JP6048724B2 - 高固形分防汚塗料組成物 - Google Patents

高固形分防汚塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、加水分解性シリル基を有するプレポリマーに基づいた新規な低溶剤防汚塗料組成物に関する。
欧州特許第1641862号B1明細書には、シリルエステルコポリマー組成物が開示されている。
国際公開第2009/100908号パンフレットには、ポリオキサレートをバインダーとして含む防汚組成物が開示されている。
特開2010/235792号公報には、加水分解性基をもつアミノ基硬化剤が開示されている。加水分解性基は、海水又は淡水中で加水分解する特徴を有する基である。エステル基とアルキルシリル基は、加水分解性基の例として挙げられている。
従来の技術に鑑みるに、代替となる防汚組成物、特に高固形分防汚塗料組成物が依然として必要とされている。
本願の発明者によって、上記の目標を、本明細書で定義する自己研磨型防汚組成物によって達成できることが判明した。
したがって、第1の態様において、本発明は請求項1に定義の自己研磨型防汚組成物に関する。本発明の第2の態様は、本明細書の請求項14に定義のキットに関する。本発明の第3の態様は、本明細書の請求項15に定義のキットに関する。本発明の第4の態様は、本明細書の請求項16で定義のベース成分に関する。本発明の第5の態様は、本明細書の請求項17で定義の海洋構造物に関する。本発明の第6の態様は、本明細書の請求項18で定義の構造物へのコーティング方法に関する。
防汚塗料組成物
上述したように、本発明は防汚塗料組成物に関する。この塗料組成物は少なくとも1つのエポキシ官能基を有するプレポリマーを含むベース成分と、それぞれが少なくとも1つの活性水素を有する1種以上の硬化剤、例えば、ジアミン及びポリアミンのようなアミン及び脂肪族ポリメルカプタン、脂環式ポリメルカプタン及び芳香族ポリメルカプタンのようなポリメルカプタンから選択されるものとを含む。この塗料組成物は、2つ以上の成分、好ましくは2つの成分として存在し得る。実用という観点からすると一般には好ましくはないものの、この塗料組成物は更なる成分を含み得る。塗料組成物のこの2種以上の成分は、以下でより詳細に説明するように、典型的には、塗料組成物を目的とする基体に塗布する直前に組み合わされ混合される。
ベース成分
塗料組成物のベース成分は、少なくとも1つのエポキシ官能基を有するプレポリマーを含み、このプレポリマーは、一般式(I):
Figure 0006048724

(式中、Xはカルボニル基(>C=O)を表し、nは0〜5000の整数であり、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立してC1-20アルキル及び任意で置換されたフェニルから選択される(例えばC1-4−アルキル及びフェニル))の少なくとも1つの末端基を有する少なくとも1つの側鎖を有する。
本明細書において、用語「エポキシ官能基」は、オキシラン基:
Figure 0006048724

を含む部分を意味することを意図する。
プレポリマーは少なくとも1つのエポキシ官能基と、少なくとも1つの一般式(I)の末端基を有する少なくとも1つの側鎖とを有する。
現在好ましい実施形態において、塗料組成物のベース成分は、少なくとも1つの一般式(I)
Figure 0006048724

の末端基を有する少なくとも1つの側鎖を有するエポキシ官能性プレポリマーを含み、式中、Xはカルボニル基(>C=O)を表し、nは0〜5000の整数であり、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立してC1-20アルキル及び任意で置換されたフェニルから選択される。
このプレポリマーがエポキシ官能性である場合、プレポリマーは、(平均して)硬化剤との反応を可能にするのに十分な数のエポキシ基を含んでいなくてはならない。典型的には、このプレポリマーのエポキシ当量は450〜10000、例えば500〜7500(550〜5000又は550〜3000等)の範囲である。エポキシ当量は、実施例の項目で説明されるようにして求められる。
nは0、1、2、3、4又はそれ以上の整数であり、この場合、nは最高約5000、例えば0〜50(0〜10又は1〜15等)であることが好ましい。一部の特殊な実施形態において、nは0、1又は2〜5である。
一部の実施形態において、一般式(I)のnは0であるため、末端基は一般式(II):
Figure 0006048724

(式中、Xは上で定義された通りであり、R3〜R5はそれぞれ独立してC1-20アルキル及び任意で置換されたフェニル(例えば、フェニル)から成る群から選択される基である)を有する。
上の式(I)、(II)に関し、各アルキル基が最高で約6個の炭素原子を有することが好ましい(すなわち、C1-6アルキル)。任意で置換されるフェニル基の置換基の実例にはハロゲン、ニトロ、アミノ、C1-6アルキル及びC1-10アルキルカルボニルが含まれる。上述したように、R1〜R5は同一の又は異なる基であり得る。
アルキル基には線状、分岐及び環状炭化水素基が含まれ、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、オクタデシル等である。好ましいアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する線状、分岐及び環状炭化水素基である。
一般式I、IIの基は、水性媒体(例えば、海水)中で加水分解性のシリルエステルを表す。
シリルエステル基が完全に加水分解された後のプレポリマーの酸価は典型的にはプレポリマー1gあたり5〜500mgKOHの範囲であり(mgKOH/g(固形分))、例えば30〜350mgKOH/g(固形分)の範囲(100〜300mgKOH/g(固形分)の範囲等)である。酸価は、実施例の項目で説明されるようにして求められる。
完全な加水分解後のプレポリマーの酸価が5未満の場合、本明細書で定義の研磨率試験(polishing rate test)に従って求められる研磨率は典型的には10000海里あたり1μm未満である。他方で、酸価が500を超える場合、研磨率は典型的には高すぎる。
大量の溶媒又は希釈液を必要とすることなく、粘度に関して望ましい特性を得やすくするために、プレポリマーの分子量は典型的には比較的低い。このため、典型的には、プレポリマーの質量平均分子量(Mw)は、2000〜100000(2000〜50000等)、例えば2000〜15000の範囲である。
一部の興味深い実施形態において、プレポリマーのガラス転移温度Tgは−30℃〜100℃、例えば−20℃〜100℃の範囲である。
一部の興味深い実施形態において、プレポリマーの高せん断粘度は、ASTM規格D4287−00に従った測定で最高200ポアズの範囲である。
様々な適切なポリマー骨格が上記の側鎖を有するプレポリマーに関係すると考えられる。現在好ましい実施形態において、プレポリマーの骨格は、エチレン性不飽和モノマー(例えば、(メタ)アクリレートタイプモノマー、スチレンタイプモノマー、マレイン酸タイプモノマー、フマル酸タイプモノマー、ビニルアセテートタイプモノマー、ビニルアルコールタイプモノマー等)のものから調製される。
このようなエチレン性不飽和モノマーのプレポリマーに関し(例えば、(メタ)アクリレート骨格を有するもの)、上の一般式I及び下の一般式IIの末端基を含むモノマーは、欧州特許第0297505号B1明細書に記載されるようにして合成され得る。
プレポリマーは、このようなモノマーとその他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合によって得られる。適切なエチレン性不飽和モノマーの例には、メタクリレートエステル、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート及びイソボルニルメタクリレート;アクリレートエステル、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート及びメトキシエチルアクリレート;マレイン酸エステル、例えばマレイン酸ジメチル及びマレイン酸ジエチル;フマル酸エステル、例えばフマル酸ジメチル及びフマル酸ジエチル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、ビニルアセテート、ブタジエン、アクリルアミド及びアクリロニトリルが含まれる。
エチレン性不飽和モノマーの量は典型的には得られるプレポリマーの総質量の95質量%以下、好ましくは90質量%以下、例えば85質量%以下である。したがって、上の一般式Iの末端基を含むモノマーの量は、プレポリマーの少なくとも1質量%、例えば少なくとも1〜80質量%、特には少なくとも10質量%(10〜65質量%等)又は少なくとも15質量%(15〜60質量%等)である。
上の一般式Iの末端基を含むモノマーは典型的には、プレポリマーのモノマー組成の5〜60mol%、好ましくは10〜50mol%(15〜45mol%等)を構成する。
エポキシ官能基を含むモノマーは典型的には、プレポリマーのモノマー組成の0.5〜95mol%、好ましくは0.5〜30mol%(2〜20mol%等)を構成する。
本発明の別の興味深い実施形態において、本発明の塗料組成物で使用するバインダー系は、少なくとも1つの一般式II:
Figure 0006048724

