JP2011038414A - 内燃機関用ピストン - Google Patents
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Abstract
【課題】ピストンとシリンダとの間を良好に潤滑するとともにオイル消費増加及び燃焼ガスの吹き抜けを防止した内燃機関用ピストンを提供する。
【解決手段】レシプロ内燃機関のシリンダC内に挿入される内燃機関用ピストン1を、外周面部の一部を内径側へ凹ませかつ周方向に延びて形成され、ピストンリングRを収容するリング溝40と、オイルジェットから噴射されるオイルを、リング溝におけるピストンリングのクランク側の面部と対向する面部42に設けられたオイル供給孔101に供給する油路100とを備える構成とする。
【選択図】図2
【解決手段】レシプロ内燃機関のシリンダC内に挿入される内燃機関用ピストン1を、外周面部の一部を内径側へ凹ませかつ周方向に延びて形成され、ピストンリングRを収容するリング溝40と、オイルジェットから噴射されるオイルを、リング溝におけるピストンリングのクランク側の面部と対向する面部42に設けられたオイル供給孔101に供給する油路100とを備える構成とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、レシプロ内燃機関のシリンダ内に挿入される内燃機関用ピストンに関し、特にピストンとシリンダとの間を良好に潤滑するとともにオイル消費増加及び燃焼ガスの吹き抜けを防止したものに関する。
シリンダ内を往復するピストンを有するレシプロ内燃機関においては、ピストンとシリンダとの間の摩擦抵抗は、機関の総摩擦抵抗のうち約2〜3割を占めることから、その低減を図ることが要望されている。
このような摩擦抵抗を低減するためには、ピストンとシリンダとの間の潤滑状態を適正化して油膜切れを防止することが重要となる。
このような摩擦抵抗を低減するためには、ピストンとシリンダとの間の潤滑状態を適正化して油膜切れを防止することが重要となる。
ピストンとシリンダとの間の潤滑に関する従来技術として、例えば特許文献1には、オイルジェットからピストンの内面側空洞部に噴射されるオイルを、ピストンの外周面側へ供給する給油孔を設けることによって、ピストンとシリンダとの間の潤滑を改善することが記載されている。この給油孔のシリンダ側の端部は、例えば、リング溝の間隔におけるピストンの外周面(ランド部)や、リング溝内の溝底部、シリンダヘッド側の面部等に配置されている。
上述した従来技術においては、油路が常時開放状態であることから、シリンダへのオイル供給量が過多となってオイル消費量が増大してしまう。また、燃焼ガスや未燃ガスの一部が油路に侵入することによって、オイルが逆流して油膜切れを生じさせ、フリクションを増大させたり、ブローバイガス量が増加することが懸念される。さらに、油路部分が常時高温高圧の燃焼ガスに接触するため、ピストンの耐久性に問題が生ずることが懸念される。
本発明の課題は、ピストンとシリンダとの間を良好に潤滑するとともにオイル消費増加及び燃焼ガスの吹き抜けを防止した内燃機関用ピストンを提供することである。
本発明の課題は、ピストンとシリンダとの間を良好に潤滑するとともにオイル消費増加及び燃焼ガスの吹き抜けを防止した内燃機関用ピストンを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、レシプロ内燃機関のシリンダ内に挿入される内燃機関用ピストンであって、外周面部の一部を内径側へ凹ませかつ周方向に延びて形成され、ピストンリングを収容するリング溝と、オイル噴射手段から噴射されるオイルを、前記ピストンリングのクランク側の面部と対向する前記リング溝の内面部に設けられたオイル供給孔に供給する油路とを備えることを特徴とする内燃機関用ピストンである。
請求項1の発明は、レシプロ内燃機関のシリンダ内に挿入される内燃機関用ピストンであって、外周面部の一部を内径側へ凹ませかつ周方向に延びて形成され、ピストンリングを収容するリング溝と、オイル噴射手段から噴射されるオイルを、前記ピストンリングのクランク側の面部と対向する前記リング溝の内面部に設けられたオイル供給孔に供給する油路とを備えることを特徴とする内燃機関用ピストンである。
