JP2006257887A - 内燃機関用ピストン - Google Patents
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Abstract
【課題】 内燃機関用ピストンにおいて、リング溝間のランドの強度低下を抑えるとともに、オイル消費を防ぐこと。
【解決手段】
内燃機関のシリンダ2に往復動自在に設けられ、前記シリンダ2との間で燃焼室を形成する内燃機関のピストン1であって、リング5、6を挿入するために前記ピストン1の外周に形成された少なくとの二つのリング溝3、4と、前記リング溝間に形成された環状のランド7とを備える内燃機関用ピストンにおいて、前記環状のランド7に周方向において部分的に凹部8を形成した。
【選択図】図1
【解決手段】
内燃機関のシリンダ2に往復動自在に設けられ、前記シリンダ2との間で燃焼室を形成する内燃機関のピストン1であって、リング5、6を挿入するために前記ピストン1の外周に形成された少なくとの二つのリング溝3、4と、前記リング溝間に形成された環状のランド7とを備える内燃機関用ピストンにおいて、前記環状のランド7に周方向において部分的に凹部8を形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関用ピストンに関し、特にランドに凹部を形成したピストンに関するものである。
往復動内燃機関において、ピストンは通常2本または3本のリング溝を外周に有しており、これらのリング溝に圧力リングとオイルリングが装着される。しかしながら、ピストンの上端から1番目の第1リング溝と2番目の第2リング溝との間のセカンドランドの圧力が燃焼室の圧力より高くなると、セカンドランドから燃焼室への潤滑油の漏れが生じオイル消費が増加する。これを防ぐために、セカンドランドにピストン全周にわたる三角状の溝や階段状の溝、あるいは略コの字状の溝を形成して、セカンドランドとシリンダ内壁との間の隙間容積を増加させる技術が種々提案されている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)
しかしながら、エンジンによりシリンダの傾斜角度や熱環境が異なったり、シリンダの熱膨張によるボア変形も異なるのでセカンドランドの圧力上昇が発生する部位は一様でない。また、近年エンジンの高出力化に伴い燃焼圧力は増加する傾向にある。これに伴い、排気行程では大量の燃焼ガスが排気ポートへ流出する為、排気行程終盤にはシリンダ内負圧が瞬間的に増大する傾向にある。
しかしながら、エンジンによりシリンダの傾斜角度や熱環境が異なったり、シリンダの熱膨張によるボア変形も異なるのでセカンドランドの圧力上昇が発生する部位は一様でない。また、近年エンジンの高出力化に伴い燃焼圧力は増加する傾向にある。これに伴い、排気行程では大量の燃焼ガスが排気ポートへ流出する為、排気行程終盤にはシリンダ内負圧が瞬間的に増大する傾向にある。
通常圧力リングは、吸気行程以外ではリング溝の下面に密着しているが、排気行程後半の排気負圧により圧力リングが吸引されリング溝の下面から離れる。そして吸気行程ではリング溝の上面に密着しているが、吸気行程後半でリング溝の上面から離れ、圧縮行程で再びリング溝の下面と密着する。
圧力リングがリング溝上下面のいずれにも密着していない状態では、シールが不完全となり、セカンドランドに溜まったオイルはリング溝の下面とリングの下面との隙間と、リング溝底面とリング内径面との隙間と、リング溝の上面とリングの上面との隙間とを介してオイルは燃焼室側に漏れやすくなる。この状態で燃焼室内が負圧になったり、セカンドランドの圧力が大きくなったりするとオイルは燃焼室内に漏れ、所謂オイル消費の増大につながる。
さらに、ピストンの上下死点では、所謂ピストンの首振り現象が起こり、ピストン打音の発生とともに圧力リングのシール性が悪化することはよく知られている。上死点は前記の排気行程終盤に相当し、排気負圧によってセカンドランドに溜まったオイルが燃焼室側に吸い出される。また、下死点は前記のセカンドランドの圧力上昇する位置に相当し、セカンドランドに溜まったオイルが燃焼室側に漏れることになる。
一方、エンジンの振動低減やスロットルレスポンス向上の面からピストンは軽量化されると同時にピストン全高は短縮される傾向にある。ピストン全高を短縮するにはセカンドランドの軸方向厚さを薄くせざるを得ないが、リングを介して燃焼圧力を受けるセカンドランドの全周に溝を設けることは、セカンドランドの強度が低下し折損につながるおそれがあった。
特許第3120918号
特開2001−214804号
特開2003−294139号
本発明は内燃機関用ピストンにおいて、リング溝間のランドの強度低下を抑えるとともに、オイル消費を防ぐことを技術的課題とする。
上記課題を解決するために講じた第1の技術的手段は、
