JP2015526632A - 油冷通路を有するピストンおよびその構成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2012年7月20日に提出された米国仮出願連続番号第61/674,120号の利益を主張し、その全体を引用によってここに援用する。
1.技術分野
本発明は、概して内燃機関に関し、特にピストンおよびそれらの構成方法に関する。
エンジンの製造業者は、限定はしないが燃費の向上、燃料燃焼の向上、油消費の削減、車両内での熱のその後の使用のための排気温度の上昇、シリンダボア内での圧縮負荷の増大、軽量化、およびエンジンの小型化を含む、エンジン効率と性能とを向上させるための要求の増大に直面している。従って、エンジンの燃焼室内の温度および圧縮負荷を増大させることが望ましい。しかしながら、燃焼室内の温度および圧縮負荷を増大させることによって、特にピストンの動作温度が240〜270℃を上回るとピストンに対する摩耗および物理的な要求が増大し、それにより、その潜在的な耐用寿命が縮まる。昇温が懸念される特定の領域は、ピストンの上側燃焼面に沿い、かつピストンの下冠領域などのピストンの内部領域内にある。
発明の一局面に従って構成された内燃機関のためのピストンは、製造において経済的であり、長い耐用寿命を呈する。ピストンは、上側燃焼面と、下冠領域を包囲する環状の冷却空洞とを有するピストン本体を備え、外壁が上側燃焼面から懸架し、環状リングベルト領域が上側燃焼面に隣接して外壁に形成される。リングベルト領域は、その中に形成された少なくとも1本のリング溝を有する。少なくとも1本の油路が、少なくとも1本のリング溝から冷却空洞に延在する。油路は、少なくとも1本のリング溝から径方向内方に懸架する第1の部分と、第1の部分から冷却空洞に径方向内方に上昇する第2の部分とを有する。
発明のこれらおよび他の局面、特徴および利点は、現在好ましい実施例および最良のモードについての以下の詳細な説明、添付の請求項、および添付図面に関連して考慮されると、より容易に十分に理解される。
図面をより詳細に参照して、図1は、たとえば高性能車両および大型トラックにおいて使用されるような新世代高性能ガスまたはディーゼルエンジンなどの内燃機関のシリンダボアまたはチャンバ(図示せず)における往復運動のために発明の一局面に従って構成されたピストン10を例示する。ピストン10は、一体構造の単一の材料片であるかもしくは互いに固定された多数の材料片であるかにかかわらず、鋳造もしくは鍛造された、またはピストンを構成する際に既知のいずれかの他の製造工程によって形成された本体12を有し、本体12はピストン10がそれに沿ってシリンダボア内を往復する中心長手軸線14に沿って延在する。本体12は、図1Aに最も良く例示されているように、上側冠16とも称される頂部と、下側冠18とも称される底部とを含む2つの部分を有し、それらは、溶接法、たとえば摩擦溶接工程などによって、たとえば摩擦溶接継手または継手17および19に沿って互いに固定して接合されている。本明細書における「鉛直方向」、「頂部」、「底部」、「上側」、および「下側」という言及は、ピストン10が使用の際にそれに沿って往復する鉛直方向の長手中心ピストン軸線14に沿って方向付けされているピストン10を基準とする。これは、相対的な構造体位置を説明するための便宜上のものであって、ピストンは傾斜して、または純粋に鉛直方位以外で設置され、作動し得ることが可能であるため、限定するものではない。下側冠18は、上側冠16から離れて延在して横方向に離間されたピンボア22をもたらす1対のピンボス20を有する。ピンボア22は、中心長手軸線14を概ね横切って延在するピンボア軸線24に沿って整列される。ピンボス20は、支柱部分28を介して正反対に離間されたスカート部分26に接合される。上側冠16は上側燃焼面30を有し、上側燃焼面30は、燃焼ボウル32が窪められて所望のガス流をシリンダボアに供給するものとして示される。本体12は、上側燃焼面30から懸架する、円筒状または実質的に円筒状の外壁34を有し、外壁34は、上側燃焼面30に直接隣接した、鉛直方向に延在する上側ランド36と、上側燃焼面30に隣接し、かつ上側燃焼面30および上側ランド36から鉛直方向に懸架する、外壁34に形成されたリングベルト領域38とを含む。環状のトロイド形状の冷却空洞40がリングベルト領域38から径方向内方に、かつリングベルト領域38と径方向に整列して形成される。冷却空洞40は、上側燃焼面30の直下に配置される下冠領域42のまわりに延在し、かつ下冠領域42を周方向に包囲する。リングベルト領域38には、圧縮リング溝44、ワイパリング溝46、および最下方の油リング溝48を含む複数のリング溝として示される少なくとも1本のリング溝が形成されている。少なくとも1本の油路50が油リング溝48から冷却空洞40に連続的に延在する。
Claims (23)
- 内燃機関のためのピストンであって、
