JP6043675B2 - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、ウェーハの加工方法に関する。
通常、ウェーハの研削時には、ウェーハの表面を保護する特開平05−198542号公報に開示されるような保護テープが貼着される。ところが、ウェーハを研削して厚みを薄く(例えば90μm以下)にする場合、加工中にウェーハの反りを抑制できずに反動でウェーハ自身の反りの力で破損してしまう可能性がある。さらには、加工中のナイフエッジ化によりクラックや割れが発生してしまう可能性がある。そこで、例えば特開2004−207606号公報に開示されるような剛体からなる支持部材上にウェーハを貼着した後、ウェーハを研削する方法が採用されている。通常、ウェーハはワックスや光硬化樹脂等で支持部材上に貼着される。
特開平05−198542号公報 特開2004−207606号公報
支持部材を剛体にすることでウェーハの反りが抑制できるため、薄化工が可能となるが、加工後のウェーハを支持部材から剥離することが困難である。例えば、支持部材からウェーハを剥離するときの支持部材やウェーハの破損を抑制できるなど、支持部材からウェーハを容易に剥離できることが好ましい。
本発明の目的は、支持部材からウェーハを容易に剥離することができるウェーハの加工方法を提供することである。
本発明のウェーハの加工方法は、ウェーハを薄化するウェーハの加工方法であって、支持部材の上面に外部刺激により硬化する樹脂を塗布し、ウェーハの表面を対面させウェーハを該樹脂に埋没させてウェーハの外周全周に渡って該樹脂がウェーハの裏面まで隆起するまでウェーハを押圧して載置し、該樹脂に外部刺激を与えて硬化させウェーハを該支持部材上に貼着固定するウェーハ貼着工程と、該ウェーハ貼着工程を実施した後、該支持部材側を保持テーブルで保持してウェーハの裏面を研削し所定厚みへと薄化する薄化工程と、該薄化工程を実施した後に、該裏面に該支持部材の外径よりも大きい外径を有する保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、該支持部材は外部からの力により湾曲可能な厚さの剛性部材で形成されており、該保護テープ貼着工程を実施した後に、ウェーハの該裏面から該支持部材の上面までの厚みよりも肉厚を有する肉厚部と該樹脂と該支持部材の上面との界面に挿入される挿入部を有するスクレーパー部材を、ウェーハの直径を挟んで各挿入部をウェーハ中心に向けた方向で、該支持部材と該樹脂の界面に2以上挿入するスクレーパー部材挿入工程と、該スクレーパー部材挿入工程の後に、少なくとも該支持部材の外径と同等の外径の吸引保持面を有する吸引保持テーブル上に該保護テープ側を載置し該保護テープを介してウェーハを該吸引保持テーブルに吸引保持すると、該スクレーパー部材の該肉厚部の下部が該保護テープを介して該吸引保持面に当接すると共に該肉厚部の上部が該支持部材を上方に押し上げることで、該樹脂から該支持部材を剥離する支持部材剥離工程と、を備えることを特徴とする。
上記ウェーハの加工方法において、該支持部材は、外部からの力により湾曲可能な厚さに形成された金属基板又は、外部からの力により湾曲可能な化学強化ガラス板から構成されることが好ましい。
