JP6288435B2 - エンジンのピストン冷却構造 - Google Patents

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本発明は、ピストンの裏面に冷却用オイルを噴射して冷却を行うピストンの冷却構造に関する。
従来より、ピストンの裏面に冷却用オイルを噴射して、ピストンの冷却を行う技術が開発されている。
例えば、特許文献1では、ピストン裏面に球面状の膨出部を設け、ピストンの下方に配置した噴射ノズル(噴射弁)から冷却用オイルを噴射して当該膨出部に当て、冷却用オイルをピストン裏面に分散させるようにしている。
これにより、冷却用オイルをピストン裏面に全体に行きわたらせるようにして、ピストンの冷却効率を向上させるようにしている。
そして、このようにピストンを十分に冷却することで、点火時期を進角させて出力等のエンジン性能を向上させることが可能となる。
実開昭62−8349号公報
ところで、ピストン冷却用の冷却用オイルは、一般的にエンジンによって駆動するオイルポンプによって噴射弁に供給される。したがって、エンジンの回転速度の変化に伴ってオイルポンプの吐出圧が変化する。また、エンジンの負荷によってピストン温度が変化するため、ピストンを十分に冷却するための冷却用オイルの必要噴射量が変化する。
ところが、冷却用オイルの噴射量は、噴射弁やオイルポンプの仕様によって制限され大きく変化させることが困難である。したがって、例えば冷却用オイルの噴射量を高速高負荷時での必要量になるように噴射弁等の仕様を設定すると、低速時には噴射弁に供給される油圧が不足する可能性がある。また、低速時に油圧確保できるようにオイルポンプ等の仕様を設定した場合、低速高負荷時においてピストンを十分に冷却することが困難となる虞がある。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡易な構成で噴射量を大きく変化させることを可能とし、ピストンに適量の冷却用オイルを噴射して冷却することが可能なエンジンのピストン冷却構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1のエンジンのピストン冷却構造は、ピストンの裏面に向けて冷却用オイルを噴射することにより前記ピストンの冷却を行うエンジンのピストン冷却構造であって、油圧供給源から供給される冷却用オイルの圧力が第1の所定圧以上の場合に開弁して前記ピストンの裏面に冷却用オイルを噴射する第1の噴射弁と、前記油圧供給源から供給される冷却用オイルの圧力が前記第1の開弁圧より低い第2の所定圧以上の場合に開弁して前記ピストンの裏面に冷却用オイルを噴射する第2の噴射弁と、を備え、前記ピストンは、表面が燃焼室に面する上壁部と、前記上壁部の周縁部から前記燃焼室とは反対側に延びる筒状の側壁部とを有し、前記エンジンの排気ポート側の前記側壁部の内壁面に、吸気ポート側に向かって傾斜する傾斜面が備えられ、前記第1の噴射弁は前記側壁部の前記傾斜面に向かって前記冷却用オイルを噴射するように配置され、前記第2の噴射弁は、前記第1の噴射弁よりも前記ピストンの周縁部側に配置されるとともに、前記上壁部の裏側のうち、前記排気ポートの下方位置に向かって前記冷却用オイルを噴射するように配置されていることを特徴とする。
また、請求項2のエンジンのピストン冷却構造は、請求項1において、前記第1の噴射弁及び前記第2の噴射弁は、前記油圧供給源から同時に冷却用オイルを供給された場合に、前記第1の噴射弁からの冷却用オイルの噴射量が前記第2の噴射弁からの噴射量より多く設定されていることを特徴とする。
また、請求項3のエンジンのピストン冷却構造は、請求項2において、前記第1の噴射弁の開口面積は、前記第2の噴射弁の開口面積より大きく設定されていることを特徴とする。
また、請求項のエンジンのピストン冷却構造は、請求項1から3のいずれか1項において、前記油圧供給源は、前記エンジンにより駆動されるオイルポンプであることを特徴とする
また、請求項のエンジンのピストン冷却構造は、請求項1から4のいずれか1項において、前記側壁部の内壁面と前記上壁部の裏面とが円弧状の連続面に形成されていることを特徴とする。