(式中、X、R3、R4及びR5は、上で定義された通りである)の末端基を有する少なくとも1つの側鎖を有するシリル化アクリレートコポリマーを含む。
(上に示す)一般式IIの末端基を有するモノマーの例は酸官能性ビニル重合性モノマーであり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸から誘導されるモノマー(好ましくは、1〜6個の炭素原子を有するモノアルキルエステルの形態)又はフマル酸から誘導されるモノマー(好ましくは、1〜6個の炭素原子を有するモノアルキルエステルの形態)である。
上の式I又はIIに示されるトリオルガノシリル基に関し(すなわち、−Si(R3)(R4)(R5)基)に関し、R3、R4及びR5は同一又は異なり得る。一実施形態において、これらの置換基は同一である。
したがって、一般式I又はIIに示される適切なトリオルガノシリル基(すなわち、−Si(R3)(R4)(R5)基)の具体例には、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ−n−プロピルシリル、トリ−n−ブチルシリル、トリ−イソ−プロピルシリル、トリ−n−ペンチルシリル、トリ−n−ヘキシルシリル、トリ−n−オクチルシリル、トリ−n−ドデシルシリル、トリフェニルシリル、トリ−p−メチルフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリ−2−メチルイソプロピルシリル、トリ−tert−ブチル−シリル、エチルジメチルシリル、n−ブチルジメチルシリル、ジ−イソ−プロピル−n−ブチルシリル、n−オクチル−ジ−n−ブチルシリル、ジ−イソ−プロプリルオクタデシルシリル、ジシクロヘキシルフェニルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、ドデシルジフェニルシリル及びジフェニルメチルシリルが含まれる。
少なくとも1つの一般式I又はIIの末端基を有する適切な(メタ)アクリル酸誘導モノマーの具体例には、トリメチルシリル(メタ)アクリレート、トリエチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−プロピルシリル(メタ)アクリレート、トリイソプロピルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリイソブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−tert−ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−アミルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−ヘキシルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−オクチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−ドデシルシリル(メタ)アクリレート、トリフェニルシリル(メタ)アクリレート、トリ−p−メチルフェニルシリル(メタ)アクリレート、トリベンジルシリル(メタ)アクリレート、エチルジメチルシリル(メタ)アクリレート、n−ブチルジメチルシリル(メタ)アクリレート、ジイソプロピル−n−ブチルシリル(メタ)アクリレート、n−オクチルジ−n−ブチルシリル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルステアリルシリル(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルフェニルシリル(メタ)アクリレート、t−ブチルジフェニルシリル(メタ)アクリレート及びラウリルジフェニルシリル(メタ)アクリレートが含まれる。
本発明の興味深い実施形態において、バインダー系で使用するプレポリマーは、(上述したような)一般式I又はIIの末端基を有するモノマー単位を、一般式III:
Y−(CH(RA)−CH(RB)−O)p−Z (III)
(式中、ZはC1-20アルキル基又はアリール基であり、Yはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオキシ基又はフマロイルオキシ基であり、RA及びRBは独立して水素、C1-20アルキル及びアリールから成る群から選択され、pは1〜25の整数である)の第2のモノマーBと組み合わせて含む。
p>2の場合、RA及びRBは好ましくは水素又はCH3であり、すなわちp>2の場合、モノマーBは好ましくはポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールから誘導される。p=1の場合、RA及びRBがより大きい基(C1-20アルキル又はアリール等)のモノマーも、本明細書に記載の目的にとって有用であると考えられる。
式IIIに示されるように、モノマーBはその分子内にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオキシ基(好ましくは、モノ−C1-6アルキルエステルの形態)又はフマロイルオキシ基(好ましくは、モノ−C1-6アルキルエステルの形態)を不飽和基(Y)として、またアルコキシ−又はアリールオキシポリエチレングリコールを有する。アルコキシ又はアリールオキシポリエチレングリコール基において、ポリエチレングリコールの重合度(p)は1〜25である。
分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーBの具体例には、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキソキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート及びエトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートが含まれる。
分子内にマレイノイルオキシ又はフマロイルオキシ基を有するモノマーBの具体例には、メトキシエチルn−ブチルマレエート、エトキシジエチレングリコールメチルマレエート、エトキシトリエチレングリコールメチルマレエート、プロポキシジエチレングリコールメチルマレエート、ブトキシエチルメチルマレエート、ヘキソキシエチルメチルマレエート、メトキシエチルn−ブチルフマレート、エトキシジエチレングリコールメチルフマレート、エトキシトリエチレングリコールメチルフマレート、プロポキシジエチレングリコールメチルフマレート、ブトキシエチルメチルフマレート及びヘキソキシエチルメチルフマレートが含まれる。
当業者には理解できるように、その他のビニルモノマーも、(上に示す)一般式IIの末端基を有するモノマー単位を含む得られるプレポリマー又は(上に示す)一般式IIIの第2モノマーBと組み合わせて(上に示す)一般式IIの末端基を有するモノマー単位を含む得られるプレポリマーに組み込まれ得る。
上記のモノマーと共重合性のその他のモノマーに関し、上述のビニル重合性モノマー等の様々なビニルモノマーを利用し得る。
分子内にエポキシ官能基を有するモノマーの具体例には、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、及び1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサンが含まれる。
硬化剤
塗料組成物は、また、それぞれが少なくとも1つの活性水素を有する1つ以上の硬化剤を含む。
活性水素の数は、エポキシ反応性水素、すなわち典型的にはN−H及びS−Hとして結合される水素原子の数として定義される。
少なくとも1つの活性水素を有する硬化剤は典型的にはアミン(例えばジアミン、ポリアミン、ポリアミドアミン、及びこれらの三フッ化ホウ素錯体)、アミン付加物及びポリメルカプタン(例えば脂肪族ポリメルカプタン、脂環式ポリメルカプタン、芳香族ポリメルカプタン及びチオール末端ポリマー)から選択される。
一実施形態において、硬化剤は、アミンから選択される(アミンタイプ硬化剤)。
適切なアミンには、アミン(ジアミン及びポリアミン等)及びアミノ官能性ポリマー、例えば脂肪性アミン及びポリアミン(脂環式アミン及び脂環式ポリアミン等)、ジアミン、ポリアミドアミン、ポリオキシアルキレンアミン(ポリオキシアルキレンジアミン等)、ポリオキシアルキレンジアミン及びポリアミン(「Jeffamines」として知られているもの)、アルキレンアミン(アルキレンジアミン等)、アラルキルアミン、芳香族アミン、イミダゾリン、マンニッヒ塩基、アミノ官能性シリコーン又はシラン、並びにケチミン及びアミン変性チオ乳酸から選択されるものが含まれ、また、これらの誘導体も含まれる。
ケタミンは、一成分生成物を配合するときに有用であり得る潜在的アミン(下記参照のこと)として見られる。適用の際、湿気に曝露されるときにアミンを遊離する。
Figure 0006048724
別の興味深いタイプの硬化剤は、アミン変性チオ尿素として見られ得るアミン変性チオ乳酸である。
Figure 0006048724
市販の適切なアミンタイプ硬化剤の例は、以下の通りである:
Cardolite NC−541、Cardanol Chemicals(USA)、マンニッヒ塩基
Cardolite Lite 2001、Cardanol Chemicals(USA)、マンニッヒ塩基
Sunmide CX−105X、Sanwa Chemical Ind.社(シンガポール)、マンニッヒ塩基
Epikure 3140硬化剤、Resolution Performance Products(USA)、ポリアミドアミン
SIQ Amin 2030、SIQ Kunstharze社(ドイツ)、ポリアミドアミン
Epikure 3115X−70硬化剤、Resolution Performance Products(USA)、ポリアミドアミン
SIQ Amin 2015、SIQ Kunstharze社(ドイツ)、ポリアミドアミン
Polypox VH 40309/12、Ulf Pruemmer Polymer−Chemie社(ドイツ)、ポリオキシアルキレンアミン
CeTePox 1490H、CTP Chemicals and Technologies for Polymers(ドイツ)、ポリオキシアルキレンアミン
エポキシ硬化剤MXDA、Mitsubishi Gas Chemical社(USA)、アラルキルアミン
Diethylaminopropylamine、BASF(ドイツ)、脂肪族アミン
Gaskamine 240、Mitsubishi Gas Chemical社(USA)、アラルキルアミン
Cardolite Lite 2002、Cardanol Chemicals(USA)、マンニッヒ塩基
Aradur 42 BD、Huntsman Advanced Materials(ドイツ)、脂環式アミン
Isophorondiamin、BASF(ドイツ)、脂環式アミン
メタキシレンジアミン、Mitsubishi Gas Chemical社(日本)、脂肪族ジアミン
MDA−220、Mitsui Chemicals社(日本)、芳香族ジアミン
BAFL、JFE Chemical社(日本)、芳香族ジアミン
Wandamine HM、New Japan Chemical社(日本)、脂環式ジアミン
ヘキサメチレンジアミン、Kishida Chemical社(日本)、脂肪族ジアミン
Adeka硬化剤EH376−2、Asahi denka社(日本)、脂環式ポリアミン
Ancamide 506、Air Products Japan社(日本)、脂肪族ポリアミン
