JP6046924B2 - レンズシステム、撮像システム及びレンズシステムの駆動制御方法 - Google Patents
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Description
また、レンズ本体と指令装置との接続は、コネクタを使用したケーブル接続により行われ、特許文献1のコネクタは20ピン構成であり、レンズ本体と指令装置間のケーブルもピン数と同じ20芯のケーブルが使用される。また、レンズ本体と指令装置間のケーブルは、レンズ本体の傍で操作するため、1m程度のものが標準的に用意されている。
上記構成ではレンズ本体と各指令装置とは多芯で長さ1m程度のケーブルで接続されており、また、複数の指令装置を接続する際はその指令装置分のケーブル本数を必要とする。このため、放送局での撮影現場では次の様な問題があった。
そこでこの問題を解決するため、例えば特許文献2では、レンズ本体と指令装置間の接続を無線化することにより、レンズ本体と指令装置とが離れた撮影においても、設置作業が容易でありかつ、信頼性を落とすことがない光学装置が開示されている。また特許文献2では、無線化に伴う電波干渉や指向性の影響を受けた場合でも、無線データ通信の信頼性を維持、向上する発明が開示されている。
そこで、本発明の目的は、レンズ本体と指令装置とが離れた撮影においても、設置作業が容易であり、かつ、撮影者の意図しないレンズ本体と指令装置間の通信切断が発生した場合でも、違和感のない自然な映像撮影が行える光学装置を提供することにある。
図1は、本発明のレンズシステムを含む撮像システムの実施例の全体の概略構成図を示し、レンズ本体20と、レンズ本体20が装着され該レンズ本体20によって形成される被写体像を撮像する撮像素子を有するカメラ本体10(撮像装置)と、カメラマンの操作による指令装置であるズームデマンド30、フォーカスデマンド40をケーブルにより有線接続した信号変換ユニット50とから成っている。レンズ本体20と信号変換ユニット50の間は、無線接続により通信がなされるように構成されている。
図2はカメラ本体10とレンズ本体20のブロック回路構成図である。カメラ本体10にはCCDからなる撮像素子101が設けられている。
レンズ本体20(レンズ装置)には、撮像素子101の光軸上に、可動光学部材である絞り201、ズームレンズ202、フォーカスレンズ203が配列されている。
絞り201、ズームレンズ202、フォーカスレンズ203には、それぞれの位置を検出する絞りポテンショメータ207、ズームポテンショメータ208、フォーカスポテンショメータ209が配置されている。更に、絞り201を駆動する絞りモータ204、ズームレンズ202を光軸方向に駆動するズームモータ205、フォーカスレンズ203を光軸方向に駆動するフォーカスモータ206が設けられている。絞りポテンショメータ207、ズームポテンショメータ208、フォーカスポテンショメータ209の出力は、それぞれ増幅器256、257、258及びA/D変換器259、260、261を経由してCPU240に入力される。また、CPU240からは、D/A変換器250、251、252及び増幅器253、254、255を経て、絞りモータ204、ズームモータ205、フォーカスモータ206をそれぞれ駆動制御する制御信号が出力される。
時系列位置信号変換手段284には、CPU240からの各スイッチアンサ信号d、デジタル通信アンサ信号e、f、gが接続されている。更に、時系列位置信号変換手段284の出力である時系列位置信号SAは、変調手段287を介して無線通信手段289に出力される。
また、D/A変換器276、277、278、増幅器279、280、281は、CPU240からズームデマンド30、フォーカスデマンド40に送出する絞り/ズーム/フォーカスアナログ位置信号a、b、cを生成する。
またCPU240からは無線通信手段289へ通信相手を指定する情報が出力されている。
図3はズームデマンド30、フォーカスデマンド40、信号変換ユニット50のブロック回路構成図であり、ズームデマンド30、フォーカスデマンド40は、ケーブル、コネクタ531、532、533を介して信号変換ユニット50に接続されている。