内燃機関のシリンダに往復動自在に設けられ、前記シリンダとの間で燃焼室を形成する内燃機関のピストンであって、リングを挿入するために前記ピストンの外周に形成された少なくとの二つのリング溝と、前記リング溝間に形成された環状のランドとを備える内燃機関用ピストンにおいて、前記環状のランドに周方向において部分的に凹部を形成したことである。
内燃機関のシリンダに往復動自在に設けられ、前記シリンダとの間で燃焼室を形成する内燃機関のピストンであって、リングを挿入するために前記ピストンの外周に形成された少なくとの二つのリング溝と、前記リング溝間に形成された環状のランドとを備える内燃機関用ピストンにおいて、前記環状のランドに周方向において部分的に凹部を形成したことである。
また、第2の技術的手段は、第1の技術的手段において、
前記凹部は、ピストンの中心軸を通り直交する二平面の一方の平面で最深であり、前記一方の平面が前記ピストンの中心軸から離れるにつれて浅くなるように凹部を形成したことである。
前記凹部は、ピストンの中心軸を通り直交する二平面の一方の平面で最深であり、前記一方の平面が前記ピストンの中心軸から離れるにつれて浅くなるように凹部を形成したことである。
第3の技術的手段は、第1または第2の技術的手段において、
前記凹部は、前記ランドの複数箇所に設けたことである。
前記凹部は、前記ランドの複数箇所に設けたことである。
第4の技術的手段は、第1または第2、第3の技術的手段において、
前記凹部は、断面がクサビ形状であることを特徴としたことである。
前記凹部は、断面がクサビ形状であることを特徴としたことである。
第5の技術的手段は、第1の技術的手段において、
コンロッドを介してクランクシャフトに連結されるピンを挿入する為のピン孔をさらに備え、前記凹部は、前記ピン孔の中心軸に対し直交する方向に開口することを特徴としたことである。
コンロッドを介してクランクシャフトに連結されるピンを挿入する為のピン孔をさらに備え、前記凹部は、前記ピン孔の中心軸に対し直交する方向に開口することを特徴としたことである。
請求項1乃至請求項3の発明によれば、リング溝間のランドに円周方向において部分的に凹部を形成したので、セカンドランドの強度低下を抑えつつ、圧力変動を抑制しオイル消費を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、凹部を鋳造型で形成することができるので、機械加工に比べて安価に凹部を形成しオイル消費を抑制することができる。
請求項5の発明によれば、ピストンの首振り現象発生時でもシール性が悪化する部位に凹部が設けられるので、ランド空間の圧力変動を抑制しオイル消費を抑制することができる。
以下、本発明に従った内燃機関用ピストンの実施の形態を図面に基づき、説明する。
図1は2本リングタイプのピストンに本発明を適用した場合の、リング溝部拡大断面図である。1はピストン、2はシリンダで、ピストン1はシリンダ2内に摺動可能に配設されている。ピストン1の外周に2本のリング溝3,4が形成されている。ピストン1の上端から1番目の第1リング溝3にはトップリング(圧力リング)5が装着され、2番目の第2リング溝4にはオイルリング6が装着されている。ピストン1にはピン孔11が形成され、コンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連結されたピン(図示せず)がピン孔11に挿入固定される。
ピストン1における第1リング溝3と第2リング溝4との間のセカンドランド7にはくさび形断面の凹部8が形成されている。
図2a及び図2bに示すように、凹部8はピン孔11の中心軸11aに直交する方向に開口し、底部が中心軸11aと平行になるように2箇所形成されている。即ち、凹部8は、ピストン1の中心軸を通り直交する二平面の一方の平面で最深であり、前記一方の平面がピストン1の中心軸から離れるにつれて浅くなるように形成されている。
以上のように構成した本実施形態の内燃機関用ピストンの作用を説明する。
エンジン(図示無し)の運転時においてピストン1は、図3に示すようにその上下死点では、所謂ピストンの首振り現象が起こり、ピストン打音の発生とともにトップリング5のシール性が悪化することはよく知られている。
ここでピストン1の上死点とは、エンジンの圧縮行程と排気行程終盤に相当する。排気行程終盤では大量の燃焼ガスが排気ポート(図示せず)へ流出するためピストン1の上面とシリンダヘッド(図示せず)の下面とシリンダ2の内面とで形成された燃焼室10内の圧力が急に下り、セカンドランド7とこれに対向するシリンダ2の内壁面及びその両側のトップリング5とオイルリング6とで囲まれた空間20(以後、ランド空間と言う)に溜まったオイルが燃焼室10側に洩れる傾向にある。また、下死点は掻き落されたオイルにより前記ランド空間20の圧力が急に大きくなる位置に相当し、ランド空間20に溜まったオイルの燃焼室10側への漏れが生じる。
