JP2016043713A - 助手席エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突に伴い車幅方向中央側に向けて斜め前方に移動する助手席の乗員頭部がインストルメントパネルに接触することを抑制することができる助手席エアバッグ装置を得る。
【解決手段】助手席エアバッグ装置10は、ガス供給を受けてインストルメントパネル18の後方かつ助手席12Pの前方で膨張展開される助手席エアバッグ30と、助手席エアバッグ30よりも小容量とされており、該助手席エアバッグ30からガス供給を受けて助手席エアバッグ30に対する車幅方向中央側でかつ該助手席エアバッグ30の後端よりも前方で膨張展開される小エアバッグ32と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、助手席エアバッグ装置に関する。
運転席エアバッグと助手席エアバッグとの間で補助エアバッグを膨張展開させる装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この補助エアバッグは、側面視で運転席エアバッグ及び助手席エアバッグよりも後方まで膨張して展開されるようになっている。また、運転席と助手席との間に設けられた中央席乗員の保護のためのエアバッグをルーフから展開させる装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−51513号公報 特開平6−80057号公報
例えば助手席の乗員が斜め前方へ移動する形態の衝突の際に、上記した補助エアバッグ等で乗員を保護する構成では、大容量の補助エアバッグ等の搭載スペースを確保する必要があり、この観点から改善の余地がある。
本発明は、車両への搭載性を確保しつつ、衝突に伴い車幅方向中央側に向けて斜め前方に移動する助手席の乗員頭部がインストルメントパネルに接触することを抑制することができる助手席エアバッグ装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る助手席エアバッグ装置は、ガス供給を受けてインストルメントパネルの後方かつ助手席の前方で膨張展開される助手席エアバッグと、前記助手席エアバッグよりも小容量であり、該助手席エアバッグからガス供給を受けて、前記助手席エアバッグに対する車幅方向中央側でかつ該助手席エアバッグの後端よりも前方で膨張展開される小エアバッグと、を備えている。
例えば、車体における運転席側にオフセットした位置への前面衝突の場合、助手席の乗員は、慣性によって前方へ移動しながら衝突側にも移動する。すなわち、助手席の乗員は、衝突に伴い車幅方向中央側に向けて斜め前方に移動する。ここで、本助手席エアバッグ装置では、助手席エアバッグと共に、該助手席エアバッグに対する車幅方向中央側でかつ該助手席エアバッグの後端よりも前方で小エアバッグが膨張展開される。この小エアバッグは、助手席から見ると、助手席エアバッグに対する車幅方向中央側でインストルメントパネルを覆うように展開される。このため、上記の通り斜め前方に移動する乗員頭部は、小エアバッグによってインストルメントパネルとの接触(干渉)が防止又は効果的に抑制される。
また、小エアバッグは、助手席エアバッグよりも小容量であるため、コンパクトに折り畳むことが可能であり、例えば助手席エアバッグと同等の容量の補助エアバッグを備える構成と比して、小さなスペースで車両へ搭載可能とされる。
このように、請求項1の構成では、車両への搭載性を確保しつつ、衝突に伴い車幅方向中央側に向けて斜め前方に移動する乗員頭部がインストルメントパネルに接触することを抑制することができる。
請求項2記載の発明に係る助手席エアバッグ装置は、請求項1の構成において、前記小エアバッグは、前記助手席エアバッグと別の基布にて袋状に形成されており、膨張展開状態の前記助手席エアバッグの車幅方向中央側を向く側壁における前端側の部分に接合されて構成されている。
この助手席エアバッグ装置では、助手席エアバッグの車幅方向中央側を向く側壁における前端側(インストルメントパネル側)の部分に、該助手席エアバッグとは別の袋体を成す小エアバッグが接合されている。これにより、簡単な構造で、上記の通り衝突に伴い車幅方向中央側に向けて斜め前方に移動する乗員頭部を保護する小エアバッグを設けることができる。