ズームデマンド30はズーム指令信号の他に、リターンスイッチ指令信号、VTRスイッチ指令信号、ショット命令信号、ショット記憶指令信号の各スイッチ指令信号を出力するようになっている。また、フォーカスデマンド40はフォーカス指令信号の他に、リターンスイッチ信号、VTRスイッチ信号、ショット命令信号、ショット記憶信号の各スイッチ指令信号を出力するようになっている。ここで、リターンスイッチは、現時点で実際に放送に使用されている画像を撮影装置のモニタ上に映し出させるためのスイッチである。VTRスイッチは、撮影装置で撮影している映像を映像信号として撮影装置から外部に出力するためのスイッチである。ショット命令は、予め記憶された所定のレンズ位置(ズーム、フォーカス)に撮影装置を駆動させるための命令である。ショット記憶指令は、ショット命令で移動させるためのレンズ位置を記憶させるための指令である。
信号変換ユニット50においては、コネクタ531、532、533を介して得られた信号が、時系列指令信号変換手段501に入力される。更にCPU590からの信号が、時系列指令信号変換手段501に出力される。これらの信号は、絞り/ズーム/フォーカスアナログ指令信号h、i、j、各スイッチ指令信号k、デジタル通信指令信号l、m、nである。時系列指令信号変換手段501において変換された時系列指令信号SBは、変調手段587を介して無線通信手段589に出力される。
またCPU590からは無線通信手段589へ通信相手を指定する情報が出力されている。
電源供給手段591から出力される電力は、コネクタ531、532、533を介してズームデマンド30、フォーカスデマンド40に接続されている。また、電源供給手段591の電源容量状態はCPU590に出力される。
無線通信手段289、589は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)等の規格化された通信方式を利用することができる。
図4は信号変換ユニット50の時系列指令信号変換手段501における処理フローチャート図である。ステップS100は時系列指令信号変換手段501での処理を開始する。ステップS101ではデマンド30、40からの各スイッチ指令信号kに含まれるリターンスイッチ信号を読み込み、その結果をステップS102で時系列指令信号SBに出力する。ステップS103では、デマンド30、40からの各スイッチ指令信号kに含まれるVTRスイッチ信号を読み込み、その結果をステップS104で時系列指令信号SBに出力する。
図6はレンズ本体20の指令信号変換手段282における処理フローチャート図である。ステップS200は指令信号変換手段282での処理スタートである。ステップS201で、時分割指令信号を読み込み、ステップS202で時分割指令信号がリターンスイッチ指令信号であるかを判断し、リターンスイッチ指令信号であればステップS203に、そうでなければステップS204に移行する。ステップS203では、その値を各スイッチ指令信号kを含むリターンスイッチ出力線に出力し、その後にステップS201に戻る。
また、時系列位置信号変換手段284での処理は、図4、図5に示した時系列指令信号変換手段501と同等であり、位置信号変換手段502での処理は図6に示した指令信号変換手段282と同等である。
次に、通信断要因判断手段292が実行する通信断の要因の判断方法について説明する。
通信断の要因として以下の要因が考えられる。
・R1:信号変換ユニット50の電源OFFにした場合
・R2:信号変換ユニット50が別のレンズ本体へ通信を切換えた場合
・R3:デマンド30、40と信号変換ユニット50の間のケーブルが抜かれた場合
・R4:信号変換ユニット50のバッテリが切れた場合
・R5:信号変換ユニット50がレンズ本体20の無線通信範囲の圏外に移動した場合
・R6:他の機器からの電波による無線通信の通信障害が発生した場合
上記要因の内、要因R1、R2、R3の場合は、使用者が意図的にレンズ本体20と信号変換ユニット50の通信を切断したと考えられる。一方要因R4、R5、R6の場合は、使用者が意図せずにレンズ本体20と信号変換ユニット50の通信を切断したと考えられる。意図的な切断及び意図しない切断のそれぞれに対しての指令値の設定方法に関しては後述で説明する。
次にこれらの要因の判断方法について説明する。
図7は無線通信手段をスペクトラム拡散の周波数ホッピング方式を使用して構成した場合のブロック回路構成図である。図2、図3と同機能については、同一符号を付し説明を省略する。
