JP6050296B2 - 鞍乗り型車両のフロントカバー構造 - Google Patents
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Description
前記フロントカバー(26)は、前記ヘッドライト(24)の少なくとも一部と連続したベースカウル(40)と、
このベースカウル(40)の下方に配置されて連結されるアンダーカウル(60)とを備え、
このアンダーカウル(60)は、前記ヘッドライト(24)の下方かつこのヘッドライト(24)の前方から後方へ前記ベースカウル(40)の側面に沿って延びるように構成され、
前記アンダーカウル(60)の前縁(61b)は、前記ベースカウル(40)と離間して設けられ、
前記アンダーカウル(60)は単一の部品で構成され、平面視が略U字状をなす前部(61)と、この前部(61)により接続される左右一対の側壁(67)を一体に有し、
前記ベースカウル(40)の側面と底面で前記アンダーカウル(60)を臨む位置に、前記ベースカウル(40)から外側へ張り出す段差部(46a)が設けられ、
この段差部(46a)に前記アンダーカウル(60)を当接することで前記ベースカウル(40)と前記アンダーカウル(60)の間に上方へ開放された溝部(80)を構成するとともに、
この溝部(80)が後方へ向かって次第に狭くなることを特徴とする。
このリヤカバー(70)は前記ベースカウル(40)と前記アンダーカウル(60)とに連結されていることを特徴とする。
前記フロントカバー(26)は、前記ヘッドライト(24)の少なくとも一部と連続したベースカウル(40)と、
このベースカウル(40)の下方に配置されて連結されるアンダーカウル(60)とを備え、
このアンダーカウル(60)は、前記ヘッドライト(24)の下方かつこのヘッドライト(24)の前方から後方へ前記ベースカウル(40)の側面に沿って延びるように構成され、
前記アンダーカウル(60)の前縁(61b)は、前記ベースカウル(40)と離間して設けられ、
前記鞍乗り型車両は、車体フレームの前端部に設けられたヘッドパイプ(12)と、このヘッドパイプ(12)へ回動可能に支持されるステアリングシャフト(13)と、前輪を軸支するフロントフォーク(14)と、このフロントフォーク(14)と前記ステアリングシャフト(13)を連結するトップブリッジ(16)と、このトップブリッジ(16)に取付けられたハンドル(22)とを備えるとともに、
前記ヘッドパイプ(12)もしくは前記フロントフォーク(14)に前記ヘッドライト(24)が支持され、
前記ベースカウル(40)の中央部より上方に、
後方に進むにつれ幅が細くなる略V字状のアッパーカウル(50)を左右対に設け、
前記ベースカウル(40)の上面で前記アッパーカウル(50)へ臨む位置に、前記ベースカウル(40)から上方へ張り出す段差部(44a)を設け、
この段差部(44a)に前記アッパーカウル(50)を当接することにより、前記ベースカウル(40)と前記アッパーカウル(50)の間に第2溝部(44e)を構成し、
この第2溝部(44e)の車体後方へ向かう延長線L上には前記ハンドル(22)が配置されていることを特徴とする。
水がベースカウルとアンダーカウルの間を移動した後、ベースカウルとアンダーカウルとの間の終端に至ると、ここで放出され、水は車体下方、もしくは後方へと流れる。
そのため、フロントカバー後方に位置する乗員の顔等に対する水滴の飛散を避けることができる。
この溝部に集められた水は、走行風で飛散しにくくなるとともに、走行風により溝部内を速やかに後方へ移動する。このため溝部を利用して効果的に後方へ水を流すことができ、乗員への水の飛散をより少なくすることができる。
先端に流れた水のうち一部は重力により端部から下方へ流れるが、他の一部は走行風により溝部延長線上へと飛散する。
しかし、この飛散した水は溝部延長線上に配置されるハンドルに当たり、下方へ落とされる。このため乗員への水の飛散を抑えることができる。
この鞍乗り型車両は、車体フレーム10の前端部に設けられたヘッドパイプ12に対して、左右一対のフロントフォーク14の上端部がトップブリッジ16及びボトムブリッジ18を介して回動自在に支持されている。フロントフォーク14の下端部には前輪20が支持されている。前輪20は、トップブリッジ16に固定されたハンドル22により操舵される。
符号28はフロントフェンダ、30はフロントカウル、32は運転者用のシート、34はエンジン、36はリヤスイングアーム、38は後輪である。