本発明に係るウェーハの加工方法は、スクレーパー部材を、ウェーハの直径を挟んで各挿入部をウェーハ中心に向けた方向で、支持部材と樹脂の界面に2以上挿入するスクレーパー部材挿入工程と、吸引保持テーブル上に保護テープ側を載置し保護テープを介してウェーハを吸引保持テーブルに吸引保持すると、スクレーパー部材の肉厚部の下部が保護テープを介して吸引保持面に当接すると共に肉厚部の上部が支持部材を上方に押し上げることで、樹脂から支持部材を剥離する支持部材剥離工程と、を備える。本発明に係るウェーハの加工方法によれば、支持部材からウェーハを容易に剥離することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係るウェーハ貼着工程において支持部材に樹脂が塗布される様子を示す図である。 図2は、実施形態に係るウェーハ貼着工程において支持部材にウェーハが載置される様子を示す図である。 図3は、実施形態に係るウェーハ貼着工程においてウェーハが押圧される様子を示す図である。 図4は、実施形態に係るウェーハ貼着工程において樹脂を硬化させる様子を示す図である。 図5は、実施形態に係る薄化工程を示す図である。 図6は、実施形態に係る改質層形成工程を示す図である。 図7は、実施形態に係る保護テープ貼着工程を示す図である。 図8は、実施形態に係るスクレーパー部材挿入工程を示す断面図である。 図9は、実施形態に係るスクレーパー部材挿入工程を示す平面図である。 図10は、挿入されたスクレーパー部材を示す拡大図である。 図11は、実施形態に係る支持部材剥離工程の開始前の状態を示す図である。 図12は、実施形態に係る支持部材剥離工程において支持部材が剥離した状態を示す図である。 図13は、実施形態に係る樹脂剥離工程を示す図である。 図14は、実施形態の第1変形例に係るスクレーパー部材を示す平面図である。
以下に、本発明の実施形態に係るウェーハの加工方法につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図13を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、ウェーハの加工方法に関する。図1は、本発明の実施形態に係るウェーハ貼着工程において支持部材に樹脂が塗布される様子を示す図、図2は、実施形態に係るウェーハ貼着工程において支持部材にウェーハが載置される様子を示す図、図3は、実施形態に係るウェーハ貼着工程においてウェーハが押圧される様子を示す図、図4は、実施形態に係るウェーハ貼着工程において樹脂を硬化させる様子を示す図、図5は、実施形態に係る薄化工程を示す図、図6は、実施形態に係る改質層形成工程を示す図、図7は、実施形態に係る保護テープ貼着工程を示す図、図8は、実施形態に係るスクレーパー部材挿入工程を示す断面図、図9は、実施形態に係るスクレーパー部材挿入工程を示す平面図、図10は、挿入されたスクレーパー部材を示す拡大図、図11は、実施形態に係る支持部材剥離工程の開始前の状態を示す図、図12は、実施形態に係る支持部材剥離工程において支持部材が剥離した状態を示す図、図13は、実施形態に係る樹脂剥離工程を示す図である。
本実施形態に係るウェーハの加工方法は、ウェーハを薄化するウェーハの加工方法であって、ウェーハ貼着工程と、薄化工程と、保護テープ貼着工程と、スクレーパー部材挿入工程と、支持部材剥離工程と、を含んで構成されている。
(ウェーハ貼着工程)
ウェーハ貼着工程は、支持部材Sの上面S1に外部刺激により硬化する樹脂Rを塗布し、ウェーハWの表面W1を対面させウェーハWを樹脂Rに埋没させてウェーハWの外周全周に渡って樹脂RがウェーハWの裏面W2まで隆起するまでウェーハWを押圧して載置し、樹脂Rに外部刺激を与えて硬化させウェーハWを支持部材S上に貼着固定する工程である。
ウェーハ貼着工程では、まず、図1に示す樹脂塗布装置1によって支持部材Sの上面S1に液状の樹脂Rが塗布される。樹脂塗布装置1は、下方に向けて液状物を吐出可能なノズル11を備えている。樹脂塗布装置1は、ノズル11から樹脂Rを吐出する。樹脂塗布装置1は、円盤形状の支持部材Sに対して上面S1の中央部に樹脂Rを塗布する。
