JP2020064301A - 撮像装置、アクセサリ装置及びこれらの制御方法 - Google Patents

撮像装置、アクセサリ装置及びこれらの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アダプタと個別に通信すること。【解決手段】 アダプタ300を例とするアクセサリ装置を装着することができるカメラ本体200は、ブロードキャスト通信モードにおいて、帯域占有コマンドを、信号線DATAを介して送信することに対応してブロードキャスト通信モードからP2P通信モードに遷移させる。帯域占有コマンドの送信は、スマートフォン2000との通信状態と、アダプタ300の識別情報とに応じて行われる。【選択図】 図16

Description

本発明は、撮像装置とアクセサリ装置との通信に関する。
撮像装置(以下、カメラ本体とも称する)に対してアクセサリ装置である交換レンズを装着することができるレンズ交換型カメラシステムでは、カメラ本体と交換レンズとが相互に通信を行う。この際、画質や応答性の高い撮像処理や画像記録、さらに滑らかな絞り制御やフォーカス制御等の撮像制御を実現するために、大容量かつリアルタイム性の高いデータ通信を行う必要がある。
これと同様に、カメラ本体と、交換レンズとカメラ本体との間に装着されるアクセサリ装置であるアダプタと、においても、相互に通信を行うことができる構成が求められている。カメラ本体と交換レンズとの間にワイドコンバータやテレコンバータ(エクステンダ)等のアダプタが装着される場合がある。このようなアダプタをユーザが操作可能である場合には、アダプタも交換レンズと同様にカメラ本体と通信を行う必要があるためである。
特許文献1には、カメラ本体と交換レンズとの間にアダプタが装着された場合に、該アダプタによる光学パラメータの変化を補正するようにしたカメラシステムが開示されている。
特開2006−171392号公報
特許文献1によれば、カメラ本体はアダプタの光学特性を考慮した交換レンズの光学パラメータを取得することが可能である。しかしながら、特許文献1に開示された構成では交換レンズとアダプタとの通信を踏まえた交換レンズとカメラ本体との通信、もしくはアダプタを介した交換レンズとカメラ本体との通信が行われるにすぎない。このため、特許文献1に開示された構成では、カメラ本体がアダプタと個別に通信するための構成や通信制御については開示されていない。
そこで本発明は、アダプタと個別に通信することができる撮像装置、アクセサリ装置、及びこれらの制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、アクセサリ装置を装着することができる撮像装置であって、外部装置との通信を実行する第1の通信部と、前記アクセサリ装置との通信を実行する第2の通信部と、前記アクセサリ装置との前記第2の通信部を介した初期通信を第1の通信方式によって制御する通信制御部と、を有し、前記通信制御部は、前記外部装置との前記第1の通信部を介した通信によって取得した情報を前記アクセサリ装置へと転送する第2の通信方式による通信を実行可能か否かに対応する情報を、前記初期通信によって取得し、当該情報に基づいて前記第2の通信方式による通信に移行させるよう構成したことを特徴とする。
また、本発明の別の側面は、外部装置との通信を実行する第1の通信部を有する撮像装置に装着することができるアクセサリ装置であって、前記撮像装置との通信を実行する第2の通信部と、前記撮像装置との前記第2の通信部を介した初期通信を第1の通信方式によって制御する通信制御部と、を有し、前記通信制御部は、前記外部装置との前記第1の通信部を介した通信によって取得した情報を前記アクセサリ装置へと転送する第2の通信方式による通信を実行可能か否かに対応する情報を、前記初期通信において送信し、当該情報に対応して前記第2の通信方式による通信に移行させるよう構成したことを特徴とする。
本発明によれば、アダプタと個別に通信することができる。
本発明の実施例1におけるカメラシステムの構成を示すブロック図。 実施例1における第1通信の通信経路を示す図。 実施例1における第2通信の通信経路を示す図。 実施例1における第2通信をクロック同期式で実現する場合の信号波形を示す図。 実施例1における第1通信の通信フォーマットを示す図。 実施例1における第2通信を調歩同期式で実現する場合の信号波形を示す図。 実施例1におけるブロードキャスト通信での通信波形を示す図。 実施例1におけるブロードキャスト通信での通信波形を示す別の図。 実施例1におけるP2P通信での通信波形を示す図。 実施例1における通信モード切替え時の通信波形を示す図。 実施例1におけるブロードキャスト通信でのカメラ本体の処理を示すフローチャート。 実施例1におけるブロードキャスト通信での交換レンズおよびアダプタの処理を示すフローチャート。 実施例1におけるP2P通信でのカメラ本体の処理を示すフローチャート。 実施例1におけるP2P通信での交換レンズおよびアダプタの処理を示すフローチャート。 実施例1におけるアダプタの操作部材の操作に応じた制御のシーケンスを示す図。 本発明の実施例2におけるアダプタの操作部材の操作に応じた制御のシーケンスを示す図。 実施例1におけるアダプタの処理を示すフローチャート。 実施例1におけるカメラ本体の処理を示すフローチャート。 実施例1における交換レンズの処理を示すフローチャート。 実施例3におけるアダプタの操作部材の操作に応じた制御のシーケンスを示す図。 本発明の実施例4におけるスマートフォンの構成を示すブロック図。 実施例4におけるカメラ本体の処理を示すフローチャート。 実施例5におけるスマートフォンによるカメラ本体を介したアダプタのファームウェア更新のシーケンスを示す図。 実施例5におけるカメラ本体の処理を示すフローチャート。 実施例5におけるスマートフォンの処理を示すフローチャート。 実施例5におけるアダプタの処理を示すフローチャート。 実施例5におけるファームウェア更新処理の画面表示例を示す図。 実施例6におけるカメラシステムの構成を示すブロック図。 実施例6における帯域占有通信での通信波形を示す図。 実施例6におけるスマートフォンの操作に応じた制御のシーケンスを示す図。 実施例6におけるカメラの処理を示すフローチャート。 実施例6におけるスマートフォンの処理を示すフローチャート。 実施例6におけるアダプタの処理を示すフローチャート。 実施例6におけるアダプタの雲台駆動モータの駆動制御処理における画面表示例を示す図。 実施例6における帯域占有通信モードでの帯域占有通信の通信波形を示す図。 実施例6における帯域占有通信でのカメラ本体の処理を示すフローチャート。 実施例6における帯域占有通信でのアダプタの処理を示すフローチャート。 実施例7における帯域占有通信モードでの帯域占有通信の別例の通信波形を示す図。 実施例7における帯域占有通信の別例でのカメラ本体の処理を示すフローチャート。 実施例7における帯域占有通信の別例でのアダプタの処理を示すフローチャート。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
<カメラシステムの構成>
図1には、本発明の実施例1である撮像装置(以下、カメラ本体という)200と、交換レンズ100および中間アクセサリ装置の一例であるアダプタ装置(以下、単にアダプタという)300を含む撮像システム(以下、カメラシステムという)の構成を示す。本実施例のカメラ本体200は、交換レンズ100とアダプタ300がともに装着された状態で使用可能である。
図1には例として1つのアダプタ300がカメラ本体200と交換レンズ100の間に装着されるカメラシステムを示すが、複数のアダプタを連結してカメラ本体200と交換レンズ100の間に装着してもよい。
本実施例のカメラシステムでは、複数の通信方式を用いて、カメラ本体200と交換レンズ100およびアダプタ300との間で通信を行う。カメラ本体200、交換レンズ100およびアダプタ300は、それぞれの第1通信部を介して制御コマンドやデータ(情報)の伝送を行う。また、各第1通信部は複数の通信方式をサポートしており、通信するデータの種類や通信目的に応じて、互いに同期して同一の通信方式に切り替えることにより、様々な状況に対して最適な通信方式を選択することができる。
また、本実施例のカメラシステムでは、カメラ本体200、交換レンズ100およびアダプタ300の各第1の通信部を介して通信する経路のほかに、カメラ本体200および交換レンズ100の第2通信部を介して通信する経路を有している。
まず、交換レンズ100、カメラ本体200およびアダプタ300のより具体的な構成について説明する。
交換レンズ100とアダプタ300は、結合機構であるマウント400を介して機械的および電気的に接続されている。同様に、アダプタ300とカメラ本体200は、結合機構であるマウント401を介して機械的および電気的に接続されている。なお、マウント400は交換レンズ100が有するマウントとアダプタ300が有するマウントとが結合した状態を模式的に示すものであり、これらのマウントが互いに着脱可能である。また、マウント401はアダプタ300が有するマウントとカメラ本体200が有するマウントとが結合した状態を模式的に示すものであり、これらのマウントが互いに着脱可能である。
交換レンズ100、アダプタ300、カメラ本体100の各々が有するマウントのマウント面には後述の通信端子が設けられている。マウント400又はマウント401のように各ユニットがマウントを介して接続されている状態において、対応する通信端子同士が接触することで、通信端子を介した通信が可能となる。
交換レンズ100およびアダプタ300は、マウント400、401に設けられた電源端子(図示せず)を介してカメラ本体200から電源を取得する。そして、後述する各種アクチュエータや、レンズマイクロコンピュータ111およびアダプタマイクロコンピュータ302の動作に必要な電源を供給する。交換レンズ100、カメラ本体200およびアダプタ300は、マウント400、401に設けられた通信端子(後述)を介して相互に通信を行う。
交換レンズ100は、撮像光学系を有する。撮像光学系は、被写体OBJ側から順に、フィールドレンズ101と、変倍を行う変倍レンズ102と、光量を調節する絞りユニット114を含む。さらに、撮像光学系は、像振れを低減(補正)する防振レンズ103と、焦点調節を行うフォーカスレンズ104とを含む。
変倍レンズ102とフォーカスレンズ104はそれぞれ、レンズ保持枠105、106により保持されている。レンズ保持枠105、106は、不図示のガイド軸により光軸方向(図中に破線で示す)に移動可能にガイドされており、ステッピングモータ107、108によって光軸方向に駆動される。ステッピングモータ107、108はそれぞれ、駆動パルスに同期してズームレンズ102およびフォーカスレンズ104を移動させる。
防振レンズ103は、撮像光学系の光軸に直交する方向にシフトすることで、カメラ振れ(手振れ等)に起因する像振れを低減する。
レンズマイクロコンピュータ(以下、レンズマイコンという)111は、交換レンズ100内の各部の動作を制御するレンズ制御部である。また、レンズマイコン111は、レンズ通信インターフェース回路を含むレンズ第1の通信部112を介して、カメラ本体200から送信された制御コマンドや送信要求コマンドを受信する。レンズマイコン111は、制御コマンドに対応するレンズ制御を行ったり、レンズ第1の通信部112を介して送信要求コマンドに対応するレンズデータをカメラ本体200に送信したりする。
また、レンズマイコン111は、制御コマンドのうち変倍やフォーカシングに関するコマンドに応答してズーム駆動回路119およびフォーカス駆動回路120に駆動信号を出力してステッピングモータ107、108を駆動させる。これにより、ズームレンズ102による変倍動作を制御するズーム処理やフォーカスレンズ104による焦点調節動作を制御するAF(オートフォーカス)処理を行う。
絞りユニット114は、絞り羽根114a、114bを備えている。絞り羽根114a、114bの状態(位置)は、ホール素子115により検出される。ホール素子115からの出力は、増幅回路122およびA/D変換回路123を介してレンズマイコン111に入力される。レンズマイコン111は、A/D変換回路123からの入力信号に基づいて絞り駆動回路121に駆動信号を出力して絞りアクチュエータ113を駆動させる。これにより、絞りユニット114による光量調節動作を制御する。
さらに、レンズマイコン111は、交換レンズ100内に設けられた振動ジャイロ等の振れセンサ(不図示)により検出されたカメラ振れに応じて、防振駆動回路125を介して防振アクチュエータ(ボイスコイルモータ等)126を駆動する。これにより、防振レンズ103のシフト動作(防振動作)を制御する防振処理が行われる。
また交換レンズ100は、ユーザにより回転操作可能なマニュアル操作リング(いわゆる電子リング)130とリング回転検出器131を有する。リング回転検出器131は、例えばマニュアル操作リング130の回転に応じて2相の信号を出力するフォトインタラプタにより構成されている。レンズマイコン111は、該2相の信号を用いて、マニュアル操作リング130の回転操作量(方向を含む)を検出することができる。また、レンズマイコン111はマニュアル操作リング130の回転操作量を、レンズ第1の通信部112を介してカメラマイコン205に通知することができる。
アダプタ300は、例えば焦点距離を変更するためのエクステンダであり、変倍レンズ301と、アダプタマイクロコンピュータ(以下、アダプタマイコンという)302とを有する。アダプタマイコン302は、アダプタ300内の各部の動作を制御するアダプタ制御部(アクセサリ制御部、通信制御部とも称する)である。また、アダプタマイコン302は、通信インターフェース回路を含むアダプタ第1の通信部(アクセサリ通信部)303を介して、カメラ本体200から送信された制御コマンドや送信要求コマンドを受信する。アダプタマイコン302は、制御コマンドに対応するアダプタ制御を行ったり、アダプタ第1の通信部303を介して送信要求コマンドに対応するアダプタデータをカメラ本体200に送信したりする。本実施例では、アダプタ300がエクステンダである場合を説明するが、焦点距離を変化させるワイドコンバータでもよいし、フランジバック長を変化させるマウントコンバータでもよい。
またアダプタ300は、交換レンズ100と同様に、ユーザにより回転操作可能な操作部材としてのアダプタ操作リング(いわゆる電子リング)310とリング回転検出器311を有する。リング回転検出器311も、交換レンズ100のリング回転検出器131と同様に、例えばアダプタ操作リング310の回転に応じて2相の信号を出力するフォトインタラプタにより構成されている。アダプタマイコン302は、該2相の信号を用いて、アダプタ操作リング310の回転操作量(方向を含む)を検出することができる。またアダプタマイコン302は、アダプタ操作リング310の回転操作量を、アダプタ第1の通信部303を介してカメラマイコン205に通知することができる。
なお、アダプタ300に設けられる操作部材は操作リング以外のもの、例えばスイッチ、ボタン、タッチパネルでもよい。また、アダプタ300に複数の操作部材を設けてもよい。
カメラ本体200は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子201と、A/D変換回路202と、信号処理回路203と、記録部204と、カメラマイクロコンピュータ(以下、カメラマイコンという)205と、表示部206とを有する。
撮像素子201は、交換レンズ100内の撮像光学系により形成された被写体像を光電変換して電気信号(アナログ信号)を出力する。A/D変換回路202は、撮像素子201からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理回路203は、A/D変換回路202からのデジタル信号に対して各種画像処理を行って映像信号を生成する。また、信号処理回路203は、映像信号から被写体像のコントラスト状態(撮像光学系の焦点状態)を示すフォーカス情報や露出状態を表す輝度情報も生成する。信号処理回路203は、映像信号を表示部206に出力し、表示部206は映像信号を構図やピント状態等の確認に用いられるライブビュー画像として表示する。
カメラ制御部としてのカメラマイコン(通信制御部とも称する)205は、不図示の撮像指示スイッチおよび各種設定スイッチ等のカメラ操作部材からの入力に応じてカメラ本体200の制御を行う。また、カメラマイコン205は、通信インターフェース回路を含むカメラ第1の通信部208を介して、不図示のズームスイッチの操作に応じてズームレンズ102の変倍動作に関する制御コマンドをレンズマイコン111に送信する。さらに、カメラマイコン205は、カメラ第1の通信部208を介して、輝度情報に応じた絞りユニット114の光量調節動作やフォーカス情報に応じたフォーカスレンズ104の焦点調節動作に関する制御コマンドをレンズマイコン111に送信する。またカメラマイコン205は、必要に応じて交換レンズ100の制御情報や状態情報を取得するための送信要求コマンドをレンズマイコン111に送信する。さらにカメラマイコン205は、アダプタ300の制御情報や状態情報を取得するための送信要求コマンドをアダプタマイコン302に送信する。
通信部209は、外部装置と接続するためのインターフェースである。本実施形態のカメラ本体200は、通信部209を介して、外部装置とデータのやりとりを行うことができる。例えば、信号処理回路203で生成した画像データを、通信部209を介して外部装置に送信することができる。なお、本実施形態では、通信部209は外部装置とIEEE802.11の規格に従った、いわゆる無線LANで通信するためのインターフェースを含む。カメラマイコン205は、通信部209を制御することで外部装置との無線通信を実現する。なお、通信方式は無線LANに限定されるものではなく、例えば赤外通信方式も含む。
また、通信部209は、例えば無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するため変復調回路や通信コントローラを有する近接無線通信部であっても良い。この場合、通信部209は、変調した無線信号をアンテナから出力する。また、アンテナで受信した無線信号を復調することでISO/IEC 18092の規格(いわゆるNFC:Near Field Communication)に従った非接触近接通信を実現する。カメラ本体200が有する近接無線通信部としての通信部209と、スマートフォン等の外部装置が有する近接無線通信部とを近接させることにより通信を開始して接続される。なお、近接無線通信部を用いて接続させる場合、必ずしも近接無線通信部同士を接触させる必要はない。近接無線通信部は一定の距離だけ離れていても通信することができるため、互いの機器を接続するためには、近接無線通信可能な範囲まで近づければよい。以下の説明では、この近接無線通信可能な範囲まで近づけることを、近接させる、とも記載する。また、互いの近接無線通信部が近接無線通信不可能な範囲にあれば、通信は開始されない。また、互いの近接無線通信部が近接無線通信可能な範囲にあって通信接続されている際に、互いの近接無線通信部が近接無線通信不可能な範囲に離れてしまった場合は、通信接続が解除される。なお、近接無線通信部が実現する非接触近接通信はNFCに限られるものではなく、他の無線通信を採用してもよい。例えば、ISO/IEC 14443の規格に従った非接触近接通信を採用してもよい。
また、別の例として、通信部209は、例えば無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するため変復調回路や通信コントローラを有する近距離無線通信部であっても良い。この場合、通信部209は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することによりIEEE802.15の規格(いわゆるBluetooth(登録商標))に従った近距離無線通信を実現する構成であっても良い。本実施形態においてBluetooth(登録商標)通信は、低消費電力であるBluetooth(登録商標) Low Energyのバージョン4.0を採用する。このBluetooth(登録商標)通信は、無線LAN通信と比べて通信可能な範囲が狭い(つまり、通信可能な距離が短い)。また、Bluetooth(登録商標)通信は、無線LAN通信と比べて通信速度が遅い。その一方で、Bluetooth(登録商標)通信は、無線LAN通信と比べて消費電力が少ない。
なお、通信部209は、カメラ本体200と外部装置とがケーブル等によって接続されることで有線通信を行う構成であっても良い。
<第1通信に係る通信経路>
次に、カメラマイコン205の通信部208と、アダプタマイコン302の通信部303と、レンズマイコン111の通信部112との間に構成される通信経路について、図2Aを用いて説明する。この通信経路で行われる通信を第1通信とも称する。
カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、前述したマウント400、401に設けられた通信端子を介して接続された信号線(チャネル)を用いて通信を行う。
マウント400には、交換レンズ100が有するマウント1030と、アダプタ300が有するマウント3040とが含まれる。マウント1030は通信端子1030a及び通信端子1030bを有する。また、マウント3040は通信端子3040a及び通信端子3040bを有する。交換レンズ100がアダプタ300に装着された状態において、通信端子1030aと通信端子3040aとが接触する構成となっている。また、交換レンズ100がアダプタ300に装着された状態において、通信端子1030bと通信端子3040bとが接触する構成となっている。
マウント401には、カメラ本体200が有するマウント2030と、アダプタ300が有するマウント3060とが含まれる。マウント2030は通信端子2030a及び通信端子2030bを有する。アダプタ300カメラ本体200に装着された状態において、通信端子2030aと通信端子3060aとが接触する構成となっている。また、アダプタ300カメラ本体200に装着された状態において、通信端子2030bと通信端子3060bとが接触する構成となっている。
信号線としては、通信制御用の信号を伝達するための信号線(第2の信号線:信号伝達チャネルに相当する)CSと、データを通信するための信号線(第1の信号線:データ通信チャネルに相当する)DATAとが設けられている。
信号線CSは、通信端子1030a、3040a、2030a及び3060aを介した通信である。信号線CSは、カメラマイコン205、アダプタマイコン302およびレンズマイコン111に接続されている。このため、カメラマイコン205、アダプタマイコン302およびレンズマイコン111は、信号線CSの状態としてのHi(High)とLowを検出することができる。また信号線CSは、カメラ本体200内で不図示の電源にプルアップ接続されている。そして、信号線CSは、交換レンズ100内の接地スイッチ1121、カメラ本体200内の接地スイッチ2081およびアダプタ300内の接地スイッチ3031を介してグランドGNDと接続(オープンドレイン接続)が可能となっている。
この構成により、カメラマイコン205、アダプタマイコン302およびレンズマイコン111はそれぞれ、接地スイッチ2081、1121、3031をオン(接続)することにより信号線CSをLowにすることが可能である。またカメラマイコン205、アダプタマイコン302およびレンズマイコン111はそれぞれ、接地スイッチ2081、1121、3031をオフ(遮断)することで、信号線CSをHiにすることができる。信号線CSを通じて伝達される通信制御用の信号(指示や通知)およびその出力処理の詳細については後述する。
信号線DATAは、通信端子1030b、3040b、2030b及び3060bを介した通信である。信号線DATAは、データの送信方向を切り替えながら使用可能な単線の双方向データ通信線である。信号線DATAは、交換レンズ100内の入出力切替えスイッチ1122を介してレンズマイコン111と接続可能であり、カメラ本体200内の入出力切替えスイッチ2082を介してカメラマイコン205と接続可能である。また、信号線DATAは、アダプタ300内の入出力切替えスイッチ3032を介してアダプタマイコン302と接続可能である。各マイコンは、データを送信するためのCMOS方式のデータ出力部とデータを受信するためのCMOS方式のデータ入力部とを備えている(いずれも図示せず)。各マイコンは、上記入出力切替えスイッチを切り替えることで、信号線DATAをデータ出力部に接続するかデータ入力部に接続するかを選択することができる。
カメラマイコン205、アダプタマイコン302およびレンズマイコン111はそれぞれ、データを送信する際には、信号線DATAをデータ出力部に接続するように入出力切替えスイッチを設定する。またカメラマイコン205、アダプタマイコン302およびレンズマイコン111はそれぞれ、データを受信する際には、信号線DATAをデータ入力部と接続するように入出力切替えスイッチを設定する。信号線DATAの入出力切替え処理の詳細については後述する。
