JP6015584B2 - 運転席用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の運転席の乗員を保護する運転席用エアバッグ装置に関する。
下記特許文献1に記載された自動車の乗員保護装置は、ガス発生器からのガス主流方向に膨張する中央気体袋と、この中央気体袋の外周に連設された外周気体袋とを備えている。この外周気体袋は、中央気体袋との連結部に設けられた流通口を介して中央気体袋に連通されており、中央気体袋の外周の円周方向にドーナツ状に膨張展開してステアリングホイールのリブ部を抱え込む。これにより、乗員の頭部や胸部の衝突箇所が中心から外れた場合でも、確実に人体を受け止め、衝撃エネルギを吸収・緩和するようにしている。
特開平1−132444号公報
ところで、車両が衝突物に対して斜めに前面衝突した際(所謂斜め衝突時)や、車両のフロントサイドメンバよりも車幅方向外側の部分が対向車等の衝突物に対して前面衝突した際(所謂微小ラップ衝突時)には、車両の乗員が衝撃によって斜め前方へ慣性移動する。その際、乗員の頭部がステアリングホイールに対して車幅方向に外れる方向へ変位して運転席用エアバッグに突入すると、運転席用エアバッグがステアリングホイールから十分な反力を受けることができない場合がある。
本発明は上記事実を考慮し、運転席の乗員の頭部が前面衝突の衝撃によって斜め前方へ慣性移動した場合でも、頭部を良好に拘束することができる運転席用エアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る運転席用エアバッグ装置は、車両のステアリングホイールに設けられ、作動することによりガスを発生させるガス発生装置と、環状の袋体である本体部の内周の一部からガス導入部が延出され、前記ガスが前記ガス導入部内を通って前記本体部内に導入されることにより、前記本体部がステアリングホイールのリムによって運転席とは反対側から支持されつつ前記ガス導入部よりも運転席側へ膨張展開するエアバッグと、を備え、前記エアバッグは、前記膨張展開時に前記本体部及び前記ガス導入部を運転席とは反対側から覆うように前記本体部に取り付けられ、前記本体部と前記リムとの間に介在される反運転席側被覆部材を有している。
請求項1に記載の発明では、例えば車両が斜め衝突又は微小ラップ衝突をすると、ガス発生装置が作動される。すると、ガス発生装置から発生するガスが、エアバッグのガス導入部内を通って本体部内に導入される。これにより、本体部がステアリングホイールのリムによって運転席とは反対側から支持されつつガス導入部よりも運転席側へ膨張展開するので、運転席の乗員の頭部が斜め前方へ慣性移動した場合でも、上記本体部によって頭部を拘束することができる。
しかも、このエアバッグでは、環状の袋体である本体部が、内周側のガス導入部よりも運転席側へ膨張展開するので、同等の外径寸法を有する扁平な球体状の袋体と比較して、容積を小さくすることができる。それにより、エアバッグの膨張展開が完了するまでの時間を短縮することができると共に、内圧を増加させることができるので、エアバッグがリムから受ける反力を増加させることができる。その結果、頭部の移動を拘束初期に効果的に抑制することが可能になるので、頭部拘束性能を良好にすることができる。
請求項2に記載の発明に係る運転席用エアバッグ装置は、請求項1において、前記エアバッグは、前記膨張展開時に前記本体部及び前記ガス導入部を運転席側から覆うように前記本体部に取り付けられた運転席側被覆部材を有する。
請求項2に記載の発明では、エアバッグの本体部が環状の袋体によって小容量に構成されていても、上記の運転席側被覆部材によって頭部拘束面を広く確保することができる。その結果、頭部拘束性能を一層良好にすることができる。
請求項3に記載の発明に係る運転席用エアバッグ装置は、請求項1又は請求項2において、少なくとも前記ステアリングホイールが操舵角の中央側に位置し且つ前記エアバッグが膨張展開した状態では、前記ガス導入部が前記ステアリングホイールの中央部から下方側へ延びて前記本体部の内周に至るように前記ガス導入部が設けられている。
請求項3に記載の発明では、ステアリングホイールが操舵角の中央側に位置する状態、すなわちステアリングホイールが大きく操舵されていない状態でガス発生装置が作動すると、ガス発生装置からのガスがガス導入部内を下方側へ流れて本体部内へ導入される。ここで、斜め衝突時や微小ラップ衝突時には、ステアリングホイールが大きく操舵されないケースが多いため、上記のように構成されていることにより、非適正位置に位置する乗員に対するエアバッグの影響を抑制することができる。つまり、例えば、ステアリングホイールの上方側に乗員の頭部が位置する状態で、エアバッグが膨張展開した場合でも、頭部がエアバッグの本体部から受ける膨張圧を低くすることができる。