レンズ接続先設定入力手段701は、無線の接続先であるレンズ本体20を決定する設定値を入力するための入力手段であり、CPU590に接続されている。拡散符号変調手段702は、ホッピング周波数の拡散符号を生成するための変調手段であり、CPU590からの出力と接続されている。拡散周波数シンセサイザ703は、ホッピング周波数を生成する、発振周波数を高速に変更可能な信号発生器であり、拡散符号変調手段702と接続されている。拡散周波数変換手段704は、変調手段587からの出力信号を周波数拡散するための周波数変換手段であり、変調手段587と拡散周波数シンセサイザ703と接続されている。送信空中線705、受信空中線706は無線通信を行うためのアンテナである。
高周波増幅手段707で増幅された通信帯域信号ft1は、逆拡散周波数変換手段708に入力される。
I1:信号変換ユニット50が複数のレンズ本体20を操作する場合に、別のレンズ本体20を特定する情報(例えば拡散符号)
I2:信号変換ユニット50が複数のレンズ本体20を操作する場合に、他のレンズ本体20に接続を切り換えることを知らせる情報。
I3:信号変換ユニット50の電源状態(バッテリー容量)。
I4:信号変換ユニット50とズームデマンド30、フォーカスデマンド40の接続状態。
通信断要因判断手段714は、受信レベルL1、L3及び信号変換ユニット50の状態情報I2、I3、I4から、通信断の要因を判断する。
以上により、無線通信が切断された時の状況に基づいて、要因R1、R2、R4及び要因R3及び要因R5及び要因R6を特定することができる。
ズームデマンド30及びフォーカスデマンド40と信号変換ユニットの接続状態を、CPU590が監視し、デマンドが切断状態になると、I4の情報を、デジタル通信指令信号nを介して送信し、デマンドの切断状態をレンズ本体20に知らせる。通信断要因判断手段714は、I4の情報からデマンドが切断状態になったことを知ると、通信断の要因を要因R3と判断する。CPU590がデマンド30、40の接続状態を監視する方法としては、図9のような構成で、Pの電圧を監視し、Pの電圧がV1の時は切断状態、0Vの時は接続状態と判断する方法でも良い。またデマンド30、40が接続されている時は、電源591からデマンド30、40に電源が供給されているため、電源591の電圧を監視し、電圧が所定の電圧以下まで低下した場合にデマンド30、40が切断されたと判断してもよい。またデマンド30、40がそれぞれデジタル通信指令信号l、mを送信している場合は、デジタル通信指令解析手段713においてデジタル通信指令信号l、mの状態を監視する方法でも良い。
まず、信号変換ユニット50が別のレンズ本体へ通信を切換えた場合(R2)の判断方法について説明する。レンズ接続先設定入力手段701で、無線通信先の切り換えが発生した場合、CPU590はI1、I2の情報を、デジタル通信指令信号nを介して送信し、無線接続先を切換えることをレンズ本体20に知らせる。CPU590はI1、I2の情報を送信後、拡散符号変調手段702へ、切換える無線通信先を特定する情報を出力し、無線通信先を変更する。通信断要因判断手段714は、I2の情報(信号変換ユニット50が複数のレンズ本体20を操作する場合に、他のレンズ本体20に接続を切り換えることを知らせる情報)を受け取り後、無線通信が通信断状態になると、通信断の要因を要因R2と判断する。
通信断要因判断手段714は、信号変換ユニット50との無線通信断状態を検出すると、I1の情報で予め知っている、信号変換ユニット50が接続する可能性のある別のレンズ本体20の識別情報を逆拡散符号変調手段710に出力する。通信断要因判断手段714は、受信レベルL3を監視し、ある規定時間内に、受信レベルL3が規定閾値以上であると判断すると、信号変換ユニット50が別のレンズ本体20へ無線通信相手を切換えたと判断する。つまり通信断の要因を要因R2と判断する。
信号変換ユニット50の電源OFFにした場合(R1)の判断方法については、通信断が発生した場合に、要因R2〜R6以外の要因と判断された時に、要因R1による通信断と判断する。
図10は要因R1〜R6の判断を行うフローチャート図である。このフローチャートは無線通信状態が接続状態の時に実行される。
S302では、I4の情報を監視し、信号変換ユニット50とデマンド30、40の接続状態が切断状態となり、ケーブルが抜かれたと判断した場合は、S303に移行する。ケーブルが抜かれていないと判断した場合は、そのまま通信断の判断処理を終了する。