図2Aでは通信回路の一例を示したが、他の通信回路であってもよい。例えば、信号線CSをカメラ本体200内でGNDにプルダウン接続し、交換レンズ100の接地スイッチ1121、カメラ本体200の接地スイッチ2081およびアダプタ300の接地スイッチ3031を介して不図示の電源と接続可能な構成としてもよい。また、交換レンズ100、カメラ本体200およびアダプタ300において信号線DATAを常にデータ入力部に接続される構成とし、信号線DATAとデータ出力部との接続/遮断をスイッチにより切り替え可能な構成としてもよい。
なお、通信回路は、後述するブロードキャスト通信およびP2P通信が行えれば、図2Aに示した通信回路以外の構成を有していてもよい。
なお、カメラ本体200に対して交換レンズ100がアダプタ300を介さずに装着されている場合であっても、カメラ本体200と交換レンズ100とが第1通信を行うために必要な構成を備えることで第1通信を実行することが可能である。また、カメラ本体200に対して交換レンズ100が2個以上のアダプタを介して装着されている場合であっても、第1通信を実行することができる点は同様である。すなわち、カメラ本体200と交換レンズ100及び当該2個以上のアダプタとが第1通信を行うために必要な構成を備えることで第1通信を実行することが可能である。
<第2通信に係る通信経路>
次に、カメラ本体200(カメラマイコン205)の通信部208と、交換レンズ100(レンズマイコン111)の第2通信部112との間に構成される通信経路について、図2Bを用いて説明する。この通信経路で行われる通信を第2通信とも称する。
第2通信接点群1420、3420、2420にはそれぞれ、クロック同期通信を行うためのカメラマイコン205から出力されるクロックラインLCLKの端子である第2通信LCLK端子1420a、3420a、3421a、2420aが含まれている。また、同様にクロック同期通信のカメラマイコン205から出力されるデータラインDCLの端子である第2通信DCL端子1420b、3420b、3421b、2420bが含まれている。また、同様にクロック同期通信のレンズマイコン111から出力されるデータラインDLCの端子である第2通信DLC端子1420c、3420c、3421c、2420cが含まれている。
図2Bに示すように、クロックラインLCLKおよびデータラインDCLは、交換レンズ100内でプルアップされている。また、クロックラインLCLKおよびデータラインDLCは、カメラ本体200内でプルアップされている。
アダプタ300内のクロックラインLCLK、データラインDCLおよびデータラインDLCはそれぞれ、第2通信接点3420、3421の間で短絡されている。第2通信でやりとりされる信号は、アダプタ300が有する通信端子を介してアダプタ300を導通するが、第2通信はアダプタマイコン302を介さない。
ここで第2通信は、第1通信と同じ通信方式や、双方向の調歩同期通信、マスタ・スレーブ方式、トークンパッシング方式等で実現可能である。調歩同期通信により実現する場合、クロックラインLCLKにカメラマイコン205から出力された信号に基づいて、データラインDCLおよびデータラインDLCの通信タイミングを制御するようにしても良い。
<第1通信の通信データフォーマット>
次に、図2C及び図3Aを用いて、カメラ本体200(カメラマイコン205)、交換レンズ100(レンズマイコン111)およびアダプタ300(アダプタマイコン302)の間でやり取りされる通信データ通信フォーマットについて説明する。
まず、図3Aを用いて、第1通信の通信データフォーマットについて説明する。通信データフォーマットは、後述するブロードキャスト通信とP2P通信とで共通である。ここでは、マイコン間で予め通信に使用する通信速度を取り決めておき、この取決めに従う通信ビットレートで送受信を行う、いわゆる調歩同期式通信を行う場合の通信データフォーマットについて説明する。
まずデータ送信を行っていない非送信状態では、信号レベルはHiに維持されている。次にデータ送信の開始をデータ受信側に通知するために、信号レベルを1ビット期間の間、Lowとする。この1ビット期間をスタートビットSTと呼ぶ。続いて、次の2ビット目から9ビット目までの8ビット期間で1バイトのデータを送信する。データのビット配列はMSBファーストフォーマットとして、最上位のデータD7から始まり、データD6、データD5、…、データD1と続き、最下位のデータD0で終わる。10ビット目には1ビットのパリティPA情報が付加され、最後に送信データの最後を示すストップビットSPの期間、信号レベルをHiとすることで、スタートビットSTから開始された1フレーム期間が終了する。
図3では通信データフォーマットの例を示したが、他の通信データフォーマットを用いてもよい。例えば、データのビット配列はLSBファーストや9ビット長でもよいし、パリティPA情報を付加しなくてもよい。またブロードキャスト通信とP2P通信とで通信データフォーマットを切り替えてもよい。
<第2通信の通信データフォーマット>
次に、図2Cと図3Bとを用いて第2通信のデータフォーマットについて説明する。ここでは第2通信がクロック同期式の通信によって実現される例を説明する。
図2Cは、第一通信が行われている時のクロックラインLCLK、データラインDCL、データラインDLCの信号波形を示している。
カメラ本体200のカメラマイコン205は、クロックラインLCLKにクロック信号を出力すると共に、クロックラインLCLKの立ち上がり信号に合わせてデータラインDCLにB7〜B0の8ビットのデータを出力する。同様にレンズマイコン111は、クロックラインLCLKに出力されたクロック信号の立ち上がりに合わせてデータラインDLCにB7〜B0の8ビットのデータを出力する。更にカメラ本体200の第2通信部242はクロックラインLCLKに出力されたクロック信号の立ち上がりに合わせてデータラインDLCのB7〜B0の8ビットのデータを受信する。同様に交換レンズ100の第2通信部142はクロックラインLCLKに出力されたクロック信号の立ち上がりに合わせてデータラインDCLのB7〜B0の8ビットのデータを受信する。
以上によりカメラ本体200の第2通信部242および交換レンズ100の第2通信部142が通信データをお互いに交換する事が出来る。交換レンズ100の第2通信部142は、データラインDCLのB7〜B0の8ビットのデータを受信すると、クロックラインLCLKをTbusyの時間LOW出力し、その後LOW出力を解除する。ここでTbusy時間は交換レンズ100が受信データを処理している時間であり、カメラ本体200の第2通信部242はデータ送信後にクロックラインLCLKがLOWからHIGHに変化するまでデータ送信を行わない構成となっている。この信号制御により、第一通信のフロー制御を行う事ができる。以上の処理を繰り返す事で、第一通信によりカメラ本体200の第2通信部242と交換レンズ100の第2通信部142の間でデータの伝達を行う事が出来る。
なお、第2の通信は、上述のクロック同期式に代えて調歩同期式によって実現することも可能である。3線調歩同期式通信を適用した通信の信号波形を図3Bに示している。
3線調歩同期式通信の場合は、前述のクロックラインLCLKを制御ラインRTSとして用いる。制御ラインRTSは、データラインDCLによる通信とデータラインDLCによる通信のタイミングを制御する信号をカメラマイコン205からレンズマイコン111へ送信するための信号線である。例えば、カメラマイコン205からレンズマイコン111へのレンズデータの送信要求(送信指示)や後述する通信処理の切替え要求(切替え指示)等の通知に用いられる。制御ラインRTSでの通知は該制御ラインRTSでの信号レベル(電圧レベル)をHighとLowとの間で切り替えることで行う。
図3Bに示すように、制御ラインRTSに供給される信号の信号レベルのHighからLowへの変化によって、送信要求が通信マスタとしてのカメラマイコン205から通信スレーブとしてのレンズマイコン111に送信される。
レンズマイコン111が送信要求を受信すると、データラインDLCによるデータの送信開始をカメラマイコン205に通知するため、データラインDLCの信号レベルを1ビット期間の間Lowとする。この1ビット期間を1フレームのデータの開始を示すスタートビットSTと呼ぶ。すなわち、このスタートビットSTから1フレームのデータの送信が開始される。スタートビットSTは、データラインDLCへ出力される1フレームデータごとに、その先頭ビットに設けられている。
続いて、レンズマイコン111は、データラインDLCを介して、次の2ビット目から9ビット目までの8ビット期間で1バイトのレンズデータを送信する。データのビット配列はMSBファーストフォーマットとして、最上位のデータD7から始まり、順にデータD6、データD5と続き、最下位のデータD0で終わる。そして、レンズマイコン111は、10ビット目に1ビットのパリティ情報PAを付加し、1フレームの最後を示すストップビットSPの期間の信号レベルをHighとする。これにより、スタートビットSTから開始されたデータフレーム期間が終了する。
<ブロードキャスト通信(第1通信)>
次に、第1通信で実行されるブロードキャスト通信について、図4Aおよび図4Bを用いて説明する。ブロードキャスト通信は、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302のうちの1つが他の2つに対して同時にデータを送信する(すなわち一斉送信)を行う一対多通信である。このブロードキャスト通信は、信号線CSおよび信号線DATAを用いて行われる。また、ブロードキャスト通信が行われる通信モードをブロードキャスト通信モードともいう。ブロードキャスト通信モードは、第1の通信モードの一例である。
図4Aは、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で行われるブロードキャスト通信での信号波形を示している。ここでは例として、カメラマイコン205からレンズマイコン111とアダプタマイコン302へのブロードキャスト通信に応答して、アダプタマイコン302がカメラマイコン205とレンズマイコン111にブロードキャスト通信を行う場合について説明する。
まず通信マスタであるカメラマイコン205は、ブロードキャスト通信を開始することをそれぞれ通信スレーブであるレンズマイコン111およびアダプタマイコン302に通知するために、信号線CSへのLow出力を開始する(401)。次にカメラマイコン205は、送信するデータを信号線DATAに出力する(402)。
一方、レンズマイコン111とアダプタマイコン302は、信号線DATAから入力されたスタートビットSTを検出したタイミングで信号線CSへのLow出力を開始する(403、404)。この時点ではすでにカメラマイコン205が信号線CSへのLow出力を開始しているので、信号線CSの信号レベルは変化しない。
その後カメラマイコン205は、ストップビットSPの出力まで終了すると、信号線CSへのLow出力を解除する(405)。レンズマイコン111とアダプタマイコン302は、信号線DATAから入力されたデータをそのストップビットSPまで受信した後、受信したデータの解析および該受信データに関連付けられた内部処理を行う。そして、次のデータを受信するための準備が整った後に、レンズマイコン111とアダプタマイコン302は信号線CSへのLow出力を解除する(406、407)。前述した通り、信号線CSの信号レベルは、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の全てが信号線CSへのLow出力を解除することでHiとなる。したがって、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、各々が信号線CSへのLow出力を解除した後に信号線CSの信号レベルがHiとなることを確認することができる。カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302はそれぞれ、信号線CSの信号レベルがHiとなったことを確認することで、今回の通信処理を終了し、次の通信を行うための準備が整ったと判断することができる。
次にアダプタマイコン302は、信号線CSの信号レベルがHiに戻ったことを確認すると、ブロードキャスト通信を開始することをカメラマイコン205およびレンズマイコン111に通知するために、信号線CSへのLow出力を開始する(411)。
続いてアダプタマイコン302は、送信するデータを信号線DATAに出力する(412)。またカメラマイコン205およびレンズマイコン111は、信号線DATAから入力されたスタートビットSTを検出したタイミングで信号線CSへのLow出力を開始する(413、414)。この時点ではすでにアダプタマイコン302が信号線CSへのLow出力を開始しているので、信号線CSに伝搬される信号レベルは変化しない。その後アダプタマイコン302は、ストップビットSPの出力まで終了すると信号線CSへのLow出力を解除する(415)。一方、カメラマイコン205およびレンズマイコン111は、信号線DATAから入力されたストップビットSPまで受信した後、受信したデータの解析および該受信データに関連付けられた内部処理を行う。そして、カメラマイコン205およびレンズマイコン111は、次のデータを受信するための準備が整った後に信号線CSへのLow出力を解除する(416、417)。
なお、カメラマイコン205のレンズマイコン111とアダプタマイコン302へのブロードキャスト通信に応答して、レンズマイコン111がカメラマイコン205とアダプタマイコン302にブロードキャスト通信を行う場合も同様である。すなわち、レンズマイコン111は信号線CSへのLow出力を開始し、信号線DATAに送信するデータを出力すると、レンズマイコン111は信号線CSへのLow出力を解除する。カメラマイコン205およびアダプタマイコン302が、レンズマイコン111によって出力されたデータを信号線DATAから入力されたストップビットSPまで受信した後に信号線CSへのLow出力を解除することで、次の通信が可能な状態へと戻る。
図4Bも、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で行われるブロードキャスト通信での信号波形を示している。ここでは、レンズマイコン111からブロードキャスト通信の開始をカメラマイコン205に通知する例を示す。この例では、カメラマイコン205からのレンズマイコン111およびアダプタマイコン302へのブロードキャスト通信に応答する形でアダプタマイコン302がカメラマイコン205およびレンズマイコン111にブロードキャスト通信を行う。
まずレンズマイコン111は、ブロードキャスト通信を開始することをカメラマイコン205およびアダプタマイコン302に通知するために、信号線CSへのLow出力を開始する(421)。すなわち、レンズマイコン111は信号線CSの信号レベルを変化させることにより、カメラマイコン205に通信要求を通知する。信号線CSの信号レベルがHi(第1の信号レベルとも称する)からLow(第2の信号レベルとも称する)になったことを検出したカメラマイコン205は、信号線CSへのLow出力を開始する(422)。この時点ではすでにレンズマイコン111が信号線CSへのLow出力を開始しているので、信号線CSの信号レベルは変化しない。
次にカメラマイコン205は、信号線CSによって通知された通信要求に対応して送信するデータを信号線DATAに出力する(423)。アダプタマイコン302は、信号線DATAから入力されたスタートビットSTを検出したタイミングで信号線CSへのLow出力を開始する(424)。この時点ではすでにカメラマイコン205が信号線CSへのLow出力を開始しているので、信号線CSの信号レベルは変化しない。
カメラマイコン205は、ストップビットSPの出力まで終了すると、信号線CSへのLow出力を解除する(425)。一方、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、信号線DATAから入力されたストップビットSPまで受信した後、受信したデータの解析および該受信データに関連付けられた内部処理を行う。そして、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、次のデータを受信するための準備が整った後に信号線CSへのLow出力を解除する(426、427)。前述した通り、信号線CSの信号レベルは、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の全てが信号線CSへのLow出力を解除することでHiとなる。したがって、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、それぞれが信号線CSへのLow出力を解除した後、信号線CSの信号レベルがHiとなることを確認することができる。カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302はそれぞれ、信号線CSの信号レベルがHiとなることを確認することで、今回の通信処理を終了し、次の通信を行うための準備が整ったと判断することができる。
次にアダプタマイコン302は、信号線CSの信号レベルがHiに戻ったことを確認すると、ブロードキャスト通信を開始することをカメラマイコン205およびレンズマイコン111に通知するために信号線CSへのLow出力を開始する(431)。すなわち、レンズマイコン111は信号線CSの信号レベルを変化させることにより、カメラマイコン205に通信要求を通知する。
次にアダプタマイコン302は、送信するデータを信号線DATAに出力する(432)。一方、カメラマイコン205およびレンズマイコン111は、信号線DATAから入力されたスタートビットSTを検出したタイミングで信号線CSへのLow出力を開始する(433、434)。この時点ではすでにアダプタマイコン302が信号線CSへのLow出力を開始しているので、信号線CSの信号レベルは変化しない。
その後アダプタマイコン302は、ストップビットSPの出力まで終了すると、信号線CSへのLow出力を解除する(435)。一方、カメラマイコン205およびレンズマイコン111は、信号線DATAから入力されたストップビットSPまで受信した後、受信したデータの解析および該受信データに関連付けられた内部処理を行う。そして、カメラマイコン205およびレンズマイコン111は、次のデータを受信するための準備が整った後に信号線CSへのLow出力を解除する(436、437)。
図4Bの例では、通信スレーブであるレンズマイコン111およびアダプタマイコン302からブロードキャスト通信が開始する。この場合、通信マスタであるカメラマイコン205は、信号線CSへのLow出力が開始された時点(421)では、レンズマイコン111とアダプタマイコン302のどちらが信号線CSをLowにしたのかを判別することができない。このため、カメラマイコン205は、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の両方に対してブロードキャスト通信を開始したか(通信リクエストしたか)を確認する通信を行う必要がある。
また、カメラマイコン205がブロードキャスト通信を開始するために信号線CSにLowを出力したタイミングで、レンズマイコン111またはアダプタマイコン302がブロードキャスト通信を開始するために信号線CSにLowを出力する場合がある。この場合、カメラマイコン205はレンズマイコン111またはアダプタマイコン302が信号線CSにLowを出力したことを検出することができない。この場合、レンズマイコン111またはアダプタマイコン302に対して、ブロードキャスト通信を開始したか(通信リクエストしたか)を確認する通信が行われない。このため、所定時間が経過しても通信リクエストの確認通信が行われなかった場合は、信号線CSを再度Low出力して、カメラマイコン205に対して通信リクエストを行う。
以上のように、ブロードキャスト通信において信号線CSで伝達される信号は、ブロードキャスト通信の開始(実行)および実行中を示す信号として機能する。
図4Aおよび図4Bではブロードキャスト通信の例を示したが、他のブロードキャスト通信を行ってもよい。例えば、1回のブロードキャスト通信で送信するデータは、図4Aおよび図4Bに示したように1バイトのデータでもよいが、2バイトや3バイトのデータであってもよい。また、ブロードキャスト通信を通信マスタであるカメラマイコン205から通信スレーブであるレンズマイコン111およびアダプタマイコン302への一方向通信としてもよい。
<P2P通信(第1通信)>
次に、第1通信においてカメラ本体200、交換レンズ100およびアダプタ300の間で行われるP2P通信について説明する。P2P通信は、通信マスタであるカメラ本体200が、通信スレーブである交換レンズ100とアダプタ300から通信する相手(特定アクセサリ装置)を1つ指定し、その指定した通信スレーブとの間のみでデータを送受信する一対一通信(個別通信)である。
P2P通信は、信号線DATAと信号線CSを用いて行われる。また、P2P通信が行われる通信モードをP2P通信モードともいう。P2P通信モードは第2の通信モードの一例である。
図5は、例として、カメラマイコン205と通信相手として指定されたレンズマイコン111との間でやり取りされるP2P通信の信号波形を示している。カメラマイコン205からの1バイトのデータ送信に応答して、レンズマイコン111がカメラマイコン205に対して2バイトのデータ送信を行う。通信モード(ブロードキャスト通信モードとP2P通信モード)の切替え処理およびP2P通信での通信相手の指定処理については後述する。
まず通信マスタであるカメラマイコン205は、送信するデータを信号線DATAに出力する(501)。カメラマイコン205は、ストップビットSPの出力まで終了した後、信号線CSへのLow出力を開始する(502)。その後カメラマイコン205は、次のデータの受信準備が整った後に、信号線CSへのLow出力を解除する(503)。一方、レンズマイコン111は、信号線CSから入力されたLow信号を検出した後、信号線DATAから入力された受信データの解析および該受信データに関連付けられた内部処理を行う。その後レンズマイコン111は、信号線CSの信号レベルがHiに戻ったことを確認した後、送信すべきデータを2バイト分連続で信号線DATAに出力する(504)。レンズマイコン111は、2バイト目のストップビットSPの出力まで終了した後、信号線CSへのLow出力を開始する(505)。そしてレンズマイコン111は、次のデータの受信準備が整った後に信号線CSへのLow出力を解除する(506)。
P2P通信の通信相手として指定されていないアダプタマイコン302は、信号線CSおよび信号線DATAに信号を出力しない。つまり、P2P通信の通信相手として指定されていないアダプタマイコン302は、カメラマイコン205に通信要求を通知しない。
以上のように、P2P通信において信号線CSで伝達される信号は、データ送信の終了と次のデータ送信の待機要求を示す通知信号として機能する。
なお、図5ではP2P通信の例を示したが、他のP2P通信を行ってもよく、例えば信号線DATAにてデータを1バイトずつ送信してもよいし、3バイト以上のデータを送信してもよい。
<通信モードの切替え処理および通信相手の指定処理>
次に、通信モードの切替え処理とP2P通信での通信相手の指定処理について、図6を用いて説明する。図6は、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間でやり取りされる通信モード切替えおよび通信相手指定時の信号波形を示している。P2P通信の通信相手の指定は、ブロードキャスト通信により行われる。ここでは例として、カメラマイコン205からP2P通信の通信相手としてアダプタマイコン302が指定され、カメラマイコン205からの1バイトデータのP2P通信とアダプタマイコン302からの1バイトデータのP2P通信が実行される場合を説明する。また、その後にカメラマイコン205からP2P通信の通信相手としてレンズマイコン111が指定され、カメラマイコン205からの2バイトデータのP2P通信とレンズマイコン111からの3バイトデータのP2P通信が実行される。
まず通信マスタであるカメラマイコン205は、図4Aで説明した手順でブロードキャスト通信を実行する(601)。このブロードキャスト通信で通知するのは、次のP2P通信でカメラマイコン205と通信を行う相手を指定するスレーブ指定データである。ステーブ指定データとして、例えば指定するスレーブの識別情報を用いることができる。通信スレーブであるレンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、ブロードキャスト通信で受信したスレーブ指定データを基づいて、自身がP2P通信の通信相手として指定されたか否かを判定する。この判定結果によって、カメラマイコン205と指定された通信スレーブとの通信モードがブロードキャスト通信モードからP2P通信モードに切り替わる(602)。ここでは通信相手としてアダプタマイコン302が指定されているため、次のP2P通信では図5で説明した手順に従ってカメラマイコン205とアダプタマイコン302との間でデータの送受信が行われる(603)。ここではカメラマイコン205からアダプタマイコン302に1バイトデータを送信し、その後アダプタマイコン302からカメラマイコン205へ1バイトデータを送信する。