請求項2の発明は、前記オイル供給孔は、前記ピストンの下死点側から上死点側への移動時、及び、前記ピストンリングへの燃焼ガス圧力の負荷時に、前記ピストンリングが当接することによって実質的に閉塞されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用ピストンである。
請求項3の発明は、前記オイル供給孔が設けられるリング溝は、前記ピストンに形成される複数のリング溝のうち、シリンダヘッド側から2番目に配置されたセカンドリング溝であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用ピストンである。
請求項3の発明は、前記オイル供給孔が設けられるリング溝は、前記ピストンに形成される複数のリング溝のうち、シリンダヘッド側から2番目に配置されたセカンドリング溝であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用ピストンである。
本発明によれば、ピストンの往復運動に起因してピストンリングに作用する慣性力、シリンダ内ガス圧力、ピストンリングとシリンダとの摺動抵抗等によって、ピストンリングがリング溝内のオイル供給孔を開閉する。すなわち、ピストンが下死点側から上死点側への移動速度を低下させ、さらに上死点側から下死点側への移動に転じるときには、ピストンリングは慣性力によってリング溝のシリンダヘッド側の面部に押し付けられた状態となっており、このとき、ピストンリングとオイル供給孔との間に隙間が形成されることによって、オイル供給孔からシリンダ壁面へのオイル供給が可能となる。
また、エンジンの吸気行程において、自然吸気エンジンや過給器付きエンジンの過給圧が比較的低い場合には、ピストンリングとシリンダ壁面との摺動抵抗によってピストンリングはリング溝のシリンダヘッド側の面部に押付けられ、オイル供給孔は開放される。
また、エンジンの吸気行程において、自然吸気エンジンや過給器付きエンジンの過給圧が比較的低い場合には、ピストンリングとシリンダ壁面との摺動抵抗によってピストンリングはリング溝のシリンダヘッド側の面部に押付けられ、オイル供給孔は開放される。
一方、ピストンが上死点側から下死点側への移動速度を低下させ、さらに下死点側から上死点側への移動に転じるときには、ピストンリングは慣性力によってリング溝のオイル供給孔が設けられた面部に押し付けられた状態となっており、このとき、オイル供給孔は実質的に閉塞され、オイル供給孔からシリンダ壁面へのオイル供給は中止される。
また、エンジンの膨張行程においては、ピストンリングに作用する燃焼ガス(既燃ガス)の圧力によって、ピストンリングはリング溝のオイル供給孔が設けられた面部に押し付けられた状態となっており、オイル供給が中止されると同時に燃焼ガスのオイル供給孔への侵入が防止される。
さらに、排気工程においても、既燃ガス圧力及びピストンリングとシリンダ壁面との摺動抵抗によって、ピストンリングはリング溝のオイル供給孔が設けられた面部に押付けられ、オイル供給孔は閉塞される。
また、エンジンの膨張行程においては、ピストンリングに作用する燃焼ガス(既燃ガス)の圧力によって、ピストンリングはリング溝のオイル供給孔が設けられた面部に押し付けられた状態となっており、オイル供給が中止されると同時に燃焼ガスのオイル供給孔への侵入が防止される。
さらに、排気工程においても、既燃ガス圧力及びピストンリングとシリンダ壁面との摺動抵抗によって、ピストンリングはリング溝のオイル供給孔が設けられた面部に押付けられ、オイル供給孔は閉塞される。
以上の作用によって、本発明によれば、オイル消費量の増大を抑制しつつピストンとシリンダとの間に適量のオイルを供給して潤滑状態を改善し、エンジンのフリクションを低減することができる。また、燃焼ガスや未燃ガスの油路への吹き抜けを防止してブローバイの増加やピストンの耐久性低下を防止することができる。
また、オイル供給孔をセカンドリング溝に設けることによって、トップリング溝に設けた場合に対して、オイル供給孔や油路に作用する燃焼ガス圧力が低くなることから、ピストンの耐久性を向上することができる。
