以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、又は基板の上に他の構成物を介して配置される場合、又は基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
本実施形態では、薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)を画素のスイッチング素子として備えた電気光学装置としてのアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
(第1実施形態)
<電気光学装置の構成>
図1(a)は、電気光学装置としての液晶装置の構成を示す模式平面図である。図1(b)は、図1(a)に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図である。図2は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、液晶装置の構造を、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板10および対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層15とを有する。素子基板10を構成する第1基板11、および対向基板20を構成する第2基板12は、透明な例えば石英などのガラス基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも一回り大きく、両基板は、額縁状に配置されたシール材14を介して接合され、その隙間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層15を構成している。シール材14は、例えば、熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材14には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材14の内側には、同じく額縁状に遮光膜18が設けられている。遮光膜18は、例えば、遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、遮光膜18の内側が複数の画素Pを有する表示領域Eとなっている。なお、図1では図示省略したが、表示領域Eにおいても複数の画素Pを平面的に区分する遮光部が設けられている。
第1基板11の1辺部に沿ったシール材14との間にデータ線駆動回路22が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材14の内側に検査回路25が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材14の内側に走査線駆動回路24が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部のシール材14の内側には、2つの走査線駆動回路24を繋ぐ複数の配線(図示せず)が設けられている。
これらデータ線駆動回路22、走査線駆動回路24に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続端子41に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。なお、検査回路25の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路22と表示領域Eとの間のシール材14の内側に沿った位置に設けてもよい。
図1(b)に示すように、第1基板11の液晶層15側の表面には、画素Pごとに設けられた光透過性を有する画素電極27およびスイッチング素子としての薄膜トランジスター30(以降、「TFT30」と称する。)と、信号配線と、これらを覆う配向膜28とが形成されている。また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。
第2基板12の液晶層15側の表面には、遮光膜18と、これを覆うように成膜された層間膜層(図示せず)と、層間膜層を覆うように設けられた共通電極31と、共通電極31を覆う配向膜32とが設けられている。
遮光膜18は、図1(a)に示すように平面的に走査線駆動回路24、検査回路25と重なる位置において額縁状に設けられている。これにより対向基板20側から入射する光を遮蔽して、これらの駆動回路を含む周辺回路の光による誤動作を防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽して、表示領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
層間膜層は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜18を覆うように設けられている。このような層間膜層の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
共通電極31は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、層間膜層を覆うと共に、図1(a)に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部26により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極27を覆う配向膜28および共通電極31を覆う配向膜32は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。例えば、ポリイミドなどの有機材料を成膜して、その表面をラビングすることにより、液晶分子に対して略水平配向処理が施されたものや、SiOx(酸化シリコン)などの無機材料を気相成長法を用いて成膜して、液晶分子に対して略垂直配向させたものが挙げられる。