カメラマイコン205とアダプタマイコン302とのP2P通信が終了すると、カメラマイコン205は再びブロードキャスト通信によってP2P通信で通信する通信相手を指定することができる。ここでは次のP2P通信の通信相手としてレンズマイコン111を指定するために、スレーブ指定データとしてレンズマイコン111を設定して図4Aで説明した手順でブロードキャスト通信を実行する(604)。このブロードキャスト通信に応じてアダプタマイコン302はP2P通信を終了し、これと同時にカメラマイコン205とレンズマイコン111の通信モードがP2P通信モードに切り替えられる(605)。なお、ここでブロードキャスト通信を実行しない場合は、カメラマイコン205とアダプタマイコン302とのP2P通信が継続される。
次のP2P通信では、図5で説明した手順に従ってカメラマイコン205とレンズマイコン111との間でデータの送受信が行われる。ここではカメラマイコン205がレンズマイコン111に2バイトデータを送信し、その後レンズマイコン111がカメラマイコン205に3バイトデータを送信する(606)。
以上のように、ブロードキャスト通信によってP2P通信の通信相手を指定することが可能であり、同時にブロードキャスト通信とP2P通信の切替えを行うことができる。
<通信制御処理>
次に、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で行われる通信制御処理について説明する。まず、図7Aおよび図7Bのフローチャートを用いて、ブロードキャスト通信モードでの処理について説明する。図7Aはカメラマイコン205が行うブロードキャスト送信処理を示し、図7Bはレンズマイコン111およびアダプタマイコン302が行うブロードキャスト受信処理を示している。ここでは例として、カメラマイコン205からレンズマイコン111およびアダプタマイコン302に対してブロードキャスト通信を行う場合の処理を示している。それぞれコンピュータであるカメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、コンピュータプログラムとしての通信制御プログラムに従って本処理および後述する他の処理を実行する。
ブロードキャスト通信を開始するイベントが発生すると、カメラマイコン205は、図7AのステップS700において接地スイッチ2081をオン(接続)して信号線CSをLowにする。これにより、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302に対してブロードキャスト通信の開始が通知される。イベントとは、例えば、カメラマイコン205がレンズマイコン111やアダプタマイコン302に対してデータ送信を要求したことである。また、レンズマイコン111またはアダプタマイコン302がブロードキャスト通信の開始を要求するために信号線CSにLowを出力したこともイベントの1つである。レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、このブロードキャスト通信の開始通知を受けることで、図7Bで説明するブロードキャスト受信処理を開始する。
次にステップS701では、カメラマイコン205は、入出力切換えスイッチ2082を動作させて信号線DATAをデータ出力部に接続する。次にステップS702では、カメラマイコン205は、信号線DATAを用いてデータ送信を行い、全データの送信が完了するとステップS703に進む。なお、ここで送受信するデータのバイト数に制限は無く、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302間で認識が一致していればよい。
ステップS703では、カメラマイコン205は、ステップS702で送信したデータがレンズマイコン111またはアダプタマイコン302からの送信も含む双方向コマンドであるか否かを判定する。カメラマイコン205は、双方向コマンドでない場合はステップS704に進み、双方向コマンドである場合は705に進む。
ステップS704では、カメラマイコン205は、通信処理が終了したことを示すために接地スイッチ2081をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。そして、ステップS715に進む。
ステップS705では、カメラマイコン205は、入出力切換えスイッチ2082を動作させることで信号線DATAをデータ入力部に接続する。そして、ステップS706において、カメラマイコン205は、通信処理が終了したことを示すために、接地スイッチ2081をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。
次にステップS707では、カメラマイコン205は、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302のデータ受信が完了するまで、すなわち信号線CSがHiになるまで待機する。信号線CSがHiになるとステップS708に進む。
ステップS708では、カメラマイコン205は、レンズマイコン111またはアダプタマイコン302からのデータ送信が行われるまで、すなわち信号線CSがLowになるまで待機する。信号線CSがLowになるとS709に進む。
ステップS709では、カメラマイコン205は、信号線DATAからのデータ受信を許可する。次にステップS710では、カメラマイコン205は、信号線DATAのスタートビットを検出するまで待機する。スタートビットを検出するとステップS711に進む。
ステップS711では、カメラマイコン205は、通信処理中であることを示すために接地スイッチ2081をオン(接続)することで信号線CSへのLow出力を開始する。続いてステップS712では、カメラマイコン205は、全データを受信するまで待機する。そして全データの受信が完了するとステップS713に進む。なお、ここで送受信するデータのバイト数にも制限は無く、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302間で認識が一致していればよい。
ステップS713では、カメラマイコン205は、信号線DATAからのデータ受信を禁止する。続いてステップS714では、カメラマイコン205は、通信処理が終了したことを示すために接地スイッチ2081をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。そして、ステップS715では、カメラマイコン205は、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302のデータ受信が完了するまで、すなわち信号線CSがHiになるまで待機する。信号線CSがHiになるとステップS716に進む。
ステップS716では、カメラマイコン205は、ステップS702でのデータ送信によりレンズマイコン111またはアダプタマイコン302をP2P通信の通信相手として指定したか否かを判定する。カメラマイコン205は、通信相手として指定していた場合はステップS717に進み、そうでなければブロードキャスト通信モードのままブロードキャスト通信の送信処理を終了する。
ステップS717では、カメラマイコン205は、P2P通信モードに移行してブロードキャスト送信処理を終了する。
図7Bにおいて、ブロードキャスト通信モードまたはP2P通信モードにおいて通信待機中に信号線CSがLowレベルになると、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、これをブロードキャスト通信の開始通知と認識する。そしてブロードキャスト受信処理を開始する。
まずステップS720では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、信号線DATAからのデータ受信を許可する。次にステップS721では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、信号線DATAのスタートビットを受信したか否かを判定し、受信していなければステップS722に進み、受信していればステップS724に進む。このとき、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、自身の通信モードがP2P通信モードであった場合はブロードキャスト通信モードに移行する。
ステップS722では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、信号線CSがHiか否かを判定し、Hiであればブロードキャスト通信の受信処理を終了するためにステップS723に進む。Hiでなければ、スタートビット受信を引き続き待つためにステップS721に戻る。
ステップS723では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、信号線DATAからのデータ受信を禁止し、ブロードキャスト受信処理を終了する。
一方、ステップS724では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、自身の通信モードがP2P通信モードである場合はブロードキャスト通信モードに移行する。そして、ステップS725では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、通信処理中であることを示すために接地スイッチ1121、3031をオン(接続)することで信号線CSへのLow出力を開始する。
次にステップS726では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、全データを受信するまで待機する。全データの受信が完了すると、ステップS727に進む。ここで受信するデータのバイト数にも制限は無く、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で認識が一致していればよい。
続いてS727では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、信号線DATAからのデータ受信を禁止する。そして、ステップS728では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、通信処理が終了したことを示すために接地スイッチ1121、3031をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。
次にステップS729では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、ステップS725で受信したデータが自身からの送信を意味する双方向コマンドであるか否かを判定する。レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、自身からの送信を意味する双方向コマンドであった場合にはステップS730に進み、そうでなければステップS735に進む。
ステップS730では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、他のマイコンがデータ受信を完了するまで、すなわち信号線CSがHiになるまで待機する。信号線CSがHiになるとS731に進む。
ステップS731では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、ブロードキャスト通信の開始を通知するために接地スイッチ1121、3031をオン(接続)して信号線CSをLowにする。そして、ステップS732では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、入出力切換えスイッチ1122、3032を動作させることで信号線DATAをデータ出力部に接続する。
続いてステップS733では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、信号線DATAを用いてデータ送信を行う。全データの送信が終了するとステップS734に進む。ここで受信するデータのバイト数にも制限は無く、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で認識が一致していればよい。
ステップS734では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、自身のデータ送信処理が終了したことを示すために、接地スイッチ1121、3031をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。
次にステップS735では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、他のマイコンのデータ受信が完了するまで、すなわち信号線CSがHiになるまで待機する。信号線CSがHiになるとステップS736に進む。
ステップS736では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、ステップS726でカメラマイコン205から受信したデータによりP2P通信の通信相手として指定されたか否かを判定する。レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、指定されていればステップS737に進み、そうでければブロードキャスト通信モードのままブロードキャスト受信処理を終了する。
ステップS737では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、信号線DATAからのデータ受信を許可する。続いてステップS738では、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、P2P通信モードに移行してブロードキャスト受信処理を終了する。
以上のブロードキャスト送信および受信処理により、カメラマイコン205からレンズマイコン111およびアダプタマイコン302へのブロードキャスト通信を用いたデータ通信を実現することができる。
次に、図8Aおよび図8Bのフローチャートを用いて、P2P通信モードでの処理について説明する。図8Aはカメラマイコン205が行うP2P送信処理を示し、図8Bは、例としてカメラマイコン205によりP2P通信の通信相手として指定されたアダプタマイコン302が行うP2P受信処理を示している。P2P通信の通信相手として指定されたのがレンズマイコン111である場合も、図8Bと同様のP2P受信処理を行う。
P2P通信を開始するイベントが発生すると、カメラマイコン205は、ステップS800において入出力切替えスイッチ2082を動作させて信号線DATAをデータ出力部に接続し、ステップS801でデータ送信を行う。全データの送信が完了すると、カメラマイコン205はステップS802に進む。ここで送信するデータのバイト数には制限は無く、カメラマイコン205とアダプタマイコン302との間で認識が一致していればよい。
ステップS802では、カメラマイコン205は、接地スイッチ2081をオン(接続)することで信号線CSへのLow出力を開始して、P2P通信によるデータ送信の完了をアダプタマイコン302に通知する。アダプタマイコン302は、この通知を受けることで、図8Bで説明するP2P受信処理を開始する。
次にステップS803では、カメラマイコン205は、ステップS802で送信したデータがアダプタマイコン302からのデータ送信も含む双方向コマンドであるか否かを判定する。カメラマイコン205は、双方向コマンドでなければS804に進み、双方向コマンドであればS805に進む。
ステップS804では、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302がデータ受信を完了したことを検出するために、接地スイッチ2081をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。そしてステップS809に進む。
ステップS805では、カメラマイコン205は、入出力切換えスイッチ2082を動作させることで信号線DATAをデータ入力部に接続する。そしてステップS806に進む。
ステップS806では、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302からのデータ送信が完了したことを検出するために、接地スイッチ2081をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。そしてステップS807に進む。
ステップS807では、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302からのデータ送信が完了するまで、すなわち信号線CSのLowになるまで待機する。信号線CSがLowになると、カメラマイコン205はアダプタマイコン302からのデータ送信が完了したと判定してステップS808に進む。ここで受信するデータのバイト数にも制限は無く、カメラマイコン205とアダプタマイコン302の間で認識が一致していればよい。
ステップS808では、カメラマイコン205は、信号線DATAから受信したデータの解析を行う。次にステップS809では、カメラマイコン205は、信号線CSがHiになるまで待機する。そして信号線CSがHiになると、カメラマイコン205は今回のP2P通信が完了したと判定してステップS810に進む。
ステップS810では、カメラマイコン205は、次の通信でブロードキャスト通信を開始するか否かを判定し、ブロードキャスト通信を開始する場合はステップS811に進む。引き続きP2P通信を行う場合は、P2P通信モードのままP2P送信処理を終了する。
ステップS811では、カメラマイコン205は、ブロードキャスト通信モードに移行してP2P送信処理を終了する。
図8BのステップS820において、アダプタマイコン302は、信号線DATAから受信したデータの解析を行う。次にステップS821では、アダプタマイコン302は、信号線CSがHiになるまで、すなわちステップS804もしくはステップS806の処理が完了するまで待機する。信号線CSがHiになると、ステップS822に進む。
ステップS822では、アダプタマイコン302は、ステップS820で解析した受信データが、アダプタマイコン302からのデータ送信も含む双方向コマンドであるか否かを判定する。アダプタマイコン302は、双方向コマンドでなければステップS823に進み、双方向コマンドであればステップS824に進む。
ステップS823では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205にデータ受信を完了したことを通知するために、接地スイッチ3031をオン(接続)することで、CSへのLow出力を開始する。この後、ステップS828に進む。
一方、ステップS824では、アダプタマイコン302は、入出力切換えスイッチ3032を動作させることで信号線DATAをデータ出力部に接続する。次にステップS825では、アダプタマイコン302は、信号線DATAを用いてデータ送信を行い、全データの送信が完了するとステップS826に進む。ここで送信するデータのバイト数には制限は無く、カメラマイコン205とアダプタマイコン302の間で認識が一致していればよい。
続いてステップS826では、アダプタマイコン302は、接地スイッチ3031をオン(接続)することで信号線CSへのLow出力を開始する。これにより、P2P通信によるデータ送信完了をカメラマイコン205へ通知する。
次にステップS827では、アダプタマイコン302は、入出力切換えスイッチ3032を動作させることで信号線DATAをデータ入力部に接続する。そしてステップS828に進む。
ステップS828では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205にP2P通信が完了したことを通知するために、接地スイッチ3031をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。次にステップS829では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205がP2P通信を完了したことを検出するために信号線CSがHiになるまで待機する。信号線CSがHiになると、アダプタマイコン302はP2P受信処理を終了する。
以上の処理により、通信マスタであるカメラマイコン205から通信スレーブであるアダプタマイコン302へのP2P通信を用いたデータ送信を行うことができる。
<アダプタの操作部材の操作に応じた制御>
次に、図9を用いて、本実施例におけるアダプタ操作リング310を用いた撮像制御を実現するためにカメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で行われる撮像通信処理(通信制御方法)について説明する。ここでは例として、図1および図2Aに示したようにカメラ本体200に1つのアダプタ300を介して交換レンズ100が接続されている場合について説明する。この例では、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で信号線CSと信号線DATAを介してブロードキャスト通信およびP2P通信を行う。そしてカメラマイコン205はアダプタマイコン302からアダプタ操作リング310の後述する操作状態情報を受信する。カメラマイコン205は、当該操作状態情報に基づいて、レンズマイコン111を介して交換レンズ100内の絞りユニット114の駆動(以下、絞り駆動という)を制御する。
なお、アダプタ操作リング310の操作に応じて、交換レンズ100内の変倍レンズ102やフォーカスレンズ104の駆動を制御してもよいし、カメラ本体200内のTv値(露光時間)やISO感度を変更したり、設定メニューを選択したりしてもよい。
アダプタマイコン302が、ユーザによるアダプタ操作リング310の回転操作(以下、リング操作という)を検出すると(900)、本処理が開始される。アダプタマイコン302は、図1に示したリング回転検出器311の出力の変化を通じてリング操作の開始を検出すると、アダプタ操作リング310の操作状態情報(以下、リング操作状態情報という)のサンプリングを開始する(901)。リング操作状態情報としては、アダプタ操作リング310の操作方向(回転方向)を含む操作量(回転量)、該操作量の累積値、操作速度、操作加速度等があり、これらのうちいずれでもよい。本実施例では、操作量の累積値と操作速度をリング操作状態情報としてサンプリングする。
次にアダプタマイコン302は、カメラマイコン205に対してリング操作の開始を通知するために、当該通知の前に図4Bに示した信号線CSへのLow出力(421)でブロードキャスト通信の開始をカメラマイコン205に要求する(902)。すなわち、アダプタマイコン302はカメラマイコン205に対して通信要求を送信する。
アダプタマイコン302からの通信要求を受信したカメラマイコン205は、ブロードキャスト通信を開始するが、この時点ではレンズマイコン111とアダプタマイコン302のうちどちらが通信要求を送信してきたのかを判別することができない。さらに通信要求の要因(イベント)も不明であるため、カメラマイコン205はレンズマイコン111とアダプタマイコン302のそれぞれに通信要求の要因(以下、通信要求要因という)を問い合わせる必要がある。本実施例では、図6に示したブロードキャスト通信(604)を用いて、最初にP2P通信の通信相手としてレンズマイコン111を指定する(903)。なお、通信要求要因の問い合わせ順序は、アダプタマイコン302が先であってもよい。また、このときにレンズマイコン111がブロードキャスト通信の通信要求を出力しないことが予め明らかであれば、レンズマイコン111に対して通信要求要因を問い合わせなくてもよい。
