する。これにより、この実施形態のプラズマエッチング装置は、ヒータ方式のウエハ温度制御機能を改善するとともに、チャンバ10からサセプタ12内部の発熱体40を介してヒータ給電ライン上に第1および第2高周波HF,LFのパワーが漏れるのを効果的に防止または低減し、プラズマプロセスの再現性・信頼性を向上させている。

[フィルタユニット内の回路構成]
次に、このプラズマ処理装置における主要な特徴部分であるフィルタユニット54(IN),54(OUT)内の回路構成を説明する。両フィルタユニット54(IN),54(OUT)の構成および作用は同じであるため、一方のフィルタユニット54(IN)だけについて説明する。
図3に、サセプタ12に設けられるウエハ温度制御用の発熱体40に電力を供給するためのヒータ給電部の回路構成を示す。この実施形態では、発熱体40の内側発熱線40(IN)および外側発熱線40(OUT)のそれぞれに対して実質的に同一の回路構成を有する個別のヒータ給電部を接続し、内側発熱線40(IN)および外側発熱線40(OUT)の発熱量または発熱温度を独立に制御するようにしている。以下の説明では、内側発熱線40(IN)に対するヒータ給電部の構成および作用について述べる。外側発熱線40(OUT)に対するヒータ給電部の構成および作用も全く同じである。
ヒータ電源58(IN)は、たとえばSSRを用いてたとえば商用周波数のスイッチング(ON/OFF)動作を行う交流出力型の電源であり、内側発熱線40(IN)と閉ループの回路で接続されている。より詳しくは、ヒータ電源58(IN)の一対の出力端子のうち、第1の出力端子は第1の給電ライン(電源線)80Aを介して内側発熱線40(IN)の第1の端子hAに電気的に接続され、第2の出力端子は第2の給電ライン(電源線)80Bを介して内側発熱線40(IN)の第2の端子hBに電気的に接続されている。
フィルタユニット54(IN)は、接地された円筒状の導体からなる筺体82の中に、第1および第2の給電ライン80A,80B上に入ってきた高周波ノイズを遮断するための第1および第2のフィルタ84A,84Bを収容している。両フィルタ84A,84Bの回路構成は実質的に同じであり、両フィルタ間で各対応するリアクタンス素子の特性値も実質的に同じである。
より詳しくは、各々のフィルタ84A,84Bは、給電ライン80A,80B上で、発熱体40側から見て初段のコイルAL1,BL1および次段のコイルAL2,BL2の順にそれらを直列に接続するとともに、初段のコイルAL1,BL1と次段のコイルAL2,BL2との間の接続点NA,NBと筺体82との間に第1のコンデンサAC1,BC1を電気的に接続し、次段のコイルAL2,BL2のヒータ電源58(IN)側の端子と筺体82との間に第2のコンデンサAC2,BC2を電気的に接続している。
かかる構成のヒータ給電部において、ヒータ電源58(IN)より出力される電流は、正極性のサイクルでは、第1の給電ライン80Aつまり電気ケーブル56(IN)、次段のコイルAL2、初段のコイルAL1および給電導体52(IN)を通って一方の端子hAから内側発熱線40(IN)に入り、内側発熱線40(IN)の各部でジュール熱を発生させ、他方の端子hBから出た後は、第2の給電ライン80Bつまり給電導体52(IN)、初段のコイルBL1、次段のコイルBL2および電気ケーブル56(IN)を通って帰還する。負極性のサイクルでは、同じ回路を上記と逆方向に電流が流れる。このヒータ交流出力の電流は通常50Hz〜数100Hzであるため、各コイルAL1,BL1,AL2,BL2における電圧降下は無視できるほど小さく、各コンデンサAC1,BC1,AC2,BC2を通ってアースへ抜ける漏れ電流も無視できるほど少ない。この実施形態では、後述するように、初段のコイルAL1,BL1が円筒状の空芯ソレノイドコイルつまり空芯ソレノイドコイルからなり、次段のコイルAL2,BL2がトロイダルコイルからなる。

[フィルタユニット内の物理的構造]
図4に、この実施形態におけるフィルタユニット54(IN)内の物理的な構造を示す。図5A〜図9に、フィルタユニット54(IN)内の要部の構成を示す。
図4に示すように、フィルタユニット54(IN)は、たとえばアルミニウムからなる接地された円筒状の導体または筺体82の中に、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1、第1のコンデンサAC1,BC1、トロイダルコイルAL2,BL2および第2のコンデンサAC2,BC2を上から下にこの順序で配置している。
空芯ソレノイドコイルAL1,BL1は、ヒータ電源58(IN)から内側発熱線40(IN)に十分大きな(たとえば30A程度の)電流を流す給電線の機能に加えて、発熱(パワーロス)を防ぐ観点からフェライト等の磁芯を持たずに空芯で非常に大きなインダクタンスを得るために、さらには大きな線路長を得るために、一般のソレノイドコイルよりも太いコイル導体と大きなコイルサイズを有している。
もっとも、この実施形態では、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の遮断対象である高周波ノイズの周波数が高い周波数領域(40MHz以上)に設定されるので、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1のサイズはそれほど大きくなく、たとえば直径Dを25mm以下、長さSを150mm以下で済ますことができる。
筺体82の中で、両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1は、絶縁体たとえば樹脂からなるコイル支持軸(図示せず)を介して筺体82と同軸に配置されている。両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1のコイル導体は、コイルスリーブで覆われていない実質的に裸線の状態で、複数段階に可変の巻線ピッチpで重なり合って並進しながら螺旋状に巻かれており、同一のコイル長さSを有している。
両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の周囲には、それらの外周面に隣接して、コイル軸方向と平行に延びる棒状の櫛歯部材86が周回方向に一定の間隔を置いて複数本たとえば4本設けられている。各々の櫛歯部材86は、絶縁体たとえばPEEKまたはPCTFEのような硬度、加工性および耐熱性にすぐれた樹脂からなり、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1から独立してフィルタユニット54(IN)内で固定されている。
図5A,図5Bに示すように、各々の櫛歯部材86の内側面には、両ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線間に食い込む(つまり入っている)櫛歯Mが形成されている。別な見方をすれば、両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1のコイル導体が、相隣接する2つの櫛歯M,Mの間のスリットに嵌まっている。こうして、両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチpは、櫛歯Mのピッチmによって規定される。この実施形態では、両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1が互いに並進しながら螺旋状に巻かれているので、各々の空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチpは櫛歯Mのピッチmの2倍である。つまり、p=2mの関係がある。この実施例では、両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチpは、コイルの端から端まで一定(PS)である。