図2に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、データ線6aに沿って平行に配置された容量線3bとを有する。走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極27と、TFT30と、容量素子16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。データ線6aの一端には容量素子116が電気的に接続されている。
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30の第1ソースドレイン領域としてのデータ線側ソースドレイン領域に電気的に接続されている。画素電極27はTFT30の第2ソースドレイン領域としての画素電極側ソースドレイン領域に電気的に接続されている。
データ線6aはデータ線駆動回路22(図1参照)に接続されている。複数の外部接続端子41に接続された半導体集積回路もしくは制御部は、複数の外部接続端子41のうち一部の端子に画像信号D1,D2,…,Dnを供給する。当該一部の端子に供給された画像信号D1,D2,…,Dnは、データ線駆動回路22を介してデータ線6aに供給される。データ線6aに供給された画像信号D1,D2,…,Dnは、容量素子116にも保持される。
走査線3aは走査線駆動回路24(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路24から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。データ線6aに供給された画像信号D1,D2,…,Dnは、走査線駆動回路24から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmに応じて画素Pに供給される。
データ線駆動回路22からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。データ線駆動回路22は、画像信号D1〜Dnをデータ線6aに供給するタイミングを制御している。走査線駆動回路24は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6a及び容量素子116から供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極27に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極27を介して液晶層15に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極27と液晶層15を介して対向配置された共通電極31との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極27と共通電極31との間に形成される液晶容量と並列に容量素子16が接続されている。容量素子16は、TFT30のドレインと容量線3bとの間に電気的に接続されている。容量素子16は、遮光性の第1容量電極16aおよび第2容量電極16cとの間に誘電体層16bを有するものである(図7参照)。
容量素子116は、データ線6aごとに設けられている。容量素子116は、データ線6aから画素電極27に書き込まれる画像信号D1〜Dnが所定の電位になるように設けられている。なお、データ線6aごとに設けられる容量素子116は、互いに異なる容量値であってもよい。
このような液晶装置100は透過型であって、画素Pが非駆動時に明表示となるノーマリーホワイトモードや、非駆動時に暗表示となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
図3は、液晶装置における画素の配置を示す模式平面図である。図4〜図6は、液晶装置における画素の構成を示す模式平面図である。図7は、図4〜図6に示す画素のA−A’線及びB−B’線に沿う模式断面図である。以下、画素の平面的な構造と断面構造について、図3〜図7を参照しながら説明する。
図3に示すように、液晶装置100における画素Pは、例えば平面的に略四角形の開口領域を有する。開口領域は、X方向とY方向とに延在し格子状に設けられた遮光性の非開口領域により囲まれている。
X方向に延在する非開口領域には、図2に示した走査線3aが設けられている。走査線3aは遮光性の導電部材が用いられており、走査線3aによって非開口領域の少なくとも一部が構成されている。
同じく、Y方向に延在する非開口領域には、図2に示したデータ線6aと容量線3bが設けられている。データ線6aおよび容量線3bも遮光性の導電部材が用いられており、これらによって非開口領域の少なくとも一部が構成されている。
非開口領域は、素子基板10側に設けられた上記信号線類によって構成されるだけでなく、対向基板20側において格子状にパターニングされた遮光膜18(図1参照)によっても構成することができる。
非開口領域の交差部付近には、図2に示したTFT30や容量素子16が設けられている。遮光性を有する非開口領域の交差部付近にTFT30を設けることにより、TFT30の光誤動作を防止すると共に、開口領域における開口率を確保している。詳しい画素Pの構造については後述するが、交差部付近にTFT30や容量素子16を設ける関係上、交差部付近の非開口領域の幅は、他の部分に比べて広くなっている。
図4は、第1基板11上における走査線3aが設けられた層からデータ線6aが設けられた層までの平面的な構造を示している。図5は、データ線6aが設けられた層から容量線3bが設けられた層までの平面的な構造を示している。図6は、容量線3bが設けられた層から画素電極27が設けられた層までの平面的な構造を示している。