次にカメラマイコン205は、図5で説明したP2P通信を用いてレンズマイコン111に対して信号線DATAを介して通信要求要因を問い合わせる。そして、レンズマイコン111から該通信要求要因を、信号線DATAを介して受信する(904)。この例では通信要求を出力したのはレンズマイコン111ではないため、レンズマイコン111は通信要求要因がないことを示す情報をカメラマイコン205に送信する。このP2P通信によって、カメラマイコン205は、レンズマイコン111が通信要求を出力したのではないことを確認する。カメラマイコン205は、次に図6に示したブロードキャスト通信(601)を用いて、P2P通信の通信相手としてアダプタマイコン302を指定する(905)。そしてカメラマイコン205は、図5で説明したP2P通信を用いてアダプタマイコン302に対して信号線DATAを介して通信要求要因を問い合わせる(第3のデータを送信する)。そして、アダプタマイコン302から該通信要求要因(第4のデータ)を、信号線DATAを介して受信する(906)。この例では通信要求を出力したのはアダプタマイコン302であるため、アダプタマイコン302は、通信要求要因がリング操作の開始であることを示す情報(以下、リング操作開始情報という)を送信する。カメラマイコン205がアダプタマイコン302からリング操作開始情報を受信することで、カメラマイコン205は、通信要求を送ったのがアダプタマイコン302であることと、当該通信要求の要因がリング操作の開始であることを判別することが可能である。
アダプタマイコン302からリング操作開始情報を受信したカメラマイコン205は、アダプタマイコン302から上述したリング操作状態情報を取得する。このために、まず図6に示したブロードキャスト通信(601)を用いて、P2P通信の通信相手としてアダプタマイコン302を指定する(907)。ただし、このブロードキャスト通信は、アダプタマイコン302の通信モードがP2P通信モードである場合は行わなくてもよい。続いてカメラマイコン205は、P2P通信を用いて、アダプタマイコン302に対してリング操作状態情報(第1のデータ)の送信を要求(すなわち第2のデータを送信)し、アダプタマイコン302からリング操作状態情報を受信する(908)。アダプタマイコン302は、リング操作状態情報を送信した時点で、次のリング操作状態情報を送信するために、内部のリング操作状態情報をリセットする。例えば、アダプタ操作リング310の操作量の累積値を0にリセットする。
これ以降、カメラマイコン205は、後述するリング操作終了情報を受信するまで、次の通信を繰り返す。すなわち、所定周期でブロードキャスト通信(601)でのアダプタマイコン302の指定とP2P通信でのアダプタマイコン302からのリング操作状態情報の受信(908)とを繰り返す。これにより、カメラマイコン205は、所定周期ごとに最新のリング操作状態情報を取得することができる。
リング操作状態情報を受信したカメラマイコン205は、レンズマイコン111に対して、リング操作状態情報に基づいて絞り駆動要求を送信する(909)。絞り駆動要求のための通信は、ブロードキャスト通信でもP2P通信でもよい。また。当該絞り駆動要求を、カメラマイコン205の第2通信部242を介して送信し、レンズマイコン111の第2通信部142で受信するようにしてもよい。つまり、絞り駆動に関する通信を第2通信部242と第2通信部142とを介した通信経路、すなわちリング操作状態情報の送受信を行う通信経路とは異なる通信経路で行ってもよい。これにより、絞り駆動に関する通信とリング操作状態に関する通信のリアルタイム性を向上させることができる。
また、カメラマイコン205は、リング操作状態情報を受信するごとに絞り駆動要求をレンズマイコン111に送信するが、この絞り駆動要求のレンズマイコン111への送信周期は、リング操作状態情報の受信周期と異なっていてもよい。例えば、絞り駆動要求のレンズマイコン111への送信周期よりもリング操作状態情報の受信周期を短く設定してもよい。リング操作状態情報の受信周期を長く設定してしまうと、受信周期の長さによっては操作量の累積量がオーバーフローしてしまう場合もある。また、絞り駆動要求のレンズマイコン111への送信周期は、AE制御の周期に依存させる必要がある。このように、絞り駆動要求のレンズマイコン111への送信周期とリング操作状態情報の受信周期とをそれぞれ適切な周期に制御することで、アダプタマイコン302とカメラマイコン302各々がより適した処理を行うことができる。
アダプタ操作リング310のユーザ操作に対する良好な絞り駆動を実現するためには、アダプタ操作リング310の操作量(累積値)と操作速度に比例した絞り駆動に加えて、動画品質のために滑らかで間欠的にならない連続的な絞り駆動が求められる。本実施例では、カメラマイコン205は、レンズマイコン111に対して絞り駆動要求として目標Av値(目標とする絞り値)と絞り駆動速度を送信する。受信した目標Av値と絞り駆動速度とに基づいて、レンズマイコン111が内部情報として保持する目標Av値と絞り駆動速度とを、絞りを駆動させながら更新する。レンズマイコン111は更新された目標Av値と絞り駆動速度に応じて、連続的な絞り駆動を行う。これを一定の周期で繰り返すことで、絞り駆動を停止させずに、絞り駆動を行うことが可能となる。絞り駆動を停止させると明るさの変化が間欠的になり、特に動画の画質に影響を及ぼす。これに対し、絞りを連続的に駆動させた場合には、明るさがなめらかに変化することから、より品位の高い動画を取得することができる。また、絞りを連続的に駆動させることで、絞り駆動の停止や、絞り駆動を停止した状態から絞り駆動を再開するためにかかる時間を削減することが可能である。
このときのカメラマイコン205からの絞り駆動要求の送信周期をTとし、前回の絞り駆動要求の送信から次回の絞り駆動要求の送信までの期間中におけるアダプタ操作リング310の操作量の累積値をCntとする。また、1Cntあたりの絞り駆動量を係数αで示し、レンズマイコン111が絞りを駆動させつつ目標Av値と絞り駆動速度を更新するための余裕時間をΔtとする。当該余裕時間を設けることで、マイコンの負荷や通信帯域の圧迫等の理由により、仮に絞り駆動要求の送信が遅延した場合であっても、絞り駆動を停止させずに絞り駆動を行うことができる。このとき、カメラマイコン205は、目標Av値と絞り駆動速度を下記の式(1)、(2)のように算出する。
目標Av値 = 前回の目標Av値 +(Cnt×α) (1)
絞り駆動速度 =(Cnt×α)/(T+Δt) (2)
上記計算式(1)、(2)は例にすぎず、他の計算式を用いて目標Av値と絞り駆動速度を算出してもよい。また、カメラマイコン205は、絞り駆動要求として目標Av値や絞り駆動速度以外の情報をレンズマイコン111に送信してもよい。
次にアダプタマイコン302は、リング回転検出器311の出力が所定時間を超えて変化しないことでアダプタ操作リング310の操作の終了を検出すると、リング操作状態情報にリング操作が終了したことを示すリング操作終了情報を格納する(910)。リング操作の終了は、上記方法とは別の方法で検出してもよい。
次にカメラマイコン205は、アダプタマイコン302からリング操作状態情報を受信する(908)。ただし、ここで受信するリング操作状態情報にはリング操作終了情報が含まれている。カメラマイコン205は、このリング操作終了情報に基づいてこれ以降の周期的なリング操作状態情報の取得を終了する(911)。カメラマイコン205は、最後に受信したリング操作状態情報に含まれるアダプタ操作リング310の操作量の累積値と操作速度に基づいて絞り駆動要求をレンズマイコン111に送信した後、周期的な絞り駆動要求の送信を終了する(912)。
次に、図11(a)のフローチャートを用いて、上述した撮像通信処理においてアダプタマイコン302が行うリング操作開始処理を説明する。アダプタマイコン302は、リング操作の開始を検出すると本処理を開始する。ステップS1101では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205に対してリング操作が開始されたこと通知するために、内部送信バッファにリング操作開始情報を通信要求要因として設定する。そして、カメラマイコン205に対してブロードキャスト通信の通信要求を送信する。内部送信バッファに設定した通信要求要因(リング操作開始情報)は、後述するP2P通信によりカメラマイコン205に送信する。
次にステップS1102では、アダプタマイコン302は、リング操作状態情報のサンプリングを行う。そしてステップS1103では、アダプタマイコン302は、リング操作が終了しているか否かを判定する。アダプタマイコン302は、操作が終了していなければステップS1102に戻り、終了していれば内部送信バッファにあるリング操作状態情報にリング操作終了情報を格納して本処理を終了する。
図11(b)のフローチャートを用いて、上述した撮像通信処理においてアダプタマイコン302が行う、リング操作に応じたP2P通信処理を説明する。アダプタマイコン302は、カメラマイコン205によりP2P通信の通信相手として指定されると、本処理を開始する。
ステップS1111では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205からP2P通信により受信したデータを解析する。次にステップS1112では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205からの受信データが通信要求要因の送信要求であるか否かを判定し、そうであればステップS1113に進み、そうでなければステップS1114に進む。
ステップS1113では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205にステップS1101で内部送信バッファに設定した通信要求要因(リング操作開始情報)を送信して、本処理を終了する。内部送信バッファ内の通信要求要因はその送信後にリセットされる。
ステップS1114では、アダプタマイコン302は、受信データがリング操作状態情報の送信要求(操作状態送信要求)であるか否かを判定し、そうであればステップS1115に進み、そうでなければステップS1117に進む。
ステップS1115では、アダプタマイコン302は、ステップS1102でサンプリングして内部送信バッファに設定したリング操作状態情報をカメラマイコン205に送信する。そして、ステップS1116では、アダプタマイコン302は、リング操作状態情報のうち操作量の累積値をリセットして、本処理を終了する。操作量の累積値をリセットすることで、アダプタマイコン302はカメラマイコン205に対して過不足なく操作量送信することができる。
ステップS1117では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205に対して、通信要求要因およびリング操作状態情報の送信以外のP2P通信処理を行って本処理を終了する。通信要求要因およびリング操作状態情報の送信以外のP2P通信処理としては、一例として次のものがある。例えば、アダプタ300における操作部材の有無、リング操作状態情報を送信可能な最短周期(最短時間間隔)およびアダプタ300の光学倍率等、アダプタ固有の情報を送信する処理である。また、カメラマイコン205からの受信要求であってもよく、例えばリング操作状態情報のサンプリングの開始や停止の要求であってもよい。なお、本実施例では、リング操作状態情報を送信可能な最短周期は、アダプタ300が装着された状態でのカメラ本体200の起動時に、カメラマイコン205がアダプタマイコン302に要求し、アダプタマイコン302から受信する。
次に、図12(a)のフローチャートを用いて、上述した撮像通信処理においてカメラマイコン205が行う通信要求要因確認処理を説明する。この処理は、レンズマイコン111またはアダプタマイコン302のいずれかが出力した通信要求の要因を確認する処理である。
通信要求を受信したカメラマイコン205は、ステップS1201において、レンズマイコン111に対してP2P通信により通信要求要因の送信要求を送信し、レンズマイコン111から通信要求要因を取得する。
次にステップS1202では、カメラマイコン205は、ステップS1201で取得した通信要求要因を解析し、ブロードキャスト通信を要求したのがレンズマイコン111か否かを判定する。カメラマイコン205は、ブロードキャスト通信を要求したのがレンズマイコン111であれば本処理フローを終了し、そうでなければステップS1203に進む。
ステップS1203では、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302に対してP2P通信により通信要求要因の送信要求を送信し、アダプタマイコン302から通信要求要因を取得する。そして本処理を終了する。
図12(b)のフローチャートを用いて、上述した撮像通信処理においてカメラマイコン205が行うリング操作状態情報取得処理を説明する。ステップS1211では、カメラマイコン205は、現時点がアダプタマイコン302からリング操作状態情報を取得するタイミングであるか否かを判定し、そうであればステップS1212に進み、そうでなければステップS1213に進む。
ステップS1212では、カメラマイコン205は、P2P通信によりアダプタマイコン302に対してリング操作状態情報の送信要求(操作状態送信要求)を送信し、アダプタマイコン302からリング操作状態情報を取得する。
次にステップS1213では、カメラマイコン205は、絞り駆動を行うタイミングであるか否かを判定し、そうであればステップS1214に進み、そうでなければステップS1215に進む。
ステップS1214では、カメラマイコン205は、レンズマイコン111に対して、絞り駆動要求を送信する。そしてステップS1215に進む。
ステップS1215では、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302から取得したリング操作状態情報を解析する。リング操作終了情報が含まれていれば本処理を終了し、そうでなければステップS1211に戻る。
次に、図13のフローチャートを用いて、上述した撮像通信処理においてレンズマイコン111が行うP2P通信処理を説明する。カメラマイコン205によりP2P通信の通信相手に指定されたレンズマイコン111は、ステップS1311においてカメラマイコン205から受信したデータを解析する。
次に、ステップS1312では、レンズマイコン111は、受信データが通信要求要因の送信要求であるか否かを判定し、そうであればステップS1313に進み、そうでなければステップS1314に進む。
ステップS1313では、レンズマイコン111は、内部送信バッファに設定した通信要求要因をカメラマイコン205に送信して本処理フローを終了する。内部送信バッファに設定した通信要求要因はその送信後にリセットされる。
ステップS1314では、レンズマイコン111は、通信要求要因の送信以外のP2P通信処理をカメラマイコン205に対して行って本処理を終了する。通信要求要因の送信以外のP2P通信処理は、例えば、交換レンズ100における操作部材の有無、操作部材の操作状態情報、操作状態情報の送信可能な最短周期、焦点距離その他の光学情報といった交換レンズ100の固有情報の送信等である。また、カメラマイコン205からの受信要求であってもよく、例えば絞り駆動要求やフォーカスレンズ駆動要求であってもよい。
本実施例の処理によれば、カメラマイコン205がアダプタマイコン302に対して、リング操作の開始の検出の可否を要求するための通信を周期的に行わなくてもよい。これにより、ユーザによってリング操作がなされていない場合の通信やカメラマイコン205の処理を削減することができる。
また、ユーザによるリング操作に応じてアダプタマイコン302からカメラマイコン205に対してブロードキャスト通信を要求する。これにより、カメラマイコン205がアダプタマイコン302に対してブロードキャスト通信を行う要因があるかを周期的に問い合わせる場合と比較して、より少ないタイムラグでブロードキャスト通信を開始することが可能となる。ブロードキャスト通信を行う要因とは、例えばリング操作(開始および終了)の検出の可否やリング操作状態情報のサンプリングの可否である。つまり、カメラ本体200と交換レンズ100との間に接続されたアダプタ300に設けられたアダプタ操作リング310のユーザ操作に対応(比例)した、かつリアルタイム性が高い良好な絞り駆動を行うことができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例のカメラシステムの構成は、実施例1と同様である。本実施例では、カメラ本体200と交換レンズ100およびアダプタ300との間で、交換レンズ100およびアダプタ300が操作部材を有するか否を示す情報やこれらの操作状態情報の送信可能周期を示す情報等を共有する。このため、本実施例では、交換レンズ100とアダプタ300のうち操作部材としてのアダプタ操作リング310を有する方から優先して通信要求要因を確認し、上記情報の通信可能周期を可変にする。なお、本実施例では、交換レンズ100は操作部材を有さないものとする。
図10には、本実施例におけるアダプタ操作リング310を用いた撮像制御を実現するためにカメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で行われる撮像通信処理について説明する。ここでも例として、図1および図2Aに示したようにカメラ本体200に1つのアダプタ300を介して交換レンズ100が接続されている場合について説明する。この例では、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で信号線CSと信号線DATAを介してブロードキャスト通信およびP2P通信を行う。そしてカメラマイコン205はアダプタマイコン302から後述するリング操作状態情報を受信し、カメラマイコン205がレンズマイコン111を介して交換レンズ100内の絞りユニット114の駆動(絞り駆動)を制御する。
本処理は、まずカメラシステムが起動したことで開始される(1000)。カメラマイコン205は、アダプタマイコン302に対してアダプタ300の固有情報を問い合わせるために、図6に示したブロードキャスト通信(601)を用いてP2P通信の通信相手にアダプタマイコン302を指定する(1001)。アダプタ300の固有情報(以下、アダプタ固有情報という)とは、アダプタ操作リング310等の操作部材を有するか否かと、リング操作状態情報の送信可能周期を含む。また、アダプタ固有情報に、エクステンダとしての光学倍率等の光学情報や、駆動可能な変倍レンズを有するか否かを示す情報を含めてもよい。
次にカメラマイコン205は、P2P通信を用いてアダプタマイコン302に対してアダプタ固有情報の送信を要求し、アダプタマイコン302からアダプタ固有情報を受信する(1002)。これにより、カメラマイコン205は、アダプタ300がアダプタ操作リング310を有することを確認できるとともに、リング操作状態情報の送信可能周期(以下、リング情報送信可能周期という)を把握することができる。
次にカメラマイコン205は、レンズマイコン111に対して交換レンズ100の固有情報を問い合わせるために、図6に示したブロードキャスト通信(604)を用いてP2P通信の通信相手にレンズマイコン111を指定する(1003)。
次にカメラマイコン205は、P2P通信を用いてレンズマイコン111に交換レンズ100の固有情報(以下、レンズ固有情報という)の送信を要求し、レンズマイコン111からレンズ固有情報を受信する(1004)。これにより、カメラマイコン205は、交換レンズ100が操作部材を持たないことを確認することができる。
次にアダプタマイコン302は、ユーザによるリング操作を検出すると(1005)、リング操作状態情報のサンプリングを開始する(1006)。リング操作状態情報は、実施例1と同じである。
次にアダプタマイコン302は、カメラマイコン205に対してリング操作の開始を通知するために、当該通知の前に図4Bに示した信号線CSへのLow出力(421)でブロードキャスト通信の開始をカメラマイコン205に要求する(1007)。すなわち、アダプタマイコン302はカメラマイコン205に対して通信要求を送信する。
アダプタマイコン302からの通信要求を受信したカメラマイコン205は、先の処理で交換レンズ100は操作部材を有さず、アダプタ300がアダプタ操作リング310を有することを確認している。このため、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302に対して優先して通信要求要因を問い合わせる。これにより、より早くアダプタ操作リング310の操作開始を検出することができる。カメラマイコン205は、図6に示したブロードキャスト通信(601)を用いて、P2P通信の通信相手としてアダプタマイコン302を指定する(1008)。
次にカメラマイコン205は、図5で説明したP2P通信を用いて、アダプタマイコン302に対して信号線DATAを介して通信要求要因を問い合わせる。そして、アダプタマイコン302から信号線DATAを介して通信要求要因(リング操作開始情報)を受信する(1009)。この時点で通信要求要因が判明するとともに、通信要求を送ったのがアダプタマイコン302であることが判明するため、この後にレンズマイコン111に対して通信要求要因を問い合わせる必要はない。
次にカメラマイコン205は、アダプタマイコン302からリング操作状態情報を取得するため、図6に示したブロードキャスト通信(601)を用いて、P2P通信の通信相手としてアダプタマイコン302を指定する(1010)。ただし、このブロードキャスト通信は、アダプタマイコン302の通信モードがP2P通信モードである場合は行わなくてもよい。続いてカメラマイコン205は、P2P通信を用いて、アダプタマイコン302に対してリング操作状態情報の送信を要求し、アダプタマイコン302からリング操作状態情報を受信する(1011)。実施例1と同様に、アダプタマイコン302は、リング操作状態情報を送信した時点で、次のリング操作状態情報を送信するために、内部のリング操作状態情報をリセットする。
カメラマイコン205は、起動時(1002)にアダプタマイコン302から受信したリング情報送信可能周期に基づいて要求周期を設定する。そしてその要求周期で、これ以降、リング操作終了情報を受信するまで、アダプタマイコン302の指定(1010)とアダプタマイコン302からのリング操作状態情報の受信(1011)とを繰り返す。これにより、カメラマイコン205は、要求周期ごとに最新のリング操作状態情報を取得することができる。
リング情報送信可能周期の情報には、アダプタマイコン302がリング操作状態情報を送信可能な最短周期と最長周期とが含まれる。カメラマイコン205は、その最短周期から最長周期までの範囲内に要求周期を設定する。例えば、アダプタ操作リング310の操作量や操作速度が大きい場合は要求周期をより短い周期に設定することで、より敏感な撮像制御(絞り駆動)を可能とする。逆に操作量や操作速度が小さい場合は要求周期をより長い周期に設定することで余計な通信を抑えることができる。要求周期の設定方法はこの限りではない。また、本実施例ではアダプタマイコン302がリング情報送信可能周期をカメラマイコン205に送信する。これにより、アダプタ300がカメラ本体200に初めて接続されるような場合(カメラマイコン205にとって未知のアダプタ)であっても、適切な要求周期でリング操作状態情報を取得することができる。
次にカメラマイコン205は、レンズマイコン111に対して、取得したリング操作状態情報に基づいて絞り駆動要求を送信する(1012)。実施例1でも述べたように、絞り駆動要求のための通信は、ブロードキャスト通信でもP2P通信でもよい。また、カメラマイコン205は、リング操作状態情報を受信するごとに絞り駆動要求をレンズマイコン111に送信するが、この絞り駆動要求のレンズマイコン111への送信周期は、リング操作状態情報の受信周期と異なっていてもよい。
これ以降のカメラマイコン205、アダプタマイコン302およびレンズマイコン111が行う処理は、カメラマイコン205によるリング操作終了情報の受信(1013)とそれに応じた処理(1014、1015)を含めて、実施例1と同様である。
以上の撮像通信処理では、アダプタ300の固有情報としてのリング情報送信可能周期をカメラマイコン205が予め取得するので、アダプタ300に対して適切な要求周期でリング操作状態情報の送信を要求することができる。これにより、カメラ本体200と交換レンズ100との間に接続されたアダプタ300に設けられたアダプタ操作リング310のユーザ操作により対応(比例)した、かつよりリアルタイム性が高い撮像制御を行うことができる。
上記各実施例によれば、カメラ本体200と交換レンズ100およびアダプタ300との間の一対多通信を可能として、アダプタ300に設けられたアダプタ操作リング310を用いたリアルタイム性の高い良好な撮像制御を行うことができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例のカメラシステムの構成は、実施例1と同様である。本実施例では、カメラ本体200から、交換レンズ100およびアダプタ300に対して、ブロードキャスト通信要求の禁止および許可できることを特徴とする。具体的には、アダプタ操作リング310操作開始から操作終了までの期間において、アダプタ300に対して、アダプタ操作リング310操作要因によるブロードキャスト通信を禁止する。このように余分なブロードキャスト通信要求を制限することで、通信帯域を空けることが可能になる。
図14を用いて、本実施例におけるアダプタ操作リング310を用いた撮像制御を実現するためにカメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で行われる撮像通信処理について説明する。図10と同じ処理については説明を省略する。
