JP6043705B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のエアバッグ装置によれば、適宜ベントホールから膨張ガスを外部に放出できることになり、近接する乗員を確実にしかも優しく捕捉保護することができるとされている。
また、本発明によれば、接合部は、周縁部におけるベントホールに対応した位置を挟んで周方向における一方側の周縁部と、周方向における他方側の周縁部とを、周方向に重ね合わせて接合することにより形成されているので、エアバッグ袋体が膨張展開するときに、接合部からベントホールにわたって、径方向に沿うように確実にしわを発生させることができる。したがって、エアバッグ袋体の膨張展開中にエアバッグ袋体の内圧を瞬時に立ち上げてさらに素早く膨張展開できる。
また、本発明によれば、接合部は、周縁部におけるベントホールに対応した位置を挟んで周方向における一方側の周縁部と、周方向における他方側の周縁部とを、周方向に重ね合わせて接合することにより形成されているので、エアバッグ袋体が膨張展開するときに、接合部からベントホールにわたって、径方向に沿うように確実にしわを発生させることができる。したがって、エアバッグ袋体の膨張展開中にエアバッグ袋体の内圧を瞬時に立ち上げてさらに素早く膨張展開できる。
以下に、本発明の第一実施形態に係るエアバッグ装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第一実施形態のエアバッグ装置13を備えた車両1の車室内2を示す斜視図である。なお、以下の説明では、前後方向は車両1の前後方向を示し、左右方向は車両1の左右方向を示し、上下方向は車両1の上下方向を示している。また、本実施形態では、車両1の右側に運転席のシート11が配置され、車両1の左側に助手席のシート9が配置された車両1について説明する。
図1に示すように、運転席のシート11の前方に配置されたステアリングホイール12の内部には、エアバッグ装置13が収納されている。
図2に示すように、ステアリングホイール12はステアリングシャフト14の後端にナット15によりボス部16が固定され、ボス部16にカップ状のフロントカバー17が固定されている。フロントカバー17の周縁には、フロントカバー17を閉塞するように複数のボルト18によりリヤカバー19が固定されている。フロントカバー17の外周面には放射状に延びる複数のスポーク部20が取り付けられ、このスポーク部20にステアリングホイール本体21が支持されている。
リヤカバー19の内面には、エアバッグの膨張展開時にリヤカバーの破断を促進するためのティアライン19aが形成されている。ティアライン19aは、リヤカバー19を正面から見たときに、例えばH字状に形成されている。リヤカバー19は、エアバッグの膨張展開時にこのティアライン19aに沿って破断し、図2中上側および下側に分かれて展開するようになる。
エアバッグ装置13は、例えば燃焼により高圧ガスを発生する推薬を充填したインフレータ31と、インフレータ31が発生させた高圧ガスが導入されて膨張展開するエアバッグ袋体32と、エアバッグ袋体32の基部を固定するリング状の固定ブラケット33とを備えている。
リテーナ22の前方には、インフレータ31のフランジ31aが配置されている。また、リテーナ22の後方には、エアバッグ袋体32の基部が配置されている。さらに、エアバッグ袋体32の基部の後方には、固定ブラケット33が配置されている。そして、前方から後方に向かって、インフレータ31のフランジ31a、リテーナ22、エアバッグ袋体32の基部、固定ブラケット33の順に積層されて、複数のボルト34およびナット35により締め付け固定されている。すなわち、リテーナ22と固定ブラケット33との間には、エアバッグ袋体32の基部が挟み込まれた状態で固定されている。
図3に示すように、エアバッグ袋体32は、平面視で円形状に形成されており、前方(図3における下側)に配置される第一基布36と、後方(図3における上側)に配置される第二基布37とを備えている。エアバッグ袋体32は、第一基布36の周縁部36aと、第二基布37の周縁部37aとが縫製部38により互いに縫製されて接合されることにより形成されている。
リテーナ22(図2参照)の後面と固定ブラケット33の前面との間には、第一基布36が挟まれて複数のボルト34で締め付けられている。これにより、インフレータ31が発生するガスは、第一基布36の中央のインフレータ開口36cからエアバッグ袋体32の内部に供給される。
ベントホール40は、エアバッグ袋体32の膨張展開時において、ベントホール40の周縁部40a同士が重なるように密着して、ベントホール40を閉塞する。また、ベントホール40は、エアバッグ袋体32の膨張展開後であって乗員拘束時に、エアバッグ袋体32の内部のガスを放出する。
図5は、膨張展開直後のエアバッグ袋体32の斜視図である。なお、図5において、閉塞前の開放されたベントホール40を二点鎖線で図示している。
第二基布37は、第一基布36と同等の直径を有する平面視円形状の布である。
ここで、図4および図5に示すように、エアバッグ袋体32の周縁部32aには、エアバッグ袋体32の周方向におけるベントホール40に対応した位置に、第二基布37の一部を重ね合わせて接合される接合部50が形成されている。
続いて、エアバッグ袋体32の接合部50の作用について以下に説明する。
図2に示すように、車両1の衝突時に所定以上の加速度が検出されると、インフレータ31が点火され、折り畳まれたエアバッグ袋体32の内部にインフレータ31からガスが供給される。エアバッグ袋体32が膨張展開を開始すると、エアバッグ袋体32から圧力を受けてリヤカバー19がティアライン19aで破断される。その後、エアバッグ袋体32は 車室内2側に向かって膨張する。
