JP2008006962A - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員の頭部・頸部及び胸部への反力を低減させることができ、しかも生産性及びコスト削減を図る。
【解決手段】助手席用エアバッグ12は、乗員の頭部・頸部及び胸部を受け止める環状部12Aと、インフレータ22からガスが供給される第1端部12Bと、ベントホールの役割をする第2端部12Cとを備えており、一枚の基布から構成されている。環状部12Aの中央には車両上下方向に貫通する貫通穴28が形成されており、乗員の頭部・頸部及び胸部が当接すると、環状部12Aが貫通穴28側へ凹むことにより、乗員の頭部・頸部及び胸部への反力が低減されるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、衝突時にシートに着座した乗員側へ向けて膨出展開する車両用エアバッグ装置に関する。
近年、乗員の頭部・頸部及び胸部の拘束時に当該乗員の頭部及び胸部に作用する反力を低減することが可能な助手席用エアバッグ装置の開発が進められている。例えば、下記特許文献1には、前面衝突時に助手席に着座する乗員の前方左側へ膨出展開する左半側エアバッグと、乗員の前方右側へ膨出展開する右半側エアバッグとを備え、双方のエアバッグの先端部同士をタイパネルで連結したツインチャンバ式の助手席用エアバッグ装置が開示されている。この助手席用エアバッグ装置によれば、乗員拘束時に乗員の左肩を左半側エアバッグで拘束すると共に乗員の右肩を右半側エアバッグで拘束し、乗員の頭部を両エアバッグの先端部間に配置されたタイパネルで受け止めることで、乗員の頭部・頸部及び胸部への反力低減を図るようになっている。
特開2003−335203号公報 特開2004−256016号公報
しかしながら、上記先行技術に開示された構成による場合、予め助手席用エアバッグを幾つかのピースに分割しておき、これらを縫製しながら一つにして左半側エアバッグと右半側エアバッグとを作り込むため、エアバッグの構成が非常に複雑になっている。このため、生産性が低下すると共にコストアップを招くという課題がある。
本発明は上記事実を考慮し、乗員の頭部・頸部及び胸部への反力を低減させることができ、しかも生産性及びコスト削減を図ることができる車両用エアバッグ装置を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、衝突時に作動してガスを噴出するガス発生手段と、通常時には車両用内装部材の内側に折り畳み状態で格納されると共に、衝突時にガス発生手段によって発生したガスの供給を受けることにより中央部に略車両上下方向に貫通する貫通穴を有する環状に膨張展開しかつ展開完了後も貫通穴を維持するエアバッグと、を有することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の車両用エアバッグ装置において、前記エアバッグは、一枚の基布によって構成されている、ことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2記載の車両用エアバッグ装置において、前記基布は、両端部及び中央部を有しており、当該基布を両端部及び中央部を横断する第1折り線で上下二つ折りした後、両端部が閉塞されないように当該両端部を残して周縁部を縫製し、中央部を縦断する第2折り線で左右二つ折りして前記貫通穴を形成しかつ両端部が重なるように折り畳まれている、ことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至請求項3記載のいずれか一項に記載の車両用エアバッグ装置において、前記エアバッグにおける反乗員側の所定エリアには複数の開口部が形成されており、一部の開口部はガス発生手段と連通されてガス供給口として用いられ、残りの開口部はガス排出口として用いられる、ことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4記載の車両用エアバッグ装置において、前記複数の開口部のうちガス排出口として用いられる開口部は、エアバッグが格納されるエアバッグケース内又はエアバッグドアが設けられる前記車両用内装部材の内側に配置されている、ことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項3記載の車両用エアバッグ装置において、前記ガス排出口は、前記基布の一方の端部の開放端部を一部を除いて縫製することにより形成されている、ことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の車両用エアバッグ装置において、折り畳み状態のエアバッグの展開方向側の面から車両用内装部材に設けられたエアバッグドアの裏面までの距離に長短がある場合に、当該距離が長い方にエアバッグのガス供給口形成側を配置し、当該距離が短い方にエアバッグのガス排出口形成側を配置した、ことを特徴とする。