請求項3記載の発明に係る助手席エアバッグ装置は、請求項2の構成において、前記小エアバッグは、助手席エアバッグからガス供給を受けて、前記インストルメントパネルに沿って膨張展開される。
この助手席エアバッグ装置では、小エアバッグは、助手席エアバッグからガス供給を受けると、インストルメントパネルに沿って膨張展開される。このため、小容量の小エアバッグを、車幅方向中央側に向けて斜め前方に移動する乗員頭部とインストルメントパネルとの間に、より確実に介在させることができる。また、小エアバッグは、助手席エアバッグとは別の袋体を成すため、インストルメントパネルに沿う膨張展開形態とすることができる。
請求項4記載の発明に係る助手席エアバッグ装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成において、前記小エアバッグは、該小エアバッグ、前記助手席エアバッグ、及び運転席の前方で膨張展開される運転席エアバッグのそれぞれが乗員を拘束しない膨張展開状態で、該助手席エアバッグ及び運転席エアバッグに干渉しない構成とされている。
この助手席エアバッグ装置では、小エアバッグは、助手席エアバッグ及び運転席エアバッグに干渉しない態様で膨張展開される。このため、小エアバッグが助手席エアバッグ、運転席エアバッグの膨張展開(完了後の形状等)に影響を与えることが抑制される。
以上説明したように本発明に係る助手席エアバッグ装置は、車両への搭載性を確保しつつ、衝突に伴い車幅方向中央側に向けて斜め前方に移動する乗員頭部がインストルメントパネルに接触することを抑制することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る助手席エアバッグ装置を含む前席エアバッグシステムの作動状態における概略全体構成を示す平面図である。 (A)は本発明の第1の実施形態に係る助手席エアバッグ装置を含む前席エアバッグシステムの作動状態における概略全体構成を示す背面図、(B)は図2(A)の2B−2B線に沿った拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る助手席エアバッグ装置を構成する助手席エアバッグの膨張展開状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る助手席エアバッグ装置を構成する助手席エアバッグを示す図であって、(A)は膨張展開状態の分解斜視図、(B)は助手席エアバッグに対する小エアバッグの接合部を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る助手席エアバッグ装置を含む前席エアバッグシステムの作動状態における概略全体構成を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る助手席エアバッグ装置を含む前席エアバッグシステムの作動状態における概略全体構成を、助手席エアバッグを一部切り欠いて示す平面図である。
本発明の実施形態に係る助手席エアバッグ装置10を含む前席エアバッグシステム11について、図1〜図3に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印RH、矢印LHは、それぞれ前席エアバッグシステム11が適用された自動車Vの前方向、上方向、車幅方向の一方側である右側、他方側である左側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両(前方を向いた場合)の左右を示すものとする。
[自動車V内部の概略構成]
図1には、前席エアバッグシステム11が適用された自動車VにおけるキャビンC内の前部を含む一部が模式的な平面図にて示されている。この図に示されるように、キャビンC内には、一対の車両用シート12が左右に並んで配置されている。各車両用シート12は、シートクッション14と、該シートクッション14の後端に下端が接続されたシートバック16とを含んで構成されている。
この実施形態では、左側に位置する車両用シート12が運転席12D、右側に位置する車両用シート12が助手席12Pとされている。図示は省略するが、運転席12Dと助手席12Pとの間にはセンタコンソールが配置されている。すなわち、本実施形態における前席エアバッグシステム11が適用された自動車Vは、運転席12Dと助手席12Pとの間に中央座席が配置されない構成とされている。なお、センタコンソールを備えない構成(例えば、左右の座席間を通路とし得る構成)としても良い。