請求項4に記載の発明に係る運転席用エアバッグ装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項において、前記本体部には、ベントホールと、前記本体部の膨張展開時の張力によって前記ベントホールを塞ぐ閉塞部材とが設けられている。
請求項4に記載の発明では、エアバッグの本体部が膨張展開すると、本体部に設けられた閉塞部材が本体部からの張力を受けてベントホールを塞ぐ。これにより、本体部の膨張展開初期の内圧を高めることができるので、本体部の頭部初期拘束性能を向上させることができる。一方、本体部が乗員の頭部からの荷重によって潰れると、閉塞部材に加えられる張力が低下し、ベントホールが開放される。その結果、本体部内のガスがベントホールから排気されるが、上記のように本体部が潰れてからガスが排気されるため、本体部の内圧を高圧に保持する時間を長くすることができる。
請求項5に記載の発明に係る運転席用エアバッグ装置は、請求項4において、前記エアバッグは、前記膨張展開時に前記本体部及び前記ガス導入部を運転席側から覆うように前記本体部に取り付けられた運転席側被覆部材を有し、前記ベントホール及び前記閉塞部材は、前記本体部の内周に設けられている。
請求項5に記載の発明では、膨張展開したエアバッグに乗員の頭部が突入すると、本体部の内周に設けられたベントホールが閉塞部材による閉塞を解除され、本体部内のガスがベントホールを通って本体部の内周側へ排気される。ここで、この発明では、エアバッグの本体部及びガス導入部が運転席側被覆部材及び反運転席側被覆部材によって運転席側及び反運転席側から覆われているため、ベントホールから排気されたガスが、エアバッグの外側へ排気されないようにすることができる。その結果、エアバッグの内圧を保持する時間を更に増加させることが可能になる。また、請求項2に記載の発明と同様に運転席側被覆部材を有するため、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
請求項6に記載の発明に係る運転席用エアバッグ装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項において、前記エアバッグでは、互いに重ね合わされた一対の基布が外周縁部を縫製されると共に、前記各基布の中央側にそれぞれ形成されたスリットの縁部が互いに重ね合わされて縫製されることにより前記本体部と前記ガス導入部とに仕切られている。
請求項6に記載の発明では、環状の袋体である本体部と、当該本体部の内周の一部から延出されたガス導入部とを、一対の基布によって製作することができるので、エアバッグの構成を簡単なものにすることができる。
請求項7に記載の発明に係る運転席用エアバッグ装置は、車両のステアリングホイールに設けられ、作動することによりガスを発生させるガス発生装置と、環状の袋体である本体部の内周の一部からガス導入部が延出され、前記ガスが前記ガス導入部内を通って前記本体部内に導入されることにより、前記本体部がステアリングホイールのリムによって運転席とは反対側から支持されつつ前記ガス導入部よりも運転席側へ膨張展開するエアバッグと、を備え、少なくとも前記ステアリングホイールが操舵角の中央側に位置し且つ前記エアバッグが膨張展開した状態では、前記ガス導入部が前記ステアリングホイールの中央部から下方側へ延びて前記本体部の内周に至るように前記ガス導入部が設けられている。
請求項8に記載の発明に係る運転席用エアバッグ装置は、車両のステアリングホイールに設けられ、作動することによりガスを発生させるガス発生装置と、環状の袋体である本体部の内周の一部からガス導入部が延出され、前記ガスが前記ガス導入部内を通って前記本体部内に導入されることにより、前記本体部がステアリングホイールのリムによって運転席とは反対側から支持されつつ前記ガス導入部よりも運転席側へ膨張展開するエアバッグと、を備え、前記エアバッグでは、互いに重ね合わされた一対の基布が外周縁部を縫製されると共に、前記各基布の中央側にそれぞれ形成されたスリットの縁部が互いに重ね合わされて縫製されることにより前記本体部と前記ガス導入部とに仕切られている。