S303では、通信断の要因をR3と判断し、通信断の判断処理を終了する。
S304では、受信レベルL1の変化量が規定時間内に、規定値以上になった場合は、妨害電波受信と判断し、S305に移行する。それ以外はS306に移行する。
S305では、通信断の要因をR6と判断し、通信断の判断処理を終了する。
S306では、受信レベルL3の過去一定期間の変化率をチェックし、変化率が単位時間当たり一定値以下の変化率の場合は、レンズ本体20と信号変換ユニット50との距離が徐々に離れ無線通信圏外になったと判断し、S307に移行する。
S308では、信号変換ユニット50が別のレンズ本体20と通信中かどうかをチェックし、別のレンズ本体20と通信中と判断した場合は、S309に移行する。
S309では、通信断の要因をR2と判断し、通信断の判断処理を終了する。
S310では、I3の情報から、信号変換ユニット50のバッテリ低下と
による通信断と判断した場合は、S311に移行する。それ以外はS313に移行する。
S311では、通信断の要因をR4と判断し、通信断の判断処理を終了する。
S313では、通信断の要因をR1と判断し、通信断の判断処理を終了する。
以上により、レンズ本体20側で、通信断の要因を特定し、通信断の要因に応じた処理を行うことができる。
開始後、S401では、信号変換ユニット50との無線通信状態が接続状態であるかどうかをチェックする。接続状態と判断した場合は、S402へ移行する。それ以外はS406に移行する。
ここで位置指令値の場合、CPU240は、指令値の位置に駆動対象が駆動するように制御する。一方、速度指令値の場合は、駆動対象を速度指令値の速度で駆動するように制御する。この時、速度指令値が0の場合は、駆動対象が現在位置に停止するように制御する。
S404では、現在の位置指令値を元に駆動対象の位置制御を実施し、処理を終了する。
S405では、現在の速度指令値(最新の信号変換ユニット50から受信した速度指令値)に基づき駆動対象の速度制御を実施し、処理を終了する。
無線通信状態が切断と判断されてS401から分岐したS406では、無線通信が切断される直前に信号変換ユニット50から受信した指令値が位置指令値か速度指令値かを判断する。指令値が位置指令値の時はS407へ移行する。それ以外はS410に移行する。
S408では、S403で記憶した位置指令値に基づき駆動対象の位置制御を実施し、処理を終了する。ここで、S403で記憶した位置指令値による制御の代わりに、駆動対象を停止させる制御を行っても良い。
S409では、予め定められた初期位置へ駆動対象を駆動させ、処理を終了する。
S410では、駆動対象を停止させ、処理を終了する。
以上の処理により、使用者が意図しない通信断が発生したとしても、通信断の要因に合わせて駆動対象を制御できるため、使用者に違和感のないレンズ操作を実現することができる。
また、S407の処理で、意図しない通信断の発生かつ映像撮影中又は放送中である場合にS408に移行する方法でも良い。この場合は、図1のカメラ本体10とレンズ本体20間に不図示の通信手段を設け、この通信手段から、映像撮影中又は放送中の情報を取得することができる。
また、実施例の説明においては、光学可動部材として絞り201、ズームレンズ202、フォーカスレンズ203を示したが、その他の可動光学部材としてエクステンダレンズやイメージスタビライザ等やフランジバック調整用マクロレンズがある。これらを指令制御するようにしても、同様の効果が得られる。
図12は通信断発生時前後の位置指令値の変化の様子を示している。図12のT0は通信断が発生した時間を示し、P0はその時の位置指令値を示している。また、P-2、P-1、P0、P1はそれぞれ、T-2、T-1、T0、T1の時間における位置指令値を示している。T-2、T-1、T0、T1のそれぞれの時間間隔は規定時間Tbである。
ΔPi=P-1−P0 ・・・ (1)
ΔV=ΔPi−ΔPi-1 ・・・ (2)
ΔPi-1=P-2−P-1 ・・・ (2a)
位置指令値変化率が一定であることを仮定して、位置指令値変化量ΔPi及び位置指令値変化率ΔVからT0以降の位置指令値の変化を予想し、算出することができる。
Pn=Pn-1+(ΔPi+ΔV×n) ・・・ (3)