請求項1記載の本発明によれば、衝突時になると、ガス発生手段からガスが発生する。発生したガスは車両用内装部材の内側に折り畳み状態で格納されているエアバッグ内へ供給され、これを膨張展開させる。膨張展開したエアバッグは中央部に車両上下方向に貫通する貫通穴が形成されており、この貫通穴はエアバッグの膨張展開後も維持される。従って、乗員の頭部・頸部及び胸部が衝突時に作用する慣性力によって慣性移動して環状に膨張したエアバッグに当接すると、当該エアバッグは乗員の頭部等の当接部位を貫通穴へ入り込ませながら、これを受け止める。これにより、乗員の頭部等への反力が低減される。なお、エアバッグの乗員の頭部等との当接部位が貫通穴内へ入り込むと、当該当接部位の両側が当接部位側へ寄せられて、乗員の両肩を拘束するので、衝突時の乗員保護性能には何ら問題は生じない。
さらに、エアバッグは中央部に貫通穴を有する環状に形成されているので、エアバッグの構造が簡素になり、部品点数及び組立工数も削減される。
請求項2記載の本発明によれば、エアバッグが一枚の基布によって構成されているため、複数枚の基布を縫製等により繋ぎ合わせてエアバッグを製作するものに比べ、製造工数が少なくなる。
請求項3記載の本発明によれば、エアバッグを構成する一枚の基布は両端部及び中央部を有しており、以下の如くして折り畳まれる。まず、基布を両端部及び中央部を横断する第1折り線で上下二つ折りした後、両端部が閉塞されないように当該両端部を残して周縁部が縫製される。次に、中央部を縦断する第2折り線で左右二つ折りして貫通穴を形成すると共に、両端部が重なるように折り畳まれる。これにより、膨張展開した際に中央部に貫通穴が形成された環状のエアバッグが形成される。
請求項4記載の本発明によれば、エアバッグにおける反乗員側の所定エリアには複数の開口部が形成されており、このうちの一部の開口部はガス発生手段と連通されてガス供給口として用いられ、残りの開口部はガス排出口として用いられるので、エアバッグの反乗員側の所定エリアにガス供給口とガス排出口とが併設されることになる。換言すれば、ガスの入口と出口がエアバッグの反乗員側の一箇所にまとめられる。このため、乗員の頭部・頸部及び胸部を受け止めてエアバッグが変形しても、ガスの入口及び出口の位置には変形の影響が殆ど及ばず、予め設定された反乗員側に位置される。従って、ガス供給時の流路断面積が変わったり、ガス排出時の排気方向がバッグの変形の影響で変わったりといったことが生じ難い。
請求項5記載の本発明によれば、ガス排出口として用いられる開口部はエアバッグケース内又はエアバッグドアが設けられる車両用内装部材の内側に配置されるので、乗員のエアバッグへの二次衝突時にガス排出口から排出される排ガスは車室外に導かれる。
請求項6記載の本発明によれば、基布の一方の端部の開放端部を一部を除いて縫製することによりガス排出口を形成したので、縫製長さを変更することにより、所望の開口面積のガス排出口を作ることができる。
請求項7記載の本発明によれば、折り畳み状態のエアバッグの展開方向側の面から車両用内装部材に設けられたエアバッグドアの裏面までの距離が長い方には、エアバッグのガス供給口形成側が配置され、当該距離が短い方にはエアバッグのガス排出口形成側が配置されるため、最初にエアバッグのガス供給口形成側が展開され、続いてエアバッグのガス排出口形成側が展開される。このため、エアバッグの展開順序をコントロールすることができる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、乗員の頭部・頸部及び胸部への反力を低減させることができ、しかも生産性及びコスト削減を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、より一層生産性及びコスト削減を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、簡単な折り畳み方で中央部に貫通穴が形成される環状のエアバッグを折り畳むことができ、複雑な折り畳み方で折り畳む必要があるエアバッグに比べて、折り畳み作業の容易化ひいては製造工程の簡素化及びコスト削減を