以上説明したように、本発明に係る運転席用エアバッグ装置では、運転席の乗員の頭部が前面衝突の衝撃によって斜め前方へ慣性移動した場合でも、頭部を良好に拘束することができる。
本発明の実施形態に係る運転席用エアバッグ装置のエアバッグが膨張展開した状態をステアリングホイールとの関係で示す図であり、図2のF1−F1線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図である。 同エアバッグの膨張展開状態を運転席側から見た正面図である。 (A)〜(D)は、同エアバッグの構成部材である4枚の基布の平面展開図である。 同エアバッグの平面展開状態を示す断面図である。 (A)はベントホール及び閉塞布を示す斜視図であり、(B)は(A)のFB−FB線に沿った切断面を示す断面図であり、(C)は(A)のFC−FC線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図である。 乗員の頭部が斜め前方に変位して比較例に係るエアバッグに突入する際の状況を車両上方側から見た平面図である。 乗員が非正規位置に位置する状態を車幅方向から見た側面図である。
本発明の実施形態に係る運転席用エアバッグ装置10について、図1〜図7に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両の前方向(進行方向)、上方向、車両幅方向の外側をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
(構成)
図1に示されるように、本実施形態に係る運転席用エアバッグ装置10は、ステアリングホイール12の中央部に配設されたインフレータ14(ガス発生装置)と、当該インフレータ14が発生させるガスによって膨張展開するエアバッグ16とを主要部として構成されている。なお、図1及び図2には、エアバッグ16の膨張展開が完了した状態が示されている。

ステアリングホイール12は、図示しないステアリングシャフトの上端部に固定されるハブ12Aと、ハブ12Aと同心状に配置された環状のリム12Bと、ハブ12Aとリム12Bとを繋ぐ複数本のスポーク12Cと、によって構成されている。上記ハブ12Aの後面(図示しない運転席側の面)には、金属製のベースプレート18が取り付けられている。このベースプレート18の中央部には、インフレータ挿入用の円形の貫通孔20が形成されている。

インフレータ14は、軸線方向寸法が短い円柱状に形成されており、ガス噴出部14Aが設けられた軸線方向一端側(後端側)から上記貫通孔20に挿入されている。インフレータ14の軸線方向中央部には、フランジ部14Bが形成されており、当該フランジ部14Bが貫通孔20の孔縁部に車両前方側から当接している。この貫通孔20の孔縁部の車両方向側には、環状のリングプレート22が配置されている。このリングプレート22から突出された複数(ここでは4つ)のスタッドボルトがベースプレート18及びフランジ部14Bを貫通してそれぞれナットに螺合している。これにより、インフレータ14がベースプレート18に固定されている。

一方、ベースプレート18の車両後方側の面には、エアバッグ16が折り畳み状態で配置されている。このエアバッグ16は、図3(A)〜図3(D)に示される4枚の基布24、26、28、30が縫製されることにより形成されている。これらの基布24、26、28、30は、例えばナイロン系やポリエステル系の布材によって構成されている。

上記の基布24、26、28、30は、この記載の順番で互いに重ね合わされており、縫製部T1において外周縁部を縫製されている。基布24、30の間に位置する基布26、28には、各中央部にそれぞれ逆U字状のスリット32、34が形成されている。これらの基布26、28は、スリット32、34の縁部が互いに重ね合わされており、縫製部T2においてスリット32、34に沿って縫製されている。これにより、環状の袋体である本体部16A(バッグ本体:環状袋部)と、該本体部16Aの内周の一部から本体部16Aの中央側へ延出されたガス導入部16Bとが形成されている。このガス導入部16Bの内部は、本体部16Aとの接続部において本体部16A内に連通されている。

一方、基布26を介して基布28とは反対側に配置された基布24は、運転席側被覆部材であり、エアバッグ16の膨張展開時に本体部16A及びガス導入部16Bを運転席側から覆うように本体部16Aに取り付けられている。また、基布28を介して基布26とは反対側に配置された基布30は、反運転席側被覆部材であり、エアバッグ16の膨張展開時に本体部16A及びガス導入部16Bを運転席とは反対側から覆うように本体部16Aに取り付けられている。