ここでPn-1は、Tnより規定時間Tb前(Tn-1)の位置指令値を示す。
ここでTmはT0から一定時間Tw経過後の時間を示し、Pm-2、Pm-1、Pm、Pm+1、Pm+2はそれぞれTm-2、Tm-1、Tm、Tm+1、Tm+2の時間における位置指令値を示している。Tm-2、Tm-1、Tm、Tm+1、Tm+2のそれぞれの時間間隔は規定時間Tbである。
開始後、S501では、通信断発生時刻T0を記憶し、S502に移行する。
S502では、直前の位置指令値Pbに通信断直前に受信した位置指令値Piを設定し、S503に移行する。
S503では、直前の位置指令値変化量ΔPbに通信断直前の規定時間Tbあたりの位置指令値変化量ΔPiを設定し、S504に移行する。
S504では、位置指令値変化率ΔVに式2で算出した値を設定し、S505に移行する。
S505では、位置指令値変化量ΔPに、直前の位置指令値変化量ΔPb+位置指令値変化率ΔV、の値を設定し、S506に移行する。
S507では、位置指令値Pにより駆動対象の位置制御を行い、S508に移行する。
S508では、通信断発生時刻T0後、一定時間Tw経過しているかを判断し、経過していなければS509に進む。それ以外はS512に進む。
S509では、規定時間Tb経過するまで待ち、S510に進む。
S510では、直前の位置指令値Pbを位置指令値Pに更新し、S511に進む。
S512では、位置指令値変化量ΔPが0であるかどうか(停止した状態を指令しているかどうか)判断し、0であれば(停止していれば)S513に進む。それ以外は(移動を指令している場合は)S519に進む。
S513では、規定時間Tb経過するまで待ち、S514に進む。
S514では、位置指令値変化量ΔPにΔPb−ΔPsの値を設定し、S515に進む。ここでΔPsがΔPbより大きな値の時は、ΔPを0に設定する。
S515では、位置指令値PにPb+ΔPの値を設定し、S516に進む。
S517では、直前の位置指令値Pbを位置指令値Pで更新し、S518に進む。
S518では、直前の位置指令値変化量ΔPbを位置指令値変化量ΔPで更新し、S512に戻る。
S519では、位置指令値Pにより駆動対象の位置制御を行い、処理を終了させる。
ここでΔVを通信断直前の位置指令値変化量ΔPi及びそのTb時間前の位置変化量ΔPi-1の差分により求めているが、二つの値を乗算する等、別の算出手段でも良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
図15は実施例3のブロック回路構成図を示している。図2、3に示した機能と同じ機能については、同一符号を付し説明を省略する。
フォーカスデマンド40から絶対位置指令値Paが信号変換ユニット50に入力されると、CPU590は、無線通信手段589、289を介して、レンズ本体20のCPU240に絶対位置指令値Paを送信する。
レンズ本体20においてCPU240からDA252に位置指令値Pが出力されると、実施例1と同様の方法で、位置指令値Pを元にフォーカスレンズ203が駆動制御される。
信号変換ユニット50のCPU590は、レンズ本体20のCPU240から絶対位置指令値Pa受信応答を受け取った後に、フォーカスデマンド40から絶対位置指令値Paが入力されると、以下のようにレンズ本体20に位置指令を出力する。
DA252は、位置指令値Pが出力されると、実施例1と同様の方法で、位置指令値Pを元にフォーカスレンズ203を駆動制御する。
S602では、レンズ本体20との無線接続状態を確認し、接続状態になるまでS602の処理を続ける。レンズ本体20との無線接続状態を確認すると、S603に進む。
S603では、フォーカスデマンド40からの絶対位置指令値Paを取得し、S604に進む。
S604では、無線通信手段589を介して、レンズ本体20に絶対位置指令値Paを送信し、S605に進む。
S605では、レンズ本体20からの絶対位置指令値Pa受信応答を受信するために、一定時間待ち、S606に進む。
S607では、CPU590は、絶対位置指令値Pa同期時間Tdcを現在時間に設定し、S608に進む。ここで、絶対位置指令値Pa同期時間Tdcは、レンズ本体20と信号変換ユニット50間で絶対位置指令値Paの同期が行われた時間を示す。
S608では、レンズ本体20に送信した絶対位置指令値Paを直前の絶対位置指令値Pabとして記憶し、S609に進む。