筺体82の上端の開口部には、環状の蓋体88と樹脂製の上部コネクタ90が取り付けられる。上部コネクタ90に、上記の図示しないコイル支持軸および櫛歯部材66の上端が固定される。そして、上部コネクタ90の内部または周囲で両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の上端がフィルタ端子TA,TBにそれぞれ電気的に接続される。
図6Aおよび図6Bに、この実施例における空芯ソレノイドコイルAL1,BL1回りの具体例なサブアッセンブリの構成を示す。図示のように、複数本(4本)の棒状櫛歯部材86が、軸方向の複数箇所(両端および中間の3箇所)でそれらを囲繞するリング状のたとえば樹脂からなる支持体92にボルト94で結合されている。そして、各々の櫛歯部材86が、その内側面に形成されている櫛歯Mを両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線間に食い込ませている(入れている)。これによって、両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチpが櫛歯Mのピッチmにp=2mの関係で対応するととともに、コイル巻線間には櫛歯Mを除く部分に櫛歯Mの厚みに相当するエアギャップGが形成される(図6B、図5B)。
両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の内側には、たとえば断面十字形のコイル支持軸96が挿入されている。このコイル支持軸96は、コイル半径方向ではコイルAL1,BL1の内周面に当たるように放射状に延び、コイル軸方向ではコイルAL1,BL1と平行に延びる複数枚の絶縁体たとえば樹脂からなる板状部材98によって構成されている。なお、図6Aおよび図6Bにおいて、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1 の一方の端でコイル支持軸96および櫛歯部材86等を保持しているブロック100は、このサブアッセンブリを組み立てる際に用いられる治具である。
図7に、一変形例における空芯ソレノイドコイルAL1,BL1回りの具体的なサブアッセンブリ構造を示す。この変形例は、上記コイル支持軸96を構成している板状部材98の外側端面に櫛歯Mを形成しており、板状部材98の櫛歯Mが両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線間にコイル半径方向の内側から食い込んで、やはりp=2mの関係で巻線ピッチpを規定している。この場合は、コイル支持軸96を構成する板状部材98が櫛歯部材を兼ねるので、上記のような棒状の櫛歯部材86を空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の周囲に設ける必要がなくなる。
もっとも、別の変形例として、図7のように空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の内側に配置される板状部材98の外側端面に所定のピッチmで櫛歯Mを形成するとともに、図6Aのように内側面に同一のピッチmで櫛歯Mが形成されている棒状の櫛歯部材86を空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の周囲に配置することにより、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線間に周回方向の異なる位置でコイル半径方向の内側および外側双方から櫛歯Mを食い込ませる(入れる)構成も可能である。また、更に別の変形例として、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の内側に棒状の櫛歯部材86を複数本配置し、各々の櫛歯部材86の外側面に形成されている櫛歯MをコイルAL1,BL1の巻線間に食い込ませる(入れる)構成も可能である。
再び図4において、第1のコンデンサAC1,BC1は、市販品の2端子型コンデンサであり、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1とトロイダルコイルAL2,BL2との間のスペースに横向きで対に配置されている。第1のフィルタ84A側の第1のコンデンサAC1は、一方の端子が接続導体102Aを介して空芯ソレノイドコイルAL1の下部端子に接続され、他方の端子が接続導体104Aを介して筺体82の側壁に接続されている。第2のフィルタ84B側の第1のコンデンサBC1は、一方の端子が接続導体102Bを介して空芯ソレノイドコイルBL1の下部端子に接続され、他方の端子が接続導体104Bを介して筺体82の側壁に接続されている。
トロイダルコイルAL2,BL2は、図4および図8に示すように、好ましくは空芯ソレノイドコイルAL1,BL1と同軸に配置される共通のトロイダルコア106にそれぞれのコイル導体を約半周ずつ螺旋状に巻き付けている。ここで、両トロイダルコイルAL2,BL2のコイル導体は、両コイルに高周波の電流IA,IBが同じ位相で流れた時にトロイダルコア106内に発生するそれぞれの磁束ΦA,ΦBが周回方向で同じ向きになる(足し合わさる)ように、逆向きに巻かれている。トロイダルコア106は、比透磁率の高いコア材たとえばNi-Zn系フェライトからなり、円環の閉磁路を形成している。
第1のフィルタ84A側のトロイダルコイルAL2は、一方の端子(上部端子)が接続導体102Aを介して空芯ソレノイドコイルAL1の下部端子に接続され、他方の端子(下部端子)が接続導体108Aを介して第2のコンデンサAC2の一方の端子に接続されている。第2のフィルタ84B側のトロイダルコイルBL2は、一方の端子(上部端子)が接続導体102Bを介して空芯ソレノイドコイルBL1の下部端子に接続され、他方の端子(下部端子)が接続導体108Bを介して第2のコンデンサBC2の一方の端子に接続されている。
この実施形態では、トロイダルコイルAL2,BL2と筺体82との間でコイル巻線1ターン当たりの浮遊容量を大きくするために、トロイダルコア106の厚さtを通常の倍以上(特に好ましくは4倍以上)に大きくしている。このために、図9に示すように、市販品の単体のトロイダルコアTCを軸方向(縦方向)に複数(たとえば4個)重ねている。
一般的に、単体のトロイダルコアTCにおいては、内半径をa、外半径をb、厚さ(高さ)をcとすると、コア胴部の横幅(b−a)と厚さcは大体等しく、c≒(b−a)の関係が成立する。したがって、単体のトロイダルコアTCを2段重ねにした場合のトロイダルコア86の厚さ(高さ)tはt=2cであり、t≒2(b−a)の関係が成立する。また、図示の構成例のように単体のトロイダルコアTCを4段重ねにした場合のトロイダルコア106の厚さ(高さ)tはt=4cであり、t≒4(b−a)の関係が成立する。この実施形態では、t≧2(b−a)の関係が成立するように、特に好ましくはt≧4(b−a)の関係が成立するように、トロイダルコア106の厚さtを常識外れに大きくする構成が採られる。
なお、通常のトロイダルコアは、高周波の周波数帯域では常に集中定数素子として機能する。この実施形態におけるトロイダルコイルAL2,BL2も、高周波の周波数帯域において、特に第1高周波HFおよび第2高周波LFのそれぞれの基本周波数に対して集中定数素子として機能する。
また、コイルの中にコアが入ると、コア材で高周波電力の損失つまり鉄損が生じる。コア材における鉄損、特にヒステリシス損やうず電流損は、周波数が高くなるほど増える。この実施形態のフィルタユニット54(IN)においては、周波数の高い第1高周波HFのノイズが、初段の空芯ソレノイドコイルAL1,BL1により遮断されるので、次段のトロイダルコイルAL2,BL2には入ってこない。このため、トロイダルコア106の鉄損は少ない。このようにトロイダルコア106による損失が少ないので、トロイダルコア106に比透磁率の高いコア材(たとえばフェライト)を使用し、トロイダルコイルAL2,BL2の小型化を図ることができる。