Aradur 424、Hutsman Advanced Materials(スイス)、ポリアミノアミド
Versamid 100、Cognis(USA)、二量体化脂肪酸とポリアミンに基づく反応性ポリアミド樹脂
Versamid 115、Cognis(USA)、二量体化脂肪酸とポリアミンに基づく反応性ポリアミド樹脂
Ancamide 220、Air Products(USA)、ポリアミノアミド
Versamid 125、Cognis(USA)、二量体化脂肪酸とポリアミンに基づく反応性ポリアミド樹脂
Aradur 460、Hutsman Advanced Materials(スイス)ポリアミノアミド
Versamid 140、Cognis(USA)、二量体化脂肪酸とポリアミンに基づく反応性ポリアミド樹脂
この特定の一実施形態において、アミンは、三フッ化ホウ素−アミン錯体、例えば、「Three Bond Technical News」、Issued December 20,1990,No.32、「Curing Agents for Epoxy Resin」に開示されるタイプの形態である。
他の実施形態において、硬化剤は、1つの分子内に少なくとも2つの活性水素を有するアミンから選択される。一部の実施形態において、アミンは、3つ以上の活性水素を有する。ある場合には、活性水素の数は、2〜20、例えば2〜10又は2〜6又は3〜8である。混合物の形態の商品については、上記の数がアミン分子の集団における活性水素の平均数として解釈されなければならないと理解すべきである。
興味深い一実施形態において、硬化剤は、ジアミン及びポリアミンから選択され、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン及び芳香族ポリアミンが含まれる。
別の態様実施形態において、アミンは脂肪族又は脂環式アミン、例えば脂肪族又は脂環式ジアミン又は脂肪族又は脂環式ポリアミンである。
別の興味深い実施形態において、硬化剤はポリアミドアミン及びイミダゾリンから選択される。
この1つ以上アミンタイプ硬化剤のアミン当量は、典型的には20〜2000、例えば30〜1200(30〜900等)の範囲である。アミン当量は、実施例の項目で説明されるようにして求められる。
この1つ以上アミンタイプ硬化剤のアミン水素当量(AHEW)は典型的には15〜10000、例えば20〜5000(20〜1000等)の範囲である。アミン水素当量(AHEW)は、実施例の項目で説明されるようにして求められる。
アミンタイプ硬化剤のアミンとプレポリマーのエポキシ官能基との比及び(アミン:エポキシ)(A/E)は典型的には0.1:1〜4.0:1、例えば0.2:1〜4.0:1又は0.2:1〜3:1又は0.1:1〜3:1の範囲である。
アミンタイプ硬化剤の活性水素とプレポリマーのエポキシ官能基との比及び(水素:エポキシ)(H/E)は典型的には0.3:1〜3.5:1、例えば0.5:1〜2.5:1、(0.5:1〜1.5:1又は0.5:1〜1.2:1又は0.3:1〜1.2:1等)の範囲である。
別の態様において、硬化剤はアミンエポキシ付加物から選択される。アミンエポキシ付加物は、エポキシ樹脂又はエポキシ反応性希釈剤と、すべてのエポキシ基を消費するがアミン中の反応性水素すべてが消費されるというわけではない過剰量のアミンとを混合することによって形成される。結果として生じる物質は、エポキシ塗料における硬化剤として使用し得る。
適切な市販のアミンエポキシ付加物タイプ硬化剤の例は、以下の通りである:
Epikure 3090硬化剤、Resolution Performance Products(USA)、エポキシを有するポリアミドアミン付加物
Crayamid E260 E90、Cray Valley(イタリア)、エポキシを有するポリアミドアミン付加物
Aradur 943 CH、Huntsman Advanced Materials(スイス)、エポキシを有するアルキレンアミン付加物
Aradur 863XW 80 CH、Huntsman Advanced Materials(スイス)、エポキシを有する芳香族アミン付加物。
この1つ以上アミンエポキシ付加物タイプ硬化剤のアミン当量は典型的には20〜2000、例えば30〜1200(30〜900等)の範囲である。アミン当量は、実施例の項で説明されるように求められる。
この1つ以上のアミンエポキシ付加物タイプ硬化剤のアミン水素当量(AHEW)は典型的には15〜10000、例えば20〜5000(20〜1000等)の範囲である。アミン水素当量(AHEW)は、実施例の項で説明されるように求められる。
アミンエポキシ付加物タイプ硬化剤のアミンとプレポリマーのエポキシ官能基との比及び(アミン:エポキシ)(A/E)は、典型的には0.1:1〜4.0:1、例えば0.2:1〜4.0:1又は0.2:1〜3:1又は0.1:1〜3:1の範囲である。
アミンエポキシ付加物タイプ硬化剤の活性水素とプレポリマーのエポキシ官能基との比及び(水素:エポキシ)(H/E)は、典型的には0.3:1〜3.5:1、例えば0.5:1〜2.5:1(0.5:1〜1.5:1又は0.5:1〜1.2:1又は0.3:1〜1.2:1等)の範囲である。
更に別の興味深い実施態様において、硬化剤は、ポリメルカプタンから選択される。ポリメルカプタンは、単一分子内に少なくとも2つのメルカプタン(−SH)基を有するものである。ポリメルカプタンの例は、脂肪族ポリメルカプタン、脂環式ポリメルカプタン及び芳香族ポリメルカプタンである。ポリメルカプタンの他の例は、チオール末端ポリマー、例えば末端チオール基を有する線状ポリマーである。
適切なポリメルカプタンの具体例は、以下の通りである:ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン一ナトリウム塩、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、及び2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン。
適切な市販のポリメルカプタンタイプ硬化剤の例は、以下の通りである:
Karenz MT PE1、Showa denko社(日本)、脂肪族ポリメルカプタン
Daito Kral MR−94、Daito sangyo社(日本)、脂肪族ポリメルカプタン
Sun thiol N−1,Sankyo kasei Chemical社(日本)、芳香族ポリメルカプタン
Poly thiol QE−340M、Toray Industries社(日本)、脂肪族ポリメルカプタン
Adeka硬化剤EH316、Asahi denka社(日本)、脂肪族ポリメルカプタン
Zisnet DB、Sankyo−Kasai社(日本)、芳香族ポリメルカプタン(2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン)
GPM−800、Gabriel Performance Products(US)、メルカプタン末端ポリマー
Capcure 3−800、BASF(ドイツ)、メルカプタン末端ポリマー。
この1つ以上のポリメルカプタンタイプ硬化剤のチオール水素当量(THEW)は典型的には15〜10000、例えば20〜5000(20〜1000)の範囲である。チオール水素当量(THEW)は、実施例の項で説明されるように求められる。
ポリメルカプタンタイプ硬化剤のチオール水素とプレポリマーのエポキシ官能基との比及び(水素:エポキシ)(H/E)は典型的には0.3:1〜3.5:1、例えば0.5:1〜2.5:1(例えば0.5:1〜1.5:1又は0.5:1〜1.2:1又は0.3:1〜1.2:1の範囲である。
一部の好ましい実施形態において、コーティング組成物は、1つ以上の硬化剤を含むか又は1つ以上の硬化剤から成る別個の第2の成分を含む。
他の実施形態において、このような第2成分は、1種以上の硬化剤の一部(すべてではない)を含む。その実施形態において、残りのいかなる硬化剤(特に遅反応性硬化剤)も、ベース成分に含まれ得る。
更なる実施形態において、1種以上の硬化剤はベース成分に含まれ、第2成分は1つ以上の促進剤を含むか又は1つ以上の促進剤から成る(更に下記を参照のこと)。
予備的結果に基づいて、研磨率が硬化剤の適当な選択によって調整され得るように見える。それ故、硬化剤としてアミンの選択が比較的高い研磨率を与えるように見えるが、ポリメルカプタン又はアミン付加物の選択が比較的低い研磨率を与えるように見えることが認められた。これは、望ましい研磨率が異なる用途に対して異なるという点で、重要な本発明の特徴であるように見える。研磨は、マイクロメーターで測定される防汚塗料の厚みの減少である。研磨は典型的には、海水における塗料コートの浸食と加水分解の組み合わせである。それ故、例えば、(存在する場合には)殺生物剤が制御方法で放出され得る。塗料コートの研磨率は、船舶の帆走状態に防汚塗料を適応することができるパラメータである。低活性及び低速度による船舶については、高研磨率を有する防汚塗料(例えば、アミン硬化剤が用いられるもの)が塗料における距離当たりの厚み減少がより大きく帆走する短距離を補償するので好ましい。一方で、高活性及び高速度による船舶については、好ましい塗料は、低研磨率を有するものである(例えば、アミン付加物又はポリメルカプタン硬化剤が用いられるもの)。
更なる原料
ベース成分は、プレポリマーとは別に1種以上の別の原料を含んでいた可能性があり、更に一部の特別な実施態様においては1種以上の硬化剤の少なくとも一部を含む。しかしながら、望ましくは、このようなその他の原料の一部又は全ては、代わりにベース成分に加えて別個の(第2又は第3)成分として提示され得る。
更なる原料の例はバインダー成分であり、例えばロジン、ロジン誘導体(ロジンの金属塩、すなわちレジネート等)、油(亜麻仁油及びその誘導体、ヒマシ油及びその誘導体、大豆油及びその誘導体等);その他の高分子バインダー成分(飽和ポリエステル樹脂等);ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート、ポリビニルクロリド−アセテート、ビニルアセテートとビニルイソブチルエーテルとのコポリマー;ビニルクロリド;ビニルクロリドとビニルイソブチルエーテルとのコポリマー;アルキド樹脂又は変性アルキド樹脂;炭化水素樹脂(石油留分凝縮物等);塩素化ポリオレフィン(塩化ゴム、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等);スチレンコポリマー(スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/メタクリレート、スチレン/アクリレートコポリマー等);アクリル樹脂(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー等);ヒドロキシ−アクリレートコポリマー;環化ゴム;エポキシエステル;エポキシウレタン ;ポリウレタン;エポキシポリマー;及びこれらのコポリマーが含まれる。
用語「ロジン」「レジネート」等はガムロジン;グレードB、C、D、E、F、FF、G、H、I、3、K、L、M、N、W−G、W−W(ASTM規格0509による定義)のウッドロジン;ヴァージンロジン;ハードロジン;イエローディップロジン(yellow dip rosin);NFウッドロジン;トール油ロジン又はコロホニー若しくはコロホニウムを意味することを意図する。用語「ロジン」及び「レジネート」等は、適切なタイプの変性ロジンを含むことも意図し、この変性は、特には共役非芳香族二重結合の量を減らすオリゴマー化、水素化、脱水素化/不均化(disproportionation、dismutation)等である。