906にて通信要求を送信元がアダプタマイコン302であり、該通信要求の要因がリング操作の開始であることを判別したカメラマイコン205は次の通信を行う。すなわち、P2P通信の通信相手であるアダプタマイコン302に対して、リング操作の開始が要因であるブロードキャスト通信要求の禁止通知を送信する(1401)。
さらに、911にてリング操作の終了を判別したカメラマイコン205は、P2P通信の通信相手であるアダプタマイコン302に対して、リング操作の開始が要因であるブロードキャスト通信要求の許可通知を送信する(1402)。
本実施例によれば、カメラ本体200と交換レンズ100およびアダプタ300との間の一対多通信を可能として、アダプタ300に設けられたアダプタ操作リング310を用いたリアルタイム性の高い良好な撮像制御を行うことができる。さらに、余分なブロードキャスト通信要求を制限することで、通信帯域を空けることが可能になる。
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例のカメラシステムの構成は、実施例1と同様である。本実施例では、カメラ本体200と、外部装置の一例であるスマートフォン2000とが通信を行う。そして、カメラ本体200とスマートフォン2000との通信に基づいて、カメラ本体200とアダプタ300との通信を制御することで、カメラ本体200を介したスマートフォン2000とアダプタ300との通信を実現する。主に前述の実施例との差分に着目して説明する。
<スマートフォン2000の内部構成>
図15は、本実施形態の情報処理装置の一例であるスマートフォン2000の構成例を示すブロック図である。なお、ここでは情報処理装置の一例としてスマートフォンについて述べるが、情報処理装置はこれに限られない。例えば情報処理装置は、無線機能付きのカメラ本体、タブレットデバイス、あるいはパーソナルコンピュータなどであってもよい。
制御部2010は、入力された信号や、後述のプログラムに従ってスマートフォン2000の各部を制御する。なお、制御部2010が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
撮像部2020は、撮像部2020に含まれるレンズで結像された被写体光を電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行い、デジタルデータを画像データとして出力する。撮像した画像データはバッファメモリに蓄えられた後、制御部2010にて所定の演算を行い、記録媒体2100に記録される。
不揮発性メモリ2030は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリである。不揮発性メモリ2030には、制御部2010が実行する基本的なソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)や、このOSと協働して応用的な機能を実現するアプリケーションが記録されている。また、本実施形態では、不揮発性メモリ2030には、カメラ本体200と通信するためのアプリケーション(以下アプリ)が格納されている。
作業用メモリ2040は、表示部2060の画像表示用メモリや、制御部2010の作業領域等として使用される。
操作部2050は、スマートフォン2000に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部2050は例えば、ユーザがスマートフォン2000の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、表示部206に形成されるタッチパネルなどの操作部材を含む。
表示部2060は、画像データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部2060は必ずしもスマートフォン2000が備える必要はない。スマートフォン2000は表示部2060と接続することができ、表示部2060の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
記録媒体2100は、撮像部2020から出力された画像データを記録することができる。記録媒体2100は、スマートフォン2000に着脱可能なよう構成してもよいし、スマートフォン2000に内蔵されていてもよい。すなわち、スマートフォン2000は少なくとも記録媒体2100にアクセスする手段を有していればよい。
通信部2110は、外部装置と接続するためのインターフェースである。本実施形態のスマートフォン2000は、通信部2110を介して、カメラ本体200とデータのやりとりを行うことができる。本実施形態では、通信部2110はアンテナであり、制御部2010は、アンテナを介して、カメラ本体200と接続することができる。なお、カメラ本体200との接続では、直接接続してもよいしアクセスポイントを介して接続してもよい。データを通信するためのプロトコルとしては、例えば無線LANを通じたPTP/IP(Picture Transfer Protocol over Internet Protocol)を用いることができる。なお、カメラ本体200との通信はこれに限られるものではない。例えば、通信部211は、赤外線通信モジュール、Bluetooth(登録商標)通信モジュール、WirelessUSB等の無線通信モジュールを含むことができる。さらには、USBケーブルやHDMI(登録商標)、IEEE1394など、有線接続を採用してもよい。
なお、通信部2110は、例えば無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するための変復調回路や通信コントローラを有する近距離無線通信部であっても良い。この場合、通信部2110は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することにより非接触近距離通信を実現する。ここでは、ISO/IEC 18092の規格(いわゆるNFC)に従った非接触通信を実現する。通信部2110は、他のデバイスからデータ読み出し要求を受けると、不揮発性メモリ2030に格納されているデータに基づき、応答データを出力する。スマートフォン2000は、通信部2110を通じて、NFCの規格で定義されているカードリーダモード、カードライタモードおよびP2Pモードで動作し、主にInitiatorとしてふるまう。対して、カメラ本体200は通信部209介して、主にTargetとしてふるまう。
また、通信部2110は、例えば無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するため変復調回路や通信コントローラから構成される近距離無線通信部であっても良い。この場合、通信部2110は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することによりIEEE802.15の規格に従った近距離無線通信を実現する。本実施形態では、近距離無線通信部は、IEEE802.15.1の規格(いわゆるBleutooth)に従って他の装置と通信する。また、本実施形態においてBluetooth通信は、低消費電力であるBluetooth Low Energyのバージョン4.0(BLE)を採用する。
公衆網通信部2130は、公衆無線通信を行う際に用いられるインターフェースである。スマートフォン2000は、公衆網通信部213を介して、他の機器と通話することができる。この際、制御部2010はマイク2140およびスピーカ2150を介して音声信号の入力と出力を行うことで、通話を実現する。本実施形態では、公衆網通信部213はアンテナであり、制御部101は、アンテナを介して、公衆網に接続することができる。なお、通信部2110および公衆網通信部2130は、一つのアンテナで兼用することも可能である。
なお、通信部2110は、スマートフォン2000とカメラ本体200とがケーブル等によって接続されることで有線通信を行う構成であっても良い。
以上がスマートフォン2000の説明である。
<通信処理フロー>
図16を用いて、カメラマイコン205が交換レンズ100、アダプタ300、スマートフォン2000と行う通信処理について説明する。なお、スマートフォン2000が行う処理の一部又は全部が、制御部2010が有するアプリケーションを介して実行されても良い。
S1501でユーザ操作等に応じてカメラ本体200への電源供給がなされると、本フローの処理はS1502、S1503へと遷移する。
S1502で、カメラマイコン205は、レンズ属性情報の送信要求を第2通信にてレンズマイコン111へと送信する。そして、カメラマイコン205は、当該送信要求に応じてレンズマイコン111から送信されたレンズ属性情報を受信する。S1502の通信を初期通信とも称する。当該レンズ属性情報には、交換レンズ100を識別するための識別情報等が含まれている。
S1503で、カメラマイコン205は、アクセサリ属性情報の送信要求を第1通信にてレンズマイコン111から取得。そして、カメラマイコン205は、当該送信要求への応答として、カメラ本体200に装着されている各アクセサリであって第1通信による通信が可能なアクセサリから、アクセサリ属性情報を受信する。S1503の通信を初期通信とも称する。アクセサリ属性情報には、該当するアクセサリを識別するための識別情報等が含まれている。本実施例では少なくともアダプタ300は第1通信による通信が可能であり、カメラマイコン205はS1503において、アダプタ300のアクセサリ属性情報を受信する。アダプタ300のアクセサリ属性情報に、アダプタ識別情報である第1の識別情報が含まれている。本実施例のカメラマイコン205は、第1の通信モードの一例である前述のブロードキャスト通信モードによって交換レンズ100又はアダプタ300を指定し、第2の通信モードの一例であるP2P通信モードによってアクセサリ識別情報を取得する。この処理を各アクセサリ(本実施例では交換レンズ100又はアダプタ300)に対して行うことによってS1503の通信を実行する。
S1504で、カメラマイコン205は、通信部209を介したスマートフォン2000との接続を行うか否かを判断する。
カメラマイコン205は、スマートフォン2000との接続を行うか否かを、スマートフォンとの接続状態(通信状態とも称する)に関する情報に基づいて判断するようにしても良い。例えば、スマートフォンとの接続状態に関する情報として、スマートフォンにおいてアダプタ300操作用のアプリケーションが起動しているか否かに関する情報スマートフォンから取得しても良い。この場合、カメラマイコン205は、アプリケーションが起動していることに対応する情報を取得したことに対応して、スマートフォン2000との接続を行う。また、アプリケーションが起動していることに対応する情報が取得できない場合や、アプリケーションが起動していないことに対応する情報を取得した場合には、スマートフォン2000との接続を行わない。
また、カメラマイコン205は、スマートフォン2000との接続を行うか否かを、ユーザによる指示情報に基づいて判断するようにしても良い。例えば、ユーザによる指示情報として、ユーザがスマートフォン2000のアプリケーションにおいてアダプタ300の操作を行った場合に、当該操作に対応する情報をスマートフォン2000から取得しても良い。また、ユーザによる指示情報として、ユーザがスマートフォン2000のアプリケーションにおいてアダプタ300の操作を開始することを指示する操作を行った場合に、この操作の開始に対応する情報をスマートフォン2000から取得しても良い。これらの場合、カメラマイコン205は、ユーザによる指示情報を取得したことに対応して、スマートフォン2000との接続を行う。また、ユーザによる指示情報を取得できない場合には、スマートフォン2000との接続を行わない。
スマートフォン2000との接続を行うと判断した場合には、S1505へと遷移する。当該接続を行わないと判断した場合には、S1513へと遷移する。
S1505で、カメラマイコン205は、通信部209を介したスマートフォン2000との接続を確立する。そして、S1506へと遷移する。
S1506で、カメラマイコン205は、スマートフォンから第2の識別情報を受信する。
S1507で、カメラマイコン205は、S1503で取得した第1の識別情報と、S1506で取得した第2の識別情報とを比較し、一致するか否かを判断する。一致する場合には、S1508に遷移する。一致しない場合には、S1511へと遷移する。
S1508で、カメラマイコン205は、アダプタ300を指定した帯域占有コマンドを、ブロードキャスト通信モード(第1の通信モード)にて送信する。帯域占有コマンドは第1のコマンドの一例である。特定のアクセサリを指定した帯域占有コマンドをカメラマイコン205が各アクセサリに送信し、指定された特定アクセサリ以外のアクセサリはこの指定が解除されるまでカメラマイコン205に通信要求を送信しない構成とすることができる。これにより、カメラ本体200と指定された特定アクセサリとの一対一の通信を行うことが可能である。
S1509で、カメラマイコン205は、カメラ本体200を介したスマートフォン2000とアダプタ300との通信(スマートフォン−アダプタ間通信とも称する)が実行されるよう通信を制御する。S1509では、第1通信の通信モードを前述の第2の通信モード又は後述の第3の通信モードのいずれかに遷移させて、カメラマイコン205とアダプタマイコン302との通信を実行するものとする。
S1510で、カメラマイコン205は、カメラ本体200を介したスマートフォン2000とアダプタ300との通信を切断するか否かを判断する。切断する場合にはS1511へと遷移する。切断しない場合にはS1509へと戻る。
S1511で、カメラマイコン205は、第1通信の通信モードをブロードキャスト通信モードへと遷移させる。そして、ブロードキャスト通信モードにて帯域開放コマンドを各アクセサリに送信する。帯域開放コマンドは第2のコマンドの一例である。これにより、前述の帯域占有コマンドによるアダプタ300の指定が解除されたことがアダプタ300以外の各アクセサリにも通知されるため、アダプタ300以外の各アクセサリによるカメラマイコン205への通信要求が可能になる。
S1512で、カメラマイコン205は、S1507において第1の識別情報と第2の識別情報とが不一致であったことをうけて、スマートフォンーアダプタ間通信を確立できなかったことに対応する通知をユーザに対して行う。
S1513で、カメラマイコン205は、スマートフォンーアダプタ間通信以外の定常の通信処理やカメラ本体200による撮影等、定常的な処理を実行する。そして、S1504へと遷移し、スマートフォンとの接続状態に必要に応じてS1509で実行されるスマートフォンーアダプタ間通信とS1513の定常状態とを切り替える。
<スマートフォンーアダプタ間通信の通信モード>
前述のように、S1509のスマートフォンーアダプタ間通信は第1通信の通信モードを前述の第2の通信モード又は第3の通信モードのいずれかに遷移させて、カメラマイコン205とアダプタマイコン302との通信を実行する。
ここで、第3の通信モードについてより詳しく説明する。第3の通信モードは、第1の通信モード及び第2の通信モードとは通信のための取り決めが異なる第1通信の通信モードである。
例えば、第3の通信モードを、第3の通信モードにおいて、信号線DATAを介した通信は、スマートフォン2000がカメラ本体200を介してアダプタ300へ一方向の通信を行う構成としても良い。この場合において、第3の通信モードにおける信号線CSの信号レベルの制御に関する取り決めを、第1の通信モード及び第2の通信モードにおける信号線CSの信号レベルの制御に関する取り決めと異ならせることができる。一例として、第3の通信モードでは信号線CSの信号レベルをHighに維持した状態で信号線DATAを介したデータの通信を行う構成にすることができる。これにより、各アクセサリは第3の通信モードを第1の通信モード及び第2の通信モードと区別することができる。また、別の一例として、信号線CSの信号レベルをHighからLowを介して再度Highに変化させることで、信号線DATAを介して通信されるデータの区切りを示すようにしても良い。
また、第3の通信モードにおいても第1の通信モード及び第2の通信モードと同様に、信号線DATAを介した通信は、スマートフォン2000がカメラ本体200を介してアダプタ300へ双方向に通信を行う構成としても良い。この場合第3の通信モードは、信号線DATAを介した通信の取り決めもしくは信号線CSを介した通信の取り決めのいずれかについて、第1の通信モード及び第2の通信モードとは異なる通信モードであるように構成であれば良い。
スマートフォンーアダプタ間通信の通信モードは、カメラシステムとしての通信の構成との兼ね合いで好適な構成であれば、上述の構成に限られず、他の取り決めを採用することも可能である。
次に、本発明の実施例5について説明する。本実施例のカメラシステムの構成は、実施例4と同様である。
本実施例では、カメラ本体200を介して、スマートフォン2000によるアダプタ300のファームウェアを更新できることを特徴とする。具体的には、前述の第3の通信(以下、帯域占有通信とも称する)でアダプタ300のファームウェア更新データを通信することで、一対多通信が可能な第1通信においてもファームウェア更新処理を正常かつ高速に行うことが可能となる。
本実施例において、アダプタマイコン302は、書き換え可能な不揮発メモリ(不図示)を有しており、アダプタマイコン302が実行する制御ソフトウェア(ファームウェア)、アダプタ300に関する識別情報や状態情報を記憶する。識別情報は例えば機種名、光学特性、補正情報などのアダプタ300に固有の情報である。また、状態情報は例えば動作状態(正常/セーフモード)、アダプタ操作リング310、の操作情報(位置や速度)、ファームウェアのバージョンや更新状態などである。ただし、これらに限定されない。また、メモリには、後述するセーフモードでアダプタ300を動作させる際に実行するプログラムも記憶されている。
また、アダプタマイコン302はCPUなどのプログラマブルプロセッサ(不図示)を有し、メモリからプログラムを読みだして実行することにより、後述するアダプタ300の動作をはじめとした、各種の動作を実現する。例えばアダプタマイコン302は、前述の第1の通信部303を介してカメラマイコン205から受信した命令に応じた動作、例えばアダプタ操作リング310の操作情報の送信、メモリに記憶されたファームウェアの更新を実行する。
アダプタマイコン302は、メモリに記憶されている古いファームウェアを、例えばカメラマイコン205から第1の通信部303を介して受信した新しいファームウェアで上書きすることによってファームウェアを更新する。また、アダプタマイコン302は、ファームウェアの更新処理の状態を表すデータ(更新状態データ)をメモリに記録することで、更新処理を管理する。例えばアダプタマイコン302はファームウェアの上書きを行う前に、更新状態データを「未完了」を示す値にし、ファームウェアの上書きが完了すると更新状態データを「完了」を示す値にする。なお、「完了」を示す値は「正常完了」を示す値と「異常完了」を示す値とで異なっていてもよい。また「異常完了」を示す値は、異常の原因に応じて異なる値であってよい。
例えば、ファームウェアの更新中にアダプタ300が外された場合、アダプタ300への電源供給が絶たれるため、更新状態データが「未完了」を示す値のまま更新処理が中断される。例えばアダプタマイコン302は、電源が再び供給された際に更新状態データを確認し、未完了状態を示す値であった場合には、動作が制限されたモード(セーフモード)に移行する。
セーフモードでは、ファームウェアの更新を行うために必要な処理を含む、制限された機能だけが実行可能である。具体的には、セーフモードであることを示す情報(あるいはファームウェア更新の要求)をカメラ本体200に送信する処理と、カメラ本体200から受信したファームウェアでメモリのファームウェアを更新処理が可能である。それ以外の処理、例えばアダプタ操作リング310の操作情報の送信などは行えない。
通常、メモリの容量はファームウェア全体を二重化して記憶できるほど大きくない。そのため、セーフモード用のプログラム記憶に利用できる容量は制限される。したがってセーフモードでは、アダプタ300の動作状態の送信やファームウェアの更新といった必要最低限の機能を含む、限られた機能だけが提供される。アダプタマイコン302はセーフモード中に第1の通信部303で、セーフモードでは実行できない処理の要求、例えばアダプタ操作リング310の操作情報の送信受信した場合、要求を無視する。
図17を用いて、本実施例におけるカメラ本体を介したスマートフォンによるアダプタのファームウェア更新のシーケンスについて説明する。なお、スマートフォン2000が行う処理の一部又は全部が、制御部2010が有するアプリケーションを介して実行されても良い。
まず、カメラシステムが起動することで(1700)、カメラマイコン205によるアダプタ300を認証するための処理が開始される。
カメラマイコン205は、アダプタマイコン302に対してアダプタ300の第1のアダプタ属性情報を問い合わせるために、図6に示したブロードキャスト通信(601)を用いてP2P通信の通信相手にアダプタマイコン302を指定する(1701)。第1のアダプタ属性情報とは、カメラマイコン205がアダプタ300を識別するための第1のアダプタ識別情報を含む、アダプタ固有の情報である。第1のアダプタ識別情報には、例えば、アダプタ操作リング310等の操作部材を有するか否かと、リング操作状態情報の送信可能周期を含んでいる。また、第1のアダプタ識別情報には、エクステンダとしての光学倍率等の光学情報や、駆動可能な変倍レンズを有するか否かを示す情報を含めてもよい。さらに、第1のアダプタ識別情報には、アダプタマイコン302のファームウェアを更新可能な装置を示すファームウェア更新装置情報を含む。これによりカメラマイコン205は、アダプタマイコン302のファームウェア更新できるのが、カメラ本体200なのか、スマートフォン2000なのかを識別できる。また、第1のアダプタ属性情報には、アダプタマイコン302のファームウェアが正しく更新された状態か否かを示す動作状態(正常/セーフモード)を含む。
また、第1のアダプタ識別情報には、アダプタマイコン302に対して通信可能なコマンドを示すコマンド対応情報を含み、これによりカメラマイコン205はアダプタマイコン302送信可能なコマンド、受信可能なデータを識別できる。
さらに、前記コマンド対応情報には、後述の帯域占有コマンドおよび帯域開放コマンドに対応するか否かを示す帯域占有可能情報を含み、これによりカメラマイコン205はアダプタマイコン302と帯域占有通信可能であるかを識別できる。
さらに、前記コマンド対応情報には、アダプタマイコン302のファームウェア更新コマンドが帯域占有通信で実施可能であるであるか否かを示すファームウェア更新通信モード情報を含む。これによりカメラマイコン205はアダプタマイコン302のファームウェア更新が帯域占有通信で可能であるかを識別できる
さらに、前記コマンド対応情報には、後述の第2のアダプタ属性情報を取得するコマンドに対応するか否かを示す第2のアダプタ属性情報取得可能情報を含み、これによりアダプタ300から第2のアダプタ属性情報を取得可能であるかを識別できる。
次にカメラマイコン205は、P2P通信を用いてアダプタマイコン302に対して第1のアダプタ属性情報の送信を要求し、アダプタマイコン302から第1のアダプタ属性情報を受信する(1702)。これにより、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302のファームウェア更新装置情報および、動作状態などを認証することができる。
続いて、カメラマイコン205とスマートフォン2000とが接続された際の(1703)、認証処理について説明する。
まず、カメラマイコン205はスマートフォン2000に対してスマートフォン2000の属性情報の送信を要求し、スマートフォン2000からスマートフォン2000の属性情報を取得する(1704)。次に、スマートフォン2000に対して第1のアダプタ属性情報を送信する(1705)。これにより、スマートフォン2000は、アダプタマイコン302のファームウェア更新装置情報および、動作状態などを認証することができる。
次に、スマートフォン2000はアダプタ300から第2のアダプタ属性情報を取得可能である場合に、アダプタ300の第2のアダプタ属性情報を問い合わせるために、カメラマイコン205に対して第2のアダプタ属性情報の取得要求を通信する(1706)。第2のアダプタ属性情報とは、例えばカメラマイコン205には必要ないが、スマートフォン2000には必要なアダプタ300の固有情報であり、例えばアプリケーションで表示するためのファームウェアバージョン情報を含む。なお、前述した第1のアダプタ属性情報に含まれる情報の例のなかで、カメラマイコン205には必要ない情報ないが、スマートフォン2000には必要であった場合は、それら情報は第2のアダプタ属性情報に含まれてもよい。これを受けて、カメラマイコン205は、前述の1701、1702同様に、ブロードキャスト通信を用いてP2P通信の通信相手にアダプタマイコン302を指定し(1707)、P2P通信を用いて、第2のアダプタ属性情報を取得する(1708)。その後、カメラマイコン205は取得した第2のアダプタ情報を、スマートフォン2000に送信することで(1709)、スマートフォン2000が必要とする、アダプタマイコン302の固有情報を認証することができる。