また、上記したセンタコンソールの前端は、運転席12D及び助手席12Pの前方で車幅方向に延びるインストルメントパネル18の車幅方向中央部に繋がっている。また、インストルメントパネル18における運転席12D側には、ステアリングホイール20が配置されている。
[運転席エアバッグ装置]
図1及び図2(A)に示されるように、前席エアバッグシステム11は、運転席12Dの乗員Dを前面衝突に対し保護するための運転席エアバッグ装置22を備えている。運転席エアバッグ装置22は、ステアリングホイール20内にモジュール化して設けられており、インフレータ24と運転席エアバッグ26とを含んで構成されている。この運転席エアバッグ装置22は、後述するエアバッグECU36からの指令によりインフレータ24が作動されることで、運転席12Dの前方で運転席エアバッグ26を膨張展開させる構成とされている。
[助手席エアバッグ装置]
また、上記した通り、前席エアバッグシステム11は、助手席12Pの乗員P(以下、単に「乗員P」という場合がある)を前面衝突に対し保護するための助手席エアバッグ装置10を備えている。助手席エアバッグ装置10は、インストルメントパネル18内にモジュール化して設けられており、インフレータ28と助手席エアバッグ30とを含んで構成されている。この助手席エアバッグ装置10、後述するエアバッグECU36からの指令によりインフレータ28が作動されることで、助手席12Pの前方で助手席エアバッグ30を膨張展開させる構成とされている。
以下、助手席エアバッグ30、運転席エアバッグ26、及び後述する小エアバッグ32の形状の説明において、特に断りのない場合は、それぞれのエアバッグが乗員を拘束しない状態における膨張展開状態(無拘束展開状態)の形状をいうものとする。
<助手席エアバッグ>
この実施形態における助手席エアバッグ30は、左バッグ30Lと右バッグ30Rとを有して構成されており、平面視でほぼ左右対称を成す形状に膨張展開される構成とされている。左バッグ30Lと右バッグ30Rとの境界線は、助手席12Pのシート幅(車幅)方向の中心線(図示省略)にほぼ一致する構成とされている。
この膨張展開状態において、左バッグ30Lの後端は乗員Pの左肩の前方に位置し、右バッグ30Rの後端は乗員Pの右肩の前方に位置するようになっている。また、左バッグ30L及び右バッグ30Rの後端間に形成される凹部30Nは、乗員Pの頭部の前方に位置するようになっている。
また、助手席エアバッグ30の車幅方向中央側を向く側壁30SL、すなわち左バッグ30Lには、ベントホール30HLが形成されている。また、助手席エアバッグ30の車幅方向外側を向く側壁30SR、すなわち右バッグ30Rには、ベントホール30HRが形成されている。車幅方向外側のベントホール30HRは、右バッグ30Rにおける前後方向の略中央でかつ上下方向の略中央に配置されている。車幅方向中央側のベントホール30HLは、左バッグ30Lにおける前後方向の略中央でかつ上下方向の上部に配置されている。すなわち、ベントホール30HLは、ベントホール30HRに対し上方に配置されている。
<小エアバッグ>
以上説明した助手席エアバッグ装置10は、助手席エアバッグ30よりも小容量である小エアバッグ32を備えている。この実施形態では、小エアバッグ32は、運転席エアバッグ26よりも小容量とされている。小エアバッグ32は、助手席エアバッグ30からガス供給を受けて、助手席エアバッグ30に対する車幅方向中央側でかつ該助手席エアバッグ30の後端よりも前方で膨張展開されるようになっている。すなわち、小エアバッグ32は、助手席12Pから見て、助手席エアバッグ30に対する車幅方向中央側で、インストルメントパネル18の一部を覆う構成とされている。以下、具体的に説明する。
(小エアバッグの展開範囲)
