JPH0717662U - エアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バッグ本体にニープロテクタとしての機能を
併有させて、乗員前方への専用のニープロテクタを不要
とし、コストダウンを図る。 【構成】 エアバッグユニット３のバッグ本体６に、バ
ッグ本体の膨張，展開時に乗員Ｈの膝部Ｎ前方で膨張，
展開するサブバッグ７を連設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車等の車両を始めとして、各種乗物の座席前方に配置されて、衝 突時にバッグ本体を膨張，展開し、乗員を拘束して２次衝突を防止するエアバッ グ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

エアバッグ装置は周知のように車両等の衝突時に衝突センサの感知作用にもと づいてインフレータを作動させ、該インフレータからの発生ガスによりバッグ本 体を膨張させて、該バッグ本体を急速展開させて衝突時に前方へ慣性移動する乗 員を拘束させるものである。

【０００３】 ところで、このようなエアバッグ装置の中でも、特に自動車の助手席乗員保護 用として用いられる場合は、例えば特開昭６２−１９８５４７号公報に示されて いるように、インストルメントパネルの助手席前方に対応する位置に開口部を形 成し、この開口部に臨むインストルメントパネル内部にエアバッグユニットを配 設すると共に、該開口部の上縁部にリッドの上縁部の可撓部を固着し、かつ、該 リッドの下部両側縁を前記開口部の両側縁にクリップ係合して取付けることによ り、エアバッグユニットの作動時に、バッグ本体の膨張によって前記リッドのク リップが外れると共に、リッド上縁部の可撓部を支点として該リッドが上方に開 き、バッグ本体をインストルメントパネルの開口部より車室内側に展開させるよ うにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

バッグ本体は専ら乗員の上半身を受け止めて乗員の前方への慣性移動を拘束し て乗員保護を目的とするものであり、従って、乗員の前方への慣性移動に伴う乗 員の膝部の２次衝突による負傷を防止するために、通常は前記従来技術にも開示 されているように、インストルメントパネルの下側部で助手席乗員の膝部に対応 する位置にニープロテクタを別途配備する必要があり、コストが嵩んでしまうこ とは否めない。

【０００５】 そこで、本考案は車両衝突時に乗員の上半身の拘束，保護は勿論，該乗員の膝 部の保護も同時に行えて、専用のニープロテクタを不要とすることができて、コ ストダウンに大きく寄与することができるエアバッグ装置を提供するものである 。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

座席前方に配置したエアバッグユニットのバッグ本体に、該バッグ本体の膨張 ，展開時に乗員の膝部前方で膨張，展開するサブバッグを連設してある。

【０００７】

【作用】

車両等の衝突時にエアバッグユニットが作動してバッグ本体が膨張，展開する と、これと同時にサブバッグも膨張，展開し、このサブバッグによって前方へ慣 性移動する乗員の膝部を受け止めて保護する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面と共に詳述する。

【０００９】 図１において、１はインストルメントパネルで、その助手席Ｓに対向する位置 には、縦面から上面に廻り込んで開口部２を形成してある。

【００１０】 ３は前記開口部２に臨むインストルメントパネル１の内部で、図外のステアリ ングサポートメンバに取付けたエアバッグユニットを示し、このエアバッグユニ ット３は、図２にも示すように高感度衝突センサ４の検出作用にもとづいて作動 するインフレータ５と、該インフレータ５を覆って折り畳んで収納されたバッグ 本体６とを備えている。

【００１１】 このバッグ本体６には、その膨張，展開時に乗員Ｈの膝部Ｎの前方で膨張，展 開するサブバッグ７を連設してある。

【００１２】 具体的には、前記バッグ本体６はインフレータ側のバッグ基布６ａとカバー側 のバッグ基布６ｂとを、それらの周縁を重ねて縫着して袋状に形成してあると共 に、インフレータ側のバッグ基布６ａの下側部には連通口８を形成してあり、こ の連通口８の周縁に予め袋状に形成したサブバッグ７の開口縁を縫着等により接 続して封止してある。

【００１３】 また、前記開口部２にはバッグ本体６の膨張，展開の初期圧力によって、図１ の鎖線で示すように上開き可能なリッド９を装着してある。

【００１４】 以上の実施例装置によれば、車両の衝突時等に衝突センサ４の検出作用にもと づいてインフレータ５が作動してガスを発生すると、この発生ガスによってバッ グ本体６が急速に膨張，展開し、この膨張，展開の初期圧力によってリッド９が 図１の鎖線に示すように上方に開蓋する。

【００１５】 リッド９の開蓋により、バッグ本体６はインストルメントパネル１の開口部２ より車室内側に図１の鎖線で示すように、乗員Ｈの上半身を拘束し得るに十分な 状態に膨張，展開すると同時に、このバッグ本体６と共にサブバッグ７も前記開 口部２より乗員Ｈの膝部Ｎ前方に膨張，展開する。

【００１６】 従って、車両衝突時の慣性により前方移動する乗員Ｈの上半身は、バッグ本体 ６に受け止められて拘束，保護されると共に、膝部Ｎもサブバッグ７によって受 け止められて拘束，保護される。

【００１７】 なお、前記実施例ではサブバッグ７がインストルメントパネル１の車室内側に 膨張，展開するようにしてあるが、インストルメントパネル１の仕様によっては 、該インストルメントパネル１の裏側で乗員の膝部に対応する部位でサブバッグ ７を膨張，展開してニープロテクタとして機能するようにさせることもできる。 但し、この場合、サブバッグ７の車両前方部位に反力プレートを配置することは 勿論である。

【００１８】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、バッグ本体の膨張，展開時には、該バッグ本体 に連設したサブバッグも乗員の膝部前方で膨張，展開するので、前方へ慣性移動 する乗員の膝部をこのサブバッグで拘束，保護することができる。従って、イン ストルメントパネル等の座席前方部位に、乗員の膝部保護のための専用のニープ ロテクタを必要とすることがなく、インストルメントパネル等の部材のレイアウ トを簡単化することができると共に、コストダウンに大きく寄与することができ るという実用上多大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す略示的断面図。

【図２】同実施例のエアバッグユニットの略示的断面
図。

【符号の説明】

３…エアバッグユニット ６…バッグ本体 ７…サブバッグ Ｓ…座席 Ｈ…乗員 Ｎ…膝部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 座席前方に配置したエアバッグユニット
   のバッグ本体に、該バッグ本体の膨張，展開時に乗員の
   膝部前方で膨張，展開するサブバッグを連設したことを
   特徴とするエアバッグ装置。