続いて、スマートフォン2000によるアダプタマイコン302のファームウェア更新が開始された際の処理について説明する(1710)。
本実施例では、帯域占有通信(第3の通信)でアダプタ300のファームウェア更新データを通信することを特徴とする。アダプタマイコン302に対して、ブロードキャスト通信又はP2P通信でファームウェア更新データを送信すると、ブロードキャスト通信又はP2P通信で取り決められた通信データフォーマットで通信する必要がある。このため、大容量なファームウェア更新データの送信には時間がかかる懸念があるためである。また、ブロードキャスト通信の場合、アダプタ300以外のアクセサリが通信要求してしまうと、ファームウェア更新を正常に完了できない危険性もあるからである。したがって、本実施例におけるアダプタ300は、帯域占有通信可能であるとともに、ファームウェア更新が帯域占有通信で可能であることを、第1又は第2のアダプタ情報で、カメラマイコン205とスマートフォン2000に通知することを特徴とする。
はじめに、スマートフォン2000はカメラマイコン205に対してアダプタ300を指定した帯域占有コマンドの送信要求をする(1711)。これを受けて、カメラマイコン205は、ブロードキャスト通信にてアダプタ300を指定した帯域占有コマンド送信する(1712)。これにより、カメラ本体200とアダプタ300は第3の通信モード(以下、帯域占有通信モードとも称する)に遷移し、一対一の通信が開始される。またこのとき、アダプタ300以外のアクセサリは、ブロードキャスト通信モード(以下、帯域譲渡モードとも称する)に移行する。そして、カメラマイコン205はスマートフォン2000に対して帯域占有通信モードに遷移した旨を通知することで(1713)、スマートフォン2000はアダプタマイコン302のファームウェア更新データの送信処理を開始する。ここで、ブロードキャスト通信モードでは、ブロードキャスト通信で帯域解除コマンドを受信するまでは通信要求を停止するとともに、帯域解除コマンド以外の通信を無視する。
次に、スマートフォン2000は、帯域占有通信で送信するコマンド(本実施例においてはアダプタファームウェア更新データ)を、カメラマイコン205に対して通知する(1714)。これを受けて、カメラマイコン205は、帯域占有通信で前述のコマンドを通信し(1715)、通信結果をスマートフォン2000に通知する(1716)。以上1714、1715、1716を、ファームウェア更新データを全て送信するまで繰り返す。
ファームウェア更新データを全て送信し終わったら、スマートフォン2000は帯域占有通信を解除するために、カメラマイコン205に対して帯域開放コマンド送信を要求する(1718)。これを受けて、カメラマイコン205は、各アクセサリに対してブロードキャスト通信で帯域開放コマンド送信する(1719)。これにより、カメラマイコン205とアダプタマイコン302の帯域占有通信モード、およびアダプタ300以外のアクセサリの帯域譲渡モードが解除され、定常的なブロードキャスト通信モードに戻る。その後、カメラマイコン205はスマートフォン2000に対して帯域占有通信モードを終了した旨を通知することで(1720)、スマートフォン2000はアダプタマイコン302のファームウェア更新を完了したことを認知する。
次に、図18のフローチャートを用いて、上述したカメラ本体200を介して、スマートフォン2000によるアダプタ300のファームウェア更新処理を説明する。なお、スマートフォン2000が行う処理の一部又は全部が、制御部2010が有するアプリケーションを介して実行されても良い。
図18Aは本実施例における、カメラマイコン205の処理である。S1801でユーザ操作等に応じてカメラ本体200への電源供給がなされると、本フローの処理はS1802、S1803へと遷移する。
S1802で、カメラマイコン205は、レンズ属性情報の送信要求を第2通信にてレンズマイコン111へと送信する。そして、カメラマイコン205は、当該送信要求に応じてレンズマイコン111から送信されたレンズ属性情報を受信する。S1802で実行される通信も初期通信と称する。当該レンズ属性情報には、交換レンズ100を識別するための識別情報等が含まれている。
S1803で、カメラマイコン205は、第1のアクセサリ属性情報の送信要求を第1通信にてアダプタマイコン302へと送信する。そして、カメラマイコン205は、当該送信要求への応答として、カメラ本体200に装着されている各アクセサリであって第1通信による通信が可能なアクセサリから、第1のアクセサリ属性情報を受信する。S1803で実行される通信も初期通信と称する。第1のアクセサリ属性情報には、該当するアクセサリを識別するための識別情報等が含まれている。本実施例では少なくともアダプタ300は第1通信による通信が可能であり、カメラマイコン205はS1803において、アダプタ300の第1のアクセサリ属性情報を受信する。アダプタ300の第1のアクセサリ属性情報に、アダプタ識別情報である第1の識別情報が含まれている。本実施例のカメラマイコン205は、第1の通信モードの一例である前述のブロードキャスト通信モードによって交換レンズ100又はアダプタ300を指定し、第2の通信モードの一例であるP2P通信モードによってアクセサリ識別情報を取得する。この処理を各アクセサリ(本実施例では交換レンズ100又はアダプタ300)に対して行うことによってS1803の通信を実行する。
またこのとき、第1のアダプタ属性情報に含まれる動作状態(正常/セーフモード)がセーフモードであった場合、カメラマイコン205は表示部206に、例えば図19(A)に示すような表示を行う。これにより、アダプタ300のファームウェアを更新するか、別のアクセサリを装着するようにユーザに要求する。さらに、このとき第1のアダプタ識別情報に含まれるファームウェア更新装置情報がスマートフォン2000であった場合、カメラマイコン205は表示部206に、例えば図19(B)に示すような表示を行う。これにより、ファームウェアを更新するためにはスマートフォンと接続するようにユーザに要求する。
S1804で、カメラマイコン205は、通信部209を介したスマートフォン2000との接続を行うか否かを判断する。判断方法は前述S1504と同様のため省略する。スマートフォン2000との接続を行うと判断した場合には、S1805へと遷移する。当該接続を行わないと判断した場合には、S1814へと遷移する。
またこのとき、カメラの設定メニューでアダプタ300のファームウェア更新を実行しようとした場合、次の場合にはカメラマイコン205は表示部206に、例えば図19(B)に示すような表示を行う。第1のアダプタ識別情報に含まれるファームウェア更新装置情報がスマートフォン2000である場合である。これにより、ファームウェアを更新するためにはスマートフォンと接続するようにユーザに要求する。
S1805で、カメラマイコン205は、通信部209を介したスマートフォン2000との接続を確立する。そして、S1806へと遷移する。
S1806で、カメラマイコン205は、スマートフォンに第1のアクセサリ属性情報を送信し、S1807へ遷移する。
S1807で、カメラマイコン205は、スマートフォン2000からのスマートフォン−アクセサリ通信要求があれば、次のように通信を制御する。要求内容および第1のアダプタ属性情報に含まれるコマンド対応情報に基づき、カメラ本体200を介したスマートフォン2000とアダプタ300との通信が実行されるよう第1通信を制御する。そして、S1808へ遷移する。カメラ本体200を介したスマートフォン2000とアダプタ300との通信を、以下、スマートフォン−アクセサリ通信とも称する。
本実施例において、スマートフォン−アクセサリ通信はブロードキャスト通信あるいはP2P通信で行われる。本実施例では、本ステップで第2のアダプタ属性情報を取得するがその限りではない。また、必要に応じてカメラマイコン205は、スマートフォン2000に対して、受信データや通信異常発生などの通信結果を送信する。
S1808で、カメラマイコン205は、カメラ本体200とスマートフォン2000との接続を切断するか否かを判断する。切断する場合にはスマートフォンとの接続切断処理を実施してS1814へと遷移する。切断しない場合にはS1809へ遷移する。
S1809で、カメラマイコン205は、スマートフォン2000からのアダプタ300を指定して第1通信を帯域占有するか判断する。帯域占有すると判断すればS1810へと遷移し、帯域占有しなければS1807へと戻る。例えば、第1又は第2のアダプタ属性情報に基づきアダプタ300が帯域占有通信可能であると識別しているとともに、スマートフォン2000から帯域占有要求がされた場合に、カメラマイコン205は帯域占有すると判断する。また、本実施例ではスマートフォン2000からアダプタ300のファームウェア更新をするときに、スマートフォン2000からカメラマイコン205に対して帯域占有要求を実施するが、その限りではなく、他の用途においても帯域占有要求しても構わない。
S1810で、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302を指定した帯域占有コマンドを、ブロードキャスト通信にて送信し、S1811へ遷移する。帯域占有コマンドは第1のコマンドの一例である。これにより、アダプタマイコン302は帯域占有通信モードに遷移し、アダプタ300以外のアクセサリは帯域譲渡モードに遷移する。以降、カメラ本体200とアダプタマイコン302は、ブロードキャスト通信およびP2P通信とは異なる取り決めによる一対一の通信(以下、スマートフォン−アクセサリ占有通信)を行うことが可能になる。
S1811で、カメラマイコン205は、スマートフォン2000からのスマートフォン−アクセサリ占有通信要求があれば、アダプタマイコン302に対して帯域占有通信で要求内容に基づいたデータを通信し、S1812へ遷移する。また必要に応じてカメラマイコン205は、スマートフォン2000に対して、受信データや通信異常発生などの通信結果を送信する。なお、本実施例において、要求データはアダプタファームウェア更新データだが、第3の通信モードで通信するデータはその限りではない。
S1812で、カメラマイコン205は、スマートフォン2000からのアダプタ300を指定したスマートフォン−アクセサリ通信の帯域開放の要求があるか判断する。帯域開放要求があればS1813へと遷移し、なければS1811へと戻りスマートフォン−アクセサリ占有通信を継続する。本実施例ではスマートフォン2000からアダプタ300のファームウェア更新が完了したときに、スマートフォン2000からカメラマイコン205に対して帯域開放要求をしているが、その限りではなく、他の条件で帯域開放要求しても構わない。
S1813で、カメラマイコン205は、ブロードキャスト通信で帯域開放コマンドを通信することで、各アクセサリはブロードキャスト通信モードに戻る。帯域開放処理が完了したら、S1807に戻る。帯域開放コマンドは第2のコマンドの一例である。
S1814では、カメラマイコン205は、スマートフォンーアダプタ間通信以外の第1通信の処理や、カメラ本体200による撮影等、定常的な処理を実行し、S1804へと遷移する。
図18Bは本実施例における、スマートフォン2000の処理である。S1821でユーザ操作等に応じてカメラ本体200と接続されると、本フローの処理はS1822へと遷移する。
S1822で、スマートフォン2000は、カメラマイコン205から送信される(S1806)、第1のアクセサリ属性情報を受信し、S1823へ遷移する。
S1823で、スマートフォン2000は、アダプタ300の第2のアダプタ属性情報を取得するために、カメラマイコン205に対して第2のアダプタ属性情報の取得要求を送信する。そして、カメラマイコン205から第2のアダプタ属性情報を受信して、S1824に遷移する。本実施例では、前述のスマートフォン−アクセサリ通信で、第2のアダプタ属性情報を取得するがその限りではない。例えば、スマートフォン−アクセサリ占有通信で取得してもよい。
S1824で、スマートフォン2000は、カメラ本体200とスマートフォン2000との接続を切断するか否かを判断する。切断する場合にはカメラ本体20との接続切断処理を実施して本フローを終了する。切断しない場合にはS1825へ遷移する。
S1825で、スマートフォン2000は、アダプタマイコン302のファームウェアを更新するか否かを判断する。ファームウェア更新を実施する場合はS1827へ遷移する。ファームウェア更新を実施しない場合はS1826へ遷移する。
ファームウェア更新を実施する例として、次の例がある。スマートフォン2000からアダプタマイコン302のファームウェア更新が可能であるとともに帯域占有通信が可能である場合に、ファームウェア更新が実施される。ファームウェア更新が可能であるか否かは、第1又は第2のアダプタ識別情報に含まれるファームウェア更新装置情報に基づいて判定される。ファームウェア更新が実施される場合には、スマートフォン2000のユーザ操作によりアダプタ300のファームウェア更新が要求される。これにより、スマートフォン2000は表示部2060に図19(C)に示すようなアダプタ300に送信可能なファームウェア更新ファイルの選択を促す表示を行う。
そして、ユーザによるファームウェア更新ファイルの選択が行われたら、ファームウェアの更新を開始する。別の例としては、第1のアダプタ属性情報に含まれる動作状態(正常/セーフモード)がセーフモードであった場合、スマートフォン2000は表示部2060に図19(A)に示すような表示を行う。これにより、アダプタ300のファームウェアを更新するか、別のアクセサリを装着するようにユーザに要求する。このとき、前記動作状態は第2のアダプタ属性情報に含まれていても構わない。また、ファームウェア更新を実施する例はこの限りではなく、例えば、第1又は第2のアダプタ属性情報に含まれたアダプタのファームウェアバージョン情報に基づき、ユーザにファームウェア更新を促す表示をしてもよい。あるいは、カメラマイコン205から受信するカメラ状態に基づきファームウェア更新を実行するか判断してもよく、例えばカメラ電池残量が少ない場合は途中でファームウェア更新が失敗する可能性があるため、ファームウェア更新を禁止してもよい。
S1826で、スマートフォン2000は、第1又は第2のアダプタ属性情報に基づき、必要に応じて、アダプタ300のアダプタ情報(固有情報や状態情報)を取得するために、カメラマイコン205に対してアダプタ情報取得要求を送信する。そして、カメラマイコン205から前述のアダプタ情報を受信して、S1824に遷移する。本実施例では、前述のスマートフォン−アクセサリ通信で、アダプタ情報を取得するがその限りではない。例えば、スマートフォン−アクセサリ占有通信で取得してもよい。
S1827で、スマートフォン2000は、カメラマイコン205に対してアダプタ300を指定した帯域占有コマンド送信を要求し、カメラマイコン205からスマートフォン−アクセサリ占有通信に遷移した旨の通知を受けたら、S1828に遷移する。またこのとき、カメラ本体200の機能を制限するように、カメラマイコン205に対して要求してもよい。例えば、ファームウェア更新中に第1通信が中断しないように電源OFFボタンを無効にする、あるいはアダプタ300が光学部材を有する場合に撮影を禁止していいが、その限りではない。例えば、アダプタ300が光学部材を有しない場合に、第2通信にてレンズ100を制御可能であれば撮影を許可しても構わない。
S1828で、スマートフォン2000は、カメラマイコン205に対してアダプタ300へのアダプタファームウェア更新データ送信を要求し、カメラマイコン205から通信結果の通知を受けたら、S1829に遷移する。
S1829で、スマートフォン2000は、アダプタファームウェア更新データの送信を続けるか否かを判断し、続ける場合はS1828に戻り、続けない場合はS1830に遷移する。このとき、通常はアダプタファームウェア更新データを全て送信し終えたら、送信を終了するが、その限りではない。例えば、カメラマイコン205から第1通信の通信異常が通知された場合や、スマートフォン2000とカメラ本体200との接続に異常を検知した場合などの、ファームウェア更新に失敗したことを検知ときでもよい。またそのとき、スマートフォン2000は表示部2060に図19(D)に示すようなファームウェア更新失敗したことをユーザに通知してもよい。なお、前述のようにファームウェア更新に失敗したアダプタ300は、カメラ本体200に装着されたときにセーフモードとして動作する。また、第1又は第2のアダプタ属性情報に含まれた前記動作状態をセーフモードとする。これにより、カメラマイコン205あるいはスマートフォン2000に対してファームウェア更新を促すことができる。
S1830で、スマートフォン2000は、カメラマイコン205に対して帯域開放コマンド送信を要求し、カメラマイコン205からスマートフォン−アクセサリ通信に遷移した旨の通知を受けたら、S1824に遷移する。
図18Cは本実施例における、帯域占有コマンドおよび帯域開放コマンドに対応したアダプタマイコン302の処理である。第1通信でブロードキャスト通信を受信すると、本フローの処理が開始する。
S1841で、アダプタマイコン302はブロードキャスト通信の受信データを解析し、S1842に遷移する。
S1842で、アダプタマイコン302は前記受信データが、帯域開放コマンドか否か判断し、帯域開放コマンドであればS1843へ遷移し、そうでなければS1844へ遷移する。
S1843で、アダプタマイコン302は第1通信の通信モードを、帯域占有通信モード又は帯域譲渡モードであればブロードキャスト通信モードに遷移させ、本フローを終了する。
S1844で、アダプタマイコン302は前記受信データが、帯域占有コマンドか否か判断し、帯域占有コマンドであればS1848へ遷移し、そうでなければS1845へ遷移する。
S1845で、アダプタマイコン302は前記受信データが、アダプタマイコン302を指定したP2P通信要求か否か判断し、そうであればS1847へ遷移し、そうでなければS1846へ遷移する。
S1846で、アダプタマイコン302は前記受信データに基づく処理を実行し、本フローを終了する。また、他のアクセサリに対するP2P通信要求であれば、他のアクセサリとのP2P通信が終了するまで、アダプタマイコン302が通信要求を通知しないように制御する。
S1847で、アダプタマイコン302は第1通信の通信モードを、P2P通信モードに遷移させ、本フローを終了する。
S1848で、アダプタマイコン302は帯域占有コマンドである前記受信データがアダプタマイコン302を指定しているか否か判断する。帯域占有対象として指定されたらS1849へ遷移し、そうでなければ他のアクセサリを帯域占有対象として指定したと判断してS1850へ遷移する。
S1849で、アダプタマイコン302は第1通信の通信モードを帯域占有通信モードに遷移させ、本フローを終了する。
S1850で、アダプタマイコン302は第1通信の通信モードを帯域譲渡モードに遷移させ、本フローを終了する。
本実施例では、カメラ本体200を介して、スマートフォン2000によるアダプタ300のファームウェアを更新する。このとき、第3の通信モードでアダプタ300のファームウェア更新データを通信することで、一対多通信が可能な第1通信においてもファームウェア更新処理を正常かつ高速に行うことが可能となる。
次に、本発明の実施例6について説明する。
本実施例のカメラシステムの構成を図20に示す。本実施例であるカメラ本体200と、交換レンズ100およびアダプタ300Aを含むカメラシステムを示す。本実施例におけるスマートフォン2000を用いた雲台駆動モータ313の駆動制御を実現するために、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で行われる駆動通信処理について説明する。ここでも例として、図1および図2Aに示したようにカメラ本体200に1つのアダプタ300Aを介して交換レンズ100が接続されている場合について説明する。
この例では、スマートフォン2000からの通信を通信部209で受信し、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で信号線CSと信号線DATAを介してブロードキャスト通信およびP2P通信、帯域占有通信を行う。そしてアダプタマイコン302はカメラマイコン205から後述する雲台アダプタ駆動要求情報を受信し、アダプタマイコン302がアダプタ300A内の雲台駆動モータ313の駆動を制御する。
本実施例では、カメラ本体200と交換レンズ100およびアダプタ300Aとの間で、交換レンズ100およびアダプタ300が帯域占有通信に対応するか否かを示す情報等を共有する。帯域占有通信については後述する。
<帯域占有通信(第1通信)>
第1通信において、カメラ本体200、交換レンズ100およびアダプタ300の間で行われる帯域占有通信について説明する。帯域占有通信は、通信マスタであるカメラ本体200が、通信スレーブである交換レンズ100とアダプタ300から通信する相手(特定アクセサリ装置)を1つ指定し、その指定した通信スレーブとの間のみでデータを送受信する一対一通信(個別通信)である。
帯域占有通信は、信号線DATAと信号線CSを用いて行われる。また、帯域占有通信が行われる通信モードを帯域占有通信モードという。帯域占有通信とP2P通信では特定アクセサリ装置以外の通信スレーブが信号線CSおよび信号線DATAに信号を出力しない点で共通である。一方で帯域占有通信モードとP2Pモードではデータ線CSの意味が異なる。また、帯域占有通信モードでは通信マスタであるカメラ本体200と特定アクセサリ装置が送受信するデータの最大バイト数が分かっていることが前提の通信である。特に、通信するデータの種類が少ない場合に適切な通信を行える。例えば、送受信するデータの最大バイト数は第1又は第2のアダプタ属性情報に含まれることで、帯域占有通信モードを開始するまでに認識することが可能である。さらに、帯域占有通信モードとP2Pモードにおけるデータ(コマンド含む)の意味をまったく変えてもよい。
図21は、例として、カメラマイコン205と通信相手として指定されたアダプタマイコン302との間でやりとりされる帯域占有通信の信号波形を示している。ここではカメラマイコン205がアダプタマイコン302に送信するデータの最大バイト数が2バイト、カメラマイコン205がアダプタマイコン302から受信するデータの最大バイト数が1バイトであることが事前の通信などでどちらも認識しているものとする。ここでは例としてカメラマイコン205からアダプタマイコン302に対して2バイトの制御要求データ送信を行う。そして、これに対するアダプタからの応答を必要としない通信処理と、これに続けてカメラマイコン205からアダプタマイコン302に対して2バイトのデータ送信を行い、これに対するアダプタからの応答が1バイト取得するケースについて説明する。
まず通信マスタであるカメラマイコン205は、送信するデータを2バイト分連続で信号線DATAに出力する(2801)。一方でアダプタマイコン302は帯域占有通信においてはあらかじめ送受信するデータの最大バイト数が2バイトであることを認識している。このため、アダプタマイコン302は当該2バイトの情報を受信したタイミングでスマートフォン2000から要求された制御要求に反応することができる。また、カメラマイコン205は本通信においてアダプタマイコン302からの受信データを取得する必要が無いため、信号線CSへのLow出力をしない。続いてカメラマイコン205は、次の送信するデータを任意のタイミングで2バイト分連続して信号線DATAに出力する(2802)。なお、ここでデータ出力を開始するまでの時間に制約等があるのであれば、事前に通信などを行い、カメラマイコン205とアダプタマイコン302の間で認識が一致した上で制御すればよい。
本通信処理では前述したとおり、アダプタマイコン302から1バイトのデータ受信を行う必要があるケースとなっている。そこで、カメラマイコン205は、ストップビットSPの出力まで終了した後、信号線のCSへのLow出力を行うことで、アダプタマイコン302にデータを送信するように要求する(2803)。その後カメラマイコン205は、データの受信準備が整った後に、信号線CSへのLow出力を解除する(2804)。一方、アダプタマイコン302は、信号線CSから入力されたLow信号を検出し、信号線CSの信号レベルがHiに戻ったことを確認した後、送信すべきデータを信号線DATAに出力する(2805)。帯域占有通信ではあらかじめ送受信するデータの最大バイト数を双方で認識しているため、カメラマイコン205は、1バイトのデータを信号線DATAから入力された時点で受信データを解析あるいはスマートフォン2000に転送する。