図4に示すように、画素Pは、走査線3aとデータ線6aの交差部に設けられたTFT30を有している。TFT30は、データ線側ソースドレイン領域30sと、画素電極側ソースドレイン領域30dと、チャネル領域30cと、データ線側ソースドレイン領域30sとチャネル領域30cとの間に設けられた接合領域30eと、チャネル領域30cと画素電極側ソースドレイン領域30dとの間に設けられた接合領域30fとを有するLDD(Lightly Doped Drain)構造の半導体層30aを有している。半導体層30aは上記交差部を通過して、走査線3aと重なるように配置されている。また、図4のように、半導体層30aは、X方向に延在している。
走査線3aは、データ線6aとの交差部において、X,Y方向に拡張された拡張部を有ししており、当該拡張部において他の部位と比して走査線3aの幅が広くなっている。また換言すると、当該拡張部の平面形状は四角形となっている。当該拡張部に平面的に重なると共に接合領域30fおよび画素電極側ソースドレイン領域30dと重ならない開口部を有する折れ曲がった形状のゲート電極30gが設けられている。
ゲート電極30gは、Y方向に延在した部分が平面的にチャネル領域30cと重なっている。また、チャネル領域30cと重なった部分から折り曲げられてX方向に延在し、互いに対向する部分がそれぞれ走査線3aの拡張部との間に設けられたコンタクトホールCNT5,CNT6によって、電気的に走査線3aと接続している。また、図4のように、ゲート電極30gのチャネル領域30cと対向する部位は、コンタクトホールCNT5,CNT6のX方向における位置から左側にずれて配置されている。
コンタクトホールCNT5,CNT6は、平面視でX方向が長い矩形状(長方形)であって、半導体層30aのチャネル領域30cと接合領域30fとに沿って接合領域30fを挟むように両側に設けられている。
データ線6aは、Y方向に延在すると共に、走査線3aとの交差部において同じく拡張部を有し、当該拡張部において他の部位と比してデータ線6aの幅が広くなっている。当該拡張部からX方向に突出した部分に設けられたコンタクトホールCNT1によってデータ線側ソースドレイン領域30sと電気的に接続している。コンタクトホールCNT1を含む部分がデータ線側ソースドレイン電極51となっている。走査線3aは、このデータ線6aのX方向に突出した部分及びコンタクトホールCNT1と平面視重なるように設けられている。
一方、画素電極側ソースドレイン領域30dの一部(端部)にもコンタクトホールCNT2が設けられており、コンタクトホールCNT2を含む部分が画素電極側ソースドレイン電極52(図4参照)となっている。コンタクトホールCNT2は、中継電極6bを介してコンタクトホールCNT3と電気的に接続されている(図4及び図5参照)。ここで、データ線6aのX方向における左右に突出した部分は、画素電極側ソースドレイン電極52と間隙を空けて配置されるとともに、半導体層30aを覆うように設けられている。
図5に示すように、容量線3bは、Y方向に延在しており、データ線6aの一部及び走査線3aの一部と平面的に重なるように容量線3bが設けられている。容量線3bは、走査線3aとの交差部において拡張部を有し、当該拡張部において他の部位と比して容量線3bの幅が広くなっている。
図6に示すように、容量線3bと第1容量電極16aとは、複数の第2コンタクトホールとしての複数のコンタクトホールCNT4を介して電気的に接続されている。図7に示すように、容量素子16(16a,16b,16c)は、コンタクトホールCNT4の側壁に沿った部分、コンタクトホールCNT4の底面に設けられた部分、及び層間絶縁膜11e上に設けられた部分を有している。そして、第1容量電極16aのコンタクトホールCNT4内の底面において、第1容量電極16aと容量線3bとが電気的に接続されている(図7参照)。
ここで、少なくとも第1容量電極16a及び誘電体層16bは、コンタクトホールCNT4の形状に沿った形状を有している。これにより、図6及び図7に示すように、第1容量電極16a、誘電体層16b、第2容量電極16cは、コンタクトホールCNT4に倣った形で形成され、容量素子16は立体的に形成されている。
容量線3bの拡張部には、図6では3つのコンタクトホールCNT4が設けられている。また、複数のコンタクトホールCNT4のうち一部は、走査線3aに沿って並んで配置されている。また、複数のコンタクトホールCNT4のうち一部は、データ線6aに沿って並んで配置されている。図6では、1つの画素Pに対し12個のコンタクトホールCNT4が設けられているようになっている。
画素Pに対し複数のコンタクトホールCNT4を設ける場合には、1つのコンタクトホールCNT4を設ける場合と比して、側壁に沿った周長を長くすることが可能となる。したがって、容量素子16の容量値を大きくできる。
また、画素Pに対し複数のコンタクトホールCNT4を設ける場合には、1つのコンタクトホールCNT4を設ける場合と比して、1つのコンタクトホールCNT4の大きさを小さくでき、コンタクトホールCNT4の加工性を向上できる。
図6では、複数のコンタクトホールCNT4は同じ大きさであり、その幅がL1である正方形となっている。複数のコンタクトホールCNT4が同じ大きさであれば、複数のコンタクトホールCNT4の加工を制御しやすくなり、容量線3bと第1容量電極16aとを確実に電気的に接続することができる。
複数のコンタクトホールCNT4は、それぞれ略同じ大きさであることが好ましい。ここで、「略同じ大きさ」とは、設計上同じ大きさであることを含み、同じ大きさに設計した場合に製造上の理由で大きさが異なるものも含まれる。また、「略同じ大きさ」とは、コンタクトホールCNT4の大きさの比が0.8から1.2の範囲のものであってもよい。
ここで、コンタクトホールCNT4は、長方形であってもよいし、円形もしくは楕円形であってもよい。図6では、複数のコンタクトホールCNT4は同じ形状としたが、異なる形状であってもよいし、1辺の長さL1が異なるものであってもよい。