また、オイル供給孔をセカンドリング溝に設けることによって、トップリング溝に設けた場合に対して、オイル供給孔や油路に作用する燃焼ガス圧力が低くなることから、ピストンの耐久性を向上することができる。
本発明は、ピストンとシリンダとの間を良好に潤滑するとともにオイル消費増加及び燃焼ガスの吹き抜けを防止した内燃機関用ピストンを提供する課題を、オイルジェットからピストン内面部に噴射されるオイルをセカンドリング溝のクランク側の内面部に設けられたオイル供給孔に供給する油路を設け、オイル供給孔を慣性力等に起因するセカンドリングのピストンに対する相対変位によって開閉することによって解決した。
以下、本発明を適用した内燃機関用ピストンの実施例について説明する。
実施例の内燃機関用ピストン(以下単に「ピストン」と称する。)は、例えば自動車等の車両の走行用動力源として用いられるディーゼルエンジン等の筒内噴射エンジンのシリンダ内に挿入され、コンロッドを介してクランクシャフトに接続されている。
実施例の内燃機関用ピストン(以下単に「ピストン」と称する。)は、例えば自動車等の車両の走行用動力源として用いられるディーゼルエンジン等の筒内噴射エンジンのシリンダ内に挿入され、コンロッドを介してクランクシャフトに接続されている。
ピストン1は、例えばアルミニウム系合金を鍛造又は鋳造によって成型した後に、所定の機械加工を施すことによって製作されている。ピストン1は、冠部10、スカート20、トップリング溝30、セカンドリング溝40、サードリング溝50、トップリングランド60、セカンドリングランド70、サードリングランド80、クーリングチャンネル90、油路100等を備えて一体に形成されている。
冠部10は、ピストン1における図示しないシリンダヘッド側の部分である。シリンダヘッドは、シリンダのクランクシャフト側とは反対側の端部に設けられ、燃焼用空気を導入する吸気ポート、既燃ガスを排出する排気ポート、各ポートを開閉するバルブ及びその駆動機構、コモンレール(蓄圧室)に貯留された燃料を噴射するインジェクタ等を備えている。
冠部10は、冠面11、燃焼室12等を備えている。
冠面11は、ピストン10のシリンダヘッド側の端面であって、ほぼ平面状に形成されている。
燃焼室12は、冠面11の中央部をクランク側へ凹ませて形成されている。燃焼室12は、図示しないインジェクタから噴射される燃料が自己着火して燃焼を開始する部分である。
冠部10は、冠面11、燃焼室12等を備えている。
冠面11は、ピストン10のシリンダヘッド側の端面であって、ほぼ平面状に形成されている。
燃焼室12は、冠面11の中央部をクランク側へ凹ませて形成されている。燃焼室12は、図示しないインジェクタから噴射される燃料が自己着火して燃焼を開始する部分である。
スカート20は、冠部10の外周縁部から、クランク側へ張り出して形成され、シリンダC(図2等参照)の内面と摺動する面部である。スカート20の内径側には、空洞部が形成されている。
また、ピストン1の側面部の一部に設けられたスカート20の切欠部には、ピストン1と図示しないコンロッドとを揺動可能に接続する図示しないピストンピンが挿入されるピストンピンボス21が形成されている。
また、ピストン1の側面部の一部に設けられたスカート20の切欠部には、ピストン1と図示しないコンロッドとを揺動可能に接続する図示しないピストンピンが挿入されるピストンピンボス21が形成されている。
トップリング溝30、セカンドリング溝40、サードリング溝50は、冠部10における外周面を、内径側に凹ませて形成した周方向溝であって、シリンダヘッド側(冠面11側)から順次配列されている。
トップリング溝30には、図示しないトップリングが収容される。
セカンドリング溝40には、図2乃至図4に示すセカンドリングR(本発明にいうピストンリング)が収容される。セカンドリング溝40には、図2に示すように、ヘッド側面部41、クランク側面部42が設けられる。ヘッド側面部41及びクランク側面部42は、ほぼ平面状に形成されるとともに、平行に配置され相互に対向している。ヘッド側面部41とクランク側面部42との間隔は、セカンドリングRの厚みよりも大きく設定され、その結果セカンドリングRは、ピストン1に対してその往復方向(各図における上下方向)にほぼ沿って相対変位が可能となっている。
