本発明に係る第1の実施形態のポケット構造1について、図1から図6を参照して説明する。図1は、本実施形態のポケット構造1が設けられる車両2(例えば自動車)の一例を示す。車両2は、車室Rを含む車両本体21を備える。車両本体21は、例えば複数、本実施形態では4つのドア22と、後部ルーム23とを含む。
ドア22の内面には、車室R内に露出するドアトリム24が設けられている。ドアトリム24は、「内装トリム」の一例である。本実施形態のポケット構造1は、このドアトリム24に設けられている。本明細書中において「内装トリム」とは、車室R内に露出した内張りを広く意味する。すなわち、ポケット構造1が設けられる位置は、上記例に限られるものではなく、車室R内の任意の場所に適宜設けることができる。つまり、図2に示したポケット構造1は、図1中に示した他のドア22にも適用される。また、ポケット構造1は、後部ルーム23側部に位置する側壁25の内装トリムにも設けられてもよい。
図2に示すドアトリム24にポケット構造1が設けられたドア22についてさらに説明する。ドアトリム24は、インサイドハンドル31やスピーカ32が設けられるとともに、窪み部33が設けられている。この窪み部33に、アームレスト34と、ポケット構造1とが設けられている。
アームレスト34は、乗員が肘掛けとして利用できるように、車室R内に張り出すとともに水平に延びている。パワーウインドを操作するための操作部35やドア22の開閉に利用される指掛部36などは、アームレスト34の上面に設けられている。
ポケット構造1は、アームレスト34の下方に設けられ、上方が開放された袋状に形成されている。ポケット構造1は、ドア22の車両前後方向Xに延びている。ポケット構造1は、例えば合成樹脂で形成されている。
ポケット構造1は、車体内側に位置してトリム表面の一部を形成する内側壁41と、該内側壁41に比べて車体外側に位置していわゆる裏当てを形成する外側壁42とを含む。この内側壁41と外側壁42との間に収納領域43が形成される。内側壁41の少なくとも一部は、外側壁42よりも背が低い。収納領域43は、車室R内に開口しており、車室R内から物を出し入れできるようになっている。
図2に示すように、ポケット構造1は、第1収納部44と、第2収納部45とを含む。本実施形態の第1収納部44は、いわゆるドリンクホルダとして主に利用され、例えば四角柱状の第1の形態の容器51と、円柱状の第2の形態の容器52とを選択的に収納可能である。ここで、第1の形態の容器51の一例は、500mlの紙パック容器である。第2の形態の容器52の一例は、500mlのペットボトルである。この例において、第1の形態の容器51は、第2の形態の容器52に外接する大きさであり、つまり、第1の形態の容器51の挿入方向を横切る断面の一辺の長さLは、第2の形態の容器52の直径Dとほぼ同じである。
なお、第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52は、上記の大きさのものに限られるものではない。第2の形態の容器52は、第1の形態の容器51に比べて小さくてもよい。また、第1の形態の容器51は、紙パック容器に限られないし、第2の形態の容器52も、ペットボトルに限られない。第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52は、飲料缶やその他の容器として、標準規格に合わせて作られた容器のうち、外形寸法がほぼ等しい角柱形容器と円柱形容器とに該当し得る。
収納領域43に入れられる容器の対象となる第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52について補充説明する。図3に示すように、第1の形態の容器51は、底面が正方形の四角柱状の容器であり、第1から第4の角部C1,C2,C3,C4と、第1から第4の面S1,S2,S3,S4とを有する。第2角部C2は、第1角部C1の対角に位置する。第3角部C3及び第4角部C4は、それぞれ、第1角部C1と第2角部C2との間に位置する。なお、第1から第4の角部C1,C2,C3,C4は、それぞれ、角の1点を意味するのではなく、この角を構成する2つの面の端部領域を含む。