図1及び図2(A)に示されるように、小エアバッグ32は、助手席エアバッグ30の車幅方向中央側を向く側壁30SLにおける根元部(インストルメントパネル側である前端部)から、車幅方向中央向きに突出する形態とされている。この実施形態では、小エアバッグ32は、図2(B)にも示されるように、インストルメントパネル18(の後面)に沿って展開され、その展開形状は、前後方向に薄い扁平形状(例えば、展開厚みで50mm程度)とされている。このため、小エアバッグ32は、その後端が助手席エアバッグ30の後端に対し大きく前方に位置する構成とされている。この小エアバッグ32は、助手席エアバッグ30、運転席エアバッグ26のそれぞれに対し干渉しない構成とされている。
より具体的には、小エアバッグ32の後端は、ステアリングホイール20のよりも前方に位置し、小エアバッグ32の車幅方向の先端は、ステアリングホイール20よりも助手席エアバッグ30側に位置している。この実施形態では、小エアバッグ32は、先端位置が運転席エアバッグ26の車幅方向中央側の周縁の位置と一致するか、背面視で先端部が車幅方向中央側の周縁部と僅かにオーバラップする(図2(A)参照)構成とされている。
また、小エアバッグ32は、上下方向においては、インストルメントパネル18の上下方向中央部を含む少なくとも一部を覆っている。この実施形態では、上下方向において、3点式のシートベルトを装着して助手席12Pに着座した乗員Pの頭部Hが到達し得る範囲のインストルメントパネル18が、小エアバッグ32にて覆われるようになっている。
この乗員Pの頭部Hが到達し得る範囲は、衝突ダミー人形を衝突試験法で定められた標準的な着座姿勢で助手席12Pに着座させた場合における該ダミー人形の頭部が到達し得る範囲として設定されている。この実施形態では、乗員Pの頭部Hが到達し得る範囲は、AM50(米国成人男性の50パーセンタイル)、AM95(同95パーセンタイル)、及びAF05(米国成人女性の5パーセンタイル)の各ダミー人形の頭部が到達し得る範囲を含んで設定されている。
(小エアバッグの構造)
以上説明した小エアバッグ32は、図3に示されるように、助手席エアバッグ30を構成する基布とは別の基布より袋状に形成されており、該助手席エアバッグ30とは別の袋体を成している。この袋体が助手席エアバッグ30に接合されて、小エアバッグ32とされている。以下、図4(A)及び図4(B)を用いて小エアバッグ32の構造を説明する。なお、図4(A)では、便宜上、助手席エアバッグ30に接合前の袋体に符号「32」を付している。
具体的には、助手席エアバッグ30の車幅方向中央側を向く側壁30SLには、小エアバッグ32にガスを供給するための窓部30Wが形成されている。一方、小エアバッグ32(を成す袋体)は、図4(B)に示されるように、2枚の基布34、35の周縁部を縫製したシーム部32Sを形成することで袋状に形成されており、縫製されない部分が開口端とされている。この開口端の周囲には、2枚の基布34、35にて全体として略環状を成す張出部(フランジ部)32Fが形成されており、該張出部32Fが助手席エアバッグ30への縫製部(縫い代部)とされている。
この小エアバッグ32を成す袋体は、その開口端の周囲に形成された張出部32Fが、助手席エアバッグ30の側壁30SLにおける窓部30Wの周縁部に、シーム部30Sにて縫製されることで該助手席エアバッグ30に接合されている。これにより、助手席エアバッグ30から窓部30Wを通じて小エアバッグ32にガスが供給される構成とされている。この実施形態では、2枚の基布34、35の対向方向が小エアバッグ32の厚み方向(車両の前後方向)とされている。なお、小エアバッグ32の厚みを規定するために、例えば2枚の基布34、35を膨張制限布等で繋いでも良い。
図示は省略するが、以上説明した小エアバッグ32は、助手席エアバッグ30と共に折り畳まれてインストルメントパネル18内に収納されている。
[エアバッグECU]
また、図1に示されるように、前席エアバッグシステム11は、制御装置としてのエアバッグECU36を備えている。エアバッグECU36は、複数の衝突センサ38(図1ではまとめて1つ示す)と電気的に接続されている。また、エアバッグECU36は、運転席エアバッグ装置22、助手席エアバッグ装置10の各インフレータ24、28のそれぞれと電気的に接続されている。
このエアバッグECU36は、衝突センサ38からの情報に基づいて、適用された自動車Vに対する各種前面衝突(の発生又は不可避であること)を検知可能とされている。この実施形態では、エアバッグECU36は、衝突センサ38からの情報に基づいて、フルラップ前面衝突、オフセット前面衝突、微小ラップ衝突、及び斜め衝突が検知された各場合にインフレータ24、28を作動させるようになっている。