ここで、コンタクトホールCNT4の幅L1は、層間絶縁膜11eの厚み以上であることが好ましい。層間絶縁膜11eの厚みは、例えば、400nmであれば、コンタクトホールCNT4の幅L1は400nm以上であることが好ましい。コンタクトホールCNT4の幅L1は、第1容量電極16aの厚みの3倍以上であることが好ましい。例えば、第1容量電極16aの厚みが200nmであれば、コンタクトホールCNT4の幅L1は、600nm以上であることが好ましい。このようにすることで、第1容量電極16aがコンタクトホールCNT4に倣った形で形成され、コンタクトホールCNT4の側壁にも容量素子16が形成され、容量素子16の容量を大きくすることができる。
さらに、容量線3bは、当該拡張部からX方向に突出した部分を有し、半導体層30aと重なるように配置されている。また、容量線3bの突出した部分は、コンタクトホールCNT1またはコンタクトホールCNT2と重なるように設けられることが好ましい。
容量素子16は、非開口領域(図3参照)に配置されており、上記したように、島状の第1容量電極16aと、誘電体層16bと、第2容量電極16cとが第1基板11側から順に積層されている。誘電体層16bは、第1容量電極16aを覆うように形成されている。更に、第2容量電極16cは、第1容量電極16a及び誘電体層16bを覆うように形成されている。
更に図6に示すように、容量線3bの一部と平面的に重なるように、第1容量電極16aが島状に設けられている。第1容量電極16aは、容量線3bの拡張部と重なるように拡張部を有している。そして、第1容量電極16aは、当該拡張部からX方向左側に突出した第1部分、X方向右側に突出した第2部分、及びY方向上側に突出した第3部分を有している。
第1容量電極16aの第1部分は、半導体層30aの接合領域30eと平面視重なるように設けられることが好ましい。第1容量電極16aの第1部分は、さらにデータ線側ソースドレイン領域30s及びコンタクトホールCNT1と平面視重なるように設けられることが好ましい。第1容量電極16aの第2部分は、半導体層30aの接合領域30fと平面視重なるように設けられることが好ましい。第1容量電極16aの第2部分は、さらに画素電極側ソースドレイン領域30d及びコンタクトホールCNT2と平面視重なるように設けられることが好ましい。第1容量電極16aの第2部分は、コンタクトホールCNT3と平面視と重なるように設けてもよい。第1容量電極16aの第3部分は、図6において上側に突出し、下側には突出しないことが望ましい。
すなわち、第1容量電極16aの第3部分は、TFT30と電気的に接続された画素電極27とX方向において隣り合う画素電極27との間において、Y方向に突出することが好ましい。さらに、第1容量電極16aの拡張部において、上記第1部分及び第2部分よりY方向における幅が広くなっている。また、第1容量電極16aの拡張部において、上記第3部分よりX方向における幅が広くなっている。
また、容量線3bに所定の定電位が供給されている場合には、容量線3b及び第1容量電極16aは、データ線6aと第2容量電極16cもしくは画素電極27との間のクロストークを低減する役割を果たす。
第2容量電極16cは、画素Pごとに独立して島状に設けられている。第2容量電極16cは、CNT7と第1容量電極16aを完全に覆い、第1容量電極16aと平面視同様の形状を有している。第2容量電極16cは、容量線3bの拡張部と重なるように拡張部を有している。そして、第2容量電極16cは、当該拡張部からX方向左側に突出した第1部分、X方向右側に突出した第2部分、及びY方向上側に突出した第3部分を有している。
第2容量電極16cの第1部分は、半導体層30aの接合領域30eと平面視重なるように設けられることが好ましい。第2容量電極16cの第1部分は、さらにデータ線側ソースドレイン領域30s及びコンタクトホールCNT1と平面視重なるように設けられることが好ましい。第2容量電極16cの第2部分は、半導体層30aの接合領域30fと平面視重なるように設けられることが好ましい。第2容量電極16cの第2部分は、さらに画素電極側ソースドレイン領域30d及びコンタクトホールCNT2と平面視重なるように設けられることが好ましい。第2容量電極16cの第3部分は、図6において上側に突出し、下側には突出しないことが望ましい。
すなわち、第2容量電極16cの第3部分は、TFT30と電気的に接続された画素電極27とX方向において隣り合う画素電極27との間において、Y方向に突出することが好ましい。特に、第2容量電極16cは、画素電極27と電気的に接続されるため、第2容量電極16cの第3部分は、画素電極27に供給された画像信号に対応した電位となるため好ましい。さらに、第2容量電極16cの拡張部において、上記第1部分及び第2部分よりY方向における幅が広くなっている。また、第2容量電極16cの拡張部において、上記第3部分よりX方向における幅が広くなっている。
以上のように、容量素子16は、第1容量電極16aと第2容量電極16cとが誘電体層16bを介して対向する領域に設けられている。そして、容量素子16は、第1容量電極16a及び第2容量電極16cと同様に、拡張部、当該拡張部からX方向左側に突出した第1部分、X方向右側に突出した第2部分、及びY方向上側に突出した第3部分を有している。
1つの画素Pを囲むようにして当該画素Pの第2容量電極16cと隣り合う画素Pの第2容量電極16cとが配置され、遮光性の非開口領域(図3参照)を構成している。
以上のように構成することで、容量素子16をできるだけ広い領域に形成できるため、容量素子の保持性能を高めることができる。また、容量線3b、第1容量電極16a、第2容量電極16cは遮光性を有する材料で構成され、半導体層30aと平面視重なるように形成することにより、半導体層30aに対する遮光性を高めることができる。
また、第2コンタクトホールとしてのコンタクトホールCNT4は、第1容量電極16a、誘電体層16b、及び第2容量電極16cと平面視重なる、即ち、容量素子16と平面視重なる位置、特に第1容量電極16aと平面視重なる位置に設けられることが好ましい。これにより、容量素子16の平面的面積を確保できる。また、コンタクトホールCNT4を広く確保できるため、容量線3bと第1容量電極16aとの電気的接続を確実に行うことができる。また換言すれば、これにより、画素Pの開口率を向上できる。