また、クランク側面部42には、後述する油路100のオイル供給孔101が設けられる。
サードリング溝50には、図示しないオイルリング(サードリング)が収容される。
トップリング溝30には、図示しないトップリングが収容される。
セカンドリング溝40には、図2乃至図4に示すセカンドリングR(本発明にいうピストンリング)が収容される。セカンドリング溝40には、図2に示すように、ヘッド側面部41、クランク側面部42が設けられる。ヘッド側面部41及びクランク側面部42は、ほぼ平面状に形成されるとともに、平行に配置され相互に対向している。ヘッド側面部41とクランク側面部42との間隔は、セカンドリングRの厚みよりも大きく設定され、その結果セカンドリングRは、ピストン1に対してその往復方向(各図における上下方向)にほぼ沿って相対変位が可能となっている。
また、クランク側面部42には、後述する油路100のオイル供給孔101が設けられる。
サードリング溝50には、図示しないオイルリング(サードリング)が収容される。
トップリングランド60は、冠部10の外周面部におけるトップリング溝30よりも冠面11側の部分である。
セカンドリングランド70は、冠部10の外周面部におけるトップリング溝30とセカンドリング溝40との間の部分である。
サードリングランド80は、冠部10の外周面部におけるセカンドリング溝40とサードリング溝50との間の部分である。
セカンドリングランド70は、冠部10の外周面部におけるトップリング溝30とセカンドリング溝40との間の部分である。
サードリングランド80は、冠部10の外周面部におけるセカンドリング溝40とサードリング溝50との間の部分である。
クーリングチャンネル90は、冠部10の内部に形成され、ピストン1のクランク側に設けられた図示しないオイルジェット(オイル噴射手段)から噴射される潤滑用のオイルが流されるオイル流路である。クーリングチャンネル90は、ピストン1の周方向にほぼ沿って伸びるとともに、オイルジェットから噴射されるオイルが吹き込まれる図示しない開口が設けられている。
クーリングチャンネル90は、図2等に示すように、セカンドリング溝40の溝底部と隣接して配置されている。
クーリングチャンネル90は、図2等に示すように、セカンドリング溝40の溝底部と隣接して配置されている。
油路100は、クーリングチャンネル90の下部から、セカンドリング溝40の内部にオイルを供給する通孔である。
油路100は、クーリングチャンネル90の下部からピストン1の径方向にほぼ沿って外径側へ伸び、中間に設けられた屈曲部からシリンダヘッド側へ立ちあげられ、その上端部に設けられたオイル供給孔101によってセカンドリング溝40と連通している。
油路100のセカンドリング溝40側の端部であるオイル供給孔101は、セカンドリング溝40のクランク側面部42に設けられている。
図2に示すように、ピストン1にセカンドリングRを組み込んでシリンダC内に挿入した状態において、リングRの内径側の端部(内周縁部)は、オイル供給孔101のピストン1内径側の端部に対して、距離DだけシリンダCの中心側に配置されるようになっている。
油路100は、クーリングチャンネル90の下部からピストン1の径方向にほぼ沿って外径側へ伸び、中間に設けられた屈曲部からシリンダヘッド側へ立ちあげられ、その上端部に設けられたオイル供給孔101によってセカンドリング溝40と連通している。
油路100のセカンドリング溝40側の端部であるオイル供給孔101は、セカンドリング溝40のクランク側面部42に設けられている。
図2に示すように、ピストン1にセカンドリングRを組み込んでシリンダC内に挿入した状態において、リングRの内径側の端部(内周縁部)は、オイル供給孔101のピストン1内径側の端部に対して、距離DだけシリンダCの中心側に配置されるようになっている。
次に、実施例のピストン1における油路100を用いたピストン−シリンダ間へのオイル供給について説明する。