第2のコンデンサAC2,BC2は、市販品の2端子型コンデンサであり、図4に示すように、トロイダルコイルAL2,BL2と筺体82の底板110との間のスペースに横向きで対に配置されている。第1のフィルタ84A側の第2のコンデンサAC2は、一方の端子が接続導体107Aを介してトロイダルコイルAL2の下部端子および電気ケーブル56(IN) の一方に接続され、他方の端子が接続導体109Aを介して筺体82の側壁に接続されている。第2のフィルタ84B側の第2のコンデンサBC2は、一方の端子が接続導体107Bを介してトロイダルコイルBL2の下部端子および電気ケーブル56(IN) の他方に接続され、他方の端子が接続導体109Bを介して筺体82の側壁に接続されている。
筺体82の下端の開口部は、たとえば樹脂製の底板110で閉塞されている。なお、筺体82の蓋体88および底板110の一方または両方が導体板であってもよい。
なお、筺体82には、中に収容される空芯ソレノイドコイルAL1,BL1およびトロイダルコイルAL2,BL2を空冷で冷却するための多数の通気孔(図示せず)が、たとえばパンチング加工により形成されている。
上記のように、このフィルタユニット54(IN)は、接地される円筒状導体の筺体82の中で、最上部つまり初段に空芯ソレノイドコイルAL1,BL1を筺体82と同軸に配置し、その下に第1のコンデンサAC1,BC1を挟んで次段にトロイダルコイルAL2,BL2を筺体82と同軸に配置し、最下部に第2のコンデンサAC2,BC2を配置している。
フィルタユニット54(IN)内の上記レイアウトにおいて、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1は、軸方向(縦方向)に重なり合って並進しながら等しい巻線間隔で螺旋状に巻かれており、しかもコイル長さSがそれほど大きくはなく、比較的コンパクトなアッセンブリとなっている。一方、トロイダルコイルAL2,BL2も、共通のトロイダルコア106に半周ずつ巻かれており、コンパクトな二重コイルのアッセンブリとなっている。また、トロイダルコイルAL2,BL2は、上記のように通常のトロイダルコイルに比して高さ(厚み)が倍増してはいるが、同じインダクタンスを有する棒状のソレノイドコイルを縦に配置する場合よりは小さな高さサイズで済んでいる。
そして、トロイダルコイルAL2,BL2のトロイダルコア106が円環の閉磁路を形成し、しかもその上方に位置する空芯ソレノイドコイルAL1,BL1に対して同軸に配置される(したがって双方の磁束が直交して交差する)ことにより、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1とトロイダルコイルAL2,BL2との間の電磁的な相互影響を回避できる。したがって、軸方向または縦方向において両コイル[AL1,BL1],[AL2,BL2]間の離間距離またはスペースを可及的に小さくすることができる。
このフィルタユニット54(IN)においては、後述するように、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1が周波数の高い方の第1高周波HFのノイズに対する遮断機能を受け持つ一方、トロイダルコイルAL2,BL2が周波数の低い方の第2高周波LFのノイズに対する遮断機能を受け持つようになっている。このように、第1高周波HFのノイズに対するフィルタ遮断機能および第2高周波LFのノイズに対するフィルタ遮断機能を空芯ソレノイドコイルAL1,BL1およびトロイダルコイルAL2,BL2にそれぞれ役割分担させることで、フィルタユニット54(IN)全体の設計・製作・調整が容易になり、機差も生じ難くなる。また、フィルタユニット54(IN)を小型化できるので、サセプタ12ないしチャンバ10の下に設けられる各種用力供給系のレイアウト設計が容易になる。
なお、フィルタユニット54(IN)において、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1とトロイダルコイルAL2,BL2とを入れ替えること、つまりトロイダルコイルAL2,BL2を初段に配置し、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1を次段に配置するレイアウトは望ましくない。すなわち、トロイダルコイルAL2,BL2を初段に配置すると、トロイダルコイルAL2,BL2は発熱体40(IN)側から高周波給電ライン80A,80B上に入ってくる第1高周波HFおよび第2高周波LFのノイズのうち周波数の低い方の第2高周波LFのノイズを遮断するものの、周波数の高い方の第1高周波HFのノイズを通過させてしまう。また、第1のコンデンサAC1,BC1のキャパシタンスは後述するように相当小さな値に選ばれるため、第2高周波LFのノイズはもちろん第1高周波HFのノイズもアースへ逃がさない。このため、第1高周波HFのノイズがトロイダルコイルAL2,BL2に突入して、第1高周波HFの電流がトロイダルコイルAL2,BL2を流れる。これによって、トロイダルコア106内に鉄損が多量に発生し、トロイダルコア106が発熱して高温になる。そして、トロイダルコア106の温度がキュリー温度以上に高くなると、透磁率が急激に低下して、第2高周波LFのノイズに対する遮断機能が効かなくなる。
その点、この実施形態のように、初段に空芯ソレノイドコイルAL1,BL1を配置し、次段にトロイダルコイルAL2,BL2を配置するレイアウトによれば、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1が周波数の高い方の第1高周波HFのノイズを遮断するので、後段のトロイダルコイルAL2,BL2には第1高周波HFのノイズが突入することがない。したがって、トロイダルコイルAL2,BL2には周波数の高い第1高周波HFの電流は殆ど流れず、トロイダルコア106が高温に発熱することはない。

[フィルタユニットの作用]
この実施形態のフィルタユニット54(IN)においては、フィルタ64A(64B)の空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)と外導体の筺体82との間に分布定数線路が形成される。
一般的に、伝送線路の特性インピーダンスZoは、無損失の場合には単位長さあたりの静電容量C、インダクタンスLを用いて、Zo=√(L/C)で与えられる。また、波長λは、次の式(1)で与えられる。
λ=2π/(ω√(LC) ・・・・(1)
一般的な分布定数線路(特に同軸線路)では線路の中心が棒状の円筒導体であるのに対して、このフィルタユニット54(IN)では円筒状の空芯ソレノイドコイルを中心導体にしている点が異なる。単位長さあたりのインダクタンスLは主にこの円筒状コイルに起因するインダクタンスが支配的になると考えられる。一方、単位長さあたりの静電容量は、コイル表面と外導体がなすコンデンサの静電容量Cで規定される。したがって、このフィルタユニット54(IN)においても、単位長さあたりのインダクタンスおよび静電容量をそれぞれL,Cとしたときに、特性インピーダンスZo=√(L/C)で与えられる分布定数線路が形成されていると考えることができる。
このような分布定数線路を有するフィルタユニットを端子T側からみると、反対側が大きな容量(たとえば5000pF)を有するコンデンサで疑似的に短絡されているため、一定の周波数間隔で大きなインピーダンスを繰り返すような周波数−インピーダンス特性が得られる。このようなインピーダンス特性は、波長と分布線路長が同等のときに得られる。
このフィルタユニット54(IN)では、空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)巻線長ではなく、軸方向のコイル長さS(図4)が分布線路長となる。そして、中心導体に空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)を用いたことで、棒状の円筒導体の場合に比べてLをはるかに大きくしてλを小さくすることができるため、比較的短い線路長(コイル長さS)でありながら波長と同等以上の実効長を実現することが可能である。これにより、図10に示すように一定の巻線ピッチpsを有する空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)と第1のコンデンサAC1(BC1)とからなる初段のフィルタ回路において、たとえば図11に示すように規則的な周波数間隔で大きなインピーダンスをもつことを繰り返すような周波数−インピーダンス特性を得ることができる。
