JP2019190286A - 内燃機関のシリンダヘッド - Google Patents

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慎太郎 堀田
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Abstract

【課題】燃焼室内に生じる吸気ガスの乱れが大きくなるように構成された内燃機関を提供する。【解決手段】内燃機関1は、吸気開口13と、排気開口14と、排気開口側とは反対側において吸気開口の外縁に沿って燃焼室7内に向かって延びる壁面51を有するマスク部50と、を備える。マスク部の壁面は、吸気弁21のリフト方向側の壁面の縁部52における吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが、吸気弁の反リフト方向側の壁面の縁部53における吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスよりも大きくなるように、且つリフト方向側の壁面の縁部と反リフト方向側の壁面の縁部との間ではクリアランスがリフト方向側の縁部におけるクリアランスと反リフト方向側の縁部におけるクリアランスとの間のクリアランスになるように形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに関する。
従来から、吸気弁によって開閉される吸気開口の周りにマスク部を設けることが提案されている(例えば、特許文献1、2)。斯かるマスク部は、排気開口側とは反対側(以下、「反排気開口側」ともいう)において吸気開口の外縁に沿って燃焼室内に向かって延びるように形成された壁面を備える。
斯かるマスク部の壁面は、吸気弁がリフトされたときに、吸気ポートから燃焼室内に吸入される吸気ガスの流路抵抗として機能し、吸気開口の反排気開口側に位置する領域を通って吸気ガスが燃焼室内に流入するのを禁止又は抑制する。これにより、燃焼室内に逆タンブル流が発生するのが抑制され、燃焼室内には強い正タンブル流を生成することができるようになる。
特開2011−132833号公報 特開昭63−113117号公報
ところで、逆タンブル流の抑制という観点からは、マスク部の壁面と吸気弁の縁部との間のクリアランスは小さいことが好ましい。しかしながら、その一方で、このクリアランスを小さくすると、吸気弁の最大リフト時において吸気弁のマスク部側の領域から燃焼室内へ流入する吸気ガス量が少なくなる。このため、燃焼室への吸入空気量が多いときにはマスク部側とは反対側の領域では吸気ガスが吸気弁周りを通過する際に吸気ガスにチョークが生じる。このとき、燃焼室内に吸入される吸気ガス量が少なくなり、結果的に燃焼室内に生じる吸気ガスの乱れが小さくなる。
このように燃焼室内に生じる吸気ガスの乱れが小さくなると、燃料が空気と混ざりにくくなるため混合気の燃焼期間が長くなる。燃焼期間が長くなると、燃焼室内で生じる燃焼の等容度が低下し、よって燃費の悪化や出力の低下を招く。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、燃焼室への吸入空気量が多いときにおいて燃焼室内に生じる吸気ガスの乱れが大きくなるように構成された内燃機関を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 燃焼室に面すると共に吸気弁によって開閉される吸気開口と、前記燃焼室に面すると共に排気弁によって開閉される排気開口と、前記排気開口側とは反対側において前記吸気開口の外縁に沿って前記燃焼室内に向かって延びる壁面を有するマスク部と、を備え、前記マスク部の壁面は、前記吸気弁のリフト方向側の当該壁面の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが、前記吸気弁の反リフト方向側の当該壁面の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスよりも大きくなるように、且つ前記リフト方向側の当該壁面の縁部と前記反リフト方向側の当該壁面の縁部との間では前記クリアランスが前記リフト方向側の縁部におけるクリアランスと前記反リフト方向側の縁部におけるクリアランスとの間のクリアランスになるように形成される、内燃機関。
(2)前記壁面は、前記吸気弁の軸線方向の少なくとも一部において、前記吸気弁のリフト方向に向かって前記クリアランスが徐々に大きくなるようにテーパー状に形成される、上記(1)に記載の内燃機関。
(3)前記壁面は、前記吸気弁の反リフト方向側の一部の領域では前記吸気弁の軸線と平行に延びるように形成されると共に、前記吸気弁のリフト方向側の残りの領域では前記吸気弁のリフト方向に向かって前記クリアランスが徐々に大きくなるようにテーパー状に形成される、上記(2)に記載の内燃機関。
(4)前記壁面は、前記吸気弁のリフト方向に向かって前記クリアランスが段階的に大きくなるように形成される、上記(1)に記載の内燃機関。
(5)前記吸気開口、前記排気開口及び前記マスク部が形成されたシリンダヘッドを更に備え、最も前記吸気弁のリフト方向側の前記壁面の縁部は、前記シリンダヘッドのシリンダブロックとの当接面上に位置する、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の内燃機関。
(6)前記壁面は、前記吸気弁のリフト方向の各位置において、前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが周方向において一定になるように形成される、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の内燃機関。