以上説明したように、前述したカメラマイコン205からアダプタマイコン302に対して2バイトの制御要求データ送信を行う。そして、これに対するアダプタからの応答を必要としない通信処理と、これに続けてカメラマイコン205からアダプタマイコン302に対して2バイトのデータ送信を行い、これに対するアダプタからの応答が1バイト取得するケースを実現することができる。その後は再度、同様の処理にてカメラマイコン205からアダプタマイコン302へ制御要求あるいはデータ取得要求を行うことができる。図21の2806には、2805までの処理に続いて、アダプタマイコン302に対して制御要求2バイトの通信を行っている例を示している。
帯域占有通信の通信相手として指定されていないカメラマイコン111は、信号線CSおよび信号線DATAに信号を出力しない。
以上のように、帯域占有通信において信号線CSで伝達される信号は、特定アクセサリ装置からのデータ送信要求を示す通知信号として機能する。
<スマートフォンの操作に応じた制御>
図22を用いて、本実施例におけるカメラ本体200を介したスマートフォン2000によるアダプタ300Aの雲台制御モータ313の駆動制御シーケンスについて説明する。なお、スマートフォン2000が行う処理の一部または全部が、制御部2010が有するアプリケーションを介して実行されてもよい。
ここでの説明は図17と重複する部分が多々あるので、異なる部分や補足すべきことがあるところを説明する。
1708で取得され、1709でスマートフォン2000に送信される第2のアダプタ情報には、アダプタ300Aの名称およびアダプタ300Aのファームバージョンが含まれる。アダプタ300Aの名称は例えばスマートフォン2000から制御できるアダプタか否かを判断することに使用できる。アダプタ300Aのファームバージョンは例えばスマートフォン2000がアダプタ300Aを帯域占有通信で制御する際にどのような通信方式やコマンドに対応しているかを判断するために使用できる。さらに帯域占有通信をするために必要な送受信データの最大バイト数も第2のアダプタ情報に含まれることが好ましい。なお、以上のいずれの情報も必ずしも第2のアダプタ情報に含まれる必要はなく、第1のアダプタ情報に含めてもよい。
次にスマートフォン2000による雲台駆動モータ313の駆動制御が開始された際の処理について説明する(1710A)。
アダプタマイコンのファームウェア更新と同様にスマートフォン2000はカメラマイコン205に対してアダプタ300Aを指定した帯域占有コマンド送信を要求する(1711)。これを受けて、カメラマイコン205は、第1の通信モードにてアダプタ300Aを指定した帯域占有コマンドを送信する(1712)。これにより、カメラ本体200とアダプタ300Aは第3の通信モードに遷移し、一対一の通信が開始される。またこのとき、アダプタ300A以外のアクセサリは、ブロードキャスト通信で帯域解除コマンドを受信するまでは通信要求を停止するとともに、帯域解除コマンド以外の通信を無視することを特徴とした帯域譲渡モードに移行する。そして、カメラマイコン205はスマートフォン2000に対して帯域占有通信モードに遷移した旨を通知することで(1713)、スマートフォン2000は雲台駆動モータ313の駆動制御データの送信処理を開始する。
次に、スマートフォン2000は、帯域占有通信で送信するデータ、信号線CSを操作するか否かという信号線CS制御情報および受信するデータのバイト数を通知する。
スマートフォン2000から送信するデータ、信号線CSを制御せず、受信データのバイト数が0(ない)という情報をカメラマイコン205に送信した場合(1714A)を説明する。これを受けて、カメラマイコン205は、帯域占有通信で前述のデータをアダプタマイコン302に送信する(1715A)。ここではカメラマイコン205はアダプタマイコン302から受信するデータがないため、送信完了した時点でアダプタへのデータ送信完了を通知する(1716A)。
次にスマートフォン2000から送信するデータはなし(何も送信しない)、信号線CSを制御して、受信データが1バイトという情報をカメラマイコン205に送信した場合(1714B)を説明する。これを受けてカメラマイコン205は、信号線CSでLowを出力した後にHighに戻し、1バイトのデータを受信し(1715B)、通信結果をスマートフォン2000に通知する(1716B)。
さらにスマートフォン2000から送信するデータと、信号線CSを制御して、受信データが1バイトという情報をカメラマイコン205に送信した場合(1714A)は、上記の、1715A、1716A、1715B、1716Bの順に処理される。ただし、カメラマイコン205の処理順序によっては1716Aと1715Bの順序は入れ替わる可能性がある。
以上、1714A、1715A、1716A、1714B、1715B、1716Bはスマートフォン2000でアダプタ操作モードを終了するまで(1717)繰り返し実行される。アダプタ操作モードを終了させるトリガは、例えば、スマートフォン2000に対して当該モードを終了させるための手続きが取られた場合が挙げられる。また、カメラマイコン205とアダプタマイコン302の通信で異常が発生してカメラマイコン205がスマートフォン2000に通知した場合(不図示)にアダプタ操作モードを終了するようにしても良い。
スマートフォン2000でアダプタ操作モードを終了するとき、スマートフォン2000は帯域占有通信を解除するために、カメラマイコン205に対して帯域開放コマンドを要求する(1718)。これを受けて、カメラマイコン205は、各通信スレーブに対してブロードキャスト通信で帯域開放コマンドを送信する(1719)。これにより、カメラマイコン205とアダプタマイコン302の帯域占有通信モード、およびアダプタ300A以外のアクセサリの帯域譲渡モードが解除され、定常的なブロードキャスト通信モードに遷移する。その後、カメラマイコン205はスマートフォン2000に対して帯域占有通信モードを終了した旨を通知することで(1720)、スマートフォン2000は正常にアダプタ操作モードを終了できたことを認知する。
次に、図23のフローチャートを用いて、上述したカメラ本体200を介して、スマートフォン2000によるアダプタ300Aの雲台駆動モータ313の駆動制御通信処理を説明する。ここでも図22と同様に説明が重複する部分が多々あるため、差異についてのみ説明する。
図23Aは本実施例における、カメラマイコン205の処理である。図18Aはアダプタ300、図23Aはアダプタ300Aである点で異なるが、処理のフロー自体は変わらない。図23Aと図18Aで異なる点を下記に述べる。
ステップS1806で、カメラマイコン205は、スマートフォンに第1のアクセサリ属性情報を送信し、S1807へ遷移する。この処理が完了したことをトリガにして、図24(a)を表示部206に表示する。例えばここでカメラ接続アイコン2300のようなものを表示することでユーザはカメラ本体200とスマートフォン2000が接続していることを視覚的に確認することができる。
ステップS1809Aで、カメラマイコン205は、スマートフォン2000からのアダプタ300を指定した第1通信の帯域占有要求があるか判断する。帯域占有要求があればS1810に進み、なければS1807に進む。本実施例ではスマートフォン2000からアダプタ300Aの雲台駆動モータ313を駆動制御するときに、スマートフォン2000からカメラマイコン205に対して帯域占有要求を実施する。
ステップS1810で、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302を指定した帯域占有コマンドを、ブロードキャスト通信にて送信し、S1811Aへ遷移する。帯域占有コマンドは第1のコマンドの一例である。これにより、アダプタマイコン302は帯域占有通信モードに遷移し、アダプタ300以外のアクセサリは帯域譲渡モードに遷移する。以降、カメラ本体200とアダプタマイコン302は、ブロードキャスト通信およびP2P通信とは異なる取り決めによる一対一の通信(スマートフォン−アクセサリ占有通信)を行うことが可能になる。この処理が完了したことをトリガとして、図24(b)を表示部206に表示する。例えばここで先述したカメラ接続アイコン2300に加えて帯域占有通信モードアイコン2301を表示することによってユーザはスマートフォン2000の操作によって雲台駆動モータ313を制御していることを視覚的に確認することができる。
ステップS1811Aで、カメラマイコン205は、スマートフォン2000からのスマートフォン−アクセサリ占有通信要求があれば、アダプタマイコン302に対して帯域占有通信で要求内容に基づいたデータを通信し、S1812Aに進む。また必要に応じてカメラマイコン205は、スマートフォン2000に対して、受信データや通信異常発生などの通信結果を送信する。なお、本実施例において、カメラマイコン205からアダプタマイコン302に送信を要求するデータは雲台駆動モータ313の駆動制御データで、受信を要求するデータはアダプタ状態情報であるが、第3の通信モードで通信するデータはその限りではない。
ステップS1812Aで、カメラマイコン205は、スマートフォン2000からのアダプタ300Aを指定したスマートフォン−アクセサリ通信の帯域開放の要求があるか判断する。帯域開放要求があればS1813に進み、なければS1811Aに進んでスマートフォン−アクセサリ占有通信を継続する。本実施例ではスマートフォン2000からアダプタ300Aの雲台駆動モータ313の駆動制御が完了したときに、スマートフォン2000からカメラマイコン205に対して帯域開放要求をしているが、その限りではなく、他の条件で帯域開放要求しても構わない。
図23Bは本実施例における、スマートフォン2000の処理である。処理のフロー自体は重複する部分が多々存在するため、図23Bと図18Aで異なる点を下記に述べる。
ステップS1822で、スマートフォン2000は、カメラマイコン205から送信される(S1806)、第1のアクセサリ属性情報を受信し、S1823へ遷移する。この処理が完了したことをトリガとして、図24(c)を表示部2060に表示する。ここでの表示例では表示部2060は撮像イメージ表示部2310と操作部2320で構成されている。表示部2310は表示部206と同様の表示を行ってもよいし、行わなくてもよい。操作部2320はユーザが撮影するにあたって操作する部材が並べられている。操作部材2321を押すことによってスマートフォンとカメラの接続を切断することができる(S1824)。操作部材2322を押すことによって帯域占有通信に遷移するか(S1825A)の確認画面(図24(d))に遷移する。操作部材2323を押すことによって静止画の撮影ができる。同様に操作部材2324を押すことによって動画の撮影を開始できる。
ステップS1825Aで、スマートフォン2000は、アダプタマイコン302と帯域占有通信するか否かを判断する。帯域占有通信する場合はS1827に進み、しない場合はS1826に進む。この処理を実施している際に表示部2060に表示される画面は図24(d)である。ここで「はい」を押すと図24(e)(S1825AのYに該当)、「いいえ」を押すと図24(c)(S1825AのNに該当)に遷移する。
ステップS1827で、スマートフォン2000は、カメラマイコン205に対してアダプタ300を指定した帯域占有コマンド送信を要求する。そして、カメラマイコン205からスマートフォン−アクセサリ占有通信に遷移した旨の通知を受けたら、S1828Aに遷移する。またこの処理をトリガとして、スマートフォン2000から雲台駆動モータ313を駆動制御できる状態になったことを表示部2060に表示する。操作部材2322Aを押すことで雲台駆動モータを制御するモードを解除することができる(S1829A)。このとき図24(d)のような確認画面を出してもよい(不図示)。部材2325は雲台駆動モータ313の駆動速度を変更するための部材である。操作部材2326を左右にスライドさせることで雲台駆動モータ313の駆動速度を変更することができる。操作部材2327を押すことで押した方向(YAW/PITCH)にカメラの向きを前記操作部材2326の速度で変更することができる。ここでは操作部材2327を押している間、カメラの向きを変更させつづけることを想定しているが、1回押すたびに一定量動くように制御してもよい。
ステップS1828Aで、スマートフォン2000は、カメラマイコン205に対してアダプタ300Aへの雲台駆動モータ313の駆動制御データを送信するように制御し、アダプタ状態情報を受信するように制御する。カメラマイコン205から通信結果の通知を受けたら、S1829Aに遷移する。
S1829Aで、スマートフォン2000は、アダプタマイコン302と帯域占有通信を続けるか否かを判断し、続ける場合はS1828Aに進み、続けない場合はS1830に進む。先述の操作部材2322Aを押すことが正常なトリガとなるが、例えばスマートフォン2000とカメラ本体200の通信に異常が発生したときや、カメラマイコン205とアダプタマイコン302の通信に異常が発生したときもトリガとなりうる。あくまで一例を示しただけであり、その限りではない。
図23Cは本実施例における、アダプタマイコン302の処理である。しかし図18Cとまったく同じなので説明は省略する。
<通信モードの切替え処理および通信相手の指定処理>
次に、ブロードキャスト通信で帯域占有通信への切替え処理について、図25を用いて説明する。
図25は、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間でやりとりされる通信モード切替えおよび通信相手指定時の信号波形を示している。帯域占有通信の通信相手の指定は、ブロードキャスト通信によって行われる。ここでは例として、カメラマイコン205から帯域占有通信相手としてアダプタマイコン302が指定され、次の通信が実行される場合を説明する。カメラマイコン205から2バイトデータ(雲台駆動要求量)の帯域占有通信と1バイトデータ(アダプタ状態情報)の帯域占有通信が実行される。
まず通信マスタであるカメラマイコン205は、図4Aで示した手順でブロードキャスト通信を実行する(2401)。このブロードキャスト通信で通知するのは、次の帯域占有通信でカメラマイコン205と通信を行う相手を指定するスレーブ指定データである。スレーブ指定データとして、例えば指定するスレーブの識別情報を用いることができる。
通信スレーブであるレンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、ブロードキャスト通信で受信したスレーブ指定データに基づいて、自身が帯域占有通信の通信相手として指定されたか否かを判定する。この判定結果によって、カメラマイコン205と指定された通信スレーブとの通信モードがブロードキャスト通信モードから帯域占有通信モードに切り替わる(2402)。
ここでは通信相手としてアダプタマイコン302が指定されているため、次の帯域占有通信では図21で説明した手順に従ってカメラマイコン205とアダプタマイコン302との間でデータの送受信が行われる(2403)。ここではカメラマイコン205からアダプタマイコン302に2バイトデータを2回送信し、その後アダプタマイコン302からカメラマイコン205へ1バイトデータを送信する。
カメラマイコン205とアダプタマイコン302との帯域占有通信が終了すると、カメラマイコン205は再びブロードキャスト通信によって帯域占有通信を終了することを通信スレーブに送信する(2404)。また、実施例1と同様に、カメラマイコン205は次の帯域占有通信の通信相手(例えばレンズマイコン111)を指定して図4Aで説明した手順でブロードキャスト通信を実行する。このブロードキャスト通信に応じてアダプタマイコン302は帯域占有通信を終了し、これと同時にカメラマイコン205とレンズマイコン111の通信モードを帯域占有通信モードに切り替えられる。なお、実施例1と同様にここでブロードキャスト通信を実行しない場合は、カメラマイコン2005とアダプタマイコン302との帯域占有通信が継続される。
以上のように、ブロードキャスト通信によって帯域占有通信の通信相手を指定することが可能であり、同時にブロードキャスト通信と帯域占有通信の切替えを行うことができる。
<通信制御処理>
次に、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で行われる通信制御処理について説明する。ブロードキャスト通信処理に関しては実施例1の図7で説明されているものと重複するため省略する。
次に、図26Aおよび図26Bのフローチャートを用いて、帯域占有通信モードでの処理について説明する。図26Aはカメラマイコン205が行う第2のP2P送信処理を示し、図26Bは例としてカメラマイコン205により帯域占有通信の通信相手と指定されたアダプタマイコンが行う第2のP2P受信処理を示している。帯域占有通信の通信相手として指定されたのがレンズマイコン111である場合も、図26Bと同様の第2のP2P受信処理を行う。
帯域占有通信を開始するイベントが発生すると、カメラマイコン205は、ステップS2500において入出力切替えスイッチ2082を動作させて信号線DATAをデータ出力に接続し、ステップS2501でデータ送信を行う。ここで帯域占有通信を開始するイベントはたとえばスマートフォン2000からの通信指示である。他にもスマートフォン2000から指示された通信間隔でカメラマイコン205が自発的に帯域占有通信開始のイベントを発生させてもよい。全データの送信が完了すると、カメラマイコン205はステップS2502に進む。ここで送信するデータのバイト数は第1又は第2のアダプタ属性情報に基づき、一定のバイト数に制限される。なお、上記送信するデータのバイト数は必ずしもカメラマイコン205、アダプタマイコン302の間で直接通信する必要はない。たとえばアダプタ300Aの名称およびファームバージョンからスマートフォン2000で上記一定のバイト数を判断してカメラに通知してもよい。
ステップS2502では、カメラマイコン205はアダプタマイコン302からのデータ送信要求がスマートフォン2000からあるか否かを判定する。カメラマイコン205は、送信要求があればS2503に進み、送信要求がなければS2508に進む。なお、上記要求は全データの送信が完了した後である必要はなく、S2502の判定までに時間的余裕がある帯域占有通信を開始するイベントと同時にスマートフォン2000からカメラマイコン205に通知されることが好ましい。
ステップS2503では、カメラマイコン205は、接地スイッチ2081をオン(設置)することで信号線CSへのLow出力を開始して、アダプタマイコン302からカメラマイコン205への送信要求があることをアダプタマイコン302に通知する。アダプタマイコン302は、この通知を受けることで、図26Bで説明するS2523の処理を開始する。
ステップS2504では、カメラマイコン205は、入出力切替えスイッチ2082を動作させることで信号線DATAをデータ入力部に接続する。そしてS2505に進む。
ステップS2505では、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302からの送信データを受信する準備ができたことを通知するために、接地スイッチ2081をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。そしてS2506に進む。
ステップS2506では、カメラマイコン205は、信号線DATAから受信したデータをスマートフォン2000に転送する。ここではカメラマイコン205が1バイトデータを受信する実施例を示しているが、S2506とS2507の順序を入れ替えて一定長のデータを受信した後にまとめてスマートフォン2000に転送してもよい(不図示)。
ステップS2507では、カメラマイコン205はアダプタマイコン302から一定長データを受信したかを判定する。ここで受信するデータのバイト数は第1又は第2のアダプタ属性情報に基づき、一定のバイト数に制限される。なお、上記送信するデータのバイト数と同様に、スマートフォン2000によって上記一定のバイト数を判断してカメラに通知してもよい。
ステップS2508では、カメラマイコン205は、次の通信でブロードキャスト通信を開始するか否かを判定し、ブロードキャスト通信を開始する場合はステップS2509に進む。引き続き帯域占有通信を行う場合は、帯域占有通信モードのまま第2のP2P送信処理を終了する。なお、スマートフォン2000からの指示に基づきカメラマイコン205は次の通信でブロードキャスト通信を開始するか否かを判定する。また、例えばカメラ本体200上の操作によって次の通信でブロードキャスト通信を開始するか否かを判定してもよい。
ステップS2509では、カメラマイコン205は、ブロードキャスト通信モードに移行して第2のP2P送信処理を終了する。
図26BのステップS2520において、アダプタマイコン302は、信号線CSがLowであるか判定する。信号線CSがLowとなった場合はカメラマイコン205からのデータ送信要求と判断して、ステップS2523に進む。信号線CSがHiである場合はS2521に進む。
ステップS2521では、アダプタマイコン302は、一定長のデータを受信したか否かを判定する。ここで受信するデータのバイト数は第1又は第2のアダプタ属性情報によって通知され、一定のデータ長に制限されている。一定長のデータを受信していればS2522に進む。一定長のデータを受信していなければS2520に進む。
ステップS2522では、アダプタマイコン302は、受信したデータの解析を行い、帯域占有通信受信処理を終了する。
ステップS2523では、アダプタマイコン302は、信号線CSがHiになるまで、すなわちステップS2505の処理が完了するまで待機する。信号線CSがHiになると、ステップS2524に進む。
ステップS2524では、アダプタマイコン302は、入出力切替えスイッチ3032を動作させることで信号線DATAをデータ出力部に接続する。次にステップS2525では、アダプタマイコン302は、信号線DATAを用いてデータの送信を行い、全データの送信が完了するとS2526に進む。ここで送信するデータのバイト数は一定長に制限されている。
ステップS2526では、アダプタマイコン302は、入出力切替えスイッチ3032を動作させることで信号線DATAをデータ入力部に接続し、アダプタマイコン302は帯域占有通信受信処理を終了する。
また、レンズマイコン111は帯域占有通信の通信相手として指定されていないため、信号線CSおよび信号線DATAに信号を出力せず、ブロードキャスト通信受信処理(図7B)を実施する。
以上の処理により、通信マスタであるカメラマイコン205から通信スレーブであるアダプタマイコン302への帯域占有通信を用いたデータ送信を行うことができる。
実施例6ではカメラマイコン205およびアダプタマイコン302の間で送受信するデータの種類が1種類であったため、送受信するデータのバイト数は一定であった。
しかし、カメラマイコン205が送信するデータが複数(たとえば、雲台駆動モータ313の駆動速度と駆動要求量を分けて送信する場合)にはカメラマイコン205から送信するデータのバイト数が複数になることもある。この場合、たとえばカメラマイコン205からアダプタマイコン302へ送信するデータ数が1バイトのケースと2バイトのケースと3バイトとなるケースがある.アダプタマイコン302は現在送信されているデータのデータ長が何バイトなのかの区別はつかない。そこで、カメラマイコン205は、次のタイミングで信号線CSを制御する。あらかじめ第1又は第2のアダプタ属性情報によってスマートフォン2000とアダプタマイコン302との間で情報共有されている最大データ長(今回の場合は3バイト)未満の送信処理が完了したタイミングで、信号線CSを制御する。この最大データ長さは、スマートフォン2000から今回通信したいデータ長に基づく。
ここで、最大データ長(今回の場合は3バイト)が第1又は第2のアダプタ属性情報によってあらかじめ共有されているケースではCS信号の制御等によって、データ送信の完了を示す必要はない。なぜなら、カメラマイコン205はが最大データ長(今回の場合は3バイト)を送信し、アダプタマイコン302がこれを受信した場合、それ以上のデータ送信が発生しないことをアダプタマイコン302は把握できているためである。
以降では、上記通信方式を帯域占有通信の別例と称する。
<通信モードの切替え処理および通信相手の指定処理>
次に、ブロードキャスト通信で帯域占有通信の別例への切替え処理について、図27を用いて説明する。図27は、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間でやりとりされる通信モード切替えおよび通信相手指定時の信号波形を示している。帯域占有通信の別例の通信相手の指定は、ブロードキャスト通信によって行われる。ここでは例として、カメラマイコン205から帯域占有通信の別例相手としてアダプタマイコン302が指定されたものとする。
図27では以下の通信処理を行っているケースを表現している.