また、請求項のエンジンのピストン冷却構造は、請求項1からのいずれか1項において、前記第1の噴射弁は、前記油圧供給源から前記第2の噴射弁への油圧供給路の圧力を前記第1の所定圧以下に抑制するリリーフ弁の機能を有することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、開弁圧の異なる第1の噴射弁と第2の噴射弁とを有しており、供給される冷却用オイルの圧力が第1の所定圧以上の場合には第1の噴射弁と第2の噴射弁の両方から冷却用オイルが噴射され、冷却用オイルの圧力が第2の所定圧より高く第1の所定圧未満である場合には第2の噴射弁のみ冷却用オイルが噴射される。
したがって、各噴射弁からの噴射量の制御を意図的に行わなくとも、簡易な構成で、供給される冷却用オイルの圧力に応じて、ピストンへの冷却用オイルの噴射量を段階的に大きく変化させることができる。これにより、ピストンに適量の冷却用オイルを噴射して冷却することが可能となり、例えばピストンの冷却に伴って進角制御を行い、エンジン性能を向上させることができる。
また、ピストンの排気ポート側の裏面に設けられた傾斜面に向かって第1の噴射弁から噴射した冷却用オイルが、傾斜面に当たり、ピストンの上壁部の裏面に沿って排気ポート側から吸気ポート側に向かうように移動する。これにより、第1の噴射弁から冷却用オイルを噴射した場合、ピストンの上壁部のうち比較的高温となる排気ポート側の部位を集中して冷却することができるとともに、ピストンの上壁部の裏面に沿って冷却用オイルが移動することで、ピストンと冷却用オイルとの熱交換率を高め、効率的にピストンの冷却を行うことができる。
したがって、供給される冷却用オイルの圧力が第1の所定圧以上の場合に、第1の噴射弁からの噴射によってより効率的にピストンの冷却を行うことができる。
また、第2の噴射弁は、第1の噴射弁よりもピストンの周縁部側に配置されるとともに、上壁部の裏側のうち、排気ポートの下方位置に向かって冷却用オイルを噴射するように配置されているので、冷却用オイルの圧力が前記第1の所定圧より低くとも第2の所定圧以上の場合には、第2の噴射弁から噴射した冷却用オイルによって、ピストンの少なくとも排気ポートの下方位置を効率的に冷却することができる。
請求項2の発明によれば、第1の噴射弁の噴射量が第2の噴射弁の噴射量よりも多く設定されているので、第2の噴射弁からの噴射量と、第1の噴射弁及び噴第2の噴射弁からの合計噴射量との差を大きくすることができる。これにより、冷却用オイルの供給圧の変化に伴ってピストンへの冷却用オイルの噴射量をより大きく変化させることができる。
請求項3の発明によれば、第1の噴射弁の開口面積を大きく設定することで、第1の噴射弁からの噴射量を大きくすることができる。したがって、簡易な構成でピストンへの冷却用オイルの噴射量を大きく変化させることができる。
請求項4の発明によれば、第1の噴射弁及び第2の噴射弁に冷却用オイルを供給する油圧供給源が、エンジンにより駆動されるオイルポンプであるので、エンジンの回転速度に応じて第1の噴射弁及び第2の噴射弁への冷却用オイルの供給圧が変化する。したがって、エンジンの運転状態に応じて第1の噴射弁及び第2の噴射弁から段階的に冷却用オイル噴射させ、エンジンの運転状態に適したピストンの冷却が可能となる。
求項の発明によれば、側壁部の内壁面と上壁部の裏面とが円弧状の連続面に形成されているので、側壁部の内壁面に設けられた傾斜面に向けて噴射された冷却用オイルが、円弧状の連続面に沿って上壁部の裏面に沿うように導かれる。これにより、上壁部と熱交換する冷却用オイルの流量を増加させて、ピストンの温度をより低下させることができる。
請求項の発明によれば、第1の噴射弁が、油圧供給源から第2の噴射弁への油圧供給路の圧力を第1の所定圧以下に抑制するリリーフ弁の機能を有するので、当該油圧供給路からリリーフ弁をなくすことができ、部品コストの低減を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの筒内構造を示す縦断面図である。 本実施形態に係る第1の噴射弁からの冷却用オイルの噴射位置及び移動経路を示すピストンの下面図である。 エンジン低速時においてピストンの裏面に噴射された冷却用オイルの移動経路を示す縦断面図である。 エンジン高速高負荷時においてピストンの裏面に噴射された冷却用オイルの移動経路を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンの筒内構造を示す縦断面図である。図2は、本実施形態に係る第1の噴射弁からの冷却用オイル噴射位置及び移動経路を示すピストンの下面図である。図3は、エンジン低速時においてピストンの裏面に噴射された冷却用オイルの移動経路を示す縦断面図である。図4は、エンジン高速高負荷時においてピストンの裏面に噴射された冷却用オイルの移動経路を示す縦断面図である。