(7)前記壁面は、前記吸気弁のリフト方向側の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが1.8mm以上であり、前記吸気弁の反リフト方向の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが1.8mm未満である、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の内燃機関。
本発明によれば、燃焼室への吸入空気量が多いときにおいて燃焼室内に生じる吸気ガスの乱れが大きくなるように構成された内燃機関が提供される。
図1は、第一実施形態に係る内燃機関1を概略的に示す部分断面図である。 図2は、一つの燃焼室の上面を概略的に示す底面図である。 図3は、図1の吸気開口近傍を拡大して示した拡大断面図である。 図4は、各燃焼室内に生じるタンブル流のタンブル比及び吸気弁のリフト量のクランク角推移である。 図5は、270°BTDC付近における燃焼室7内に生じる吸気ガスの流れを概略的に示した図である。 図6は、吸気弁の縁部の通過面からの壁面のクリアランスと、燃焼室内に生じる乱れの強さとの関係を示す図である。 図7は、吸気開口近傍を拡大して示した、図3と同様な拡大断面図である。 図8は、吸気開口近傍を拡大して示した、図3と同様な拡大断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
<第一実施形態>
≪内燃機関の構成≫
図1は、第一実施形態に係る内燃機関1を概略的に示す部分断面図である。図1に示したように、内燃機関1は、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、ピストン4、コンロッド5を備える。
シリンダブロック2は、並んで配置された複数の気筒6を備える。シリンダヘッド3は、当接面Aにおいてシリンダブロック2に当接するように配置され、シリンダブロック2に形成された気筒6の一方の端部を塞ぐように配置される。
ピストン4は、シリンダブロック2内に形成された気筒6内を往復運動するように配置される。ピストン4は、ピストンピンを介してコンロッド5に連結される。コンロッド5は、クランクピンを介してクランクシャフト(図示せず)に連結され、ピストン4の往復運動をクランクシャフトの回転運度に変換するように作用する。また、シリンダブロック2の気筒6の壁面とシリンダヘッド3とピストン4とによって、混合気が燃焼する燃焼室7が形成される。
図2は、一つの燃焼室7の上面を概略的に示す底面図である。したがって、図2は、シリンダヘッド3の底面であって、一つの気筒6を塞ぐように位置する部分を概略的に示している。図3は、図1の吸気開口近傍を拡大して示した拡大断面図である。
図1に示したように、シリンダヘッド3には、吸気ポート11及び排気ポート12が形成される。図1及び図2に示したように、吸気ポート11は、燃焼室7に面すると共にシリンダヘッド3に形成された吸気開口13を介して燃焼室7に連通する。同様に、排気ポート12は、燃焼室7に面すると共にシリンダヘッド3に形成された排気開口14を介して燃焼室7に連通する。
図2に示したように、本実施形態では、各燃焼室7毎に、二つの吸気開口13及び二つの排気開口14が設けられる。二つの吸気開口13は、複数の気筒6が並んで配置される方向(以下、「気筒整列方向」ともいう)と同一方向に並んで配置される。同様に、二つの排気開口14は、気筒整列方向と同一方向に並んで配置される。各気筒の中心を通って気筒整列方向に延びる中央平面Pに対して一方側に二つの吸気開口13が配置され、他方側に二つの排気開口14が配置される。
なお、本明細書では、気筒整列方向と垂直な方向であって中央平面Pから吸気開口13へ向かう方向、すなわち排気開口14から吸気開口13に向かう方向を「反排気開口側」又は「反排気開口方向」と称し、気筒整列方向と垂直な方向であって中央平面Pから排気開口14へ向かう方向、すなわち吸気開口13から排気開口14に向かう方向を「排気開口側」又は「排気開口方向」と称する。
また、図3に示したように、各吸気開口13の縁部周りにはその全周に亘って、後述する吸気弁21が閉弁時に当接する吸気シート部15が設けられる。同様に、排気開口14の縁部周りにはその全周に亘って、後述する排気弁31が閉弁時に当接する排気シート部16が設けられる。吸気シート部15は、図3に示したように、シリンダヘッド3とは別体のバルブシートとして形成されてもよいし、シリンダヘッド3に直接形成されたシートであってもよい。
図1に示したように、シリンダヘッド3は、燃焼室7の上面が吸気側傾斜面17と排気側傾斜面18との二つの傾斜面を有するように形成される。吸気側傾斜面17は、吸気開口側の縁部から中央平面Pに向かって当接平面Aからの高さ(気筒6の軸線方向における当接平面Aからの長さ)が高なっていくように形成される。排気側傾斜面18は、排気開口側の縁部から中央平面Pに向かって当接平面Aからの高さが高くなっていくように形成される。したがって、燃焼室7の上面は中央平面Pにおいて最も高くなるように傾斜する。なお、燃焼室7の上面は、吸気開口側から中央へ向かって高さが高くなるような傾斜面と、排気開口側から中央へ向かって高さが高くなるような傾斜面とを備えていれば、必ずしも中央平面Pにおいて最も高くなるように形成されていなくてもよい。
また、シリンダヘッド3には、吸気開口13を開閉する吸気弁21と、排気開口14を開閉する排気弁31と、燃焼室7内の混合気を点火する点火プラグ41とが設けられる。また、シリンダヘッド3には、吸気ポート11内に燃料を噴射する燃料噴射弁(図示せず)が設けられる。