次に、図2に示すように、支持部材Sの上面S1に塗布された樹脂R上にウェーハWが載置される。ウェーハWは、表面W1を支持部材Sの上面S1と対面させて、支持部材Sとの間に樹脂Rを挟むようにして載置される。本実施形態のウェーハWは、略円盤形状を有するサファイア基板の表面W1に窒化ガリウム系化合物半導体層が積層された光デバイスウェーハである。ウェーハWの表面W1には、格子状の分割予定ライン(図示省略)が設けられている。ウェーハWの表面W1には、分割予定ラインで区画された各領域に光デバイスが形成されている。
支持部材Sは、外部からの力により湾曲可能な厚さの剛性部材で形成されている。支持部材Sは、外部からの力によって弾性変形により湾曲可能である。支持部材Sは、略円盤形状を有する基板である。支持部材Sは、例えば、アルミニウム、ステンレス、銅等の金属素材からなる金属基板であってもよく、化学強化ガラスからなるガラス基板であってもよい。支持部材Sを金属基板とする場合、支持部材Sの厚さは例えば、100μm〜1mmとすることができる。化学強化ガラスは、ガラスを溶融塩に浸漬し、イオン交換することで表面に圧縮層を形成したガラスである。化学強化ガラスとしては、例えば、旭硝子株式会社製「Dragontrail」(登録商標)を用いることができる。支持部材Sを化学強化ガラスのガラス基板とする場合、支持部材Sの厚さは、例えば、100μm〜2mmとすることができる。なお、支持部材Sの上面S1は、樹脂Rが塗布される面である。以降の工程では、支持部材Sの上面S1が下側を向く状態で工程が実行される場合がある。
樹脂Rは、紫外光を照射されることで硬化する光硬化性を有する。樹脂Rは、無溶剤であることが好ましい。樹脂Rとしては、例えば、電気化学工業株式会社製「TEMPLOC」(登録商標)を用いることができる。
支持部材S上にウェーハWが載置された後、図3に示すように、プレス装置2によってウェーハWが押圧される。プレス装置2は、保持テーブル21と押圧部22とを含んで構成されている。保持テーブル21は、保持面21aを有し、保持面21aに支持部材Sを保持する。保持面21aは、例えば、図示しない吸引源と連通するポーラスセラミックで構成されており、支持部材Sを吸引保持する。樹脂Rが塗布され、かつウェーハWが載置された支持部材Sは、下面S2が保持面21aと対向するように保持テーブル21上に載置される。
押圧部22は、保持テーブル21の保持面21aと対向して配置されており、保持面21aと直交する方向に移動可能である。押圧部22の先端面は、円形であり、その外径はウェーハWの外径よりもわずかに小さい。プレス装置2は、保持面21aに支持部材Sが吸着保持された状態で押圧部22を保持面21aに向けて移動させ、ウェーハWを支持部材Sに向けて押圧する。押圧部22の先端面22aによってウェーハWの裏面W2が押圧されると、ウェーハWと支持部材Sとの間隔が狭まり、樹脂Rは放射状に広がる。放射状に広がった樹脂Rは、ウェーハWの外周よりも外側まで広がり、ウェーハWを埋没させる。プレス装置2は、ウェーハWを樹脂Rに埋没させてウェーハWの外周全周に渡って樹脂RがウェーハWの裏面W2まで隆起するまでウェーハWを押圧する。本実施形態のウェーハ貼着工程では、プレス装置2は、樹脂RとウェーハWの裏面W2とが面一となるまでウェーハWを樹脂R内に埋没させる。図3に示すように、実施形態のウェーハWは外周の角部Wcが円弧形状となっている。このため、樹脂RがウェーハWの裏面W2側まで回り込み、ウェーハWを強固に固定する。
プレス装置2がウェーハWを支持部材S上に押圧して載置すると、図4に示すように、樹脂Rに対して紫外光UVが照射される。図4に示す紫外光照射装置3は、保持テーブル31と紫外光照射部32とを含んで構成されている。保持テーブル31は、保持面31aを有し、保持面31aに支持部材Sを保持する。保持面31aは、例えば、図示しない吸引源と連通するポーラスセラミックで構成されており、支持部材Sを吸引保持する。ウェーハWが押圧して載置された支持部材Sは、下面S2が保持面31aと対向するように保持テーブル31に載置される。