更なるバインダー成分群には高分子柔軟性付与剤(国際公開第97/44401号パンフレットで広くまた具体的に定義されているもの等)が含まれ得ると理解すべきであり、この文献は参照により本願に組み込まれる。
このような更なるバインダー成分の乾燥物は典型的には、塗料組成物の0〜35湿量%、例えば0〜20湿量%(0〜15湿量%等)又は1〜35湿量%、例えば1〜20湿量%(1〜15湿量%等)を構成する。
ベース成分及び/又は1種以上の硬化剤(又は第3成分)は当然のことながら、顔料、フィラー、繊維、防汚剤、染料、添加剤、反応性希釈剤、促進剤及び溶媒並びに塗料組成物のバインダー相に含めるその他の適切な構成成分も含み得る。
しかしながら、このような構成成分(すなわち、顔料、フィラー、繊維、防汚剤、染料、添加剤、反応性希釈剤、促進剤及び溶媒)は、典型的には、総量で塗料組成物の最高85固形分体積%、例えば最高80固形分体積%又は最高60固形分体積%(最高50固形分体積%等)、例えば20〜50固形分体積%又は35〜50固形分体積%で組み込まれる。塗料組成物全体(すなわち、ベース成分、硬化剤及びその他の成分)の湿量に関し、このような構成成分は典型的には総量で塗料組成物の最高60湿量%(最高50湿量%等)、例えば0.1〜40湿量%又は0.1〜30湿量%で組み込まれる。特定の高固形分実施形態において、このような構成成分は典型的には塗料組成物の60〜85湿量%(75〜80湿量%等)の総量で組み込まれる。
顔料の例は、銅、銅合金、例えば銅/ニッケル合金、様々な金属酸化物、例えば酸化第一銅(Cu2O)、酸化第二銅(CuO)、二酸化チタン、赤色酸化鉄、酸化亜鉛、カーボンブラック、グラファイト、黄色酸化鉄、赤色モリブデート、黄色モリブデート、硫化亜鉛、酸化アンチモン、ナトリウムアルミニウムスルホシリケート、キナクリドン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、黒色酸化鉄、インダンスロンブルー、コバルトアルミニウム酸化物、カルバゾールジオキサジン、酸化クロム、イソインドリンオレンジ、ビス−アセトアセト−o−トリジオール、ベンズイミダゾロン、キナフタロンイエロー、イソインドリンイエロー、テトラクロロイソインドリノン、キノフタロンイエローである。このような材料は、最終的な塗膜を不透明及び非半透明にすることを特徴とする。例えば銅、銅の合金、酸化第一銅及び酸化第二銅が防汚剤としての特徴を有するとしても、この明細書において、このような構成成分は「顔料」としか見なされないことがわかる。
酸化第一銅が塗料組成物中に存在する場合、Cu2O含有量は好ましくは塗料組成物の1〜40固形分体積%、例えば5〜35固形分体積%の範囲である。塗料組成物の湿量で表し、また酸化第一銅が存在する場合、Cu2O含有量は好ましくは塗料組成物の少なくとも5湿量%、例えば10〜75湿量%の範囲である。特定の高固形分実施形態において、Cu2O含有量は好ましくは塗料組成物の少なくとも5湿量%、例えば10〜80湿量%の範囲である。
顔料相は更に、顔料様原料(フィラー等)を含み得る。
フィラーの例は、炭酸カルシウム、ドロマイト、タルク、マイカ、硫酸バリウム、カオリン、シリカ(熱分解法シリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等を含む)、パーライト、酸化マグネシウム、カルサイト、石英粉末(quartz flour)、モレキュラーシーブ、合成ゼオライト、カルシウムシリコホスフェート、水和ケイ酸アルミニウム(ベントナイト)、有機変性クレイ、無水石膏等である。これらの材料は、最終的な塗膜を非半透明にしないことを特徴とするため、最終的な塗膜の下の材料を隠すにはあまり役立たない。
一部のフィラー(及び顔料)が、バインダー相の添加剤(例えば、水分に対する安定剤、脱水剤、水捕捉剤、増粘剤、沈降防止剤等)が付与するタイプの特定の有利な特性を付与し得ることは注目に値するが、請求項を伴った本願の目的のために、このような粒子状材料は顔料相の一部であると見なされる。
繊維の例は例えば国際公開第00/77102号パンフレットに広くまた具体的に記載されているものであり、この文献は参照により本願に組み込まれる。
本明細書において特定の粒子を繊維と見なすためには、縦軸に沿った実質的に全ての地点において、長さ寸法(長さ寸法:最長寸法)に対して垂直の最大寸法と最小寸法との比が2.5:1、好ましくは2:1を超えるべきではない。更に、最長寸法と2つの最短寸法の平均との比は少なくとも5:1であるべきである。このため、繊維は、1つの長い寸法と2つの短い寸法を有することを特徴とし、ここで長い寸法は実質的にこの2つの短い寸法より長く(典型的には1桁又はそれ以上)、2つの短い寸法は実質的に等しい(同じ桁)。完全に標準的な繊維(すなわち、円筒形状を有する繊維)の場合、「長さ」(最長寸法)及び2つの(同一)最短寸法をどのようにして決定するかは明らかである。より不規則な形状の繊維の場合、寸法間の関係を、以下の仮想的な実験によって評価することができると考えられる。すなわち、標準的な直角の箱を繊維の周囲に構築する。この箱は、繊維を完全に納めることができる最小限の容積となるように構築される。繊維が湾曲する範囲で、(ここでも仮想的に)この繊維が可撓性であり、この仮想の箱の容積を、繊維の「屈曲」によって最小限にすることができると考えられる。本明細書において「繊維」をこのように認識するためには、箱の2つの最小寸法の比が最大で2.5:1(好ましくは2:1)であり、箱の最長寸法と箱の最小寸法の平均との比が少なくとも5:1であるべきである。
目下、特に好ましい繊維は鉱物繊維、例えばミネラルガラス繊維、ウォラストナイト繊維、モンモリロナイト繊維、トバモライト繊維、アタパルジャイト繊維、焼成ボーキサイト繊維、火山岩繊維、ボーキサイト繊維、ロックウール繊維及びミネラルウール由来の加工鉱物繊維である。
存在する場合、この繊維の濃度は通常、塗料組成物の0.5〜15固形分体積%、例えば1〜10固形分体積%の範囲である。
組成物全体に対し(湿量)、存在する場合、繊維の濃度は通常は塗料組成物の0.1〜20湿量%、例えば0.5〜10湿量%の範囲である。特定の高固形分実施形態において、繊維の濃度は塗料組成物の0.1〜25湿量%、例えば0.5〜15湿量%の範囲である。
上記の範囲は繊維の総量であることから、2種以上の繊維を利用する場合はその2種の繊維の総量が上記の範囲内にあることを理解すべきである。
塗料組成物は、当該分野で慣用であるように1種以上の防汚剤も含み得る。防汚剤の例は、メタロ−ジチオカルバメート、例えばビス(ジメチルジチオカルバマト)亜鉛、エチレン−ビス(ジチオカルバマト)亜鉛(Zineb)、エチレン−ビス(ジチオカルバマト)マンガン及びこれらの錯体;ビス(1−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジンチオナト−O,S)銅(銅ピリチオン;銅オマジン);アクリル酸銅;ビス(1−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジンチオナト−O,S)−亜鉛(亜鉛ピリチオン;亜鉛オマジン);フェニル(ビスピリジル)ビスマスジクロリド;金属塩、例えばチオシアン酸第一銅、塩基性炭酸銅、水酸化銅、メタホウ酸バリウム及び硫化銅;複素環式窒素化合物、例えば3a,4,7,7a−テトラヒドロ−2−((トリクロロメチル)−チオ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン、ピリジン−トリフェニルボラン(Borocide P)、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミン−s−トリアジン(Irgarol 1051)及びキノリン誘導体;複素環式硫黄化合物、例えば2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−オクチル−3(2H)−イソチアゾリン(Sea−Nine(登録商標)211N)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及び2−(チオシアナトメチルチオ)−ベンゾチアゾール;尿素誘導体、例えばN−(1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル)−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)ウレア(Diuron)及びN−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチルウレア及びN,N−ジメチルクロロフェニルウレア;カルボン酸、スルホン酸及びスルフェン酸のアミド又はイミド、例えば2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、1,1−ジクロロ−N−((ジメチルアミノ)スルホニル)−1−フルオロ−N−(4−メチルフェニル)−メタンスルフェンアミド(Preventol A5F)、2,2−ジブロモ−3−ニトリロ−プロピオンアミド、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N,N−ジメチル−N’−フェニル−N’−(フルオロジクロロメチルチオ)−スルファミド及びN−メチロールホルムアミド;カルボン酸の塩又はエステル、例えば2−((3−ヨード−2−プロピニル)オキシ)−エタノールフェニルカルバメート及びN,N−ジデシル−N−メチル−ポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート;アミン、例えばデヒドロアビエチルアミン及びココジメチルアミン;置換メタン、例えばジ(2−ヒドロキシ−エトキシ)メタン、5,5’−ジクロロ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン及びメチレン−ビスチオシアネート;置換ベンゼン、例えば2,4,5,6−テトラクロロ−1,3−ベンゼンジカルボニトリル、1,1−ジクロロ−N−((ジメチルアミノ)−スルホニル)−1−フルオロ−N−フェニルメタンスルフェンアミド及び1−((ジヨードメチル)スルホニル)−4−メチル−ベンゼン;テトラアルキルホスホニウムハロゲニド、例えばトリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウムクロリド;グアニジン誘導体、例えばn−ドデシルグアニジンヒドロクロリド;ジスルフィド、例えばビス−(ジメチルチオカルバモイル)−ジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド;イミダゾール含有化合物、例えばメデトミジン;2−(p−クロロフェニル)−3−シアノ−4−ブロモ−5−トリフルオロメチルピロール(Econea)並びにこれらの混合物である。
目下、防汚剤が錫を含まない剤であることが好ましい。
好ましい一実施形態において、塗料組成物は、ピリジン−トリフェニルボラン(Borocide P)、2−(p−クロロフェニル)−3−シアノ−4−ブロモ−5−トリフルオロメチルピロール(Econea)及びイミダゾール含有化合物(メデトミジン等)から成る群から選択される防汚剤を含む。
防汚剤の総量は(存在する場合)典型的には、塗料組成物の最高30固形分体積%(0.05〜25固形分体積%等)、例えば塗料組成物の0.05〜20固形分体積%の範囲である。
塗料組成物の総質量に対して、防汚剤の総量は(存在する場合)典型的には、塗料組成物の0〜40湿量%(0.05〜30湿量%等)、例えば塗料組成物の0.05〜20湿量%の範囲である。特定の高固形分実施形態において、防汚剤の総量は(存在する場合)通常は、塗料組成物の0〜50湿量%、例えば0.05〜25湿量%の範囲である。