第1角部C1と第3角部C3との間を第1面S1、第1角部C1と第4角部C4との間を第2面S2、第2面S2の対面に位置した第2角部C2と第3角部C3との間を第3面S3、第1面S1の対面に位置した第2角部C2と第4角部C4との間を第4面S4とする。なお、ここでは、本実施形態の収納領域43に、第1の形態の容器51を収納した状態で車両2の内側を向く角部を第1角部C1として規定する。
次に、これら第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52を収納する本実施形態のポケット構造1について詳しく説明する。
図3に示すように、第1の形態の容器51は、第1角部C1を車両2の内側に向けた状態で収納される。換言すれば、第1の形態の容器51は、第1から第4の面S1,S2,S3,S4を車両前後方向Xに対して斜めに向けた状態に、つまり、第1の形態の容器51は、第1面S1又は第4面S4を車両前後方向Xに対して平行にした状態から45度回転させて収納される。なお、車両前後方向Xに対する第1の形態の容器51の回転角度は、上述の角度に限定されるものではない。第1の形態の容器51は、車両前後方向Xに対して任意の回転角度で斜めにしてもよい。
ポケット構造1は、上述したように、内側壁41と、外側壁42とを有する。第1の形態の容器51は、内側壁41と、外側壁42との間に収納される。図3に示すように、内側壁41は、第1から第4の内壁部41a,41b,41c,41dを含む。第1内壁部41a及び第2内壁部41bは、第1収納部44と後述の第2収納部45とを結ぶ方向、すなわち車両前後方向Xに延びている。
第3内壁部41c及び第4内壁部41dは、第1内壁部41aと第2内壁部41bとの間に設けられ、第1内壁部41a及び第2内壁部41bよりも車両2の内側へ突出した凸部を形成している。言い換えると、凸部は、第3内壁部41c及び第4内壁部41dによって車両2の内側に進むに従い細くなるV字形の壁部に形成されており、第1の形態の容器51の第1角部C1を包むように形成されている。
詳しく述べると、第3内壁部41cは、第1内壁部41aから車両2の内側に、第1内壁部41aに対して90度よりも小さい角度、本実施形態では、約45度に折れ曲がっている。
第4内壁部41dは、第2内壁部41bから車両2の内側に、第2内壁部41bに対して90度よりも小さい角度、本実施形態では、約45度に折れ曲がっている。第3内壁部41cと第4内壁部41dとは、互いに直角に交わるよう延びるとともに、それらの端部が互いに接続されている。
車両前後方向Xに対して傾けられた第1の形態の容器51の第1角部C1は、図3に示すように、第3内壁部41cと第4内壁部41dとの間に嵌る。すなわち、第3内壁部41c及び第4内壁部41dは、第1の形態の容器51が収納領域43に入れられた場合に、第1の形態の容器51の第1角部C1に連続する第1面S1及び第2面S2に当接するV字形の第1支持部61を形成している。
つまり、第3内壁部41cは、第1の形態の容器51の第1面S1に当接し、第4内壁部41dは、第1の形態の容器51の第2面S2に当接する。第3内壁部41cと第4内壁部41dとの接続部は、第1の形態の容器51の第1角部C1の先端に位置する。これにより、第1支持部61は、車両前後方向Xに第1の形態の容器51の第1角部C1を挟むように2つの面で保持することができる。
なお、第3内壁部41c及び第4内壁部41dによって形成される第1支持部61のV字形の角度は、約90度の角度に限られない。このV字形は、第1角部C1を保持できれば鈍角でもよい。V字形の角度が90度の場合、第1の形態の容器51の第1面S1及び第2面S2の両方に第1支持部61が接することになるので、第1の形態の容器51をより安定して支持することができる。
本実施形態において、第3内壁部41cの幅L1は、図3に示すように、第1の形態の容器51の第1面S1の幅の半分以下である。第4内壁部41dの幅L2は、第1の形態の容器51の第2面S2の幅の半分以下である。なお、第3内壁部41c及び第4内壁部41dの幅L1,L2の設定は、これらに限られない。なお、第3内壁部41c及び第4内壁部41dの長さが上記のように設定されると、収納領域43をより広くて使いやすいものにすることができる。
引き続き図3を参照し、外側壁42について説明する。外側壁42は、第1外壁部42aと、第2外壁部42bとを含む。第1外壁部42a及び第2外壁部42bは、車両2の外側に向いて突出した凸部を形成している。この凸部は、第1外壁部42a及び第2外壁部42bによって車両2の外側に進むに従い細くなるV字形の壁部を形成されており、第1の形態の容器51の第2角部C2を包むように形成されている。