コンタクトホールCNT3は、島状の中継電極3cを介してコンタクトホールCNT7と電気的に接続されている。コンタクトホールCNT7は、第2容量電極16cの端部と電気的に接続されている。
更に、第2容量電極16cには、第1コンタクトホールとしてのコンタクトホールCNT8が設けられており、コンタクトホールCNT8を介して画素電極27(P)と電気的に接続されている。言い換えれば、第2容量電極16cの一部はコンタクトホールCNT8と重なる位置まで突出し、コンタクトホールCNT7とコンタクトホールCNT8とを電気的に接続させる中継層としても機能している。
画素電極27(P)は、走査線3aやデータ線6aと外縁部が重なるように設けられており、本実施形態では走査線3aと重なる位置に設けられたコンタクトホールCNT2,CNT3,CNT7,CNT8を介して画素電極側ソースドレイン領域30dに電気的に接続されている。
また、コンタクトホールCNT8は、図3の非開口領域の交差部付近であって、他の部分より非開口領域の幅が広くなっている領域と画素電極27とが重なる領域に設けられている。そして、コンタクトホールCNT8は、走査線3a、データ線6a、容量線3bに設けられた拡張部と重なるように設けられる。
図6では、コンタクトホールCNT8は、開口領域から見て左下に対応する非開口領域に設けられている。コンタクトホールCNT8は、第1容量電極16a、誘電体層16b、及び第2容量電極16cと平面視重なる、即ち、容量素子16と平面視重なる位置に設けられることが好ましい。これにより、容量素子16の平面的面積を確保できる。
また、コンタクトホールCNT8を広く確保できるため、第1容量電極16aと画素電極27との電気的接続をより確実に行うことができる。また換言すれば、これにより、画素Pの開口率を向上できる。また、コンタクトホールCNT8は、走査線3a、ゲート電極30g、データ線6a、容量線3bのうち少なくともいずれかの一部と重なるように形成することが好ましい。また、コンタクトホールCNT8は、コンタクトホールCNT4と重ならない位置に設けられることが好ましい。コンタクトホールCNT4による段差の影響を受けることないため、第1容量電極16aと画素電極27との電気的接続をより確実に行うことができる。
次に、図7を参照して、画素Pの構造について、さらに詳しく説明する。図7に示すように、第1基板11上には、まず走査線3aが形成される。走査線3aは、例えばAl(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)などの金属のうちの少なくとも1つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、ナイトライド、あるいはこれらが積層されたものを用いることができ、遮光性を有している。
走査線3aを覆うように例えば酸化シリコンなどからなる下地絶縁膜11aが形成され、下地絶縁膜11a上に島状に半導体層30aが形成される。半導体層30aは例えば多結晶シリコン膜からなり、不純物イオンが注入されて、前述したデータ線側ソースドレイン領域30s、接合領域30e、チャネル領域30c、接合領域30f、画素電極側ソースドレイン領域30dを有するLDD構造が形成されている。
半導体層30aを覆うように第1絶縁膜(ゲート絶縁膜)11bが形成される。走査線3aと重なる位置に下地絶縁膜11a、第1絶縁膜11bを貫通する2つのコンタクトホールCNT5,CNT6が形成される。さらに2つのコンタクトホールCNT5,CNT6を埋めると共に、第1絶縁膜11bを挟んでチャネル領域30cに対向する位置にゲート電極30gが形成され、ゲート電極30gは、2つのコンタクトホールCNT5,CNT6を介して走査線3aと電気的に接続される。
ゲート電極30gと第1絶縁膜11bとを覆うようにして第2絶縁膜11cが形成され、半導体層30aのそれぞれの端部と重なる位置に第1絶縁膜11b、第2絶縁膜11cを貫通する2つのコンタクトホールCNT1,CNT2が形成される。
そして、2つのコンタクトホールCNT1,CNT2を埋めると共に第2絶縁膜11cを覆うようにAl(アルミニウム)などの遮光性の導電部材料を用いて導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT1を介してデータ線側ソースドレイン領域30sに繋がるデータ線側ソースドレイン電極51ならびにデータ線6aが形成される。同時にコンタクトホールCNT2を介して画素電極側ソースドレイン領域30dに繋がる画素電極側ソースドレイン電極52(中継電極6b)が形成される。
次に、データ線6aおよび中継電極6bと第2絶縁膜11cを覆って層間絶縁膜11dが形成される。層間絶縁膜11dは、例えばシリコンの酸化物や窒化物からなり、TFT30が設けられた領域を覆うことによって生ずる表面の凹凸を平坦化する平坦化処理が施される。平坦化処理の方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chemical Mechanical Polishing:CMP処理)やスピンコート処理などが挙げられる。その後、層間絶縁膜11dを貫通するCNT3が形成される。
平坦化された層間絶縁膜11d上には、CNT3を埋めると共に、層間絶縁膜11dを覆うようにAl(アルミニウム)などの遮光性の導電部材料を用いて導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT3を介して画素電極側ソースドレイン領域30dに繋がる中継電極3cならびに容量線3bが形成される。
容量線3bは、下層にアルミニウム(Al)膜が配置され、上層に窒化チタン(TiN)膜が配置された積層構造になっている。アルミニウム膜の厚みは、例えば、150nm〜200nmである。窒化チタン膜の厚みは、例えば、100nm〜150nmである。