染料の例は、1,4−ビス(ブチルアミノ)アントラキノン、その他のアントラキノン誘導体;トルイジン染料等である。
添加剤の例は(i)可塑剤、例えば塩素化パラフィン;フタレート、例えばジブチルフタレート、ベンジルブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート及びジイソデシルフタレート;ホスフェートエステル、例えばトリクレシルホスフェート、ノニルフェノールホスフェート、オクチルオキシポリ(エチレンオキシ)エチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、イソオクチルホスフェート及び2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート;スルホンアミド、例えばN−エチル−p−トルエンスルホンアミド、アルキル−p−トルエンスルホンアミド;アジペート、例えばビス(2−エチルヘキシル)アジペート)、ジイソブチルアジペート及びジオクチルアジペート;リン酸トリエチルエステル;ブチルステアレート;ソルビタントリフォリエート;並びにエポキシ化大豆油;(ii)界面活性剤、例えばプロピレンオキシド又はエチレンオキシドの誘導体(アルキルフェノール−エチレンオキシド縮合物等);不飽和脂肪酸のエトキシル化モノエタノールアミド、例えばリノール酸のエトキシル化モノエタノールアミド;ドデシル硫酸ナトリウム;アルキルフェノールエトキシレート;並びに大豆レシチン;湿潤剤及び分散剤;(iii)消泡剤、例えばシリコーン油;(iv)光及び熱に対する安定剤等の安定剤、例えばヒンダードアミン光安定剤(HALS)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(5−クロロ−(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール及び2,4−ジ−tert-ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール;水分に対する安定剤又は水捕捉剤、モレキュラーシーブ、オキサゾリジン、置換シラン及びオルト蟻酸トリエチルエステル;(v)酸化に対する安定剤、例えばブチル化ヒドロキシアニソール;ブチル化ヒドロキシトルエン;プロピルガレート;トコフェロール;2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン;L−アスコルビルパルミテート;カロテン;ビタミンA;(vi)腐食に対する阻害剤、例えばアミノカルボキシレート、安息香酸アンモニウム、アルキルナフタレンスルホン酸のバリウム/カルシウム/亜鉛/マグネシウム塩、リン酸亜鉛;メタホウ酸亜鉛;(vii)融合助剤、例えばグリコール、2−ブトキシエタノール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート;(viii)増粘剤及び沈降防止剤、例えばアルミニウムトリステアレート、アルミニウムモノステアレート、ヒマシ油、キサンタンガム、サリチル酸、水添ヒマシ油、ポリアミドワックス及びポリエチレンワックス;並びに(ix)脱水剤、例えばオルトプロピオン酸エステル、オルト蟻酸エステル、オルト酢酸エステル、アルコキシシラン、テトラエチルオルトシリケート等のアルキルシリケートである。
塗料組成物が染料及び添加剤を累積量で塗料組成物の0〜20固形分体積%、例えば1〜20固形分体積%含むことが好ましい。
塗料組成物の総質量に対し、塗料組成物が染料及び添加剤を累積量で塗料組成物の0〜10湿量%、例えば1〜10湿量%含むことが好ましい。特定の高固形分実施形態において、塗料組成物は染料及び添加剤を累積量で塗料組成物の0〜15湿量%、例えば1〜15湿量%含む。
ベース成分(好ましくは1種以上の硬化剤を含む成分ではない)は、更に1種以上の反応性希釈剤を含み得る。
ベース成分に含める反応性希釈剤の例は、ブチルグルシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、p−tert−p−t−ブチルフェノールグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル及びグリシジルネオデコノエート(2,3−エポキシプロピルネオデカノエート)である。
塗料組成物が反応性希釈剤を累積量で塗料組成物の0〜40固形分体積%、例えば0〜20固形分体積%(0〜10固形分体積%)を含むことが好ましい。
適切な市販の反応性エポキシ希釈剤の例は、以下の通りである:
2,3−エポキシプロピルネオデカノエート、NEO−S、NEO−Tohto S、Nippon Steel Chemical社(日本)
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、HD、ADEKA GLYCIROL ED−503、Adeka社(日本)
Cardura E10P(Hexion)
Epodil 748(Air Products)
Araldite DY−H/BD(Hunstman Advanced Materials)
Epodil 757(Air Products)
Epikote Resin 493(Hexion Specialty Chemicals)
Araldite DY−D/CH(Hunstman Advanced Materials)
Cardolite NC 513(Cardolite社)
組成物は、更に1種以上の促進剤を含み得る。このような促進剤は、好ましくはベース成分及び1種以上の硬化剤とは別個の成分として、又はベースの成分の一部もしくは1種以上の硬化剤を含む成分の一部として提示される。
促進剤の例には、例えばClive H.Hare,Chapter 15,Technology Publishing社、ペンシルバニア1994による「Protective Coatings.Fundamentals Chemistry and Compostion」に記載されているもの、ISBN 0−938477−90−0、例えば第三級アミン(トリエチレンジアミン及びトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)、リン化合物(トリフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ジフェニルホスフィナスクロリド、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、ジフェニルホスフィノスチレン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及び1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等)、アルコール(フェノール、アルキルフェノール及び脂肪族アルコール等)、有機酸(スルホン酸及びサリチル酸等)、ホウ素ハロゲン化物(三フッ化ホウ素等)、無機酸(塩化リチウム及び硝酸カルシウム等)、並びに有機金属塩(ステアリン酸亜鉛)が含まれる。
塗料組成物は、存在する場合、促進剤を塗料組成物の0.05〜15固形分体積%、例えば0.05〜10固形分体積%(0.1〜10固形分体積%又は0.2〜5.0固形分体積%又は0.3〜4.5固形分体積%)の量で含むことが好ましい。
溶媒の例は、脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素、例えばホワイトスピリット、シクロヘキサン、トルエン、キシレン及びナフサ溶媒;アルコール、例えばエタノール、n−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール及び2−ブトキシ−エタノール);ケトン、例えばメチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、ジアセトンアルコール及びシクロヘキサノン;エチルエーテル;エステル、例えばエチルアセテート、プロピルアセテート、メトキシプロピルアセテート、n−ブチルアセテート及び2−エトキシエチルアセテート;塩素化炭化水素、例えば塩化メチレン、テトラクロロエタン及びトリクロロエチレン;並びにこれらの混合物である。
塗料組成物の総質量に対し、塗料組成物が1種以上の溶媒を累積量で塗料組成物の0〜30湿量%、例えば0〜20湿量%含むことが好ましい。特定の高固形分実施形態において、塗料組成物は1種以上の溶媒を累積量で塗料組成物の0〜10湿量%、例えば0〜5湿量%含む。
本明細書において、用語「湿量%(% by wet weight)」は、塗料組成物の湿潤物の質量/質量%を意味することを意図する。溶媒が含まれると理解すべきである。
本明細書において、用語「固形分体積%(% by solids volume)」は、塗料組成物の固形物(すなわち、非揮発性物質)の体積/体積%を意味すると意図される。溶媒(すなわち、揮発性物質)は無視されると理解すべきである。
塗料組成物の調製
本発明のベース成分は通常、塗料組成物(塗料)を製造するための慣用の装置(ボールミル、パールミル、スリーロールミル、ハイスピードディスパーサー等)を使用して上記の成分を一度に全て又は分割して混合及び分散することによって調製される。本発明のベース成分は(任意で繊維を含む)、バッグフィルタ、パトロンフィルタ、ワイヤギャップフィルタ、ウェッジワイヤフィルタ、メタルエッジフィルタ、EGLMターノクリーン(turnoclean)フィルタ(Cuno社)、DELTAストレインフィルター(Cuno社)及びJenagストレイナフィルタ(Jenag社)を使用して又は振動濾過によって濾過され得る。塗布前に、ベース成分は第2成分及び第3成分等と混合される。
本発明の塗料組成物はそのままで又は希釈溶媒で粘度を調節した後に、錆止めコーティング材料を塗った船舶又は海洋構造物に例えばエアレススプレーコーティング、プルーラルコンポーネントエアレスコーティング、エアスプレーコーティング、ローラーコーティング又はブラシコーティングによってコーティングされ得る。実際にどの技法を選択するかは、保護対象の物体、特定の組成物(その粘度、ポットライフ等)及び特定の状況に左右される。好ましい塗布技法は、スプレーコーティング及び刷毛又はローラを使用した技法である。
ベース成分及び第2成分、例えば1種以上の硬化剤を含むか又は1種以上の硬化剤からなる成分及び更なる成分は別々に調製、出荷されるはずであり、塗布直前に完全に混合されると理解すべきである。
したがって、本発明は、本明細書で定義されるような防汚塗料組成物を含むキットを更に提供し、このキットにおいて第1容器には成分aが(ベース成分)、第2容器には1種以上の硬化剤が入っている。この実施形態において、キットは1種以上の促進剤を含んでもよく、例えば第1容器に含まれるか又は第2容器に含まれるか又は別々の容器に含まれる。
他の実施形態において、本発明は本明細書で定義される防汚塗料組成物を含むキットを提供し、このキットにおいて第1容器にはベース成分と硬化剤が入っており、第2容器には1つ以上の促進剤が入っている。この実施形態の一変形例において、硬化剤はポリメルカプタン硬化剤であり、1種以上の促進剤は好ましくは選択されたホスフィンと第三級アミンである。
なお更なる実施形態において、すべての成分は、一成分塗料組成物として配合され得る。この実施形態において、1種以上の硬化剤は好ましくはケタミンタイプである。