詳しく述べると、第1外壁部42aは、内側壁41の第1内壁部41aに対して車両2の外側に90度よりも小さい角度で、本実施形態では、約45度傾斜されている。第1外壁部42aは、第2外壁部42bとの接合部に向かって内側壁41の第3内壁部41cから離れるように斜めに配置され、図3においては、内側壁41の第4内壁部41dと平行である。
第2外壁部42bは、内側壁41の第2内壁部41bに対して車両2の外側に90度よりも小さい角度、本実施形態では、約45度傾斜している。第2外壁部42bは、第1外壁部42aとの接合部に向かって内側壁41の第4内壁部41dから離れるように斜めに配置され、図3においては、内側壁41の第3内壁部41cと平行である。第1外壁部42aと第2外壁部42bとは、互い直角に交わるよう延びるとともに、それらの端部が互いに接続されている。
第1の形態の容器51は、車両前後方向Xに角部C3,C4が位置するように、すなわち、車両幅方向に角部C1,C2が位置する収納されることによって、第1の形態の容器51の第2角部C2が第1外壁部42aと第2外壁部42bとの間に嵌る。すなわち、第1外壁部42a及び第2外壁部42bは、収納領域43に入れられた場合に第1の形態の容器51の第2角部C2に連続する第3面S3及び第4面S4に当接するV字形の第2支持部62を形成している。
つまり、第1外壁部42aは、第1の形態の容器51の第3面S3に当接し、第2外壁部42bは、第1の形態の容器51の第4面S4に当接する。第1外壁部42aと第2外壁部42bとの接続部は、第1の形態の容器51の第2角部C2の先端に位置する。これにより、第2支持部62は、車両前後方向Xに第1の形態の容器51の第2角部C2を挟むように2つの面で保持することができる。
なお、第1外壁部42a及び第2外壁部42bによって形成される第2支持部62のV字形の角度は、約90度の角度に限られるものではない。V字形は、第2角部C2を保持できれば鈍角でもよい。V字形の角度が90度の場合は、第1の形態の容器51の第3面S3及び第4面S4の両方に第2支持部62が接することになるので、第1の形態の容器51をより安定して保持することができる。
本実施形態において、第1外壁部42aの幅L3は、第1の形態の容器51の第3面S3の幅の半分以上である。第2外壁部42bの幅L4は、第1の形態の容器51の第4面S4の幅の半分以上である。なお、第1外壁部42a及び第2外壁部42bの幅L3,L4の設定は、これらに限られない。なお、後述の実施形態で詳しく述べるが、第1外壁部42aの幅L3は、第1の形態の容器51の第3面S3の幅の半分以下でもよい。第2外壁部42bの幅L4は、第1の形態の容器51の第4面S4の幅の半分以下でもよい。
次に、図4を参照して、第2の形態の容器52が収納された状態について説明する。第1支持部61は、V字形に形成されているので、円柱形の第2の形態の容器52の円筒面に2箇所で当接する。第1支持部61には、第2の形態の容器52の円筒面52aの第1支持部61と対向する第1面部52aaが嵌る。すなわち、第2の形態の容器52の円筒面52aの車両2の内側を向いた面の一部が、内側壁41の第3内壁部41cと第4内壁部41dとの間に嵌る。第3内壁部41c及び第4内壁部41dは、それぞれ、第2の形態の容器52の円筒面52aに接する。
同様に、第2支持部62には、第2の形態の容器52の円筒面52aの第2支持部62と対向する第2面部52abが嵌る。つまり、第2の形態の容器52の円筒面52aの車両2の外側を向いた面の一部が嵌る。第2支持部62は、V字形に形成されているので、円柱形の第2の形態の容器52の円筒面に2箇所で当接することができる。なお、円筒面52aの第2面部52abは、例えば第1面部52aaの反対側に位置する。第2の形態の容器52の円筒面52aの一部は、外側壁42の第1外壁部42aと第2外壁部42bとの間に位置する。第1外壁部42a及び第2外壁部42bは、それぞれ、第2の形態の容器52の円筒面52aに面する。