S609では、フォーカスデマンド40から絶対位置指令値Paを取得し、S610に進む。
S610では、相対位置指令値算出手段1503は、S609でフォーカスデマンド40から取得した絶対位置指令値Paと直前の絶対位置指令値Pabとの差分を相対位置指令値Prとして算出し、S611に進む。
S612では、S609でフォーカスデマンド40から取得した絶対位置指令値Paを直前の絶対位置指令値Pabとして記憶し、S613に進む。
S613では、絶対位置指令値Pa同期時間Tdcから、所定の時間以上経過しているか否かを判断する。絶対位置指令値Pa同期時間Tdcから所定時間が経過している場合は、レンズ本体20との同期が必要であると判断しS603に戻る。それ以外はS614に進む。
S614では、無線通信手段589に対して、レンズ本体20との無線通信接続状態を確認し、接続状態であれば、S609に戻り、それ以外はS601に戻る。
図17は実施例3でのレンズ本体20のCPU240で行われる処理のフローチャートである。
S702では、無線通信手段289に対して、信号変換ユニット50との接続要求を行い、信号変換ユニット50との無線接続を開始させ、S703に進む。
S703では、信号変換ユニット50との無線接続状態を確認し、接続状態になるまでS703の処理を続ける。信号変換ユニット50との無線接続状態を確認すると、S704に進む。
S704では、信号変換ユニット50から送られてくる絶対位置指令値Paを受信したかどうかを確認し、絶対位置指令値Paを受信するまでS704の処理を続ける。絶対位置指令値Paを受信すると、S705に進む。
S705では、位置指令値Pに受信した絶対位置指令値Paを設定し、この位置指令値Pを元に、フォーカスレンズ203を駆動制御し、S706に進む。
S707では、無線通信手段289を介して、信号変換ユニット50に絶対位置指令値Pa受信応答を送信し、S708に進む。
S708では、信号変換ユニット50から相対位置指令信号Prを受信しているかを確認し、受信していれば、S709に進む。それ以外はS711に進む。
S709では、位置指定値算出手段2402は、位置指令値Pに、直前の位置指令値PbとS708で受信を確認した相対位置指令信号Prの加算値を設定し、CPU240は、この位置指令値Pを元に、フォーカスレンズ203を駆動制御し、S710に進む。
S710では、直前の位置指令値PbにS709で算出した位置指令値Pを設定し、S711に進む。
図16及び17に示した、信号変換ユニット50のCPU590、レンズ本体20のCPU240の処理のフローチャートを、図18に、フォーカスデマンド40、信号変換ユニット50,レンズ本体20の間の信号送受信の関係を示す。図16及び17の処理ステップと同じ番号を図18中に示す。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
40 フォーカスデマンド
50 信号変換ユニット
201 絞り
203 フォーカスレンズ
240 CPU
289 無線通信手段
502 位置信号変換手段
589 無線通信手段
590 CPU
Claims (11)
- 可動光学部材を含むレンズ装置と、該可動光学部材への指令信号を生成する指令装置と、該指令装置と有線接続し該レンズ装置と無線通信する信号変換ユニットを備える、レンズシステムであって、
該レンズ装置は、
該指令信号に基づいて該可動光学部材の駆動を制御する駆動制御手段と、
該信号変換ユニットと無線通信する無線通信手段と、
を有し、
該駆動制御手段は、前記信号変換ユニットと前記無線通信手段の通信状態を検出し、ユーザ操作に基づく前記信号変換ユニットと前記無線通信手段の間の第一の無線通信断の場合と、前記第一の無線通信断と異なる要因で発生した第二の無線通信断の場合とにおいて、該可動光学部材を互いに異なる駆動制御とする、
ことを特徴とするレンズシステム。 - 前記レンズ装置は、前記信号変換ユニットとの前記無線通信が切断された要因が前記第一の無線通信断か前記第二の無線通信断かを特定する、通信断要因判断手段を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズシステム。
- 前記通信断要因判断手段は、前記無線通信の電波強度を検出する手段を含み、