図1に示すように、本願発明の一実施形態のピストン冷却構造を採用したエンジン1は、1つのシリンダ2に吸気バルブ3及び排気バルブ4を1つずつ有するポート噴射式のガソリンエンジンである。
本実施形態のエンジン1は、略円筒状のシリンダ2内に、ピストン5が軸線方向に摺動可能に配置されており、ピストン5とシリンダ2とに囲まれて燃焼室6が形成されている。
シリンダ2の上部の略中心には、燃焼室6に面して点火プラグ7が設けられている。シリンダ2の上面には、点火プラグ7を挟んで、燃焼室6に連通し、吸気バルブ3により開閉される吸気ポート8と、排気バルブ4により開閉される排気ポート9とが形成されている。
また、エンジン1には、吸気ポート8内に燃料を噴射する燃料噴射弁10が備えられている。
なお、本実施形態では、ピストン5やシリンダ2の軸線が上下方向に延び、吸気ポート8や排気ポート9がシリンダ2の上部に位置するように配置されている。
このようなエンジン1では、吸気バルブ3の開時に吸気ポート8から燃料と吸気との混合ガスが燃焼室6に導入されて、点火プラグ7により点火され、燃焼膨張してピストン5を駆動し、排気バルブ4の開時に燃焼後の排気が排気ポート9から排出される。
ピストン5は、燃焼室6に面する上面21とは反対側の裏面22が、ピストンピン19の両端部を支持する2つのボス部20を除いて肉抜きされており、略円板状の上壁部23と円筒状の側壁部24とを有している。即ち、ピストン5は、表面が燃焼室6に面する上壁部23と、上壁部23の周縁部から燃焼室6とは反対側に延びる筒状の側壁部24とを有する。
ボス部20は、挿入されるピストンピン19の軸線が、吸気ポート8の中心と排気ポート9の中心とを結ぶ線に対して垂直になるように配置されている。
そして、本実施形態では、ピストン5の裏面22は、上壁部23と側壁部24との境界部である上部コーナ部25が、円弧状に滑らかな連続面に形成されている。
更に、ピストン5の側壁部24の排気ポート9側の内壁面には、側壁部24の上部にあるピストンリング26の支持部の裏側に、上方に向かうに伴って内側(吸気ポート8側)に傾くように(図1中、θで示す角度で傾斜した)傾斜面27が形成されている。
ピストン5の下方には噴射弁(30、35)が2個設けられている。これらの噴射弁(30、35)は、例えば図示しないシリンダブロックに配置されている。
第1の噴射弁30及び第2の噴射弁35は、エンジン1によって駆動されるオイルポンプ37(油圧供給源)からオイルフィルタ38を通過した潤滑油と兼用の冷却用オイルが供給される。オイルポンプ37は、エンジン1のオイルパン39に貯留する冷却用オイルを、第1の噴射弁30及び第2の噴射弁35に供給する。なお、オイルパン39は、シリンダ2内の潤滑兼用の冷却用オイルが落下して貯留するように配置されている。
第1の噴射弁30及び第2の噴射弁35には、夫々チェック弁が内蔵されている。第1の噴射弁30では、オイルポンプ37から供給される油圧が第1の開弁圧P1以上となると当該チェック弁が開弁し、開口部31から冷却用オイルが噴射される。第2の噴射弁35では、オイルポンプ37から供給される油圧が第2の開弁圧P2以上となると当該チェック弁が開弁し、開口部36から冷却用オイルが噴射される。
第1の噴射弁30の開口部31、及び第2の噴射弁35の開口部36は、夫々、噴射した冷却用オイルがピストン5の裏面22に当たるように上側に向けて設定されている。第1の噴射弁30の位置及び開口部31の開口方向は、噴射した冷却用オイルがピストン5の裏側の傾斜面27を中心に下方から当たるように設定されている。第2の噴射弁35の位置及び開口部36の開口方向は、噴射した冷却用オイルがピストン5の裏側のうち排気ポート9の下方位置を中心に下方から当たるように設定されている。