ピストン1が上死点側から下死点側へ移動する速度が低下して下死点において一旦停止し、その後上死点側への移動を開始する際には、図3に示すように、セカンドリングRは、慣性力によってセカンドリング溝40のクランク側面部42に押し付けられ、はり付いた状態となっている。このとき、油路100のオイル供給孔101は、セカンドリングRによって実質的に閉塞された状態となっている。
ピストン1が上死点側から下死点側へ移動する速度が低下して下死点において一旦停止し、その後上死点側への移動を開始する際には、図3に示すように、セカンドリングRは、慣性力によってセカンドリング溝40のクランク側面部42に押し付けられ、はり付いた状態となっている。このとき、油路100のオイル供給孔101は、セカンドリングRによって実質的に閉塞された状態となっている。
また、エンジンの膨張行程において、燃焼ガス圧力が高まっている場合にも、セカンドリングRのシリンダヘッド側の面部に作用する燃焼ガスの圧力によって、セカンドリングRは図3に示すようにセカンドリング溝40のクランク側面部42に押し付けられた状態となっている。このときも油路100のオイル供給孔101は、セカンドリングRによって実質的に閉塞された状態となっている。
さらに、エンジンの圧縮工程及び排気工程においても、燃焼用空気又は既燃ガスの圧力及びセカンドリングRとシリンダC壁面との摺動抵抗によってセカンドリング溝40のクランク側面部42に押し付けられ、オイル供給孔101は閉塞される。
さらに、エンジンの圧縮工程及び排気工程においても、燃焼用空気又は既燃ガスの圧力及びセカンドリングRとシリンダC壁面との摺動抵抗によってセカンドリング溝40のクランク側面部42に押し付けられ、オイル供給孔101は閉塞される。
一方、ピストン1が下死点側から上死点側へ移動する速度が低下して上死点において一旦停止し、その後下死点側への移動を開始する際には、図4に示すように、セカンドリングRは、慣性力によってセカンドリング溝40のヘッド側面部41に押し付けられ、はり付いた状態となっている。このとき、セカンドリングRとオイル供給孔101との間には隙間が形成され、オイルジェットからクーリングチャンネル90を経由して油路100に流入したオイルは、図4に破線矢印で図示したように、オイル供給孔101からセカンドリング溝40を経てピストン1の外周面とシリンダCの内面との間に供給される。
また、過給器による過給圧が比較的低い場合における吸気行程においても、セカンドリングRは、シリンダC壁面との摺動抵抗によってセカンドリング溝40のヘッド側面部41に押し付けられ、オイル供給孔101は開放されオイルの供給が行われる。
また、過給器による過給圧が比較的低い場合における吸気行程においても、セカンドリングRは、シリンダC壁面との摺動抵抗によってセカンドリング溝40のヘッド側面部41に押し付けられ、オイル供給孔101は開放されオイルの供給が行われる。
以上説明した実施例によれば、オイルジェットからのオイルをセカンドリング溝40内に供給するオイル供給孔101は、ピストン1が上死点近傍にある場合や、比較的低過給圧での吸気行程等の所定の時期にのみ開放され、それ以外の時期にはセカンドリングRによって実質的に閉塞されるため、ピストン1とシリンダCの間へのオイル供給量が過大とならず、潤滑状態を改善するとともに、シリンダヘッド側へのオイル上がりを抑制してエンジンのオイル消費を抑制することができる。
また、燃焼ガスの圧力が高い場合には、セカンドリングRがオイル供給孔101を実質的に閉塞することによって、高温高圧の燃焼ガスや同伴する未燃ガスが油路100に侵入し、さらにクーリングチャンネル90を経てクランクケース側へ吹き抜けることが防止され、ブローバイの増加やピストン1の耐久性低下を防止することができる。
また、燃焼ガスの圧力が高い場合には、セカンドリングRがオイル供給孔101を実質的に閉塞することによって、高温高圧の燃焼ガスや同伴する未燃ガスが油路100に侵入し、さらにクーリングチャンネル90を経てクランクケース側へ吹き抜けることが防止され、ブローバイの増加やピストン1の耐久性低下を防止することができる。