なお、フロントカウル30は、ヘッドパイプ12後方の車体フレーム10及びエンジン34の側部並びにシート32の下方左右までを覆い、その前端上部30aの高さは、略トップブリッジ16の位置と同じである。また、前端下部30bは略鋭角状に前方へ張り出し、ボトムブリッジ18及びフロントフォーク14の側方へ重なっている。
ヘッドライト24は、前面が後方斜め上がりに傾斜する曲面をなし、走行風を上方及び左右側面に沿って後方へ流すようになっている。ベースカウル40の先端部の一部は、ヘッドライト24の前面近傍となる側面へ密接し、ヘッドライトの前面と連続する曲面を有しており、ヘッドライト24から左右へ分かれた走行風を効率よくガイドできるようになっている。
後部56の後縁部56bは、フロントフォーク14と略平行にトップブリッジ16の前方に位置している。
アッパーカウル上部53の側面視における前縁部52は、上部がウィンドスクリーン44の下端部へ連続し、下部はヘッドライト24の前面上部へ略面一で連続している。
アンダーカウル60の後部からはベースカウル40の下部後方に形成された調整部48が下方へ突出しており、その底部に設けられた調節ネジ48dを締め付けたり、緩めることにより、ヘッドライト24のエイミング調整を可能にしている。
リヤカバー70の上部は、トップブリッジ16へ結合され(後述)、下部は支持ステー76によりボトムブリッジ18へボルト等(図示省略)により結合される。
なお、図中の符号40aはベースカウル40の前縁部、61bはアンダーカウル60の前縁部である。ベースカウル40の前縁部40aは、アンダーカウル60の前縁部61bより前方に位置する。
また、中央部42の左右両側を覆うアッパーカウル50(アッパーカウル上部53)は、後方へ向かって拡開してハンドル22近傍まで延びている。したがって、前方からヘッドライト24へ向かってくる走行風は、ヘッドライト24及びフロントカバー26により車体中心CLから左右へ分かれて後方へ流れ、かつトップブリッジ16の前方にはメータ29が配置されている。
リヤカバー70の下部は、下方へステー76が突出し、図示されていないがボトムブリッジ18へボルト止めされている。
一方、アンダーカウル60の後端部64はリヤカバー70よりも後方へ突出し、リヤカバー70により塞がれていない。
図中の符号13は、ステアリングシャフトであり、ヘッドパイプ12の内側へ軸受けにより回動自在に支持され、上下をトップブリッジ16及びボトムブリッジ18へ固定されている。したがって、ハンドル22を回動させるとトップブリッジ16及びボトムブリッジ18を介してフロントフォーク14を回動させることができる。
したがって、中間部46と段差部46a及びアンダーカウル60の側壁67に囲まれて上方へ開放された溝80が形成される。この溝80は、ベースカウル40の前部から後部まで連続して形成され、段差部46aへ滴下した水滴Wを走行風により後方へ流すようになっている。溝80の幅は、後方へ向かって次第に狭くなる。
したがって、溝80を後方へ流れた水滴Wは、溝80の後端から出て滴下するが、そのまま後方へ流れると、ハンドル22で阻止される。
第1段差44aには、ウィンドスクリーン44の表面を流れた水滴Wが滴下し、この水滴Wを溝部44eに沿って走行風により後方へ流すようになっている。
図11は、ベースカウル40の正面図をA、背面図をBに示す。また、図12はベースカウル40の側面図である。
ベースカウル40は大略逆三角形状をなし、中央に略逆三角形状のヘッドライト用開口41が形成されている。但し、ヘッドライト用開口41の上部は左右両側へ斜め上がりに切れ込んでいる。
第1段差44aは上側アッパーカウル取付部43に沿って内側下り傾斜で延び、中央部42と上側アッパーカウル取付部43の間を下方へ曲がった下向きの第2段差44bに連続している。
図11のBに示すように、ウィンドスクリーン44の内側で、第1段差44aと第3段差44cの間には、リヤカバー70の取付部44dが設けられている。
係止溝45bと取付ボス45cの間には開口45eが開口している。
中間部46とアンダーカウル取付部47の境界には、段差部46aが形成されアンダーカウル取付部47は中間部46より一段外方へ高くなっている。
中間部46の前縁部46bは、アッパーカウル下側取付部45の前縁部から連続して前方斜めに傾斜し、その下端部は最前部をなす下端部46cとなっている。
アンダーカウル取付部47の下部は、調整部48と区画される。アンダーカウル取付部47の下部の一部は調整部48より前方に位置し、この底面に溝47eが形成されている。調整部48は側面視略三角形状をなし、アンダーカウル取付部47とは後方斜め上がりの直線状の境界をなす。