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、ガス流通経路の設計を比較的容易に行うことができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、当該車両用エアバッグ装置の作動後も車室内の環境を良好に保つことができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、ガス排出口の開口面積のチューニングを容易に行うことができるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、車両用内装部材のエアバッグドア設置位置に意匠等の理由から傾斜面や曲面等が設定されている場合にも、エアバッグを略均等に膨張展開させることができるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図5を用いて、本発明に係る車両用エアバッグ装置の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、本実施形態に係る車両用エアバッグ装置としての助手席用エアバッグ装置10が作動して助手席用エアバッグ12が膨張展開した状態の平面図が示されている。また、図2には、当該助手席用エアバッグ12の斜視図が示されている。
これらの図に示されるように、この助手席用エアバッグ装置10は、車両用内装部材としてのインストルメントパネル14における助手席15と対向する位置(グローブボックスの上方付近)に配設されている。インストルメントパネル14には、助手席用エアバッグ12を膨出展開させるためのバッグ膨出用開口部16(図4(C)参照)が形成されている。バッグ膨出用開口部16は、通常時には左右一対のエアバッグドア18によって閉止されており、前面衝突時になってバッグ膨張圧が所定値以上になるとティアライン(破断部)19(図4(A)、(B)参照)に沿って破断して左右に展開するようになっている。なお、このエアバッグドア18は左右に展開する両開きタイプのエアバッグドアであるが、上下左右のうち一方向のみに展開するエアバッグドアを採用してもよいし、上下に展開するエアバッグドアを採用してもよい。また、エアバッグドアをインストルメントパネル14の頂部助手席側に配置してもよい。
図4に示されるように、上記バッグ膨出用開口部16の奥側(インストルメントパネル14の内方)には、車両後方側の面が開放された略箱体形状のエアバッグケース20が配設されている。なお、エアバッグケース20は、図示しないブラケットを介して車両幅方向に沿って延在するパイプ状のインパネリインフォース等の車体側構成部材に支持されている。
図5に示されるように、エアバッグケース20内には、前面衝突時に作動してガスを噴出するガス発生手段としてのインフレータ22及びインフレータ22から噴出されたガスによって膨張展開される助手席用エアバッグ12が折り畳み状態で格納されている。エアバッグケース20の底壁部20Aには、インフレータ取付孔41及びガス排出口43が車両幅方向に並設されている。インフレータ取付孔41は車両幅方向内側に配置され、ガス排出口43は車両幅方向外側に配置されている。そして、このインフレータ取付孔41を利用して、略円筒形状に形成されたインフレータ22が助手席用エアバッグ12の後述する第1端部12Bの開放端部12B’と共に広義には固定手段として把握される次述する手法で固定されている。
具体的には、第1端部12Bの開放端部12B’の内側にはリングプレート44が挿入状態で配置されている。リングプレート44にはボルト46が予め固定されており、これに対応してエアバッグケース20の底壁部20Aにはボルト挿通孔50が形成されている。一方、インフレータ22の軸方向中間部にはフランジ22Aが形成されており、フランジ22Aにもボルト挿通孔50と同軸上にボルト挿通孔52が形成されている。そして、インフレータ22の反乗員側の端部をインフレータ取付孔41内へ挿入した状態で、ボルト46を各ボルト挿通孔50、52内へ挿通させ、エアバッグケース20の裏面側からナット48を締め込むことにより、第1端部12Bの開放端部12B’がインフレータ22と共にエアバッグケース20の底壁部20Aに共締めされる構成である。なお、インフレータ22のフランジ22Aよりも上側の部分をエアバッグケース20の底壁部20Aの外側からインフレータ取付孔41内へ挿入して固定する方法でもよい。一方、助手席用エアバッグ12の第2端部12Cの開放端部12C’も上記と同様にして、即ちリングプレート54を用いてエアバッグケース20のガス排出口43の周縁部に固定されている。