吸気弁21は、バルブステム22と、バルブステム22の一方の端部に固定された弁体23とを備える。吸気弁21は、バルブステム22が延在する方向、すなわち吸気弁21の軸線方向に摺動可能にシリンダヘッド3内に配置される。吸気弁21は、吸気動弁機構(図示せず)によってその軸線方向にリフトされる。吸気動弁機構は、吸気弁21の作用角、位相角及び最大リフト量の少なくとも一つを変更可能な可変動弁機構であってもよいし、これらを変更不能な動弁機構であってもよい。
同様に、排気弁31は、バルブステム32と、バルブステム32の一方の端部に固定された弁体33とを備える。排気弁31は、バルブステム32が延在する方向、すなわち排気弁31の軸線方向に摺動可能にシリンダヘッド3内に配置される。排気弁31は、排気動弁機構(図示せず)によってその軸線方向にリフトされる。排気動弁機構は、排気弁31の作用角、位相角及び最大リフト量の少なくとも一つを変更可能な可変動弁機構であってもよいし、これらを変更不能な動弁機構であってもよい。
点火プラグ41は、燃焼室7のほぼ中央において、燃焼室7の上面に位置するようにシリンダヘッド3に取り付けられる。
なお、本実施形態では吸気ポート11内に燃料を噴射する燃料噴射弁が設けられているが、この燃料噴射弁の代わりに或いはこの燃料噴射弁に加えて、燃焼室7内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁をシリンダヘッド3に設けてもよい。この場合、燃料噴射弁は、その噴孔が点火プラグ41に近接して位置するか又は二つの吸気開口13の間であって吸気開口13よりも反排気開口側に位置するように配置される。
また、本実施形態では燃焼室7に曝されるように点火プラグ41が設けられているが、点火プラグ41は設けられなくてもよい。この場合、燃焼室7にて混合気が自着火するように、燃焼室7内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁からの燃料噴射が制御される。
≪マスク部の構成≫
図1〜図3に示したように、本実施形態のシリンダヘッド3は、吸気開口13の反排気開口側に設けられたマスク部50を備える。マスク部50は、燃焼室7の上面から燃焼室7内へ向かって突出するように形成される。マスク部50は、シリンダヘッド3と一体的に形成されてもよいし、別体として形成されてもよい。
マスク部50は、吸気開口13の外縁に沿って、且つ吸気開口13周りの吸気シート部15の外縁に沿って延びる壁面51を有する。特に、壁面51は、吸気開口13の気筒整列方向における中央軸線Dよりも反排気開口側の領域(図2にXで示した領域)内に全面的に又は部分的に延びるように形成される。すなわち、壁面51は、反排気開口側において吸気開口13の外縁に沿って燃焼室7内に向かって延びる。壁面51は、図2にXで示した領域のうち半分以上の領域に亘って延びるように形成されるのが好ましい。
また、壁面51は、吸気開口13の外縁近傍から燃焼室7内に向かって延びる。本実施形態では、壁面51は、吸気弁21のリフト方向においてシリンダヘッド3の当接面Aまで延びる。したがって、吸気弁21のリフト方向における壁面51の縁部(以下、「リフト方向側縁部」ともいう)52は、シリンダヘッド3の当接面A上に位置する。このように壁面51が当接面Aまで延びることはマスク部50が燃焼室7内へ向かって当接面Aまで突出することを意味する。このようにマスク部50が当接面Aまで突出することにより、シリンダヘッドの当接面Aからマスク部50が突出することは無く、よってシリンダブロック2へのシリンダヘッド3の組み付けを容易に行うことができる。
なお、壁面51は、吸気弁21のリフト方向において必ずしもシリンダヘッド3の当接面Aまで延びる必要はない。したがって、壁面51は、吸気弁21のリフト方向(軸線方向)における高さが、少なくとも部分的に、シリンダヘッド3の当接面Aに到達する高さよりも低くなるように形成されてもよい。この場合、壁面51は、例えば、吸気開口13の最も反排気開口側に位置する領域では当接面Aまで延び、吸気開口13の気筒整列方向側に位置する領域においては当接面Aまでは延びないように形成される。また、シリンダブロック2へのシリンダヘッド3の組み付けは難しくなるが、壁面51は当接面Aを超えて燃焼室7内へ向かって延びるように形成されてもよい。
また、本実施形態では、マスク部50の壁面51は、吸気弁21のリフト方向において、吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスCRが変化するように形成される。なお、吸気弁21の縁部の通過面は、吸気弁21がリフトされることによって吸気弁21の弁体23が吸気弁21の軸線方向に移動する際に、弁体23の縁部が通過する面を意味する。
本実施形態では、壁面51は、そのリフト方向側縁部52における吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスCRtが、吸気弁21のリフト方向とは反対方向(以下、「反リフト方向」ともいう)における壁面51の縁部(以下、「反リフト方向側縁部」ともいう)53における吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスCRbよりも大きくなるように形成される。なお、本明細書では、図3からわかるように、吸気弁21の閉弁時において吸気弁21の外面上に位置する壁面51の部分を壁面51の反リフト方向側縁部53と称する。
特に、本実施形態では、壁面51は、吸気弁21のリフト方向に向かって吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスが2段階に変化するように(リフト方向に向かってクリアランスが大きくなるように)形成されている。したがって、壁面51は、反リフト方向側縁部53から壁面51の高さHの半分程度(H1)まではクリアランスCRは相対的に小さい値CRbとなるように形成され、H1を超えるとクリアランスCRは相対的に大きい値CRtとなるように形成される。