そこで、このトップリング5直下のランド7に上記の如き断面形状の凹部8を形成することによりランド空間20の容積が大きくなり、この部分の圧力変動が小さくなる。このようにランド空間20の急激な圧力変動を防止することによりオイル消費を低減するとともに、部分的に凹部8を形成することによりランド7の強度低下も防ぐことができる。
なお、本実施形態では、凹部8を2箇所形成したが、1箇所でも3箇所以上でもよい。
また、本実施形態は、ピストンの首振り現象を例に説明したが、多気筒エンジンのシリンダにおいて散見する現象である、シリンダ内径のピン孔11の中心軸11a方向への熱変形に起因するトップリングのシール性悪化によるランド空間20の急激な圧力変動を防ぐため、中心軸11a方向に凹部8を形成してもよい。
また、本実施形態では凹部8をクサビ状に形成したが、略コの字状あるいは階段状に形成しても同様の効果を得ることは言うまでもない。
さらに、3本のリング溝を有したピストンにおいては、第2リング溝と第3リング溝との間のサードランドに凹部を設けても良い。
1・・・ピストン
2・・・シリンダ
3・・・第1リング溝
4・・・第2リング溝
5・・・トップリング(圧力リング)
6・・・オイルリング
7・・・セカンドランド
8・・・凹部
2・・・シリンダ
3・・・第1リング溝
4・・・第2リング溝
5・・・トップリング(圧力リング)
6・・・オイルリング
7・・・セカンドランド
8・・・凹部
Claims (5)
- 内燃機関のシリンダに往復動自在に設けられ、前記シリンダとの間で燃焼室を形成する内燃機関のピストンであって、リングを挿入するために前記ピストンの外周に形成された少なくとの二つのリング溝と、前記リング溝間に形成された環状のランドとを備える内燃機関用ピストンにおいて、
前記環状のランドに周方向において部分的に凹部を形成したことを特徴とする内燃機関用ピストン。 - 請求項1において、
前記凹部は、ピストンの中心軸を通り直交する二平面の一方の平面で最深であり、前記一方の平面が前記ピストンの中心軸から離れるにつれて浅くなる凹部を形成したことを特徴とする内燃機関用ピストン。 - 請求項1または請求項2において、
前記凹部は、前記ランドの複数箇所に形成したことを特徴とする内燃機関用ピストン。 - 請求項1または請求項2、請求項3において、
前記凹部は、断面がクサビ形状であることを特徴とする内燃機関用ピストン。 - 請求項1において、
コンロッドを介してクランクシャフトに連結されるピンを挿入する為のピン孔をさらに備え、前記凹部は、前記ピン孔の中心軸に対し直交する方向に開口することを特徴とする内燃機関用ピストン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005072493A JP2006257887A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 内燃機関用ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005072493A JP2006257887A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 内燃機関用ピストン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006257887A true JP2006257887A (ja) | 2006-09-28 |
Family
ID=37097444
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005072493A Withdrawn JP2006257887A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 内燃機関用ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006257887A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102008035697A1 (de) * | 2008-07-30 | 2010-02-18 | Mahle International Gmbh | Kolben für einen Verbrennungsmotor |
-
2005
- 2005-03-15 JP JP2005072493A patent/JP2006257887A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102008035697A1 (de) * | 2008-07-30 | 2010-02-18 | Mahle International Gmbh | Kolben für einen Verbrennungsmotor |
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