エアバッグ16の膨張展開状態で基布24、26よりも運転席とは反対側に位置する基布28、30には、各中央部にそれぞれ円形の貫通孔36、38が形成されている。これらの貫通孔36、38には、前述したインフレータ14の軸線方向一端側が挿通されている。これらの貫通孔36、38の孔縁部は、互いに重ね合わされており、縫製部T3(図3及び図4参照。図1では図示省略)おいて互いに縫製されている。また、これらの貫通孔36、38の孔縁部には、前述したリングプレート22の複数のスタッドボルトが貫通する複数のボルト孔が形成されており、リングプレート22とベースプレート18との間に貫通孔36、38の孔縁部が挟まれている。これにより、エアバッグ16がベースプレート18に固定されている。

上記構成のエアバッグ16は、通常時には、所定の折り畳み方で折り畳まれると共に、ステアリングホイール12の中央部に取り付けられた図示しないホイールパッドによってインフレータ14と共に覆われている。このインフレータ14には、車両に搭載されたECU(制御装置)が電気的に接続されている。このECUには、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両の左右方向の加速度を検出する左右加速度センサとが電気的に接続されている。ECUは、前後加速度センサ及び左右加速度センサからの信号に基づいて、車両が前面衝突をしたことを検知した際にインフレータ14を作動させる構成になっている。この前面衝突には、フルラップの前面衝突(対称衝突)だけでなく、斜め衝突及び微小ラップ衝突(何れも非対称衝突)が含まれている。
なお、ECUに前面衝突を予知(予測)するプリクラッシュセンサが電気的に接続されている場合には、プリクラッシュセンサからの信号に基づいてECUが前面衝突を予知した際にインフレータ14が作動される構成にしてもよい。さらに、左右のフロントサイドメンバ等に取り付けられた左右一対の前後加速度センサを用いて非対称衝突を検出する構成にしてもよい。その場合、ECUが、左右の前後加速度センサからの信号の入力タイミングのズレと、各前後加速度センサの出力信号の大きさとを比較することにより、対称衝突と非対称衝突とを判別する構成になる。
上記のECUによってインフレータ14が作動されると、インフレータ14のガス噴出部14Aからガスが噴出される。噴出されたガスは、エアバッグ16のガス導入部16B内を通って本体部16A内に導入される。これにより、エアバッグ16が膨張すると、前述したホイールパッドがティアライン(薄肉部)において破断し、エアバッグ16がステアリングホイール12の運転席側へ膨張展開する。以下、エアバッグ16の膨張展開状態について説明する。
図1に示されるように、本体部16Aは、ステアリングホイール12のリム12Bの外径よりも大きく膨張展開され、リム12Bによって運転席とは反対側から支持される。この本体部16Aは、ガス導入部16Bよりも運転席側へ突出(膨出)するように形成されている。なお、図1では、本体部16Aの内周とガス導入部16Bとの間に隙間が形成されているが、本体部16Aの内周とガス導入部16Bとが接する構成にしてもよい。
また、本実施形態では、エアバッグ16がベースプレート18を介してステアリングホイール12のハブ12Aに取り付けられているため、ステアリングホイール12が操舵される際には、エアバッグ16がステアリングホイール12と共に回転する。このステアリングホイール12が操舵角(操舵範囲)の中央側(中央及び中央付近)に位置し且つエアバッグ16が膨張展開した状態では、ガス導入部16Bがステアリングホイール12の中央部から下方側へ延びて本体部16Aの内周に至るようにガス導入部16Bが設けられている。つまり、斜め衝突時や微小ラップ衝突時には、ステアリングホイール12が大きく操舵されないケースが多いため、その状態でエアバッグ16が膨張展開すると、ガス導入部16Bの向きが上記のようになる。
さらに、エアバッグ16の膨張展開状態では、運転席側被覆部材である基布24が、本体部16A及びガス導入部16Bに対する運転席側で伸張されると共に、反運転席側被覆部材である基布30が、本体部16A及びガス導入部16Bに対する運転席とは反対側で伸張される。これにより、本体部16A及びガス導入部16Bが基布24によって運転席側から覆われると共に基布30によって運転席とは反対側から覆われる。そして、これらの基布24、30の間で本体部16Aの内周側には、ガス導入部16Bが収容された密閉空間40が形成されるようになっている。