具体的には、本実施形態では、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbは1.0mm、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtは2.6mmとされる。しかしながら、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbが1.8mm未満、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtが1.8mm以上であって3.4mm以下であれば、クリアランスCRb、CRtは上記とは異なる値であってもよい。
一方、クリアランスCRは、吸気弁21のリフト方向の各位置において、吸気開口13の周方向において一定になるように形成される。したがって、壁面51は、吸気弁21のリフト方向の各位置において、吸気弁21の軸線を中心とした円弧状に形成される。
なお、本実施形態では、壁面51は、その高さ方向中央において段が形成されるように、吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスが2段階に変化するように形成されている。しかしながら、壁面51は、吸気弁21のリフト方向に向かって吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスが段階的に大きくなるように変化していれば、3段階以上の複数段で形成されてもよい。この場合であっても、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbは1.8mm未満、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtは1.8mm以上且つ3.4mm以下とされる。
或いは、本実施形態では、マスク部50は、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbが下記式(1)で算出されるCl未満になるように構成され、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtが下記式(1)で算出されるCl以上であって、下記式(2)によって算出されるCh以下になるように構成されてもよい。
Cl=−(h・NEm+j・Pm+f)/2n−0.8 …(1)
Ch=−(h・NEm+j・Pm+f)/2n+0.8 …(2)
ここで、上記式(1)及び(2)において、NEmは出力点における回転速度(rpm)、Pmは出力点における吸気ポート11又は吸気枝管61内の圧力(吸気管圧)(kPa)、h=0.0000788、j=−0.003585、f=0.6531914、n=−0.0621023である。
≪作用・効果≫
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態における作用・効果を説明する。図4は、各燃焼室内に生じるタンブル流のタンブル比及び吸気弁21のリフト量のクランク角推移である。図4の横軸は、圧縮上死点からの進角側の角度を示している。したがって、図4の0°BTDCはピストン4が圧縮上死点にある状態を、180°BTDCはピストン4が吸気下死点にある状態をそれぞれ示している。特に、図4は、内燃機関の出力が最大となる運転状態(出力点)におけるタンブル比のクランク角推移を示している。
また、図中の実線はシリンダヘッド3にマスク部を設けなかった場合における推移を示している。一方、図中の破線及び一点鎖線は、壁面51のクリアランスCRが高さ方向全体に亘って1.0mm及び1.8mmである(したがって、段差が設けられていない)場合における推移をそれぞれ示している。また、図4は、マスク部の壁面51の高さがHである場合の推移を示している。
360°BTDCから吸気行程が開始されると、図4に示したように、吸気弁21のリフト量が増大していき、これに伴って燃焼室7内には吸気ガスが流入する。吸気行程の開始時には燃焼室7内に流入する吸気ガスの流量がそれほど多くないため、燃焼室7内にはタンブル流は発生せず、よってタンブル比は低いままである。その後、吸気弁21のリフト量が増大すると共にピストン4の降下速度が上昇するとそれに伴って燃焼室7内に流入する吸気ガスの流量も増大し、燃焼室7内に生じるタンブル流のタンブル比も大きくなる。そして、270°BTDCにおいて、ピストン4の降下速度が最大になり、これに伴って燃焼室7内に生じるタンブル流のタンブル比も最大となる。
図4からわかるように、270°BTDC付近において、クリアランスが1.0mmのマスク部が設けられた場合のタンブル比は、マスク部が設けられていない場合及びクリアランスが1.8mmのマスク部が設けられた場合のタンブル比に比べて小さい。以下、図5を参照して、クリアランスが1.0mmのマスク部が設けられた場合のタンブル比が小さい理由について説明する。
図5は、270°BTDC付近における燃焼室7内に生じる吸気ガスの流れを概略的に示した図である。図5(A)はマスク部が設けられていない場合、図5(B)はクリアランスが1.8mmのマスク部が設けられている場合、図5(C)はクリアランスが1.0mmのマスク部が設けられている場合をそれぞれ示している。