次に、図5を参照して、底壁63について説明する。第1収納部44は、内側壁41と外側壁42との間に位置した底壁63を有する。底壁63は、例えば内側壁41と外側壁42とに亘って延びて、収納領域43の下方を塞いでいる。この底壁63には、第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52が選択的に置かれる(載せられる)。つまり、底壁63は、収納領域43に収納された状態の第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52の底部に当接する。
図5に示すように、底壁63は、車両2の内側に向かって下がるように傾いている。この傾きの角度は、水平に対して例えば5度〜10度であるが、これに限定されるものではない。
図5に示すように、第1支持部61及び第2支持部62(すなわち内側壁41及び外側壁42)は、車両2の内側に向いて底壁63と一体に傾いている。第1支持部61は、上方に向かうに従い車両2の内側に向かって突出しており、第2支持部62は、第1収納部44の内側の形状を維持するように第1支持部61に平行に延びている。
内側壁41の第3内壁部41cの内面41ca及び第4壁部41dの内面41daは、底壁63に垂直な支持面を形成する。外側壁42の第1外壁部42aの内面42aa及び第2外壁部42bの内面42baは、底壁63に垂直な別の支持面を形成する。なお、本実施形態では、第1支持部61及び第2支持部62は、底壁63と同じ角度で傾いているが、これに限られるものではない。
図2に示すように、第1支持部61は、車両2の内側に傾けられているので、その上部のみ内側へ突出させるだけでよい。このような構成によれば、車両2の内側に突出する部分を小さくすることができる。なお、第1支持部61は、その全高において車両2の内側に突出してもよい。
次に、図3及び図4を参照して、第2収納部45について説明する。第2収納部45は、第1収納部44と同様に、内側壁41と外側壁42との間に位置する。第2収納部45は、車両前後方向Xで第1収納部44に隣接している。
第2収納部45の一部は、内側壁41の第5内壁部41eによって形成される。第5内壁部41eは、例えば第1内壁部41aの延長線上に、第1内部41aから連続して延びている。一方で、第2収納部45の他の一部は、外側壁42の第3及び第4の外壁部42c,42dによって形成される。第3外壁部42cは、第1収納部44と第2収納部45とを結ぶ方向に延びている。第3外壁部42cは、外側壁42の第1外壁部42aから例えば90度よりも小さな角度で傾斜している。第4外壁部42dは、第3外壁部42cから車両2の外側に向かって延びるとともに、第1収納部44から離れる方向に折れ曲がり、例えば内側壁41の第5内壁部41eと平行に延びている。
図3及び図4に示すように、第1収納部44の第1支持部61と第2支持部62で囲まれた第1収納部44は、第2収納部45に連通している(つながっている)。具体的には、第1収納部44は、内側壁41の第1内壁部41aと、外側壁42の第1外壁部42aとの間の隙間gを通じて、第2収納部45に連通している。
これにより、第1収納部44の内部空間と第2収納部45の内部空間とは、一繋がりの大きな収納領域43を形成している。そして、第1収納部44と第2収納部45との間には、90度以下の鋭い角度で折れ曲がるコーナー部は存在しない。このため、第1収納部44と第2収納部45との間には、デッドスペースが生じにくい。
次に、本実施形態に係るポケット構造1の作用について説明する。
図3に示すように、第1収納部44には、四角柱状の第1の形態の容器51が収納可能である。第1の形態の容器51が収納された場合、第1の形態の容器51の第1角部C1にV字形の第1支持部61が沿うととともに、第1の形態の容器51の第2角部C2にV字形の第2支持部62が沿う。このため、第1の形態の容器51と第1収納部44の内面との間の隙間が小さく、第1収納部44の内部で第1の形態の容器51が大きくガタついたり倒れたりしにくい。このため、第1の形態の容器51は、第1収納部44内で安定して保持される。
また本実施形態では、図5に示すように、底壁63は、車両2の内側に向いて傾いている。このため、底壁63に置かれた第1の形態の容器51は、例えば自重によって第1支持部61側に偏り、第1支持部61に接する。第1支持部61に押し付けられるので、第1の形態の容器51は、より確実に安定して保持される。