この実施形態において、空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)は、専ら高い周波数領域(40MHz以上)の高周波ノイズを遮断対象とすればよく、そのコイルサイズを小さくしたことで低い周波数領域(3.2Mz以下)の高周波ノイズに対するインピーダンスが低くても、全く構わない。
たとえば、第1高周波HFの周波数が40MHzの場合、図11の周波数−インピーダンス特性によれば、数100Ω以上のインピーダンスが得られるので、空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)と第1のコンデンサAC1(BC1)とからなる初段のフィルタ回路において、給電ライン80A(80B)上に入ってきた第1高周波HFのノイズを十全に遮断することができる。
図12に、トロイダルコイルAL2(BL2)および第2のコンデンサAC2(BC2)の等価回路を示す。トロイダルコイルAL2(BL2)は、固有の自己インダクタンスを有する正味の誘導性素子またはインダクタL2を提供するだけでなく、その周辺に発生するコイル線間容量C2Kと、筺体82との間に発生するグランド浮遊容量C2Fとを併せ持つ。等価回路において、これらの容量C2K,C2Fは、インダクタL2に並列に接続される。
ここで、トロイダルコイルAL2(BL2)におけるインダクタL2のインダクタンスは、次の式(1)によって表わされる。
2=N2×μ×t×ln(b/a)/2π ・・・・(1)
ただし、Nは巻数、μは透磁率、tは厚さ(高さ)、aは内半径、bは外半径である。
この実施形態では、上記のようにトロイダルコア106には比透磁率の高いるコア材(たとえばフェライト)を用いる。そして、トロイダルコア106の厚さ(高さ)tを上記のように通常の2倍以上(好ましくは4倍以上)に大きくし、巻数Nを多めに選ぶことにより、インダクタL2のインダクタンスを相当高い値(たとえば100μH以上)に設定することができる。
コイル線間容量C2Kのキャパシタンスは、コイルAL2(BL2)の巻線間隔(ピッチ)に依存し、巻数Nには依存しない。一方、グランド浮遊容量C2Fのキャパシタンスは、筺体82からの離間距離と、筺体82と向き合うコイル表面の全面積とに依存する。したがって、トロイダルコイルAL2(BL2)においては、筺体82の直径およびトロイダルコア106のサイズが一定である限り、コイル巻数を多くするほど、インダクタL2のインダクタンスが高くなるとともに、グランド浮遊容量C2Fのキャパシタンスも大きくなる。
特に、上記のように単体のトロイダルコアTCを複数重ねた厚み(高さ)tの大きいトロイダルコア106は、1ターン当たりのコイル表面の面積が大きいため、グランド浮遊容量C2Fのキャパシタンスはかなり大きく、コイル線間容量C2Kの4〜5倍以上(たとえば20pF以上)にもなる。
このように、トロイダルコイルAL2(BL2)においてインダクタL2のインダクタンスが低く、かつグランド浮遊容量C2Fのキャパシタンスがコイル線間容量C2Kのキャパシタンスより格段に大きいことは、トロイダルコイルAL2(BL2)の自己共振周波数、つまり後述する第2の並列共振回路112より与えられる第2の並列共振周波数fPLを相当低い周波数領域に設定するうえで、有利(好都合)である。
上記のような等価回路(図12)においては、トロイダルコイルAL2(BL2)のインダクタL2とコイル線間容量C2Kおよびグランド浮遊容量C2Fとによって、相当低い周波数領域に並列共振周波数fPLを有する並列共振回路112が形成される。ここで、この並列共振周波数fPLは、トロイダルコイルAL2(BL2)の自己共振周波数でもあり、次の式(2)で表わされる。
PL=1/2π√L2(C2K+C2F) ・・・・(2)
図13に、第2高周波LFの基本周波数が3.2MHzである場合に、トロイダルコイルAL2(BL2)と第2のコンデンサAC2(BC2)からなる次段のフィルタ回路で得られる周波数−インピーダンス特性の一例を示す。
図示の周波数−インピーダンス特性では、並列共振周波数fPLを第2高周波LFの基本周波数(3.2MHz)に略一致させており、これは容易に実現できる。すなわち、上記のように、トロイダルコイルAL2(BL2)の巻数Nを変えると、コイル線間容量C2Kのキャパシタンスは変わらないが、インダクタL2のインダクタンスとグランド浮遊容量C2Fのキャパシタンスが巻数Nの変化量に応じて同じ方向に変化し、上記の式(2)により第2の並列共振周波数fPLが単調に変化する。また、トロイダルコア106を構成する単体トロイダルコアTCの積層数を変えると、インダクタL2のインダクタンスとグランド浮遊容量C2Fのキャパシタンスが同じ方向に大きなステップで変化して、上記の式(2)により並列共振周波数fPLがステップ的に変化する。したがって、大まかな調整を行うときはトロイダルコア106を構成する単体トロイダルコアTCの積層数を変えることによって、精細な調整を行うときはトロイダルコイルAL2(BL2)の巻数Nを変えることによって、並列共振周波数fPLを第2高周波LFの基本周波数(3.2MHz)に略一致させることができる。
もっとも、並列共振周波数fPL付近の特性は緩やか(ブロード)なので、並列共振周波数fPLが第2高周波LFの基本周波数(3.2MHz)から多少ずれていても、第2高周波LFのノイズに対して十分高いインピーダンスを与えることができる。
上記のように、この実施形態のフィルタ84A(84B)においては、外導体の筺体82と組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する初段の空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)が、サセプタ12内の発熱体40側からヒータ給電ライン80A(80B)上に入ってくる周波数の高い方の第1高周波HFのノイズに対してインピーダンスの十分高いフィルタ遮断機能を奏し、第1高周波HFのノイズと一緒に入ってくる周波数の低い方の第2高周波LFのノイズを通過させる。そして、第2高周波LFの基本周波数に一致または近接する自己(並列)共振周波数fPLを有する次段のトロイダルコイルAL2(BL2)が、初段の空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)を通過してきた第2高周波LFのノイズに対してインピーダンスの十分高いフィルタ遮断機能を奏する。空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)の並列共振周波数とトロイダルコイルAL2(BL2)の自己共振周波数fPLとは互いに独立しており、上記のように各々のコイルにおいて独立に調整することができる。
また、この実施例では、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の周囲または内側にコイル軸方向と平行に延びる櫛歯部材(86,98)を設け、櫛歯部材(86,98)の内側面または外側面に形成されている巻線ピッチpに対応したピッチmを有する櫛歯Mを空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線間に食い込ませている。
かかる構成によれば、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチpを櫛歯ピッチmによって正確に設定値に揃えられるので、再現性が高くて個体差のない周波数−インピーダンス特性またはフィルタ特性を得ることができる。また、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線間には櫛歯Mを除く部分にエアギャップGが形成されているので、コイルで発生する熱がエアギャップGを介して速やかに放出される。したがって、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1を効率よく冷却できる利点もある。