更に、本発明は別個の製品としてのベース成分(すなわち、防汚塗料組成物用のベース成分)の特定の実施形態も提供し、この成分は、少なくとも1つの一般式I(上記を参照のこと)の末端基を有する少なくとも1つの側鎖を有するエポキシ官能性プレポリマーを含むベース成分を含み、式中、Xはカルボニル基を表し(>C=O)、nは0〜5000の整数であり、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立してC1-20アルキル及び任意で置換されたフェニルから選択され、プレポリマーのエポキシ当量は450〜10000、例えば500〜7500(550〜5000又は550〜3000)の範囲である。
塗料組成物の塗布
本発明は更に、表面の少なくとも一部に本明細書で定義の防汚塗料組成物の塗膜を有する海洋構造物に関する。この海洋構造物には、塗料組成物が1層又は数層、特には連続層でコーティングされ得る。
本発明の塗料組成物は、保護対象である海洋構造物に1層又は幾つかの連続層、典型的には1〜4層、好ましくは1〜2層塗布され得る。1層あたりの塗膜の乾燥膜厚(dry film thickness:DFT)は典型的には10〜600μm、好ましくは20〜500μm、例えば40〜400μmである。このため、塗膜の総乾燥膜厚は典型的には10〜1800μm、好ましくは20〜1500μm、特には40〜1200μm、例えば80〜800μmになる。
本発明の塗料組成物を塗布し得る海洋構造物は、水と接触する多彩な固体物体のいずれであってもよく、例えば船舶(ボート、ヨット、モーターボート、発動機艇、オーシャンライナー、タグボート、タンカー、コンテナ船、その他の貨物船、潜水艦(原子力潜水艦及び従来の潜水艦)並びに全ての形式の海軍艦艇を含むがこれらに限定されない);パイプ;海岸及び海洋で使用する全てのタイプの機械、構造物及び物体、例えば桟橋、杭、橋の下部構造、浮遊装置、水面下油井構造物等;網及びその他の海中養殖設備;冷却プラント;並びにブイであり、特に船及びボートの船体並びにパイプに塗布可能である。
海洋構造物に塗料組成物を塗布する前に、この海洋構造物にまず、幾つかの層から構成され得るプライマー系又は海洋構造物への塗料組成物の塗布に関連して使用される慣用のプライマー系をコーティングし得る。したがって、プライマー系は錆止めプライマーを含み得て、任意でその上に接着性向上プライマー層を重ね得る。
上記のプライマー系は、例えば、エポキシ当量が160〜600のエポキシ樹脂とその硬化剤(アミノタイプ等との組み合わせ、ポリオール樹脂とポリイソシアネートタイプ硬化剤との組み合わせ、バインダー系としてビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を含有し、必要なら更に熱可塑性樹脂(塩化ゴム、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等)、硬化促進剤、錆止め顔料、着色顔料、体質顔料、溶剤、シラン化合物、可塑剤、添加剤(垂れ防止剤、沈殿防止剤等)を含有するコーティング材料又は典型的な例としてタールエポキシ樹脂タイプのコーティング材料であり得る。
本明細書に鑑みるに、本発明は構造物をコーティングする方法も提供し、この方法は、構造物の少なくとも一部に本明細書で定義されるような防汚塗料組成物の層を塗布する工程を含む。一部の興味深い実施形態において、この層は、多層塗膜系の最終層である。
本発明の具体的な実施形態
好ましい一実施形態において、塗料組成物全体は(すなわち、ベース成分及び更なる成分)は、少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば60〜99%又は80〜100%、更には70〜98%又は85〜100%の固形分質量比を有する。
更に特定の実施形態において、塗料組成物全体は本質的に100%の固形分質量比を有する。「本質的に100%(essentially 100%)」という表現は、組成物が、塗料組成物の開始材料中に不可避に存在する、考えられる微量の揮発性物質(溶媒
、残留モノマー等)以外に溶媒(又はその他の非反応性揮発性物質)を含まないことを意味すると理解されるべきである。このため、この実施形態において、溶媒は添加されない。
固形分重量比(solids weight ratio:SWR)は、ISO規格3251:2008に従った測定である。
防汚塗料組成物の自己研磨特性に関し、本明細書で定義される研磨率試験に従って測定される研磨率は10000海里あたり少なくとも1μmであることが好ましい。
酸価の決定
「酸価」は、1グラムのポリマー(例えば、プレポリマー)の中和に必要な水酸化カリウム(KOH;Mw=56.1g/mol)のミリグラム数(mg)として定義される。本発明の目的において、酸価は、シリル基が加水分解で除去されてシリルエステル基の代わりに遊離酸性基を有するプレポリマーに関係する。
酸価は、プレポリマーの組成(すなわち、モノマー構成成分及びその相対比についての情報)に基づいて求められ得る。
例として、酸価を、50.0gのトリイソプロピルシリルアクリレートモノマー(TIPSA;Mw=228.4g/mol)及び50.0gのメチルメタクリレート(MMA;Mw=100.1g/mol)から成るプレポリマーに関して求める。上述したように、計算は遊離酸類似体に基づいて行われるため、アクリル酸をTIPSAの代わりに計算で使用する。50gのTIPSAは15.79gのアクリル酸に相当する(Mw=72.1g/mol)。
アクリル酸の質量分率は、プレポリマーの24%(15.8g/(15.8g+50.0g)×100%)を構成する。
メチルメタクリレートモノマーは、プレポリマーの76%(50.0g/(15.8g+50.0g)×100%)を構成する。
1グラムのプレポリマーは、3.33mmolの遊離カルボキシル基(1g×24%/72.1g/mol)を含む。
1gのプレポリマーの遊離カルボキシル基を中和するためには187mg(3.33mmol×56.1mg/mmol)のKOHを必要とする。この値が酸価(acid value:AV)である。
エポキシ当量(EEW)の定量
「エポキシ当量」は、1モルのエポキシ基(すなわちオキシラン基を含む部分)を含有する材料の量(グラム)として定義される。
EEWは、プレポリマーの組成に基づいて(すなわちモノマー成分とその相対比についての知識)又は滴定によって測定され得る。
一例として、50.0gのグリシジルメタクリレートモノマー(GMA;MW=142.2g/mol)と50.0gのメチルメタクリレート(MMA;Mw=100.1 g/mol)でできているプレポリマーについてEEWが測定され得る。
グリシジルメタクリレートの質量分率は、プレポリマーの50%(50.0g/(50.0g+50.0g)×100%)を構成する。
メチルメタクリレートモノマーは、プレポリマーの50%(50.0g/(50.0g+50.0g)×100%)を構成する。
1グラムのプレポリマーには、3.52mmol(1g×50%/142.2g/mol)のエポキシ基が含まれる。
1モルのエポキシ基を含有する材料の量(グラム)は、284g/mol(1g/3.52mmol)である。この値がエポキシ当量(EEW)である。
アミン当量(AEW)の定量
「アミン当量」は、1モルの(第一、第二又は第三)アミン基を含有する材料の量(グラム)として定義される。
アミン当量は、(ISO 9702−1996に基づく)下記のプロトコールに従って測定され得る:
アミン含有試料の「A」グラムの量を乾いたエルレンマイヤーフラスコの中に正確に計量する。試料を25mLのアセトニトリルに溶解する。完全に溶解されない場合、氷酢酸中の標準化された0.1N過塩素酸溶液の数mLをビュレットから添加する(量は、式の「p」の部分になる)。沈殿が消えるとすぐに、4滴のクリスタルバイオレット溶液(氷酢酸中1%)を添加する。試料溶液を、青色が青緑色の次に緑色に変化し、少なくとも30秒間安定するまで、ビュレットからの標準化された0.1N過塩素酸溶液の残りの部分で滴定する。使用される過塩素酸溶液の総量を「p」mLと表す。
ブラインドテストは、「q」mLの0.1N過塩素酸溶液を用いて行われる。
試料及び「ブラインド」の測定をそれぞれ反復し、平均値から3%を超えて逸脱してはならない。
アミン当量(AEW)は、式:
AEW=(A×1000)/((p−q)×N)
から算出され、式中、Aは試料の質量であり、pは試料の滴定に使用される過塩素酸溶液のmLであり、qはブラインドテストに使用される過塩素酸溶液のmLであり、Nは滴定に使用される約0.1N過塩素酸溶液の正確な規定度である。
アミン水素当量(AHEW)の定量
理論的なAHEW算出:
アミン分子の構造に基づき、エポキシ基(活性水素)と反応しやすいアミン基の水素の数を「y」と確認し、アミン分子のMwは既知である。AHEWは、次の通り算出される:
AHEW=Mw/y
チオール水素当量(THEW)の定量
理論的なTHEW算出:
メルカプタン分子の構造に基づき、エポキシ基と反応しやすいチオール基の水素の数を「y」と確認し、メルカプタン分子のMwは既知である。THEWは、次の通り算出される:
THEW=Mw/y
ロータ試験
直径1mの円筒形ドラムの曲率に対応する曲率を有するステンレススチール製の試験板(13.5x7cm2)にまず150μm(DFT)のエポキシプライマー(Hempadur Primer 45141、Hempel A/S社)をコーティングする。24時間後、その試験板に、エアスプレー塗装により100μm(DFT)の市販のエポキシタイコート(HEMPADUR 45182、Hempel A/S社)をコーティングする。
室温の実験室での最低でも24時間の乾燥後、試験塗料をエアスプレー塗装によりDFT約250μmで塗布する。試験板を、試験前に室温の実験室で少なくとも1週間に亘って乾燥させる。塗料系の開始時の厚さを、膜厚計(Kett社、LZ−200C)を使用して測定する。
ロータを、少なくとも39000海里の相対距離に対して15ノットの周速で回転させる。
厚さを、膜厚計(Kett社、LZ−200C)を使用した定期的な検査で制御する。開始時の検査はロータ試験前に行われる。研磨は、所定の検査時に測定された膜厚と、開始時の検査で測定された膜厚との差である。
直島での試験
試験板を直径1mの円筒形ドラムの凸面に固定し、海水中で回転させる。海水の塩分は、北緯34度東経134度に位置する日本の直島の試験場で、平均温度24℃で31〜35ppthの範囲である。
ヴィラノヴァ(Vilanova)での試験
試験板を直径1mの円筒形ドラムの凸面に固定し、海水中で回転させる。海水の塩分は、北緯41.13度東経1.43度に位置するスペイン北東部のヴィラノヴァ・イ・ラ・ジェルトル(Vilanova i la Geltru)の試験場で、平均温度17〜18℃で37〜38ppthの範囲である。
実験室ロータ試験
研磨及び浸出特性を、Kiilらが記載の回転装置と同様の回転装置を使用して測定する(Kiil,S,Weinell,CE,Yebra,DM,Dam−Johansen,K,“Marine biofouling protection:design of controlled release antifouling paints.”In:Ng,KM,Gani,R,Dam−Johansen,K(eds.)Chemical Product Design;Towards a Perspective Through Case Studies,23IDBN−13:978−0−444−52217−7.Part II(7),Elsevier.(2006))。この装置はロータリーリグから成り、2個の同心円状のシリンダを有し、内方シリンダ(ロータ、直径0.3m、高さ0.17m)は回転可能である。このシリンダ対を約400〜500リットルの人工海水が入ったタンクに浸漬する。

