JP6048179B2 - ピストン及び内燃機関 - Google Patents
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Description
上記課題を解決するためのピストンは、ピストン本体と、同ピストン本体を構成する材料よりも比重が大きく同ピストン本体を構成する材料よりも熱伝導率が低い材料からなり、リング溝の側面を構成する一対の対向壁と同一対の対向壁を連結して前記リング溝の底面を構成する底壁とを有する耐摩環とを備える。このピストンでは、前記耐摩環の一対の対向壁のうちピストン頂面側に位置する対向壁の外径が、前記リング溝に収容されるピストンリングの内径よりも大きいものの前記ピストン本体の外径よりも小さく、前記リング溝においてピストン頂面側に位置する側面が、前記ピストン本体と前記耐摩環とで構成される。
また、上記構成によれば、ピストン頂面側の側面の一部が耐摩環を構成する材料よりも熱伝導率の高いピストン本体を構成する材料で構成されることになる。そのため、ピストン頂面側の側面の全面が耐摩環によって形成されている構成と比べて、ピストン全体のうち熱伝導率が低い材料からなる耐摩環の割合を小さくすることができる。その結果、ピストン全体の放熱性を向上させることができる。
なお、上記ピストンは、前記耐摩環の一対の対向壁のうちピストン頂面側に位置する対向壁を第1の対向壁とし、他方の対向壁を第2の対向壁としたとき、前記耐摩環の前記第2の対向壁の外径が前記ピストン本体の外径と等しい一方で、前記第1の対向壁の外径が前記リング溝に収容されるピストンリングの内径よりも大きいものの前記ピストン本体の外径よりも小さいという態様で具現化することが好ましい。
上記ピストンにおいては、前記耐摩環は、上面及び下面と、ピストン中心軸側に位置する内周面とが交わる内周縁部の少なくとも一方が面取り形状となっていることが好ましい。
また、上記課題を解決するための内燃機関は、上記各態様の何れかのピストンを備えている。
主成分が同じ金属材料からなる部材同士が摺動した場合、主成分が異なる金属材料からなる部材同士が摺動した場合に比べて部材同士が焼き付きやすい。この点、上記内燃機関では、耐摩環の一対の対向壁のうちピストン頂面側の対向壁の外径がピストン本体の外径よりも小さくされている。そのため、上記リング溝の側面のうちピストン頂面側に位置する側面の一部はピストン本体を構成する材料で構成されており、リング溝よりもピストン頂面側に位置するピストン外周面はピストン本体を構成する材料で構成されている。したがって、リング溝よりもピストン頂面側に位置するピストン外周面がシリンダ内周面と摺動したとしても、主成分が異なる金属材料からなる部材同士が摺動することになるため、焼き付きにくくなる。
以下、ピストン及び内燃機関の第1実施形態を、図1及び2を参照して詳細に説明する。本実施形態の内燃機関は過給機を備えるガソリン機関である。
内燃機関10においては、燃料噴射弁13から燃焼室15内に燃料が噴射され、点火プラグ17により燃料と吸気との混合気に点火がなされることにより、混合気が燃焼して高圧の燃焼ガスが発生する。また、内燃機関10においては、ノッキングやプレイグニッションなどの異常燃焼が発生することもあり、こうした異常燃焼時には、通常の燃焼時よりも高い圧力の燃焼ガスが発生する。トップリング41は、外周側の部位がトップリング溝32から露出しているため、通常燃焼又は異常燃焼により発生した高圧の燃焼ガスが、トップリング41の外周側の部位に作用する。そのため、この燃焼ガスの作用によってトップリング41がねじれ、トップリング41の内周側端面がトップリング溝32のピストン頂面35側の側面32Aに当接することがある。また、トップリング41には、高圧の燃焼ガスの圧力が、トップリング41をピストン頂面35側から第2の対向壁52に押圧するように作用する。したがって、高圧の燃焼ガスの圧力がトップリング41に作用するときには、トップリング溝32においてピストン頂面35とは反対側に位置する側面32Bの全体と、ピストン頂面35側の側面32Aにおけるピストン径方向内側の部位とにおいてトップリング41が当接しやすくなる。
(1)本実施形態の内燃機関10のピストン30は、ピストン本体31と耐摩環50とを備えている。ピストン本体31は、アルミニウム合金からなり、耐摩環50は、アルミニウム合金よりも比重が大きい鋳鉄からなる。また、耐摩環50はピストン頂面35とは反対側に位置する第2の対向壁52の外径がピストン本体31の外径R3と等しい一方で第1の対向壁51の外径R1がトップリング41の内径R2よりも大きいもののピストン本体31の外径R3よりも小さい。また、トップリング溝32においてピストン頂面35側に位置する側面32Aの一部がピストン本体31を構成するアルミニウム合金で構成されている。
次に、ピストン及び内燃機関の第2実施形態を、図3を参照して説明する。本実施形態の内燃機関には、図3に示すピストン60が設けられている。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。なお、特に説明しない構成については、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、ピストン及び内燃機関の第3実施形態を、図4を参照して説明する。本実施形態の内燃機関には、図4に示すピストン70が設けられている。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。なお、特に説明しない構成については、第1実施形態と同様である。
(5)本実施形態では、上側内周縁部77と下側内周縁部80との双方を面取り形状としている。したがって、双方の内周縁部77、80の厚さが厚くなることを抑制することができるため、ピストン70をより軽量化することができる。
次に、ピストン及び内燃機関の第4実施形態を、図5を参照して説明する。本実施形態の内燃機関は、図5に示すピストン90が設けられている。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。なお、特に説明しない構成については、第1実施形態と同様である。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように適宜変更するようにしてもよい。
Claims (6)
- ピストン本体と、
同ピストン本体を構成する材料よりも比重が大きく同ピストン本体を構成する材料よりも熱伝導率が低い材料からなり、リング溝の側面を構成する一対の対向壁と同一対の対向壁を連結して前記リング溝の底面を構成する底壁とを有する耐摩環と、
を備えるピストンにおいて、
前記耐摩環の一対の対向壁のうちピストン頂面側に位置する対向壁の外径が、前記リング溝に収容されるピストンリングの内径よりも大きいものの前記ピストン本体の外径よりも小さく、
前記リング溝においてピストン頂面側に位置する側面が、前記ピストン本体と前記耐摩環とで構成される
ことを特徴とするピストン。 - 前記耐摩環の一対の対向壁のうちピストン頂面側に位置する対向壁を第1の対向壁とし、他方の対向壁を第2の対向壁としたとき、
前記耐摩環の前記第2の対向壁の外径が前記ピストン本体の外径と等しい一方で、
前記第1の対向壁の外径が前記リング溝に収容されるピストンリングの内径よりも大きいものの前記ピストン本体の外径よりも小さい
請求項1に記載のピストン。 - 前記耐摩環は、上面及び下面と、ピストン中心軸側に位置する内周面とが交わる内周縁部の少なくとも一方が面取り形状となっている
請求項1又は2に記載のピストン。 - 前記ピストン本体は、アルミニウム系の材料からなり、
前記耐摩環は、鉄系の材料からなる
請求項1〜3の何れか1項に記載のピストン。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載のピストンを備える内燃機関。
- シリンダブロックが、前記耐摩環と主成分が同じ金属材料からなる
請求項5に記載の内燃機関。
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