まず帯域占有通信の別例でカメラマイコン205からアダプタマイコン302に2バイトデータ(例えば雲台駆動速度指定要求)が送信され、その返答をアダプタマイコン302からカメラマイコン205に2バイトデータが送信される。
次に帯域占有通信の別例でカメラマイコン205からアダプタマイコン302に1バイトデータ(例えばアダプタ状態情報要求)が送信され、その返答をアダプタマイコン302からカメラマイコン205に1バイトデータが送信される。
次に帯域占有通信の別例でカメラマイコン205からアダプタマイコン302に3バイトデータ(例えば雲台駆動量要求)が送信され、アダプタマイコン302はこれに返答しないことを2回繰り返す。
これから上記の帯域占有通信の別例が実行される場合を説明する。
まず通信マスタであるカメラマイコン205は、図4Aで示した手順でブロードキャスト通信を実行する(2601)。このブロードキャスト通信で通知するのは、次の帯域占有通信の別例でカメラマイコン205と通信を行う相手を指定するスレーブ指定データである。スレーブ指定データとして、例えば指定するスレーブの識別情報を用いることができる。
通信スレーブであるレンズマイコン111およびアダプタマイコン302は、ブロードキャスト通信で受信したスレーブ指定データに基づいて、自身が帯域占有通信の別例の通信相手として指定されたか否かを判定する。
この判定結果によって、カメラマイコン205と指定された通信スレーブとの通信モードがブロードキャスト通信モードから帯域占有通信の別例モードに切り替わる(2602)。
ここでは通信相手としてアダプタマイコン302が指定されている。このため、次の帯域占有通信の別例では、カメラマイコン205からアダプタマイコン302に送信するデータが最大バイト数である場合は図21で説明した手順に従ってカメラマイコン205とアダプタマイコン302との間でデータの送受信が行われる。また、最大バイト数未満である場合は図5で説明した手順に従ってカメラマイコン205とアダプタマイコン302との間でデータの送受信が行われる(2603)。ここではカメラマイコン205からアダプタマイコン302に2バイトデータを送信し、その応答データとして2バイトデータを受信する。そしてカメラマイコン205からアダプタマイコン302に1バイトデータを送信し、その応答データとして1バイトデータを受信する。最後にカメラマイコン205からアダプタマイコン302に3バイトデータを送信し、カメラマイコン205が送信する最大バイト数なのでアダプタマイコンは応答しない。
カメラマイコン205とアダプタマイコン302との帯域占有通信の別例が終了すると、カメラマイコン205は再びブロードキャスト通信によって帯域占有通信の別例を終了することを通信スレーブに送信する(2604)。また、実施例1と同様に、カメラマイコン205は次のP2P通信または帯域占有通信の通信相手(例えばレンズマイコン111)を指定して図4Aで説明した手順でブロードキャスト通信を実行する。このブロードキャスト通信に応じてアダプタマイコン302は帯域占有通信の別例を終了し、これと同時にカメラマイコン205とレンズマイコン111の通信モードをP2P通信モードまたはた帯域占有通信モードに切り替えられる。なお、実施例1と同様にここでブロードキャスト通信を実行しない場合は、カメラマイコン2005とアダプタマイコン302との帯域占有通信の別例が継続される。
以上のように、ブロードキャスト通信によって帯域占有通信の別例の通信相手を指定することが可能であり、同時にブロードキャスト通信とP2P通信および帯域占有通信の切替えを行うことができる。
<通信制御処理>
次に、カメラマイコン205、レンズマイコン111およびアダプタマイコン302の間で行われる通信制御処理について説明する。ブロードキャスト通信処理に関しては実施例1の図7で説明されているものと重複するため省略する。
次に、図28Aおよび図28Bのフローチャートを用いて、帯域占有通信の別例モードでの処理について説明する。図28Aはカメラマイコン205が行う第3のP2P送信処理を示し、図28Bは例としてカメラマイコン205により帯域占有通信の別例の通信相手と指定されたアダプタマイコンが行う第3のP2P受信処理を示している。帯域占有通信の別例の通信相手として指定されたのがレンズマイコン111である場合も、図28Bと同様の第3のP2P受信処理を行う。
帯域占有通信の別例を開始するイベントが発生すると、カメラマイコン205は、ステップS2700において入出力切替えスイッチ2082を動作させて信号線DATAをデータ出力に接続し、ステップS2701でデータ送信を行う。ここで帯域占有通信を開始するイベントはたとえばスマートフォン2000からの通信指示である。他にもスマートフォン2000から指示された通信間隔でカメラマイコン205が自発的に帯域占有通信開始のイベントを発生させてもよい。全データの送信が完了すると、カメラマイコン205はステップS2702に進む。ここで送信するデータのバイト数は第1又は第2のアダプタ属性情報に基づき、最大バイト数以下に制限される。なお、上記送信するデータの最大バイト数は必ずしもカメラマイコン205、アダプタマイコン302の間で直接通信する必要はない。たとえばアダプタ300Aの名称およびファームバージョンからスマートフォン2000で上記最大バイト数を判断してカメラに通知してもよい。
ステップS2702では、カメラマイコン205はアダプタマイコン302への送信したデータのバイト数が上記最大バイト数未満か否かを判定する。カメラマイコン205は、送信したデータのバイト数が上記最大バイト数未満であればS2703に進み、上記最大バイト数であればS2711に進む。
ステップS2703では、カメラマイコン205は、接地スイッチ2081をオン(設置)することで信号線CSへのLow出力を開始して、送信したデータの解析をアダプタマイコン302に依頼する。アダプタマイコン302は、この通知を受けることで、図28Bで説明するS2723の処理を開始する。
ステップS2704では、カメラマイコン205は、ステップS2701で送信したデータがアダプタマイコン302からのデータ送信も含む双方向コマンドであるか否かを判定する。カメラマイコン205は、双方コマンドでなければS2705に進み、双方向コマンドであればS2706に進む。
ステップS2705では、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302がデータ受信を完了したことを検出するために、接地スイッチ2081をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。そしてS2710に進む。
ステップS2706では、カメラマイコン205は、入出力切替えスイッチ2082を動作させることで信号線DATAをデータ入力部に接続する。そしてステップS2707に進む。
ステップS2707では、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302からのデータ送信が完了したことを検出するために、接地スイッチ2081をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。そしてS2708に進む。
ステップS2708では、カメラマイコン205は、アダプタマイコン302からのデータ送信が完了するまで、すなわち信号線CSのLowになるまで待機する。信号線CSがLowになると、カメラマイコン205はアダプタマイコン302からのデータ送信が完了したと判断してステップS2709に進む。ここで受信するデータのバイト数には制限が無く、カメラマイコン205とアダプタマイコン302の間で認識が一致していればよい。また、カメラマイコン205からアダプタマイコン302に送信するデータと同様にカメラマイコン205がアダプタマイコン302から受信するデータの最大バイト数か否かを判定して、最大バイト数を受信していればステップS2709に進む構成にしてもよい。
ステップS2709では、カメラマイコン205は、信号線DATAから受信したデータをスマートフォン2000に転送する。次にステップS2710では、カメラマイコン205は、信号線CSがHiになるまで待機する。そして信号線CSがHiになると、カメラマイコン205は今回の帯域占有通信の別例が完了したと判断してステップS2711に進む。
ステップS2711では、カメラマイコン205は、次の通信でブロードキャスト通信を開始するか否かを判定し、ブロードキャスト通信を開始する場合はステップS2713に進む。引き続き帯域占有通信の別例を行う場合は、帯域占有通信の別例モードのまま第3のP2P送信処理を終了する。なお、スマートフォン2000からの指示に基づきカメラマイコン205は次の通信でブロードキャスト通信を開始するか否かを判定する。また、例えばカメラ本体200上の操作によって次の通信でブロードキャスト通信を開始するか否かを判定してもよい。
ステップS2713では、カメラマイコン205は、ブロードキャスト通信モードに移行して第2のP2P送信処理を終了する。
図28BのステップS2720において、アダプタマイコン302は、信号線CSがLowであるか判定する。信号線CSがLowとなった場合はカメラマイコン205からのデータ送信が完了したと判断して、ステップS2723に進む。信号線CSがHiである場合はS2721に進む。
ステップS2721では、アダプタマイコン302は、最大バイト数のデータを受信したか否かを判定する。ここで受信するデータの最大バイト数は第1又は第2のアダプタ属性情報によって通知されている。そのため最大バイト数のデータを受信していればS2722に進む。一定長のデータを受信していなければS2520に進む。
ステップS2722では、アダプタマイコン302は、受信したデータの解析を行い、ステップS2733に進む。
ステップS2723でも、アダプタマイコン302は、受信したデータの解析を行う。次にステップS2724では、アダプタマイコン302は、信号線CSがHiになるまで、すなわちステップS2705もしくはステップS2706の処理が完了するまで待機する。信号線CSがHiになると、ステップS2725に進む。
ステップ2725では、アダプタマイコン302は、ステップS2723で解析したデータが、アダプタマイコン302からのデータ送信も含む双方向コマンドであるか否かを判定する。アダプタマイコン302は、双方向コマンドでなければステップS2726に進み、双方向コマンドであればステップS2727に進む。
ステップS2726では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205にデータ受信を完了したことを通知するために、接地スイッチ3031をオン(接地)することで、信号線CSへのLow出力を開始する。この後、ステップS2731に進む。
ステップS2727では、アダプタマイコン302は、入出力切替えスイッチ3032を動作させることで信号線DATAをデータ出力部に接続する。次にステップS2728では、アダプタマイコン302は、信号線DATAを用いてデータ送信を行い、全データの送信が完了するとステップS2729に進む。ここで送信するデータのバイト数には制限が無く、カメラマイコン205とアダプタマイコン302の間で認識が一致していればよい。
続いてステップS2729では、アダプタマイコン302は、接地スイッチ3031をオン(接地)に接続することで信号線CSへのLow出力を開始する。これにより、帯域占有通信の別例によるデータ送信完了をカメラマイコン205へ通知する。
次にステップS2730では、アダプタマイコン302は、入出力切替えスイッチ3032を動作させることで信号線DATAをデータ入力部に接続する。そしてステップS2731に進む。
ステップS2731では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205に帯域占有通信の別例が完了したことを通知するために、接地スイッチ3031をオフ(遮断)することで信号線CSへのLow出力を解除する。次にステップS2732では、アダプタマイコン302は、カメラマイコン205が帯域占有通信の別例を完了したことを検出するために信号線CSがHiになるまで待機する。信号線CSがHiになると、アダプタマイコン302はP2P処理を終了する。
また、レンズマイコン111は帯域占有通信の通信相手として指定されていないため、信号線CSおよび信号線DATAに信号を出力せず、ブロードキャスト通信受信処理(図7B)を実施する。
以上の処理により、通信マスタであるカメラマイコン205から通信スレーブであるアダプタマイコン302への帯域占有通信の別例を用いたデータ送信を行うことができる。
(その他の実施例)
なお、上述の実施例1において、カメラマイコン205がアダプタマイコン302に対して、リング操作(開始および終了)の検出の可否やリング操作状態情報のサンプリングの可否を通知するための通信を行ってもよい。これにより絞り駆動が不要な撮像状況での余計な通信やアダプタマイコン302の処理を削減することができる。この場合は、S1115では操作量のみをアダプタマイコン302が送信するようにしてもよい。カメラマイコン205は当該操作量に基づいて、リング操作の開始および終了を判定する。例えば、カメラマイコン205は、操作量が0より大きくなった場合にリング操作が開始されたと判定する。また、例えばカメラマイコン205は、操作量が0より大きくなってから再度操作量が0になった場合に、リング操作が終了されたと判断してもよい。また、リング操作が開始された後に操作量0を所定回数以上検出した場合に、リング操作が終了されたと判断してもよい。
また、上述の実施例において、リングの操作状態に関する情報(例えば操作量)ともに、リング操作が終了したか否かを示す情報を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、リング操作が終了していない場合には、リングの操作量とともに、リング操作が終了していない旨の情報を送信する。
また、上述の実施例ではアダプタ300に対して行う処理を説明したが、アダプタ以外のアクセサリ(交換レンズを含む)に操作リングがある場合には、同様の処理を行うことで、上述の本実施例と同様の効果を得ることができる。
また、上述の実施例では、カメラ本体200、交換レンズ100およびアダプタ300の各第1通信部を介して図9および図10の処理を行うことを説明した。これに対し、レンズ第1通信部112とアダプタ第1通信部303とを介した通信を用いないようにしてもよい。この場合、例えば図9の903〜904、図10の1003〜1004は省略することができる。また、カメラマイコン205からレンズマイコン111に送信する各絞り駆動要求は、カメラ第2通信部242とレンズ第2通信部142とを介した通信によって送信する。つまり、各第1通信部を介した通信はカメラ本体200及びアダプタ300が通信を行うために用いられ、各第2通信部を介した通信は、カメラ本体200及びアダプタ300が通信するために用いられる。なお、レンズ第1通信部112とアダプタ第1通信部303とを介した通信を行う経路をはじめから持たないカメラシステムとしてもよい。また、この場合、図9及び図10ではブロードキャスト通信を用いずに、P2P通信のみを行ってもよい。
なお、実施例4ではカメラマイコン205がS1507における第1の識別情報と第2の識別情報を比較に基づいてスマートフォンーアダプタ間通信を行うか否かを制御していたが、この形態に限られない。例えば予めカメラ本体200で記憶された第2の識別情報と第1の識別情報とを比較しても良い。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
100 交換レンズ
111 レンズマイクロコンピュータ
112 レンズ第1の通信部
200 カメラ本体
205 カメラマイクロコンピュータ
208 カメラ第1の通信部
300 アダプタ
302 アダプタマイクロコンピュータ
303 アダプタ第1の通信部

Claims (14)

  1. アクセサリ装置を装着することができる撮像装置であって、
    外部装置との通信を実行する第1の通信部と、
    前記アクセサリ装置との通信を実行する第2の通信部と、
    前記アクセサリ装置との前記第2の通信部を介した初期通信を第1の通信方式によって制御する通信制御部と、を有し、
    前記通信制御部は、前記外部装置との前記第1の通信部を介した通信によって取得した情報を前記アクセサリ装置へと転送する第2の通信方式による通信を実行可能か否かに対応する情報を、前記初期通信によって取得し、当該情報に基づいて前記第2の通信方式による通信に移行させることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記通信制御手段は、ユーザによる前記外部装置の操作に応じて、通信方式を第2の通信方式へと切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記初期通信は撮像装置からの電源供給に応じて実行されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記通信制御手段は、前記第1の通信方式では前記外部装置から取得した情報に基づいて前記アクセサリ装置との通信を実行し、前記第2の通信方式では前記外部装置から取得した情報によらず前記アクセサリ装置との通信を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記通信制御手段は、前記初期通信において前記アクセサリ装置から取得した情報を、前記外部装置へと送信することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記通信制御手段が前記アクセサリ装置から初期通信において取得した情報は、前記第2の通信方式によるファームウェアの更新が可能であることを示す情報を含み、前記通信制御手段は当該情報に基づいて前記第2の通信方式によるファームウェアの更新を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. アクセサリ装置を装着することができる撮像装置であり、
    外部装置との通信を実行する第1の通信部と、
    前記アクセサリ装置との通信を実行する第2の通信部と、
    前記アクセサリ装置との前記第2の通信部を介した初期通信を第1の通信方式によって制御する通信制御部と、を有する撮像装置の制御方法であって、
    前記通信制御部は、前記外部装置との前記第1の通信部を介した通信によって取得した情報を前記アクセサリ装置へと転送する第2の通信方式による通信を実行可能か否かに対応する情報を、前記初期通信によって取得し、当該情報に基づいて前記第2の通信方式による通信に移行させることを特徴とする撮像装置の制御方法。
  8. 外部装置との通信を実行する第1の通信部を有する撮像装置に装着することができるアクセサリ装置であって、
    前記撮像装置との通信を実行する第2の通信部と、
    前記撮像装置との前記第2の通信部を介した初期通信を第1の通信方式によって制御する通信制御部と、を有し、
    前記通信制御部は、前記外部装置との前記第1の通信部を介した通信によって取得した情報を前記アクセサリ装置へと転送する第2の通信方式による通信を実行可能か否かに対応する情報を、前記初期通信において送信し、当該情報に対応して前記第2の通信方式による通信に移行させることを特徴とするアクセサリ装置。
  9. 前記通信制御手段は、ユーザによる前記外部装置の操作に応じて、通信方式を第2の通信方式へと切り替えることを特徴とする請求項8に記載のアクセサリ装置。
  10. 前記初期通信は撮像装置からの電源供給に応じて実行されることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のアクセサリ装置。
  11. 前記第1の通信方式では前記外部装置から取得した情報に基づいて前記撮像装置との通信を実行され、前記第2の通信方式では前記外部装置から取得した情報によらず前記撮像装置との通信を実行されることを特徴とする請求項9乃至請求項10のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  12. 前記通信制御手段が前記初期通信において前記撮像装置に送信した情報が前記外部装置へと送信されることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  13. 前記通信制御手段が前記撮像装置に初期通信において送信した情報は、前記第2の通信方式によるファームウェアの更新が可能であることを示す情報を含み、当該情報に基づいて前記第2の通信方式によるファームウェアの更新が実行されることを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか1項の記載のアクセサリ装置。
  14. 外部装置との通信を実行する第1の通信部を有する撮像装置に装着することができるアクセサリ装置であって、
    前記撮像装置との通信を実行する第2の通信部と、
    前記撮像装置との前記第2の通信部を介した初期通信を第1の通信方式によって制御する通信制御部と、を有しするアクセサリ装置の制御方法であって、
    前記通信制御部は、前記外部装置との前記第1の通信部を介した通信によって取得した情報を前記アクセサリ装置へと転送する第2の通信方式による通信を実行可能か否かに対応する情報を、前記初期通信において送信し、当該情報に対応して前記第2の通信方式による通信に移行させることを特徴とするアクセサリ装置の制御方法。
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