図5(A)に示したようにマスク部が設けられていない場合や図5(B)に示したようにクリアランスが1.8mmのマスク部が設けられている場合には、吸気弁21のリフト量が大きいときには、吸気開口13の反排気開口側の領域においても吸気ガスに対する抵抗がそれほど大きくない。したがって、これらの場合、吸気ガスは、吸気開口13の排気開口側の領域に加えて、反排気開口側の領域を通って燃焼室7内に流入することになる。すなわち、吸気ガスが吸気開口13を通って燃焼室7に流入する際の実質的な流路面積は広い。この結果、燃焼室7内に流入する吸気ガスの全体的な流速は比較的速く、よって燃焼室7内に生じるタンブル流のタンブル比も大きくなる。
一方、図5(C)に示したようにクリアランスが1.0mmのマスク部が設けられている場合には、吸気開口13の反排気開口側の領域において吸気ガスに対する抵抗が大きい。したがって、この場合、吸気ガスはそのほとんどが吸気開口13の排気開口側の領域を通って流入し、反排気開口側の領域を通って流入する吸気ガスは少ない。すなわち、吸気ガスが吸気開口13を通って燃焼室7に流入する際の実質的な流路面積は図5(A)及び図5(B)に示した場合に比べて狭い。加えて、吸気開口13の実質的な流路面積が狭くて吸気ガスのほとんどが吸気開口13の排気開口側の領域Zを通って流入することから、この領域Zを通ろうとする吸気ガスの流量が増大し、結果的にこの領域Zにおいてチョークが生じる。したがって、この場合、燃焼室7内に流入する吸気ガスの全体的な流速は図5(A)や図5(B)に示した場合に比べて遅く、よって燃焼室7内に生じるタンブル流のタンブル比も小さい。
一方、図4からわかるように、吸気弁21のリフト量が低下していきマスク部の壁面51の高さH付近に到達してからは、マスク部が設けられていない場合にはタンブル流のタンブル比が急激に低下する。これは、吸気開口13の反排気開口側の領域から流入する吸気ガスがタンブル流の旋回方向とは逆方向(以下、「逆タンブル方向」ともいう)に流入することで、タンブル流の流れを阻害するためである。
一方、クリアランスが1.0mmのマスク部が設けられている場合には、吸気弁21のリフト量が高さH以下に低下すると、吸気開口13の反排気開口側の領域から吸気ガスの流入を抑制することができる。したがって、クリアランスが1.0mmのマスク部が設けられている場合には、吸気弁21のリフト量が高さH以下に低下したときに、逆タンブル方向の吸気ガスの流入を抑制することができ、よって図4に示したようにタンブル比の低下を抑制することができる。クリアランスが1.8mmのマスク部が設けられている場合には、吸気弁21のリフト量が高さH以下に低下したときのタンブル比の低下の程度が、マスク部が設けられていない場合とクリアランスが1.0mmのマスク部が設けられている場合との間の程度となる。
したがって、吸気弁21のリフト量が大きい領域では、すなわちピストン4の降下速度が速いときには、マスク部のクリアランスを大きくすることで、最終的に混合気に点火が行われる時期(30°BTDC〜0°BTDC)における燃焼室7内の乱れ強さを高いものとすることができる。一方、吸気弁21のリフト量が小さい領域では、マスク部のクリアランスを小さくすることで、混合気への点火が行われる時期における燃焼室7内の乱れ強さを高いものとすることができる。
上述したように、本実施形態では、マスク部50の壁面51は、そのリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtが反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbよりも大きくなるように形成される。したがって、吸気弁21のリフト量が大きいときには、リフト方向側縁部52におけるクリアランスCRt大きいことにより燃焼室7内に流入する吸気ガスの流量を多くすることができる。一方、吸気弁21のリフト量が小さいときには、反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbが小さいことにより逆タンブル方向に流入する吸気ガスの流量を減少させることができる。この結果、本実施形態によれば、混合気への点火が行われる時期におけるタンブル比を高いものとすることができる。
このようにタンブル比が高いと、燃焼室7内での混合気の乱れが大きいため、混合気の燃焼期間が短い。混合気の燃焼期間が短いと、燃焼室内で生じる燃焼の等容度が高くなり、よって燃費や出力を高くすることができる。したがって、本実施形態によれば、特に内燃機関の出力が最大となる運転状態(出力点)において、燃費及び出力を高いものとすることができる。
次に、図6を参照して、具体的なクリアランスの値について説明する。図6は、吸気弁21の縁部の通過面からの壁面51のクリアランスと、燃焼室7内に生じる乱れの強さとの関係を示す図である。図6は、出力点における関係を示している。また、図6では、クリアランスが吸気弁21のリフト方向において一定である場合を示している。
なお、図6に示したクリアランスCRと乱れ強さとの関係は、下記諸元の内燃機関1における関係である。すなわち、この内燃機関1は、ストローク/ボア比が1.14〜1.17、吸気弁21と気筒6の軸線との角度αが18°、排気弁31と気筒6の軸線との角度βが23°であり(図2参照)、吸気ポートTTR(タンブル比)が2.6〜2.8である。吸気ポートTTRは、吸気ポート11の形状に応じて変化する変数である。具体的には、吸気弁21のリフト量LをL/D=0.3(Dは吸気弁21のバルブ径)に設定し且つ燃焼室7内を−30kPaにて吸気ガスを吸入したときに燃焼室7内に生じるタンブル流のタンブル比を意味する。
また、この内燃機関1における出力点での機関回転速度は5600rpmであり、出力点での吸気ポート11又は吸気枝管61内の圧力(吸気管圧又は過給圧)が200kPaである。したがって、図8(A)は、機関回転速度が5600rpm、過給圧が200kPaであるときの関係を示している。