また、図4に示すように、第1収納部44には、円柱状の第2の形態の容器52が収納可能である。第2の形態の容器52が収容された場合、第2の形態の容器52の円筒面52aの一部がV字形の第1支持部61に入るとともに、第2の形態の容器52の円筒面の他の一部がV字形の第2支持部62に入る。第2の形態の容器52は、円筒面の2箇所で第1支持部61に当接し、これとは別の2箇所で第2支持部62によって当接する。すなわち、第2の形態の容器52は4箇所で保持されるので、第1収納部44の内部で第2の形態の容器52が大きくガタついたり倒れたりすることなく、第1収納部44内に安定して保持される。
また本実施形態では、上述したように、底壁63は、車両2の内側に向いて傾いている。このため、底壁63に置かれた第2の形態の容器52は、例えば自重によって第1支持部61側へ偏り、第1支持部61に押し当てられる。これにより、第2の形態の容器52は、第1収納部44内に安定した状態に第1支持部61によって確実に保持される。
また、本実施形態のポケット構造1には、例えば地図のような比較的大きなアイテムが収納可能である。このようなアイテムは、例えば第1収納部44と第2収納部45とに亘って収納されることができる。
以上のように構成されたポケット構造1によれば、形状が異なる複数種類の容器を収納することができるとともに、それら容器を安定して保持することができる。つまり、本実施形態のポケット構造1は、四角柱状の第の形態の1容器51の第1角部C1を車両2の内側に向けるよう、車両前後方向Xに対して第1の形態の容器51を斜めにした姿勢で収納可能に設計されている。車両前後方向Xに対して第1の形態の容器51を斜めに収納することで、四角柱状の第1の形態の容器51と円柱状の第2の形態の容器52との両方に対して、それら容器51,52とポケット内面(第1収納部44の内面)との間の隙間が小さい支持構造を設けることができる。
そして、本実施形態のポケット構造1は、第1の形態の容器51の第1角部C1が嵌るとともに、第2の形態の容器52の円筒面52aの一部が嵌るV字形の第1支持部61と、収納状態にある第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52の底部に当接するとともに車両の内側に向かって下がるように傾いた底壁63とを有する。このような構成によれば、底壁63に置かれた第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52が第1支持部61によってより確実に支持される。このため、第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52を安定して保持することができる。また、第1収納部44に設定された挿入方向が車両の内側に傾いているため、車室R内から容器51,52を取り出しやすくなる。
また、第1支持部61に向いて傾いた底壁63を有すると、例えば第1の形態の容器51や第2の形態の容器52に比べて小さなサイズの容器を収納した場合であっても、この容器が第1支持部61に自重で偏るので確実に接しやすい。これにより、小さなサイズの容器でも安定して保持することができる。換言すれば、汎用性が高いポケット構造を提供することができる。
また、第1収納部44は、鋭角で接続された壁がないので内部にデッドスペースが生じにくい。このため、本実施形態のポケット構造1は、汎用性が高い収納領域43を提供することができる。
また本実施形態では、第1支持部61は、底壁63に垂直な内面41ca,41da(支持面)を有する。このような構成によれば、傾いた底壁63に置かれることで傾斜を有した第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52を、第1支持部61は、点接触ではなく、面で支持することができる。このため、第1の形態の容器51及び第2の形態の容器52をより安定して保持することができる。
また本実施形態では、第1の形態の容器51が収納された時に第1の形態の容器51の第2角部C2が嵌るV字形の第2支持部62をさらに備える。このような構成によれば、この第2支持部62によって、第1支持部61とは反対側から第1の形態の容器51および第2の形態の容器52を支持することができるので、第1の形態の容器51をより安定して支持することができる。また、第2の形態の容器52の円筒面52aの一部が第2支持部62に嵌る場合は、この第2支持部62によって、第1支持部61とは反対側から第2の形態の容器52を支持することができるので、第2の形態の容器52をより安定して支持することができる。