Figure 0006048724
タンクには液体の流れを分断するバッフルが取り付けられ、このバッフルが乱流を促進し、塗料から放出される種のより素早い混合を可能にし、また恒温系からの熱伝達を促進する。2個のシリンダを使用する目的は、クエットの流れに近いものを作り出すことである(2つの平行な壁面の間の流れ。一方の壁面は一定の速度で移動する)。ロータは(特に指定がない限り)25℃で20ノットで動作し、pHは、1Mの水酸化ナトリウム又は1Mの塩酸を使用して頻繁に8.2に調節される。
サンプルを、ドクターブレード(Doctor Blade)アプリケータ(間隙サイズ:200μm)で2成分塗料(Hempadur 4518、Hempel A/S社)を下塗りしたオーバーヘッドプロジェクタ用透明フィルム(3M社 PP2410)を使用して準備する。塗料サンプルを、ドクターブレードアプリケータ(間隙:250μm)を使用して互いに隣接させて塗布する。1日乾燥させた後、コーティングした透明フィルムを2cmの細片に切断し、長い細片(21cm)に1.5×2cm2の8個のサンプルとする。細片をロータに取り付け、1週間に亘って乾燥させる。
1週間後、試験を開始する。実験中、所定の週(w)で(各表を参照のこと)、サンプルを研磨及び浸出深さの検査のために取り出す。サンプルを3日間に亘って周囲条件で乾燥させ、その後、半分に切断してパラフィンで包埋する。総膜厚及び浸出層厚を光学顕微鏡で測定する前にサンプルの内部正面を削り落とす(塗膜断面の検査)。
防汚特性試験
塗膜の接着を促進するために片面にサンドブラスト加工を施したアクリル製試験板(10×45cm2)にまず、エアスプレー塗装により市販のビニルタールプライマー(Hemptex 46330 Hempel A/S)を80ミクロン(DFT)でコーティングする。室温の実験室での最低でも24時間の乾燥後、試験塗料をエアスプレー塗装でDFT90〜100ミクロンで塗布する。少なくとも72時間乾燥後、試験板をラックに固定し、海水に浸漬する。
試験場の鳥羽は日本の太平洋沿岸に位置する。この試験場において、試験板を海水に浸漬する。あるいは、試験場は、ヴィラノヴァ、スペイン又はシンガポール(シンガポールでの試験:29〜31℃の範囲の温度で千分の29〜31部の範囲の塩分を有する海水、緯度1°23′38.8″(北)及び経度103°58′33.32″(東)に位置している)である。4〜8週間毎にパネルを検査し、防汚性能を以下の尺度に従って評価する。
Figure 0006048724
吸水試験
すべての湿気を除去するために紙やすりで磨いたポリカーボネートパネル(5.7×10×0.4cm)を60℃で2週間乾燥する。周囲温度に達するまでパネルを室温(RT)の実験室に置き、計量する(Wp1)。パネルにポリマーを300ミクロンの隙間を有するドクターブレードアプリケータを使用して塗布し、RTの実験室で24時間、次に45℃の炉内で72時間乾燥する。乾燥後、パネルを計量(Wp2)し、ポリマー質量をパネル質量と塗布し乾燥したパネル質量との差(Wp2−Wp1)として算出する。パネルを(実験室ロータ試験と同じ方法で調製した)人工海水に完全に浸漬し、45℃の炉内に置く。21日後、パネルを浸漬から取り出し、柔らかい紙で余分な水をふき取り、パネルが実験室RTに達するようにし、計量する(Wpt)ことによって吸水を検査する。
塗布したパネル(Wb2及びWbt)と同じ手順に従って裸の紙やすりで磨いたポリカーボネートパネル(5.7×10×0.4cm)を用いて、塗布したパネルの基質によって吸収される水を算出する。
ポリマーによって吸収される水を次の通り算出する:
((Wpt−Wp2)−(Wp1×((Wbt−Wb2)/Wb2))/(Wp2−Wp1)×100%
表10において、結果は硬化剤の使用しないサンプル(プレポリマー1)に正規化されている。
塗料組成物の調製
プレポリマー合成の手順:
モノマー(トリイソプロピルシリルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びグリシジルメタクリレート)、アゾビス−メチルブチロニトリル及びキシレンのプレミックスを規定の割合で調製し、攪拌機、還流凝縮器、及びプレミックス供給口を備えた温度制御反応槽に更なる量のキシレンを装入した。反応槽を加熱し、125℃で維持し、プレミックスを反応槽に一定速度で4時間に亘って窒素雰囲気下で装入した。更に30分後、開始剤及びキシレンのプレミックスを反応槽に一定速度で1時間に亘って装入した。更に30分後、反応槽の温度を低下させた。
表1−プレポリマーの組成及び特性
プレポリマーは、シリルエステル基とエポキシ官能基を含有する。