次に、容量線3b及び中継電極3cを覆って第2絶縁膜としての層間絶縁膜11eが形成される。層間絶縁膜11eは、例えばシリコンの酸化物や窒化物からなる。その後、層間絶縁膜11eを貫通する複数のコンタクトホールCNT4が形成される。層間絶縁膜11eの厚みは、例えば、400nmである。
層間絶縁膜11e上には、CNT4を埋めると共に、層間絶縁膜11eを覆うようにAl(アルミニウム)などの遮光性の導電部材料を用いて導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT4を介して容量線3bに繋がると共に、容量素子16(16a,16b,16c)を構成する第1容量電極16aが形成される。
第1容量電極16aは、例えば、窒化チタンである。第1容量電極16aの厚みは、例えば、100nm〜200nmである。
層間絶縁膜11e上には、第1容量電極16aを覆って誘電体層16bが成膜される。誘電体層16bとしては、シリコン窒化膜や、酸化ハウニュウム(HfO2)、アルミナ(Al2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)などの単層膜、またはこれらの単層膜のうち少なくとも2種の単層膜を積層した多層膜を用いてもよい。また、誘電体層16bは、第1容量電極16aを覆う形状にパターニングしてもよい。その後、層間絶縁膜11eを貫通するCNT7が形成される。
層間絶縁膜11e上には、CNT7を埋めると共に、層間絶縁膜11eを覆うようにAl(アルミニウム)などの遮光性の導電部材料を用いて導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT7を介して中継電極3c(画素電極側ソースドレイン領域30d)に繋がると共に、容量素子16を構成する第2容量電極16cが形成される。第2容量電極16cは、例えば、アルミニウム(Al)と窒化チタン(TiN)の積層構造で構成されている。第2容量電極16cの厚みは、例えば、300nm〜500nmである。
ここで、第2容量電極16cは、第1容量電極16aを覆うように形成されているため、第2容量電極16cをパターニングする際に、第1容量電極16aが一緒にパターニングされるのを防ぐことができる。
以上のように、容量線3bは、平坦化された層間絶縁膜11d上に設けられることが好ましい。これにより、容量線3bの高抵抗化を防ぐことができる。また、その後に形成される第1容量電極16a、誘電体層16b、第2容量電極16c、及び層間絶縁膜11eの成膜・加工をより確実に行うことができる。
次に、第2容量電極16cなどを覆う第1絶縁膜としての層間絶縁膜11fが形成される。層間絶縁膜11fも例えばシリコンの酸化物や窒化物からなり、層間絶縁膜11eと同様に平坦化処理を施してもよい。
層間絶縁膜11fを貫通するコンタクトホールCNT8が第2容量電極16cの端部と重なる位置に形成され、このコンタクトホールCNT8を埋めるようにしてITOなどの透明導電膜が成膜される。この透明導電膜をパターニングしてコンタクトホールCNT8を介して第2容量電極16cと繋がる画素電極27が形成される。
上述したように、第2容量電極16cは、コンタクトホールCNT7、中継電極3c、コンタクトホールCNT3、中継電極6b、コンタクトホールCNT2を介して、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域30dと電気的に接続されると共に、コンタクトホールCNT8を介して画素電極27と電気的に接続されている。
また、コンタクトホールCNT8の位置を平面視でコンタクトホールCNT4と重ならない位置に設けることが好ましい。このようにすることで、コンタクトホールCNT8による第2容量電極16cと画素電極27との電気的接続をより確実に行うことができる。これにより、画素電極27でのコンタクトホールCNT4の段差による影響を抑制できる。また、コンタクトホールCNT4による段差がないため、コンタクトホールCNT8の加工を確実に行うことができる。
また、走査線3aとデータ線6aとの交差部に容量素子16を設ける、また、平面視でトランジスター30と重なる領域に容量素子16を設けるので、非開口領域を利用して、遮光性の容量素子16を設けることが可能となり、開口率が低下することを抑えることができる。
図8は、容量素子116を示す模式平面図である。図9は、図8に示す容量素子116のC−C’線に沿う模式断面図である。以下、容量素子116の平面的な構造と断面構造について、図8及び図9を参照しながら説明する。
容量素子116は、第3容量電極116aおよび第4容量電極116cとの間に誘電体層116bを有するものである。容量素子116は、画素電極27が形成された表示領域Eの外側に設けられている。第3容量電極116aは、第2容量線13bに電気的に接続されており、第4容量電極116cは、データ線6aに電気的に接続されている。第2容量線13bには所定電位Vaが印加されている。
第2容量線13b及び中継電極13cは、中継電極3cならびに容量線3bと同層に設けられている。中継電極13cは、層間絶縁膜11dを貫通するコンタクトホールCNT13を介してデータ線6aと接続されている。第2容量線13bには所定の電位が印加されている。
第3容量電極116aは、層間絶縁膜11eを貫通するコンタクトホールCNT14を介して第2容量線13bに接続される。第3容量電極116aは、第2容量電極16cと同層に設けられている。第4容量電極116cは、層間絶縁膜11eを貫通するコンタクトホールCNT17を介して中継電極13cに接続される。第4容量電極116cは、第2容量電極16cと同層に設けられている。ここで、コンタクトホールCNT14の幅L2は、図6のコンタクトホールCNT4の幅L1と同等の大きさをしている。したがって、コンタクトホールCNT4とコンタクトホールCNT14とを同様の条件で加工できるため、コンタクトホールCNT4を介して容量線3bと第1容量電極16aとを確実に電気的に接続するとともに、コンタクトホールCNT14を介して第2容量線13bと第3容量電極116aとを確実に電気的に接続することができる。ここで、L1とL2はまったく同じでなくてもよく、L1とL2の比L1/L2が0.8から1.2の範囲であってもよい。