調整部48の底部48aには前後方向へ長いスリット48cが形成されている。この取付座部47cは、エーミング調整用である。
アンダーカウル60は平面視が略U字状をなす前部61と、この前部61により接続される左右一対の側壁67を一体に有する。
前部61は調整部48より前方となるアンダーカウル取付部47の下端部へ重なる部分であり、側壁67はアンダーカウル取付部47へ重なる部分である。
これらにより、アンダーカウル取付部47へ係止するようになっている。
側壁67の後端部64は幅広部をなし、その内側に取付突部65が内方へ突出形成されている。66は後端部64及び側壁67の上縁部である。
リヤカバー70は上部にメーター取付部71を備える。メーター取付部71にはメータ取付穴71a、71bが形成されている。メーター取付部71の左右に上方へ突出する突出壁71cが形成されている。
左右の突出壁71cの上部には取付座74が設けられ、ここでベースカウル40の取付部44dへ結合されるようになっている。
本体部72の上部左右には、後方へ突出する取付ボス73が左右一対で設けられ、ここでトップブリッジ16へ締結されるようになっている。
本体部72の下部には、左右一対で下方へ延出するステー76が形成され、ここでボトムブリッジ18へ締結されるようになっている。
アッパーカウル50をベースカウル40の上部に取付ける。まず、アッパーカウル上部53を上側アッパーカウル取付部43上へ、アッパーカウル下部55をアッパーカウル下側取付部45上へ重ね、第1係合突起53a、第2係合突起53cを係止溝43a、係止溝43cへ差し込み、第2係合突起55d、第1係合突起55bを係止溝45d、係止溝45bへ差し込み、位置決めしてからアッパーカウル50を後方へ押すと、第1係合突起53a及び第2係合突起53cと係止溝43a及び係止溝43cとが係合し、第2係合突起55d及び第1係合突起55bが、係止溝45d及び係止溝45bと係合し、同時に第1取付ボス53b及び第2取付ボス53dが取付ボス43b及び取付ボス43dへ重なり、第1取付ボス55a及び第2取付ボス55cが取付ボス45a及び取付ボス45cへ重なるので、内側からタッピングスクリュー等で結合一体化する。
したがって、後方へ押すだけの操作で、アンダーカウル60を係合により、ベースカウル40へ簡単迅速に取付できる。また、後端部64の取付突部65がボス75へ当接しているので、ここでボルト止めするとアンダーカウル60がリヤカバー70と一体化される。
これにより、フロントカバー26はヘッドライト24を囲んだ状態で一体化されるので、フロントカバー26をヘッドパイプ12の前方に位置させ、取付ボス73をトップブリッジ16の下方突出部16aに取付ける。
さらにステー76をボトムブリッジ18の前方に重ね、前方からボルトでボトムブリッジ18へ取付ける。これにより、フロントカバー26をトップブリッジ16の上部へ取付できる。
また、溝80内へ走行風が流れると、走行風でベースカウルとアンダーカウルの間に形成されている溝80内を後方へ移動する。
水が溝80の後端部に至ると、ここで放出され、水は車体下方、もしくは後方へと流れる。このためフロントカバー26後方に位置する乗員の顔等に対する水滴の飛散を避けることができる。
なお、溝80は必ずしも必要ではなく、水を集めやすくした凹部のようなものでもよい。
アンダーカウル60は、後端部に設けられた取付突部65を、リヤカバー70のボス75と締結により結合したので、ベースカウル40とアンダーカウル60の後方に開放された開口部をリヤカバーで覆うことができる。このため、ベースカウル40とアンダーカウル60の表面を伝った水が後方に回り込み、ヘッドライト24の内部に入ることを避けることができるとともに、ベースカウル40とアンダーカウル60をより強固に締結することができる。
先端に流れた水のうち一部は重力により端部から下方へ流れるが、他の一部は走行風により溝部44eの延長線上へと飛散する。
しかし、図10に明らかなように、溝部44eの延長線上にハンドル22が配置されているので、溝部44eの先端から飛散した水はハンドル22に当たり、下方へ落とされる。このため乗員への水の飛散を抑えることができる。
例えば、本願発明の適用されるフロントカバー26は必ずしも複数部材からなる必要はなく単一の部材であってもよい。但し、複数部材による分割構成にすれば、溝80や44eを容易に形成できる。複数部材の場合には分割数は任意である。
また、フロントカバーの各構成部材間の結合は、特に限定しない限り、締結以外の種々構造を採用できる。
また、本願が適用される車両が、自動2輪車でなくとも、鞍乗り型車両であればよい。
Claims (6)