紫外光照射部32は、紫外光を照射する光源33を有する。紫外光照射部32は、保持テーブル31上に保持された支持部材S、樹脂RおよびウェーハWに対してウェーハWの裏面W2側から紫外光UVを照射する。ウェーハWは、紫外光UVを透過させるサファイア樹脂で構成されている。このため、照射された紫外光UVは、ウェーハWを透過して樹脂Rに到達する。樹脂Rは、紫外光UVにより化学反応して硬化し、ウェーハWを支持部材Sに対して固定する。つまり、紫外光照射装置3は、樹脂Rに対して外部刺激である紫外光UVを与えて硬化させウェーハWを支持部材Sに貼着固定する。
(薄化工程)
薄化工程は、ウェーハ貼着工程を実施した後、支持部材S側を保持テーブルで保持してウェーハWの裏面W2を研削し所定厚みへと薄化する工程である。薄化工程は、図5に示す研削装置4によって実行される。研削装置4は、保持テーブル41と、研削手段42とを含んで構成されている。
保持テーブル41は、保持面41aを有し、保持面41aに支持部材Sを保持する。保持面41aは、例えば、図示しない吸引源と連通するポーラスセラミックで構成されており、支持部材Sを吸引保持する。ウェーハWが貼着固定された支持部材Sは、下面S2が保持面41aと対向するように保持テーブル41に載置される。保持テーブル41は、中心軸線C1を回転中心として回転可能に保持されている。保持テーブル41は、図示しないモータ等の回転機構によって回転駆動される。
研削手段42は、研削ホイール43と研削砥石44とを有する。研削ホイール43の中心軸線C2は、保持テーブル41の中心軸線C1に対して、保持テーブル41の径方向にオフセットされている。研削ホイール43は中心軸線C2を回転中心として回転可能である。研削ホイール43は、図示しないモータ等の回転機構によって回転駆動される。研削ホイール43の先端面には、研削砥石44が配置されている。
研削装置4は、研削砥石44をウェーハWの裏面W2に接触させた状態で保持テーブル41および研削ホイール43をそれぞれ回転させることにより、ウェーハWの裏面W2を研削する。研削装置4は、ウェーハWの裏面W2と共に、ウェーハWの外周部に隆起した樹脂Rを研削する。
研削装置4は、ウェーハWを所定厚みへと薄化する。研削装置4は、図示しないハイトゲージを有しており、ウェーハWの厚みを測定することができる。研削装置4は、ハイトゲージの検出結果に基づいて、ウェーハWの厚みを予め入力された所定厚みとするように、ウェーハWの裏面W2を研削する。ウェーハWの厚みを所定厚みとする薄化が完了すると、薄化工程が終了する。
(改質層形成工程)
改質層形成工程は、薄化工程を実施した後に、ウェーハWに対してレーザー光線Lを照射してウェーハW内に改質層Kを形成する工程である。改質層形成工程は、図6に示すレーザー加工装置5により実行される。レーザー加工装置5は、保持テーブル51と、レーザー光線照射手段52とを含んで構成されている。
保持テーブル51は、保持面51aを有し、保持面51aに支持部材Sを保持する。保持面51aは、例えば、図示しない吸引源と連通するポーラスセラミックで構成されており、支持部材Sを吸引保持する。支持部材Sは、下面S2が保持面51aと対向するように保持テーブル51に載置される。裏面W2が研削されて薄化されたウェーハWは、支持部材Sを介して保持テーブル51に保持される。