上側燃焼面と、下冠領域を包囲する環状の冷却空洞とを有するピストン本体を備え、外壁が前記上側燃焼面から懸架し、環状リングベルト領域が前記上側燃焼面に隣接して前記外壁に形成され、前記リングベルト領域は、その中に形成された少なくとも1本のリング溝を有し、さらに、
前記少なくとも1本のリング溝から前記冷却空洞に連続的に延在する少なくとも1本の油路を備え、前記少なくとも1本の油路は、前記少なくとも1本のリング溝から径方向内方に懸架する第1の部分と、前記第1の部分から直接前記冷却空洞に径方向内方に上昇する第2の部分とを有する、ピストン。 - 前記冷却空洞は底面を有し、前記少なくとも1本の油路は、前記底面を通って延在する、請求項1に記載のピストン。
- 前記少なくとも1本の油路は、前記底面から上方に延在する管状部材を含む、請求項2に記載のピストン。
- 前記底面は、前記少なくとも1本の油路に沿ってその中を延在する座ぐりを有し、前記管状部材は、前記座ぐりに固定される、請求項3に記載のピストン。
- 前記管状部材は、前記底面との一体構造の材料片である、請求項3に記載のピストン。
- 前記ピストン本体は、下側部品に固定された上側部品を含み、前記少なくとも1本の油路は、前記下側部品に形成される、請求項1に記載のピストン。
- 前記冷却空洞から前記下冠領域に延在する油ポートをさらに含む、請求項1に記載のピストン。
- 前記ピストン本体は、一体構造の材料片である、請求項1に記載のピストン。
- 前記第2の部分は、前記外壁を通って前記冷却空洞内へと延在する貫通孔として形成され、前記外壁に隣接して前記貫通孔に配置されたプラグをさらに含む、請求項1に記載のピストン。
- 前記第1および第2の部分は交点において互いに交差し、前記プラグは、前記交点と前記外壁との間にある、請求項9に記載のピストン。
- 前記第1の部分は、前記外壁の周りに延在する環状溝として形成される、請求項1に記載のピストン。
- 前記第2の部分は、前記外壁を通って前記冷却空洞内へと延在し、前記第1の部分と交差する貫通孔として形成される、請求項11に記載のピストン。
- ピストンを構成する方法であって、
上側燃焼面と、下冠領域を包囲する環状の冷却空洞とを有するピストン本体を形成することを含み、外壁は、前記上側燃焼面から懸架する環状リングベルト領域を含み、さらに、
前記リングベルト領域にリング溝を形成することと、
前記リング溝から径方向内方に懸架する油路の第1の部分と、前記第1の部分から前記冷却空洞に径方向内方に上昇する第2の部分とを形成することによって、前記リング溝から前記冷却空洞に連続的に延在する少なくとも1本の油路を形成することとを含む、方法。 - 前記冷却空洞の底面を通って延在する前記油路を形成することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 前記冷却空洞の前記底面から上方に延在する管状部材を有する前記油路の一部分を形成することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
- 前記冷却空洞の前記底面へと延在する座ぐりに前記管状部材を固定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
- 前記底面との一体構造の材料片として形成された突起を通って延在する前記管状部材を形成することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
- 上側部品を下側部品に固定することによって前記ピストン本体を形成することをさらに含み、前記上側部品および前記下側部品は前記冷却空洞に接し、前記少なくとも1本の油路は、完全に前記下側部品に形成される、請求項13に記載の方法。
- 前記ピストン本体を一体構造の材料片として形成することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 前記冷却空洞から前記下冠領域に延在する油ポートを形成することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 前記外壁を通って前記冷却空洞へと延在する貫通孔として前記第2の部分を形成することをさらに含み、前記外壁に隣接して前記貫通孔にプラグを配置することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 前記外壁の外周縁の周りに延在する環状溝として前記第1の部分を形成することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 前記外壁を通って前記冷却空洞へと延在し、前記第1の部分と交差する貫通孔として前記第2の部分を形成することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
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