次に、図1〜図4を用いて、本実施形態の要部に係る助手席用エアバッグ12の構造について詳細に説明する。
図1に示されるように、助手席用エアバッグ12は、膨張展開形状が平面視で環状(ガスによって膨張した部分が平面視で連続した環状になっているという意味)に形成された中央部としての環状部12Aと、エアバッグケース20に支持された両端部としての第1端部12B及び第2端部12Cと、を備えている。図2及び図3から解るように、環状部12Aは平面視で見ると環状であるが、正面視及び側面視で見るとエプロン状に車両下方側へ延出された形状になっている。これに対し、第1端部12B及び第2端部12Cの車両上下方向の長さは均一で環状部12Aよりも細くなっている。このように環状部12Aはスカート状に形成されて、第1端部12B及び第2端部12Cは直線状に形成されているのは、環状部12Aには前面衝突時に乗員の頭部・頸部及び胸部を受け止めて加速度を落とすことが求められるので、これらの部位をカバーできる形状である必要があるのに対し、第1端部12B及び第2端部12Cには環状部12Aをいち早く乗員側へ到達させてかつ環状部12Aを支持することが求められるので、直線状に細くした方が効果的であると共にインフレータ22の出力も削減できるからである。
図1に戻り、上述した環状部12Aの中央には、車両上下方向に貫通する貫通穴28が形成されている。この貫通穴28が形成されていることにより、環状部12Aは軸芯側(半径方向内側)へ弾性変形可能とされている。
次に、上記助手席用エアバッグ12の折り畳み方について説明する。
図3(A)に示されるように、助手席用エアバッグ12は、一枚の基布30によって構成されている。基布30は、略円形に裁断された中央部30Aと、中央部30Aの両側に形成された矩形状の一方の端部30B及び他方の端部30Cと、によって構成されている。なお、中央部30Aが膨張展開時に環状部12Aになる部分であり、一方の端部30Bが第1端部12Bに又他方の端部30Cが第2端部12Cになる部分である。
かかる基布30を横方向に横断する第1折れ線32を折り目として上下二つ折りにすると、図3(B)に示されるように、略T字状の第1中間体34が形成される。次に、第1中間体34の周縁部を縫製していく(縫製部を符号「35」で示す)。このとき、一方の端部30B及び他方の端部30Cの端末部が閉塞されないように縫製する。縫製後、図3(C)に示されるように、第1中間体34を縦方向に縦断する第2折れ線36を折り目として左右二つ折りにする。このとき、一方の端部30Bと他方の端部30Cとが重なるように端末部を揃える。これにより、一方の端部30B及び他方の端部30Cよりも中央部30Aの方が上下幅が広く設定された略水鉄砲形状の第2中間体38が形成される。この第2中間体38は、膨張展開状態の助手席用エアバッグ12のガスを抜いた平面展開形状に一致する。その後、ロール折り又は蛇腹折り等によって最終形態まで折り畳まれる。
上記助手席用エアバッグ12は、図3(C)に示されるように、(平面展開形状でも膨張展開形状でも同じであるが)反乗員側に一方の端部30B及び他方の端部30Cが配置されている。そして、一方の端部30B及び他方の端部30Cを車両幅方向に並べてエアバッグケース20内に納めて前述した固定手段によって固定するようになっている。そして、一方の端部30Bの端末部の開口はインフレータ22から噴出されたガスが供給されるガス供給口40として用いられ、他方の端部30Cの端末部の開口は乗員がエアバッグ12の中央部30Aに二次衝突した際の反力低下用のベントホール(ガス排出口42)として用いられるようになっている。
さらに、図4に示されるように、エアバッグドア18が一体に形成されたインストルメントパネル14の意匠面14Aは、水平断面視で緩やかなラウント形状(傾斜曲面形状)とされている。従って、折り畳み状態の助手席用エアバッグ12の乗員側の面(エアバッグの展開方向側の面)12Dからエアバッグドア18の裏面までの距離は、車両幅方向内側の方が車両幅方向外側よりも長くなっている(車両幅方向内側の方の距離A>車両幅方向外側の方の距離B;図4(A)参照)。そして、距離が長い方の車両幅方向内側にインフレータ22からのガスが供給される方の第1端部12Bが配置され、距離が短い方の車両幅方向外側にガス排出口42が形成される方の第2端部12Cが配置されている。
(本実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
通常時においては、図4(A)に示される如く、助手席用エアバッグ12は折り畳み状態でエアバッグケース20内に格納されている。