レーザー光線照射手段52は、保持テーブル51に保持されたウェーハWに対して透過性を有する波長のレーザー光線Lを照射する。レーザー光線照射手段52は、集光点をウェーハWの内部に位置付けてレーザー光線Lを照射する。レーザー加工装置5は、レーザー光線照射手段52と保持テーブル51とを相対移動させる図示しない移動手段を有する。移動手段は、レーザー光線Lの光軸と直交する方向にレーザー光線照射手段52と保持テーブル51とを相対移動させる。レーザー加工装置5は、レーザー光線照射手段52によってレーザー光線Lを照射させながらレーザー光線照射手段52と保持テーブル51とを相対移動させ、ウェーハWの分割予定ラインに沿って改質層Kを形成する。
(保護テープ貼着工程)
保護テープ貼着工程は、薄化工程を実施した後に、裏面W2に支持部材Sの外径よりも大きい外径を有する保護テープTを貼着する工程である。本実施形態では、改質層形成工程を実施した後に保護テープ貼着工程が実行される。図7に示すように、保護テープTは、支持部材Sの外径よりも大きい外径を有し、一方の面に粘着層T1を有する。ウェーハWの裏面W2に保護テープTの粘着層T1が貼着される。つまり、保護テープTは、支持部材Sとの間にウェーハWおよび樹脂Rを挟むようにしてウェーハWの裏面W2に貼着される。
(スクレーパー部材挿入工程)
スクレーパー部材挿入工程は、保護テープ貼着工程を実施した後に、ウェーハWの裏面W2から支持部材Sの上面S1までの厚みよりも肉厚を有する肉厚部と樹脂Rと支持部材Sの上面S1との界面に挿入される挿入部を有するスクレーパー部材6を、ウェーハWの直径を挟んで各挿入部をウェーハ中心C3に向けた方向(図8の矢印Y1参照)で、支持部材Sと樹脂Rの界面に2以上挿入する工程である。
図8および図9に示すように、スクレーパー部材6は、肉厚部61と挿入部62を含んで構成されている。図9には、ウェーハWの裏面W2側から見た平面図が示されている。なお、図9では、保護テープTは省略されている。本実施形態に係るスクレーパー部材6は、図8に示すように断面形状が直角三角形の棒状部材である。また、図9に示すように、本実施形態のスクレーパー部材6の長さL1は、ウェーハWの直径R1よりも小さく、かつウェーハWの半径rよりも大きい。図10に示すように、スクレーパー部材6は、第一角部63および第二角部64を有する。第一角部63および第二角部64は、それぞれ断面形状における内角θ1,θ2が鋭角である角部である。本実施形態のスクレーパー部材6では、第一角部63の内角θ1が第二角部64の内角θ2よりも小さい。
第二角部64は、樹脂Rと支持部材Sの上面S1との界面Bに挿入される挿入部62の先端となっている。挿入部62は、くさび形状であることが好ましい。当接面65は、断面形状において第一角部63の対辺をなすものである。当接面65は、支持部材Sの上面S1に当接して支持部材Sを支持する。肉厚部61は、側面66を含んで構成されている。側面66は、断面形状において第二角部64の対辺をなすものである。肉厚部61の肉厚tは、側面66の幅、すなわち断面形状における第二角部64の対辺の長さである。肉厚部61の肉厚tは、ウェーハWの裏面W2から支持部材Sの上面S1までの厚みt1よりも大きい。
図8および図9に示すように、スクレーパー部材6は、ウェーハWの直径R1を挟んで各挿入部62をウェーハ中心C3に向けた方向で、支持部材Sと樹脂Rの界面Bに挿入される。本実施形態では、2つのスクレーパー部材6が界面Bに挿入される。一対のスクレーパー部材6は、ウェーハWの中心C3を間に挟んで互いに対向し、かつ互いに平行となるようにして支持部材Sと樹脂Rとの界面Bに挿入される。スクレーパー部材挿入工程は、例えば、オペレーターによってなされてもよい。界面Bにスクレーパー部材6の挿入部62が挿入されることにより、樹脂Rの縁部が支持部材Sから剥離する。また、挿入部62が樹脂Rと支持部材Sとの間に挿入されて樹脂Rと支持部材Sとの隙間を押し広げる力を作用させているため、この部分から剥離が進行しやすくなる。