また、本実施形態では、本体部16Aの内周には、一対のスリット状のベントホール42(図5(A)及び図5(B)以外では図示省略)が形成されている。これらのベントホール42は、互いに対向する位置に形成されており、エアバッグ16の膨張展開状態では、長手方向がステアリングホイール12の軸線方向に沿うように形成されている。これらのベントホール42は、本体部16Aの内周に取り付けられた一対の閉塞布46(閉塞部材:図1及び図5以外では図示省略)によってそれぞれ覆われている。
各閉塞布46は、基布24、26、28、30と同様の布材によって矩形状に形成されており、3つの辺が縫製部T4において本体部16Aの内周に縫製されている。この縫製部T4は、本体部16Aの周方向一側へ開口した略U字状に形成されている。エアバッグ16が膨張展開した際には、本体部16Aの張力によって各閉塞布46が本体部16Aの内周面に張り付くことにより、各ベントホール42が塞がれるようになっている。但し、運転席側からの荷重によって本体部16Aが押し潰されると、各閉塞布46と本体部16Aの内周面との間に隙間が形成され、本体部16A内のガスが各ベントホール42から前記密閉空間40内に排気されるようになっている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の運転席用エアバッグ装置10では、車両が斜め衝突又は微小ラップ衝突をすると、ECUによってインフレータ14が作動される。すると、インフレータ14から発生するガスが、エアバッグ16のガス導入部16B内を通って本体部16A内に導入される。これにより、本体部16Aがステアリングホイール12のリム12Bによって運転席とは反対側から支持されつつガス導入部16Bよりも運転席側へ膨張展開するので、運転席の乗員の頭部が斜め前方へ慣性移動した場合でも、上記本体部16Aによって頭部を拘束することができる。
しかも、このエアバッグ16では、環状の袋体である本体部16Aが、内周側のガス導入部16Bよりも運転席側へ膨張展開するので、同等の外径寸法を有する扁平な球体状の袋体と比較して、容積を小さくすることができる。それにより、本体部16Aの膨張展開が完了するまでの時間を短縮することができると共に、内圧を増加させることができる。その結果、頭部がエアバッグ16に突入した当初のエネルギ吸収量を増加させることができ、頭部の移動を拘束初期に効果的に抑制することが可能になるので、頭部拘束性能を良好にすることができる。
つまり、図6に示される比較例のように、エアバッグ100が球体を扁平にしたような外形の袋体によって構成されている場合、本実施形態におけるエアバッグ16よりも容積が大きくなってしまうため、インフレータの出力が本実施形態と同等であれば、膨張展開完了までの時間が長くなると共に、内圧が低くなってしまう。その場合、斜め前方へ慣性移動する乗員Pの頭部Hがエアバッグ100に突入した当初のエネルギ吸収量が小さくなるが、本実施形態では、上記のようにエネルギ吸収量を増加させることができる。
また、本実施形態では、エアバッグ16の膨張展開時には、本体部16A及びガス導入部16Bが基布24によって運転席側から覆われる。このため、エアバッグ16の本体部16Aが環状の袋体によって小容量に構成されていても、上記の基布24によって頭部拘束面を広く確保することができる。その結果、頭部拘束性能を一層良好にすることができる。しかも、エアバッグ16の膨張展開によって基布24が伸張されるため、基布24における頭部拘束面が平面状になる。それにより、当該頭部拘束面に乗員の頭部が突入した際に、頭部を不用意に回転させないようにすることができるので、当該回転に起因する頭部の傷害を防止することができる。
さらに、本実施形態では、ステアリングホイール12が操舵角の中央側に位置し且つエアバッグ16が膨張展開した状態では、ガス導入部16Bがステアリングホイール12の中央部から下方側へ延びて本体部16Aの内周に至るようにガス導入部16Bが設けられている。つまり、ステアリングホイールが大きく操舵されていない状態で車両が前面衝突をすると、インフレータ14から噴出されるガスがガス導入部16B内を下方側(運転席側から見て6時の方向)へ流れて本体部16A内へ導入される。これにより、非適正位置に位置する乗員に対するエアバッグ16の影響を抑制することができる。例えば、図7に示されるように、ステアリングホイール12の上方側に乗員Pの頭部Hが位置する状態でエアバッグ16が膨張展開した場合でも、頭部Hがエアバッグ16の本体部16Aから受ける膨張圧を低くすることができる。