[空芯ソレノイドコイルに関する別の実施例]
上記実施形態では、フィルタユニット54(IN)において空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチpがコイルの端から端まで一定(ps)であり(図4、図10)、それによってたとえば図11に示すように規則的な周波数間隔でインピーダンスが角(つの)状に上昇するような並列多重共振の周波数−インピーダンス特性が得られる。したがって、サセプタ12ないし発熱体40を介して給電ライン80A,80B上に入ってくる高周波ノイズの中で最も周波数の低い第2高周波LFを除く各高周波(特に第1高周波HF)の周波数が並列多重共振の中のいずれかの並列共振周波数に一致または近似するように設計すれば、フィルタユニット54(IN)において高い周波数領域の高周波ノイズを効果的に遮断することができる。
しかしながら、上記のように空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチが全長Sに亘って一定(ps)であるフィルタ構成においては、並列共振周波数が規則的な周波数間隔で得られるが故に、プロセスの種類や仕様など様々な観点または条件から任意に選定され、あるいは切り替えられる第1高周波HFの周波数に対して、並列多重共振の中のいずれか1つの並列共振周波数を合わせることは難しい。
たとえば、第1高周波HFの周波数に40MHzが用いられる場合、図11の周波数−インピーダンス特性においては、第1高周波HFのノイズに対するインピーダンスが数100Ωに止まり、1000Ω以上にはならない。また、第1高周波HFの周波数を40MHzから60MHzに切り替える必要性または要請があった場合、60MMHz付近は3番目の直列共振周波数fs3が位置しているためインピーダンスが著しく低くなる可能性があり、そのような第1高周波HFの周波数切り替えに対応することはできない。
このような問題に対処するために、上記特許文献1の従来技術は、フィルタユニット54(IN)において空芯ソレノイドコイルAL1,BL1と筺体(外導体)82との間にリング部材を設けることにより、局所的に同軸線路のギャップを狭くしてC(単位長さの静電容量)を変化させ、ひいては局所的に特性インピーダンスZo=√(L/C)を変化させて、並列多重共振における共振周波数の一部または全部をシフトさせる手法を採っている。
これに対して、この実施例では、フィルタユニット54(IN)において、そのようなリング部材を設ける代わりに、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1をコイル軸方向において複数の区間K1,K2,・・に分割し、各区間Ki(i=1,2,・・) 毎に空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチpを独立に設定または調整することにより、同軸線路のギャップを変化させずに区間単位で特性インピーダンスZo=√(L/C)を変化させて、並列多重共振における共振周波数の一部または全部をシフトさせる手法を採る。この場合、各区間Kiにおいては、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチpを小さくするほど、単位長さ当たりのC,Lが大きくなり、特性インピーダンスZo=√(L/C)は大きくなる。反対に、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線ピッチpを大きくするほど、単位長さ当たりのC,Lが小さくなり、特性インピーダンスZo=√(L/C)は小さくなる。
この実施例では、上記のように巻線ピッチに関して空芯ソレノイドコイルAL1,BL1を複数の区間K1,K2,・・に分割する形態(パターン)として、たとえば図14および図15に示すような分割パターンを採ることができる。
この分割パターンは、図15に示すように、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1をコイル端子TA,TB側から見て入口(IN)から出口(OUT)に向かって長さ2:1:2の比で3つの区間K1,K2,K3に分割し、これら3つの区間K1,K2,K3の巻線ピッチp1,p2,p3を2:1:2の比に選ぶ。この場合、分割しない場合(図10)の巻線ピッチpsに対して、p1=1.12ps,p2=0.56ps,p3=1.12psとすることで、コイル全体の長さSを同一に保つことができる。
この場合、図14に示すように、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1を巻線ピッチpに関して3つの区間K1,K2,K3に分割するために、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の周囲または内側にコイル軸方向と平行に延びる櫛歯部材86(98)を設け、櫛歯部材86(98)の内側面または外側面に形成されている区間Ki毎に巻線ピッチpiに対応したピッチmiを有する櫛歯Miを空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の巻線間に食い込ませる。
図16に、上記分割パターン(図15)を採った場合に電磁界計算により取得された初段フィルタ回路の周波数−インピーダンス特性を、巻線ピッチ一定の場合に取得された周波数−インピーダンス特性(図11)と対比して示す。図示のように、2番目および4番目の直列共振周波数および並列共振周波数がそれぞれ高い周波数領域側へシフトし(fs2<f's2),(fp2<f'p2),(fs4<f's4),(fp4<f'p4)、3番目および5番目の直'列共振周波数および並列共振周波数がそれぞれ低い周波数領域側へシフトする(fs3>f's3),(fp3>f'p3),(fs5>f's5),(fp5>f'p5)。
このような共振周波数のシフトによって、40MHzで1000Ω以上の高インピーダンスが得られるとともに、60MHzでも数100Ω以上の高インピーダンスが得られるようになる。これによって、上記実施形態のプラズマ処理装置において、第1高周波HFの周波数に40MHzが用いられる場合に第1高周波HFのノイズに対するフィルタ84A(84B)の遮断性能をより一層高められるとともに、第1高周波HFの周波数を40MHzと60MHzの2通りで切り替えるアプリケーションにも対応することができる。
なお、上記分割パターン(図15)は一例であり、分割区間の数、巻線ピッチ分布形態等に関して種種の選択または変形が可能である。
もっとも、フィルタ84A(84B)の並列多重共振特性の中で一部の共振周波数を上記のように選択的にシフトさせるためには、空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)上で設定される複数の区間K1,K2,・・の間で区間の長さの比および巻線ピッチp1,p2・・の比を適度な値に選定する必要がある。たとえば、図15の分割パターンにおいて、第1の区間K1がたとえばS/100以下のように極端に短いときは図16に示すような一部共振周波数のシフト効果を得ることは難しく、第1の区間K1における巻線ピッチp1が第2の区間K2における巻線ピッチp2とたとえば数%しか違わない場合でも同様である。
本発明者が行った電磁界計算によれば、第1の区間K1の長さは、第2の区間K2の長さの1/5以上で5倍以下であるのが好ましい。また、第1の区間K1の巻線ピッチp1は、第2の区間K2の巻線ピッチp2の2倍以上または1/2以下であるのが好ましい。

[プラズマ処理装置に関する別の実施例]
図17に、一変形例におけるプラズマ処理装置の構成を示す。図中、上述した実施形態のプラズマ処理装置(図1)と同様の構成または機能を有する部分には同一の符号を付している。