(支持部材剥離工程)
図11を参照して、支持部材剥離工程について説明する。支持部材剥離工程は、スクレーパー部材挿入工程の後に実行される。支持部材剥離工程は、少なくとも支持部材Sの外径と同等の外径の吸引保持面71aを有する吸引保持テーブル71上に保護テープT側を載置し保護テープTを介してウェーハWを吸引保持テーブル71に吸引保持すると、スクレーパー部材6の肉厚部61の下部が保護テープTを介して吸引保持面71aに当接すると共に肉厚部61の上部が支持部材Sを上方に押し上げることで、樹脂Rから支持部材Sを剥離する工程である。
支持部材剥離工程は、例えば、改質層Kが形成されたウェーハWを個々のデバイスに分割する分割装置7によって実行されてもよい。分割装置7は、吸引保持テーブル71と、吸引源72と、切替弁73とを含んで構成されている。
吸引保持テーブル71は、吸引保持面71aを有する。吸引保持面71aの外径は、少なくとも支持部材Sの外径と同等である。また、吸引保持面71aの外径は、ウェーハWの外径よりも大きく、樹脂Rの外径よりも大きい。吸引保持面71aは、例えば、ポーラスセラミックで構成されており、支持部材Sを吸引保持する。吸引保持面71aは、吸引源72と接続されている。吸引源72は、負圧を発生させるものであり、吸引保持面71aに負圧を供給することができる。切替弁73は、吸引保持面71aと吸引源72とを連通あるいは遮断する切替式の弁である。
図11には、切替弁73が閉弁し、吸引保持面71aと吸引源72とが遮断された状態が示されている。ウェーハWは、保護テープTが貼着された裏面W2側を吸引保持面71aに向けて吸引保持テーブル71上に載置される。スクレーパー部材6の肉厚tがウェーハWの裏面W2から支持部材Sの上面S1までの厚みt1よりも大きいことから、支持部材Sは、スクレーパー部材6を介して吸引保持テーブル71によって支持された状態となる。これにより、吸引保持面71aと保護テープTとの間には空間部8が形成される。つまり、保護テープTのうちウェーハWの裏面W2に貼着された部分は、吸引保持面71aから浮き上がった状態となる。
図12に示すように、切替弁73が開弁されて吸引保持面71aが吸引源72と連通されると、空間部8(図11参照)の空気が吸引されて空間部8が負圧となる。これにより、保護テープT、ウェーハW、樹脂Rおよび支持部材Sは、吸引保持面71aに向けて吸引される。保護テープT、ウェーハWおよび樹脂Rは、吸引力によって吸引保持面71aに向けて移動し、保護テープTは図12に示すように吸引保持面71aによって吸引保持される。つまり、吸引保持テーブル71は、保護テープTを介してウェーハWを吸引保持する。このときに、支持部材Sは、スクレーパー部材6によって支持されており、吸引保持面71aに向けて移動することが規制されている。スクレーパー部材6は、第一角部63が保護テープTを介して吸引保持テーブル71に当接すると共に、当接面65が支持部材Sに当接して支持部材Sを上方に押し上げる。吸引保持面71aに向かう吸引力により、支持部材Sは、吸引保持面71aに向けて湾曲する。
ここで、スクレーパー部材挿入工程において支持部材Sと樹脂Rとの境界にスクレーパー部材6の挿入部62が挿入されて樹脂Rと支持部材Sとが一部剥離されている。また、挿入部62が樹脂Rと支持部材Sとの間に挿入されて、樹脂Rおよび支持部材Sを互いに離間する方向に押し広げている。従って、挿入部62が挿入された外縁部から中央部(径方向内側)へ向けて順次支持部材Sと樹脂Rとの剥離が進行(伝播)し、樹脂Rから支持部材Sが剥離される。