また、図6において、白抜き菱形印は、吸気弁21の作用角が190°であって、吸気弁21の閉弁時期が吸気下死点よりも20°進角側(−20°ABDC)である場合を示している。また、白抜き四角印は、吸気弁21の作用角が190°であって、吸気弁21の閉弁時期が吸気下死点(0°ABDC)である場合を示している。黒塗り菱形印は、吸気弁21の作用角が200°であって、吸気弁21の閉弁時期が吸気下死点よりも20°進角側(−20°ABDC)である場合を示している。また、黒塗り四角印は、吸気弁21の作用角が200°であって、吸気弁21の閉弁時期が吸気下死点(0°ABDC)である場合を示している。
図6からわかるように、出力点における燃焼室7内に生じる乱れの強さは、吸気弁21の作用角や閉弁時期にかかわらず、壁面51のクリアランスCRが2.6mm程度のときに最大となる。したがって、出力点での機関回転数が5600rpmであって過給圧が200kPaとなる上記諸元の内燃機関では、壁面51のクリアランスCRが2.6mm程度のときに乱れ強さが最大になるといえる。
また、図6からわかるように、出力点における燃焼室7内に生じる乱れの強さは、吸気弁21の作用角や閉弁時期にかかわらず、壁面51のクリアランスCRが1.8mm〜3.4mmの範囲内において、比較的大きい値であることがわかる。したがって、出力点での機関回転数が5600rpmであって過給圧が200kPaとなる上記諸元の内燃機関1では、壁面51のクリアランスCRが1.8mm〜3.4mmに設定されることが好ましい。
本実施形態では、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtは、1.8mm以上であって3.4mm以下、特に2.6mmとされる。したがって、出力点における燃焼室7内に生じる乱れ強さを大きいものとすることができる。
一方、吸気弁21のリフト量が低下しているときに逆タンブル方向に吸気ガスが流入することを抑制する観点からは、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbは小さいほど好ましい。したがって、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbは、少なくとも、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtの最低値である1.8mm未満であることが好ましい。上述したように、本実施形態では、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbは1.8mm未満される。したがって、吸気弁21のリフト量が低下しているときに逆タンブル方向に吸気ガスが流入することを効果的に抑制することができる。
見方を変えると、出力点での機関回転数が5600rpmであって過給圧が200kPaとなる上記諸元の内燃機関1では、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtは、出力点での乱れ強さが最大となる壁面51のクリアランスCRm(すなわち、2.6mm)から−0.8mm以上に設定されることが好ましいと言える。また、斯かる内燃機関1では、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbは、出力点での乱れ強さが最大となる壁面51のクリアランスCRm(すなわち、2.6mm)から−0.8mm未満に設定されることが好ましいと言える。
ところで、出力点において圧縮上死点近傍において燃焼室7内に生じる乱れ強さu’は、応答曲面法を用いた解析により、下記式(1)で近似することができる。
u’=a・NE+b・IVA+c・LF+d・ε+e・IVC+f・CR+g・NE・IVA+h・NE・CR+i・Pm・TTR+j・Pm・CR+k・IVA・IVC+l・ε2+m・IVC2+n・CR2 …(1)
ここで、NEは機関回転速度(rpm)、IVAは吸気弁21の作用角(°)、LFは吸気弁21の最大リフト量(mm)、εは圧縮比、IVCは吸気弁の閉弁時期(°BTDC)、CRは吸気弁21の縁部の通過面からの壁面51のクリアランス(mm)、TTRは吸気ポート11の形状に応じて変化する変数、Pmは吸気通路内の圧力(kPa)をそれぞれ表している。また、a〜nは定数であり、特に、h=0.0000788、j=−0.003585、n=−0.0621023である。
ここで、式(1)を変形すると、燃焼室7内に生じる乱れ強さu’は下記式(2)のように表すことができる。
Figure 2019190286
式(2)において、nは負の定数であることから、燃焼室7内に生じる乱れ強さu’はクリアランスCRに対して上に凸の2次関数として表されることがわかる。そして、式(2)より、燃焼室7内に生じる乱れ強さu’が最大となるクリアランスCRは下記式(3)で表される。
Figure 2019190286
上記式(3)より、内燃機関の出力が最大となる運転状態における機関回転速度NEが高くなるほど乱れ強さu’が最大となるクリアランスCRは大きくなることがわかる。同様に、式(3)より、内燃機関の出力が最大となる運転状態における吸気通路内の圧力Pmが高くなるほど乱れ強さu’が最大となるクリアランスCRは小さくなることがわかる。
本実施形態では、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtは、このようにして算出される出力点での乱れ強さが最大となる壁面51のクリアランスCRmに対して−0.8mm以上に設定されてもよい。また、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRtは、クリアランスCRmに対して−0.8mm未満に設定されてもよい。これにより、出力点における乱れ強さを大きいものとすることができる。