この状態から前面衝突時になると、図示しないエアバッグセンサによって前面衝突状態が検知され、その信号がエアバッグECUに入力される。エアバッグECUでは、助手席用エアバッグ装置10を作動させるべきか否かを入力信号に基づいて判断し、「エアバッグ作動」と判断すると、インフレータ22に所定の電流が通電される。これにより、インフレータ22が作動してガスが発生される。このガスの供給を受けて、図4(B)に示される如く、折り畳み状態で格納されていた助手席用エアバッグ12が膨張し、エアバッグドア18に作用させる内圧を上昇させ、ティアライン19に沿ってインストルメントパネル14を破断させてエアバッグドア18を展開させる。その結果、助手席用エアバッグ12は、図4(C)に示される如く、助手席15に着座する乗員側へ向けて展開される。助手席用エアバッグ12が完全に膨張展開した状態では、環状部12Aが第1端部12B及び第2端部12Cによって支持された状態となる。
ここで、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10では、助手席用エアバッグ12が中央部に車両上下方向に貫通する貫通穴28を備えた環状部12A及び第1端部12B及び第2端部12Cによって構成されており、貫通穴28は助手席用エアバッグ12の膨張展開後も維持される。かかる環状部12Aに、慣性移動する乗員の頭部・頸部及び胸部が受け止められ、前面衝突時の衝突エネルギーが吸収される。
より詳細には、乗員の頭部・頸部及び胸部が環状部12Aの後端部に当接すると、環状部12Aの中央部は貫通穴28であるため、乗員の頭部・頸部及び胸部が有する加速度に応じて環状部12Aの後端部が凹状に凹み、乗員の頭部・頸部及び胸部を受け止める。この凹み具合が貫通穴28の存在によって自在に変化するので、乗員の頭部・頸部及び胸部が有する加速度は充分に減じられ、又乗員の頭部・頸部及び胸部に作用する反力も充分に低減される。なお、このとき、助手席用エアバッグ12における乗員の頭部・頸部及び胸部との当接部位が貫通穴28内へ入り込むと、当該当接部位の両側が当接部位側へ寄せられて、乗員の両肩を拘束するので、前面衝突時の乗員保護性能には何ら問題は生じない。
さらに、本実施形態の助手席用エアバッグ12は中央部に貫通穴28を有する環状に形成されているので、助手席用エアバッグ12の構造が簡素になり、部品点数及び組立工数も削減される。
以上を総括すると、本実施形態に係る助手席用エアバッグ装置10は、乗員の頭部・頸部及び胸部への反力を低減させることができ、しかも生産性及びコスト削減を図ることができる。
また、本実施形態では、助手席用エアバッグ12が一枚の基布30によって構成されているため、複数枚の基布を縫製等により繋ぎ合わせて助手席用エアバッグを製作するものに比べ、製造工数が少なくて済む。従って、より一層生産性及びコスト削減を図ることができる。
さらに、本実施形態の助手席用エアバッグ12は、一枚の基布30を第1折れ線32で上下二つ折りした後、一方の端部30B及び他方の端部30Cの端末部が閉塞されないように第1中間体34の周縁部を縫製し、次に第2折れ線36で左右二つ折りして貫通穴28を形成すると共に、一方の端部30B及び他方の端部30Cが重なるように折り畳みんだ後、ロール折り又は蛇腹折り等によって折り畳むことで折り畳み状態とすることができるので、簡単な折り畳み方で助手席用エアバッグ12を折り畳むことができる。従って、複雑な折り畳み方で折り畳む必要がある助手席用エアバッグに比べて、折り畳み作業の容易化ひいては製造工程の簡素化及びコスト削減を図ることができる。
また、本実施形態では、概念的には、環状の助手席用エアバッグ12における反乗員側の所定エリアに複数(ここでは第1端部12B及び第2端部12Cの2個)の開口部を設定し、このうちの一部(第1端部12B)の開口部をインフレータ22から発生したガスが供給されるガス供給口40として用い、残りの開口部(第2端部12C)をガス排出口42として用いる構成を採ったので、助手席用エアバッグ12の反乗員側の所定エリアにガス供給口40とガス排出口42とが併設されることになる。換言すれば、ガスの入口と出口が助手席用エアバッグ12の反乗員側の一箇所にまとめられる。このため、乗員の頭部・頸部及び胸部を受け止めて助手席用エアバッグ12が変形しても、ガスの入口及び出口の位置は変形の影響を殆ど受けず、予め定められた反乗員側に位置される。従って、ガス供給時の流路断面積が変わったり、ガス排出時の排気方向がエアバッグの変形の影響で変わったりといったことは生じ難い。その結果、ガス流通経路の設計を比較的容易に行うことができる。