支持部材剥離工程では、吸引保持テーブル71の吸引力によって樹脂Rから支持部材Sが完全に剥離されるようにしてもよく、一部の領域を残して樹脂Rから支持部材Sが剥離されるようにしてもよい。吸引力によって樹脂Rから支持部材Sが完全に剥離されるようにする場合、完全に剥離する瞬間に反動によって支持部材Sが跳ね上がってしまわないように、これを抑制する手段を設けることが好ましい。
吸引力では完全に剥離せず、一部の領域を残して樹脂Rから支持部材Sが剥離されるようにした場合、樹脂Rの一部と支持部材Sの一部とが貼着固定されたままとすることができる。樹脂Rから支持部材Sを完全に剥離する工程は、例えば、オペレーターが行うようにすればよい。
吸引保持テーブル71の吸引力によって樹脂Rから支持部材Sを完全に剥離させるか否かは、例えば、吸引保持テーブル71の吸引力(負圧の大きさ)や、スクレーパー部材6の肉厚部61の肉厚t、スクレーパー部材6の個数、支持部材Sの剛性等により調節可能である。
(樹脂剥離工程)
図13を参照して、樹脂剥離工程について説明する。樹脂剥離工程は、支持部材剥離工程の後に実行される。樹脂剥離工程は、ウェーハWから樹脂Rを剥離する工程である。樹脂剥離工程では、樹脂Rの外周部の一部を保護テープTから離間する方向に引っ張ることで、ウェーハWから樹脂Rが剥離される。樹脂剥離工程は、例えば、保護テープTの外周部を環状フレームFに貼着した状態で実行される。
以上説明したように、本実施形態に係るウェーハの加工方法によれば、吸引保持テーブル71の吸引力によって樹脂Rから支持部材Sを剥離することで、容易に支持部材Sを剥離することができる。ウェーハWの加工終了後に樹脂Rと支持部材Sとの界面Bにスクレーパー部材6を介在させてスクレーパー部材6をウェーハ裏面基準に上昇させて支持部材を剥離するため、容易にかつ確実に支持部材Sを樹脂Rから剥離することができる。
本実施形態に係るウェーハの加工方法によれば、ウェーハWが支持部材Sに貼着固定されていることで加工時等のウェーハWのそりに起因した割れやクラックを抑制することができる。また、吸引力によって支持部材SからウェーハWを剥離することで剥離時のウェーハWの破損を抑制し、ウェーハWを良好に分割可能とすることができる。
なお、本実施形態では、ウェーハWがサファイアからなる光デバイスウェーハであったが、これに限定されるものではなく、例えばシリコンからなる半導体ウェーハ、化合物半導体ウェーハ、SiCやGaNウェーハ等であってもよい。
樹脂Rは、光以外の外部刺激によって硬化するものであってもよい。例えば、樹脂Rは、熱により硬化する熱硬化樹脂であってもよい。
本実施形態に係るウェーハの加工方法は、薄化工程を有する他のウェーハの加工方法にも適用可能である。
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例について説明する。図14は、実施形態の第1変形例に係るスクレーパー部材を示す平面図である。第1変形例に係るスクレーパー部材9は、湾曲している点で上記実施形態のスクレーパー部材6と異なる。スクレーパー部材9は、肉厚部91と挿入部92とを含んで構成されている。スクレーパー部材9の肉厚部91および挿入部92は、それぞれ平面視において円弧状に湾曲している。スクレーパー部材9の湾曲形状は、ウェーハWの直径R1を挟んで各挿入部92をウェーハ中心C3に向けた方向で支持部材Sと樹脂Rの界面に挿入するときに、径方向外側に向けて凸となる形状である。
スクレーパー部材9の挿入部92の内周92aがなす円弧の半径は、例えば、ウェーハWの半径rと同等とされてもよく、ウェーハWの半径rよりも大きくされてもよい。スクレーパー部材9は、湾曲していることにより、周方向の広い範囲で樹脂Rと支持部材Sとの間に挿入されて樹脂Rから支持部材Sを剥離させることができる。また、スクレーパー部材9は、湾曲していることにより、吸引保持テーブル71の吸引力に抗して支持部材Sを支持するときの安定性が向上する。