このプラズマ処理装置は、下部2周波/上部1周波印加方式の容量結合型プラズマエッチング装置として構成されている。このプラズマ処理装置において、上述した実施形態のプラズマ処理装置(図1)と異なる主な点は、プラズマ生成用の第1高周波HFを上部電極64に印加し、半導体ウエハWに入射するイオンのエネルギー(バイアス)をより大きな自由度で多様に制御するために周波数の異なる第2および第3高周波LF,MFをサセプタ12に重畳して印加する構成にある。ここで、第3高周波MFの周波数は、第2高周波LFの周波数(たとえば3.2MHz)よりも高い値(たとえば12.88MHz)に選ばれる。
このプラズマ処理装置において、上部電極64はリング状の絶縁体130を介してチャンバ10の上面に取り付けられている。プラズマ生成用の第1高周波HFを出力する第1の高周波電源28は、マッチングユニット132および上部給電棒134を介して上部電極64に電気的に接続されている。また、イオン引き込み用の第2および第3高周波LF,MFをそれぞれ出力する第2および第3の高周波電源30,136は、マッチングユニット32内の整合器(図示せず)および下部給電棒34を介してサセプタ12に電気的に接続されている。制御部75は、エッチング加工の仕様、条件またはレシピに応じて、高周波電源30,136より出力される第2および第3高周波LF,MFのトータルパワーおよびパワー比を制御するようになっている。
このプラズマ処理装置においても、上記実施形態のプラズマ処理装置(図1)おけるものと同じ構成および機能を有するフィルタユニット54(IN),54(OUT)をヒータ給電ライン上に設けることができる。特に、巻線ピッチpに関して空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)を図15のような分割パターンで3つの区間K1,K2,K3に分割して、図16のような周波数−インピーダンス特性が得られる場合は、上記実施例と同様に単一の空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)と単一のトロイダルコイルAL2(BL2)を備えるフィルタ構成によって、サセプタ12内の発熱体40側からヒータ給電ライン80A,80B上に入ってくる第1、第2および第3の高周波HF,LF,MFのノイズのいずれにも十分高いインピーダンスで対応することができる。
すなわち、外導体の筺体82と組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する初段の空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)が、第3高周波MF(12.88MHz)のノイズに対しては1番目の並列共振周波数f'p1付近の高いインピーダンスで安定確実なフィルタ遮断機能を奏し、第1高周波HF(40MHzまたは60MHz)のノイズに対しては2番目の並列共振周波数f'p2付近または3番目の並列共振周波数f'p3付近の十分高いインピーダンスで安定確実なフィルタ遮断機能を奏することができる。そして、次段のトロイダルコイルAL2(BL2)は、初段の空芯ソレノイドコイルコイルAL1(BL1)を通過してきた第2高周波LF(3.2MHz)のノイズに対して自己共振周波数fPL付近の十分高いインピーダンスで安定確実なフィルタ遮断機能を奏することができる。

[別の実施形態又は変形例]
図18に、別の実施例におけるフィルタユニット54(IN)内の物理的な構造を示す。この実施例においては、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1をコイル軸方向において複数の区間K1,K2,・・に分割し、一つの区間たとえばK2においては巻線間をコイルチューブJによって周回方向の全域で塞ぎ、他の区間たとえばK1,K3においては上述した実施例と同様に櫛歯部材86(98)の櫛歯mを周回方向で局所的に巻線間に食い込ませるようにしている。その他は、上述した第1の実施例のものと殆ど同じである。
この場合、コイルチューブJを用いる区間K2では、図19に示すように、通常は片方の空芯ソレノイドコイルBL1のコイル導体のみをコイルチューブJに通す構成が採られる。もう片方のソレノイドコイルAL1のコイル導体をコイルチューブJに通さなくても、両コイルAL1,BL1間に一定の巻線ピッチpと電気的絶縁性を確保することができる。もっとも、両コイルAL1,BL1のコイル導体をそれぞれコイルチューブJに通す構成も可能である。
この実施例も、上述した実施例と同様に、フィルタユニット54(IN)において、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1と外導体の筺体82との間にリング部材を設ける代わりに、コイル軸方向で分割された複数の区間の各々について同軸線路のCおよび/またはLを左右するソレノイドコイルAL1,BL1の物理的特性を独立に設定または調整することにより、同軸線路のギャップを変えずに区間単位で特性インピーダンスZo=√(L/C)を変化させて、並列多重共振における共振周波数の一部または全部をシフトさせる手法を採る。
より詳細には、上記のように、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1を巻線間構造に関して複数の区間K1,K2,・・に分割し、巻線間に櫛歯Mを食い込ませる区間と、巻線間をコイルチューブJで塞ぐ区間とを混在させることにより、同軸線路のC,Lを区間単位で変化させ、ひいては特性インピーダンスZo=√(L/C)を区間単位で変化させて、並列多重共振における共振周波数の一部または全部をシフトさせるようにしている。
たとえば図18の分割パターンの場合、巻線間に櫛歯Mを食い込ませる区間K1,K3においては、それらの巻線ピッチpが小さいほど、単位長さ当たりのC,Lが大きくなって、特性インピーダンスZo=√(LC)は大きくなる。反対に、巻線ピッチpが大きいほど、単位長さ当たりのC,Lが小さくなって、特性インピーダンスZo=√(LC)は小さくなる。また、巻線間をコイルチューブJで塞ぐ区間K2においては、その巻線ピッチpが一定である場合は、コイルチューブJの比誘電率εが大きいほど、単位長さ当たりのCが大きくなって、特性インピーダンスZo=√(LC)は大きくなる。反対に、コイルチューブJの比誘電率εが小さいほど、単位長さ当たりのCが小さくなって、特性インピーダンスZo=√(LC)は小さくなる。
本発明者は、空芯ソレノイドコイルAL1に関して図18および図20に示すような分割パターンを有する第1フィルタ84(1)の周波数−インピーダンス特性を電磁界計算により取得し、巻線ピッチを一定値psに揃えて区間分割を行わずにコイルの端から端まで巻線間に櫛歯Mを食い込ませる(入れる)構成(図10)について取得した周波数−インピーダンス特性と対比した。この電磁界計算では、コイルチューブJの比誘電率を4に選んだ。たとえば、コイルチューブJの材質にPEEKを用いると、この比誘電率の値(4)を得ることができる。図21に示すように、3番目以降の直列共振周波数および並列共振周波数がそれぞれ低い周波数領域側へシフトすることが確認された(fs3>f's3),(fp3>f'p3)〜(fs6>f's6),(fp6>f'p6)。
この実施例においても、分割区間の数や、巻線間に櫛歯Mを食い込ませる区間と巻線間をコイルチューブJで塞ぐ区間との混在形態等について、種種の選択または変形が可能である。
また、別の実施例として、図22に示すように、空芯ソレノイドコイルAL1,BL1を巻線間構造に関して複数の区間K1,K2,・・に分割し、巻線間を周回方向の全域で第1の比誘電率を有する第1のコイルチューブJ1で塞ぐ区間(たとえばK1)と、巻線間を周回方向の全域で第2の比誘電率を有する第2のコイルチューブJ2で塞ぐ区間(たとえばK2)とを混在させる構成も可能である。一例として、第1のコイルチューブJ1の材質に比誘電率1のテフロン(登録商標)を使用し、第2のコイルチューブJ2の材質に比誘電率4のPEEKを使用することができる。