なお、助手席エアバッグ装置10については、助手席12Pに乗員が着座していることを条件に、インフレータ28を作動させるようにしても良い。
ここで、微小ラップ衝突とは、自動車Vの前面衝突のうち、例えばIIHSにて規定される衝突相手方との車幅方向のラップ量が25%以下の衝突とされる。例えば車体骨格であるフロントサイドメンバに対する車幅方向外側への衝突が微小ラップ衝突に該当する。この実施形態では、一例として相対速度64km/hrでの微小ラップ衝突が想定されている。また、斜め衝突(MDB斜突、オブリーク衝突)とは、図1に例示されるバリヤBrの衝突形態であり、例えばNHSTAにて規定される斜め前方(一例として、衝突相手方との相対角15°、車幅方向のラップ量35%程度)の衝突とされる。この実施形態では、一例として相対速度90km/hrでの斜め衝突が想定されている。なお、IIHSとは、米国道路安全保険協会(Insurance Institute for Highway Safety)の略称であり、NHSTAとは、米国の国家道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)の略称である。
[作用]
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
以下、エアバッグECU36が、運転席12D側への微小ラップ衝突又は斜め衝突を検知した場合の作用について説明することとする。
エアバッグECU36は、衝突センサ38からの信号に基づいて微小ラップ衝突又は斜め衝突を検知すると、運転席エアバッグ装置22及び助手席エアバッグ装置10の各インフレータ24、28を作動させる。すると、インフレータ24からガス供給を受けた運転席エアバッグ26、インフレータ28からガス供給を受けた助手席エアバッグ30が、それぞれ図1及び図2(A)に示されるように膨張展開される。また、助手席エアバッグ30を経由して該助手席エアバッグ30からガス供給を受けた小エアバッグ32が膨張展開される。
ところで、運転席12D側への微小ラップ衝突や斜め衝突の場合、助手席12Pの乗員Pは、車体に対して前方に移動し、さらに車幅方向中央側すなわち衝突側にも移動することとなる(図1の矢印A参照)。この乗員Pの頭部Hの衝突側への移動による助手席エアバッグ30に対する頭部Hの車幅方向のずれ量が大きい場合には、頭部Hは運転席エアバッグ26と助手席エアバッグ30との間に進入することとなる。すなわち、頭部Hは、図1に一点鎖線にて示すように助手席エアバッグ30を押し退け又はすり抜けつつ、運転席エアバッグ26と助手席エアバッグ30との間に進入する。
ここで、助手席エアバッグ装置10では、微小ラップ衝突や斜め衝突の際に小エアバッグ32が、助手席エアバッグ30に対する車幅方向の中央側で、インストルメントパネル18の後面に沿って膨張展開される。これにより、該運転席エアバッグ26と助手席エアバッグ30との間に進入してきた乗員Pの頭部Hは、図1に想像線にて示すように小エアバッグ32に接触し、インストルメントパネル18への接触が防止又は効果的に抑制される。
このため、小エアバッグ32を備えない構成と比較して、微小ラップ衝突や斜め衝突の際に乗員Pの頭部Hがインストルメントパネル18から受ける荷重(反力)が小さくなり、該頭部Hの傷害値が低減される。
なお、助手席エアバッグ装置10では、助手席12Pの乗員Pの頭部Hは、助手席エアバッグ30に接触して減速されてから小エアバッグ32に接触することとなる。このため、小容量で薄型の小エアバッグ32によって、乗員Pの頭部Hの傷害値を実用レベルで抑制することができる。
また、小エアバッグ32は、助手席エアバッグ30よりも小容量とされている。この実施形態では、小エアバッグ32は、無拘束展開状態で助手席エアバッグ30、運転席エアバッグ26に干渉しない寸法形状とされており、助手席エアバッグ30に対し十分に小容量で、コンパクトに構成されている。