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。上記実施形態では、支持部材Sと樹脂Rとの界面に挿入されるスクレーパー部材6の個数が2であったが、これに限定されるものではなく、3以上のスクレーパー部材6が挿入されてもよい。例えば、ウェーハWの厚み(薄化工程実行後の厚み)や樹脂Rの厚み、ウェーハWの直径R1等に応じてスクレーパー部材6の挿入個数が適宜変更される。例えば、ウェーハWや樹脂Rの厚みが大きい場合、厚みが小さい場合よりもスクレーパー部材6の個数が多くされる。また、ウェーハWの直径R1が大きい場合、直径R1が小さい場合よりもスクレーパー部材6の個数が多くされてもよい。
スクレーパー部材6の肉厚部61の肉厚tは、ウェーハWの厚み(薄化工程実行後の厚み)や樹脂Rの厚み、ウェーハWの直径R1等に応じて適宜変更されてもよい。例えば、ウェーハWや樹脂Rの厚みが大きい場合、厚みが小さい場合よりも肉厚部61の肉厚tが大きくされてもよい。また、ウェーハWの直径R1が大きい場合、直径R1が小さい場合よりも肉厚部61の肉厚tが大きくされてもよい。
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
6 スクレーパー部材
61 肉厚部
62 挿入部
71 吸引保持テーブル
71a 吸引保持面
72 吸引源
73 切替弁
L レーザー光線
L1 スクレーパー部材の長さ
R 樹脂
S 支持部材
S1 上面
S2 下面
T 保護テープ
W ウェーハ
W1 表面
W2 裏面

Claims (2)

  1. ウェーハを薄化するウェーハの加工方法であって、
    支持部材の上面に外部刺激により硬化する樹脂を塗布し、ウェーハの表面を対面させウェーハを該樹脂に埋没させてウェーハの外周全周に渡って該樹脂がウェーハの裏面まで隆起するまでウェーハを押圧して載置し、該樹脂に外部刺激を与えて硬化させウェーハを該支持部材上に貼着固定するウェーハ貼着工程と、
    該ウェーハ貼着工程を実施した後、該支持部材側を保持テーブルで保持してウェーハの裏面を研削し所定厚みへと薄化する薄化工程と、
    該薄化工程を実施した後に、該裏面に該支持部材の外径よりも大きい外径を有する保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
    該支持部材は外部からの力により湾曲可能な厚さの剛性部材で形成されており、該保護テープ貼着工程を実施した後に、ウェーハの該裏面から該支持部材の上面までの厚みよりも肉厚を有する肉厚部と該樹脂と該支持部材の上面との界面に挿入される挿入部を有するスクレーパー部材を、ウェーハの直径を挟んで各挿入部をウェーハ中心に向けた方向で、該支持部材と該樹脂の界面に2以上挿入するスクレーパー部材挿入工程と、
    該スクレーパー部材挿入工程の後に、少なくとも該支持部材の外径と同等の外径の吸引保持面を有する吸引保持テーブル上に該保護テープ側を載置し該保護テープを介してウェーハを該吸引保持テーブルに吸引保持すると、該スクレーパー部材の該肉厚部の下部が該保護テープを介して該吸引保持面に当接すると共に該肉厚部の上部が該支持部材を上方に押し上げることで、該樹脂から該支持部材を剥離する支持部材剥離工程と、
    を備えるウェーハの加工方法。
  2. 該支持部材は、外部からの力により湾曲可能な厚さに形成された金属基板又は、外部からの力により湾曲可能な化学強化ガラス板から構成される、請求項1記載のウェーハの加工方法。
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