さらに、ガス排出口42として用いられる第2端部12Cはガス供給口40として用いられる第1端部12Bと共にエアバッグケース20内に納められて、エアバッグケース20の後部側壁20Aに形成されたガス排出口43からインストルメントパネル14内(車室外)へガスが排出されるように構成したので、助手席用エアバッグ装置10の作動後も車室内の環境を良好に保つことができる。
また、本実施形態では、インストルメントパネル14の意匠面14Aがラウンド形状とされているが、折り畳み状態の助手席用エアバッグ12の乗員側の面(展開方向側の面)12Dからエアバッグドア18の裏面までの距離が長い方に、ガス供給口40が形成される第1端部12Bを配置し、当該距離が短い方にガス排出口42が形成される第2端部12Cを配置したので、最初に助手席用エアバッグ12の第1端部12B側から展開され、続いて第2端部12C側が展開される。このため、助手席用エアバッグ12の展開順序をコントロールすることができる。従って、エアバッグドア設置位置に意匠等の理由から傾斜面や曲面等が設定されている場合にも、助手席用エアバッグ12を略左右均等に膨張展開させることができる。補足すると、昨今では、車両デザインの多様化から、ウインドシールドガラスやインストルメントパネルの意匠面に大きな傾斜を持たせたいというニーズが出てきているが、助手席用エアバッグの左右の展開バランスが崩れるという理由からなかなか採用できないでいたが、本実施形態に係る車両用エアバッグ装置10を用いれば、このようなニーズに応えることができる。
〔第2実施形態〕
次に、図6を用いて、本発明に係る車両用エアバッグ装置の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図6に示されるように、この第2実施形態では、助手席用エアバッグ12の第2端部12Cの開放端部12C’を一部を除いて縫製(縫製部60)することにより、ガス排出口62が形成されている点に特徴がある。
この場合、縫製部60の縫製長さを変更することにより、所望の開口面積のガス排出口62を容易に作ることができる。従って、ガス排出口62の開口面積のチューニングが容易である。
〔第3実施形態〕
次に、図7を用いて、本発明に係る車両用エアバッグ装置の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、この第3実施形態では、助手席用エアバッグ12の環状部12Aの貫通穴28に臨む第1端部12Bと第2端部12Cとの合わせ部をティアシーム70で縫製して連結した点に特徴がある。ティアシーム70の破断荷重は、乗員の頭部・頸部及び胸部が助手席用エアバッグ12の環状部12Aの後端部に当接して、環状部12Aがある程度弾性変形した時点で破断するように設定されている。
このように第1端部12Bと第2端部12Cの合わせ部を破断可能なティアシーム70等の仮止め手段によって仮止めしておくことにより、環状部12Aから乗員の頭部・頸部及び胸部へ入力される反力が所定値以下となるようにチューニングすることができる。
〔上記実施形態の補足説明〕
以下、上記実施形態の補足説明を列挙する。
(1)上述した各実施形態では、助手席用エアバッグ装置10に対して本発明を適用したが、これに限らず、ニーエアバッグ装置に対して本発明を適用してもよいし、ステアリングホイールに替わる操舵手段によって運転操作が可能な次世代型の車両の運転席用エアバッグ装置に対して本発明を適用してもよい。
(2)上述した各実施形態では、一枚の基布30によって助手席用エアバッグ12を構成したが、これに限らず、複数枚の基布を繋いで環状部を有する助手席用エアバッグを構成してもよい。また、折り畳み方も、図3を用いて説明した折り畳み方以外の方法で折り畳む助手席用エアバッグに対して本発明を適用してもよい。
(3)上述した各実施形態では、助手席用エアバッグ12が環状部12A、第1端部12B、第2端部12Cによって構成されていたが、請求項1記載の本発明における「……環状に膨張展開しかつ展開完了後も貫通穴を維持するエアバッグ」には、ドーナツ状の環状部の反乗員側の端部の内部にガス流路を仕切る仕切り部材が配置され、仕切り部材の片側の隣接位置に第1端部12Bに相当する第1支持部が接続され、仕切り部材の反対側の隣接位置に第2端部12Cに相当する第2支持部が接続されたようなエアバッグも含まれる。また、「環状に膨張展開」の概念には、前記のような完全に閉じた環状のものも、本実施形態のように第1端部12Bと第2端部12Cとの合わせ部が若干開いているものも含まれる。