<電子機器の構成>
図10は、上記した液晶装置を備えた電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。以下、液晶装置を備えた投射型表示装置の構成を、図10を参照しながら説明する。
図10に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、上記した液晶装置100が採用された液晶モジュールを介すことによって、保持容量を十分に確保することが可能となり、表示品質が向上する電子機器を提供することができる。
以上詳述したように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置100、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)本実施形態の液晶装置100によれば、第1容量電極16aと容量線3bとを電気的に接続するコンタクトホールCNT4を複数設けることにより、容量電極16a,16cの面積(周長)や厚みを増やすことが可能となり、容量を大きくすることができる。言い換えれば、第1容量電極16aを立体的にすることにより、コンタクトホールCNT4の側壁でも容量を形成することができ、容量を大きくすることができる。つまり、第1容量電極16aの厚みを利用できる。よって、従来のものより容量素子16の容量を大きくすることができる。加えて、容量電極16a,16cの面積を有効に利用することができる。ここで、上記複数のコンタクトホールCNT4は、容量線の拡張部に設けられるものであってもよいし、走査線3aに沿って並んで配置されているものであってもよいし、データ線6aに沿って並んで配置されているものであってもよい。
(2)本実施形態の液晶装置100によれば、複数のコンタクトホールCNT4は、同じ大きさである。これによれば、複数のコンタクトホールCNT4の加工を制御しやすくなり、容量線3bと第1容量電極16aとを確実に電気的に接続することができる。
(3)本実施形態の液晶装置100によれば、コンタクトホールCNT4の幅L1は、層間絶縁膜11eの厚み以上である。このようにすることで、第1容量電極16aがコンタクトホールCNT4に倣った形で形成され、コンタクトホールCNT4の側壁にも容量素子16が形成され、容量素子16の容量を大きくすることができる。
(4)本実施形態の液晶装置100によれば、コンタクトホールCNT4の幅L1は、第1容量電極16aの厚みの3倍以上である。このようにすることで、第1容量電極16aがコンタクトホールCNT4に倣った形で形成され、コンタクトホールCNT4の側壁にも容量素子16が形成され、容量素子16の容量を大きくすることができる。
(5)本実施形態の液晶装置100によれば、図6のコンタクトホールCNT4の幅L1は、コンタクトホールCNT14の幅L2と同等の大きさをしている。したがって、コンタクトホールCNT4及びコンタクトホールCNT14の加工性を向上できる。また、L1とL2の比L1/L2が0.8から1.2の範囲であることが好ましい。
(6)本実施形態の電子機器によれば、上記のような液晶装置100を備えているので、保持容量を十分に確保することが可能となり、表示品質が向上する電子機器を提供することができる。
(第2実施形態)
<電気光学装置の構成>
図11は、第2実施形態の電気光学装置としての液晶装置の構造を示す模式平面図である。以下、液晶装置(画素)の平面的な構造について、図11を参照しながら説明する。
第2実施形態の液晶装置200は、上述の第1実施形態と比べて、コンタクトホールCNT4の構造が異なり、その他の構成については概ね同様である。このため第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。
図11に示すように、第2実施形態の液晶装置200は、データ線6aの一部及び走査線3aの一部と平面的に重なるように容量線3bが設けられており、容量素子16は、図7に示すように、非開口領域(図3参照)に配置されており、第1容量電極16aと、誘電体層16bと、第2容量電極16cとが第1基板11側から順に積層されている。誘電体層16bは、第1容量電極16aを覆うように形成されている。更に、第2容量電極16cは、第1容量電極16a及び誘電体層16bを覆うように形成されている。
更に、容量線3bの拡張部に2つのコンタクトホールCNT4が設けられている。コンタクトホールCNT4のX方向に沿った幅L4は、コンタクトホールCNT4のY方向に沿った幅L3よりも長くなっている。これにより、第1容量電極16aがコンタクトホールCNT4に倣った形で形成され、コンタクトホールCNT4のY方向に沿った側壁に容量素子16(16a,16b,16c)が形成され、容量素子16の容量を大きくすることができる。ここで、コンタクトホールCNT4のY方向に沿った幅L3は、コンタクトホールCNT4のX方向に沿った幅L4よりも長くしてもよい。また、コンタクトホールCNT4は、斜め方向に沿って設けてもよい。
図11では、コンタクトホールCNT4のY方向に沿った幅L3は、2つのコンタクトホールCNT4において同じである。そして、コンタクトホールCNT4のX方向に沿った幅L4は、図示下側のコンタクトホールCNT4の方が長くなっている。そして、上側のコンタクトホールCNT4は、コンタクトホールCNT8を避けるようにX方向に沿った幅が短くなっている。
容量素子16は、図7の容量素子16と同様、コンタクトホールCNT4の側壁に沿った部分、コンタクトホールCNT4の底面に設けられた部分、及び層間絶縁膜11e上に設けられた部分を有している。そして、第1容量電極16aのコンタクトホールCNT4内の底面において、第1容量電極16aと容量線3bとが電気的に接続されている(図7参照)。