そして、このように小容量の小エアバッグ32が助手席エアバッグ30の根元部からインストルメントパネル18に沿って膨張展開される。このため、小エアバッグ32は、小容量でありながら、車幅方向中央側に向けて斜め前方に移動する乗員Pの頭部Hとインストルメントパネル18との間に、より確実に介在されて上記の通り乗員Pの頭部Hの傷害値低減に寄与する。そして、小エアバッグ32は、助手席エアバッグ30とは別の袋体を成すため、上記の通りインストルメントパネル18に沿った膨張展開形態とすることができる。
また、小容量の小エアバッグ32はコンパクトに折り畳むことが可能であり、例えば助手席エアバッグ30と運転席エアバッグ26との間の空間を埋める容量のエアバッグを備える構成と比較して、小さなスペースで車両へ搭載することができる。しかも、小エアバッグ32は、助手席エアバッグ30からガス供給を受ける構成であるため、専用のインフレータを要する構成と比較して、一層コンパクトに構成(設置)することができる。
このように、第1の実施形態に係る助手席エアバッグ装置10では、自動車V(車両)への搭載性を確保しつつ、衝突に伴い車幅方向中央側に向けて斜め前方に移動する乗員Pの頭部Hがインストルメントパネル18に接触することを抑制することができる。
また、上記の通り小エアバッグ32は、無拘束展開状態で助手席エアバッグ30、運転席エアバッグ26に干渉しないため、運転席エアバッグ26、助手席エアバッグ30の膨張展開に影響を与えることがない。このため、例えば、フルラップ前面衝突の場合など、小エアバッグ32による乗員Pの保護を要しない衝突形態において、小エアバッグ32が乗員保護性能に影響を与えることがない。
[他の実施形態]
次いで、他の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態又は先行する実施形態と基本的に同様の構成、作用については、第1の実施形態又は先行する実施形態と同一の符号を付与し、その説明及び図示を省略する場合がある。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る助手席エアバッグ装置50について、図5に基づいて説明する。この図に示されるように、助手席エアバッグ装置50は、小エアバッグ32に代えて、小エアバッグ52を備える点で、助手席エアバッグ装置10とは異なる。小エアバッグ52は、無拘束展開状態で、インストルメントパネル18に対し後方に離れている点で、インストルメントパネル18の後面に沿って膨張展開される小エアバッグ32とは異なる。助手席エアバッグ装置50における他の構成は、図示しない部分を含め、助手席エアバッグ装置10の対応する構成と同様に構成されている。
この助手席エアバッグ装置50では、微小ラップ衝突又は斜め衝突の際に、助手席エアバッグ30の膨張展開に伴って小エアバッグ52が膨張展開される(図5の実線参照)。助手席エアバッグ30を押し退け又はすり抜けつつ該助手席エアバッグ30と運転席エアバッグ26との間に進入した乗員Pの頭部Hは、小エアバッグ52に接触する。その後、小エアバッグ52は、頭部Hと共に前方に移動してインストルメントパネル18に接触する(図5の想像線参照)。これにより、頭部Hのインストルメントパネル18への接触が防止又は効果的に抑制される。その他の作用効果は、小エアバッグ32がインストルメントパネル18に沿って膨張展開されることによる作用効果を除いて、助手席エアバッグ装置10の作用と同様である。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態に係る助手席エアバッグ装置60について、図6に基づいて説明する。この図に示されるように、助手席エアバッグ装置60は、助手席エアバッグ30内に整流部材としてのインナバッグ62が設けられている点で、助手席エアバッグ装置10とは異なる。
インナバッグ62は、インフレータ28を取り囲んで助手席エアバッグ30の基端(前端)側に配置され、インフレータ28が発生したガスを整流しつつ左バッグ30L、右バッグ30R、及び小エアバッグ32に分配する構成とされている。具体的には、インナバッグ62は、袋状を成しており、左バッグ30Lに向けてガスを噴き出す噴出し孔62Lと、右バッグ30Rに向けてガスを噴き出す噴出し孔62Rとを有する。