また、本実施形態では、エアバッグ16が膨張展開すると、本体部16Aの内周に取り付けられた一対の閉塞布46が本体部16Aからの張力を受けて一対のベントホール42を塞ぐ。これにより、本体部16Aの膨張展開初期の内圧を高めることができるので、本体部16Aの乗員初期拘束性能を良好に確保することができる。一方、本体部16Aが乗員の頭部からの荷重によって潰されると、各閉塞布46に加えられる張力が低下し、各閉塞布46と本体部16Aの内周面との間に隙間が形成される。それにより、各ベントホール42が開放され、本体部16A内のガスが各ベントホール42から排気されるが、頭部がエアバッグ16に突入してからガスが排気されるため、本体部16Aの内圧を高圧に保持する時間(内圧保持時間)を長くすることができる。
しかも、本実施形態では、エアバッグ16の本体部16A及びガス導入部16Bが基布24、30によって運転席側及び反運転席側から覆われており、各ベントホール42からのガスが密閉空間40内に排気される。つまり、エアバッグ16の外側にはガスが排気されないので、エアバッグ16の内圧を保持する時間を更に増加させることが可能になる。特に、微小ラップ衝突時には、車体床部の加速度(減速度)が緩やかに立ち上がるため、頭部がエアバッグ16に突入するタイミングがフルラップ前面衝突時と比較して遅くなるが、そのような場合でも、エアバッグ16の内圧が長時間保持されるため、頭部の初期拘束性能を良好にすることができる。
また、密閉空間40内のガス圧が高まることにより、ステアリングホイール12に対するエアバッグ16の支持が安定するため、斜め前方へ慣性移動する頭部がエアバッグ16に突入した際のエアバッグ16の傾き(倒れ)を抑制することができる。さらに、インフレータ14の出力を小さくすることができるので、インフレータ14の小型化及び低コスト化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、エアバッグ16の膨張展開状態においてスリット状の各ベントホール42の長手方向がステアリングホイール12の軸線方向に沿うように形成されている。このため、頭部からの荷重によってエアバッグ16がステアリングホイール12の軸線方向に潰される際には、各ベントホール42がエアバッグ16の半径方向から見て略菱形状(略レモン形状)に変形することになる。それにより、各ベントホール42を良好に開放することができる。
さらに、上記のエアバッグ16では、互いに重ね合わされた一対の基布26、28が外周縁部を縫製されると共に、各基布26、28の中央側にそれぞれ形成されたスリット32、34の縁部が互いに重ね合わされて縫製されることにより本体部16Aとガス導入部16Bとに仕切られている。これにより、環状の袋体である本体部16Aと、当該本体部16Aの内周の一部から延出されたガス導入部16Bとを、一対の基布26、28によって製作することができるので、エアバッグ16の構成を簡単なものにすることができる。
<実施形態の補足説明>
上記実施形態では、一対の基布26、28によってエアバッグ16の本体部16Aとガス導入部16Bとが形成された構成にしたが、本発明はこれに限らず、本体部及びガス導入部の製造方法は適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、ベントホール42及び閉塞布46(閉塞部材)が本体部16Aの内周に設けられた構成にしたが、本発明はこれに限らず、ベントホール及び閉塞部材が本体部の外周に設けられた構成にしてもよい。また、ベントホール及び閉塞部材が省略された構成にしてもよい。
さらに、上記実施形態では、エアバッグ16が、基布24(運転席側被覆部材)を備えた構成にしたが、本発明はこれに限らず、運転席側被覆部材が省略された構成にしてもよい。また、運転席側被覆部材は、基布(布材)以外の材料、例えばネット状の材料やシート状の材料によっても形成することができる。
また、上記実施形態では、ステアリングホイール12が操舵角の中央側に位置し且つエアバッグ16が膨張展開した状態では、ガス導入部16Bがステアリングホイール12の中央部から下方側へ延びて本体部16Aの内周に至るようにガス導入部16Bが設けられた構成にしたが、本発明はこれに限らず、ガス導入部16Bが延びる方向は適宜変更可能である。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10 運転席用エアバッグ装置