ここで、コンタクトホールCNT4の幅L3は、層間絶縁膜11eの厚み以上であることが好ましい。層間絶縁膜11eの厚みは、例えば、400nmであれば、コンタクトホールCNT4の幅L3は400nm以上であることが好ましい。コンタクトホールCNT4の幅L3は、第1容量電極16aの厚みの3倍以上であることが好ましい。例えば、第1容量電極16aの厚みが200nmであれば、コンタクトホールCNT4の幅L3は、600nm以上であることが好ましい。このようにすることで、第1容量電極16aがコンタクトホールCNT4に倣った形で形成され、コンタクトホールCNT4の側壁にも容量素子16が形成され、容量素子16の容量を大きくすることができる。
ここで、コンタクトホールCNT4の幅L3は、図8及び図9に示すコンタクトホールCNT14の幅L2と同等である。コンタクトホールCNT14の幅L4は、L3より長くなっている。したがって、コンタクトホールCNT4とコンタクトホールCNT14とを同様の条件で加工できるとともに、容量素子16をコンタクトホールCNT4に倣った形状とすることができるので好ましい。ここで、L2とL3はまったく同じでなくてもよく、L3とL2の比L3/L2が0.8から1.2の範囲であってもよい。
更に具体的には、図7と同様、層間絶縁膜11eに、容量線3bまで貫通するコンタクトホールCNT4を形成する。層間絶縁膜11e上には、このコンタクトホールCNT4を埋めると共に、層間絶縁膜11eを覆うようにAl(アルミニウム)などの遮光性の導電部材料を用いて導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、容量線3bに繋がる第1容量電極16aが形成される。
また、第1実施形態と同様に、層間絶縁膜11fを貫通するコンタクトホールCNT8が第2容量電極16cの端部と重なる位置に形成され、このコンタクトホールCNT8を埋めるようにしてITOなどの透明導電膜が成膜される。この透明導電膜をパターニングしてコンタクトホールCNT8を介して第2容量電極16cと繋がる画素電極27が形成される。
このように、コンタクトホールCNT4を容量線3bの拡張部に形成するため、図3の非開口領域を太くすることなく、第1容量電極16aと容量線3bとの接続を図ることができる。本実施形態は、特に、画素Pが微細化され、走査線3aもしくはデータ線6aの線幅が細くなった場合に適用することが好ましい。
以上詳述したように、第2実施形態の液晶装置200によれば、以下に示す効果が得られる。
(7)第2実施形態の液晶装置200によれば、第1容量電極16aと容量線3bとを電気的に接続するコンタクトホールCNT4は、所定方向に長い形状を有している。したがって、所定方向に沿ったコンタクトホールCNT4に倣って容量素子16を形成できる。
(8)本実施形態の液晶装置100によれば、図11のコンタクトホールCNT4の幅L3は、コンタクトホールCNT14の幅L2と同等の大きさをしている。したがって、コンタクトホールCNT4及びコンタクトホールCNT14の加工性を向上できる。また、L3とL2の比L3/L2が0.8から1.2の範囲であることが好ましい。
なお、本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、本発明の技術範囲に含まれるものである。また、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)
上記したように、容量素子16を構成する2つの容量電極16a,16cが金属層(アルミニウム、窒化チタンなど)で構成されていることに限定されず、例えば、ITOなど透明導電膜で構成するようにしてもよい。
(変形例2)
上記実施形態では、コンタクトホールCNT4の幅L1もしくはL3は、表示領域Eの外側に設けられる容量素子116に用いられるコンタクトホールCNT14の幅L2と同等、もしくは、その比が0.8から1.2の範囲であるとしたが、他のコンタクトホールとの比較によりコンタクトホールCNT4の幅L1もしくはL3を決定してもよい。
コンタクトホールCNT4の幅L1もしくはL3は、表示領域Eの外側に設けられる配線や容量素子で使用されるコンタクトホールの幅と同等であってもよい。表示領域Eの外側に設けられる配線や容量素子は、例えば、走査線駆動回路24、データ線駆動回路22、サンプリング回路などを構成するものであってもよい。
(変形例3)
上記実施形態では、コンタクトホールCNT8の位置を平面視でコンタクトホールCNT4と重ならない位置に設けるようにしたが、コンタクトホールCNT8の位置を平面視でコンタクトホールCNT4と重なる位置にしてもよい。これにより、コンタクトホールCNT8及びコンタクトホールCNT4のコンタクト面積を広げることができる。
(変形例4)
上記したように、上記液晶装置100などの電気光学装置は、例えば、トランジスターを備えたアクティブ駆動型の電気光学装置であって、有機EL(Electro Luminescence)装置、電気泳動装置などの表示装置にも適用することができる。また、反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)にも適用可能である。
(変形例5)
上記したように、電子機器として投射型表示装置1000(プロジェクター)を例に説明してきたが、これに限定されず、例えば、ビューワー、ビューファインダー、ヘッドマウントディスプレイなどに適用するようにしてもよい。また、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサー、ビューファインダー型又はモニター直視型のビデオテープレコーダー、ワークステーション、モバイル型のパーソナルコンピューター、テレビ電話、POS端末、ページャー、電卓、タッチパネルなどの各種電子機器、また、電子ペーパーなどの電気泳動装置、カーナビゲーション装置等に適用するようにしてもよい。