上述した実施形態では、1つの外導体(筺体)82の中で第1フィルタ84AのソレノイドコイルAL1および第2フィルタ84BのソレノイドコイルBL1をそれぞれ構成するコイル導体が重なり合って並進しながら螺旋状に巻かれている。かかるコイル巻線構造は、両空芯ソレノイドコイルAL1,BL1の間で、自己インダクタンスが互いに等しく、かつ最大の相互インダクタンスを得ることができる。これによって、フィルタユニット54(IN)におけるRF電力損失が低減し、さらにはRFパワー損失の機差が低減するという利点がある。もっとも、図示省略するが、第1フィルタ84Aの空芯ソレノイドコイルAL1と第2フィルタ84Bの空芯ソレノイドコイルBL1とを別々の外導体(筺体)82内に収容する構成も可能である。その場合、上記のような櫛歯部材86,98を備える場合は、巻線ピッチpと櫛歯ピッチmは同じであり、p=mの関係が成立する。
また、上述した実施形態におけるトロイダルコイルAL2(BL2)は、単体のトロイダルコアTCを複数重ねた1個のトロイダルコア106にコイル導体を巻き付けている。この形式のトロイダルコイルをコンデンサを挟まずに複数個直列に接続したものを1個または1組のトロイダルコイルとすることも可能である。
また、図23に示すように、単体のトロイダルコアTCにコイル導体を巻き付けた単体のトロイダルコイルTRを複数個(図示の例は3個)直列に接続してなる複合型のトロイダルコイルALを使用することもできる。なお、図16では、第1の給電ライン80A上のトロイダルコイルALのみを示し、第2の給電ライン80B上のトロイダルコイルBLを図示省略している。
上述した実施形態では、フィルタ84A(84B)に含まれるコンデンサAC1(BC1)、AC2(BC2)を筺体82の中に収容した。しかし、これらのコンデンサの一部または全部を筺体82の外に配置する構成も可能である。また、これらのコンデンサに対して筺体82以外の接地電位部材を用いることもできる。また、トロイダルコイルAL2,BL2を空芯ソレノイドコイルAL1,BL1と別々の筺体82に収容すること可能である。また、トロイダルコイルAL2,BL2を他のコア入りコイルたとえばコア入りソレノイドコイルに置き換えることも可能である。
上記実施形態は、チャンバ10内のサセプタ12にプラズマ生成用の第1高周波HFとイオン引き込み用の第2高周波LFとを重畳して印加する下部2周波印加方式の容量結合型プラズマエッチング装置において、サセプタ12に組み込まれる発熱体40とチャンバ10の外に設置されるヒータ電源58とを電気的に接続する一対のヒータ給電ライン80A,80B上に両周波数のノイズを減衰させるためのフィルタに係わるものであった。しかしながら、上部電極64にプラズマ生成用の第1高周波HFを印加し、サセプタ12にイオン引き込み用の第2高周波LFを印加する上下部2周波印加方式の容量結合型プラズマエッチング装置、あるいはサセプタ12に単一の高周波を印加する下部1周波印加方式の容量結合型プラズマエッチング装置においても、上記実施形態のフィルタまたはフィルタユニットをそのまま好適に適用することができる。
また、空芯ソレノイドコイルAL1(BL1)と外導体の筺体82とによって形成される分布定数線路の並列多重共振を利用して、プラズマ処理のための高周波HF,LFから派生する高調波(特に第1高周波HFの第2高調波)のノイズに対する遮断を行うことも可能である。
なお、本発明は、ヒータ給電線等の電源線用のフィルタに限定されるものでは決してなく、チャンバ内に設けられる所定の電気的部材とチャンバの外に設けられる電力系または信号系の外部回路とを電気的に接続する一対の線路または単一の線路上に設けられる任意のフィルタまたはフィルタユニットに適用可能である。
また、本発明は、容量結合型のプラズマエッチング装置に限定されず、マイクロ波プラズマエッチング装置や、誘導結合プラズマエッチング装置、ヘリコン波プラズマエッチング装置等にも適用可能であり、さらにはプラズマCVD、プラズマ酸化、プラズマ窒化、スパッタリングなどの他のプラズマ処理装置にも適用可能である。また、本発明における被処理基板は半導体ウエハに限るものではなく、フラットパネルディスプレイ、有機EL、太陽電池用の各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等も可能である。
10 チャンバ
12 サセプタ(下部電極)
28 (プラズマ生成用)高周波電源
30 (イオン引き込み用)高周波電源
40(IN) 内側の発熱線
40(OUT) 外側の発熱線
54(IN),54(OUT) フィルタユニット
58(IN),58(OUT) ヒータ電源
80A,80B 給電ライン
82 筺体(外導体)
84A,84B フィルタ
AL1,BL1 空芯ソレノイドコイル
AC1,BC1 コンデンサ
AL2,BL2 トロイダルコイル
AC2,BC2 コンデンサ
86 棒状櫛歯部材
98 板状櫛歯部材
M,M1〜M3 櫛歯
J コイルチューブ

Claims (20)

  1. プラズマ処理が行われる処理容器内の所定の電気的部材に線路を介して電気的に接続される電力系または信号系の外部回路を有し、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを前記線路上に設けたフィルタによって減衰させ、または阻止するプラズマ処理装置であって、
    前記フィルタが、
    前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、
    前記空芯ソレノイドコイルの巻線間に周回方向の複数箇所で局所的に入っている絶縁性の櫛歯と、
    前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、
    少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体と
    を有する、プラズマ処理装置。
  2. 前記空芯ソレノイドコイルが、軸方向において、巻線ピッチの異なる第1および第2の区間を有し、
    前記櫛歯が、前記第1および第2の区間の巻線ピッチをそれぞれ規定する第1および第2の櫛歯ピッチを有する、
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記第1の区間の巻線ピッチは、前記第2の区間の巻線ピッチの2倍以上または1/2以下である、請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記第1の区間の長さは、前記第2の区間の長さの1/5以上で5倍以下である、請求項2または請求項3に記載のプラズマ処理装置。
  5. プラズマ処理が行われる処理容器内の所定の電気的部材に線路を介して電気的に接続される電力系または信号系の外部回路を有し、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを前記線路上に設けたフィルタによって減衰させ、または阻止するプラズマ処理装置であって、
    前記フィルタが、
    前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、
    前記空芯ソレノイドコイルの第1の区間で巻線間に周回方向の複数箇所で局所的に入っている絶縁性の櫛歯と、
    前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐコイルチューブと、
    前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、
    少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体と
    を有する、プラズマ処理装置。