前記無線通信の前記電波強度の単位時間あたりの変化量が一定値以下の割合で低下した後に通信が切断された場合に、前記第二の無線通信断であると特定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のレンズシステム。 - 前記通信断要因判断手段は、前記信号変換ユニットから送信される該信号変換ユニットの電源の電圧を監視する手段を含み、
該通信断要因判断手段によって監視されている該信号変換ユニットの電源の電圧が所定の電圧以下となった後に通信が切断された場合に、前記第二の無線通信断であると特定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のレンズシステム。 - 前記通信断要因判断手段は、前記レンズ装置の前記無線通信手段で受信された通信帯域信号の全体の強度が大きくなった後に、通信が切断された場合に、前記第二の無線通信断であると特定する、ことを特徴とする請求項2に記載のレンズシステム。
- 前記レンズ装置は、前記指令装置からの指令信号を記憶する記憶手段を有し、
前記駆動制御手段は、前記無線通信が前記第二の無線通信断で切断された場合は、記憶された最新の該指令信号に基づいて指令値を決定し、前記可動光学部材を駆動制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレンズシステム。 - 前記レンズ装置は、前記指令信号の時系列変化を演算する演算手段を有し、
前記駆動制御手段は、前記無線通信が前記第二の無線通信断で切断された場合は、記憶された最新の該指令信号と指令信号の時系列変化に応じて、前記可動光学部材を駆動制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載のレンズシステム。 - 前記指令信号は、前記可動光学部材の駆動する位置を指令する位置指令信号であり、
前記第二の無線通信断は、該位置指令信号が変化している状況で無線通信が切断された場合であり、
前記駆動制御手段は、前記無線通信が前記第二の無線通信断で切断された場合は、記憶された最新の位置指令信号と、該位置指令信号の時系列変化から得られる速度と該速度の変化量に基づいて、前記可動光学部材を駆動制御し、前記無線通信が前記第二の無線通信断で切断されたまま所定の時間が経過した場合は、所定の時間ごとに、記憶された最新の位置指令信号と、記憶された最新の速度より所定量だけ小さい速度とに基づいて位置指令信号を設定し、前記可動光学部材が停止するまで前記可動光学部材を駆動制御する、
ことを特徴とする請求項7に記載のレンズシステム。 - 前記レンズ装置の前記記憶手段は、前記指令装置からの絶対位置指令信号を記憶し、
前記駆動制御手段は、前記可動光学部材の絶対位置である基準位置と、該基準位置に対する相対位置を示す相対位置指令値と、から該可動光学部材を駆動する位置指令信号を生成し、
前記無線通信が前記第二の無線通信断で切断された場合は、生成された最新の該指令信号に応じて該可動光学部材を駆動制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載のレンズシステム。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のレンズシステムと、該レンズシステムによって形成される被写体像を撮像する撮像素子を有する撮像装置と、を含む撮像システム。
- 請求項9に記載のレンズシステムの可動光学部材の駆動制御方法であって、
前記指令装置からの前記可動光学部材の絶対位置指令信号を、前記信号変換ユニットと前記レンズ装置のそれぞれにおいて、所定の時間ごとに絶対位置指令値として記憶し、
該絶対位置指令値を記憶した後は、該信号変換ユニットは、該指令装置からの絶対位置指令信号の、該絶対位置指令値に対する相対位置を相対位置指令値として、該レンズ装置に送信し、該レンズ装置は、該信号変換ユニットから受信した、該相対位置指令値と記憶されている前記絶対位置指令値とに基づいて位置指令信号を生成し、該位置指令信号に基づいて該可動光学部材を駆動制御し、
該信号変換ユニットと該レンズ装置との無線通信が切断された場合は、該レンズ装置は、生成された最新の該指令信号に応じて該可動光学部材を駆動制御する、
ことを特徴とするレンズシステムの可動光学部材の駆動制御方法。
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