ここで、市販車に用いられる過給機を備える多くの内燃機関では、機関回転速度が5500〜6200rpmの範囲内であって吸気管内の圧力が200〜240kPaの範囲内にあるときに内燃機関の出力が最大となる。斯かる機関回転速度の範囲及び吸気管内圧力の範囲内では、乱れ強さu’が最大となるクリアランスCRは上記式(3)によって算出すると、約1.8mm〜約3.4mmである。したがって、斯かる観点からも、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtは1.8mm以上であって、3.4mm以下であることが好ましい。上述したように、本実施形態では、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtは1.8mm以上且つ3.4mm以下とされることから、内燃機関の出力が最大となる運転状態において乱れ強さを大きいものとすることができる。
<第二実施形態>
次に、図7を参照して、第二実施形態に係る内燃機関について説明する。第二実施形態に係る内燃機関の構成は基本的に第一実施形態に係る内燃機関の構成と同様である。以下では、第一実施形態に係る内燃機関と異なる部分を中心に説明する。
図7は、吸気開口近傍を拡大して示した、図3と同様な拡大断面図である。本実施形態においても、シリンダヘッド3は、吸気開口13の反排気開口側に設けられたマスク部50を備える。マスク部50は、吸気開口13の外縁に沿って、且つ吸気開口13周りの吸気シート部15の外縁に沿って延びる壁面51を有する。
また、本実施形態においても、マスク部50の壁面51は、吸気弁21のリフト方向において、吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスCRが変化するように形成される。そして、壁面51は、そのリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtが、反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbよりも大きくなるように形成される。本実施形態でも、例えば、リフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtは2.6mmとされ、反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbは1.0mmとされる。
特に、本実施形態では、壁面51は、その全面が、吸気弁21のリフト方向に向かってクリアランスCRが徐々に大きくなるようにテーパー状に形成される。すなわち、壁面51は、吸気弁21のリフト方向(軸線方向)に対して一定の角度を有するテーパー状に形成される。なお、このときの角度は、吸気弁21のリフト方向(軸線方向)に対する吸気シート部15の当接面の角度よりも小さい。
本実施形態によれば、マスク部50の壁面51の全面を上述したようなテーパー状に形成することにより、第1実施形態の内燃機関と同様に内燃機関の出力が最大となる運転状態における乱れ強さを大きいものとすることができる。
なお、本実施形態においても、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbが1.8mm未満、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtが1.8mm以上であれば、クリアランスCRb、CRtは上記とは異なる値であってもよい。
<第三実施形態>
次に、図8を参照して、第三実施形態に係る内燃機関について説明する。第三実施形態に係る内燃機関の構成は基本的に第一実施形態及び第二実施形態に係る内燃機関の構成と同様である。以下では、第一実施形態及び第二実施形態に係る内燃機関と異なる部分を中心に説明する。
図8は、吸気開口近傍を拡大して示した、図3と同様な拡大断面図である。本実施形態においても、シリンダヘッド3は、吸気開口13の反排気開口側に設けられたマスク部50を備える。マスク部50は、吸気開口13の外縁に沿って、且つ吸気開口13周りの吸気シート部15の外縁に沿って延びる壁面51を有する。
また、本実施形態においても、マスク部50の壁面51は、吸気弁21のリフト方向において、吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスCRが変化するように形成される。そして、壁面51は、そのリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtが、反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbよりも大きくなるように形成される。本実施形態でも、例えば、リフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtは2.6mmとされ、反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbは1.0mmとされる。
特に、本実施形態では、壁面51は、吸気弁21の反リフト方向側の一部の領域では吸気弁21の軸線と平行に延びるように形成されると共に、吸気弁21のリフト方向側の残りの領域では吸気弁21のリフト方向に向かってクリアランスCRが徐々に大きくなるようにテーパー状に形成される。