また本実施形態では、車両前後方向Xで第1収納部44に隣接した第2収納部45をさらに備える。第1支持部61と第2支持部62とで囲まれた第1収納部44は、第2収納部45につながっている。これにより、ポケット構造1は、第1収納部44と第2収納部45とに亘るような比較的大きなアイテムも収納可能である。
ここで、本実施形態では、車両前後方向Xに対して直交した壁が無く(または少なく)、車両前後方向Xに対して傾斜した壁が多い。このため、車両前後方向Xで隣接する第1収納部44と第2収納部45との間に鋭角のコーナーに基づくデッドスペースが生じにくい。このため、本実施形態のポケット構造1は、より汎用性が高い収納領域43を提供することができる。
本実施形態では、内側壁41と外側壁42との間に第1収納部44が設けられ、内側壁41において車両2の内側に突出するよう形成されたV字形の壁部で第1支持部61が構成され、外側壁42において車両2の外側に突出するよう形成されたV字形の壁部で第2支持部62が構成されている。このような構成によれば、内側壁41及び外側壁42の一部として第1支持部61及び第2支持部62を設けることができるので、ポケットの全体構造をシンプルにすることができるとともに、内部の空間を広く確保しやすい。
本実施形態では、第1の形態の容器51の底面の一辺の長さLは、第2の形態の容器52の直径Dと略同じである。このような構成によれば、例えば500mlの紙パックのような四角い容器や、500mlのペットボトルのような円い容器などユーザーのニーズに対応した複数種類の容器が収納可能である。
次に、本発明に係る第2及び第3の実施形態のポケット構造1についてそれぞれ図を参照し説明する。このとき、第1の実施形態のポケット構造1の各構成と同じ機能を有した構成は、第1の実施形態のポケット構造1の構成と同じ符号を付し、詳細な説明は、第1の実施形態の対応する記載を参酌することとする。
図7は、本発明に係る第2実施形態のポケット構造1を示す。このポケット構造では、外側壁42の第1外壁部42aの幅L3は、第1の形態の容器51の第3面S3の幅の半分以下である。このような構成によれば、第1収納部44と第2収納部45との接続部の空間の幅(内側壁41と外側壁42との間の隙間の幅)を大きくすることができる。これにより、汎用性がさらに高いポケット構造を提供することができる。
一方で、図3に示すように、外側壁42の第1外壁部42aの幅L3が第1の形態の容器51の第3面S3の幅の半分以上であれば、第1の形態の容器51や第2の形態の容器52に比べて小さなサイズの容器を収納した場合でも、この容器を安定して保持することができる。
図8は、本発明に係る第3実施形態のポケット構造を示す。このポケット構造では、内側壁41の第3内壁部41cの幅L1は、第2の形態の容器52の挿入方向を横切る断面の半径よりも大きい。内側壁41の第4内壁部41dの幅L2は、第2の形態の容器52の挿入方向を横切る断面の半径よりも大きい。
このような構成によれば、第2支持部62に最も近い位置で第2の形態の容器52を保持することができるので、第2の形態の容器52と第2支持部62との間に隙間が生じにくく、第2の形態の容器52がより安定して保持される。
なお、以上説明した第1から第3の実施形態のポケット構造1は、種々変形して実施することができる。例えば、第1支持部61及び第2支持部62には、摩擦力が高いパッド部材(滑り止め部材)が取り付けられてもよい。このようなパッド部材が設けられると、容器51,52をより安定して保持することができる。
第1収納部44の底壁63は、車両2の内側に傾いたものに限定されない。底壁63が水平に設けられた収容部であっても、例えば第1支持部61及び第2支持部62を有することで、形状が異なる複数種類の容器51,52を収納することができるとともに、それら容器51,52を安定して保持することができる。
また、底壁63が車両2の内側に傾いて設計される場合であっても、第1支持部61及び第2支持部62は、底壁63に垂直な支持面を有しなくてもよい。鉛直方向に延びた第1支持部61及び第2支持部62であっても、第1、第2の形態の容器51,52を安定して保持することができる。なお、第1支持部61が底壁63に垂直な支持面を有する場合は、上述したように、容器51,52をより安定して保持することができる。