更に、第1の噴射弁30の開口部31の開口径D1は、第2の噴射弁35の開口部36の開口径D2より大きく設定されている。
また、第1の噴射弁30の開弁圧P1及び第2の開弁圧P2は、夫々噴射した冷却用オイルがピストン5の裏面に到達するのに必要な圧力以上に設定されているが、開弁圧P2は比較的低く、また開弁圧P1は開弁圧P2よりも高い値に設定されている。特に開弁圧P1はエンジン回転速度の低速時には閉弁し高速時に開弁するように設定されている。
以上のような構成により、本実施形態のエンジン1では、図2〜4に示すように、エンジン1の運転時に第1の噴射弁30や第2の噴射弁35から冷却用オイルが噴射して、ピストン5の裏面22に当たるので、ピストン5と冷却用オイルとが熱交換し、ピストン5が冷却される。
第1の噴射弁30及び第2の噴射弁35から噴射した冷却用オイルはピストン5の裏面22の排気ポート9側に噴射されるので、ピストン5の上壁部23のうちでも特に温度が上昇し易い場所を重点的に冷却することができる。
特に、図2、4に示すように、第1の噴射弁30から噴射した冷却用オイルがピストン5の裏側の傾斜面27に下側から当たるように設定されているので、傾斜面27に当たった冷却用オイルはボス部20の間を吸気ポート8側に向かう。その際に冷却用オイルは上部コーナ部25の円弧状の面に沿って、スムーズにピストン5の上壁部23の裏面を沿うように吸気ポート8側に移動する。
このように、第1の噴射弁30から冷却用オイルを噴射すると、ピストン5の裏面22に沿って冷却用オイルが移動し、ピストン5の裏面22と冷却用オイルとの接触時間を増加させることができる。なお、冷却対象に沿って熱媒体を接触させながら移動させると、冷却対象に向けて単純に熱媒体を当てる場合と比較して、熱交換率が高くなることが理論的に立証されている。したがって、本実施形態のように、冷却用オイルをピストン5の裏面に沿って接触させながら移動させることで、ピストン5の冷却効率を向上させることができる。
また、側壁部24の上部でピストンリング26が取り付けられる支持部の裏側に傾斜面27が設けられるので、肉厚となっているピストン5の側壁部24の部位を利用して、ピストン5の重量を増加させることなく容易に傾斜面27を設けることができる。
更に、本実施形態では、冷却用オイルを噴射する噴射弁を1つの気筒に2個設けており、その開口面積及び開弁圧が異なる。
図3に示すように、エンジン1の低速時のように、第1の噴射弁30及び第2の噴射弁35に供給される冷却用オイルの圧力が開弁圧P2より大きくかつ開弁圧P1未満である場合には、第1の噴射弁30は開弁せず、第2の噴射弁35のみ開弁して冷却用オイルを噴射する。したがって、冷却用オイルの圧力が低くとも、開口面積の比較的小さい第2の噴射弁35から少量ではあるものの、ピストン5の裏面22に冷却用オイルを噴射してピストン5を冷却することが可能となる。
図4に示すように、エンジン1の高速時のように、第1の噴射弁30に供給される冷却用オイルの圧力が開弁圧P1以上の場合には、第2の噴射弁35に加えて第1の噴射弁30が開弁して冷却用オイルを噴射する。第1の噴射弁30の開口面積は大きく設定されており、またオイルポンプ37が高速で駆動されることから第1の噴射弁30に供給される冷却用オイルの圧力が高いので、多量の冷却用オイルをピストン5の裏面に到達するように噴射することが可能である。したがって、上記のように、多量の冷却用オイルをピストン5の裏面に沿って移動させ、冷却効率を大幅に向上させることができる。このときエンジン1が高負荷でピストン温度が上昇したとしても、第1の噴射弁30からの冷却用オイルの噴射で十分に冷却することができる。
以上のように、本実施形態では、オイルポンプ37から供給される冷却用オイルの圧力の変化に伴って、第1の噴射弁30と第2の噴射弁35とが段階的に開弁するので、簡易な構成で冷却用オイルの噴射量を大きく変化させることができる。
特に、第1の噴射弁30の開口部31の開口面積が、第2の噴射弁35の開口部36の開口面積より大きいので、第1の噴射弁30の開閉によって噴射量をより大きく変化させることができる。