図8に示した例では、壁面51は、反リフト方向側縁部53から壁面51の高さHの半分程度(H1)までは、クリアランスCRが相対的に小さい値CRbで一定に維持されるように形成される。一方、壁面51は、反リフト方向側縁部53からの高さがH1を超えると、吸気弁21のリフト方向(軸線方向)に対して一定の角度を有するテーパー状に形成される。なお、このときの角度は、吸気弁21のリフト方向(軸線方向)に対する吸気シート部15の当接面の角度よりも小さい。
なお、本実施形態においても、壁面51の反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbが1.8mm未満、壁面51のリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtが1.8mm以上であれば、クリアランスCRb、CRtは上記とは異なる値であってもよい。
<まとめ>
以上より、上記第一実施形態から上記第三実施形態では、マスク部50の壁面51は、吸気弁21のリフト方向側縁部52における吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスCRtが、吸気弁21の反リフト方向側縁部53における吸気弁21の縁部の通過面からのクリアランスCRbよりも大きくなるように形成される。また、マスク部50の壁面51は、リフト方向側縁部52と反リフト方向側縁部53との間ではクリアランスCRがリフト方向側縁部52におけるクリアランスCRtと反リフト方向側縁部53におけるクリアランスCRbとの間のクリアランスになるように形成される。
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 ピストン
13 吸気開口
14 排気開口
21 吸気弁
31 排気弁
50 マスク部
51 壁面
52 リフト方向側縁部
53 反リフト方向側縁部

Claims (8)

  1. 燃焼室に面すると共に吸気弁によって開閉される吸気開口と、
    前記燃焼室に面すると共に排気弁によって開閉される排気開口と、
    前記排気開口側とは反対側において前記吸気開口の外縁に沿って前記燃焼室内に向かって延びる壁面を有するマスク部と、を備え、
    前記マスク部の壁面は、前記吸気弁のリフト方向側の当該壁面の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが、前記吸気弁の反リフト方向側の当該壁面の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスよりも大きくなるように、且つ前記リフト方向側の当該壁面の縁部と前記反リフト方向側の当該壁面の縁部との間では前記クリアランスが前記リフト方向側の縁部におけるクリアランスと前記反リフト方向側の縁部におけるクリアランスとの間のクリアランスになるように形成される、内燃機関。
  2. 前記壁面は、前記吸気弁の軸線方向の少なくとも一部において、前記吸気弁のリフト方向に向かって前記クリアランスが徐々に大きくなるようにテーパー状に形成される、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記壁面は、前記吸気弁の反リフト方向側の一部の領域では前記吸気弁の軸線と平行に延びるように形成されると共に、前記吸気弁のリフト方向側の残りの領域では前記吸気弁のリフト方向に向かって前記クリアランスが徐々に大きくなるようにテーパー状に形成される、請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記壁面は、前記吸気弁のリフト方向に向かって前記クリアランスが段階的に大きくなるように形成される、請求項1に記載の内燃機関。
  5. 前記吸気開口、前記排気開口及び前記マスク部が形成されたシリンダヘッドを更に備え、
    最も前記吸気弁のリフト方向側の前記壁面の縁部は、前記シリンダヘッドのシリンダブロックとの当接面上に位置する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関。
  6. 前記壁面は、前記吸気弁のリフト方向の各位置において、前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが周方向において一定になるように形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関。
  7. 前記壁面は、前記吸気弁のリフト方向側の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが1.8mm以上であり、前記吸気弁の反リフト方向の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが1.8mm未満である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関。
  8. 前記壁面は、前記吸気弁のリフト方向側の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが下記式(1)で算出されるCl以上であり、前記吸気弁の反リフト方向の縁部における前記吸気弁の縁部の通過面からのクリアランスが下記式(1)で算出されるCl未満であり、
    Cl=−(h・NEm+j・Pmm+f)/2n−0.8 …(1)
    上記式(1)において、NEmは出力点における回転速度(rpm)、Pmmは出力点における筒内圧(kPa)、h=0.0000788、j=−0.003585、f=0.6531914、n=−0.0621023である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関。
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