Figure 0006048724

Figure 0006048724
ポリマーの特性を、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定する。分子量分布(molecular weight distribution:MWD)を、2個のTSKゲルスーパーマルチポアHZ−Mカラムを備えた機械HLC−8220(Tosoh社)、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を使用して40℃、一定流量0.350mL/分で、屈折率(RI)検出装置を使用して求めた。カラムを、ポリスチレン標準液を使用して較正した。サンプルを、40mgの乾燥ポリマーに相当する量のポリマー溶液を10mLのTHFに溶解することによって調製した。
表2‐硬化剤

Figure 0006048724

* 硬化剤7は、下記の方法に従って調製される:40.7gの反応性希釈剤(Cardolite NC 513)を5.5gのアミン(メタキシリレンジアミン)に添加し、30分間撹拌する。2日後、13.9gのキシレンを添加する。
塗料組成物の調製
それぞれの場合に、すべての原料をガラスビーズで30分間の粉砕することによってベース成分を調製した。得られた粒度は、50μmであった。亜鉛レジネートを使用する限り(下表を参照のこと)、粉砕する前に亜鉛レジネートを溶媒に溶解した。
ベース成分と第2成分の成分を簡単に混合することによってモデル塗料を調製した。それぞれの試験に従って塗料組成物を塗布する直前にベース成分と第2成分を25℃で混合した(更に上の試験説明を参照のこと)。
第2成分の硬化剤が固体形である限り、硬化剤を適切な溶媒に溶解した(下表を参照のこと)。Zisnet DBを有する第2成分について、Zisnet DBとトリフェニルホスフィンを溶媒に添加し、溶解するまで撹拌した。GPM800を有する第2成分について:トリフェニルホスフィンを溶媒に溶解し、溶解されるまで撹拌し、次にGPM800に添加し、混合されるまで撹拌した。
表3〜6−モデル塗料の基本配合

Figure 0006048724

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表7 - モデル塗料の基本配合

Figure 0006048724

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Figure 0006048724

Figure 0006048724
結果
表8

Figure 0006048724
*):Hempel A/S社製の市販の最上級自己研磨型防汚塗料組成物(参考)。#:剥離のため、研磨率を求めることは不可能であった。これらの組成物の物理的性質は、ロジン(又はその誘導体)及び/又は可塑剤の添加によって改善され、繊維の添加によって更に改善されると考えられる。
表8(続き)

Figure 0006048724
表9

Figure 0006048724
コメント:同じ塗料中NEO−SとHDのような2つの反応性希釈剤の使用は、HDのみを使用する塗料と比較して研磨を増加させる(モデル塗料26と27、25と28、29と30を参照のこと)。
表10−吸水試験

Figure 0006048724
コメント:硬化後、未硬化プレポリマー1と比較して吸水が著しく減少することが認められる。吸水は、膨れ、亀裂、剥離のような機械的課題を最小にするためにできるだけ少なくしなければならない。

本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕自己研磨型防汚塗料組成物であって、
(a)少なくとも1つのエポキシ官能基及び一般式(I):
Figure 0006048724

で表され、式中、Xはカルボニル基(>C=O)を表し、nは0〜5000の整数であり、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 はそれぞれ独立してC 1-20 アルキル及び任意で置換されたフェニルから選択される、少なくとも1つの末端基を有する少なくとも1つの側鎖を有するプレポリマーを含むベース成分と、
(b)少なくとも1つの活性水素を有する硬化剤
とを含むことを特徴とする、前記組成物。
〔2〕硬化剤がアミン、例えばジアミン及びポリアミンから選択される、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕アミンが三フッ化ホウ素錯体の形態である、前記〔2〕に記載の組成物。
〔4〕硬化剤がアミンエポキシ付加物から選択される、前記〔1〕に記載の組成物。
〔5〕硬化剤がポリメルカプタン、例えば脂肪族ポリメルカプタン、脂環式ポリメルカプタン、芳香族ポリメルカプタン及びチオール末端ポリマーから選択される、前記〔1〕に記載の組成物。
〔6〕硬化剤がペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン−モノナトリウム塩、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン及び2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンから選択される、前記〔5〕に記載の組成物。
〔7〕1つ以上の促進剤を更に含む、前記〔1〕及び〔5〕〜〔6〕のいずれかに記載の組成物。
〔8〕1つ以上の促進剤が第三級アミン、リン化合物、アルコール及び有機酸から選ばれる前記〔7〕に記載の組成物。
〔9〕少なくとも1つの促進剤が、リン化合物、例えばトリフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ジフェニルホスフィナスクロリド、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、ジフェニルホスフィノスチレン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及び1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等から選択されるものである、前記〔8〕に記載の組成物。
〔10〕前記一般式(I)の末端基が、一般式(II):
Figure 0006048724

の末端基であり、式中、X、R 3 、R 4 及びR 5 は前記〔1〕で定義された通りである、前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の組成物。
〔11〕プレポリマーのエポキシ当量が450〜10000の範囲である、前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の組成物。
〔12〕プレポリマーの質量平均分子量が2000〜100000の範囲である、前記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の組成物。
〔13〕塗料組成物全体が少なくとも40%の固形分重量比を有する、前記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の組成物。
〔14〕前記〔1〕〜〔12〕のいずれかで定義の防汚塗料組成物を含むキットであって、第1容器にはベース成分が入っており、第2容器には硬化剤が入っていることを特徴とする、キット。
〔15〕前記〔7〕〜〔13〕のいずれかで定義の防汚塗料組成物を含むキットであって、第1容器にはベース成分と硬化剤が入っており、第2容器には1つ以上の促進剤が入っていることを特徴とする、キット。
〔16〕防汚塗料組成物用のベース成分であって
一般式I:
Figure 0006048724

で表され、式中、Xはカルボニル基(>C=O)を表し、nは0〜5000の整数であり、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 はそれぞれ独立してC 1-20 アルキル及び任意で置換されたフェニルから選択される、少なくとも1つの末端基を有する少なくとも1つの側鎖を有するエポキシ官能性プレポリマーを含むベース成分を含み、
前記プレポリマーのエポキシ当量が450〜10000の範囲である
ことを特徴とする、ベース成分。
〔17〕前記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の防汚塗料組成物から形成される塗膜をその表面の少なくとも一部に有する海洋構造物。
〔18〕構造物をコーティングする方法であって、構造物の少なくとも一部に前記〔1〕〜〔13〕のいずれかで定義の防汚塗料組成物の層を塗布する工程を含むことを特徴とする、方法。

Claims (15)

  1. 自己研磨型防汚塗料組成物であって、
    (a)少なくとも1つのエポキシ官能基及び一般式(I):
    Figure 0006048724

    で表され、式中、Xはカルボニル基(>C=O)を表し、nは0〜5000の整数であり、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立してC1-20アルキル及び任意で置換されたフェニルから選択される、少なくとも1つの末端基を有する少なくとも1つの側鎖を有するプレポリマーを含むベース成分と、
    (b)少なくとも1つの活性水素を有する硬化剤
    とを含み、
    前記硬化剤がアミンエポキシ付加物又はポリメルカプタンである
    とを特徴とする、前記組成物。
  2. 硬化剤が、脂肪族ポリメルカプタン、脂環式ポリメルカプタン、芳香族ポリメルカプタン及びチオール末端ポリマーからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 硬化剤がペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン−モノナトリウム塩、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン及び2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンからなる群より選択される、請求項に記載の組成物。
  4. 1つ以上の促進剤を更に含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 1つ以上の促進剤が第三級アミン、リン化合物、アルコール及び有機酸からなる群より選ばれる請求項に記載の組成物。
  6. 少なくとも1つの促進剤が、リン化合物である、請求項に記載の組成物。
  7. リン化合物が、トリフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ジフェニルホスフィナスクロリド、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、ジフェニルホスフィノスチレン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン及び1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンからなる群より選択される、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記一般式(I)の末端基が、一般式(II):
    Figure 0006048724

    の末端基であり、式中、X、R3、R4及びR5は請求項1で定義された通りである、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  9. プレポリマーのエポキシ当量が450〜10000の範囲である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  10. プレポリマーの質量平均分子量が2000〜100000の範囲である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 塗料組成物全体が少なくとも40%の固形分重量比を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項で定義の防汚塗料組成物を含むキットであって、第1容器にはベース成分が入っており、第2容器には硬化剤が入っていることを特徴とする、キット。
  13. 請求項11のいずれか1項で定義の防汚塗料組成物を含むキットであって、第1容器にはベース成分と硬化剤が入っており、第2容器には1つ以上の促進剤が入っていることを特徴とする、キット。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物から形成される塗膜をその表面の少なくとも一部に有する海洋構造物。
  15. 構造物をコーティングする方法であって、構造物の少なくとも一部に請求項1〜11のいずれか1項で定義の防汚塗料組成物の層を塗布する工程を含むことを特徴とする、方法。
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