そして、このようにオイルポンプ37からの冷却用オイルの供給圧の変化、即ちエンジン1の回転速度の変化に伴って、冷却用オイルの噴射量を大きく変化させることで、低速時には開口面積の小さい第2の噴射弁35から少量ではあるものの十分にピストン5に到達するように冷却用オイルを噴射させることができる。また、高速時には開口面積の大きい第1の噴射弁30を加えて大量の冷却用オイルを噴射して、高負荷時でも十分にピストン5を冷却することができる。これにより、高回転高負荷時にもピストン5が十分に冷却されるので、エンジン1の進角制御を十分に行うことができ、出力等のエンジン1の性能を向上させることができる。
また、オイルポンプ37から吐出される冷却用オイルの圧力が開弁圧D1より高い場合に開口部31の開口面積の大きい第1の噴射弁30が開弁して多量の冷却用オイルを噴射するので、当該第1の噴射弁30がリリーフ弁としての役割を果たすことができる。したがって、オイルポンプ37の下流側に別途リリーフ弁を設ける必要がなく、部品コストの増加を抑えることができる。
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、発明の形態は本実施形態に限定されるものではない。
本願発明は、吸気バルブや排気バルブが複数あるエンジンや、ガソリンエンジン以外のエンジンでも適用可能であり、冷却用オイルをピストンの裏面に噴射して冷却するエンジンに対し広く適用することができる。
1 エンジン
5 ピストン
8 吸気ポート
9 排気ポート
23 上壁部
24 側壁部
25 上部コーナ部(連続面)
26 ピストンリング
27 傾斜面
30 第1の噴射弁
31 開口部
35 第2の噴射弁
36 開口部
37 オイルポンプ(油圧供給源)

Claims (6)

  1. ピストンの裏面に向けて冷却用オイルを噴射することにより前記ピストンの冷却を行うエンジンのピストン冷却構造であって、
    油圧供給源から供給される冷却用オイルの圧力が第1の所定圧以上の場合に開弁して前記ピストンの裏面に冷却用オイルを噴射する第1の噴射弁と、
    前記油圧供給源から供給される冷却用オイルの圧力が前記第1の所定圧より低い第2の所定圧以上の場合に開弁して前記ピストンの裏面に冷却用オイルを噴射する第2の噴射弁と、を備え、
    前記ピストンは、表面が燃焼室に面する上壁部と、前記上壁部の周縁部から前記燃焼室とは反対側に延びる筒状の側壁部とを有し、
    前記エンジンの排気ポート側の前記側壁部の内壁面に、吸気ポート側に向かって傾斜する傾斜面が備えられ、
    前記第1の噴射弁は前記側壁部の前記傾斜面に向かって前記冷却用オイルを噴射するように配置され、
    前記第2の噴射弁は、前記第1の噴射弁よりも前記ピストンの周縁部側に配置されるとともに、前記上壁部の裏側のうち、前記排気ポートの下方位置に向かって前記冷却用オイルを噴射するように配置されている
    ことを特徴とするエンジンのピストン冷却構造。
  2. 前記第1の噴射弁及び前記第2の噴射弁は、前記油圧供給源から同時に冷却用オイルを供給された場合に、前記第1の噴射弁からの冷却用オイルの噴射量が前記第2の噴射弁からの噴射量より多く設定されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンのピストン冷却構造。
  3. 前記第1の噴射弁の開口面積は、前記第2の噴射弁の開口面積より大きく設定されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンのピストン冷却構造。
  4. 前記油圧供給源は、前記エンジンにより駆動されるオイルポンプであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジンのピストン冷却構造。
  5. 前記側壁部の内壁面と前記上壁部の裏面とが円弧状の連続面に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のエンジンのピストン冷却構造。
  6. 前記第1の噴射弁は、前記油圧供給源から前記第2の噴射弁への油圧供給路の圧力を前記第1の所定圧以下に抑制するリリーフ弁の機能を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のエンジンのピストン冷却構造。
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