(4)請求項4乃至請求項7の「ガス排出口」の概念には、第1実施形態のように、第2端部12Cの開放端部12C’を縫製せずにリングプレート54等の固定手段でエアバッグケース20のガス排出口43の周囲に固定するものが含まれる他、第2実施形態のように、開放端部12C’に縫製部60を設定することで、ガス排出口62を設定するものの両方が含まれる他、開放端部12C’を最初はすべて縫製して閉じておき、バッグ内圧が所定値以上になると、内圧上昇程度に合わせて縫製部が徐々に破断してガス排出口が形成されるようなものも含まれる。
第1実施形態に係る助手席用エアバッグ装置が作動して助手席用エアバッグが膨張展開した状態を示す平面図である。 図1に示される助手席用エアバッグの斜視図である。 図1に示される助手席用エアバッグの折り畳み手順を示す説明図である。 図1に示される助手席用エアバッグ装置が作動した際の様子を示す作動説明図である。 図1に示される助手席用エアバッグのエアバッグケースへの固定構造を示す要部拡大断面図である。 第2実施形態に係る助手席用エアバッグ装置の要部を示す図2に対応する斜視図である。 第3実施形態に係る助手席用エアバッグ装置の要部を示す図1に対応する平面図である。
符号の説明
10 助手席用エアバッグ装置(車両用エアバッグ装置)
12 助手席用エアバッグ(エアバッグ)
12A 環状部
12B 第1端部
12B’ 開放端部
12C 第2端部
12C’ 開放端部
12D 乗員側の面(展開方向側の面)
14 インストルメントパネル(車両用内装部材)
20 エアバッグケース
22 インフレータ(ガス発生手段)
28 貫通穴
30 基布
30A 中央部
30B 一方の端部
30C 他方の端部
32 第1折れ線
35 縫製部
36 第2折れ線
40 ガス供給口
42 ガス排出口
60 縫製部
62 ガス排出口

Claims (7)

  1. 衝突時に作動してガスを噴出するガス発生手段と、
    通常時には車両用内装部材の内側に折り畳み状態で格納されると共に、衝突時にガス発生手段によって発生したガスの供給を受けることにより中央部に略車両上下方向に貫通する貫通穴を有する環状に膨張展開しかつ展開完了後も貫通穴を維持するエアバッグと、
    を有することを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグは、一枚の基布によって構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置。
  3. 前記基布は、両端部及び中央部を有しており、
    当該基布を両端部及び中央部を横断する第1折り線で上下二つ折りした後、両端部が閉塞されないように当該両端部を残して周縁部を縫製し、
    中央部を縦断する第2折り線で左右二つ折りして前記貫通穴を形成しかつ両端部が重なるように折り畳まれている、
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用エアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグにおける反乗員側の所定エリアには複数の開口部が形成されており、
    一部の開口部はガス発生手段と連通されてガス供給口として用いられ、残りの開口部はガス排出口として用いられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のいずれか一項に記載の車両用エアバッグ装置。
  5. 前記複数の開口部のうちガス排出口として用いられる開口部は、エアバッグが格納されるエアバッグケース内又はエアバッグドアが設けられる前記車両用内装部材の内側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項4記載の車両用エアバッグ装置。
  6. 前記ガス排出口は、前記基布の一方の端部の開放端部を一部を除いて縫製することにより形成されている、
    ことを特徴とする請求項3記載の車両用エアバッグ装置。
  7. 折り畳み状態のエアバッグの展開方向側の面から車両用内装部材に設けられたエアバッグドアの裏面までの距離に長短がある場合に、当該距離が長い方にエアバッグのガス供給口形成側を配置し、当該距離が短い方にエアバッグのガス排出口形成側を配置した、
    ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の車両用エアバッグ装置。
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