また、この実施形態に係るインナバッグ62は、小エアバッグ32に向けてガスを噴き出す噴出し孔62Sを有する。噴出し孔62Sは、車幅方向内向きに開口しており、インフレータ28からのガスを車幅方向の中央側に向けて噴き出す構成とされている。助手席エアバッグ装置60における他の構成は、図示しない部分を含め、助手席エアバッグ装置10の対応する構成と同様に構成されている。
したがって、第3の実施形態に係る助手席エアバッグ装置60によっても、基本的に第1の実施形態に係る助手席エアバッグ装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、助手席エアバッグ装置60では、インナバッグ62によって車幅方向中央側に向けて噴出されたガスが小エアバッグ32に供給されるため、小エアバッグ32は、ガス供給開始から短時間でインストルメントパネル18に沿った形態となりやすい。このため、膨張展開過程の小エアバッグ32が助手席エアバッグ30、運転席エアバッグ26と干渉することが防止又は効果的に抑制される。
なお、第3の実施形態では、インナバッグ62が小エアバッグ32用の噴出し孔62Sを有する例を示したが、本発明はこれに限定されない。したがって、例えば、インナバッグ62が左右の噴出し孔62L、62Rを有し、噴出し孔62Sを有しない構成としても良い。この場合、小エアバッグ32へのガス供給ルートともなる左バッグ30L用の噴出し孔62Lの径は、噴出し孔62Rの径と同等か又はそれ以上の大きさとされれば良い。
[他の変形例]
また、上記した各実施形態では、インフレータ24、28が微小ラップ衝突及び斜め衝突の場合に作動される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、インフレータ24、28が微小ラップ衝突及び斜め衝突の何れか一方の場合に作動される構成としても良い。この構成では、微小ラップ衝突及び斜め衝突の他方が発生した場合には、他の安全装置によって乗員が保護される。
さらに、上記した各実施形態では、助手席エアバッグ30がツインチャンバタイプのエアバッグである例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、助手席エアバッグ30がシングルチャンバタイプのエアバッグであっても良い。
またさらに、上記した各実施形態では、小エアバッグ32の先端がステアリングホイール20よりも助手席エアバッグ30側に位置している例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、小エアバッグ32の先端がステアリングホイール20まで至る構成や、ステアリングホイール20内まで至る構成としても良い。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で各種変形して実施可能であることは言うまでもない。
10 助手席エアバッグ装置
12D 運転席
12P 助手席
18 インストルメントパネル
26 運転席エアバッグ
30 助手席エアバッグ
32 小エアバッグ
34、35 基布
50、60 助手席エアバッグ装置
52 小エアバッグ
P 乗員

Claims (4)

  1. ガス供給を受けてインストルメントパネルの後方かつ助手席の前方で膨張展開される助手席エアバッグと、
    前記助手席エアバッグよりも小容量であり、該助手席エアバッグからガス供給を受けて、前記助手席エアバッグに対する車幅方向中央側でかつ該助手席エアバッグの後端よりも前方で膨張展開される小エアバッグと、
    を備えた助手席エアバッグ装置。
  2. 前記小エアバッグは、前記助手席エアバッグと別の基布にて袋状に形成されており、膨張展開状態の前記助手席エアバッグの車幅方向中央側を向く側壁における前端側の部分に接合されて構成されている請求項1記載の助手席エアバッグ装置。
  3. 前記小エアバッグは、助手席エアバッグからガス供給を受けて、前記インストルメントパネルに沿って膨張展開される請求項2記載の助手席エアバッグ装置。
  4. 前記小エアバッグは、該小エアバッグ、前記助手席エアバッグ、及び運転席の前方で膨張展開される運転席エアバッグのそれぞれが乗員を拘束しない膨張展開状態で、該助手席エアバッグ及び運転席エアバッグに干渉しない構成とされている請求項1〜請求項3の何れか1項記載の助手席エアバッグ装置。
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