- 車体の前部に配置されたヘッドライト(24)を囲むフロントカバー(26)であって、複数の部材で構成された鞍乗り型車両のフロントカバー構造において、
前記フロントカバー(26)は、前記ヘッドライト(24)の少なくとも一部と連続したベースカウル(40)と、
このベースカウル(40)の下方に配置されて連結されるアンダーカウル(60)とを備え、
このアンダーカウル(60)は、前記ヘッドライト(24)の下方かつこのヘッドライト(24)の前方から後方へ前記ベースカウル(40)の側面に沿って延びるように構成され、
前記アンダーカウル(60)の前縁(61b)は、前記ベースカウル(40)と離間して設けられ、
前記アンダーカウル(60)は単一の部品で構成され、平面視が略U字状をなす前部(61)と、この前部(61)により接続される左右一対の側壁(67)を一体に有し、
前記ベースカウル(40)の側面と底面で前記アンダーカウル(60)を臨む位置に、前記ベースカウル(40)から外側へ張り出す段差部(46a)が設けられ、
この段差部(46a)に前記アンダーカウル(60)を当接することで前記ベースカウル(40)と前記アンダーカウル(60)の間に上方へ開放された溝部(80)を構成するとともに、
この溝部(80)が後方へ向かって次第に狭くなることを特徴とする鞍乗り型車両のフロントカバー構造。 - 前記アンダーカウル(60)の後端(64)は、前記ベースカウル(40)から離間して後方へ延出していることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両のフロントカバー構造。
- 前記アンダーカウル(60)の前端(61a)は、側面視でベースカウル(40)の前端(46c)より後方に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の鞍乗り型車両のフロントカバー構造。
- 前記ベースカウル(40)の後方にリヤカバー(70)が配置され、
このリヤカバー(70)は前記ベースカウル(40)と前記アンダーカウル(60)とに締結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の鞍乗り型車両のフロントカバー構造。 - 車体の前部に配置されたヘッドライト(24)を囲むフロントカバー(26)であって、複数の部材で構成された鞍乗り型車両のフロントカバー構造において、
前記フロントカバー(26)は、前記ヘッドライト(24)の少なくとも一部と連続したベースカウル(40)と、
このベースカウル(40)の下方に配置されて連結されるアンダーカウル(60)とを備え、
このアンダーカウル(60)は、前記ヘッドライト(24)の下方かつこのヘッドライト(24)の前方から後方へ前記ベースカウル(40)の側面に沿って延びるように構成され、
前記アンダーカウル(60)の前縁(61b)は、前記ベースカウル(40)と離間して設けられ、
前記鞍乗り型車両は、車体フレームの前端部に設けられたヘッドパイプ(12)と、このヘッドパイプ(12)へ回動可能に支持されるステアリングシャフト(13)と、前輪を軸支するフロントフォーク(14)と、このフロントフォーク(14)と前記ステアリングシャフト(13)を連結するトップブリッジ(16)と、このトップブリッジ(16)に取付けられたハンドル(22)とを備えるとともに、
前記ヘッドパイプ(12)もしくは前記フロントフォーク(14)に前記ヘッドライト(24)が支持され、
前記ベースカウル(40)の中央部より上方に、
後方に進むにつれ幅が細くなる略V字状のアッパーカウル(50)を左右対に設け、
前記ベースカウル(40)の上面で前記アッパーカウル(50)へ臨む位置に、前記ベースカウル(40)から上方へ張り出す段差部(44a)を設け、
この段差部(44a)に前記アッパーカウル(50)を当接することにより、前記ベースカウル(40)と前記アッパーカウル(50)の間に第2溝部(44e)を構成し、
この第2溝部(44e)の車体後方へ向かう延長線L上には前記ハンドル(22)が配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両のフロントカバー構造。 - 前記ベースカウル(40)と前記アンダーカウル(60)と前記アッパーカウル(50)は、それぞれ別部材で構成されていることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両のフロントカバー構造。
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