  6. 前記櫛歯は、前記空芯ソレノイドコイルの外周面に隣接して設けられ、コイル軸方向において前記空芯ソレノイドコイルと平行に延びる複数本の絶縁体からなる棒状部材の内側面に形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記櫛歯は、前記空芯ソレノイドコイルの内周面に隣接して設けられ、コイル軸方向において前記空芯ソレノイドコイルと平行に延びる複数本の絶縁体からなる棒状部材の外側面に形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記櫛歯は、前記空芯ソレノイドコイルの中に設けられ、コイル半径方向では前記空芯ソレノイドコイルの内周面に当たるように放射状に延び、コイル軸方向では前記空芯ソレノイドコイルと平行に延びる複数枚の絶縁体からなる板状部材の外側端面に形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  9. プラズマ処理が行われる処理容器内の所定の電気的部材に線路を介して電気的に接続される電力系または信号系の外部回路を有し、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを前記線路上に設けたフィルタによって減衰させ、または阻止するプラズマ処理装置であって、
    前記フィルタが、
    前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、
    前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐ第1の比誘電率を有する第1のコイルチューブと、
    前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐ第2の比誘電率を有する第2のコイルチューブと、
    前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、
    少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体と
    を有する、プラズマ処理装置。
  10. 前記第1の比誘電率は、前記第2の比誘電率の2倍以上または1/2以下である、請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記空芯ソレノイドコイルと前記コア入りコイルとの間の接続点と前記筒状導体との間に電気的に接続される第1のコンデンサを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記コア入りコイルの前記外部回路側の端子と前記筒状導体との間に電気的に接続される第2のコンデンサを有する、請求項1〜11のいずれか一項記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記コア入りコイルは、トロイダルコイルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記トロイダルコイルにおいて、トロイダルコアの内半径をa、外半径をb、厚さをtとすると、t≧2(b−a)である、請求項13に記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記トロイダルコイルのトロイダルコアは、一定の内半径、外半径および厚さを有する単体のトロイダルコアを複数重ねている、請求項13または請求項14に記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記電気的部材は、前記プラズマ処理のために用いられる単一の高周波または周波数の異なる複数の高周波を印加される高周波電極に設けられる発熱体であり、
    前記外部回路は、前記発熱体に発熱用の電力を供給するためのヒータ電源であり、
    前記線路は、前記ヒータ電源と前記発熱体とを電気的に接続する給電ラインである、
    請求項1〜15のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  17. プラズマ処理が行われる処理容器内の電気的部材が前記処理容器の外に配置される外部回路に線路を介して電気的に接続されているプラズマ処理装置において、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを減衰させ、または阻止するために前記線路の途中に設けられるフィルタユニットであって、
    前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、
    前記空芯ソレノイドコイルの巻線間に周回方向の複数箇所で局所的に入っている絶縁性の櫛歯と、
    前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、
    少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体と
    を有するフィルタユニット。
  18. プラズマ処理が行われる処理容器内の第1の電極に設けられている発熱体が前記処理容器の外に配置されるヒータ電源に給電ラインを介して電気的に接続されているプラズマ処理装置において、前記発熱体から前記ヒータ電源に向かって前記給電ラインに入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを減衰させ、または阻止するために前記給電ラインの途中に設けられるフィルタユニットであって、
    前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、
    前記空芯ソレノイドコイルの第1の区間で巻線間に周回方向の複数箇所で局所的に入っている絶縁性の櫛歯と、
    前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐコイルチューブと、
    前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、
    少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体と
    を有するフィルタユニット。
  19. プラズマ処理が行われる処理容器内の電気的部材が前記処理容器の外に配置される外部回路に線路を介して電気的に接続されているプラズマ処理装置において、前記電気的部材から前記外部回路に向かって前記線路に入ってくる周波数の異なる複数の高周波のノイズを減衰させ、または阻止するために前記線路の途中に設けられるフィルタユニットであって、
    前記複数の高周波のノイズの中で、周波数の最も低い高周波を除く1つまたは複数の高周波のノイズを遮断するために、前記電気的部材側から見て初段に設けられる空芯ソレノイドコイルと、
    前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐ第1の比誘電率を有する第1のコイルチューブと、
    前記空芯ソレノイドコイルの第2の区間で巻線間を周回方向の全域で塞ぐ第2の比誘電率を有する第2のコイルチューブと、
    前記周波数の最も低い高周波のノイズを遮断するために、前記空芯ソレノイドコイルと直列に接続されるコア入りコイルと、
    少なくとも前記空芯ソレノイドコイルを収容または包囲し、前記空芯ソレノイドコイルと組み合わさって複数の周波数で並列共振をなす分布定数線路を形成する筒状の導体と
    を有するフィルタユニット。
  20. 前記電気的部材は、前記プラズマ処理のために用いられる単一の高周波または周波数の異なる複数の高周波を印加される高周波電極に設けられる発熱体であり、
    前記外部回路は、前記発熱体に発熱用の電力を供給するためのヒータ電源であり、
    前記線路は、前記ヒータ電源と前記発熱体とを電気的に接続する給電ラインである、
    請求項17〜19のいずれか一項に記載のフィルタユニット。
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