さらに、実施例においては、オイル供給孔101を3本のリング溝のうち中間に配置されたセカンドリング溝40に設けたことによって、例えばトップリング溝30に設けた場合に対して、オイル供給孔101部に作用する燃焼ガス圧力を抑制してピストン1の耐久性を確保することができ、また、3本のピストンリングとシリンダCとの摺動箇所に適切にオイルを供給することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)上述した実施例の内燃機関用ピストンは、例えば自動車用のディーゼルエンジンに適用されるものであったが、本発明はこれに限らず、例えばガソリンエンジン等の他種類のレシプロ内燃機関や、自動車用以外の内燃機関にも適用することができる。
(2)実施例の内燃機関用ピストンでは3本のピストンリング溝を有し、セカンドリング溝にオイル供給孔を設けているが、ピストンリング溝の本数やどのピストンリング溝にオイル供給孔を設けるかは適宜変更することができる。
(3)油路、オイル供給孔、クーリングチャンネル等の形状を含むピストンの形状は、上述した実施例の構成に限らず適宜変更することができる。
(4)各図面は便宜上ピストンの中心軸方向を鉛直として図示しているが、本発明はピストンの中心軸方向が鉛直方向に対して傾斜して配置されるエンジンや水平に配置されるエンジンにも適用することができる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)上述した実施例の内燃機関用ピストンは、例えば自動車用のディーゼルエンジンに適用されるものであったが、本発明はこれに限らず、例えばガソリンエンジン等の他種類のレシプロ内燃機関や、自動車用以外の内燃機関にも適用することができる。
(2)実施例の内燃機関用ピストンでは3本のピストンリング溝を有し、セカンドリング溝にオイル供給孔を設けているが、ピストンリング溝の本数やどのピストンリング溝にオイル供給孔を設けるかは適宜変更することができる。
(3)油路、オイル供給孔、クーリングチャンネル等の形状を含むピストンの形状は、上述した実施例の構成に限らず適宜変更することができる。
(4)各図面は便宜上ピストンの中心軸方向を鉛直として図示しているが、本発明はピストンの中心軸方向が鉛直方向に対して傾斜して配置されるエンジンや水平に配置されるエンジンにも適用することができる。
1 ピストン 10 冠部
11 冠面 12 燃焼室
20 スカート 21 ピストンピンボス
30 トップリング溝 40 セカンドリング溝
41 ヘッド側面部 42 クランク側面部
50 サードリング溝 60 トップリングランド
70 セカンドリングランド 80 サードリングランド
90 クーリングチャンネル 100 油路
101 オイル供給孔 C シリンダ
R セカンドリング
11 冠面 12 燃焼室
20 スカート 21 ピストンピンボス
30 トップリング溝 40 セカンドリング溝
41 ヘッド側面部 42 クランク側面部
50 サードリング溝 60 トップリングランド
70 セカンドリングランド 80 サードリングランド
90 クーリングチャンネル 100 油路
101 オイル供給孔 C シリンダ
R セカンドリング
Claims (3)
- レシプロ内燃機関のシリンダ内に挿入される内燃機関用ピストンであって、
外周面部の一部を内径側へ凹ませかつ周方向に延びて形成され、ピストンリングを収容するリング溝と、
オイル噴射手段から噴射されるオイルを、前記ピストンリングのクランク側の面部と対向する前記リング溝の内面部に設けられたオイル供給孔に供給する油路と
を備えることを特徴とする内燃機関用ピストン。 - 前記オイル供給孔は、前記ピストンの下死点側から上死点側への移動時、及び、前記ピストンリングへの燃焼ガス圧力の負荷時に、前記ピストンリングが当接することによって実質的に閉塞されること
を特徴とする請求項1に記載の内燃機関用ピストン。 - 前記オイル供給孔が設けられるリング溝は、前記ピストンに形成される複数のリング溝のうち、シリンダヘッド側から2番目に配置されたセカンドリング溝であること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用ピストン。
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