ここで、接合部50は、エアバッグ袋体32の周方向におけるベントホール40に対応した位置に形成されているので、接合部50から延びたしわ52がベントホール40に到達した時に、ベントホール40の周縁部40aが内部に引き込まれるとともに密着する。そして、エアバッグ袋体32が膨張して膨張展開が完了すると、ベントホール40は閉塞される。
エアバッグ袋体32の膨張展開後、車両衝突時の慣性力により、乗員Jがエアバッグ袋体32に向かって移動すると、エアバッグ袋体32により乗員Jは拘束される。その後、エアバッグ袋体32は、車両1の後方から前方(図7における右側から左側)に向かって乗員Jによって押圧される。
続いて、第一実施形態の各変形について説明をする。
第一実施形態では、エアバッグ袋体32のベントホール40は、平面視円形状に形成されていた(図4参照)。これに対して、エアバッグ袋体32のベントホール40の形状は、第一実施形態に限定されることはなく、種々変更が可能である。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成については、説明を省略している。
図8に示すように、第一実施形態の第一変形例に係るエアバッグ袋体32には、ベントホール40として、径方向に沿うように延びるスリット42が形成されている。第一実施形態の第一変形例によれば、エアバッグ袋体32が膨張展開するときに発生したしわ52により、スリット42の周縁部40aが内側に引き込まれつつ重なるように密着して、ベントホール40であるスリット42を閉塞することができる。したがって、エアバッグ袋体32の膨張展開中にエアバッグ袋体32の内圧を瞬時に立ち上げてさらに素早く膨張展開できる。
図10は、第一実施形態の第三変形例に係る膨張展開前のエアバッグ袋体32を後方から見たときの平面図である。
図9に示す第一実施形態の第二変形例に係るエアバッグ袋体32のように、ベントホール40が、径方向に沿うように形成されたスリット42であって、平面視でエアバッグ袋体32の中心に向かって頂部を有する三角形状に形成されていてもよい。
また、図10に示す第一実施形態の第三変形例に係るエアバッグ袋体32のように、ベントホール40が、径方向に沿うように形成されたスリット42であって、平面視でエアバッグ袋体32の中心に向かって頂部を有する扇形状に形成されていてもよい。
図11は、参考形態に係る膨張展開前のエアバッグ袋体32を後方から見たときの平面図である。なお、図11において、エアバッグ袋体32の膨張展開時に形成されるしわ52を二点鎖線で図示している。
第一実施形態における接合部50は、エアバッグ袋体32の周縁部32aにおけるベントホール40に対応した位置を挟んで周方向における一方側の第二基布37の周縁部37bと、周方向における他方側の第二基布37の周縁部37cとを、周方向に重ね合わせて接合することにより形成されていた(図4参照)。
これに対して、図11に示すように、参考形態における接合部50は、エアバッグ袋体32の対向する第一基布36および第二基布37の一部を接合することにより形成されている点で、第一実施形態とは異なっている。なお、第一実施形態と同様の構成については、説明を省略している。
エアバッグ袋体32の形態は、上述の第一実施形態、参考形態および第一実施形態の各変形例に限定されない。
例えば、図12に示すように、エアバッグ袋体32の内部に、接合部50とエアバッグ袋体32の内面とを接続するストラップ45が設けられていてもよい。
ストラップ45は、例えば帯状をした布等からなる部材であり、一方端部が固定ブラケット33に固定されるとともに、他方端部が接合部50の内側に固定されている。この構成によれば、エアバッグ袋体32が膨張展開するときに、ストラップ45により接合部50近傍でエアバッグ袋体32の膨張が抑制されて、確実にしわ52を発生させることができる。
32 エアバッグ袋体
32a 周縁部
36 第一基布(基布)
37 第二基布(基布)
37b 一方側の周縁部
37c 他方側の周縁部
40 ベントホール
42 スリット
45 ストラップ
50 接合部
G ガス
L 距離
Claims (4)
- ガスが供給されて展開するエアバッグ袋体と、
前記エアバッグ袋体を形成する基布に設けられ、前記エアバッグ袋体の内部と外部とを連通するベントホールと、を備えたエアバッグ装置において、
前記エアバッグ袋体の周縁部には、前記エアバッグ袋体の周方向における前記ベントホールに対応した位置を挟んで前記周方向における一方側の周縁部と、前記周方向における他方側の周縁部とを、前記周方向に重ね合わせて接合される接合部が形成され、
前記接合部は、前記ベントホールから前記エアバッグ袋体の径方向の外側に離間した位置に形成され、
前記基布は、前方に配置される第一基布と、後方に配置される第二基布と、を有し、
前記エアバッグ袋体は、前記第一基布の周縁部と、前記第二基布の周縁部とが接合されることにより形成され、
前記接合部は前記第二基布の周縁部に形成され、前記ベントホールは、前記第一基布に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1に記載のエアバッグ装置であって、
前記エアバッグ袋体の内部には、前記接合部と前記エアバッグ袋体の内面とを接続するストラップが設けられていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1または2に記載のエアバッグ装置であって、
前記ベントホールは、前記エアバッグ袋体の径方向に沿うように延びるスリットであることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項3に記載のエアバッグ装置であって、
前記スリットの前記径方向における外側端部の幅は、前記スリットの前記径方向における内側端部の幅よりも広くなっていることを特徴とするエアバッグ装置。
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