12 ステアリングホイール
12B リム
14 インフレータ(ガス発生装置)
16 エアバッグ
16A 本体部
16B ガス導入部
24 基布(運転席側被覆部材)
26、28 互いに重ね合わされた一対の基布
30 基布(反運転席側被覆部材)
32、34 スリット
42 ベントホール
46 閉塞布(閉塞部材)

Claims (8)

  1. 車両のステアリングホイールに設けられ、作動することによりガスを発生させるガス発生装置と、
    環状の袋体である本体部の内周の一部からガス導入部が延出され、前記ガスが前記ガス導入部内を通って前記本体部内に導入されることにより、前記本体部がステアリングホイールのリムによって運転席とは反対側から支持されつつ前記ガス導入部よりも運転席側へ膨張展開するエアバッグと、
    を備え
    前記エアバッグは、前記膨張展開時に前記本体部及び前記ガス導入部を運転席とは反対側から覆うように前記本体部に取り付けられ、前記本体部と前記リムとの間に介在される反運転席側被覆部材を有する運転席用エアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグは、前記膨張展開時に前記本体部及び前記ガス導入部を運転席側から覆うように前記本体部に取り付けられた運転席側被覆部材を有する請求項1に記載の運転席用エアバッグ装置。
  3. 少なくとも前記ステアリングホイールが操舵角の中央側に位置し且つ前記エアバッグが膨張展開した状態では、前記ガス導入部が前記ステアリングホイールの中央部から下方側へ延びて前記本体部の内周に至るように前記ガス導入部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の運転席用エアバッグ装置。
  4. 前記本体部には、ベントホールと、前記本体部の膨張展開時の張力によって前記ベントホールを塞ぐ閉塞部材とが設けられている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の運転席用エアバッグ装置。
  5. 前記エアバッグは、前記膨張展開時に前記本体部及び前記ガス導入部を運転席側から覆うように前記本体部に取り付けられた運転席側被覆部材を有し、
    前記ベントホール及び前記閉塞部材は、前記本体部の内周に設けられている請求項4に記載の運転席用エアバッグ装置。
  6. 前記エアバッグでは、互いに重ね合わされた一対の基布が外周縁部を縫製されると共に、前記各基布の中央側にそれぞれ形成されたスリットの縁部が互いに重ね合わされて縫製されることにより前記本体部と前記ガス導入部とに仕切られている請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の運転席用エアバッグ装置。
  7. 車両のステアリングホイールに設けられ、作動することによりガスを発生させるガス発生装置と、
    環状の袋体である本体部の内周の一部からガス導入部が延出され、前記ガスが前記ガス導入部内を通って前記本体部内に導入されることにより、前記本体部がステアリングホイールのリムによって運転席とは反対側から支持されつつ前記ガス導入部よりも運転席側へ膨張展開するエアバッグと、
    を備え、
    少なくとも前記ステアリングホイールが操舵角の中央側に位置し且つ前記エアバッグが膨張展開した状態では、前記ガス導入部が前記ステアリングホイールの中央部から下方側へ延びて前記本体部の内周に至るように前記ガス導入部が設けられている運転席用エアバッグ装置。
  8. 車両のステアリングホイールに設けられ、作動することによりガスを発生させるガス発生装置と、
    環状の袋体である本体部の内周の一部からガス導入部が延出され、前記ガスが前記ガス導入部内を通って前記本体部内に導入されることにより、前記本体部がステアリングホイールのリムによって運転席とは反対側から支持されつつ前記ガス導入部よりも運転席側へ膨張展開するエアバッグと、
    を備え、
    前記エアバッグでは、互いに重ね合わされた一対の基布が外周縁部を縫製されると共に、前記各基布の中央側にそれぞれ形成されたスリットの縁部が互いに重ね合わされて縫製されることにより前記本体部と前記ガス導入部とに仕切られている運転席用エアバッグ装置。
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